2ちゃんねる百物語2001〜雨月堂より〜

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124雨虎
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これは私の父が子供のころに体験した話です。

ある日、父親一人で川端を歩いていると、向こう岸の岩の上に人間の子供くらいの大きさのかえるが乗っかっていました。
父はそのあまりの大きさにびっくりしましたが、ちょっとちょっかいを出してやろうと思い、足元に落ちていた小石を拾ってかえるに向かって投げたんだそうです。
石がかえるに命中した瞬間「いたいっ!!」という声が聞こえました。
なんとかえるがしゃべったのです。
あまりに唐突な出来事に、父はめちゃくちゃ驚きました。
かえるがしゃべるなんて、常識では考えられません。
しかし、ひょっとしたら・・・とも思い、父はもう一度石を投げたのです。
投げた石は再び命中しました。
すると、かえるは同じように「いたいっ!!」と声を上げたのです。
今度ははっきりと聞こえました。勘違いなどではありません。
父はかえるがしゃべったという事実が恐ろしくなり、一目散に家に逃げ帰ったそうです。

その日の夕方、父はかえるがしゃべったということを家族に話しました。
家族は、んなことあるかいと大笑いしたそうですが、ただ一人姉だけはその話を真剣に聞いてくれたそうです。
父はそのことを不思議に思ったので、姉に理由を聞いてみました。
すると、姉は「昼間川端の岩の上に座っていたら、お前が私に石を投げてきた。そして、私がいたいっ!!と言ったら、お前は真っ青になって逃げて行ったんだよ。」と言ったそうです。

恐くなくてスマソ。
でも、いつもはこんな話しない父がふいに話したので、すごく印象に残ってたりする・・・。