死を覚悟した瞬間

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266あなたのうしろに名無しさんが・・・
自殺未遂、でてませんね。じゃわたしが一発。
厨房んとき自殺を企てたことがある。
学校と家と当時通ってたスパルタ塾の軋轢で、ヘトヘトになり、もう逃げたいと
考えだしたらとまらなくなった。あれこれ調べて即効性の古い殺虫剤の成分が
自殺向きとわかって、店回って探してきて、コーヒーに混ぜて呑んだ。
もの凄い味で胃が焼けそうだった。
でも、心のどこかで死にたくねーと思ってたんで、殺虫剤は即死というほどの量で
なかった。そんでも三十分後、足からシビレはじめた。立てなくなった。
身体の下から麻痺していくのが、妙におかしかった。ああ、こうやって死ぬんか
と思い、母ちゃんに申し訳ないなとか自分の葬式のことをあれこれ考えたよ。
遺書は書かなかった。自殺とわかると家族に迷惑かかるからさ。
ベッドに横たわって、死ぬ用意をした。家中留守で夜までだれも帰って
こないはずだったから、準備は万端だった。
・・・・が、気持ちの悪さでたまらず、洗面所に這っていって吐いた。
吐きだしたら止まらなくて、水をのんでまた吐いて、下痢もして。
半日ゲーゲービャービャーやってるうちに、しびれはとれた。
どうも、自分で胃洗浄やったらしい。
一週間ほど風邪ひいたことにして寝ていた。
休みあけ、学校の顧問に話してクラブの部長をやめさしてもらい、塾もやめた。
それまでどうしても止めたいと言い出せなかったんだ。
馬鹿な話だが、人に落胆されたり嫌われるほうが当時は死ぬより辛いことに思えた
んだ。他人にどう思われるか気にしながら優等生やってたから。
生徒会長は・・・・まあ任期開けまでやったが。
その後、二、三年、ずっと肝臓がおかしかった。でも、医者にいっても理由はいえないしな。
死にかけていたとき、這ってあがった階段のことが妙に焼き付いているよ。這いあがりながら、
このまま死ぬのかな、やっぱり死にたくねーと思ったこと。
生きててよかったと思ったのは、
おれだって好きで優等生やってるわけじゃねえよ!
と、いえるようになったこと。いえないまま死んだら負け犬だったな。