最初の記憶は、どこかで寝ているシーン。
周囲にいろんなひとがいて、
「本当に行くのか?」
「苦労するんだぞ」
ってみな心配して止めている。
どうやら、これから生まれるらしい。
そこから、ずっと下へ沈み込んでいって永遠とも呼べるような長い落下。
やっと落ち着いたと思ったら、くらいどこか。
自分の身体もないような状態で、ただ寂しさに泣いていた。
あまりに激しく泣いていたので、多分誰かを呼んでしまったのだと思う。
「いい加減に泣きやめ! 目がさめるのが早い!」
という若い男の声が聞こえた。
声、というより怒声だったかな。
彼の言うことによれば、ここは彼が居て良い場所ではないらしい。
他者に会えて安心した私は、とりあえず眠ることにした。