1 :
月明 ◆vQGKKdpBnE :
2 :
動画 ◆ElPl8xGQc2 :2012/08/18(土) 21:08:52.96 ID:9cScHy9v0
【ルール】
○進行は、基本age進行です。
○本スレは進行役がご案内します。進行、非常時にも指示等はお任せ下さい。
○飛び入り語り部さん、大歓迎です。まずは、受付スレにお越し下さい。
○本スレの進行の妨げにならぬよう、雑談は雑談スレにてお願いします。
○気分が悪くなったり、変なものが見えた際には、雑談スレに記載しているお守りなどを利用して下さい。
○怖くてトイレに行けなくなりますので、事前に済ませておいて下さい。
○本スレにおいて、何がありましてもすべて自己責任でお願い致します。
○万一天候の悪化で雷が鳴り始めた時は、自分のPCを守ることを最優先してください。
3 :
動画 ◆ElPl8xGQc2 :2012/08/18(土) 21:09:27.28 ID:9cScHy9v0
【原稿の書き方と投稿について】
●●●投稿する文章は、メモ帳等に全部書き終えてから投稿しましょう●●●
○他の人が書き込んでいる途中で話を投下しないよう、注意しましょう。
●●●書き込む前に更新チェックを欠かさずに●●●
○語る内容が2レス以上になる場合は、本文(タイトルの横など)に、
(現在のページ→)1/2(←総ページ数)を入れて下さい。
○「あまり恐くないかも」等の前置きは必要ありません。遠慮せず書き込みましょう。
○文章の終わりには、必ず【完】【終わり】などをお入れ下さい。
○出来れば、2〜4レス程で、話の完結を推奨します。
○一レスあたりの行数は32行です。文字数は関係ありませんが、一レスの容量は2048バイトです。
○受付完了後、本スレにて案内人の指示がでるまでお待ち下さい。
※受付をしていない、指示が出ていないのに投下された話は、ノーカウントとさせて頂きます
※2ch書き込み規制になってしまった方 代理投稿希望の方
避難所
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/computer/22553/1282328573/ へ
受付時のコテ・トリップ付きで『規制中・代理投稿希望』の旨、できるだけ早めにお知らせ下さい。
それでは、開宴まで今しばらくお待ちください。
4 :
本当にあった怖い名無し:2012/08/18(土) 21:10:24.81 ID:sX0KZifh0
単発糞スレ立てんな死ね
5 :
本当にあった怖い名無し:2012/08/18(土) 21:13:41.11 ID:GGBRK8Yj0
宵闇至りて 言の葉紡ぎ
怪異談じて 奇を語る
此の岸 百の灯火あり
幽く 移ろい 惑うて 揺れる
灯明 応に迎へ火と為すべし
超常 将に顕現せんとす
―――――2012年 百物語 開宴―――――――
昨日の人 ◆3wiF1V29nQさん、第一話をお願いします…
6 :
昨日の人 ◆3wiF1V29nQ :2012/08/18(土) 21:16:07.36 ID:w3QVPSRW0
夏の風景 1/2
小学校高学年の夏休み。
祖父母の元へ一週間ほど泊まりで帰省していた時の話。
山奥の村落、20軒ほどが身を寄せ合うところで
村には私のような子供は一人も居なかった。
住人はほとんどが高齢者ばかりのようで過疎という言葉が当てはまる場所。
かといって暗い雰囲気は無く、小さな訪問者(私)に皆が親切にしてくれた。
「ミノル(父)の倅か、ほーかほーか。」「テービもねぇから詰まらんろ。」
「独楽回すか、独楽。」「後で、釣りいくべ。」
「虫がいねぇんだろ、あっちは。捕り方おしえんべか。」
どちらが子供か・・・。でも、うれしい。
二日目に祖父と釣りへ出かけた。村の爺様ほとんど連れて・・・。
山間の上流、比較的流れが緩やかな場所。気を使ってくれているのは分かった。
竿の振り方や餌のつけ方、魚の居そうな場所などを教わり・・・十人居ると十人が微妙に違う。
釣り始めて二時間もしないうちに爺様たちは宴会になっていた。
一人竿を振る私のところへ代わる代わるきては、微妙に異なるコツを教えてくれた。
「あ?かかった?」
そろそろ飽きかけていたところ竿が引かれた気が。
引き上げて見ると、緑色の塊だった。
7 :
昨日の人 ◆3wiF1V29nQ :2012/08/18(土) 21:17:36.57 ID:w3QVPSRW0
見ていた祖父と爺様達は、遠巻きに
「お、ゆっくりな、ゆっくり。」「でぇじにあつかえ。」等、わけがわからない。
丁寧に外し、よく見ると緑色に錆びた風鈴のようだ。
「爺ちゃん、これ。」と祖父に渡そうとしても受け取らない、触ろうとしない。
「おっ、いいからお前がもってろ。」ちょっと待って下さい、お祖父ちゃん。
他の爺様達も笑顔だが、誰も近づかない。その後すぐに村へ帰ることになった。
祖父の家へ戻ると祖母も同じ反応だった。近づこうとしない。
でも、泣くほど不安になったわけではなかった。
村中の人が祖父の家へ集まってきた。お爺ちゃんお婆ちゃんだらけの中。
「それにはおめぇ以外触れねえんだ。」「良い事があるよう。」
「わしは二度目かの。」「まえは誰だった?。」等、笑いながら話していた。
祖父が「それはお前のもんだ、綺麗にして大事にしなきゃな。」と、小さな箱をくれた。
とりあえず、箱へしまいやっと重たいものから逃れられたような気がした。
箱は仏壇へ納められ、私が帰る日までそのままだった。
帰る日まで村中の人から風鈴の経緯を聞かされていたが、「よいもの」である以外
内容がまちまちなため結局分からず終いでいる。
今年も風鈴をつるしてはいるが、残念ながら音が鳴らない。
ただ、あの時のお爺ちゃんお婆ちゃん達の笑顔、子供のようだった。
何が起きるのかワクワクしている。
終
8 :
動画 ◆ElPl8xGQc2 :2012/08/18(土) 21:18:00.47 ID:9cScHy9v0
一本目の蝋燭が消えました・・・
昨日の人◆3wiF1V29nQさん、ありがとうございました
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三年目の朝顔◆6.QkgMwzsUさん、第二話をお願いします
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語り部希望は【語り部受付スレ】で、
雑談と感想は【雑談スレ】で、
規制中の方は【避難所】でお願いします。
9 :
三年目の朝顔 ◆6.QkgMwzsU :2012/08/18(土) 21:18:30.85 ID:Pz8hVc6P0
「Bar」
とある、バーでの事。
その日も馴染みの客で賑わう、ごくあたりまえの風景の中で、ひとり、
見掛けない女性客がカウンター席に座っていた。
ここのバーは裏通りの目立たない場所にあるので、新規の客をあまり見掛け
ない。だから余計に目を引いたのかもしれないが、自分は妙にその女の存在が
気に掛かった。
…酒も数杯飲み、マスターやスタッフとの会話も途切れた時、自分は何故か
急に眠くなってきた。その日も35度を超す猛暑で、涼みがてらバーに駆け込み、
お腹も満たされ、程よく酒もまわり、居心地が良くなったせいだろうと思って
いた。マスターも明日の休みを前に疲れが溜まっているのか、あくびを噛み
殺していた。
その時「すみません」と、沈黙を破るように女から声が掛かり、マスターと
スタッフは返事をして女がいるカウンター席を見た。
自分もボーッとした頭で、隣の客越しに女を見ようとして思わず、目を
擦った。マスターを見るとスタッフと顔を見合わせてキョトンとしている。
………。あの夏、バーから忽然と姿を消した女の声が、未だにハッキリと耳に
残っているのに、女の姿をバーで見る事は二度と無かった。
〜 完 〜
10 :
動画 ◆ElPl8xGQc2 :2012/08/18(土) 21:19:04.18 ID:9cScHy9v0
二本目の蝋燭が消えました・・・
三年目の朝顔◆6.QkgMwzsUさん、ありがとうございました
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憂莉◆BPe4rMCg8kさん、第三話をお願いします
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語り部希望は【語り部受付スレ】で、
雑談と感想は【雑談スレ】で、
規制中の方は【避難所】でお願いします。
11 :
代理投稿 ◆ztxSLaq9Ok :2012/08/18(土) 21:20:29.37 ID:YriqamUu0
憂莉 ◆BPe4rMCg8k 『引っ越し』
(1/2)
今の家に引っ越したのは去年の11月か12月ごろだったと思う。
親の都合でよく引っ越しをするので慣れてはいるが、毎度毎度面倒である。
どうせ引っ越すだろうと高をくくり荷解きをほとんどしていなかったので今回はいつもより早く荷造りが終わったのだが、それでも家族の荷造りを手伝っていたらバイトに行けなくなるほどのハードスケジュールではあった。
引っ越しをする、と言ってくるのが毎回急なのだ。
しかし今回は少しだけ嬉しくもあった。
前の家は少し変なことがたびたび起こっていたのだ、詳しい話は本題からそれるので割愛させていただくが、
ともかくそれから解放されるということが引っ越しへの唯一のモチベーションだった。
引っ越してからしばらくは快適な生活だった。
もともとバイト先が入りたいときに入って入りたくないときは入らなくていいというスタンスの会社なので
引っ越しやその時家庭がゴタゴタしていたのを理由にいわゆるニートのような暮らしをしていたので暇を持て余してはいたが。
母親は仕事でほとんど家にはおらず、兄もバイトで休みの日以外は朝から夕方まで家にはいないのでほとんど一人で過ごしていた。
もともと一人が好きな性格なのでまったく苦痛では無かったが、一番家にいたから気付くこともある。
最初は些細な音だった。
ある日部屋で本を読んでいると聞き慣れない音が聞こえてきた。
ツッ・・ツッ・・ツッ・・と、何かを爪ではじいてるような音が。
治安が悪いので窓はあけておらず風はない、しかし部屋のどこからかそんな音が聞こえてくる。
気味が悪いが原因はわからない、しばらくすると音は止むので気にしないようにしようと考えた。
深く考えるようなものでもないな、と。
12 :
本当にあった怖い名無し:2012/08/18(土) 21:20:45.60 ID:fbj+J9SQ0
昭和の時代、大分県某所湖近くで「車に乗せて」と頼む小学生の少女が目撃された。
事故が相次ぐ同地域で、ドライバーに事情を聞くと、皆口を揃えて「女の子を乗せた」と証言したという。
多数の被害を鑑みた行政は、異例の立て看板を設置した。
「小学生の女の子を見ても、車には乗せないでください」
13 :
代理投稿 ◆ztxSLaq9Ok :2012/08/18(土) 21:21:08.20 ID:YriqamUu0
(2/2)
数日後、また同じ音がする。
一定の間隔でツッ・・ツッ・・ツッ・・と。
二回目だ、どうせまた放って置いたら消えるだろうと高をくくり、無視して本を読んでいたら気付かない内に音が止む。
そして何度かこれを繰り返して気付いたことが一つある。
部屋にあるダンボールの耳が揺れているのである
もちろん風はない、しかし揺れている。
奇妙なのはダンボールからは音がしていないことだ、と言うよりもどこから音がしているのかがまったくわからない。
部屋のどこにいても同じ音量同じ間隔で音は鳴り続ける。
自室以外でその音を聞いたことは無いので自室のどこかから鳴っているのは間違い無いと思うのだが、自室のどこから、と聞かれるとそれはわからない。
一度だけあった例外を除けば。
2月ごろだったと思う。
その日は珍しく早めに床についた。
普段ならゲームなり読書なりで日付をまたいでから、陽が昇ってからというのも珍しく無いのだがその日はなんとなく二十二時前には寝る準備を始めた記憶がある。
寝るのが早ければ起きるのも早いものである、起きた時間は正確にはわからないがまだ外は真っ暗だったと思う。
思う、というのは確認できなかったからだ、つまり目を開けることができなかった。
金縛りによって、ということではなくただ純粋に怖くて目が開けられなかった。
その時も音が聞こえていたのだ、ツッ・・ツッ・・ツッ・・といつもの音がいつもの間隔で。
一つだけ違っていたのがその音が顔のすぐ近くで鳴っていた、ということ。
それだけなのだがただただ怖くて音が止むのを一心に願った。
思い返してみるともしかすると、音はいつも顔のすぐ近くで鳴っていたのかもしれない。
だからこそ方向も特定できず音量はいつも同じなのかも。
とにかく、それからはその音が鳴ると怖くて仕方がない。
バイトに戻りしばらくはその音を聞かなくなった。
家にいる時間が短くなったからか、それとも気にする余裕が無くなってきたからか。
しかし怖い話をすると霊を呼ぶというのは本当なのか、今も音は鳴っている。
14 :
代理投稿 ◆ztxSLaq9Ok :2012/08/18(土) 21:21:38.83 ID:YriqamUu0
あ、すみません。終わりです。
15 :
動画 ◆ElPl8xGQc2 :2012/08/18(土) 21:21:55.93 ID:9cScHy9v0
三本目の蝋燭が消えました・・・
憂莉◆BPe4rMCg8kさん、ありがとうございました
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ねーむど◆zN2K111QVAさん、第四話をお願いします
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語り部希望は【語り部受付スレ】で、
雑談と感想は【雑談スレ】で、
規制中の方は【避難所】でお願いします。
第四話 「深夜のショッピングモール」
(1/3)
お盆帰りした時に叔父がしてくれた怪談(ちょっと脚色)
その夜、叔父は富士山までドライブに行った帰りで、
その途中であるショッピングモールの駐車場に入った
バイパスの途中にある割と大きな店で、
周りには人家とかないのに突然大きなガラス張りの店がドーンとあるらしい
本当は深夜は駐車禁止だけど、
駐車券を切られるわけでもないし、何より自販機があるので、
叔父は深夜の休憩場所としてそういうショッピングモールをよく利用するらしい
(ちなみにその店に来るのは初めてだったらしい)
駐車場には他に車はなかった
(2/3)
コーヒー片手にONE PIECE読んで休憩していた叔父は、
ふと顔を上げた時に、店の二階(そこもガラス張り)に白っぽい影が立っている事に気付いた
店の中は真っ暗でほとんど見通せないが、
確かに女性っぽいシルエットだったそうだ
ここで叔父は、この店がその筋(ドライブ仲間?みたいなもの)では有名な
深夜に幽霊の出るショッピングモールだと気付いたそうだ
自称霊感ゼロな叔父は思わずその影をまじまじと見つめてしまった
しかし、いつの間にか消えてしまったらしい
叔父は(珍しいものを見た、かもしれない)程度にしか思わなかったらしい
またONE PIECEを読み始めた
(3/3)
ところが暫くして、また顔を上げると今度は一階にそれらしい影が見える
ドキっとしたが、別に近づいてくるわけでもないので
またジロジロ見ていたらしい
これも十秒くらいで消えてしまったとか
さすがに二度続けて見えたとなると
暢気な叔父も気になったようでTwitterで呟こうと携帯をいじり始めた
そして、「幽霊見た」まで打って、「なう」をつけようかどうしようか迷ってた時に
不意にコンコンと、誰かが窓を叩く音がした
叔父は無我夢中で車を発進させたそうだ
【終わり】
19 :
動画 ◆ElPl8xGQc2 :2012/08/18(土) 21:25:31.87 ID:9cScHy9v0
四本目の蝋燭が消えました・・・
ねーむど◆zN2K111QVAさん、ありがとうございました
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ダメレオン◆aKQ2SJ2lbMさん、第五話をお願いします
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語り部希望は【語り部受付スレ】で、
雑談と感想は【雑談スレ】で、
規制中の方は【避難所】でお願いします。
第5話 「通り道」
蒸し暑い夏の夜 、窓を 全開にしていた。
窓の外1メートル先には隣家の白い柵があり、朝顔の蔦が絡まっている。その柵の後ろには白い塀があった。
窓の前に置いたテレビを見ていると、視界の隅を何かが横切った。
視線を移すと、隣家の柵の後ろを黒いナマコのようなものが移動していた 。
驚いてよく見るとそれは黒猫だった。
それだけだったら平凡な風景だったのだが、その黒猫は忍者服を着ていたのだ。黒猫に黒い忍者服。
隣家が新たに飼い始めた猫なのだろうか?
近辺で黒猫を見掛けたのは初めてだった。
飼い主のエゴであんなもの着せられて可哀想だなと思ったのだか、可愛いいのも事実である。
黒猫は悠々と塀の上を歩き、闇に消えていった。
翌日、あの猫にまた会いたいなと思った僕は、お菓子タイプのキャットフードを買った。
夜になって、 隣家の人に見つからないように窓 から上半身を乗りだし、手を伸ばして、柵の後ろの白い塀の上に、 キャットフードを置こうとして気が付いた。
それは塀などではなく、厚さ数ミリの白いプラスチックボードが、柵に立て掛けられているだけだったのだ。
その後、あの猫を見掛けることはなかった。
【終わり】
21 :
動画 ◆ElPl8xGQc2 :2012/08/18(土) 21:29:51.60 ID:9cScHy9v0
五本目の蝋燭が消えました・・・
ダメレオン◆aKQ2SJ2lbMさん、ありがとうございました
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何でも◆3/OAb1.6.2さん、第六話をお願いします
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語り部希望は【語り部受付スレ】で、
雑談と感想は【雑談スレ】で、
規制中の方は【避難所】でお願いします。
22 :
何でも ◆3/OAb1.6.2 :2012/08/18(土) 21:30:59.01 ID:8mktT7860
第六感
序盤なので少し怪談のスパイスになるかもしれない話を、
人は怖い怖いと言いながらなぜ怪談を聞いたり、ジェットコースターの乗ったり、
お化け屋敷に入るのか?
それは第六感を維持するため、と言われています。
人間のそれは天敵を失った今消えつつあるのです。
恐怖心を煽ることで普段よりも感覚を研ぎ澄まし第六感を強める、つまり、
今まで見えていなかったものが見えてくるのです
よく怪談をすると霊が 集まる と言いますが、
初めからそこにいるのです
【完】
23 :
動画 ◆ElPl8xGQc2 :2012/08/18(土) 21:31:32.59 ID:9cScHy9v0
六本目の蝋燭が消えました・・・
何でも◆3/OAb1.6.2さん、ありがとうございました
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雷鳥一号◆zE.wmw4nYQさん、第七話をお願いします
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語り部希望は【語り部受付スレ】で、
雑談と感想は【雑談スレ】で、
規制中の方は【避難所】でお願いします。
24 :
代理投稿 ◆ztxSLaq9Ok :2012/08/18(土) 21:32:23.54 ID:YriqamUu0
雷鳥一号 ◆zE.wmw4nYQ 『しっかり者の祖母』
(1/2)
友人の話。
実家の祖母が急死した。
慌てて帰郷し、何とか通夜には間に合った。
一息つく間もなく、翌日の葬儀の準備を手伝わされたという。
葬儀社との打ち合わせを終え、湯呑みを掻き集めていた母の手伝いに向かう。
先に話した折、湯呑みの数が足らないと頭を抱えていたからだ。
「お母さーん・・・ってあれ?」
意外にも、母はきちんと湯呑みを揃えていた。
食堂の大机の上に、柄の揃った湯呑みが丁寧に並べられている。
なぜか母はその前で、呆けたように座っていた。
「よくこれだけ同じ柄の物を集められたね」
労って声を掛けると、母は首をふるふると振った。
「お義母さんがね、お義母さんがね、蔵から出してくれたの」
何を言っているのか、まったくわからない。
母がお義母さんと呼んでいたのは死んだ祖母だけだ。
祖母は今、通夜が開かれた広間でそのまま安置されている。
「湯呑みが足りなくてね、お隣さんから借り集めようかと思案していたら、
ガラッと戸が開いて、お義母さんが、お義母さんが入ってきたの。
びっくりして声を掛けたのだけど、何の反応もなくて、奥の方へスーッと。
貴女たちは打ち合わせでいなかったから、慌てて私一人で追いかけたのね。
そうしたらお義母さん、蔵に入って隅の方から箱を引っ張り出したの。
中をあらためると、この揃いの湯呑みがね、入っていたの」
25 :
代理投稿 ◆ztxSLaq9Ok :2012/08/18(土) 21:32:57.39 ID:YriqamUu0
(2/2)
「・・・お祖母ちゃんは?」
「箱の中身を調べている内にね、いつの間にかいなくなっちゃったの」
遺体の様子を見に行くから一緒に広間に行ってくれないか、そう母は頼んできた。
二人して恐る恐る、広間に足を踏み入れた。
何もおかしいところはなかった。
ただ、閉められていた筈のお棺の蓋が、半分ほど開いていた。
「自分の葬儀の準備まで手伝っていくなんて、しっかり者のお袋らしいや」
父は平然とそう述べただけだった。
葬儀は何事もなくしめやかに行われた。
祖母が棺から起き上がるのではないかと、彼女は葬儀の間中ドキドキしていたが、
そのようなことはなかった。
少しホッとして、そして同時に、少し寂しかったという。
【了】
26 :
動画 ◆ElPl8xGQc2 :2012/08/18(土) 21:33:20.53 ID:9cScHy9v0
七本目の蝋燭が消えました・・・
雷鳥一号◆zE.wmw4nYQさん、ありがとうございました
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ぺろ◆3pRM76ouijbSさん、第八話をお願いします
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語り部希望は【語り部受付スレ】で、
雑談と感想は【雑談スレ】で、
規制中の方は【避難所】でお願いします。
27 :
代理投稿 ◆ztxSLaq9Ok :2012/08/18(土) 21:34:10.37 ID:YriqamUu0
ぺろ ◆3pRM76ouijbS 『お盆』
(1/2)
小さな離島の話だ。
その島はほぼ崖で覆われるような形で、漁港(兼船着き場)と小さな浜辺が一か所あるだけ。
もちろん島の産業は漁業一本、他は無い。過疎が止まることも無い。
その島には昔から少し変わった決まり事があって、それはお盆の間は浜辺が出入禁止になること。
理由は、島の坊さん曰く「亡くなった人が島に帰れる場所だから通り道として優先してあげるため」で、
「お盆に浜に行くと新しい仲間だと間違われて一緒に連れていかれるよ」が坊さんの口癖で、
大人がしっかり守ってる約束事だったのもあり子供達はそれを信じてお盆の間は家や学校、
漁港なんかで遊んでその約束は絶対に守っていた。
この坊さんは島にあった寺の住職だが、残念ながらすでに亡くなっていて寺ももう無い。
この時期に浜に入れない理由をしつこく聞いて教えて貰った。
昔、島の約束を破って子供2人が迎え盆に浜辺に行き、
誰もいない浜辺に波打ち際から浜へ上がる人の足跡を浜いっぱいに見つけてそれを写真に撮ったんだそうだ。
その後逃げるように家に帰って見た事を大人達に話したら、坊さんの所へ連れていかれ、
故人の道中を邪魔してしまったお詫びのお経をあげた。
28 :
代理投稿 ◆ztxSLaq9Ok :2012/08/18(土) 21:34:40.70 ID:YriqamUu0
その時撮った写真には、子供達の主張通りにたくさんの足跡が。
そのうちの浜に上がる足跡の1つの先に、男性がカメラを見て笑っている所がはっきりと写っていて、
その写真を住職はずっと寺で預かっていた。そのお盆に2人の子供のうち1人が夜の海に落ちて亡くなった。
間違いなく浜は帰り道だから邪魔をしたら絶対に行けないよ、という理由だ。
坊さんが昔寺で教えてくれていた事と同じだった。子供の事は知らなかったが。
ここからの話はちょっと前の話になる。
坊さんが亡くなった後にお寺を閉じるために島のみんなが知っている「預けていた写真」を探したが見つからなかったそうだ。
自分はその時点ですでに島と疎遠になっていて、唯一繋がりを感じられる時間は今住む街で島出身の知り合いと飲む時だけに。
誰が結婚した、誰の子供が生まれた、それから今年の夏は誰を送った、去年は誰を送った…と会話をする。
一年で一番暑い時期だから、体力が落ちていたから、そう考えればただの偶然なのかもしれない。
それでも、やはり夏のこの時期に人が亡くなる。
帰ってきた人が友達や家族を見つけて懐かしさと嬉しさのあまり一緒に酒を飲もうって連れていってしまうんだよ
参列した葬儀でおばあさんが泣きながら言っていた言葉は、あながち間違っていないんじゃないかと信じている。
【了】
29 :
動画 ◆ElPl8xGQc2 :2012/08/18(土) 21:35:05.22 ID:9cScHy9v0
八本目の蝋燭が消えました・・・
ぺろ◆3pRM76ouijbSさん、ありがとうございました
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せっけん◆5oOLgQPf6Xttさん、第九話をお願いします
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語り部希望は【語り部受付スレ】で、
雑談と感想は【雑談スレ】で、
規制中の方は【避難所】でお願いします。
30 :
動画 ◆ElPl8xGQc2 :2012/08/18(土) 21:48:03.44 ID:9cScHy9v0
おや、語り部さんがいらっしゃいませんね・・・
せっけん◆5oOLgQPf6Xttさん
ご無事であることを祈っております。
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三年目の朝顔◆6.QkgMwzsUさん、第九話をお願いします
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雑談と感想は【雑談スレ】で、
規制中の方は【避難所】でお願いします。
31 :
三年目の朝顔 ◆6.QkgMwzsU :2012/08/18(土) 21:51:35.97 ID:Pz8hVc6P0
「まぬがれる人」1/3
去年、長年連絡が取れなかった伯母の連絡先がわかり、話をしているうちに、
どんどん話が進み、伯母の住む田舎へ遊びに行く事が決まってしまった。
伯母の住む田舎までは電車で約4時間。私は午前中に家を出て、お昼に着く
様に計画をたてていた。
ところが、当日うっかり寝坊をしてしまった。今から出ても着くのは夕方に
なってしまう…。
私は計画が大幅に狂ってしまい、なんとなく面倒くさくなってしまったので、
伯母に、行くのは明日でもいいかと連絡をしてみた。
幸い、新幹線は自由席だし、長期の休みも取ったし、伯母も普段から家に
いる人なので大丈夫だろう…。と、のん気に考えていた。
ところが電話口の伯母は、ものすごく残念がって「今日、来られねーの?
すぐに来られねーんかね?…昨日の晩から美味しい煮物、いっぺー作ったん
よ?…遅くなってもいいっけ、今日来なさい。ずーっと待ってるから、今日
来なさいて。」と…。
私は伯母の落胆した声や心配を掛けている事に、とても申し訳なく、我が儘
を言ってる場合じゃないなと思い、大急ぎでその日行く事にした。
32 :
三年目の朝顔 ◆6.QkgMwzsU :2012/08/18(土) 21:52:46.03 ID:Pz8hVc6P0
2/3
伯母の田舎にはわりと早く着く事が出来た。伯母との再会はそれまでの時を
感じさせないくらい楽しかった。伯母が作ってくれた美味しい煮物もてんこ
盛りで食べて、お風呂にも入り、TVを見てくつろいでいた。
そして次のニュースのテロップを見て私はギョッとした。
画面から目を離せなくなり、しばらく声も出せなかった。…そこには、
「 上 越 新 幹 線 人 身 事 故 で 不 通 」
……その新幹線は、今日私が乗ってきた新幹線だった。私は大声で
「おばちゃーん!おばちゃんの言うとおり、今日来て正解だったよー!」
そう言いながら、ここに来るまでの事を思い出していた。
私は伯母が待ってるからと、いつもより急いで電車を乗り継いで、多少お金
も掛かる特急にも乗ったのだった。もし、いつもの様にのんびり来ていたら
この新幹線に乗っていたかもしれない。そして今日、ここには来れなかった
かもしれなかった。
33 :
三年目の朝顔 ◆6.QkgMwzsU :2012/08/18(土) 21:53:37.69 ID:Pz8hVc6P0
3/3
次の日は伯母と、3月11日の東日本大震災の話もした。私がいるところでも
かなり揺れてガスが止まって大変だった。すると、伯母が話し出した。
「私さ、あの日さ、東京に行く用事があったんて。そしたら10日に、会社で
お世話になった人が突然倒れた。って電話があったんて。私、見舞いに
行きとうてねー。でもさ、11日の事があるろー、迷ったんけどさ、延期が
出来るか聞いてみたんて。そしたら東京に行かなくていいって言われたっけ、
11日はお見舞いに行ったこて。そしたら、あんげ大きな地震があったろー?
もうたまげたさー、もし東京に行ってたら、死んでたかもわかんね。
今こうしてAちゃんと話も出来てなかったかもしんね。ほーんとにさー、
びーっくりしたこてさー」
私は伯母の話を聞いて、昨日の新幹線の事といい、伯母は何かに守られて
いるんだなぁと、つくづく思い、すごいなぁと思った。
でも伯母は決して幸せな人生を歩んできたとは言えない。どちらかと言えば
不幸で辛い経験をたくさんしている。でも、だからこそ虫の知らせで
人生の危機をまぬがれているんだろうな、と。
伯母からは今も時々電話が来るが、元気な声と一緒に強運も少しおすそ分け
してもらっている私です。
〜完〜
34 :
動画 ◆ElPl8xGQc2 :2012/08/18(土) 21:54:17.79 ID:9cScHy9v0
九本目の蝋燭が消えました・・・
三年目の朝顔◆6.QkgMwzsUさん、ありがとうございました
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NK7◆DBi0fUMQZgさん、第十話をお願いします
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35 :
代理投稿 ◆ztxSLaq9Ok :2012/08/18(土) 21:55:57.40 ID:YriqamUu0
NK7◆DBi0fUMQZg 『人形を供養している神社』
(1/3)
人形を供養している神社がある。
そう聞くだけでも気味が悪い。
だが、本当にごく身近で誰でも見に行ける場所で供養されている神社がある。
ただ、公には知られていないが。
S県I市にH公園というものがある。
この公園は運動施設が備わっており、公園といってもかなりの面積があり運動公園に近い。
日中は野球やテニスで利用されたりとにぎわっているし、おじさんが散歩したり、動物も飼われておりのどかな公園だ。
管理棟には昼間は従業員が常駐し、動物の様子や季節の植物をクローズアップしたブログなども更新している。
しかし、この公園では過去にトイレで焼身自殺、駐車場で硫化水素自殺があった。
地元では公園自体がちょっとした心霊スポットなのだ。だがこの公園はこれに留まらず不吉な噂があった。
「人知れず人形が供養されている神社がある」
そんな噂がある廃れた地方スレで囁かれた。
はじめは「噂で聞いたことある」「いや神社などない」など、噂が噂を呼んでいる状況だった。
しかし、ここに行ったことがあると写真付きで投稿する者Tが現れた。
Tが投稿したその写真は昼間に撮影されており、公園らしきものが写っていた。
しかし、肝心の人形が写っておらずガセとも言われた。ただ、ガセにしては写真の数が多かった。
Tはこの公園の他にもマイナーな心霊スポットの写真と噂を提供し続けた。
次第にこの公園に神社があるという噂は本当かもしれないと思えるような雰囲気になってきた。
そのスレは少し活気を取り戻しつつあった。
36 :
代理投稿 ◆ztxSLaq9Ok :2012/08/18(土) 21:56:57.84 ID:YriqamUu0
すると・・・それは神社の隅にあった。四角く、囲まれた区画で注連縄がされており、そこにいくつかの動物の形をした素焼きの人形や小皿があった。
その中でひと際大きく、赤子ぐらいの大きさで男の子と女の子の陶器みたいなものでできた人形があった。
それをスレで報告し、気味悪いなどの盛り上がりを見せた。
その報告を受けてMもその場所を訪れた。その後、Mは体調を崩しとうとうスレに現れなくなった。
そしてRもいくつかのスポットを投稿し、現れなくなった。
後日談だが、その人形はそれから半年ぐらいしてその場から無くなっていた。
誰かが持ち帰ったのか・・・。それとも・・・。
これもあとからわかったことだが、Tが撮った写真に幽霊がくっきり写っていると騒がれた。
そしてそのスレッドは、一時期の盛り上がりが嘘のように廃れてしまった。
ちょうど今の時期のような一番盛り上がる夏場すら、ほとんど書き込みが無い。
【了】2話構成でした
37 :
動画 ◆ElPl8xGQc2 :2012/08/18(土) 21:57:29.75 ID:9cScHy9v0
十本目の蝋燭が消えました・・・
NK7◆DBi0fUMQZgさん、ありがとうございました
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ねーむど◆zN2K111QVAさん、第十一話をお願いします
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「時短肝試し」
(1/3)
少人数・短時間・屋内で実施可能な「時短肝試し」
そのやり方と体験談を紹介します
方法
@:語り部(主催者などが担当)がこの「時短肝試し」のやり方を説明する
A:1〜数名でトイレに行く
備考・注意点
一、トイレに行く以外にルールや用意しておく物はないが、怪談話したりすると盛り上がる
二、一度にトイレに行く人数は、何人ずつでも構わない
三、トイレに行った証拠を持ち帰りたい場合は、トイレットペーパーの切れ端などが無難
理由は、あとで「水に流せる」から(火を使った破棄は望ましくない)
四、トイレに行く間はできるだけ静かに(喋っていけない、という訳ではない)
やり方は以上
ぶっちゃけトイレに行くだけ
(2/3)
こっからが俺の体験談です(怪談としてはこちらがメイン)
参加者は7名、場所は先輩宅、時間はよく覚えていない
どういう流れか忘れたけど「電気を消してかまいたちの夜プレー」やってて
そしたら先輩Aが「休憩中に怪談もやろうぜ」って言い出して
「じゃあこんなのがあるけど」って別の先輩Jがこの「時短肝試し」を提案してきた(語り部役もJ先輩だった)
ルートは先輩の部屋が2階で階段を下りて1階のトイレまで行って
行った証拠にトイレットペーパーの切れ端を各自ゲットして帰ってくるコース
人数が半端だったんで行くのは1人ずつに
俺、怪談は好きだけど肝試しやお化け屋敷とかが苦手なんで
途中、鏡とか、微妙に開いてる襖とか(これは多分絶対先輩Aの仕込み)
廊下の先の暗がりとか、トイレの水を流す音とかに
いちいち馬鹿みたいにビクビクしながら
どうにかこうにか行って帰ってきた
他の面子は俺よりも気楽に肝試しを楽しんだみたいで、
帰ってきて「謎の影を見た」「ゾンビに遭遇した」「どこからかドナドナが!」とか
好き放題言ってた
肝試し自体は何事もなく終わった
(3/3)
問題は次の日で、A先輩宅から自分ちに戻ってベッドにダイブした丁度その時、
J先輩から電話がかかってきた
『昨日の肝試しだけどさ、そっち「なんか」ないか?』
「なんか」ってなんだよおおおおおおおお
ビビりな俺は怖くなって聞き返したら
誤魔化されそうになったけど、なんとか聞き出した
『証拠にって持ってきた切れ端あるじゃん。あれ何故か8枚あるんだよね』
「………………」
「だいじょぶだいじょぶ、もう俺の『大』と一緒に流しちゃったから」
時々あるんだよね〜。でもこういうのは深く考えない方がいいんだよ
って電話は切られた
普通に考えたら誰かが2枚取ってきたって事だけど……
深く考えたら家に出そだって思って、そこで思考を打ち切った
以来、何度か「時短肝試し」やったけど
「なんか」があったのも俺の知る限りはその時だけ
周りでは気軽&適当にできる肝試しとして割と好評みたい
そういうのが好きな人は試してみてください
【終わり】
41 :
動画 ◆ElPl8xGQc2 :2012/08/18(土) 22:01:22.02 ID:9cScHy9v0
十一本目の蝋燭が消えました・・・
ねーむど◆zN2K111QVAさん、ありがとうございました
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何でも◆3/OAb1.6.2さん、第十二話をお願いします
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42 :
何でも ◆3/OAb1.6.2 :2012/08/18(土) 22:02:58.05 ID:8mktT7860
扉 1/2
聞いた話ですが扉というものは結界のような効果も持っているそうで、
悪い霊は自分の手では開けることができないそうです。
だから色々な手を使い中にいる私たちに開けさせようとするらしいです。
私はアパートに住んでいるのですが、毎朝4時頃になると3階のほうから
ドンドン、チャ、ドンドン、チャ
とリズムにのせたような音が聞こえてきます。
恐らく玄関のドアを叩いてノブを回している音のようでした。
鍵がかかっているのか開けてもらえないようでそれはいつも10分ほど続きます。
そしてどうやら自分の家族、他の住民はおろかそのの部屋の住民すら気づいていないようでした。
まあ、夜も遅いのでみんな寝ていて聞こえないのだろうと思っていました。
43 :
何でも ◆3/OAb1.6.2 :2012/08/18(土) 22:04:04.78 ID:8mktT7860
2/2
そんなある日またいつものように音が聞こえてきました。
しかし、その日は4時を10分ほど過ぎていました。
今日は正確じゃなかったな など思いつつ特に気にせずまた私はまた眠りにつきました。
その日を境にその音は少しずつずれていきました。
そしてとうとう6時、7時という時間になり周囲も気づき始めたある朝、
ドンドン、チャ、ドンドン…カチャリ
鍵を開ける音がしました、その次の瞬間。
タンタンタンタンタンタン
黒い影のようなものが物凄いスピードで足音を立てながら階段を下りていきました。
次の日その部屋は空家になっていました。
あの影が何だったのか、なぜ扉を叩いていたのか、その住人がどこに行ったのか、私は分かりません。
しかしあの時はっきりと見ましたあの部屋の住人が抱えられていたのを…
【完】
44 :
動画 ◆ElPl8xGQc2 :2012/08/18(土) 22:04:30.17 ID:9cScHy9v0
十二本目の蝋燭が消えました・・・
何でも◆3/OAb1.6.2さん、ありがとうございました
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三年目の朝顔◆6.QkgMwzsUさん、第十三話をお願いします
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45 :
三年目の朝顔 ◆6.QkgMwzsU :2012/08/18(土) 22:04:56.85 ID:Pz8hVc6P0
「一生の宝物」1/2
ある日、朝起きたら首の後ろから肩甲骨にかけて、ものすごい痛みがはしった。
前日、激しい運動をしたわけでも無いし、背中を強打したわけでも無い。
私は何だろう…と思いながらもPCのやりすぎか、肩こりがひどくなったのだろ
うと思い、湿布を貼ったり、お風呂の中で揉んだりしていた。
しかし、その痛みは一向に治らないばかりか、ますますひどくなり、枕のせい
かと思い外しても、うつ伏せになっても痛い。どういう格好で寝ても痛むので、
寝るのさえ一苦労だった。
よく、霊障がある場合の除霊に、背中を叩いたりするけれど、まさにそのあたり
に、鉄の重い板が貼りついていて、身動きが取れない様な感じで、さらに歩く
だけで振動が首に響いて激痛を感じるので、これは何かあるんじゃないかと
思いつつ、5日も痛みに耐えていた。
そして「明日こそ医者に行こう」と思ったその日、様子を伺いながら起きると、
不思議な事に昨日までの激痛が嘘の様にケロリと治っていた。
私は「え?…何で?」と驚きながら伸びをしたり、腕を回したり、首を回したり
して、本当に痛みが取れたのかを確認した。
結果、どこも全く痛くないので、あれはいったい何だったんだろう…と不思議に
思っていると、友人から恩師が亡くなったとの知らせがあった………。
46 :
三年目の朝顔 ◆6.QkgMwzsU :2012/08/18(土) 22:05:53.56 ID:Pz8hVc6P0
2/2
私は、今までの原因不明の痛みの理由がわかった気がした。
恩師は半年前に急に倒れて、以降入退院を繰り返していた。
私は忙しさにかまけて、とうとうお見舞いに行く事も出来ず、それはとても
後悔したけど、恩師の痛みや苦しみを少しでも背負えたのならそれで良いと
思った。そして何よりも私に別れを告げに来てくれた恩師に感謝の気持ちで
一杯になった。
恩師の豪快さ、快活な笑顔、大きな手のひら…それらはいつまでも私の中に
生きていて、一生無くならない大切な宝物です。
〜 完 〜
47 :
動画 ◆ElPl8xGQc2 :2012/08/18(土) 22:06:31.69 ID:9cScHy9v0
十三本目の蝋燭が消えました・・・
三年目の朝顔◆6.QkgMwzsUさん、ありがとうございました
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物体X13号◆S801T3Lhtwさん、第十四話をお願いします
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48 :
物体X13号 ◆S801T3Lhtw :2012/08/18(土) 22:07:27.11 ID:7o652mYy0
「赤いはんてん」
赤い半纏もしくは赤いちゃんちゃんこって有名な怖い話があるじゃないですか
私の地元では、その話にまつわる もう一つ変な話があるんですよ。
ちょうどあの話が流行ったころなんですが、ある学校で女子生徒がトイレに入って行くのを
みかけた同級生は驚かしてやろうと思い、隣から「赤いはんてん、きせたろかー」って叫んで
イタズラしたんですが、暫くして一回ゴソッと音がした以外、まったく隣から反応が無く
不審に思って隣の個室を上から覗くと…。
腕や顔が赤い斑点だらけになった女子生徒が死んでいたんです。
その斑点というのは死斑だそうで死後5時間経っていて服毒自殺だったそうです。
でも死斑って遺体の下側にできるじゃないですか、だから警察は遺体を発見した生徒が
動かしたという事で処理したのですが、発見した子は遺体に触れていないし直前トイレに
入る姿も見間違えていないと言っていたそうです。
でも事実その死体…動いているんですよね。発見される直前、うつ伏せから仰向けに…
【おわり】
49 :
動画 ◆ElPl8xGQc2 :2012/08/18(土) 22:08:02.02 ID:9cScHy9v0
十四本目の蝋燭が消えました・・・
物体X13号◆S801T3Lhtwさん、ありがとうございました
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雷鳥一号◆zE.wmw4nYQさん、第十五話をお願いします
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語り部希望は【語り部受付スレ】で、
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規制中の方は【避難所】でお願いします。
50 :
代理投稿 ◆ztxSLaq9Ok :2012/08/18(土) 22:10:09.23 ID:YriqamUu0
雷鳥一号 ◆zE.wmw4nYQ 『夜警』
後輩の話。
大学生の時分、彼は警備会社でバイトをしていた。
夜警を任されていた中に「出る」と噂があるビルがあったのだという。
見掛けこそ強面する大男の彼だが、根はかなりの臆病者で、
そこの仕事が廻ってくる度にビクビクしながら仕事をしていたそうだ。
そんなある夜、例によって泣きそうになりながら、定時の見回りをしていると。
懐中電灯の照らす光の中に、女が一人姿を現した。
どこか野暮ったい、古い型の白いワンピース。
身体を患ってでもいるのか、顔色は青白い。
「えっどこから出てきたの!?」
突然のことに硬直する彼を目にして、女も驚いた様子だ。
しばらく見合ってしまったが、徐々に女は恐怖の表情を浮かべ始めた。
「いや僕はバイトでして、そのつまり・・・」
慌てて、自分は怪しい者ではないとの説明を始めたが、噛みまくってどもりまくる。
端から見たら怪しいことこの上ない。
「ヒィッ!」
いきなり女は短い悲鳴を上げ――
そのままスゥッと透き通るように消えてしまった。
「・・・怖いのは怖かったけど、でもそれより切なかったですよ。
僕、そんなに怖い顔してますかねぇ?」
後輩はそう言いながら、ゆっくり頬を撫でていた。
・・・まぁ確かに、彼は熊みたいな顔をしていたが。
その後も何度かそこで仕事をしたが、あの女性は二度と姿を現さなかったそうだ。
【了】
51 :
動画 ◆ElPl8xGQc2 :2012/08/18(土) 22:11:04.69 ID:9cScHy9v0
十五本目の蝋燭が消えました・・・
雷鳥一号◆zE.wmw4nYQさん、ありがとうございました
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何でも◆3/OAb1.6.2さん、第十六話をお願いします
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雑談と感想は【雑談スレ】で、
規制中の方は【避難所】でお願いします。
52 :
何でも ◆3/OAb1.6.2 :2012/08/18(土) 22:13:50.66 ID:8mktT7860
幸運の時計
私の家では何故か時計が5分進んでしまいます。
どんなに直しても逆に早めても遅らせてもいつの間にか5分進んでいるのです。
そんな時計のことを知らない友人が遊びに来た時の話です。
この時計で4時をさした頃友人が、
あ! 後10分でバスくる!
と言って飛び出していきました。
後5分ではバス停には到底着けないので悪いことしたなーと思っていました。
案の定乗り遅れて戻ってきました。
少し焦っている様子だったので時計のことを話し謝罪すると、
いや、逆に感謝だよ… あのバス出てすぐに事故ってたから…
と友人が言ってきました。
それ以来家では幸運の時計とよんでいます。
しかし気になるのが、最近は5分遅れている…
【完】
53 :
動画 ◆ElPl8xGQc2 :2012/08/18(土) 22:14:17.66 ID:9cScHy9v0
十六本目の蝋燭が消えました・・・
何でも◆3/OAb1.6.2さん、ありがとうございました
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とうふ◆PFnlRcm/X2さん、第十七話をお願いします
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54 :
代理投稿 ◆ztxSLaq9Ok :2012/08/18(土) 22:15:56.34 ID:YriqamUu0
とうふ ◆PFnlRcm/X2 『狐狗狸さん』
(1/2)
私が中学生の時の話だ。
ある日、私と友達数人で放課後に狐狗狸さんをしようという話になった。
その時いわゆる世間で狐狗狸さんが流行っていたかどうかはわからないが、私たちにとって怖い半分、面白半分、肝試しのようなものだった。
私と一番仲の良いKちゃんは、狐狗狸さんを信じていなかったので、みんなを驚かそうよと私に提案してきた。
Kちゃんは今日は家の用事があるからと言って帰ったふりをして、教卓の下に隠れているのだ。そうして、頃合いを見計らって飛び出すというものだ。
私はそういうのはあまり好きではなかったが、私だけに教えてくれたので、悪い気はしなかった。
放課後、教室に生徒がいなくなるまで待った。カーテンは閉めたけど、まだ少し明るかった。
参加したのは私を含めて4人の女子で、私とYちゃんが十円玉に指を置き、他の2人はそれを見ていることにした。
教室の後ろの方で、二つの机をくっつけてそれを囲んで座った。
「狐狗狸さん、狐狗狸さん。来て下さい」
すると十円玉はゆっくりと動きだし、ボールペンで書かれた鳥居のマークの上で止まった。
「狐狗狸さん、あなたは男ですか、女ですか」
と訊くと、お、ん、な、の順に十円玉は滑っていった。
最初は少し緊張していたが、見ているだけの2人は、私かYちゃんが十円玉を動かしていると思っているのだろう、あはは、と笑い合っていた。
私は少し怖かったが、Yちゃんが十円玉を動かしていると考えた。
私たちは雑談をしながら、狐狗狸さんに誰が誰のことを好きか、という主に恋愛に関する質問ばかりをしていた。
だんだんと恐怖心は薄れていった。そうしてだいぶ日が落ちて暗くなった頃、帰ることにした。
「狐狗狸さん、どうかお帰り下さい」
と言うと、はい、と答えが返ってきた。ああ、こんなものなのか。と、私は思った。
55 :
代理投稿 ◆ztxSLaq9Ok :2012/08/18(土) 22:16:29.81 ID:YriqamUu0
(2/2)
帰り支度をして教室を出たところで、ふとKちゃんのことが頭に浮かんだ。
Kちゃんが、出てきていない。どうしてだろう。Kちゃんは、きっと用事があって本当に帰ってしまったんだ。そうに違いない。
廊下を抜けて階段を下り下駄箱を見ると、Kちゃんがいつも履いているスニーカーが残っている。
私は怖くなったが、みんなに忘れ物をしたから先に帰ってて、と言って引き返した。
Kちゃんは廊下の先の薄暗がりから歩いてきた。青ざめた顔をしていた。
「大丈夫」
「どうして先に帰っちゃうの」
「ごめん。でもいたんなら、どうして出てこなかったの」
「机の中にいたんだけどね、机の前にずっと誰かが立っていて出られなかったの。
そのうち教室を出て行く音がしてみんなの声が聞こえなくなってからも、ずっと出られなかった。
全く声が出なかったんだけど、何度も帰ってって言ってたら歩いて教室を出て行った。あれは誰だったの」
【了】
56 :
動画 ◆ElPl8xGQc2 :2012/08/18(土) 22:17:07.08 ID:9cScHy9v0
十七本目の蝋燭が消えました・・・
とうふ◆PFnlRcm/X2さん、ありがとうございました
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秋鳥◆X0TyCi.5ooさん、第十八話をお願いします
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語り部希望は【語り部受付スレ】で、
雑談と感想は【雑談スレ】で、
規制中の方は【避難所】でお願いします。
57 :
代理投稿 ◆ztxSLaq9Ok :2012/08/18(土) 22:18:11.45 ID:YriqamUu0
秋鳥 ◆X0TyCi.5oo 『ネコノメ』
(1/2)
よく動物って霊とか不思議なものが視えるらしいっていうよね。
うちはペットいないからよくわからないんだけど、
猫を飼ってる従姉妹いわく、意外とそうなんじゃないかと思うことはよくあるらしい。
その従姉妹から聞いた話。
去年の夏、従姉妹が友達と海に遊びに行ったらしいんだけど、
その夜に従姉妹が部屋でくつろいでいたら、開けっ放しにしてたドアから飼い猫が入ってきた。
その黒猫って飼いはじめてからまだ1年も経ってないし、たいして懐いてくれてなかったから
自分から部屋に入ってきたのが嬉しくて、膝の上に抱きあげた。
それで夜中までずっとCD聞きながら漫画読んだりして夜更かししてたらしいんだけど、
ふと膝の上の猫を見たら、さっきまでおとなしく寝てたはずが、顔を上げてじっと窓の方をみつめてた。
ん?と思って窓の方をみたんだけど、カーテンもしめてあるし外からは何の物音もしない。
どうしたんだろうと、もう一回猫を見てみると、じっと目を見開いて窓の方を目で追ってた。
背筋が寒くなってきて、ふっと時計を見てみたら、ちょうど午前3時くらいだった。
本当に気味が悪くなってきたのでもう寝ようかな、と思ったら、
58 :
代理投稿 ◆ztxSLaq9Ok :2012/08/18(土) 22:18:58.47 ID:YriqamUu0
(2/2)
ばたばたばたばた!!
窓の外から人が走る音が聞こえた。
思わず、ぎょっとしてたら、今度は玄関の方から
がちゃがちゃがちゃがちゃがちゃ!!ドンドンドンドン!!
鍵がかかってるドアをを無理やり開けようとして引っ張る音と
狂ったようにドアを叩く音がした。
驚いて固まってる間に、いつの間にか音は止んでいたけど、急いで猫抱いて布団かぶって寝たそうだ。
海からなにか得体の知れないものを連れてきてしまったのか、たまたまだったのかは未だによくわからないらしい。
猫が部屋に入ってきたのはたまたまかもしれないけど。
私は、従姉妹はわからなかったなにかを、猫は感じていたんじゃないかと思う。
【了】
59 :
動画 ◆ElPl8xGQc2 :2012/08/18(土) 22:19:45.94 ID:9cScHy9v0
十八本目の蝋燭が消えました・・・
秋鳥◆X0TyCi.5ooさん、ありがとうございました
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かぐら◆Ccp.OZqu04w2さん、第十九話をお願いします
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語り部希望は【語り部受付スレ】で、
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規制中の方は【避難所】でお願いします。
60 :
代理投稿 ◆ztxSLaq9Ok :2012/08/18(土) 22:20:16.83 ID:YriqamUu0
かぐら ◆Ccp.OZqu04w2 『狐憑き』
(1/2)
母方の祖父に聞いた、伯父の子供の頃の話だ。
伯父たちが住んでいたのは、いかにも昔の田舎の家で、玄関を入ってすぐが狭い土間になっていた。
その奥に、父母と兄弟3人がやっと足を伸ばして寝られるほどの部屋が2つあり、ひしめき合うようにして生活している。
家の外に犬が一匹繋がれている。
そしてこの土間に、伯父は自分が世話をするという条件で、ウサギを飼っていた。
逃げないように、自分で工夫して囲いをこしらえてある。
見てのとおりで、決して裕福な暮らしではないから、
贅沢も言えずに随分色々なことを我慢したと伯父はいつか話してくれた。
動物の世話というのは、幼い伯父にとってせめてものわがままだったろう。
伯父は毎日、こちらを見向きもしないウサギをなでては、楽しそうに話しかけていたそうだ。
出来事というのは、伯父がいつものようにウサギの餌を取りに近所の草むらへ出かけた後に起こった。
炊事場で仕事をしていた母親が、表の犬の鳴き声に気づき、姿勢を変えて覗き込んだ。
異常な剣幕で、何かに吠えかかっている。
知らない人が訪ねてきたのかと思ったが、軒先でぼうっとこちらを見て立っているのは、伯父だった。
餌を取りに行ったはずの手には、何も持っていない。
どころか、泥にまみれていて、腕には硬い笹の葉でもまさぐったのか、赤い傷がいくつも浮き出ている。
どこで脱ぎ捨ててきたのか、靴も履いていなかった。
不審に思って近付こうとすると、いきなり伯父は飛びかかってきた。
母親を押し退けたかと思うと、一足飛びで土間を突っ切り、奥の部屋に泥だらけの足で跳び上がった。
61 :
代理投稿 ◆ztxSLaq9Ok :2012/08/18(土) 22:20:47.15 ID:YriqamUu0
伯父は、土間のほうへ向き直り、四つん這いになって母親を睨みつけた。
母親は最初ふざけているのかと思って、泥が飛び散った床に憤り、咄嗟に叱り声を上げて、伯父を土間へ降ろそうとした。
ところが、伯父は悪鬼にでも追い詰められて怯えるような、見たこともない形相で、
「フーッ」
と声を上げながら母親を拒み、部屋に入ることを許さない。
そのうちに兄弟も父親も帰ってきて、この奇妙な3匹目の動物を取り囲んだ。
何の騒ぎかと、近所の人間まで様子を見に来た。
誰もが息を呑んだことに、結局そうやって何時間も伯父は部屋の隅で怯え、皆を威嚇し続けた。
このとき伯父はまだ小学校低学年だったと思われるから、ここまでの演者にはなれないだろう。
この晩、なぜか停電でもないのに灯りが点かなかった。
そのわりに明るいと気づいた頃、表に月が上がっていた。
月明かりが開け放しの玄関から家族の隙間に割って入り、奥の部屋まで差しこんだ。
それがちょうど、怯えてひきつったままの伯父の目を照らした。
父親にはそれが、まるで暗闇に光ってこちらをじっとうかがう獣のように思われた。
さすがに蒼白になり、とうとう近所の宮司に無理を言って来てもらい、祓って頂いたという。
それきり、伯父は気を失うように眠ってしまった。
本人はこの日、餌を取りに行ってから、何をしていたか覚えていない。
私の祖父であるこの父親は、
「こりゃ狐だと、そのとき思った。動物に愛情深いと、つきやすいのかもしれない」
などと話してくれた。
【了】
62 :
動画 ◆ElPl8xGQc2 :2012/08/18(土) 22:21:09.53 ID:9cScHy9v0
十九本目の蝋燭が消えました・・・
かぐら◆Ccp.OZqu04w2さん、ありがとうございました
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三年目の朝顔◆6.QkgMwzsUさん、第二十話をお願いします
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63 :
三年目の朝顔 ◆6.QkgMwzsU :2012/08/18(土) 22:21:44.97 ID:Pz8hVc6P0
「ある悲しいお話」1/2
ワンマンなアンクルが病気で倒れました。
アーントは数十年アンクルの言うがままに、アンクルのために自らの生活も
犠牲にして生きてきたような人でした。
アンクルは少し痴呆もあり、施設への入所待ちの間、家で看護する事に
なりました。
………そしてその日から、アーントの反撃がはじまりました。
何も言い返せない、小さくなったアンクルに、毎日、朝から晩まで大声で、
アーントは叫びました。
その叫び声を一回聞いただけでも、気が滅入るような言葉を、毎日、朝から
晩まで大声で、アーントは叫びました。
「うるさい!!」「何だって!?」「聞こえないよ!!」
「おんなじ事ばかり、朝から晩まで、何言ってんだかわかんないよ!!」
私が、時々家に行くと、こんな叫び声まで道にも聞こえて来ます。
「死ね!!」「さっさと死んじまえ!!」「絞め殺してやろうか!!」
アンクルが元気な頃はそんな叫び声はひとつも聞こえませんでした。
アンクルとアーントの優しい笑顔が浮かび、楽しく笑いあう声がいつも
聞こえました。
64 :
三年目の朝顔 ◆6.QkgMwzsU :2012/08/18(土) 22:22:31.10 ID:Pz8hVc6P0
2/2
私は、アンクルは悪いことをしていないのに、かわいそうと思いました。
悪い言葉を叫べば叫ぶほど、アーントの心の悲鳴が聞こえるようで、ある日
アーントに言いました。
「アーント、いつも大変ですね、でも、いくら憎いことがあっても"死ね!"
なんて言ってはいけません。悪い言葉は、必ず自分に返ってくるものです。」
しかしアーントはこう言って笑いました。
「あたしは叫ぶ事がストレス解消になるんだよ。今まであのひとには我慢に
我慢を重ねて来たからねぇ」
アーントの笑顔はいつもの笑顔だったので、私はとても悲しい気持ちになり
ました。
私の言葉も、もうアーントには聞こえないみたいでした。
そんな日々が一年も続いたでしょうか。
ストレス解消をしていたはずのアーントは、心筋梗塞で倒れてしまいました。
・・・・・・そんな、悲しい、悲しい、お話。
・・・・・・言霊は本当に恐ろしい、という、お話。
〜 完 〜
65 :
動画 ◆ElPl8xGQc2 :2012/08/18(土) 22:22:54.02 ID:9cScHy9v0
二十本目の蝋燭が消えました・・・
三年目の朝顔◆6.QkgMwzsUさん、ありがとうございました
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コッソリ◆.PiLQRq.0Aさん、第二十一話をお願いします
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66 :
代理投稿 ◆ztxSLaq9Ok :2012/08/18(土) 22:23:51.85 ID:YriqamUu0
コッソリ ◆.PiLQRq.0A 『山の塚』
(1/3)
中学校時代の友人にAという気弱な男がいる。
身長は180cmを超え、ラグビー部で鍛えた筋骨粒々な体格の癖に怖い話や怪談にめっぽう弱い。
4年前のお盆、中学校時代の同窓会で久々に再会した時はヒゲを生やし、まるでバカボンドに出てくる剣豪のような顔をしていた。
その同窓会の二次会が終わり、仲のいい連中が三々五々に散っていく。
俺は中学校時代によく遊んでいた連中と遊びに行くことにした。その中にはAもいた。
Aと俺、大学で再会して付き合いだしたカップルともう一人の女性、計5人。
体質的に酒の飲めない自分が車を運転して他の四人を連れて行く。
目的地はカップルの男の方の実家。そいつの家は山の麓にあって、親が趣味で陶芸をやっている。
陶芸の工房になっている離れがあり、そこではいくらでも騒げるので中学時代から溜まり場だった。
その場所で飲み明かそうと言う算段だった。
24時間営業のスーパーで酒や肴を買い込み、そいつの家に着いたのが深夜0時を回った頃。
着いてしばらくはバカ話や思い出話に花を咲かせていたが、やがてAが酒に飲まれて眠った。
目の前には女子二人。怖い話が苦手な野郎は寝た。そうなるとどうしても必然的に怖い話が始まる。
工房と言ってもガレージを改造したようなものなので、明かりは白熱球と蛍光灯がいくつかあるのみ。
周囲は山で静まり返っていて、打ちっぱなしのコンクリートに悲鳴が響く。実にいい雰囲気だった。
いくつか話が終わった後、ごそっ、という音がした。振り返るとAが起き上がり、こちらをじっと見ている。
「あー、悪い、起こした?」と声をかけたが、Aは質問には答えず「山の塚に行こう」と答えた。
Aが言う山の塚とは、今いる工房の裏手の山にある地元では知られた心霊スポットである。
山の中腹の開けた空間に、こんもりと盛り土がしてあり、その上に碑が置かれている。
何の塚かは分からないが、とにかくやばい、と中学時代から有名だった。
「え? お前怖いのとかだめじゃ…」「いいから、行こう」
強がっているのかと思ったがそうでもない。Aは頑なに山の塚へ行きたがっていた。
なんとなく薄気味悪いものを感じたが、さっきまで怪談をしていたこともあり、「じゃあ肝試しにでも」という話になった。
67 :
代理投稿 ◆ztxSLaq9Ok :2012/08/18(土) 22:24:48.31 ID:YriqamUu0
(2/3)
全員が車に乗り込む。Aは助手席に座った。車を走らせる。
「そこ、左」,「次、右」
Aが指で示し方向へ進む。やがて集落を抜けて山の中へ入っていった。
細い霧のような雨が降り始める。一本道になってからAはむっつりと黙り込んで前方を見ていた。
なんとなくみんな押し黙る。誰かがボソボソっと二、三言喋り、それに誰かがまた二、三言返す。
そんな事を繰り返していると、「そこ、右……通り過ぎた」Aが言った。
バックさせると何とか一台通れそうな細い脇道が伸びている。
その脇道に入って少し進むと開けた場所に出た。「着いた?」と後ろから声がする。
「もう少し上に行くと、ある」
そう答えながら、Aが車を降りた。
そしてそのまま、用意していた懐中電灯も持たず、皆が止めるのも聴かずにさっさと山の塚のある方へ歩いていった。
周囲は霧雨。ヘッドライトの明りから外れるともうどこへ行ったか分からない。
慌てて車を降りて周囲を探したが、Aの姿はどこにもなかった。
呼びかけても返事はない。携帯を鳴らしても出ない。
残った4人で相談をして、俺とカップルの男の二人が探しに行くことになった。
女性二人は車で待機。もしAが戻ってきたら連絡をくれるよう言って、男二人で懐中電灯を持ってA行った方向へ歩いていった。
その先にかなり昔に作られた、木を横にした階段のような物が伸びていた。
黙々とそれを上っていく。霧雨が服に染み込んで冷たいくせに、周りの空気は妙にぬるくてやたら気持ち悪かった。
十分ほど上ると、一緒にいた男の携帯が鳴った。
「彼女だわ」と男が電話に出た。通話ボタンを押した瞬間、携帯から金切り声が聞こえてきた。
弾かれたように男が踵を返して走り出した。慌てて自分も後ろを付いて行く。
68 :
代理投稿 ◆ztxSLaq9Ok :2012/08/18(土) 22:26:43.94 ID:YriqamUu0
(3/3)
付けっ放しにしていた車の明りが見える。「おーい!」と声をかけながら近づいて全身が総毛立った。
車の後ろ、トランクの上に誰かが佇んでいる。
車内灯の明りから外れていて誰とは分からないが、見た瞬間に「Aだ!」と思った。
後部座席で蹲って泣いている女性を一緒にいた男に任せて、Aに近寄り声をかけた。
Aは呆然と突っ立っている。何度か声をかけて、足を思いっきり叩くと
「え? あ? 何? うぇ?」
と素っ頓狂な声をあげていた。
Aをトランクから引き摺り下ろし、車に押し込んで、その場から逃げ出した。
後部座席では女達が泣いていて、助手席ではAが混乱している。
来た道を戻り、工房に到着する頃にはAを除く全員がクタクタだった。
Aに事情を聞いたが、酔い潰れて眠ったところから一切の記憶が無いという。
隠れて脅かそうとしてたんだろ、と問い詰めたが、
「違うよ……二人が行ってから、すごい大勢の人が車の周りを回ってた」
「ヘッドライドの前を誰かが通って、光が遮られるんだけど、姿が見えなかった」
という女性陣の意見に掻き消された。
それに、山道を上っていた男二人は霧雨のせいでぐっしょりと濡れていたのにもかかわらず、
Aは少しも濡れていなかった。
【了】
69 :
月明 ◆vQGKKdpBnE :2012/08/18(土) 22:26:59.88 ID:zKNb9dnH0
二十一本目の蝋燭が消えました・・・
コッソリ ◆.PiLQRq.0A さん、ありがとうございました
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米屋◆YZbG3mcRGI さん、第二十二話をお願いします
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70 :
動画 ◆ElPl8xGQc2 :2012/08/18(土) 22:27:48.82 ID:9cScHy9v0
二十一本目の蝋燭が消えました・・・
コッソリ◆.PiLQRq.0Aさん、ありがとうございました
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米屋◆YZbG3mcRGIさん、第二十二話をお願いします
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71 :
代理投稿 ◆ztxSLaq9Ok :2012/08/18(土) 22:29:26.95 ID:YriqamUu0
米屋 ◆YZbG3mcRGI 『A姉妹』
(1/2)
思い返せば、あれは心霊体験?という話。
小学生のころ近所に仲良しの幼なじみA姉弟が住んでた。
学校から帰るとすぐ、A家に寄って、姉弟と私の三人で公園へ行くのが日課だった。
A姉弟は、ごく普通の子供。
雨の日なんかはA家の中で遊んだりしたけど、それがすごく嫌だった。
なぜなら毎回ナゾの女が来るから。そしてその女が大嫌いだったから。
まず玄関がノックされる。
A弟の声で「お姉ちゃん開けて」と言う。
それはA弟ではないので開けてはいけない。
暫くほっといたらいなくなる。
玄関はすりガラスなんだけど、写っている影が明らかに太った大人の女。髪の毛がボサついた感じ。
雨の日のこの時間には大体来るらしかった。
私はこの女に何かされたわけでもないのに、心底嫌いで堪らなかった。
A家両親は共働きで夕方以降に帰って来るから遭遇率は低い。
72 :
代理投稿 ◆nqnJikEPbM.8 :2012/08/18(土) 22:32:37.28 ID:HvFrBJMW0
「昨日お父さんが酔ってて、あいつ来た時玄関開けちゃったの」と学校で聞かされた時は本当に気の毒に思った。
「で、どうなったの?」
「中に入ってきて大変だったよ」
それはそれは本当に大変だろうなとナチュラルに思っていた。
あの女は一体何者だったのか良くわからないけど、中に入ってきて、どう大変だったのか今更ながら気になっている。
ちなみにA姉弟とはもう疎遠になっています。
【了】
73 :
月明 ◆vQGKKdpBnE :2012/08/18(土) 22:33:15.86 ID:zKNb9dnH0
二十二本目の蝋燭が消えました・・・
米屋◆YZbG3mcRGIさん、ありがとうございました
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かぐら ◆Ccp.OZqu04w2さん、第二十三話をお願いします
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74 :
代理投稿 ◆nqnJikEPbM.8 :2012/08/18(土) 22:34:26.46 ID:HvFrBJMW0
かぐら ◆Ccp.OZqu04w2 様 『七夕祭りの噂』
母親の実家のある山深い村落で、毎年夏祭りがある。
幕末から百数十年続くもので、毎年決まって梅雨の時期に開催されることもあって、
宵祭りか本祭り2日間のうちどちらかに必ず雨が降る。
この祭典は昔から陰で、誰が言い始めたものか、
――雨の降らない年は、奇怪なことが起こる。
とされてきた。
母が言うには、そうささやかれたことにはきっかけがあったのだそうだ。
実はこの数十年の間に、当日雨の降らなかった年が一度だけあり、痛ましい事故が発生した。
祭典当日、山車を引っ張っていた青年部の一人が、車輪にひかれて亡くなった。
後にも先にも山車の周りで事故があったのは、このときをおいて他になかった。
若い屈強な男ばかりで、事前に十分な訓練も積んでいるし、こんなことはあり得ない。
内臓破裂で、周囲が駆け寄ったときにはもうどうしようもなかった。おかしなことに近くで目撃した人々の話では、
「綱をもっと引け」
という皆の怒号に逆らうように、迫ってくる山車に向かってよろよろと自らの体を滑り込ませたのだという。
それからしばらくして、年が変わらないうちに、交通事故が起こった。
現在でも運行されているが、母の実家のすぐ脇の高台に電車が通っている。
ここで男性が線路に首を預けて寝転がり、自殺を図った。
どういうわけか、列車の鉄車輪は、首をはねずに鎖骨の下を引きちぎった。
当時子供だった母の友人が、騒然となった現場を通りかかり、その様子を母に伝えに駆けてきたのだそうだ。
不幸なことに男は辛うじて息があり、その咽喉が生きているばかりに、
「のどがかわいた。水をくれ、水をくれ」
と、うめくように肉塊が声を振り絞っていたという。
私はこの話を初めて聞いたとき、作り話ではないかと笑ったが、
母は、そのときの友人の、何ともいえないやるせない青白い顔が、今でも忘れられないそうだ。
【了】
75 :
月明 ◆vQGKKdpBnE :2012/08/18(土) 22:35:17.60 ID:zKNb9dnH0
二十三本目の蝋燭が消えました・・・
かぐら ◆Ccp.OZqu04w2さん、ありがとうございました
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はんぶん ◆hNCx62prg6さん、第二十四話をお願いします
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76 :
代理投稿 ◆nqnJikEPbM.8 :2012/08/18(土) 22:36:15.73 ID:HvFrBJMW0
はんぶん ◆hNCx62prg6 様 『実習先の病院の話』
(1/3)
自分、数年前までとある看護学校の教師やっててさ。
看護学校って、看護師の資格を取る為にもちろん座学もあるし、二年次になると本格的な実習もあるわけよ。
いくつかの病院回って一週間ずつくらい実技実習するんだけど、当然生徒の指導をするために教師も行くわけ。
で、うちの学校の実習先って古い病院ばかりだったんだよね。
その中でも自分が苦手だったのが、T病院。
元もとはそこの病院で働く人の寮か何かだったのか、病棟とは離れたちょっとした森みたいな場所に古い建物があって、
その一階の一部に更衣室兼指導室があったんだけど雰囲気が異様。
建物自体も古くて奇妙なんだけど、中がもうなんていおうか、光が当たらない。
電気つけても昼でも暗い。梅雨時で毎日雨が降りまくってた時期だってのもあるかもだけど
玄関には無意味に大きな鏡があって、指導室の手前の部屋は助産室?の札がある、もちろん古くて使われていないがそれも不気味だし、
トイレもじめじめした感じ。
天井からは常に話し声と足音がする、これは掃除のおばちゃんが使ってるからみたいだけど。
一番嫌だったのは、指導室の中の戦争を思わせる古い絵、大人と子どもが描かれたポスターがあって暗闇じゃなくても直視できないくらいでさ。
あるとき、生徒は皆実習で、もう一人の先生はそれに着いて病棟に行ってて、時間は11時頃。もうそろそろ早い生徒は戻ってくるだろうって頃だった。
自分は指導室に一人きりで生徒の看護記録を読んでたんだよ。
77 :
代理投稿 ◆nqnJikEPbM.8 :2012/08/18(土) 22:37:12.06 ID:HvFrBJMW0
(2/3)
そしたらさ、
……なんか、後ろから視線?というか、何がを感じたんだよね。後ろって、あのポスターがちょうど俺の背中側にあるんだけどさ。
(嫌な感じだなあ、振り向きたくないな……)と思ってたんだけど、振り向かないのもずっと怖いままじゃん。
だから結構考えたあとで意を決して振り向こうとしたとき、
がちゃがちゃがちゃっ!
て、手元のファックスが動き出したんだよ。びっくりして声も出なかった俺は慌ててコンセント抜いて電源切って、心臓ドキドキばくばくして早く先生帰ってこいよくそが!!!って思ってた。
そしたら天井から掃除のおばちゃんたちの話し声と足音がした。今から昼食休憩かと、いつもは苛々するけどその時はは心底ほっとしたし助かったと思った。
そのときドアが開いて、雨でびしょ濡れの生徒が一人で帰ってきた。もう足音は止んだけど心底おばちゃんたちに感謝したわ。
ちなみにファックスはインクの調整?かなんかで勝手に動くときがあるらしいwびびらせんなw
って話を昼飯のとき、一番初めに帰ってきたその生徒に話したら、すっごい不思議な顔されたわ。
「私今通路通ってきましたけど、周りには誰もいなかったですよ」だって。ぞっとしたよ。
78 :
代理投稿 ◆nqnJikEPbM.8 :2012/08/18(土) 22:38:21.01 ID:HvFrBJMW0
(3/3)
確かにここまで歩くには病棟からの通路は一本道しかなくて、周りを見渡せるくらい広くて結構長い。そんでもって屋根がないから生徒は濡れて帰ってきたんだけど、
その生徒は自分以外にそこを通ってきた人はいないって言うんだ。……おかしいよな。おばちゃんたちが帰ってきたのは、生徒とほぼ同時刻だったはずだ。
ていうかさ、頭上から足音が聞こえるわけないんだよ。
びしょ濡れになるくらい雨が降ってて五月蝿いのに足音やら話し声やら、天井から聞こえるわけないよ。
何より、改めて確認したら掃除のおばちゃんたちの使ってる部屋は二階じゃなくて一階の、しかも離れた端っこにあるみたい。
俺が聞いたのは何の足音だったんだよ
【了】
79 :
月明 ◆vQGKKdpBnE :2012/08/18(土) 22:38:39.94 ID:zKNb9dnH0
二十四本目の蝋燭が消えました・・・
はんぶん ◆hNCx62prg6さん、ありがとうございました
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わたくし ◆Zdj8zv6ZTさん、第二十五話をお願いします
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語り部希望は【語り部受付スレ】で、
雑談と感想は【雑談スレ】で、
規制中の方は【避難所】でお願いします。
80 :
代理投稿 ◆nqnJikEPbM.8 :2012/08/18(土) 22:39:15.72 ID:HvFrBJMW0
わたくし ◆Zdj8zv6ZTc 様 『ハブが来た』
(1/2)
帰省したのち、親戚一同が集った夜のこと。
わたくしに振られる話題と言えば「お仕事はどう?」だの「嫁こはまだか?」だの。
お得意の営業酒をしながら、ああ息苦しいと喫煙のために席を外しました。
わたくしの郷里は岩手県某市の山中にあり、陽が落ちれば家の明かりのみが頼りで。
開発の流れから少し置き去りにされたような、まあ、寂れた場所でございます。
酒宴の喚声と、エンマコオロギの鳴声とを聴きながら一服していると、
「疲れちゃった?」
と、背中越しに女性の声があります。母でありました。
今年で五十を数える方で、思えば苦労ばかりを掛けて来たわたくしで……。
「あんたが帰って来たのも久しぶりだからねぇ」
母が来たのだからとわたくしは煙草を揉消そうとしますと、
「駄目々々。煙草は消したらいけない」
「え、だってお母さんは煙草吸わないだろう?」
81 :
代理投稿 ◆nqnJikEPbM.8 :2012/08/18(土) 22:40:22.92 ID:HvFrBJMW0
(2/2)
怪訝でありました。吸うのも良いけど程々にしなさい、が母の常であったもので。
ところがうっすらと眉根にしわを寄せた母がポツリと言うには、
「ハブが来てるから点けたままにしなさい」
「はぶ? 蛇?」
ハブが煙草の煙を嫌がるとは聞いた事がありませんでしたが、
「嫌われてるって意味ではおんなじよ。でも、ほら、御盆だからねぇ」
このことで蛇とは違うハブが来ているのだと分かりました。
御盆時には地獄の釜の蓋が開くと申しますが、そのような者なのでしょう。
「……この時期は嫌だね。怖いことばっかりだ」
「だから、あんた、帰ってこないんでしょう?」
正直なところ、まさしくその通りでありました。
言いながら、わたくしの視界の隅に黒と緑が合さった斑模様の、何ともいえない異形の、
ぬめぬめとヒルのように蠢く物体が地面をのたうっておりまして……。
「嫌だ。うん、帰ってくるなら冬が良いよ」
いつもより長く吸い込んだ煙を、下向きに吐き出してやったものです。
【了】
82 :
月明 ◆vQGKKdpBnE :2012/08/18(土) 22:40:45.50 ID:zKNb9dnH0
二十五本目の蝋燭が消えました・・・
わたくし ◆Zdj8zv6ZTさん、ありがとうございました
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雷鳥一号 ◆zE.wmw4nYQさん、第二十六話をお願いします
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83 :
代理投稿 ◆nqnJikEPbM.8 :2012/08/18(土) 22:42:53.99 ID:HvFrBJMW0
雷鳥一号 ◆zE.wmw4nYQ 様 『カツラ』
(1/2)
後輩の話。
大学生の時分、彼は警備会社でバイトをしていた。
あるデパートで物産展の警備に駆り出された時のこと。
彼の持ち場にの近い仮設厨房で、小さな騒ぎが持ち上がった。
洗い物をしていたシンクが詰まってしまったというのだ。
待つほどもなく、設備担当の人が来て、仮設の汚水管をバラし始めた。
シンクからパイプシャフトまでの間に詰まり物があるらしく、
中を掃除しようという腹だったらしい。
管が硬い音を立てて外れた瞬間、端から何かがズルッとこぼれ出た。
黒くて長い、髪の毛がびっしり。
その場に居合わせた者が仰天していると、髪の毛はあっという間に管の中へ
吸い込まれて姿を消した。
ただ一人落ち着いた様子の設備担当者は、元通りに管を繋ぐと、
何事もなかったように水を流してみた。
問題なく流れていく。管詰まりは解決したようだ。
平然と去る担当者以外は皆、どうにも釈然としない面持ちだったが、
物産展の開業中はとにかく忙しい。
誰ともなく仕事に戻り始め、すぐにその騒ぎは忘れられた。
その晩、仕事が終わってから警備会社に戻った折に、この話を上司にしてみた。
「何で仮設の管に、あんな大量の髪の毛が入ったんでしょうね?」
そのデパートで長く仕事をしている上司は、驚く素振りも見せずに言う。
「それ、多分シンクから流したんじゃなくて、下から這い上がってきたんだよ。
あの近辺の汚水管には、昔から鬘が居着いているんだ」
84 :
代理投稿 ◆nqnJikEPbM.8 :2012/08/18(土) 22:43:56.74 ID:HvFrBJMW0
(2/2)
「へ? カツラ?」驚いてそう問い返す。
「いや、本当に鬘かどうかは誰も知らないが。
でもあそこで下水が詰まるといつも、その鬘みたいなモノが見つかるんだ。
サッとすぐに逃げ出すから、捕まえられたことはないらしいがな。
以前に専用の掃除ブラシを奥まで突っ込んでみたところ、みっしりと黒髪が
絡みついて引き出されてきたそうだ」
別の上司が割って入る。
「あの通りの地下共同溝に入っている時にさ、時々ゴツンゴツンって、
汚水管の中を移動する音を聞いた奴なら結構いるぞ。
勾配を遡っていたって話もある。
まぁ得体の知れないモノには、極力関わり合いにならんことだ。」
上司二人はうんうんと頷いていた。
後輩は「何かヤだなぁ」と思ったが口には出さず、卒業するまでその会社に
お世話になり続けたのだという。
【了】
85 :
月明 ◆vQGKKdpBnE :2012/08/18(土) 22:44:37.23 ID:zKNb9dnH0
二十六本目の蝋燭が消えました・・・
雷鳥一号 ◆zE.wmw4nYQさん、ありがとうございました
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メタルスライム ◆LuWpVnhAYsさん、第二十七話をお願いします
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86 :
メタルスライム ◆LuWpVnhAYs :2012/08/18(土) 22:45:09.18 ID:bWhVyysF0
「体験談のその後」(1/2)
私が2009年にお話した『自殺した中学生の話』を覚えていらっしゃる方、何人いらっしゃいますか?
ttp://b3qq01.blog100.fc2.com/blog-entry-79.html (第6話です)
実は最近、あの場所で『事件』が起きたのです。
始まりは去年の年末から年始にかけて。
それまで、あの自殺があってから特別霊的なことは起きていなかったのですが
雪が降るようになってから不思議な話が出てきたのです。
「地吹雪の中、人影らしきものが線路の上に立っていた」
「何も無いところなのに、列車の運転手はなにか見えているのかやたらと汽笛を鳴らす」
「誰もいないはずなのに、何かが光っているのを見た」・・・
87 :
メタルスライム ◆LuWpVnhAYs :2012/08/18(土) 22:46:15.31 ID:bWhVyysF0
(2/2)
そして、雪が溶け春が訪れると
「踏み切りの故障で列車が立ち往生したのがちょうど自殺した場所だった」
「付近で原因不明の電気系統トラブルが多発している」
。。。。。などなど。。。。。
そして5月の連休中、『事件』がおきたのです。
前に中学生が列車に飛び込んで自殺した、ほぼ同じ場所でまた中学生が自殺したのです。
それまで起きていた現象は、自殺した中学生からの
『また悲劇が繰り返される警告』だったのではないのか?
今、周りではその噂でもちきりです。。。。。
【了】
88 :
月明 ◆vQGKKdpBnE :2012/08/18(土) 22:47:21.97 ID:zKNb9dnH0
二十七本目の蝋燭が消えました・・・
メタルスライム ◆LuWpVnhAYsさん、ありがとうございました
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コッソリ ◆.PiLQRq.0Aさん、第二十八話をお願いします
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89 :
代理投稿 ◆ztxSLaq9Ok :2012/08/18(土) 22:48:54.85 ID:YriqamUu0
すいませんん、テスト
90 :
代理投稿 ◆nqnJikEPbM.8 :2012/08/18(土) 22:50:10.70 ID:HvFrBJMW0
コッソリ ◆.PiLQRq.0A 様 『受付嬢の話』
(1/2)
知り合いに、あるデパートで働いている女性がいる。
彼女は今年の夏、働いているデパートで催されたお化け屋敷の受け付けに抜擢された。
そのお化け屋敷と言うのは、有名なお化け屋敷デザイナーが考えたものらしく、毎年色々なところで開かれているものらしい。
今年は彼女のデパートの4階の1フロアを使い、マネキンをテーマにして開催されている。
通常のお化け屋敷とは違い、中に入ってから課せられた目的をこなしつつゴールまで行かなければならないそうだ。
そのミッションと注意事項の説明は、彼女が受け付けた時に同時に説明することになっていた。
スタッフである彼女から見てもかなり良い出来らしく、開催してから今日まで悲鳴が途絶えることはないと言う。
オフの日にはわざわざ友達と出かけて実際に体験したが、半泣きになったそうだ。
「そんなお化け屋敷の受け付けだから、毎日悲鳴が聴くの。なんかそれが耳に染み付いちゃって……」
「帰って家に一人で居る時にそれが蘇ってさ。結構、怖い」
眉をしかめながらも、そう楽しそうに話していた。
そんな彼女と先日、ばったり道端で出くわした。
ちょうどお化け屋敷の受け付けは休みだったそうだが、平日で遊ぶ相手もいなくて暇を持て余していたそうだ。
「面白い話があるから」
コーヒー一杯と外回りの仕事を1時間ほど放棄することを条件に、その話を教えてもらうことになった。
「なんか、最近どうも気になってることがあるのね?」
初めに違和感に気が付いたのは、あるカップルだったそうだ。
20代後半の仲の良さそうなカップルで、直前までは楽しそうにはしゃいでいたが、
いざ彼女が説明を始めると、思わず笑いたくなるほど顔を引きつらせていたのが印象的だったので覚えていたらしい。
91 :
代理投稿 ◆ztxSLaq9Ok :2012/08/18(土) 22:52:38.15 ID:YriqamUu0
(2/2)
カップルを見送って、中で後続のお客さんと出会わないように、しばらく時間を置いてから次のお客さんへ説明を始める。
説明している途中から、お化け屋敷の中からは先ほどのカップルと思しき悲鳴が聞こえてきていた。
「ぎゃあああああ!!」「のわあああああああ!!」「やだあああああ!!」
想像したとおり、かなりの大音量だった。
そろそろ出てくるかな、と出口付近を何気なく見る。どんな憔悴した顔をして出てくるのか、見たかったらしい。
「それで、見覚えのある顔が出てきたから、『あ、あれだ』と思って、見たんだけど……」
カップルの女性が変わっていたと言う。
雰囲気とか、恐怖によって顔が引きつっているとかそういうレベルではなく、全くの別人になっていた。
ショートだったはずの黒髪は、緩く巻いた茶色のセミロングに。
ふくよかだったはずの体型は、スリムに。
来ている服もデート服らしいフリフリとした物から普段着に……。
しかし、男の方はどう見ても先ほどのカップルだった。
お化け屋敷を無事に終え、しきりに傍らの女性に話しかけている。
その女性も男性の話に応じて頷いたり、笑ったりしながらその横を歩いている。
まるで最初からその二人がカップルだったように、仲睦まじく帰って行ったそうだ。
「最初はそりゃ見間違えたと思ったよ? お化け屋敷の受け付けだから、薄暗いし……」
それでもなんとなく気になって、その後に続くお客さんの顔を出来る限り覚えて、出てくるお客さんと照らし合わせていたと言う。
「だから、そっちに気をとられて、説明トチるわミスるわでさ……」
そんな彼女の努力も虚しく、その日は何事も無かったそうだ。
次の日も、その次の日も、彼女は受け付けに立ちながら、出入りするお客さんの顔を照らし合わせていた。
「2,3日に1組か、多くて2組……」
今も入れ替わりは続いているらしい。
【了】
92 :
動画 ◆ElPl8xGQc2 :2012/08/18(土) 22:53:09.31 ID:9cScHy9v0
二十八本目の蝋燭が消えました・・・
コッソリ◆.PiLQRq.0Aさん、ありがとうございました
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メタルスライム◆LuWpVnhAYsさん、第二十九話をお願いします
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語り部希望は【語り部受付スレ】で、
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93 :
月明 ◆vQGKKdpBnE :2012/08/18(土) 22:53:10.51 ID:zKNb9dnH0
二十八本目の蝋燭が消えました・・・
コッソリ ◆.PiLQRq.0Aさん、ありがとうございました
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メタルスライム ◆LuWpVnhAYsさん、第二十九話をお願いします
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規制中の方は【避難所】でお願いします。
94 :
メタルスライム ◆LuWpVnhAYs :2012/08/18(土) 22:54:13.11 ID:bWhVyysF0
「黒猫」(1/2)
私が小学生のとき通っていた剣道クラブの友人A君の話です。
A君は練習場に向かうとき、いつも使っている近道がありました。
それは大きいお寺の横にある墓地内の細い道を通り抜けて、その先のT字路を渡る、というルートでした
ある日、いつものように墓地内の道を歩いていたA君は墓の影から黒猫が見ていることに気が付いたのです。
「前を横切られるのも嫌だな。。。」と思ったA君、立ち止まってしゃがみこみ
(どうするつもりなのかな・・・?)と、じっと見つめてみたそうです。
すると、その黒猫はなぜか不思議そうな顔で見つめ返した後、そのまま後ろに引き返してそうです。
95 :
メタルスライム ◆LuWpVnhAYs :2012/08/18(土) 22:55:25.98 ID:bWhVyysF0
(2/2)
(なんだったのかな・・・?)と思い、そのまま練習場に向かおうとした際
T字路で大きな物音がしたのです。
行ってみると、車同士の衝突事故が起き、ぶつかった車が歩道に突っ込んでいたのです。
もし、黒猫に気付かずにそのまま向かっていたら、突っ込んだ車にはねられていたかもしれなかったそうです。
あの黒猫はA君を助けたのでしょうか?
しかし、A君は聞き逃しませんでした。
黒猫が後ろに引き返したとき、どこからともなく「チッ…」という舌打ちのような声がしたのを・・・
【了】
96 :
動画 ◆ElPl8xGQc2 :2012/08/18(土) 22:55:52.19 ID:9cScHy9v0
二十九本目の蝋燭が消えました・・・
メタルスライム◆LuWpVnhAYsさん、ありがとうございました
γ
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〈| 'J |! }j :}
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( .( '、_ _ ,ノ ノ:i )
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`ー--─'"
キツネ ◆8yYI5eodysさん、第三十話をお願いします
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語り部希望は【語り部受付スレ】で、
雑談と感想は【雑談スレ】で、
規制中の方は【避難所】でお願いします。
97 :
代理投稿 ◆ztxSLaq9Ok :2012/08/18(土) 22:58:05.07 ID:YriqamUu0
キツネ ◆8yYI5eodys 様 『池畔の電話ボックス』
(1/5)
この話を語る前に。
特に何が起こるわけでもございませんが、念のため携帯電話の電源をお切り頂いた方がよろしいかもしれません。
なんせ、電話に纏わる怪異ですので・・・念のため。
あれは5年前の、お盆を過ぎた頃でしょうか。
私は大学のサークルの合宿で、とある山奥のバンガローに来ておりました。
丁度そばに大きな池を望み、10棟ほどあるバンガローのうち2棟ほどを借りて。
合宿というのは名ばかりで、気心の知れた仲間たちと釣りに興じたり、酒を飲みながらバーベキューをしたり、花火をしたり。
幸い晴天にも恵まれまして、まあ、羽目を外して遊ぶための小旅行のようなものでした。
さて、日も暮れて花火でひとしきり盛り上がった後のこと。
片づけを終えた私が男性陣の泊まっているバンガローに戻ると、女性陣も集まっており、みんなが思い思いに缶ビールやチューハイを傾けながら雑談に興じておりました。
戻ったばかりの私と後輩のAさんが冷蔵庫からお酒を出して、皆の会話に混ざった時でした。
話題はちょうど、すぐそばの池の話になりまして、地元出身のBくんがこの池に纏わる話をしてくれておりました。
いわく、その池には戦後、大量の戦車が沈められただの。
池の周囲の山道ではよくバイクがガードレールを越えて池にダイブするだの。
はたまた、池に身投げをする人も少なくないだの。
果ては、その遺体がなかなか上がってこないだの。
98 :
代理投稿 ◆ztxSLaq9Ok :2012/08/18(土) 22:59:00.13 ID:YriqamUu0
(2/5)
まあ、バイクが池ダイブというのはネタだったのでしょうが、なるほど。
昼間に池の桟橋で釣りをしている時に覗き込んだ池は相当な深さのようで、それらの話に信憑性を感じたのを覚えています。
どうやらこの池というのが地元のローカルな心霊スポットだったようで、話題は自然、怪談話へとシフトして参りました。
そうして、ひとしきり盛り上がった後。
酔っ払ったノリと室内の空気のせいか、誰かが「肝試しやろう」と言い出しまして、そのまま肝試しをする流れとなりました。
ルールは、
1.池の周りの山道を1周して帰ってくること
2.証拠として、途中にある電話ボックスからバンガローに電話すること
3.クジで男女1人ずつのペアを組んで行くこと
3つ目は何やら提案した仲間の下心が見え隠れするものでしたが、ともあれ、私は後輩のCと回ることになりました。(余談ですが、提案した奴は”ハズレ”で1人で回る羽目に)
さて、いよいよ最後の組・・・私たちの番となりました。
バンガローが並ぶ敷地から山道に出ると、木々の圧迫感と崖に挟まれ、思いのほか恐怖心を煽られます。
私は時折Cさんに「後ろ!」「今そこでガサッて!」などとお茶目な冗談を投げかけながら、Cさんはその度に「ふざけんな!」「コロスコロスコロス…」などと会話のキャッチボールを楽しみつつ、歩を進めて行きました。
半分、いや、四分の三ほど回った頃でしょうか。
眼前に黄緑色を帯びた光が見えて参りました。
それは暗闇の中にポツン、と佇む、例の電話ボックスです。
99 :
代理投稿 ◆ztxSLaq9Ok :2012/08/18(土) 23:00:59.62 ID:YriqamUu0
(3/5)
私とCさんは明かりに安堵しながら、電話ボックスに入りました。
すぐさま私は事前にバンガローの電話番号をメモしておいた切れ端を取り出し、受話器を上げます。
長年財布の中で眠っていたテレフォンカードを入れ、番号をプッシュ。
プルルルルルルル・・・プルルルルルルル・・・プッ
相手が受話器を上げたーーーその時でした。
ばちん!という板に手を叩き付けたような音と、「い゛っ・・・!」という形容しがたいCさんの悲鳴。
慌てて振り返ると、怯えたCさんの顔。
その視線をゆっくり辿ると・・・
そこには、上半身を電話ボックスの入り口に押し付けた女が、じぃっ、と中を覗き込んでいたのです。
これでもか、と見開いた赤い目で、じぃ・・・っと。
女は、決してこちらから目を離すことなく、電話ボックスに張り付いたままゆっくりと倒れ込んでいきます。
そして、女の動きに合わせるかのように、きィー・・・っという爪で引っ掻くような甲高い音が響いたのです。
・・・・・・なぜか、受話器の向こうから。
ふと、我にかえり電話ボックスから飛び出しました。
そこには、水溜りがあるだけ。人の気配なんて微塵もありません。
冷静になったのか、はたまた、気が動転していたのか。
私はなぜか、「誤って池に落ちた人が自力で這い上がって来たのかも」という不安に駆られまして、しばらくその辺りを捜しまわりました。
やはり、人影は見つからず。
そこには息を切らせた私と、足がガクガクして立ち上がれないCさんだけが電話ボックスの照明に照らされているばかりでした。
100 :
代理投稿 ◆ztxSLaq9Ok :2012/08/18(土) 23:01:30.24 ID:YriqamUu0
(4/5)
それからCさんを背負ってバンガローに戻った私は、戻りが遅い私達を心配して出てきた仲間に事情を話し、管理人さんがいる建物に向かいました。
どうしたの?と出てきた管理人さんに事情を話して、警察に連絡した方がいいか伺ったのですが、管理人さんはなぜか苦笑しながら「あー、あんたたち『も』見たのねぇ」と仰います。
拍子抜けした私達に、管理人さんはポツリ、ポツリと語ってくれたのですが・・・
あの電話ボックスでは私達以前にも、同じように女性を見た人が何人もいたのだそうです。
最初のうちこそ管理人さんは警察に連絡したりしていたそうですが、その度に付近を探しても女性は見つからない。
そんなことが続き、今では地元の人間は気味悪がって誰もあの電話ボックスには近づかないのだそうです。
その最初の目撃談から前後して、池から女性の遺体が上がったそうです。
明け方に桟橋で釣りをしていた男性が見つけたのですが、ちょうどその釣り糸に絡まるような形で・・・・・・浮き上がってきたのだとか。
そうして、最後に管理人さんはこう、付け加えました。
「あの死体ねえ、腕がこう、釣り糸を掴んだように絡まってたのよ。そのくせ、糸の先の針が、無くなっててねぇ」
針。
あの時受話器から聞こえてきた甲高い音は、電話ボックスを引っ掻くような音でした。
そう、ちょうど針でプラスチック板を引っ掻いたような・・・・・・。
101 :
代理投稿 ◆ztxSLaq9Ok :2012/08/18(土) 23:02:03.76 ID:YriqamUu0
(5/5)
果たして、私が見たアレは何だったのでしょうか。
それとも、単にお酒に酔った2人が同時に見た幻覚だったのか。
以上が私の経験した不思議な出来事でした。
えーと、最初の携帯の電源の話でしょうか?
いえね、実は過去に何度かこの話を友人や後輩、職場の同僚に語ったのですが・・・そのうち2度ほど、語っている場や相手に電話が掛かってきたのだそうで。
なんでも、受話器の向こうからキィーーーッ、と甲高い音が聞こえてきたとかなんとか。
ですから・・・・・・一応、念のため。
【了】
102 :
動画 ◆ElPl8xGQc2 :2012/08/18(土) 23:02:48.94 ID:9cScHy9v0
三十本目の蝋燭が消えました・・・
キツネ◆8yYI5eodysさん、ありがとうございました
γ
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_ノ
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. l| !| i""!|
}: }i |{ !j
〈| 'J |! }j :}
_ノ;し i} {J |
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( .( '、_ _ ,ノ ノ:i )
,、'""`ー---‐'"フ、_ - _,、' -'"
( _ ,、'"  ̄
`ー--─'"
メタルスライム◆LuWpVnhAYsさん、第三十一話をお願いします
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103 :
メタルスライム ◆LuWpVnhAYs :2012/08/18(土) 23:03:34.73 ID:bWhVyysF0
「父と、母と、苦笑い」
私の父は約10年前、肺がんで亡くなっています。
父が病院で容態が急変し、意識がなくなる直前
病室に慌てて入った母がコードに足を引っ掛けて転びそうになり
それを見た父の「ふふっ・・・」と言う苦笑いが、父の最期の言葉でした。
最近は年をとってすぐつまづくようになった母はつまづいたとき、たまに
「お父さん?」とつぶやくことがあります。
父の苦笑いが聞こえることが、あるそうです。
【了】
104 :
動画 ◆ElPl8xGQc2 :2012/08/18(土) 23:04:37.63 ID:9cScHy9v0
三十一本目の蝋燭が消えました・・・
メタルスライム◆LuWpVnhAYsさん、ありがとうございました
γ
(
_ノ
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,、'" . `' 、
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. l| !| i""!|
}: }i |{ !j
〈| 'J |! }j :}
_ノ;し i} {J |
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( .( '、_ _ ,ノ ノ:i )
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( _ ,、'"  ̄
`ー--─'"
秋鳥 ◆X0TyCi.5ooさん、第三十二話をお願いします
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規制中の方は【避難所】でお願いします。
105 :
代理投稿 ◆ztxSLaq9Ok :2012/08/18(土) 23:05:00.51 ID:YriqamUu0
秋鳥 ◆X0TyCi.5oo 『もしもしさん』
(1/2)
最近携帯持ってない人ってあまり見ないよね。
怪談話なんて10年くらい前までは、
物音が聞こえるとか人影が見えるとか直接出てくるとかそういうのが多かった。
携帯が普及し始めて、霊も携帯に対応してきてるみたいで、
この話も、そういう携帯怪談のうちの1つ。
去年、部屋の掃除をしてたら、
昔私と姉が使って遊んでた、子供用のおもちゃの携帯が出てきた。
それは、ボタンを押すともしもし、とか電話の音が鳴るよくあるおもちゃなんだけど、
当然のようにもう使わないから親戚の子供にあげた。
それで、しばらくしてその親戚の子にあったときに、ちょうどその子がその携帯のおもちゃで遊んでいた。
ああ、ちゃんとそれで遊んでくれてるんだな、と思って眺めてたら、その子が携帯に向かって話しかけてた。
電話ごっこしてるんだろうけど、何を話しているのか気になって、近寄ってその子に
誰と話してるの?って聞いてみたら、
106 :
代理投稿 ◆ztxSLaq9Ok :2012/08/18(土) 23:05:31.57 ID:YriqamUu0
(2/2)
「もしもしさんだよ」
ああ、電話だからもしもしか、可愛いなと思った。
またしばらくしてから見てみると、携帯を耳に当てながら絵をかいてた。
何書いてるの、と絵を後ろから覗き込んでみたら、
「もしもしさんだよ」
赤いクレヨンで顔をグシャグシャに塗りつぶされた、女の人らしき絵がかかれていた。
その絵は、親戚の子のお母さんがすぐに捨ててしまったが、
その子はまだ携帯のおもちゃで遊んでいる。
もしもしさんって誰だろう。
おわり
107 :
動画 ◆ElPl8xGQc2 :2012/08/18(土) 23:05:58.35 ID:9cScHy9v0
三十二本目の蝋燭が消えました・・・
秋鳥 ◆X0TyCi.5ooさん、ありがとうございました
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合いの手さん、第三十三話をお願いします
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108 :
代理投稿 ◆ztxSLaq9Ok :2012/08/18(土) 23:06:39.45 ID:YriqamUu0
合いの手 『異音』
(1/2)
ネット上で知り合い、共に創作活動をしていた友人がある日亡くなった。
同級生でも家族と親交があったわけでもない俺が知ったのは亡くなってからひと月もたってから。
友人の母が遺品を整理しているときに、友人の普段使いのPCをみつけたのがきっかけだった。
起動してみたところ、デスクトップに もしもの時に.txt というデータが残されていたらしい。
データの中身はたった一言。
【もし自分に何かあったときは、同じ趣味で知り合った○○(=俺)にPCを譲渡してくれ】
というものだった。
○○(=俺)が誰かわからなかった友人の母は、メールの履歴をたどり俺に連絡を取ってくれたらしかった。
友人は男で、オタクであったし、家族に見られたくないものもあるだろうと
友人の母は快くそのPCを俺に渡してくれた。
テキストデータを残すなんて物書きをしていた友人らしいと思いつつ、
友人の遺志を継ぐ形ではないが、俺はそのPCを普段使いのPCの一つにすることにした。
109 :
代理投稿 ◆ztxSLaq9Ok :2012/08/18(土) 23:07:26.92 ID:YriqamUu0
(2/2)
友人のPCを受け取り、数か月たったある日の深夜、突然部屋の中から鈴の音が聞こえてきた。
チリリリリリン
驚いてあたりをみわたしてみてもいつもの部屋で何も変わったところはみえない。
外から聞こえたにしては鮮明な鈴の音だった。
気のせいか、とネットサーフィンを再開するとまた
チリリリリリン
と鈴の音が聞こえてきた。
静かな部屋に鳴り響いた鈴の音、今度はどこから聞こえてきたのかはっきりとわかった。
目の前の、あの亡くなった友人から受け継いだノートパソコンからだった。
チリリリリリン
じっとノートパソコンを見ていると三回目の音がなった。
なんだ?どういうことだ?
甲高い鈴の音がなる原因はわからない。
リリリン…
先ほどより小さく音がなると、ふっ、とノートパソコンの画面が暗くなった。
電源ボタンを押してもうんともすんともいわなくなった友人のノートパソコン。
普段使いの別のPCを起動し、症状を検索してみるとすぐに原因がわかった。
なんのことはない、そのノートパソコンのHDDに寿命がきて、おしゃかになったのだ。
そうか、ついに壊れてしまったのか…と寂しい気持ちになったとき
もしかしたら友人が最後に別れを告げに来てくれたのでないか、俺はそんなことを考えた。
終わり
110 :
動画 ◆ElPl8xGQc2 :2012/08/18(土) 23:12:48.39 ID:9cScHy9v0
三十三本目の蝋燭が消えました・・・
合いの手さん、ありがとうございました
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おや、第三十四話の方のメールが行方不明のようでございます。
先程は語り部さんのデータが消え、今度は・・・
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111 :
動画 ◆ElPl8xGQc2 :2012/08/18(土) 23:20:37.52 ID:9cScHy9v0
お待たせいたしました
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メタルスライム◆LuWpVnhAYsさん、第三十四話をお願いします
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112 :
メタルスライム ◆LuWpVnhAYs :2012/08/18(土) 23:21:02.38 ID:bWhVyysF0
「三途の川?」(1/2)
私が小学生のときの話です
体育の授業中、体育館でバスケットボールを投げ合っていたときに
他の人が投げたバスケットボールがわき腹を直撃、
そのまま気を失ってしまいました。
気が付くと(?)真っ暗な中、遠くで何か光が見えてました。キラキラと光っていて
川かなにか・・・・・??
と、何かに突然引き戻される感覚があって・・・・・・・
113 :
メタルスライム ◆LuWpVnhAYs :2012/08/18(土) 23:22:40.74 ID:bWhVyysF0
(2/2)
気が付くと、
不安そうに周りを取り囲む同級生と先生と、救急隊の方が。
同級生の話によると私は倒れた後、手足が痙攣して、口から泡を吹き始め
みんな、「死ぬかもしれない・・・・」と思ったそうです。
あの時、見えた川のような光はひょっとしたら・・・・・・・・あの川?
【了】
114 :
動画 ◆ElPl8xGQc2 :2012/08/18(土) 23:23:09.94 ID:9cScHy9v0
三十四本目の蝋燭が消えました・・・
メタルスライム◆LuWpVnhAYsさん、ありがとうございました
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猫日和◆uT7xi0vwzY さん、第三十五話をお願いします
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115 :
代理投稿 ◆ztxSLaq9Ok :2012/08/18(土) 23:31:46.28 ID:YriqamUu0
猫日和(ねこびより)
題名:生霊
数年前の出来事です。
私は恋人と一緒に住んでいて、毎日を楽しく過ごしていました。
ある時期から、彼が頻繁に長電話をするようになったんです。
それはいつも二人で出掛けようとしてる間際や、食事を始める直前にタイミングを図るかのように
かかって来て・・・
普通なら「今出掛けるところだから」とか「食事中だから、かけ直すよ」と言うはずの彼が、
なぜかその電話だけには、どんな状況であっても断らずに出て、長々と会話をしていました。
私は詮索する性格ではないので、相手が誰かは尋ねたこともありませんでした。
彼の話では、大学時代の友人とのことでしたので、古い男友達くらいに思っていました。
それから数ヶ月たち、彼は東京に転勤になり、私達は離れ離れの遠距離恋愛になっていました。
でも、特に不安もなく毎日電話やメールのやり取りだけで安心していたのです。
一人寝にも慣れてきた、ある晩。
ふと寝苦しさに目覚めた私は、体が全く動かないことに気が付きました。
えっ、金縛り?! と思った私は、冷静に真言を胸の内で唱えながら、体を動かす努力をしてみました。
意外なほどアッサリと金縛りがとけ、再び眠りに落ちようとした途端、また金縛りになりました。
今度は、はっきりと背後から誰かにしがみつかれているような感覚があり、息遣いから女性であると解った
途端、ゾッと寒気が全身を走りました。
必死で体をひねって抵抗し「やめてっ!!」と大声が出た瞬間、しがみついていたモノは消えました。
横向きで寝れば金縛りにならないと聞いたことがあったので、横を向いて寝ようとしたのですが、
やはり金縛りになりました。
その金縛りは、数日に渡り、しつこく私を襲い続けました。
お陰で私は毎晩必死にもがき続け、ほとんど一睡もすることが出来ずに、すっかり参ってしまいました。
116 :
代理投稿 ◆ztxSLaq9Ok :2012/08/18(土) 23:32:39.93 ID:YriqamUu0
(2/3)
そうこうする内、おかしな小包が彼あてに届きました。
差出人の名前は女性。瞬間、私は毎晩金縛り中にしがみついて来た女性だ!と感じました。
なぜそう感じたか?と言われても、直感としか言えませんが…。
彼宛の荷物ですし、普段は彼に確認してから開けたり、帰るまで保管しておいたりするのですが、
その時は嫌な感じがしたので、怒られるの覚悟で封を開けました。
中からは、石と水。あと、広告の裏に書きなぐったような文字で書かれた手紙でした。
石と水はには、聞いたこともない宗教団体の名前と、ご利益について書かれた説明書のような物が同封されて
いて、ひどく邪悪な気を放っているように感じました。
手紙には、
【○○(彼の名前)!この間は、会いに来てくれて嬉しかった。今は結婚しているけれど、ずっと愛してた。
もう一度やり直したい。もう寂しい思いをさせないで…。一緒にいて欲しい。そばにいて。】
という、彼への思いを、思いつくまま書いたような狂気を感じるような文章に交え
石と水に関連のある新興宗教の教祖の本について
【素晴らしいから、送るからあなたも読んで!信仰すれば一緒に幸せになれる!】
【今は野菜を作ってくらしていて、毎日幸せ!とても楽しい!あなたも野菜を作るべきよ!】
という、なんの脈略のない内容が散りばめられ、尋常ではない空気感でした。
117 :
代理投稿 ◆ztxSLaq9Ok :2012/08/18(土) 23:33:12.81 ID:YriqamUu0
(3/3)
家に置いておくのが嫌だったので、水は流しに捨て、石は河原に捨てに行きました。
気味の悪い手紙は、とりあえず保管しておきました。
その晩は金曜日、週末で彼が帰宅して来ることになっていたので、見せようと思っていたのです。
彼が予定通り帰宅し、私は勝手に荷物を開けたこと謝罪してから、手紙を渡しました。
そして、いつも長電話していたのは、手紙の主である彼女では無いのか?と尋ねました。
彼は、そうだと言い、学生時代に付き合っていた彼女で、最近妙な宗教にハマっているので心配で
放っておくことが出来なかったのだと、私に話してくれました。
会いに行ったのも、その宗教を止めさせてまともになって欲しかったからだ、と。
私が初めて金縛りに合った日、それは、彼が彼女と会った日でした。
私は、金縛りに合ったことを彼に話しました。
石と水を送りつけてきたこと、手紙の内容のこと、彼女は尋常ではないと彼に言い、今すぐ手を切って貰えないかと頼みました。
彼は金縛りについては信じていないようでしたが、すぐに彼女に電話をして、
「恋人がいるから、二度と会うつもりも無いし、電話も手紙も止めてくれ。」と話をしてくれました。
本心から彼女が納得してくれたのかどうかは分かりません。
が、それ以後、私をしつこい金縛りが襲うことは無くなりました。
あれは彼女の彼への執着心が産み出した生霊だったに違いないと、私は今でも思っています。
終わり
118 :
月明 ◆vQGKKdpBnE :2012/08/18(土) 23:43:26.27 ID:zKNb9dnH0
三十五本目の蝋燭が消えました・・・
猫日和◆uT7xi0vwzYさん、ありがとうございました
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メタルスライム◆LuWpVnhAYsさん、第三十六話をお願いします
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語り部希望は【語り部受付スレ】で、
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規制中の方は【避難所】でお願いします。
119 :
メタルスライム ◆LuWpVnhAYs :2012/08/18(土) 23:44:28.66 ID:bWhVyysF0
「揺れる光」(1/2)
『鴻上尚史のオールナイトニッポン』をご存知の方………私ぐらいの歳ですかね?
番組内で『午前2時の時報と共に窓を開けて大声で吠えよう』みたいな企画がありまして
私も時々、声を出していました^_^;
その夜も、2階の窓を開けて声を出そうとしたとき
隣の家の窓におかしな光が見えたのです。
120 :
メタルスライム ◆LuWpVnhAYs :2012/08/18(土) 23:45:59.52 ID:bWhVyysF0
(2/2)
それはろうそくの炎のようなオレンジ色で
室内を右に、左に、奥に、手前に・・・・・・アトランダムに揺れていて。
「か、火事かも!?」とビックリして外に飛び出してみると、もうその光は無く
その窓は真っ暗でした。
あの光は何だったのか?今でもよく分かりません・・・・・
【了】
121 :
本当にあった怖い名無し:2012/08/18(土) 23:47:38.20 ID:aGHM/m4NO
あ
122 :
本当にあった怖い名無し:2012/08/18(土) 23:48:20.36 ID:8nNrJuaA0
アフィリエイトで転載して金儲けしていいですか?
123 :
月明 ◆vQGKKdpBnE :2012/08/18(土) 23:48:36.05 ID:zKNb9dnH0
三十六本目の蝋燭が消えました・・・
メタルスライム◆LuWpVnhAYsさん、ありがとうございました
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わたくし ◆Zdj8zv6ZTさん、第三十七話をお願いします
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124 :
代理投稿 ◆ztxSLaq9Ok :2012/08/18(土) 23:50:53.68 ID:YriqamUu0
わたくし ◆Zdj8zv6ZT 『紫煙』
(1/2)
さて、わたくしは喫煙者でありまして、最近は肩身の狭い思いをしております。
とは云え、わたくしが吸い始めた頃より風当たりは厳しくありましたので、
これは甘んじて受け入れ、ただ自分のみルールを守れば良いと確信しております。
しかしどうも、煙草の、この煙というものは嫌なものですね。
例えば出張前に新幹線を待っている時、喫煙所で一服して待機しているのですが、
(ああ、けむい。けむい。けむい)
と、自分から飛び込んだ箱の中で苦しんでいるわたくしでして……。
さて……。
紫煙というもの、嫌がるのは人間様だけかと思っていたのですが、
「ハブが来る。煙草は点けたままで」
どうやら違うようだと気付いたわたくしでありました。
先のお話は去年、そう、東北大震災の御盆に体験したことで、
「それならば」
今年になって試したことがあるのでございます。
わたくしが現在住んでいる家、これは何の変哲もないマンションであります。
曰く因縁、他殺自殺諸々と関係ございません。実に平和な我家でありまして、
「それでも友人が来ると……」
125 :
代理投稿 ◆ztxSLaq9Ok :2012/08/18(土) 23:51:24.60 ID:YriqamUu0
(2/2)
様子が変わるのでございました。
例えば、
「髪洗ってる時に悪戯するなよ」
「トイレ入ってる時に電気消しただろ」
「煙草買ってくるとか言って、外から窓ぶっ叩いて行くな!」
「布団入ってから携帯はやめてくれないか」
など、分かりやすい例を挙げるとこのようなことでございます。
しかもこれが何度も続きますので、さすがに相手も妙だと気付くのでしょう。
「お前の家、何なの?」
わたくしの家は幽霊屋敷ではあるまいか、と同僚に噂が拡がっておりました。
しかしそこは営業一課の人間達、その程度で人間関係が崩れる事はありませんでしたが、
「いや、お前の家にはもう行かねえよ。今度から俺の家で宴会だ」
と、上司に宣言された時は心細さに駆られ……。
その日の宴会では通常の五倍速で呑んだためか、非常に、その……ねぇ。
さて……。
わたくしがこの事実を払拭しようとしたのは梅雨時でありました。
同期一人を連れ、屋内で煙草を吸って過ごしただけなのですが、
「家ん中、解禁したんだ。いつもは庭なのに」
126 :
代理投稿 ◆ztxSLaq9Ok :2012/08/18(土) 23:51:59.37 ID:YriqamUu0
(3/3)
この事です。わたくしは、たとえ上司と云えども屋内での喫煙を許しませんでした。
「吸うならば庭に出ろ、出なくば吸うな」と口酸っぱく、嫌な小僧であります。
「うん。もう拘らない事にしたんだわ」
「へえ……まあ、どういう心変わりか知らないけど」
黙々と煙草を吸い、適当にDVDを見て、真昼間からビール缶を空け……。
時間もそろそろ15時を数える頃……だったでありましょうか、
「あれ、お前、猫飼ってたか?」
同期の一言であります。
「は?」
「いや、だって、ほら、猫、猫」
彼が煙草を持った手で玄関の方を指差しますと、
「……猫だ」
127 :
代理投稿 ◆ztxSLaq9Ok :2012/08/18(土) 23:52:31.97 ID:YriqamUu0
猫がおりました。
一匹の、薄暗い廊下の中、三毛猫らしく茶目っ気があり、
彼らの目は光ると申しますが、成程、確かに半眼が光っていて、
「どっから入ってきたんだ」
「え、お前の飼い猫じゃないの?」
「違うよ。うちの会社で働きながら生き物飼ったら、ひと月で死ぬだろ」
など会話を交わして、ふと視線を上げると、
「居ねえ」
先程まで居たはずの猫は居なくなっておりました。
同期と二人で家中を隈なく探しましたが、当然、見つかることはなく……。
この日を境にして我家の「友人が来たときだけ心霊現象」は鳴りを潜めたのでした。
猫は人に付かず、家に付くと云いますが……少々、悩ましいことではあります。
亡者に生者の領域を束縛されるということは断固お断り致します。
ですが、どうも……相手が犬猫であると考えると……どうも……その……。
【了】
128 :
月明 ◆vQGKKdpBnE :2012/08/18(土) 23:53:22.93 ID:zKNb9dnH0
三十七本目の蝋燭が消えました・・・
わたくし ◆Zdj8zv6ZTさん、ありがとうございました
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黒靴 ◆c6TvSatgXEさん、第三十八話をお願いします
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(1/3)
数年前、友人AがB,Cと一緒に登山したときの話
私に話してくれた内容をほとんどそのまま活字化
「お前と知り合う前の話だ。
最初は駄弁ったり歌ったりして意気揚々と歩いてたんだが、ずっとそんな調子だと疲れてしまう
山小屋に辿りついた頃にはクタクタだった
夕方の山小屋には俺たちの他には誰もいなかったよ
日が沈み、木の揺れる音や風の音くらいしか聞こえない山小屋の中で俺達は遅くまでランタンを灯し
お互いの近況や恋の話、猥談、果ては怪談まで語り合った
深夜2時くらいかな
Bが「何か聞こえなかった?」と突然言った。
「バカ、そんな手で怖がらせようったって…」とCが言う
俺も「何かの鳴き声じゃないのか?」と聞くが、「絶対に聞こえた」の一点張り
「本当に声が聞こえたんだ!」
Bが怒鳴り、シーンと静まり返った小屋内
脂汗ってああいう時にかくんだな
直前に話してた怪談が丁度山の話だったこともあって、凍りついた空気の中で外に耳を傾けた。
(2/3)
―ズッ・・・ズッ・・・
声じゃないが、俺には何かを引きずるような音が聞こえた。
「聞こえた・・・」
「だろう?」
Cには何も聞こえなかったらしく、不機嫌そうな顔をしていた
「何かを引きずるような音が聞こえたよ」
「・・・えっ?」
「えっ?」
Bには助けを呼んでいるような声が聞こえたらしい
沈黙が流れる
短気なCが痺れを切らし、「実際に見りゃあ早いだろう! 時間が時間だし、迷子かもしれねえだろ!?」
と言って、武装のつもりか登山杖を持って闇の中に飛び出して行った
俺とBも慌てて追いかけた
直ぐに音の正体は見つかった
俺たちのいた場所と壁を挟んだ反対側、まるで冬山に登る時のような重装備をした男が倒れていた
俺とBが茫然としていると、いつのまにか戻ってきてたCが
「何ボーっとしてんだ! B、110番…じゃなくて無線! A、仰向けに寝かせてやれ!俺は道具をとってくるから!」
そう言って走っていった
とりあえず起こそうと男の肩に触ると、温度が無かった
冷たかったわけでもなく、温かいわけでもなく、何と表現したらいいのかわからない奇妙な感覚
(3/3)
不思議と、起こして向きを変えることはできた
背負っていた荷物も外せた
荷物も、本体と触った感覚が同じだった
『C!つながらない!』
『うるさい、つながるまで試せ!』
そんな声が小屋から聞こえる中、男が何か言おうとしていた
耳を近づけると、かすれて聞き取りづらい声で「俺も…小屋へ…中へ…」と
俺は男を背負って小屋へ連れて行った
どう考えてもいろんな意味で危険極まりないのに、何故かそうした方がいいと思ったんだ
小屋に入ると2人にステレオでドヤされたが、それを尻目に男を床に寝かせた
2人に叱られていると、後ろから「ありがとう」と、妙にはっきりした声が聞こえた
振り向くと何もなかった
三人して放心して、男を寝かせてあった場所をぼけーっと見ていると朝日が昇ってきた
これでおしまい
俺が一番怖かったのは、“寝損ねた”ことだよ」
【完】
132 :
月明 ◆vQGKKdpBnE :2012/08/19(日) 00:01:58.43 ID:zKNb9dnH0
三十八本目の蝋燭が消えました・・・
黒靴 ◆c6TvSatgXEさん、ありがとうございました
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合いの手さん、第三十九話をお願いします
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規制中の方は【避難所】でお願いします。
133 :
代理投稿 ◆ztxSLaq9Ok :2012/08/19(日) 00:04:02.41 ID:YriqamUu0
合いの手 『図書館』
昔住んでいた小さな街に不釣り合いなほど大きく、古い三階建ての図書館がありました。
一階は貸出窓口と児童書コーナーに読書スペース、二階には古新聞と小説コーナー、
三階は倉庫になっており封鎖され、一般人は立ち入りが禁じられていました。
上下階を移動するのはその図書館の西側に位置したらせん階段。
吹き抜けになったらせん階段の真ん中からは
長い筒型の照明が、三階の天井から中一階までぶらさがるようにかかっていました。
ある時、いつものように一階の窓口に本を返却し、二階へ上がろうとらせん階段を見上げると、
ゆらゆらと照明が揺れているのがみえました。
地震かと思い動揺しましたが、床は揺れていません。
ああ、子どものいたずらだなと早合点した自分は一言注意してやろうと階段を上り始めました。
(子どもの頃そういったいたずらをよくしていたのです。)
ところが、二階につき、あたりをみわたしても大人の姿しか見えません。
三階は前述の通り封鎖されたままで、子どもが入り込むような隙間もありません。
そもそも今は休日の午前、家族連れが訪れたり、
夏休みでもない子どもが早くから来るはずのない時間帯です。
ふと振り返ると、先ほどまで揺れ続けていた照明は
まるで何事もなかったかのようにピタリと静止していました。
終わり
134 :
月明 ◆vQGKKdpBnE :2012/08/19(日) 00:04:36.69 ID:x6otCQ1G0
三十九本目の蝋燭が消えました・・・
合いの手さん、ありがとうございました
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かぐら ◆Ccp.OZqu04w2さん、第四十話をお願いします
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雑談と感想は【雑談スレ】で、
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135 :
代理投稿 ◆ztxSLaq9Ok :2012/08/19(日) 00:05:55.07 ID:wlTC3hbH0
かぐら ◆Ccp.OZqu04w2
「笑わないホステス」
(1/6)
社会人になって2、3年の頃、週末になると夜遊びばかりしていた時期があった。
なかでも多く通ったクラブは、私のすぐ上の先輩に紹介され連れられて行った店で、お気に入りだった。
それは、ちょうど盆前の頃だった。
例のように私は、先輩と連れ立って店へ出向いた。
この店には、事前に客の入り具合を電話でたずねてからテーブルをとってもらうのがパターンだったが、
この日は1軒目で多少酔いがまわっていたせいで、なんとかなるだろうといういい加減なノリで、フラフラと店の自動ドアに招き入れられた。
客やホステスの談笑が耳に入り、薄暗くも華やかな非日常空間が、夏のじめっとした不快な夜気を振り払う。
ボーイが慌てた様子でやって来て、何か一言二言伝えてきた。
人の声がよく聞き取れないほど賑やかなことに落胆しながら、
「混んでますね。やめましょうか、今日は」
と打診したが、このまま帰るという選択肢は先輩の中になかったのか、人差し指を立てて上下させた。
「上行こう、上」
と言うが早いか、入り口すぐの螺旋階段を上っていってしまった。
店は、テナントの2階分占有していて、客も店員もこの階段一つで行き来している。
2階は、テーブル区画がひしめいている1階と違い、グループ同士が離れて落ち着いて過ごせるよう、ゆったりとしたレイアウトになっている。
テーブルの周りに張られた薄いカーテンを引くとさらに隔離され、まるでホステスを独り占めして遊んでいるような感覚になる。
当然、1階より料金がかかる。
高級店でいうところのVIP席とまでいかないが、扱いは似たようなもので、何度も通うような馴染み客しか利用しない。
このため、店内が混んでいても、大抵この2階席はまばらに客がいるだけだった。
136 :
代理投稿 ◆ztxSLaq9Ok :2012/08/19(日) 00:06:33.91 ID:wlTC3hbH0
(2/6)
先輩がそのまばらな客をチラチラ見ながら、得意げに奥のテーブルまで歩いていった。
小さなシャンデリアが天井から背丈あたりまで垂れ下がって、淡い灯りでテーブルとソファをぼうっと照らしている。
2杯ぐらい飲んで先輩と無駄話をするうちに、顔馴染みのホステスがやって来た。
しばらくあれこれと会話するうちに、ふとフロアの向こうが目に入った。
「階段を上ってすぐのあの部屋、ロッカールームか何か?」
と何気なく訊いた。
「女の子の着るドレスが置かれてます。内装をやり直したときに、あそこへ移したんですって。元々はここにあったそうですよ」
女は今自分たちが座っている区画を、腕を広げて撫でる仕草をしてみせた。
変わった場所に移したものだと思った。
2階フロアを接客用に使うようになってから、奥では支障があるのでそうしたのだろうと思うが、
それにしても入り口側にもっていくことはないだろう。
客がトイレに立ったり、階段を上り下りするためにその部屋の前を絶えず行き来するのだ。
客である私自身、何度かドアが開け放たれているところを通りかかって、中の様子を知っているぐらいなのだ。
「なんだっけなー。Yさんが前、何かちらっと言ってた覚えがあるんですけど」
とその子は、他のテーブルに呼ばれたのか、それだけ言い残して1階へ降りていってしまった。
Yさんというのは自分たちも知っていて、
この店がオープンして以来在籍するという、いわゆる"お局様"だ。
経歴が長いぶん、色々な事情を知っているだろう。
カーテンの隙間から周りをこっそり覗いてみたが、Yさんの姿はない。
(今日は1階の世話で忙しいんだろ。今度会ったら聞いてみるか)
妙に私は、その話が気になって、そんなことを考えながら水割りを少しずつ呑んでいる
137 :
代理投稿 ◆ztxSLaq9Ok :2012/08/19(日) 00:07:22.41 ID:wlTC3hbH0
(3/6)
午前1時を回ったぐらいだろうか、
酔ったな、と思う頃合になって、先輩がテーブルにいくらかお金を置いて立ち上がった。
「悪い、今日はもう先に帰るわ。ゆっくりしてってくれよ」
にこにこしながら出て行った。
いつもならふざけ半分で悪態をつくところだが、自分もその日は体調があまりよくなかったのか、億劫になって、会釈しただけで送り出した。
相変わらず店内は忙しいのか、ちっとも女の子を付けてくれない。
今日は1階の指名客にとことん邪魔されているらしい。
先輩がさっきまで座っていた奥のソファに私は移動し、グラスに反射した、少しまぶしい灯りに目を細めた。
あの先輩は、ひとを誘っておいて先に帰ってしまうというのはままあることだったが、
誰もいなくなったこのテーブルが、今日はやけに寂しい。
遠くで聞こえてくる1階の喧騒が、何か別世界の出来事のように思われた。
グラスを何気なく弄っていると、カーテンの向こうに人の足が見える。
履いている靴や、カーテンの向こうに映った人影の大きさから、女性だとわかった。
足は、私がその存在に気づいたのを見計らったように、音もなくゆっくりとテーブルのほうに近付いてきた。
やっと来たのかと、私はため息をついた。
さっきのホステスとは違う人物だというのは雰囲気ですぐに分かったのだが、
首をたれて背を丸めるような格好で現れ、長い黒髪に隠れて顔がよく見えない。
――失礼します。
と、その女は、"喉の奥"で聞き取れないほどの声を出して、ゆらゆらと隣に座り込んだ。
(こんな子、いたかな)
記憶を引き出そうとしたが、今まで店内でこのホステスを見かけたことがない。
新人なんだろうか、と思いながら横目で様子をうかがった。
138 :
代理投稿 ◆ztxSLaq9Ok :2012/08/19(日) 00:08:16.02 ID:wlTC3hbH0
(4/6)
「はじめまして、だよね?」
空気が悪くなりそうだと思った私は、彼女の顔をのぞきこんでこちらから話しかけた。
黒髪の隙間に、色白の小さな顔が浮いている。それが、案外、美人だった。
「はい」
と、再び顔を隠すように頭を下げながら、一度頷いただけで黙り込んだ。
うるさい客なら、ここでもう出て行くだろう。
こんな愛想のないホステスをおいているのはろくでもない店に違いないが、
馴染みの店だったこともあって、こういうこともあるだろう、ぐらいにしかそのときは思えなかった。
ところがこのホステスは、
その後何の話題を切り出しても、どう笑いかけても、一言二言答えて頭を動かすだけで、到底会話にならない。
「さっきまで1階にいたのかな? 大変だったでしょ、今夜は」
「…はい、まあ」
(ダメだ、こりゃ。何でこっちが気を遣ってんだよ)
会話どころか、これではどちらが客で店員か分かったものではない。
6,7回繰り返してから、さすがに私も呆れて閉口した。
憮然とタバコをくわえて、火を点けようとした。
テーブルに備えてあった安っぽいライターがカチッと音を立てたとき、
「きゃあ!」
とその女は、椅子ごと後ずさるようにして軽い悲鳴を上げた。
「えっ! ごめん、どうしたの」
驚いて私は咄嗟に火を消して、彼女の顔をうかがった。
大きめの目が、ぎょろりと見開いている。髪の隙間でひときわ存在感のあるそれは、憎悪の塊でも睨むように一点を見つめて動かない。
私がのぞきこんでいることに気づくと、落ち着いたのかまたさっきの姿勢に戻った。
「いえ。すみません」
(薄気味の悪い女だな)
気持ち悪くなって、トイレに立った。
139 :
代理投稿 ◆ztxSLaq9Ok :2012/08/19(日) 00:08:58.51 ID:wlTC3hbH0
(5/6)
用を済ませて戻る途中、通りがけのボーイが私の顔に気づいて、申し訳なさそうに声をかけてきた。
「お待たせしてすみません。これから、すぐ女の子お呼びできると思いますんで」
「いや、女の子ならさっきついてくれたよ? たぶん新人なんだろうけど」
ほら、とフロアのほうに足を踏み入れながら、奥のテーブルを指差した。
カーテンの向こうに、人影がひとつ見える。
おかしいな、と呟いて、ボーイは私に続いてテーブルに駆け寄った。
人物を確認しようと側面のカーテンをゆっくり開いたとき、私とボーイは信じられないものを見た。
というより、何も見なかった。
確かにそこにあるはずの、人影の主は、忽然と姿を消している。
テーブルの上には、見覚えのないホステスの名刺が置かれている。
数日経って、盆休みの直前、私はひとりで再びその店を訪れた。
結局あの女のことが気になって、名刺を持ち帰ってしまっていた。
べつに、もう1度会いたいわけでも、正体を知りたいわけでもない。
ただ、この非日常空間で起こった出来事が、私自身の現実として起こったものだと、どこかで確認したかったのだと思う。
その日、いつものように2、3時間遊んでいると、長く勤めているYというホステスが偶然やって来た。
顔を合わせたのは久しぶりで、素直に再会を喜んだ。
「そういえば、こっそり聞いちゃったんだけど。何か変なことあったんだって?」
女は、不意に切り出してきた。
なるほど、あの黒いドレスの女の件を、ボーイにでも聞いて知ったのだろう。
やけに神妙な表情で、小声で会話しだした。
私はふと思い出して、ポケットから紙切れを取り出した。
「この名刺が置かれてたんだけど…」
あの女が席に置いていった紙片を、彼女に差し出した。
Yさんは、ゆっくり手のひらで受け取って、両手の指で持ち直し、まじまじと見つめた。
そうやって、ずいぶん長いこと眺めていた。
140 :
代理投稿 ◆ztxSLaq9Ok :2012/08/19(日) 00:09:55.97 ID:wlTC3hbH0
(6/6)
「この子に、会ったの?」
私は無言で2、3度頷いた。そして、およその背格好や覚えている限りの風貌を伝えた。
彼女は、名刺を手にとったまま、次第に肩を震わせる。目に、涙が滲んでいた。
心のどこかで、こういう反応を予想していた自分が、不思議だった。
「あの子、まだここにいたんだね」
彼女は、形が崩れるほどに名刺を強く掴んだまま、泣いている。
このYさんは、その後、私に事情を語ってくれた。もちろん、顛末のすべてではないだろうが。
店がテナントを借りてオープンし、ほどもない頃、建物が半焼する火事があったという。
例の名刺の持ち主であるホステスは、Yさんと同じ時期に入店した女性で、この火事に巻き込まれた。
不幸中の幸いで客が少なく非難が早かったため、他に怪我人は出なかった。
ところが、このホステスだけ、2階の奥の衣裳部屋にいて逃げ遅れ、熱のために歪んだドアに閉じ込められた。
ここで、煙を吸いすぎて、ただ一人の犠牲者として亡くなったそうだ。
その日、私はそれからろくに会話もせずに、店を出てきた。
ただ、名刺だけは、Yさんに渡して預かってもらっている。
今現在、この出来事から何年も経過し、この店が場所を変えてリニューアルしてからというもの徐々に疎遠になり、
足を向けることもなくなった。
元の店舗のテナントには、同業の別の店が入っているのだと、先輩が最近教えてくれた。
あの晩私は、彼女が息絶えたであろう場所のすぐそばで、彼女に偶然出会ったのだと思う。
場所を配慮され改装された新しい衣裳部屋はあっても、自分が最後に見た景色を離れられないのだろう。
(生気はなかったけど、目元の涼しい人だった。本当は優しい子だったに違いない)
毎年夏になると、妙にそんなことばかりが思い出される。
あの笑わないホステスは、客の点ける煙草の火に怯えながら、
今でも誰かを接客しているのだろうか。
【了】
141 :
月明 ◆vQGKKdpBnE :2012/08/19(日) 00:17:51.09 ID:x6otCQ1G0
四十本目の蝋燭が消えました・・・
かぐら ◆Ccp.OZqu04w2さん、ありがとうございました
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メタルスライム ◆LuWpVnhAYs さん、第四十一話をお願いします
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142 :
メタルスライム ◆LuWpVnhAYs :2012/08/19(日) 00:18:28.12 ID:e1hCGOO20
「地震」(1/2)
ちょっと霊的な話ではありません。ま、箸休めのつもりで軽く聞いていただければ・・・
新潟県内では今、「二酸化炭素を地中に地中に封じ込めることで温暖化対策を」
みたいなことが行われているのは、多分ニュースにもならないので知らないと思います。
その場所、今いわく付きの場所になっているの知っていますか?
143 :
メタルスライム ◆LuWpVnhAYs :2012/08/19(日) 00:19:42.23 ID:e1hCGOO20
(2/2)
中越地震が2004年、中越沖地震が2007年と、新潟県ではたて続けに大きな地震があったのは
皆さんもご存知ですよね。
2つの地震の震源地を直線で結ぶと、その真ん中にあるのが
二酸化炭素を地中に送り込んでいる、その場所なんです。
「あの地震は人災だ!」と言う人もいますが・・・・・
地下でなにか、恐ろしいことがおきているのかも知れませんね・・・・・
【了】
144 :
月明 ◆vQGKKdpBnE :2012/08/19(日) 00:22:23.74 ID:x6otCQ1G0
四十一本目の蝋燭が消えました・・・
メタルスライム ◆LuWpVnhAYs さん、ありがとうございました
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憂莉 ◆BPe4rMCg8kさん、第四十二話をお願いします
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145 :
代理投稿 ◆ztxSLaq9Ok :2012/08/19(日) 00:25:01.55 ID:wlTC3hbH0
憂莉 ◆BPe4rMCg8k 『夏の病』
夏というのは不思議なもので、毎年怪談が流行る。
少しでも涼しい気分になりたいものなのかと考えるが、よくよく思えばゾッとした時というのは涼しいというより生ぬるく気持ちのいいものでは無いと思う。
それでも暑いよりはましなのか、やはり今年も怪談は流行る。
霊にとっても夏というのは自分達の季節と考えているのか、不思議と活発になるような気がする。
思い返せば俺の霊体験も夏に集中している気がする。
今回は俺が毎年夏になると思い出す、そんな話をさせていただきたいと思う。
小学生の頃の話だ。
まだ七月くらいだったと思う。
梅雨が明けたか明けてないか、気温の変化の激しい時期に俺は高熱で倒れた。
俺の平熱は35度代、熱を測ってみたら39度はあったと思う。
そこまでの熱はでたことが無く、親の車で病院へ連れていかれた。
病院に着くと採血をされ点滴をしてもらい、今日のところは入院という形になった。
親は明日また来る、とだけ言い残し帰宅。
一人病室に残された俺は孤独感を味わいながらも、薬が効いてきたのか、単に安心したからなのか。
ともかく少し眠気に襲われていた、普段は電気を完全に消さないと眠れないのだが電気がまだ消えていない、明るい病室の中で今にも寝そうになっていた。
ふと気付くと、目の前に知らないおばあさんがいた。
病室の中は俺一人しかいない。
だからあるとするなら俺の客なのだろうが、見たことの無いおばあさんだ。
おばあさんはニコニコとこちらを見ていたので、頭を下げて「こんばんは」と言って頭を上げたらおばあさんは消えていた。
そのときは眠気と熱で頭がボケーッとしていたので、何だったんだろう?程度しか考えずそのまま寝た。
それから毎年、夏に体調を崩すとそのおばあさんを見る。
何か縁ある人の霊なのかと考えたが、心当たりはまったくない。
不思議だが何をされるというわけでも無いし、ニコニコとしているおばあさんを見ると体調を崩して弱っている心も安らぐのでありがたく思っている。
終わり。
146 :
月明 ◆vQGKKdpBnE :2012/08/19(日) 00:28:47.66 ID:x6otCQ1G0
四十二本目の蝋燭が消えました・・・
憂莉 ◆BPe4rMCg8kさん、ありがとうございました
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三年目の朝顔◆6.QkgMwzsUさん、第四十三話をお願いします
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147 :
三年目の朝顔 ◆6.QkgMwzsU :2012/08/19(日) 00:33:16.20 ID:uWtnU2NG0
「守られる家」1/3
私が生まれ育ってきた家の事を話すと、「変わった所に住んでいたんだね」
と、よく人に言われる。私はそれが"あたりまえ"で過ごしてきたので、何が
どう変わっているのか全然ピンと来なかったが、大人になった今思うと確か
に変わっているかも知れなかった。
ある日の1日を書き出してみるとこうである。
朝5時頃になると、ドンドコドンドコ・・・と、大きな音で目を覚めさせ
られる。隣の稲荷神社から聞こえる太鼓の音だ。
私は7時に起きれば良かったので、いつも"うるさいなぁ〜"と思いながら
再び眠っていた。
そして土日の夕方にはトン・テン・シャン・ピーヒャララ・・・と賑やかな
音が2軒隣から聞こえてくる。…天理教だ。
さらに夜にお風呂に入ってると窓の外から轟く様に早口の大合唱で
南無妙法蓮華経、南無妙法蓮華経、南無妙法蓮華経、南無妙法蓮華経………
と聞こえてくる。特に、この南無妙法蓮華経、はいつまでもいつまでも聞こ
えてきて、幼い私はとても怖かった事を覚えている。
148 :
三年目の朝顔 ◆6.QkgMwzsU :2012/08/19(日) 00:33:57.56 ID:uWtnU2NG0
2/3
まるで、魔の三角地帯のちょうど真ん中に私の家が建てられているカタチ
だった。そして、とても不思議だったのは、この二大宗教に挟まれていた私の
家は、どちらの派閥にも入らない"無宗教"の家だったのだ。
今思うと、近所の人が家のものに対してよそよそしかったのは、この"無宗教"
が関係しているのかも知れなかった。
…そんな、喧騒な日々を私は十数年間"あたりまえ"に過ごしていた。
それから家族で引っ越しをし、あの家も運よく誰かに買われていった。
その後数年たち、ある日、自分の人生をリセットしたくなった私は、やっぱり
"生まれた家"、"生まれた土地"に帰るのが、人生をやりなおす一番のきっかけ
になるだろうと思い、ものすごく久しぶりに家に帰った。
帰ったと言っても、もう誰も住んでない家。風の噂で家を買ってくれた人も
引っ越したと聞いた。
でも、誰も住んでないボロ家でも、潰れないで残っている事に私はとても
感激した。そして、家の周りを見てものすごく驚いた。
まず、創価学会の家が土地だけになっていた。そして隣の家も跡形もなく無く
なっていて、夏草がビッシリ生えていた。さらに、確かあそこにあったはずの
天理教の前を何度も行ったり来たりしても見当たらない。
そして、稲荷神社の御神木は根本からバッサリと切られていた。
私は、稲荷神社の木を切ってもいいのかなぁ?と思い、帰りに神社に寄ると
ブランコや滑り台も蜘蛛の巣だらけ。お社も窓ガラスが割れていて、すっかり
さびれていて、どうしてこんなふうになってしまったんだろう…と悩みながら
そこを後にした。
149 :
三年目の朝顔 ◆6.QkgMwzsU :2012/08/19(日) 00:34:52.89 ID:uWtnU2NG0
3/3
次の日、旅館の仲居さんに家の周りの事を聞いてみた。
「あ〜、あそこね、確かちょっと前に天理教から火が出てねぇ〜
上の神社の木にも燃え移って、隣の家も全焼したんじゃなかったかな?
かなり大きな火事でねぇ、ほら、あそこは道が狭くて消防車も入らないでしょ…」
仲居さんは眉をひそめてぶつぶつ言っていた。
私はまさかあの一帯が火事で燃えてしまったとは思わず、驚くと共に稲荷神社の
御神木を切った理由もわかった。神社が廃れた理由も御神木が関係していると
思った。
魔の三角地帯の真ん中に鎮座する空き家。
周りの点は3つとも機能してないのに、何故あの家だけがひっそりと残っている
のだろう…。
私は、いつもと同じ様に自分の生まれ育った家が、空き家で十数年たつのに
まだ残っている話をすると、ある人はこう言った
「その土地に愛されるというか、守られる家ってあるんだってね」
私はあの家には、愛着を持った魂がたくさん、今でも棲んでいるのだろうか、
そんな風に思い、幼い頃の思い出をそっと心に閉まった。
〜完〜
150 :
月明 ◆vQGKKdpBnE :2012/08/19(日) 00:35:37.74 ID:x6otCQ1G0
四十三本目の蝋燭が消えました・・・
三年目の朝顔◆6.QkgMwzsUさん、ありがとうございました
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木乃伊さん、第四十四話をお願いします
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151 :
代理投稿 ◆ztxSLaq9Ok :2012/08/19(日) 00:39:17.30 ID:wlTC3hbH0
木乃伊 『古書にある不明な一節』
私は古書マニアで古書店を巡っては、地下やガラスケースの陳列棚の
桁が一つおおい本をしげしげと見つめ直感で面白そうな古書、洋書を買うのが趣味です
そんな古書の中で意味不明な冒頭の一節を紹介します。
「馬のような顔をしている者よりも、トカゲのような顔をした者は、およそ3倍程度魔女狩りに
遭う可能性が高い。トカゲのような顔をしている者よりも、朝夕にパンを2切れ以上食べる者
の方がその2倍近く、溺れ死ぬ可能性が高い。しかし、問題なのはそのパンがどの程度高級な
ものかということである。もしそのパンが1ポンドの小麦とほぼ等価のものなら1・5倍、2ポン
ド程度なら3倍、それ以上なら4倍以上、その人物は臓器の疾患により死ぬ可能性が高いのだ。
だが、高価なパンを2切れ以上食べる人間だけが、こうした災禍に見舞われるのではない。
1週間に3回以上、異性との性交渉をしている未婚の人間の方が遥かに危険なのだ。古の賢人
たちによれば、3回で5年の寿命が縮み、4回で10年、5回で15年、6回以上となるとおよそ20
〜25年近く、寿命が縮まるのだという。汝、嘘だと思うなら、試してみたまえ。先代のザク
セン公などは、この目安を遥かに超えて酒色に溺れたものだから、わずか25歳で他界したで
はないか。
とにかく、こうした目安は古より伝わりし、賢者の知恵なのだ・・・
地の黒い神よ、永遠なれ!」
私なりの解釈では性に対する厳しい宗教の戒めだと思っています。 完
152 :
月明 ◆vQGKKdpBnE :2012/08/19(日) 00:40:43.48 ID:x6otCQ1G0
四十四本目の蝋燭が消えました・・・
木乃伊さん、ありがとうございました
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笹野 ◆r/VbEj4pp6さん、第四十五話をお願いします
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規制中の方は【避難所】でお願いします。
百物語が途中なのですが お菓子が食べたくなり ちょっとコンビニに行ってきました
コンビには徒歩5分ぐらいの所に有り 帰って来る時に リコーダーの音が1分ぐらい聞こえてた
昼間なら 子供が練習しているのかな?とも思えるんだけど この時間に練習って普通の親なら 練習より寝かす時間だと思うし・・・・
一体 誰が吹いてたんだろう?
そんなリアルタイムのお話です 終わり
154 :
月明 ◆vQGKKdpBnE :2012/08/19(日) 00:46:26.00 ID:x6otCQ1G0
四十五本目の蝋燭が消えました・・・
笹野 ◆r/VbEj4pp6さん、ありがとうございました
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憂莉 ◆BPe4rMCg8kさん、第四十六話をお願いします
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155 :
代理投稿 ◆ztxSLaq9Ok :2012/08/19(日) 00:48:02.35 ID:wlTC3hbH0
憂莉 ◆BPe4rMCg8k 『気配』
(1/2)
俺には霊感があった。
あった、というのは今はほとんど無いからだ。
小学生くらいのころはたまに霊を見たりしたのだが、大人になるにつれて霊感が無くなるというのは本当なのか、中学生になったころからまったく見なくなってしまった。
しかし今でもその霊感があった頃の名残か、たまに気配を感じることがある。
明らかに何者かの気配を感じるのだが、そこには誰もいないし何も見えない聞こえない、そういうことがたまにある。
数年前の話になる。
フリーターの俺は毎日のようにバイトに明け暮れていた。
ほとんど遊ぶ暇も無かったのだが、その年はバイトの中で数名特別親しくなり、よくバイト終わりで飲みに行ったり、家に泊まったりとなかなか充実した毎日を送っていた。
その日はバイトが休みだったと思う、昼頃から友人宅に集まり桃鉄を楽しんでいた。
桃鉄をしながら話も盛り上がり、そういえば後ろのやつ喋ってないなと思いふと後ろを振り返る。
……誰もいない、当たり前だ。
俺はテレビから一番離れた場所で座っていたのだから。
しかしなぜだか妙に後ろが気になる、気になるというか振り返る時にはそこに誰かがいると確信している。
そして振り返って誰もいないことを確認して、あぁそういえば俺が一番後ろだったなと理解する。
何度か繰り返していく内に気味が悪くなってきた
156 :
代理投稿 ◆ztxSLaq9Ok :2012/08/19(日) 00:48:35.15 ID:wlTC3hbH0
(2/2)
僕は話しかけるでもなく、少女をしばらく見つめていた。
すると、僕と行き違いに機材車の後ろに回ったメンバーの呼ぶ声がした。
最初に降りた僕が、機材を降ろしに来ないのを不思議に思ったようだった。
ぼくは少女から目を離し、「小さい女の子がいるんだけど、近所の子?」とメンバーに返し、振り返った時には少女はいなくなっていた。
隠れる物陰もない一本道の路地。
不思議だねとメンバーと話して、その夜はそれで明けた。
それから一週間後の夕方6:00頃。
僕は東武東上線で池袋のスタジオに向かう途中だった。
車両内は5〜6人の客がまばらに座っているだけ。
ドア傍に座ると揺れが気持ちよく、眠気を誘われウトウトとしていた。
どうやら次は志木駅らしかった。
ガタン!と大きな揺れに目を開けると、眼前に少女の顔があった。
手すりに左手でつかまり、額が着きそうなくらい身を乗り出して覗き込む少女の目があった。
白いシャツ、赤いスカート。
「あの時の子?」
あの雨の夜も、この時も「怖い」という気持ちはなく、ただ金縛り状態ではあったので、仕方なく僕は少女と見つめあっていた。
視界の端に他の乗客が見えたが、何事もないかの様だった。
不意に電車のドアが開いた。
少女はその瞬間に消えた。
ただ座っていただけなのに、ひどく疲労感がした。
「そういや、熊持ってなかったなあ」とぼんやりと思った。
その後、少女には会っていない。
【おわり】
157 :
月明 ◆vQGKKdpBnE :2012/08/19(日) 00:50:33.62 ID:x6otCQ1G0
四十六本目の蝋燭が消えました・・・
憂莉 ◆BPe4rMCg8kさん、ありがとうございました
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ななほし ◆5JfBuh0hdcさん、第四十七話をお願いします
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語り部希望は【語り部受付スレ】で、
雑談と感想は【雑談スレ】で、
規制中の方は【避難所】でお願いします。
158 :
月明 ◆vQGKKdpBnE :2012/08/19(日) 00:55:44.13 ID:x6otCQ1G0
代理投稿に欠損がありました
憂莉 ◆BPe4rMCg8kさん、第四十六話をもう一度お願いします
159 :
代理投稿 ◆nqnJikEPbM.8 :2012/08/19(日) 00:56:45.77 ID:jvZ3IDbu0
憂莉 ◆BPe4rMCg8k 様 『気配』
(1/2)
俺には霊感があった。
あった、というのは今はほとんど無いからだ。
小学生くらいのころはたまに霊を見たりしたのだが、大人になるにつれて霊感が無くなるというのは本当なのか、中学生になったころからまったく見なくなってしまった。
しかし今でもその霊感があった頃の名残か、たまに気配を感じることがある。
明らかに何者かの気配を感じるのだが、そこには誰もいないし何も見えない聞こえない、そういうことがたまにある。
数年前の話になる。
フリーターの俺は毎日のようにバイトに明け暮れていた。
ほとんど遊ぶ暇も無かったのだが、その年はバイトの中で数名特別親しくなり、よくバイト終わりで飲みに行ったり、家に泊まったりとなかなか充実した毎日を送っていた。
その日はバイトが休みだったと思う、昼頃から友人宅に集まり桃鉄を楽しんでいた。
桃鉄をしながら話も盛り上がり、そういえば後ろのやつ喋ってないなと思いふと後ろを振り返る。
……誰もいない、当たり前だ。
俺はテレビから一番離れた場所で座っていたのだから。
しかしなぜだか妙に後ろが気になる、気になるというか振り返る時にはそこに誰かがいると確信している。
そして振り返って誰もいないことを確認して、あぁそういえば俺が一番後ろだったなと理解する。
何度か繰り返していく内に気味が悪くなってきた。
160 :
代理投稿 ◆nqnJikEPbM.8 :2012/08/19(日) 00:57:53.57 ID:jvZ3IDbu0
(2/2)
そして、夜が近づくにつれてそこにある気配がだんだんと濃くなっているような気がしていた。
桃鉄をいいところで切り上げ、晩御飯を食べてそろそろ寝ようかというところ。
気配は生きている人間以上に濃くなっていた。
おそらく男だと思う、姿は見えないがそう感じる、顔や背格好はわからないがおそらく男だと思う。
さすがにこいつがいるところでは眠れない、そう思い一人散歩に行くことに決めた。
友達の家を出て少し落ち着くためにタバコに火をつけ歩く、歩くのだが後ろが気になって時々立ち止まって後ろを確認する。
もちろん誰もいない、誰もいないのだが強烈な気配だけがそこにある。
どうやら連れてきてしまったようだ。
どうにか引きはがせないものかと走ってみたりコンビニに入ってみたりしたが、そいつは後ろにぴたりと張り付いて離れてはくれない。
気づけば二駅分ほど歩いていた、疲れてはきたがまだ帰れないなと思ったとき、後ろの気配がすーっと離れていくのを感じた。
これを逃す手は無いと、来た道と違う道を通り、少し遠回りしながらも帰る。
それにしてもあれはなんだったのか、俺が気付いてることにあいつも気付いてたのかな?
次かは気配を感じた時の振る舞いに気をつけるか、などと考え歩いているとようやく友達の家に着いた。
着いたのだが、玄関にまた気配がある。
逃げれないとわかった俺は二人で友達の家に入っていった。
【了】
161 :
月明 ◆vQGKKdpBnE :2012/08/19(日) 01:00:28.72 ID:x6otCQ1G0
四十六本目の蝋燭が消えました・・・
憂莉 ◆BPe4rMCg8kさん、ありがとうございました
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ななほし ◆5JfBuh0hdcさん、第四十七話をお願いします
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規制中の方は【避難所】でお願いします。
162 :
代理投稿 ◆nqnJikEPbM.8 :2012/08/19(日) 01:05:19.83 ID:jvZ3IDbu0
ななほし ◆5JfBuh0hdc 様 『送り行列』
僕の母方の祖母の話です。良くある話かも知れませんが、祖母がまだ子供の頃、戦時中のこと。
この祖母の家というのが、田舎によくありがちな、車がサイドミラーをたたんでギリギリ通れる位の細い路地の中へ入って少し進んだところにあります。
ある日の昼間、祖母が庭で作業をしていると、沢山の人の足音が。
ふと前の通りを見ると、兵隊さんの行列が行進していました。
驚いた祖母は、自分の親(つまり僕の曾祖父母)に「兵隊さんが行進してる!」と言いました。
しかし、通りを見て一言「誰もいないじゃないか」
確かに祖母に見えている兵隊さんの行列が、曾祖父母には見えていなかったのです。
不思議に思った直後、知らせが来ました。
近所の方が戦地で亡くなられたそうです。
兵隊さんたちは、きっと近所の方の魂を故郷に連れ帰ってきてくださったのでしょう。
(終)
163 :
動画 ◆ElPl8xGQc2 :2012/08/19(日) 01:05:49.47 ID:5YF0phdy0
四十七本目の蝋燭が消えました・・・
ななほし◆5JfBuh0hdcさん、ありがとうございました
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白さん、第四十八話をお願いします
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164 :
代理投稿 ◆nqnJikEPbM.8 :2012/08/19(日) 01:06:59.64 ID:jvZ3IDbu0
白 様 「少女」
(1/2)
深夜の2:30頃。
スタジオリハ上がりだった。
外へ出ると雨が降り始めていて、急いで機材車に乗った。
雨は段々と強くなって、機材車の中で「雨、嫌だなあ」と文句を言っていた。
傘を持っていなかったせいもあったのだが、何となく嫌な雨だったのだ。
メンバーの住むマンションに着く頃には雨足は少々弱まっていた。
メンバーの中で一番に車外に出た僕は、機材を降ろすため車の後ろで他のメンバーが降りてくるのを「嫌な雨だなあ」と濡れながら待っていた。
その時、機材車の前の水溜りに小走りする子どもの足が映って見えた。
機材車の真後ろに立っていた僕には、角度的に見えるはずがない。
かがんで覗いているわけでもないのに、機材車の下から前にある水溜りが見えた、気がした。
「誰かいる?」
僕は足早に機材車の前に回ってみた。
道端に立つ電柱の影に隠れるように、少女がいた。
5歳くらい、髪は三つ編み、白いシャツ、赤いスカート。
そして大き目の熊のぬいぐるみを両手で抱きしめていた。
俯きかげんで表情は見えないが、電柱の影から恥ずかしがるように覗いたり、隠れたりしていた。
「なんでこんな雨降りの深夜に子どもが?」
165 :
代理投稿 ◆nqnJikEPbM.8 :2012/08/19(日) 01:08:05.53 ID:jvZ3IDbu0
(2/2)
僕は話しかけるでもなく、少女をしばらく見つめていた。
すると、僕と行き違いに機材車の後ろに回ったメンバーの呼ぶ声がした。
最初に降りた僕が、機材を降ろしに来ないのを不思議に思ったようだった。
ぼくは少女から目を離し、「小さい女の子がいるんだけど、近所の子?」とメンバーに返し、振り返った時には少女はいなくなっていた。
隠れる物陰もない一本道の路地。
不思議だねとメンバーと話して、その夜はそれで明けた。
それから一週間後の夕方6:00頃。
僕は東武東上線で池袋のスタジオに向かう途中だった。
車両内は5〜6人の客がまばらに座っているだけ。
ドア傍に座ると揺れが気持ちよく、眠気を誘われウトウトとしていた。
どうやら次は志木駅らしかった。
ガタン!と大きな揺れに目を開けると、眼前に少女の顔があった。
手すりに左手でつかまり、額が着きそうなくらい身を乗り出して覗き込む少女の目があった。
白いシャツ、赤いスカート。
「あの時の子?」
あの雨の夜も、この時も「怖い」という気持ちはなく、ただ金縛り状態ではあったので、仕方なく僕は少女と見つめあっていた。
視界の端に他の乗客が見えたが、何事もないかの様だった。
不意に電車のドアが開いた。
少女はその瞬間に消えた。
ただ座っていただけなのに、ひどく疲労感がした。
「そういや、熊持ってなかったなあ」とぼんやりと思った。
その後、少女には会っていない。
【おわり】
166 :
動画 ◆ElPl8xGQc2 :2012/08/19(日) 01:08:57.60 ID:5YF0phdy0
四十八本目の蝋燭が消えました・・・
白さん、ありがとうございました
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カリンさん、第四十九話をお願いします
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語り部希望は【語り部受付スレ】で、
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167 :
代理投稿 ◆nqnJikEPbM.8 :2012/08/19(日) 01:13:49.36 ID:jvZ3IDbu0
カリン 様 『樹海』
学生時代の友人が体験した話。
彼女たちが中学生の頃、林間学校があり、
その行き先の中にかの有名な青木ヶ原の樹海があったそうだ。
当日、彼女たちは遊歩道をたどっていたにもかかわらず、
いつの間にか横道にそれてしまっていた。
多少の混乱はあったもののすぐに元の道に戻ることができたので、
その時は心の底からほっとしたという。
ただ、一つだけ不思議なことがあったそうだ。
彼女たちはおそろいのマスコットを身に着けていたのだが、
樹海から戻ってみると、
「全員が」そのマスコット「だけ」を無くしてしまっていたのだとか。
終わり
168 :
動画 ◆ElPl8xGQc2 :2012/08/19(日) 01:14:12.94 ID:5YF0phdy0
四十九本目の蝋燭が消えました・・・
カリンさん、ありがとうございました
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かぐら◆Ccp.OZqu04w2さん、第五十話をお願いします
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169 :
代理投稿 ◆nqnJikEPbM.8 :2012/08/19(日) 01:16:27.35 ID:jvZ3IDbu0
かぐら ◆Ccp.OZqu04w2 様 『別れのあいさつ』
(1/2)
祖母の若い頃の話で、ある年の瀬の出来事である。
その頃は、祖父のところに嫁いでまだ間もなかった。
農家だったが、冬の間は土を眠らせているため仕事はなく、家の雑事をひたすらこなしている。
その朝早く、掃除をしようといつものように玄関を開け放った。
骨が凍えそうなほどの師走の寒風が入ってきて、嫌が応にも自分の目を覚まさせた。
表の垣根までの土に、霜柱が濁って立っている。
祖母が戸を開けたまま、玄関口を背にして中の掃除をしていると、
不意に背後で砂利を蹴ったような小さな足音がした。
気配が、明らかにこの家に用事がある様子で、こちらに1歩2歩と歩みを進めた。
隣人がこんな早くに訪ねてくるのは非常識だし、新聞配達はすでにされている。
不審に思って振り返ると、そこには初老の男が立って、祖母のほうをじっと見ていた。
「やあやあ、来たわ」
照れたようにその人物は微笑んだ。
祖母の父親だった。
思わぬ訪問者の正体に、祖母は眉間にシワを寄せていぶかしんだ。
「なんだって、こんなときに来たの」
と、父親に会えた喜びとは裏腹に、咄嗟にそんな言葉が口をついて出た。
無理もない。
暮れと正月に訪ねてくるであろう夫の親戚のために、あれこれ準備するのに忙しい時期だ。
父が来たと分かれば、家族は放っておかないし、まさかすぐ帰すなんてことにはならないだろう。
祖母はそんな具合で考えをめぐらせているのだが、父はそんな娘をただ黙ってにこにこ見ている。
170 :
代理投稿 ◆nqnJikEPbM.8 :2012/08/19(日) 01:18:36.23 ID:jvZ3IDbu0
(2/2)
「とーちゃん、悪いが。せっかく来てくれても、時が悪いよ。
こっちからまた連絡するから、日をあらためて来ておくれよ」
「そうか。そんなら悪かったな」
そう答えたきり、父は残念そうに背を向けてしまった。
振り返りざま、祖母にもう一度笑いかけたようにみえた。
そのときの父の顔が、今まで誰にも感じたことのない、透き通るような笑顔だったという。
「……」
祖母は、玄関口で呆然と父親の背を見送った。一体何をしに来たのだろう。
一度呼び止めようとしたが、なぜか言葉にならなかった。
二人の間に、相変わらず霜柱が立っている。
枯葉だらけの不揃いな垣根の枝が、12月の天空に向かって虚しく突き立っている。
父の姿は、その垣根の根元の闇へ吸い込まれるように、ふっと消えてなくなった。
祖母は、フィルムから映し出された作り物の情景でも見せられて呆気にとられたように動けなかった。
はっとして表へとび出して父の背を追ったが、背を丸めて歩くいつものその姿は、掻き消えたようにどこにもなかった。
その時刻、父はすでにこの世にいない。
通夜の後、祖母は兄弟にそれとなくこの話をしてみた。
どういうわけか、父がやって来たのは祖母のところだけで、兄弟どころか母親すら父には会っていないのだという。
祖母は、6人兄弟の一番上の長女で、誰よりも厳しく育てられた。
成人してからも、父は普段、あまり話しかけてもくれなかったという。
「嫁にやったばかりで、心配だったんだろ。不器用でも、本当は気にかけてくれてたんだね」
その父の当時の年齢もすでに超えてしまった祖母は、たった一度だけこの話を語ってくれた。
祖母は決して嘘つきでも、創作が得意な人間でもないが、今となってはどちらでもいい。
物心ついた頃の私に、あるいは何か伝えたかったのだろうと、そんなふうに思う。
【了】
171 :
動画 ◆ElPl8xGQc2 :2012/08/19(日) 01:19:20.54 ID:5YF0phdy0
五十本目の蝋燭が消えました・・・
かぐら◆Ccp.OZqu04w2さん、ありがとうございました
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可部 ◆0ZomiFbhPAさん、第五十一話をお願いします
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布団から再出火、やヴぁい!
五十一話 「真・おいてけ掘」
(1/2)
中学時代に同級生だった友人の話だ(本人によれば実話です)
うちの市内には大手掘という古い掘割があって、魚がよく釣れるという噂なのだが
そこは昼間でも薄気味の悪いところなのなので近所のものは誰もいかない。
ある日、友人はそこで釣りをしてみたところこれが爆釣で1時間で10匹以上釣れた
ほくほくで帰ろうとすると、堀の方から「おいてけ〜」「おいてけ〜」と声がする
折角の気分に水を差されて彼は意固地になり、その場で魚を焼いて食べてしまい
魚の骨だけ堀に返してやったという
彼は神も祟りも恐れぬやつだったのだ。
ようやく声の聞こえなくなる所まで来ると、道端に女がひとりでうずくまっている
彼は「さては のっぺらぼう だな、引っかからんよ〜笑」とか思って女を無視して通り過ぎた
すると、「あの、もし・・・」と女の方から話しかけてきた
見れば別にのっぺらぼうではなく普通にかわいらしい娘だった
何の用ですか? 彼が尋ねると、娘は「これを読んでください」と冊子のような物をくれた。
冊子は、「ものみの塔」「目覚めよ!」と書いてあるものだった。
さらに娘は「あなたもエホバの証人になりませんか」「今週の日曜礼拝が・・・」などと
勧誘してきたのだ、娘はエホバの証人の宣教員だったのだ!!
(2/2)
実は彼の家の近所にエホバの施設があって勧誘がしつこく来くるので、彼の家ではみんな困っており
彼はこの教団によい感情を持っていなかった。
彼が話を断ると、娘は「どうしてもですか」と言うので、彼が「どうしてもだ」と答えた
すると娘はうつむいて「これでもですか?」と言い、再び顔を上げると、そこには目も鼻もないのっぺらぼうが。
しかしあらかじめ予想していた展開に彼は驚かず、逆にのっぺらぼうの顔面にライダーキックをぶち込んだ
女は吹っ飛んで消えてしまった。
まさかエホバだったとは〜とんでもないのっぺらぼうだったぜ、とか思いながら彼は自分の家へ帰り着いた。
家に入ると彼の母親が居て「あらおかえりなさい」と言ってきた
彼は「さっき、堀のところで変なやつを見たよ・・・」と、靴を脱ぎながら答えた
すると母親は、「もしやお前が見た変なやつというのは・・・こんなのだったかい?」
見ると、母親の手にはものみの塔と目覚めよ!の冊子、棚には新世界訳聖書が鎮座していた
さあお前も聖書を研究してバプテスマをうけるのですよ、ハルマゲドンは始まっているのよ
なんと、彼の家族もエホバ信者になっていたのだった・・・彼はたまげてひっくり返ってしまった。
なんとも恐ろしい堀ですな
175 :
動画 ◆ElPl8xGQc2 :2012/08/19(日) 01:25:05.28 ID:5YF0phdy0
五十一本目の蝋燭が消えました・・・
可部◆0ZomiFbhPAさん、ありがとうございました
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鏡◆6CsOFCfHcoさん、第五十二話をお願いします
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語り部希望は【語り部受付スレ】で、
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176 :
代理投稿 ◆nqnJikEPbM.8 :2012/08/19(日) 01:27:28.31 ID:jvZ3IDbu0
鏡◆6CsOFCfHco さん 『父の実家』
(1/3)
父方の実家は少し有名な観光地にある。
穏やかで、豊かな自然。
疲れを癒しに人々がくるような所。
田舎が嫌で都会へ来た父と父の兄弟。
だけど父は年に一回は家族をつれて祖父母の元へ連れて行ってくれた。
やがて祖父は病死、祖母は独居で10年頑張ったけど認知症になり、父の弟の家へ引き取られた後、施設へ。
父の実家は空き家となった。地元の親戚が時々来て綺麗にしてくれたが、その親戚も亡くなった。
元から父の兄弟達は家を処分しよう、と言っていたが、父だけが反対していた。
父のワガママに付き合う形で、私達が家を管理することになった。
暇な学生の私や父母が年に1〜2回、大掃除しに父の実家へ行く。
ある年、そろそろあの家を処分なりした方がいいのかなと父がこぼした。
私と母は密かに旅行気分だったので少しガッカリ。
そしてその夏にまた家族で掃除に行った。
いつもの様に木の棒を持って鍵を開け、蜘蛛の巣を巻き取りながら中へ入っていく。
177 :
代理投稿 ◆nqnJikEPbM.8 :2012/08/19(日) 01:28:27.09 ID:jvZ3IDbu0
(2/3)
「ひゃ」
勝手口から入った母の小さな悲鳴が聞こえたのち「ちょっと大変!」叫んだ。
何事かと母の元へ行ってみたら…食卓にホカホカの食事が用意されていた。私と父は呆然。
「ど、泥棒!」やっと私が叫ぶと父がはっとしたように家中の鍵や窓を確認しに行った。
母は警察を呼ばないと!と外へ。
一人残った私はまじまじと食卓を眺めていた。
煮物に味噌汁と白米。質素だけど、私にはとてもおいしそうに見えた。
台所におかれた古い鍋から湯気が出ている。
しばらくして父が家の奥から、携帯でなにやら話しながら台所へ来た。
ばあちゃんから電話、と携帯を渡された。
「もしもし、電話変わったよ。ばあちゃん元気?」努めて明るく聞いたが、
「飯の時間だよ」と言われて固まった。
「飯の時間だよ」もう一度言われた時には携帯をほうりなげてた。
父が慌てて携帯を拾い、また電話するから、と電話を切った。
恐らく真っ青になっているだろう私の顔を見て、父は何も言わなかった。
178 :
代理投稿 ◆nqnJikEPbM.8 :2012/08/19(日) 01:29:22.33 ID:jvZ3IDbu0
(3/3)
食卓には七人分の食事。
大人の食事が六人分、小さな子供一人分。
そのうち警察が来た。金品などはないし、盗まれたものもない。
食事は捨てた。勿体無かった。
父が言うには、父の兄が祖母の施設を訪れた際、私に電話してくれと祖母に頼まれて父に掛けてきたらしい。
父の兄弟は5人。
うち一人は幼児の頃に病気で亡くなっている。祖父母と合わせてちょうど七人。
不法侵入者が偶然に人数分作ったのか…
それともまさか、認知症の祖母が?だとしても何故父に言わず私に伝えたのだろうか。
どのみち、この謎はこのまま迷宮入りになるんだろうと思う。
来週また掃除へ行く。
【了】
179 :
動画 ◆ElPl8xGQc2 :2012/08/19(日) 01:29:54.55 ID:5YF0phdy0
五十二本目の蝋燭が消えました・・・
鏡◆6CsOFCfHcoさん、ありがとうございました
γ
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_ノ;し i} {J |
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( .( '、_ _ ,ノ ノ:i )
,、'""`ー---‐'"フ、_ - _,、' -'"
( _ ,、'"  ̄
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憂莉◆BPe4rMCg8kさん、第五十三話をお願いします
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語り部希望は【語り部受付スレ】で、
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規制中の方は【避難所】でお願いします。
180 :
代理投稿 ◆nqnJikEPbM.8 :2012/08/19(日) 01:31:28.31 ID:jvZ3IDbu0
憂莉 ◆BPe4rMCg8k 様 『旅行』
(1/3)
小学生の頃の話だ。
子供の頃は毎年夏に家族で旅行に行っていた。
旅行と言っても海外や沖縄に行くような贅沢なものじゃなく、車で行ける範囲の場所に行くだけだ。
さらに言うと近畿圏から出たことは無い、毎年近畿圏のどこかへ二泊三日程度旅行へ行く、それだけで子供のころはワクワクしたもんだ。
いつもとは違う場所に、さらに言うと去年とは違う場所へ。
学校で行く遠足と違って友達はいないし先生もいない。
だけど、いやだからこそというべきか、日常と違う感覚を味わえる。
子供ながらにそれこそが旅の醍醐味なんだろうと思ったものだ。
その年は淡路島へ行った。
初日はあいにくの雨でロクに海で遊べなかったが、それ以外は楽しくて仕方がなかった。
三日目になって思い返してみれば雨もいい話のネタになると思い始め、終わり良ければ全て良し、やはり今年の旅行は最高の旅行だったと考えてい
た。
もちろんそれは毎年旅行の帰りに考えていたことではあったが、その年はその気持ちがより強いもので、最終日の予定だったが母親にあと一日だけ
いたいとおねだりをした記憶がある。
幸い両親ともに翌日も休みということで急遽もう一泊して帰ろう、ということに決まった。
俺も兄貴も大喜び、たった一日のことだがその一日が子供にとってはとても重要なことだ。
なんとか宿も見つかったようで、とりあえず宿へと向かうことにした。
夏の昼は長いと言ってももちろんいつかは日は沈み夜がくる。
とりあえず宿へ向かう、と言ったのは何時間前のことであったか。
すでに日は沈んでいたが宿は見つけられずひたすら山道を走っていた。
最初は山道も見慣れない風景なので楽しんではいたのだが、さすがに数時間も続くとすっかり飽きてしまい気付いたら寝てしまっていた。
着いた、と母親に起こされると目の前にあるのは林に囲まれたおどろおどろしい、言ってしまえばいかにも出そうな旅館だった。
181 :
代理投稿 ◆ztxSLaq9Ok :2012/08/19(日) 01:35:18.41 ID:wlTC3hbH0
(2/3)
家族全員微妙な顔をしていたと思う、これは失敗だなと。
しかし旅館の人は丁寧で、しかも他にお客さんはいないということで周りを気にしなくていいとのこと。
見た目は悪くても住めば都・・・いやこの場合は泊まれば都というべきか、ともかく旅館の人の丁寧な案内のおかげで失敗という気持ちは失せていた。
ごゆっくり、部屋まで案内してくれた仲居さんはそう言い残し部屋から去って言った。
部屋はなかなか広く、思ってたより悪くはない。
4人家族が使う分には少し広かったと思うからもしかしたら誰もいないからと少しいい部屋に案内してくれたのかもしれない。
少しゆっくりしていたら不意に「なあ、あれ・・・。」と、母がガラス戸の外を指差す。
部屋にはガラス戸がありそのまま外へ出られるような形になっていた。
母が指差す先には・・・地蔵?
暗くてよく見えないがうっすらと地蔵のようなものが見える。
地蔵は別に悪い物ではない、もちろん何かいわくがあれば別だが。
しかしとにかく気味が悪かった。
客室のすぐ外に地蔵がある旅館など聞いたことがない。
外には出れるが誰も確認に行きたがろうとしなかった。
話もそこそこに誰からということもなく、自然と寝ようとしていた。
しかしなかなか寝付けず、トイレに向かった。
二時くらいだろうか、草木も眠る丑三つ時である。
部屋の外にある共用トイレに向かうのは少しだけ怖かった、というより人見知りする方なので誰かに会わないかと一瞬思ったがよく考えたら他に宿泊客はいないことを思い出した。
182 :
代理投稿 ◆ztxSLaq9Ok :2012/08/19(日) 01:36:17.31 ID:wlTC3hbH0
(3/3)
廊下は明るかったと思う。
ギシギシと無気味に音を立てながらトイレに向かう。
廊下は明るいのだが、着いたトイレはうっすらとしか電気がついておらず、いっそう無気味な雰囲気だった。
さっさと済まそう、腹を決め個室に入ると外からの明かりが扉で遮断され余計に暗くなった。
これは設計ミスじゃないかという怒りと恐怖が入り交じりながらも用を足していると不意に。
コン、コン。
と、扉を叩く音が聞こえた。
家族の誰かがきたのかと思いノックを返し用を済ませ個室を出ると、待っていたのは知らない中年男性だった。
40代か50代だろうか、ともかく他に宿泊客はいないはずなのに知らない中年男性がいる。
一瞬従業員かと思ったが、従業員は離れのような場所で泊まっているから夜中も騒いで大丈夫と仲居さんに聞いた記憶がある。
一分くらい固まっていたが、意を決して軽く会釈をし、逃げるようにトイレを出て部屋に戻るなり布団をかぶり朝を待った。
気付けば朝になっていた。
知らぬ間に寝ていたようだ。
朝になると外にあった地蔵らしきものの正体がわかった。
たぬきの置物である、幽霊の正体見たり枯れ尾花というわけだ。
トイレの件もそういった笑い話になってほしかったが、結局その晩はうちの家族以外誰も宿泊客はいない、従業員もトイレは離れのような場所にあるのでこちらには来ていないということがわかり、何も解決はしなかった。
その年の旅行は生まれて初めて最低なものだと帰りながら思った。
終わり悪ければすべて・・・と、いうわけだ。
【了】
183 :
動画 ◆ElPl8xGQc2 :2012/08/19(日) 01:37:09.80 ID:5YF0phdy0
五十三本目の蝋燭が消えました・・・
憂莉◆BPe4rMCg8kさん、ありがとうございました
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ithuki◆JjVa38i/woさん、第五十四話をお願いします
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語り部希望は【語り部受付スレ】で、
雑談と感想は【雑談スレ】で、
規制中の方は【避難所】でお願いします。
184 :
代理投稿 ◆ztxSLaq9Ok :2012/08/19(日) 01:39:15.96 ID:wlTC3hbH0
ithuki ◆JjVa38i/wo 『深夜のドライブ』
母の体験した話。
母がまだ若かった頃、父と二人で深夜ドライブしたことがあった。
見通しのいい道をひたすら辿るだけなのと、深夜ということもあり、
のんきに会話しながらドライブを楽しんでいた。
と、その時、
急に道路を横切るようにして、男性が飛び出してきた!
「だめ!停めてーっ!!」
母の言葉に驚いた父は急いで停車させたが、間に合う距離ではない。
絶対に轢いた!と思った。
急いで車を降り、男性の下に駆け寄るが……誰もいない。
混乱する母に父が一言、「人なんていなかったぞ?」
母は少々見えるたちらしく、このような体験も初めてではなかったのだが。
「でもねえ、あの時は本っ当にびっくりしたのよ。
だって、その男の人のベルトのバックルまではっきり見えたんだもの」
終わり
185 :
動画 ◆ElPl8xGQc2 :2012/08/19(日) 01:40:13.22 ID:5YF0phdy0
五十四本目の蝋燭が消えました・・・
ithuki◆JjVa38i/woさん、ありがとうございました
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ネヴィル◆5SharF2siAさん、第五十五話をお願いします
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186 :
ネヴィル ◆5SharF2siA :2012/08/19(日) 01:41:38.97 ID:un+tZOSO0
『深夜のトイレ』
今から二年ほど前の事。
当時私は仕事でお客さんの所に行ってました。
ちょうど忙しさがピークで夜遅くまでやっていた時の事。
急にお腹が痛くなったので、トイレに行きました。
そこのトイレはそれなりに人数がいる会社のためか大きく、個室も6つありました。
夜遅くで残っている人も少ないため、当然トイレには誰もいません。
貸し切り状態だな、などと考えながら私は一番奥の個室に入りました。
買ったばかりのiPhoneをいじりながら用を足し、10分ほどで個室を出ると、個室はなぜか全てドアがしまっていました。
私が個室に入っていた間に人が来たような音はしていません。
嫌な予感が私の中を駆け巡り、こりゃやばいかな〜などと思いながら手を洗っていると突然、
バタン!
という大きな音と共に全てのドアが勢いよく開いたのが鏡越しに見えました。
私は驚き、誰かいたのかなど確認する暇もなくトイレを飛び出しました。
戻ってから一緒に作業をしていたお客さんに話をすると、そのトイレでは今までもおかしな現象が何回も起こっていたそうです。
トイレに何かあったのか、それとも土地に何かあったのか、今となっては確認はできませんが、その会社は今でも当時のままその場所にあります。
終
187 :
動画 ◆ElPl8xGQc2 :2012/08/19(日) 01:49:34.57 ID:5YF0phdy0
五十五本目の蝋燭が消えました・・・
ネヴィル◆5SharF2siAさん、ありがとうございました
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ああ、また怪異が起こってしまったようです。
代理投稿さまの身の上に何もなければよろしいのですが・・・
第五十四話はカリンさまのものでございます。大変失礼をいたしました。
では、改めまして
ithuki ◆JjVa38i/wo さま、第五十六話をお願いします
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188 :
代理投稿 ◆n8k98SYXbk :2012/08/19(日) 02:02:17.09 ID:LAGoG+oz0
ithuki ◆JjVa38i/wo 様 『前に使っていた人は』
(1/3)
昔と比べて最近は、何でも中古で手に入るようになって
家計の財布に優しく助かっているんだけども。
でも・・・お古って、実は結構、怖いよ。そんなお話。
某有名リサイクルチェーンで、娘の服を買ってきたんだ。
何の気なしにワゴン品の中から選んだ普通のTシャツ。
小学生低学年用の、肩が赤くなってて他が白いツートン。
・・・なんかこう、手にとってみて妙な気分だったんだよね。
Tシャツが、買ってくれ!って叫んでいるような。
今思えばそれは罠だったのかもしれないけどさ。
家にかえってきせてみたらぴったりで、子供も喜んでいるようで一安心。
その服着て、元気に、家のすぐ前の公園に遊びにいっちゃいました。
私はそれを見送って、家事を済ませて一眠り。
・・・一時間ほど寝てたのかもしれない。
呼ばれた気がして目が覚めると、
普段は夕方にならないと帰ってこない子が、苦しそうに私を見ていた。
お母さん、お腹が痛い・・・。
189 :
代理投稿 ◆n8k98SYXbk :2012/08/19(日) 02:03:42.27 ID:LAGoG+oz0
(2/3)
まあ大変、飛び起きて様子をみると
Tシャツのお腹の辺りが血で真っ赤に染まっているじゃない!
娘は、お腹が痛く、刺されたみたいな痛みを訴えてる。
慌ててTシャツを脱がしてみると・・・なんともなっていない。
全身よく見ても、怪我も傷もなんにもない。
お腹以外に血はついてないし、血のしみは腹部を中心に手のひらサイズ。
どうみても刺されて血が染み出たような姿なんだけど、
Tシャツに穴はあいてないし傷もないんだ。
何がなんだかよくわからなかったけど
とりあえず肌についた血を洗って、Tシャツを着替えさせて医者につれていった。
血はともかく、内科的な何かだといけないからね。
レントゲンもとったけども、結果はもちろん問題なし。
そうこうしているうちに、娘の腹痛も序々に収まってきたので家に帰ることに。
家に帰ると・・・
洗濯かごにいれておいた血のついたはずのTシャツが、
なぜか元通りの肩が赤くて他が白いツートン。
それを見た瞬間、なんとなく理解してゾッとました。
190 :
代理投稿 ◆n8k98SYXbk :2012/08/19(日) 02:05:30.29 ID:LAGoG+oz0
(3/3)
ああ、これは、うちの娘が刺されたんじゃないんだな・・・。
Tシャツをよく見ると、お腹の辺りに縫った跡がありました。
昔、これを着ていた子は・・・。その・・・。
しかもその服を・・・中古に出すような家って・・・。
もちろん、真実を知る術はありませんが
すごく悲しく、切なくなりました。
Tシャツは、近所の神社に供養させていただきました。
みなさんも、中古の物を買うときには、お気をつけください。
前の持ち主が、”どのように”つかわれたかわかりませんよ?
【完了】
191 :
動画 ◆ElPl8xGQc2 :2012/08/19(日) 02:06:39.28 ID:5YF0phdy0
五十六本目の蝋燭が消えました・・・
ithuki◆JjVa38i/woさん、ありがとうございました
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KMT ◆nqnJikEPbM.8さん、第五十七話をお願いします
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192 :
代理投稿 ◆n8k98SYXbk :2012/08/19(日) 02:11:46.27 ID:LAGoG+oz0
KMT ◆nqnJikEPbM.8 様
(1/2)
大学時代の同期にAという男がいます。
在学中は一緒に馬鹿をやった中ですが、今は専門を違えており、なかなか会う機会もありません。
そんな彼に久々にあったときの事。
お互いに昼飯に行くところだったので、連れ立って昼を食べていると、Aが奇妙なことを言いだました。
「俺さ、全く怖い話とか信じてないけど、あれは怖かったなぁ……」
聞くと、Aが数日前の当直の日、受け持ちの担当患者さんの容態が急変したそうです。
その患者さんはかなりの高齢でしたが、容態は安定しており、本当に急なできごとだったと言います。
患者さんのご家族が駆けつけるまでの間、Aは心肺蘇生を試みておりました。
患者さんはなにぶん御高齢ですので、電気ショックは使えず、手技による心臓マッサージだったそうです。
やったことのある方は御存知かと思いますが、心配蘇生術はかなりの体力を使います。
Aは汗だくになりながら、必死にマッサージを繰り返していました。
しかし、結局患者さんの意識が戻ることはありませんでした。
患者さんのご家族に事情を説明し、開放されたのは深夜の2時を回った頃だったといいます。
「あと5分……あと5分続けていれば、心拍が戻ったんじゃないか…」
無駄だと頭では分かっていても、ご家族の嘆きを見たり、実際に命が掌から滑り落ちる感覚を味わうとそう思わざるを得ません。
Aは疲れた身体を引き摺り、当直室へ戻りました。
193 :
代理投稿 ◆n8k98SYXbk :2012/08/19(日) 02:14:19.78 ID:LAGoG+oz0
(2/3)
疲れてはいるのですが、一向に眠気は訪れません。
しばらくぼうっとベッドに腰掛けていると、
トントン……トントン……トントン……トントン……
当直室のドアをノックする音が響きました。
「そりゃあ、不思議に思ったよ、なんだ、こんな時間に、って」
当直室にはナースセンターからの直通電話があり、普通はそこから連絡が来るものです。
こんな深夜に当直室を訪れる人間などいないはず……。
怪訝に思いながらもAは返事をしながらドアを開けたそうです。
消灯時間を過ぎた、薄暗い、病院の廊下。
そこには誰の姿も無く、どこかに隠れた様子もありませんでした。
「おかしいなぁと思ったけど、どうしようもない」
Aはドアを閉め、再びベッドに腰を降ろしました。
すると、
トントン……トントン……トントン……トントン……
と、またノックの音。出ても、誰もいない。
さすがに気味が悪くなって、Aは三回目のノックは無視していたそうです。
194 :
代理投稿 ◆n8k98SYXbk :2012/08/19(日) 02:15:39.64 ID:LAGoG+oz0
(3/3)
トントン……トントン……トントン……トントン……
いつまでも続くのではないかと思うほど、ノックは続きました。
「そのノックな? きっかり、5分続いた」
患者さんが恨み言を言いに来たのか、お別れを言いに来たのか、
それは分からない、と言っていました。
【了】
195 :
動画 ◆ElPl8xGQc2 :2012/08/19(日) 02:15:56.21 ID:5YF0phdy0
五十七本目の蝋燭が消えました・・・
KMT◆nqnJikEPbM.8さん、ありがとうございました
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憂莉◆BPe4rMCg8kさん、第五十八話をお願いします
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196 :
代理投稿 ◆yz7KwCMAoU :2012/08/19(日) 02:19:01.40 ID:t9naPkC70
憂莉 ◆BPe4rMCg8k 様 『イメージ』
前の家で変なことが起こっていた、と『引っ越し』にて少し触れたがその話をしたいと思う。
もともとその家に引っ越してきたときから、イヤな雰囲気だなぁと思っていた。
特に玄関を入ってすぐの廊下やそこに面したトイレや風呂、このあたりが気持ちの悪い。
しかしさすがにトイレや風呂を使わずに生活をできるわけも無く、なるべく気にしないようにはしていた。
夏だったと思う、特別早く寝たわけではないのだが夜中にふと目が覚めた。
すぐ寝てもよかったのだが、なんとなくトイレに向かった。
自室を出てリビングを通り、廊下へ出る、面倒なので電気は付けずに真っ暗な廊下を手探りでトイレまで向かう。
トイレの前に着き、さぁ入ろうかというところで頭の中に強烈なイメージが入り込んできた。
女のイメージだ。
目は開けていたはずなのだが、なぜだか目は見えていない。
頭の中だけに女のイメージが張り付いていて、恐怖のせいかそれか金縛りだったのか、体は動かない。
10分ほど経っただろうか、急に女のイメージが消えて視力も回復、体も動くようになった。
あれはなんだったのかと考えても当然答えは出ず、仕方なくトイレを済ませまた寝ることにした。
それからはそのあたりに関する怪異やその女のイメージがまた入り込んできた、ということは無い。
しかし不思議なのが、そこに住んでいたころは忘れたくても忘れられなかった女の姿が、その家から引っ越したと同時にまったく思い出せなくなったことだ。
終わり。
197 :
動画 ◆ElPl8xGQc2 :2012/08/19(日) 02:20:13.74 ID:5YF0phdy0
五十八本目の蝋燭が消えました・・・
憂莉◆BPe4rMCg8kさん、ありがとうございました
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カリン ◆Knugtm5lOQさん、第五十九話をお願いします
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規制中の方は【避難所】でお願いします。
198 :
代理投稿 ◆yz7KwCMAoU :2012/08/19(日) 02:22:16.72 ID:t9naPkC70
カリン ◆Knugtm5lOQ 様 『太陽に似た、何か』
母の体験した話。
母は山の生まれで、山に囲まれて育った。
幼い頃から山を駆けずり回っており、まさに自分の庭同然。
そんな山で、一度だけ説明のつかぬ体験をしたという。
ある日母は学校へ行くため、いつもどおり山道を歩いていた。
すると、急にさあっと霧がかかり、何も見えなくなってしまった。
そんなことは初めてだったし、何より足元すら見えないので、
仕方なくその場で霧が晴れるのを待つことにした。
そんな時、それは起こった。
最初母は、それを太陽だと思ったそうだ。
しかし太陽にしては妙に小さく、光り方も違う。
そいつは驚く母の目の前で、大車輪のように前後に動いたり、
∞を描くように動いたのち、急に猛スピードで去っていった。
その瞬間辺りを包んでいた霧は嘘の様に晴れてしまったとか。
「あれ、もしかしたらUFOだったのかも」
終わり
199 :
動画 ◆ElPl8xGQc2 :2012/08/19(日) 02:23:06.95 ID:5YF0phdy0
五十九本目の蝋燭が消えました・・・
カリン◆Knugtm5lOQさん、ありがとうございました
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ネヴィル◆5SharF2siAさん、第六十話をお願いします
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200 :
ネヴィル ◆5SharF2siA :2012/08/19(日) 02:24:16.03 ID:un+tZOSO0
『置いてかないでくれよ』
(1/2)
これは友人Hの話です。
Hは私以上に霊感が強い人間で、よく自分と一緒に変なものを見たりしていました。
そんなHがフリーターだった頃の話です。
その日は真夏で外に出るのも躊躇われるほどだったんですが、彼は仕事を探しにハローワークへ行こうと準備をしてたそうです。
当時の彼の家はマンションで、自分の部屋を出ると、通路を挟んでその向かいに洗面所となってました。
脱衣所も兼ねているので扉があり、開けると目の前に洗面所と鏡、右手にお風呂の入り口、そんな間取りです。
出かける前にHは洗面所で支度をしていたんですが、鏡を見ていると突然自分の後ろ、つまり通路を左のリビング方面から右の玄関方面へ通り抜ける人影が見えたそうです。
その時は「父親が通ったかな?」と思ったんですが、よくよく考えると父親は朝から母親と出掛けている。
「また変なの見ちゃったか」と思いつつも気にせず支度を続けていたそうですが、今度は右から左へ人影が通り過ぎたそうです。
201 :
ネヴィル ◆5SharF2siA :2012/08/19(日) 02:25:00.37 ID:un+tZOSO0
(2/2)
さすがに気になったHは支度をやめ、洗面所から通路に顔だけ出し、人影が通り過ぎたリビングの方を見ました。
まあ当然の事ながら人などいなく、「やっぱりなぁ」と思った時。
突然、自分の右からハァハァという息づかいが聞こえてきたそうです。それも自分のすぐ横から。
漏れる声から横にいるのは中年の男性だと分かりました。
Hはその場で凍りついてしまったそうです。
自分の家で心霊体験をした事はなく、ましてやすぐ横にまで来られた事など皆無でしたから。
どのぐらい時間が過ぎたのかは分かりません。
何時の間にか息づかいは聞こえなくなり、Hは咄嗟に洗面所を飛び出すと自分の部屋に飛び込み、カバンを持って玄関に急いだそうです。
靴を履きカバンを肩にかけ扉を開けて外に飛び出しました。そして扉を閉める瞬間、
「俺を置いていかないでくれよ」
という男性の声が聞こえたそうです。
ハローワークに行った帰り道、駅から彼の家までのちょうど中間にあった私の家に彼は寄っていき、この話をしていきました。
そして同時に一緒に彼の家まで行ってくれとも。
興味深かった私は一緒に行きましたが、特にこれといって何かがある訳でもありませんでした。
その後は彼が家にいてもその男の気配も何もなく、Hは今は結婚して違う家に引越しています。
202 :
動画 ◆ElPl8xGQc2 :2012/08/19(日) 02:25:53.05 ID:5YF0phdy0
六十本目の蝋燭が消えました・・・
ネヴィル◆5SharF2siAさん、ありがとうございました
γ
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. l| !| i""!|
}: }i |{ !j
〈| 'J |! }j :}
_ノ;し i} {J |
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( .( '、_ _ ,ノ ノ:i )
,、'""`ー---‐'"フ、_ - _,、' -'"
( _ ,、'"  ̄
`ー--─'"
ユウ◆pK2t4W3twQさん、第六十一話をお願いします
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語り部希望は【語り部受付スレ】で、
雑談と感想は【雑談スレ】で、
規制中の方は【避難所】でお願いします。
203 :
代理投稿 ◆yz7KwCMAoU :2012/08/19(日) 02:28:26.49 ID:t9naPkC70
ユウ ◆pK2t4W3twQ 様 『夏休み』
(1/4)
小学校高学年の頃だったかな。
当時の家庭事情がゴタゴタしてて、母方の祖母の家に預けられるコトになったんだ。
言っちゃえば親父の浮気発覚と、母親の体調不良に因る入院が重なったのが理由だけど。
祖母の家は実家から割と近くて幼い頃から何度も遊びに行ったりしてたから、そこで過ごすというのは窮屈には感じなかったかな。
弟が一緒に居たから、っていうのもあるかもしれない。
その弟は預けられる経緯を理解出来なくてわんわん泣いてたっけ。
そんな感じでしばらくの間、生活の拠点が変わったワケで。
通学に関してはギリギリ同じ学区内だったから転校とかはしなくて済んだけど、若干歩く距離が延びたのがキツかったってのは覚えてる。
家の前に長めの登り坂があって、表通りに出るには嫌でもそこを通らないといけなかったしね。
それからどれくらい経ったかな・・・祖母の家での生活も慣れ始めて、普段通りの毎日に近付いたのは。
たまに母親の見舞いに行くくらいで、俺も弟もメンタル的に復調して来てた。
丁度待ちに待った夏休みが間近に迫ってたから、不幸中の幸いってやつだね。
(どうでもいいコトだけど、親父はあの後どこかに行っちゃいました。
失踪って扱いになるのかな・・・ホントどうでもいいけど。)
204 :
代理投稿 ◆yz7KwCMAoU :2012/08/19(日) 02:28:53.04 ID:t9naPkC70
(2/4)
夏休みはごく普通の子どもらしく、楽しく過ごせたと思う。
同年代の友達と毎日めいっぱい遊び倒す・・・みたいな感じで。
今にして思えば、あの境遇でも大して落ち込まなかったのは友達のおかげなのかな。
今更ながら感謝しないと・・・ねw
で、夏休みも終わりに差し掛かる頃。
残り少ない休日を手付かずの宿題に追われるってのは皆も経験あるんじゃないかな?
俺もそんな切羽詰まった子どもの一人だったワケで。
朝からノートやらプリントやらの束に無駄な怨嗟を発しつつ机に向かってた。
―――と・・・ここで俗に言う「視線を感じる」って言葉があるよね。
何て表現したらいいか判らないけど、あの感じ。
解る人には解ると思うんだけど、肌で感じる感覚的な―――
その日も朝から片っ端からやっつけ続けて、昼過ぎくらいだったはず。
婆ちゃんの家はクーラー無くて扇風機だけだったから、いい加減暑くなったし休憩しようかと思ったのね。
で、ふと感じたんだ・・・・・・視線っていうか気配っていうか。
(あれ?お婆ちゃん遅くなるって言ってたし、弟は今日は友達の家に泊まるって言ってたよな・・・)
急に感じた気配だったから少し逡巡したあと、とりあえず振り返ってみたのね。
205 :
代理投稿 ◆yz7KwCMAoU :2012/08/19(日) 02:29:20.13 ID:t9naPkC70
(3/4)
誰も居ない。
いや・・・居た。
正確に言うなら「在った」。
ピンポン玉くらいの二つの眼球が。
頭が眼前のモノを認識した瞬間、それまで感じていた暑さが嘘のように霧散していった。
全体的に赤みを帯びたそれは、ぬめっとした薄気味悪い光沢を放ちながらそこに「在った」。
動けなくてただ見た。
見てはいけないと思いながらも目を離せなかった。
宙に浮いた二つの眼は斜視のように、別々の方向に視線を這わせてた。
どうしよう・・・って考えたのも束の間、片方の眼がこっちを見た瞬間に体が動いた。
いや、ホントは動けたのに「気付かれるから動くな」って、脳がそれを制してた感じかな。
とにかく脱兎の如く玄関まで走って、乱暴にドアを開けて、普段ならキツい登り坂を全力で走って・・・。
半泣きになりながら友達の家に駆け込んだよ。
自分が確かに見たはずのモノ、友達は信じてくれなかったけど、その日は家に戻るのが嫌で泊めてもらった。
206 :
代理投稿 ◆yz7KwCMAoU :2012/08/19(日) 02:29:48.62 ID:t9naPkC70
4/4
その後は遭遇するコトは無かったけど、婆ちゃんの家では極力一人にならないように過ごしてたっけ。
周りは誰も本気で取り合ってくれる人が居なかったけどね。
今でもアレが何だったのかさっぱり解らないし、何故婆ちゃんの家にあんなモノが現れたのか知る由もない。
でも、絶対に見間違いとかじゃなかった。
もしあの場面で逃げなかったらどうなっていたんだろう・・・。
―――視線を感じても安易に振り向かない方がいいかもね。
見ているのは人間だけとは限らないから・・・。
【了】
207 :
動画 ◆ElPl8xGQc2 :2012/08/19(日) 02:32:55.56 ID:5YF0phdy0
六十一本目の蝋燭が消えました・・・
ユウ◆pK2t4W3twQさん、ありがとうございました
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憂莉◆BPe4rMCg8kさん、第六十二話をお願いします
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語り部希望は【語り部受付スレ】で、
雑談と感想は【雑談スレ】で、
規制中の方は【避難所】でお願いします。
208 :
代理投稿 ◆nqnJikEPbM.8 :2012/08/19(日) 02:33:42.41 ID:jvZ3IDbu0
憂莉 ◆BPe4rMCg8k 様 『逆夢』
俺は子供のころからあまり夢を見ない。
たまに見る夢も断片的にしか覚えていないものばかりなのだが、ごくごく稀にはっきりと夢の内容を覚えていることがある。
そういう時はだいたい逆夢なのだ。
例えばいい夢を見れば悪いことが起きる、告白される夢を見た数日後に彼女にふられたこともあるし、財布を拾う夢を見た数日後に財布を落としたことがある。
そしてもちろん悪い夢を見れば良いことが起きる、この話もそういうものだ。
数年前、久しぶりに夢を見た。
夢の中で俺は女友達にメールを送っていた。
メールの内容はよく覚えていないが、「久しぶり、元気してるか?」のような当たり障りの無い内容だったと思う。
しばらくしてメールの返事がきた。
「女友達は亡くなりました。」
本文にはそれだけ。
場面が飛んで葬式。
女友達が住んでいるのはかなり遠方なのだが、新幹線にでも乗って向かったようだ。
どうやら葬式はもう終わり、共通の友人と喋っている。
飲みにでも行かないかと誘われたが、明日も仕事だからと断った。
そこで目が覚めた。
あいつに何かあったのかなと気にはなったが、仕事だなんだと忙しく連絡する暇が無いので確認できずにいた。
数日後、女友達からメールがきた。
「子供ができました。」、と。
終わり。
209 :
代理投稿 ◆yz7KwCMAoU :2012/08/19(日) 02:33:59.53 ID:t9naPkC70
憂莉 ◆BPe4rMCg8k 様 『逆夢』
俺は子供のころからあまり夢を見ない。
たまに見る夢も断片的にしか覚えていないものばかりなのだが、ごくごく稀にはっきりと夢の内容を覚えていることがある。
そういう時はだいたい逆夢なのだ。
例えばいい夢を見れば悪いことが起きる、告白される夢を見た数日後に彼女にふられたこともあるし、財布を拾う夢を見た数日後に財布を落としたことがある。
そしてもちろん悪い夢を見れば良いことが起きる、この話もそういうものだ。
数年前、久しぶりに夢を見た。
夢の中で俺は女友達にメールを送っていた。
メールの内容はよく覚えていないが、「久しぶり、元気してるか?」のような当たり障りの無い内容だったと思う。
しばらくしてメールの返事がきた。
「女友達は亡くなりました。」
本文にはそれだけ。
場面が飛んで葬式。
女友達が住んでいるのはかなり遠方なのだが、新幹線にでも乗って向かったようだ。
どうやら葬式はもう終わり、共通の友人と喋っている。
飲みにでも行かないかと誘われたが、明日も仕事だからと断った。
そこで目が覚めた。
あいつに何かあったのかなと気にはなったが、仕事だなんだと忙しく連絡する暇が無いので確認できずにいた。
数日後、女友達からメールがきた。
「子供ができました。」、と。
終わり。
210 :
ミオ ◆yz7KwCMAoU :2012/08/19(日) 02:34:27.19 ID:t9naPkC70
orz
211 :
動画 ◆ElPl8xGQc2 :2012/08/19(日) 02:35:27.48 ID:5YF0phdy0
六十二本目の蝋燭が消えました・・・
憂莉◆BPe4rMCg8kさん、ありがとうございました
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ななほし◆5JfBuh0hdcさん、第六十三話をお願いします
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規制中の方は【避難所】でお願いします。
212 :
代理投稿 ◆nqnJikEPbM.8 :2012/08/19(日) 02:37:18.33 ID:jvZ3IDbu0
ななほし ◆5JfBuh0hdc 様 『国道先の土地』
(1/2)
初めに僕のことについて書きますが、僕の家は大昔まで遡れば現存する良く知られた神社の宮司にあたる家で、
母方も霊感のある人間が時たま生まれるような家系。
僕自身は見えこそしませんが感じる程度、大丈夫(体に合う)な土地とダメな土地があります。
ダメな土地だと土地自体に拒絶されることもしばしば、な人間です。
現在、僕の住む田舎では大雨となっています。
この体験も、1年前のそんな大雨の日の話。
その日は僕の活動しているバンドの練習日でした。
そのバンドは県内各所からメンバーが集まっており、しかも練習を車でないと移動出来ない場所で行うため、
車がない人を車がある人間が送り届けるのが決まりでした。
僕の仲が良いメンバーも僕の後輩で車が無く、家も近い(といっても20分くらいの距離はある)ので大体僕が送って行っていました。
僕の地元は、西に山脈、南北に2本の主要道路が走っているのですが、山に近い側の国道を越えた先は街灯も家も少なく、
感じる空気感もいわゆる僕が拒絶される土地。正直日が暮れた後には特に近づきたくない範囲でした。
後輩の家はそんな国道の先にあり、夜遅くまでかかる練習のあとに送るのはかなり勇気がいります。
そんな送りもかなりの回数行い、そこの空気抵抗にも何となく慣れてきた頃。その日は冒頭に書いた通り大雨でした。
213 :
代理投稿 ◆nqnJikEPbM.8 :2012/08/19(日) 02:39:33.95 ID:jvZ3IDbu0
(2/2)
国道を横断するとやってくる抵抗感は雨のお陰で2割増し。やだなぁ、なんて思いつつ無事に後輩の自宅へ到着しました。
いつもは自分は車を降りずに別れるのですが、外は大雨、後輩は傘をさせないほどの大荷物。
大丈夫だと遠慮する後輩を押し切り、傘をさしてあげようと車を駐車させて外に出ようとしました。
ドアをあけて地面に足をついたその時、ぐわっとものすごい勢いで体に圧力がかかり、めまいとも何とも言えない気持ち悪さが僕を襲いました。
直感的に「ヤバい!」とは思いましたが、自分は後輩に傘をさして送る途中。
圧力のおかげでふらふらする体をなだめてとりあえず玄関まで送り届けると、慌てて車に乗り込みその場を後にしました。
国道までもかなりの距離がありますし、正直車に乗っていても拒否感は襲ってきます。
よっぽどのことがないと使わないハンズフリーを駆使して、霊感が僕よりもある親友に電話して国道まででて
大丈夫になるまでの間話してもらい、なんとかことなきを得ました。
事情を話した親友も、国道の先はあまり印象が良くないらしいですが、何が原因なのかはさっぱりわかりません。
今は、その後輩の送りをすることも無くなり、大雨の中送って行ったのはその日だけですが、
あの日感じた気持ち悪い感触は未だに体に残っています。
心霊現象ある場所でもないため、僕が何故そこの土地に拒否されるのかはわかりませんが、触らぬ神に祟りなし、と思っています。
(終)
214 :
動画 ◆ElPl8xGQc2 :2012/08/19(日) 02:43:14.49 ID:5YF0phdy0
六十三本目の蝋燭が消えました・・・
ななほし◆5JfBuh0hdcさん、ありがとうございました
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猫様がみてるさん、第六十四話をお願いします
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215 :
代理投稿 ◆nqnJikEPbM.8 :2012/08/19(日) 02:45:10.62 ID:jvZ3IDbu0
猫様がみてる ◆UiIW3kGSB 様 『修学旅行の例外』
これは私が高校生の頃の話です。
私の学校の修学旅行は毎年沖縄に行っています。
ただ最近は海外にしようという話が出ては立ち消えているようですが…
というのもこの修学旅行毎年何かトラブルが起きているのです、私達の一つ上の代から…
沖縄に行くのは戦争について学ぶ為、中学と比べると自由に行動出来る時間はありましたが、
戦争に関連する場所や資料館は全員で参加し、抜けることは許されません。
が、私達の代から一か所だけどうしても無理なら行かなくてもいい場所が出来ました。
それがガマです。
私達の上の代は皆強制参加でガマに入っています。
そして電気を消して本当の暗闇を体験する時間に女子テニス部の先輩が急にうずくまってしまったそうです。
取敢えずみんな懐中電灯をつけて引率で一緒にいた先生がその先輩を連れて先に出たそうです。
足取りも覚束ない様子でふらふらしながらもガマの外へ。太陽の下で改めて先輩の様子をうかがおうとした先生は
彼女の足に人の手が何かを掴んだかのような痣があるのを見たそうです。
ガイドの人たちに連れられて他の先輩方が出てきた時にはもう先輩はいつもと変わらない様子に戻っていたようです。
足の痣を除いては…
テニス部の友人がその先輩から様子を聞いた時には「上る時に岩かなんかに足ぶつけちゃったのかも」とおどけた様子で話してくれたみたいですが
、
その時に携帯で撮った写真にははっきりと人の手だとわかるようなアザが写っていたみたいです。
私のクラスにも1人、足がすくんでバスから降りれない子がいました。
道のない山を下りるように木の幹や岩に足場を見つけ下に降りて行かなければいけない場所で、
小雨が降り2月なので肌寒く、土もぬかるんでいてガマの中は硫黄よりも嫌な臭いがこもっていました。正直もう行きたくないです。
地盤が緩んでいて奥に行けず回収が進まない御遺骨が一刻も早く太陽の光を浴びることを祈りながらこの話を終わりにしたいと思います。
(終わり)
216 :
動画 ◆ElPl8xGQc2 :2012/08/19(日) 02:45:26.51 ID:5YF0phdy0
六十四本目の蝋燭が消えました・・・
猫様がみてるさん、ありがとうございました
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雷鳥一号◆zE.wmw4nYQさん、第六十五話をお願いします
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217 :
代理投稿 ◆nqnJikEPbM.8 :2012/08/19(日) 02:47:29.82 ID:jvZ3IDbu0
雷鳥一号 ◆zE.wmw4nYQ 様 『突堤の女』
(1/3)
友人の話。
深夜、漁港の突堤で釣りをしていた時のことだ。
普段なら同好の志が五、六名はいるものなのだが、その夜は彼一人だけだったらしい。
「独り占め、独り占め」
そうポジティブなことを考えながら竿を振っていると、どこからか声が聞こえてきた。
女性の泣き声のようだ。突堤の端を見やると、何やら白い影が蹲っている。
しゃがみ込んで、両手に顔を埋めていた。髪が長い。
こんな時間にこんな場所ですすり泣いているなんて、何かあったんだろうか?
しばし悩んでから、声を掛けることにした。
「どうかしたんですか?」
そう声を掛けた途端、泣き声がピタリと止まった。
しかしうずくまった影は、ピクリとも動かないままだ。
そのまま見つめていたが、やはり固まったように全く身動ぎをしない。
近寄って様子を見てみようかと思い、釣り竿を下に置いて向き直った。
ギョッとした。女は顔を上げて、こちらをじっと見ていた。
目の部分に眼球が見当たらず、大きな黒い穴がぽっかりと空いている。
それでも友人には、女が自分を見つめているのだと、何故かはっきりわかったという。
同時に、おかしな事にも気がついてしまった。
女の側には明かりが一つもないのに、どうしてあんなに細部まではっきりと見えるのだ?
女は相変わらず、動く気配を見せない。
サッサと逃げ出すことにした。手早く道具を片付けて、荷物をまとめる。
218 :
代理投稿 ◆nqnJikEPbM.8 :2012/08/19(日) 02:48:55.82 ID:jvZ3IDbu0
(2/3)
肩に担ぐ前に再度、向こうの様子を確認してみた。
女は立ち上がっていた。しかし、やはり動いていない。
その時、ふと、奇妙な事を思いついた。
「もしかしてこの女、俺が見ていると動けないんじゃないか?」
試しに目を一旦逸らしてから、ゆっくりと女に向き直ってみる。
女はこちらに向かって歩き出す格好をしていた。
両手を前に突き出して、片足を空中に停めたままで。
もう一度視線を外し、今度はすぐに女に顔を向けてみた。
やはり固まった姿で動かないが、どう見ても先程よりこちらに近づいていた。
「まるで、“ダルマさんが転んだ”みたいだな」、そんなことを考えて苦笑した。
しかし、幽霊相手に遊ぶ気にはなれない。
そのまま背を向けて、駐車場に置いた車まで走って逃げる。
振り向くと、突堤の入り口に立つ白い影が見えた。
「・・・嘘だろ。移動距離を考えると、あいつ、俺より速いぞ・・・」
慌ててトランクに荷物をぶち込んでから、再び後ろを確認した。
女は、僅か数メートルの位置にまで近寄っていた。
悲鳴を上げて運転席に飛び乗り、エンジンを掛けるや否や車を出す。
出す瞬間、反射的にバックミラーを確認してしまった。
トランクカバーに両手をついた、女の姿が映り込んでいた。
思い切りアクセルを踏み込み、全速力で港から逃げ出した。
走っている際、後ろを確認しないように注意したという。
219 :
代理投稿 ◆nqnJikEPbM.8 :2012/08/19(日) 02:50:16.40 ID:jvZ3IDbu0
(3/3)
外灯の多い街中まで帰ってくると、やっと一息付けた。
「あそこは結構通ってるけど、あんなモノを見たのは初めてだな・・・」
赤信号で停車中に、そんなことを考えていると、交差点斜め向かいにある店舗の
大きなショーウィンドウに目が行った。
まるで暗い鏡のように、ぼんやりと彼の車が映っている。
そして、その後ろに立っている、両手を前に突き出した人影も。
「・・・憑いて来ちゃってる・・・」
真っ直ぐ帰宅するのを諦め、一番明るくしているファミレスへ逃げ込んだ。
車から出る時も、店に入る前も、入ってからも、絶対に後ろを見ることはなく、
また鏡の類いにも目を向けないように細心の注意を払った。
背後が壁になった席を選び、夜が明けるまで、そこで凌ぐことにした。
空が白んできた頃、ようやっと恐る恐る、背後の駐車場に目を向けてみた。
不気味な影は何処にも見えなくなっていたそうだ。
安堵の余り、思わず涙が少し出てしまったという。
「だからそれ以降、絶対に一人じゃ、夜中にあの突堤には行かないんだ」
最後に肩を竦めながら、彼は私にこの話をしてくれた。
「・・・そんな体験しながら、よく同じ場所に行けるよね・・・」
私がそう言うと、彼はキョトンとした顔でこう言ってのけた。
「一人じゃなければ、ま、何とでもなるだろ」
釣りというものは恐怖心を鈍らせるのだろうか、と呆れながら思った私だった。
【了】
220 :
動画 ◆ElPl8xGQc2 :2012/08/19(日) 02:51:11.45 ID:5YF0phdy0
六十五本目の蝋燭が消えました・・・
雷鳥一号◆zE.wmw4nYQさん、ありがとうございました
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ダメレオン◆aKQ2SJ2lbMさん、第六十六話をお願いします
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221 :
ダメレオン ◆aKQ2SJ2lbM :2012/08/19(日) 02:59:08.58 ID:q4k6unsD0
第六十六話【穴】1/2
Bさんは兵庫県の海沿いの町に引越してきた。季 節は夏だった。
日曜日の早朝、釣り竿を持って自宅近くの海岸ま で出掛けた。 辺りはまだ薄暗かった。 海岸へ着くと先客がいた。 眼鏡をかけた50歳ぐらいの男性が、釣り竿を砂 浜に差して当たりを待っていた。
Bさんもルアーを投げ込み、釣り竿を砂浜に差し て当たり待った。
「この海はよく釣れますか?」 Bさんのほうから男性に声をかけた。
「ええ、けっこう釣れますよ」 男性が愛想よく答えた。
「でもね、この場所、どきどき高波が来るから注 意せなアカンよ」 続けて男性がこう言ってきた。
222 :
ダメレオン ◆aKQ2SJ2lbM :2012/08/19(日) 03:02:59.40 ID:EQ8fsQVD0
第六十六話【穴】2/2
「そうなんだ、ぜんぜんそんな場所には見えませ んけど」 穏やかな波を見ながらBさんが言うと
「まあ、滅多に高波なんか来ないんやけど、そん で油断してたら去年、ワタシ高波に呑まれました んや」
えッ!Bさんが男性のほうを向くと、そこには誰 もいなかった。 男性が立っていた場所まで近寄ってみると、そこ には釣り竿を差した穴だけが残っていた。 その穴も波にさらわれて、すぐに消えてしまったという。【終わり】
223 :
動画 ◆ElPl8xGQc2 :2012/08/19(日) 03:05:44.00 ID:5YF0phdy0
六十六本目の蝋燭が消えました・・・
ダメレオン◆aKQ2SJ2lbMさん、ありがとうございました
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キツネ◆8yYI5eodysさん、第六十七話をお願いします
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224 :
代理投稿 ◆nqnJikEPbM.8 :2012/08/19(日) 03:08:40.71 ID:jvZ3IDbu0
キツネ ◆8yYI5eodys 様 『空き家の落書き』
(1/4)
小学生の時分と言いますと、いやはや、怖いもの知らずと言いますか、大人になってからはやらないような遊びに興じるものでございます。
かく言う私も小学生の頃には近所の子供たちとヘビが出るような山の中に秘密基地を作ったり、虫だらけの洞窟を探検してみたり。
山沿いの田舎町だったこともありまして、今思うとゾッとするような場所で好奇心のままに遊んでおりました。
中でも私達が一番熱心だったのは探検ごっこでございまして、仲間の誰かが少しでも面白そうな場所・・・・・・
1人で行くには少々勇気がいるような場所を見つけると、すぐさま皆で乗り込んでいったものでございました。
さて、あれはいつのことでしたか。
仲間の1人が面白そうな場所を見つけて参りました。
町外れの廃屋。
もう何年も前に住んでいたお婆さんが亡くなり空き家になった・・・・・・確かそんな廃屋だったと記憶しております。
当時は学校の怪談、今で言う学校に纏わる都市伝説が子供の心を鷲掴みにしていた時代だったこともありまして、私達は誰も反対することなく探検に向かおうという話になりました。
いやはや、なんとも罰当たりと申しましょうか、不法侵入という概念を持っている今では決して考えられないような場所を選んだものだと、お恥ずかしい限りでございます。
いよいよ探検の日。
私達一行は祭りの露店で売っているような粗末なライトや、武器、と称し途中で拾った木の棒なんかを手に町外れまでやって参りました。
問題の廃屋は鬱蒼と茂る藪の中に隠れるように立っておりまして、カラスが数羽、不気味に鳴いていたのが印象的でした。
お世辞にも家と呼ぶには粗末な、さながら小屋とでも言った方が適切な2階建ての木造の建物。
その入り口側と思しき壁は無残にも崩れて1階部分は瓦礫の山と化しておりました。
225 :
代理投稿 ◆nqnJikEPbM.8 :2012/08/19(日) 03:10:59.01 ID:jvZ3IDbu0
(2/4)
その雰囲気に気圧されながらも、私達は強がりを口にしながら誰からともなく入っていきます。
今にも崩れそうな木造の階段の先には、日も高いのに不自然なほど真っ暗な空間がパックリと口を開いておりました。
皆が2階に上がり思い思いにライトを点けて照らすと・・・・・・
中は家財道具が荒らされた残骸やゴミ、落書きなどで燦々たる光景が広がっておりました。
きっと田舎の不良や心無い人が荒らして行ったのでございましょう。
雰囲気に気圧されながらも、私達は仲間にみっともない姿を見せたくないという意地か、はたまた不安を掻き消すためか。
どんどん、どんどんと奥へ進んで参ります。
そうして最後、突きあたりの部屋。
湿気とカビ臭さが広がる和室だったと思しき部屋に着いた時でした。
「ぎゃッ!!!」
と仲間の一人が潰れたような叫び声を上げました。
何事か、と彼がライトで照らした方を見ると、そこは白い壁。
そこには小学生が描いたような、それでいて妙に不気味な男の子の絵と・・・・・・
―――たかしくんはボクシングでしにました。
というドス黒く、おどろおどろしい文字が壁一面に踊っていたのです。
なんだよ、ただの落書きじゃん。
誰かがそう言うと、急に空気が軽くなりました。
ちょうど仲間に『たかし』という名の子もいたためか、私達は口々に茶化しながら、足取りも軽く明るい雰囲気で廃屋を後にしました。
ですが・・・・・・。
憐れ、「たかし」くんはその日から、当時人気だったゲームのせいでエビワラーと呼ばれるようになったのでございます。
226 :
代理投稿 ◆nqnJikEPbM.8 :2012/08/19(日) 03:12:38.32 ID:jvZ3IDbu0
(3/4)
そんなことがあって数ヶ月経った頃でございました。
・・・・・・その「たかし」くんが亡くなったのは。
電話を受けていつになく神妙な顔で私に話しかけた父の顔と、それを聞いて今一つ現実味が湧かなかったのを未だに覚えています。
これは後に人から聞いた話や、後年、新聞のバックナンバーで調べた事を総合した話なのですが・・・・・・
たかしくんは焼死だったのだそうです。
それも、あの、例の廃屋で。
ご家族の話ではその日、たかしくんは1人で探検に行くと言って出かけ、例の廃屋の焼け跡から遺体で見つかった、と。
当時の新聞と消防団の親戚の話では、火元はあの崩れそうだった階段。
たかしくんは2階の一番奥の部屋、ちょうどあの落書きがあった部屋の押し入れの中に隠れるような形で、焼け跡から見つかったのだそうでございます。
階段に火が付き逃げ場のない中、それでも逃れるために奥へ奥へ。
最後に押し入れの中に隠れたのでございましょう。
その恐怖を慮るだけで、今でも胸の奥がグイグイと締め付けられます。
227 :
代理投稿 ◆nqnJikEPbM.8 :2012/08/19(日) 03:14:27.02 ID:jvZ3IDbu0
(4/4)
それから何年も経ちまして、大学の講義を聴いていたある日のこと。
その講義は法医学に近い内容の科目で、教授が様々な死因の所見について解説しておりました。
その中の焼死の項目で、あのたかし君のことを連想して、ざわざわと酷く嫌な気分になった時です。
ふと教授が、ある焼死体の特徴的な外部所見について説明を始めました。
拳闘家姿位。
熱で骨格筋、特に屈筋という関節の内側の筋肉が収縮して関節が曲がる現象。
特に焼死体の腕の部分はすべての関節を曲げたような状態になり、さながら拳闘家、いわゆるボクサーが構えているような格好になるという現象。
分かりやすい例では小学生のトラウマ漫画、はだしのゲンを読んだ方はそういった描写を見たことがあるかもしれません。
この話を聞いた時、私はサッと血の気が引くのを感じました。
―――たかしくんはボクシングでしにました。
いえ、きっと意識のし過ぎなのでしょうとは思います。
ですが・・・・・・あの落書きとの符合。
果たしてあの落書きは一体何だったのでしょうか?
今こうやって語っているさ中、脳裏にあの不気味な男の子の絵と文字が、まざまざと浮かんでまいります。
【完】
228 :
忍法帖【Lv=40,xxxPT】 ミオ ◆yz7KwCMAoU :2012/08/19(日) 03:16:03.46 ID:t9naPkC70
六十七本目の蝋燭が消えました・・・
キツネ◆8yYI5eodysさん、ありがとうございました
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りほ◆aZ4fR7hJwMさん、第六十八話をお願いします
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語り部希望は【語り部受付スレ】で、
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229 :
りほ ◆aZ4fR7hJwM :2012/08/19(日) 03:17:33.18 ID:anZJD0SA0
「泣岩」1/4
学生の頃、長期休暇の間、良く長野の祖父母宅へ行っては朝から日暮れ
まで山深くにある沢で岩魚釣りを楽しんでいた。
一応山中の渓流ということで、それなりの装備をするわけであるが、
向かうのは周りを崖で囲まれ、苔むした岩や倒木がゴロゴロ転がった
小さな沢。
沢を登るというよりかは、草や木の根づたいに崖や岩の上を歩くこと
がほとんどの為、ウェーダーよりもスパイク長靴を愛用していた。
230 :
りほ ◆aZ4fR7hJwM :2012/08/19(日) 03:20:30.66 ID:anZJD0SA0
「泣岩」2/4
その日も釣りを楽しんでいたのだが、気づいたらすでに日の入りを
迎える時刻になっていた。
この時間になると岩魚達が水面に飛び交う羽虫を食べる為、
川が賑やかになり、それを背に帰るのはなんとも残念な気持ちではある
のだが、山の日暮れは早い。
空が夕焼に染まったかと思うと、あっという間に暗くなってしまう為、
名残惜しくも急いで帰り仕度を整える。
釣りをしながら何時間もかけて登った道程だが、帰る時はあっという間だ。
夕闇の中、苔むした岩、倒木の上を飛び移るようにして下ってく。
ゴム長ではツルツル滑ってまともに歩けない場所でもスパイクで
あれば走るように下る事ができる。
231 :
りほ ◆aZ4fR7hJwM :2012/08/19(日) 03:22:45.16 ID:anZJD0SA0
「泣岩」3/4
「ガリッ、ガリッ」と、岩肌にスパイクの爪跡を刻みながら勢いよく
下っていた時である。
ある大岩に飛び移り、苔にスパイクが食い込んだ瞬間、
「ギィィィッ!」と、一際大きな音がしたと同時に足下がふらつき、
思いっきり岩から転げ落ちた。
痛みに悶えつつも、いったいどの岩で滑ったのかと、岩肌に刻まれた
白いスパイクの跡をたどるが、一箇所だけ2m程傷の間隔が飛んでる所
があるだけで、肝心の大岩が見当たらない。
ある程度痛みが和らいだところで、ふと疑問に思う。
なぜあの岩の時だけあんな音がしたのか?
そもそもスパイクと岩が擦れるだけであんな音がでるものなのか?
まるで悲鳴のようなあんな音が…。
232 :
りほ ◆aZ4fR7hJwM :2012/08/19(日) 03:26:01.80 ID:anZJD0SA0
「泣岩」4/4
そこまで考えたところで、周りがほとんど暗くなっていることに気づき、
痛む体を引きずりながらやっとの思いで車に到着し、帰路についた。
その後の日々は特に気にすることはなく、幾度も釣りに行った。
が、釣行時に岩に飛び移る時にはなるべく岩を傷つけないようにはしていた。
ただ、思い返せば、あの時は転げ落ちただけですんだものの、
もしスパイクで岩を引っかかずに上に乗っていたらどうなっていたか…。
良かったのか悪かったのか、今となっては悩みどころである。「完」
233 :
忍法帖【Lv=40,xxxPT】 ミオ ◆yz7KwCMAoU :2012/08/19(日) 03:27:09.80 ID:t9naPkC70
六十八本目の蝋燭が消えました・・・
りほ◆aZ4fR7hJwMさん、ありがとうございました
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可部 ◆0ZomiFbhPAさん、第六十九話をお願いします
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語り部希望は【語り部受付スレ】で、
雑談と感想は【雑談スレ】で、
規制中の方は【避難所】でお願いします。
234 :
可部 ◆0ZomiFbhPA :2012/08/19(日) 03:30:57.58 ID:qHePpQpc0
六十九話 「火の玉の正体」
うちのオフィスの男子トイレの窓には、「夜間、この窓を開けないで下さい」という注意書きが
貼ってある
実は去年の8月末から9月初めにかけて、夜になると生暖かい風がふいて直径20センチ程の
火の玉がオフィスの前庭に浮遊しているという怪奇現象が見られたのだ
悪い事をするわけでもないので、はじめは残業していた社員が面白がって見ていたが、
特にトイレの窓からよく見えた。
所長がその日、小便しながら窓から「今日もいるなあ」と見ていたら突然、その火の玉が
所長の顔の前の窓に突進してきて網戸にあたった
その瞬間に火の玉は消えたらしいが、所長はびっくりしたものの案外冷静で、その網戸を調べたら
べっとりとした粘液状のものが網戸の糸にこびりついていた
次の朝、自分も所長に言われて見てみたが、確かに透明で赤っぽいねばねばした物が網戸についていた
それは夏の日差しですぐに乾いてしまったが、少量をこそげとってヒマな所長が成分を調べたところ
pHが9、水酸基を持つ高分子の有機物であり、赤リンを含むがそれ自体は難燃性の物質だった。
どうも燃焼が吸熱反応になるため、赤リンがとろとろした燃え方になるようである
史上初、人魂の成分分析、と言いたいがあんなのが人魂なのだろうか
それ以来、火の玉は現れなくなったが、あのトイレの窓は夜間は締め切りになっている。
235 :
忍法帖【Lv=40,xxxPT】 ミオ ◆yz7KwCMAoU :2012/08/19(日) 03:34:08.63 ID:t9naPkC70
六十九本目の蝋燭が消えました・・・
可部 ◆0ZomiFbhPAさん、ありがとうございました
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ネヴィル◆5SharF2siA、第七十話をお願いします
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236 :
忍法帖【Lv=40,xxxPT】 ミオ ◆yz7KwCMAoU :2012/08/19(日) 03:36:04.79 ID:t9naPkC70
ネヴィル◆5SharF2siAさん、さんが抜けてすみません(><
237 :
ネヴィル ◆5SharF2siA :2012/08/19(日) 03:36:10.52 ID:un+tZOSO0
『エレベーター』
(1/2)
私は現在はあまりないのですが、小さい頃はよく心霊体験をするという事がありました。
これはそんな私がまだ幼稚園ぐらいの頃の話です。
その頃の記憶ってほとんど残っていないのですが、今回の体験だけははっきりと覚えています。
母の知り合いが近くの病院に入院したという事でお見舞いに連れて行かれる事になりました。
しかし、相手は私の知らない方。
行ったところで話をするわけでもなく、次第に飽きた私は売店に遊びに行く事にしました。
その病院は今は大学病院として新しくなっているのですが、当時は何年も昔からある古い病院で、売店は地下一階にありました。
貰ったお小遣いでお菓子を買い、エレベーターで一生懸命背伸びして母達のいる階のボタンを押すとエレベーターが動き出します。
少ししてチーンという音ともに扉が開き外に出ると、そこは見た事のない階でした。
不思議に思って表示されている階を見るとそこにあるのはB2の文字、つまり地下二階でした。
仄暗い灯りの中、それほど長くない通路の先にあったのは霊安室でした。
私はボタンを押し間違えたかなと思い、もう一度エレベーターに乗り込み上の階のボタンを押しました。
エレベーターが動き出し、少しの時間の後チーンという音がして扉が開きます。
その向こうにはまた同じ景色、地下二階の景色でした。
ちゃんと押したはずなのになんで?
幼心ながら焦ってもう一度上の階のボタンを押してエレベーターを動かします。
扉が閉まって動き出すと、私はエレベーターの表示される階数を見ていました。
B2からB1、そして1へと変化する表示を見てホッとしました。
そして目的の階に着いてドアが開き、外を見た私の目にはまたあの仄暗い通路が写りました。
(2/2)
「なんで!?」
慌てて表示を見るとそこにはB2の文字。
先ほどまで目的の階数が表示されていたはずなのに。
そして私はふとある事に気づきました。
奥にある霊安室の扉が少し開いているように見えたのです。
私はエレベーターから降りずに1階のボタンを押し、すぐさま閉まるボタンを連打しました。
エレベーターが動き出し、止まり、ドアが開くとまたそこは暗い廊下。
幼かった私はその時点で涙目になっていました。
そして奥の霊安室は先ほどよりも扉が開いているように見える、ではなく確実に開いているのです。
私は泣きながら母の事を呼び、もう一度エレベーターのボタンを押しました。
エレベーターが動きながら私はもう母に会えないんじゃないかと泣き続けていました。
チーンという音ともに開くドア。
その向こうには明るい廊下と何人もの患者さんがいました。
泣いていた私を見て、その中の人が迷子になったのかと受付まで連れて行ってくれ、無事にそこで母とも会う事ができました。
あれから何十年も経ち、あのエレベーターもなくなってしまいましたが、もしあの時ずっと地下二階から出れないでいたら、あの霊安室から何が出てきたのでしょうか。
終
239 :
忍法帖【Lv=40,xxxPT】 ミオ ◆yz7KwCMAoU :2012/08/19(日) 03:38:23.62 ID:t9naPkC70
七十本目の蝋燭が消えました・・・
ネヴィル◆5SharF2siAさん、ありがとうございました
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コッソリ◆.PiLQRq.0Aさん、第七十一話をお願いします
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240 :
代理投稿 ◆nqnJikEPbM.8 :2012/08/19(日) 03:41:35.35 ID:jvZ3IDbu0
コッソリ ◆.PiLQRq.0A 様 『無題』
(1/2)
もう二十年近く前の夏の話だ。
その日はちょうど祭りがあって、友達と夜店を回る約束をしていた。
住んでいたところはド田舎だったので祭りの規模は大したことはないが、
夜店が出たり、公然と夜更かしが出来るその日は子供心に楽しみだった。
祭りの会場は、当時住んでいた家から小川を挟んだ向かい側で、会場へ行くには橋を渡るために迂回をする必要があった。
普通に行けば子供の足で徒歩20分程度はかかる距離。家を出たのは午後6時半を少し過ぎた頃。
「このまま普通の道を通って行くと約束の時間に遅れる」そう思ったので、ショートカットをすることにした。
家から祭り会場の方向へ真っ直ぐ進むと古びた水門があった。
その水門の上を渡って川向こうに渡れば半分以下の時間で祭り会場に着ける。
川向こうの友達の家へ遊びに行く時などに使っていたのだが、大人からは「危ない」と禁止されていた。
水門自体の老朽化や全く人が通らないような場所にあるのだから当然のことだと今は思う。
その水門の周囲は全く手入れされていない雑木林で、背丈ほどもあるカヤが辺り一面に生えている。
しかも時間は夕暮れ時。水門の近くに着いた頃には光は周囲の草木に掻き消されて辺りは真っ暗だった。
薄気味悪さもあったが、それ以上に夏特有の湿り気を孕んだ空気や身体に纏わりつく蚊柱が不快だった。
人は来ないと言っても、俺や近所の悪ガキが使うので、獣道のような細い通り道は確保されている。
はびこるカヤを掻き分けるようにして進んで行き、そろそろ水門だな、と思った。
241 :
代理投稿 ◆nqnJikEPbM.8 :2012/08/19(日) 03:44:38.84 ID:jvZ3IDbu0
(2/2)
蚊柱を避けるために伏せていた顔をふっ、と起こした。
川が流れているので、水門の周りには草木がなく、そこだけポッカリと西日が差し込んでいた。
目線の先にある水門の上、赤茶けたバルブの脇にこちらに背を向けてそいつはしゃがみこんでいた。
一目見た瞬間にそれが生き物だと分かって、同時に「関わっちゃいけない」と思った。
大人が体育座りをしている姿勢だが、腕は肘が地面に付くほどに長い。
折り曲げた腰の上にはでっぷりと肉が乗っていて、段がつくほどに太っている。
肩は異様に細く、ほとんど首と区別がつかない。その上に細長いふくらみがあってそれが頭だと分かった。
西日のせいか全身がオレンジ色に染まっていて、所々に血管のような筋が走っている。
「やらない夫」というAAキャラの腕を倍にして肩を無くし、太らせたら俺が見たあれに似ていると思う。
そいつは時折頭を左右に振るだけでそこから動く気配はなかった。
とてもじゃないが水門を通れたものじゃない。
すぐに帰ろうと思ったが、そういう時は本当に目を逸らせないもので、
じっとそいつの背中を見ながら注意深く後退りを始めた。
今思い出しても吐き気がする
当時はしばらく眠れなかったし、パニックにもなってた。医者の世話にもなった。
そいつは俺が後退りを始めた瞬間に跳ねて四つん這いになってこっちを見た。
目があった。互い違いに4つ。目しか覚えてない。それ以外分からない
俺は叫びながら家に戻ってその場で倒れたらしい。
逃げ出した記憶はなんとなくあるけど、途中のことは覚えてない。
起きたら病院だった。
【了】
242 :
忍法帖【Lv=40,xxxPT】 ミオ ◆yz7KwCMAoU :2012/08/19(日) 03:45:52.76 ID:t9naPkC70
七十一本目の蝋燭が消えました・・・
コッソリ◆.PiLQRq.0Aさん、ありがとうございました
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K子◆100tu2tQBIさん、第七十二話をお願いします
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243 :
代理投稿 ◆nqnJikEPbM.8 :2012/08/19(日) 03:47:53.02 ID:jvZ3IDbu0
K子 ◆100tu2tQBI 様 『縁側の足音』
(1/2)
うちの実家が立て直しに入る前。
縁側沿いに二間座敷をふすまで仕切った仏間がありました。
仏間は祖母の部屋兼用、奥の座敷は私と妹の勉強机と小物置。
ある夜、仏間で寝ている妹・私・祖母がいつもの様に床につき寝入ってた時間。
妹はふと目が覚めてしまったそうです。
と、縁側の廊下を客間方面から奥の子供部屋に歩く足音が聞こえた。
田舎の昔ながらの造りなので、縁側の廊下を誰か歩くと子供の体重でも必ずミシミシ鳴るんですよね。
妹「姉が奥にいったのか・・・」
うとうとしながらそう思って、なんとなく戻ってくるのを待ってたらしいです。
ところがしばらく経っても奥の部屋から物音ひとつしません。
隣部屋はふすま一枚しか遮るものがないので、ちょっと音を立てれば聞こえるものなのですが。
不思議に思い隣の布団を見たら、私がスヤスヤ寝ていたそうです。
244 :
代理投稿 ◆nqnJikEPbM.8 :2012/08/19(日) 03:50:17.40 ID:jvZ3IDbu0
(2/2)
妹「んじゃ父か母が何か取りに来たのかな・・・」
両親の寝室は二階なので、奥の子供部屋に来ても縁側の廊下で客間側に戻って二階の階段から二階に戻るはず。
二間続く奥の子供部屋には、縁側の廊下を通ってしか客間や二階に行き来できないのです。
もしくはふすまを開けて、寝ている我々の横を通るしかないのです。
その後も物音ひとつもせず、待つのを飽きてしまってそのまま寝てしまったそうです。
次の日に聞かれましたが、その日の夜中床について以降は誰も奥間にはいってなかったそうです。
泥棒等にも荒らされたような形跡も勿論ありませんでした。
別の日には二階のふすまで仕切ってた隣部屋で夜寝ていた所、突然「ガシャーン!!」とガラスの割れる様な音が。
夜だと暗くてケガすると危ないので、次の日確認する事にしてその日は寝て翌朝確認しましたが
結局何も割れていませんでした。
一緒に寝ていた両親・姉妹全員聞いているのに、不思議でしょうがなかったのを覚えてます。
家族全員何か見る事はありませんでしたが、聞く現象は立て直すまであったようです。
どなたかは存じませんが、いらっしゃってたようですねぇ。
【了】
245 :
忍法帖【Lv=40,xxxPT】 ミオ ◆yz7KwCMAoU :2012/08/19(日) 03:50:54.05 ID:t9naPkC70
七十二本目の蝋燭が消えました・・・
K子◆100tu2tQBIさん、ありがとうございました
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切子◆DjSl2E7hcsさん、第七十三話をお願いします
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規制中の方は【避難所】でお願いします。
246 :
切子 ◆DjSl2E7hcs :2012/08/19(日) 03:51:35.55 ID:pszXzzP+0
『転ばし』
(1/3)
私が中学生だったときの話。
うちはいわゆる見える人が多い家系で、父方の祖母や父、妹などは普段から不思議なものをたくさん見ていたようです。
しかし私と母はまったくの零感で、そういったものを見たことはほとんどありません。
そんな私ですが、一度だけ怖い体験をしたことがありました。
当時、かなり田舎に住んでいた私は中学校まで自転車で30分以上かけて通っていました。
その日も部活動を終えた私は、夕暮れの赤茶けた光の中を自転車で走っていました。
信号待ちで自転車を止めたときのことです。
ふと後ろを振り向いた私の視界に奇妙なものが映りました。
黒い・・・ボール・・・?
それは私には真っ黒な輪郭のはっきりしないバレーボールのように見えました。
でもそれが、まるで生きているかのようにころころとこちらに転がってきます。
田舎の夕暮れのこととて、周囲には人影どころか田んぼがあるばかり。
それなのに、まるで勢いよく放ったかのようにその黒いボールがこちらに近づいてくるのです。
なに?・・・怖い!
ゾッとしました。
背筋があわ立つとはあのような感覚を言うのだと思います。
普通ではないと思いました。
247 :
切子 ◆DjSl2E7hcs :2012/08/19(日) 03:52:38.51 ID:pszXzzP+0
(2/3)
とっさに信号を無視して、私は全力で自転車をこぎ始めていました。
あれに追いつかれたらよくないことが起こるような気がしたのです。
後ろを振り向くと、あのボールがすごい勢いで近づいてきています。
無我夢中で自転車をこぎました。
スカートが翻るのも無視して力いっぱい立ちこぎしました。
カーブを曲がり、小さな坂を上り、細い小道を目いっぱいのスピードでこぎました。
それでも黒いボールは離れません。
当時、吹奏楽部だった私はそれなりに体力はありましたが、まるで肺が焼け付くようでした。
やがて大きな下り坂にさしかかりました。
普段なら足をゆるめてスピードを落とすのですが、そんな余裕はありません。
まだ黒いボールはついてきていたからです。
全速力で坂を下ります。
その坂の途中で、はじめて人とすれ違いました。
農家の方と思われるおじさんでしたが、切羽詰っていた私はものすごいスピードで通り過ぎていました。
すぐに下り坂はカーブにさしかかり、スピードを落とさなければ曲がりきれない、と思ったときです。
「あっ」と、後ろから驚いたような声が聞こえてきました。
スピードをゆるめ、後ろを見ると、先ほどのおじさんがすとんとしりもちをついていました。
なんだかバツが悪そうにきょろきょろしながら、立ち上がろうとするところでした。
黒いボールはもう、いなくなっていました。
248 :
切子 ◆DjSl2E7hcs :2012/08/19(日) 03:53:27.41 ID:pszXzzP+0
(3/3)
え・・・おじさんが、転んだだけなの?
なんだか自分がバカみたいな気持ちになったのを覚えています。
あまりに拍子抜けだったせいか、その日のことは変なことがあったと日記に書いただけで誰にも話しませんでした。
それから数年して高校に上がったころのことです。
なにかの拍子で、ふと、この話を笑い話としてひとつ下の妹に話しました。
すると妹は
「知ってる、それ。踏むと転ぶんだよね」
と、ごく当たり前のことのように言うではありませんか。
私はそうそうと頷きながら、なんだか可笑しいよね、と同意を求めたのですが
妹は「それ、追いつかれなくてよかったね」と怖い顔で言うのです。
どういうこと、と聞き返すと、妹は言いました。
「そこの角で自動車の事故があったときにさ、見たことある」と。
そう言われて、ようやくあのときの自転車のスピードで転んでいたら大惨事だったことに思い至りました。
私が今更ながらに衝撃を受けていると、続けて妹は言ったのです。
「お姉には黒いボールに見えてたかもしれないけど、あれって首だし、人の」
【終】
249 :
忍法帖【Lv=40,xxxPT】 ミオ ◆yz7KwCMAoU :2012/08/19(日) 03:53:44.93 ID:t9naPkC70
七十三本目の蝋燭が消えました・・・
切子◆DjSl2E7hcsさん、ありがとうございました
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K子◆100tu2tQBIさん、第七十四話をお願いします
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250 :
代理投稿 ◆nqnJikEPbM.8 :2012/08/19(日) 03:55:08.69 ID:jvZ3IDbu0
K子 ◆100tu2tQBI 様 『コタツひっぱり』
(1/2)
一人暮らし始めてまもない冬、コタツでうたた寝してた時のお話し。
台所、風呂、トイレ、別の八畳間1LDKフローリングに一人暮らししてまして
社宅だったんですが建ったばかりの新築。すこぶる快適でした。
夕飯食べ終わりお腹一杯になったので、コタツの中に潜りゴロンと仰向けで上半身を出してウトウトし
至福の時とばかりにまどろみを楽しんでました。
「このまま寝たら風邪引いちゃうなぁw」
とは思いつつ、睡魔に勝てず眠りに落ちるか落ちないかの状態の時
フーッ と、耳に息を吹きかけられました。
気づいたら横向きで寝ていたらしく、上向きになった右耳に誰かがフーッと優しく息を吹きかけてます。
くすぐったい!ふふふwww
と思った直後、寝ぼけた脳裏にやっと一人暮らししている事を思い出し
冷や水を浴びせられた様な気持ちで気づくと、すでに金縛りのようになっていました。
251 :
代理投稿 ◆nqnJikEPbM.8 :2012/08/19(日) 03:56:28.64 ID:jvZ3IDbu0
(2/2)
身体の自由がきかず焦っていると、今度は背中をぐーっと両手でじんわり押される感覚に。
横向きで寝る形になっているので誰が押しているのか、何に押されているのかも分からずとにかくパニック。
その後、コタツ内部に向かって両手で両足をガクンと引っ張られパニックがMAXに。
両手はコタツに引き込もうとしてるのか、身体全体で踏ん張ろうとしてる私をどんどん引っ張りこんでいき
首までコタツ布団に埋もり、もうだめかな・・・と諦めた時。
金縛り状態が解けました。
夢うつつ状態だったので、夢落ち?かとも思いましたが、足にがっちり捉まれた痕が残ってました。
カギもかかったままで、誰かが入ってきた様子もありませんでした。
後半は眠いのと、コタツから出たくない一心で踏ん張ってましたが。
どこにつれていきたかったのでしょうかね。
(完)
252 :
忍法帖【Lv=40,xxxPT】 ミオ ◆yz7KwCMAoU :2012/08/19(日) 03:57:53.26 ID:t9naPkC70
七十四本目の蝋燭が消えました・・・
K子◆100tu2tQBIさん、ありがとうございました
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カリン ◆Knugtm5lOQさん、第七十五話をお願いします
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語り部希望は【語り部受付スレ】で、
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規制中の方は【避難所】でお願いします。
253 :
代理投稿 ◆nqnJikEPbM.8 :2012/08/19(日) 04:00:51.41 ID:jvZ3IDbu0
カリン ◆Knugtm5lOQ 様 『作業着の男』
またまた母の話。
深夜母が眠っていると、突然金縛りにあった。
そういう時何をしても意味無いと心得ている母は、
いつものようにあきらめて眠ろうとした。
と思ったら、
窓から作業着姿の男性がずかずかと入り込んできたそうな。
足のほうに窓があるのだが、そこから入ってきて母に近づくと、
頭の上を通り、また窓から出て行ったとか。
特に何もしなかったし、母も怖いとは思わなかったとのこと。
今、その部屋には父が一人で眠っている。
時々ひどくうなされているのだが、もしかして……
それを平然と語る母のほうが怖いのは私だけだろうか?
終わり
254 :
忍法帖【Lv=40,xxxPT】 ミオ ◆yz7KwCMAoU :2012/08/19(日) 04:01:21.36 ID:t9naPkC70
七十五本目の蝋燭が消えました・・・
カリン ◆Knugtm5lOQさん、ありがとうございました
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雷鳥一号◆zE.wmw4nYQさん、第七十六話をお願いします
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語り部希望は【語り部受付スレ】で、
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規制中の方は【避難所】でお願いします。
255 :
代理投稿 ◆nqnJikEPbM.8 :2012/08/19(日) 04:03:03.73 ID:jvZ3IDbu0
雷鳥一号 ◆zE.wmw4nYQ 様 『銃創』
親戚のお爺さんの話。
大戦中、徴兵されて、東南アジアのジャングルで戦っていたのだという。
撤退戦の最中、運悪く足を銃で撃ち抜かれた。
焼き付くような痛みに「やられた!」と思ったが、手を伸ばしてみると何処にも怪我をしていない。
鋭く感じた痛みも、幻のようになくなっていた。
不思議に思いはしたが、四肢の動きに支障はなく、無事に帰国することが出来たのだそうだ。
終戦後、実家で農作業をしていると、いきなり足が激痛に襲われ、血を吹き出した。
病院に担ぎ込まれたところ、どうにも銃創に見えると言って、医者が首を傾げた。
「それにしてもおかしな話だ。
村中の銃や鉄といった物は、すべて供出させられてどこにも無いというのに。
一体、どこの銃で撃たれたんだ?」
お爺さんはその時の銃創だという古傷を見せてくれながら、この話をしてくれた。
「理由はわからないが、あン時撃たれたものだって、儂にはわかったんだよ。
えらく間が開いたモンだが、そのお陰で生きて還ることが出来た訳だ。
コレが無けりゃぁ、お前たちも産まれてきてなかったんだぞ」
話の最後に「生きているっていうのは良いモンだなぁ」と付け加え、カラカラと笑っていた。
そのお爺さん、少し前に鬼籍に入った。
私の子供を抱かせてあげられなかったことが、本当に残念だ。
【了】
256 :
忍法帖【Lv=40,xxxPT】 ミオ ◆yz7KwCMAoU :2012/08/19(日) 04:03:41.46 ID:t9naPkC70
七十六本目の蝋燭が消えました・・・
雷鳥一号◆zE.wmw4nYQさん、ありがとうございました
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黒靴 ◆c6TvSatgXEさん、第七十七話をお願いします
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題:見えない
(1/6)
昔あったこと
その日の天気はもう覚えていませんが、月は出ていなかったので新月か曇りだったはず
真っ暗な道を、まばらに立つナトリウム灯の明りを頼りに家路を急ぐ
何気なく後ろを見ると、少し離れた街灯の根元に何かがありました
・・・が、オレンジ色の光と、それのある場所が丁度明りの死角なせいもあり、ソレがどんなものかまではわかりませんでした
暫く歩くと、今度は前方の街灯の裏にソレがありました
気にはなったものの、無視して通り過ぎようとしました
遠目には中身の詰まった黒いゴミ袋のように見えたソレは、近くで見てもツヤ消しした黒ゴミ袋でした。中身入りの。
もぞっ
問題はそれが動いていたことです
ゴミ袋のように見えたソレは微かにモゾモゾと動いている
よく見てみるとソレはまるで人がうずくまって手招きを―――
(2/6)
そこまで思い至ったところで腰が抜けそうになりましたが、たたらを踏むだけですみました
もし倒れたら、明りの範囲から出てしまいそうに思えたので・・・
わけがわからない
不思議なのは、気配が薄いこと
ともすれば後ろの闇に紛れてわからなくなってしまうほどに薄い気配
何故気付けたのかわからない程の存在感
コイツは所詮この程度か
驚いたが、怖がることなんか何もない。
さっさと通 り過ぎてまっすぐ進めばいいだけじゃないか
さあ、一歩踏み出して・・・・・・
できない
足が重い
走ればいいのに走れない
ゆっくり歩くことしかできない
(3/6)
光の中から出てしまった
じりじりとソレが近づいてくるような気がする
・・・○○・・・
友人Aの声で名前を呼ばれた
○○・・・
帰れ
○○?
来るな
○○
それ以上、近づくな…!
○○!
前の暗闇から手を掴まれた
「A?」
本物のAだった
(4/6)
Aに手を引かれ夜道を走る
どれくらいの距離を走っただろう
我が家の近所の公園についた
なぜあんな所で立っていたか聞かれたが、上手く説明ができず「街灯に…」としか言えない
Aもわけがわからないと言った様子
なぜAがあそこにいたか聞くと、
なんとなく通った方がいい気がして、いつもは通らない道を来たら私に遭遇したという
「Aは凄いよ、アレが危ないものだなんて気付かなかった」
私がそう言うと、Aは怪訝な顔を浮かべながら
「あれ?あれって何だ?」
という
見えなかったのか?アレが?あの暗がりの中ですら見えたのに?
ハッキリ、アレが動くの が・・・?
「お前が憔悴しきった顔でこっちを見るから、とにかくあそこを離れようと思って」
そんなはず…!
(5/6)
「なあ、」
なら、なら私の見たものは
「○○…」
もういいんだ
頼むから、その先を言わないで
知りたくない、考えたくないから
やめて
「お前は、何を見たんだ」
ゴソッ
262 :
黒靴 ◆c6TvSatgXE :2012/08/19(日) 04:11:29.11 ID:LGqO9ck90
地元でまことしやかに噂されてる“ナニカ”
先日里帰りした時聞いたら尾鰭がつくわ脚が生えるわ大変なことになってました
ひょっとしたら
ソレを最初に見て、そういうものにしてしまったのは
ソレを生んでしまったのは
私かもしれません
【了】
263 :
忍法帖【Lv=40,xxxPT】 ミオ ◆yz7KwCMAoU :2012/08/19(日) 04:11:51.54 ID:t9naPkC70
七十七本目の蝋燭が消えました・・・
黒靴 ◆c6TvSatgXEさん、ありがとうございました
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ガータロー ◆l7Mb16VB82さん、第七十八話をお願いします
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264 :
忍法帖【Lv=40,xxxPT】 ミオ ◆yz7KwCMAoU :2012/08/19(日) 04:25:34.61 ID:t9naPkC70
すみません。
第七十八話を繰り上げで仕切りなおしますねぇ〜。
しばらくお待ち下さい。
265 :
忍法帖【Lv=40,xxxPT】 ミオ ◆yz7KwCMAoU :2012/08/19(日) 04:26:46.17 ID:t9naPkC70
ダメレオンさん、いらっしゃいますか?
第七十八話をお願い出来るようでしたら、
蝋燭AAを貼らせていただきます!どうでしょうか?
266 :
ダメレオン ◆aKQ2SJ2lbM :2012/08/19(日) 04:28:00.32 ID:Cbo5Z/XN0
はい、お願いいたします
267 :
忍法帖【Lv=40,xxxPT】 ミオ ◆yz7KwCMAoU :2012/08/19(日) 04:28:09.66 ID:t9naPkC70
了解しました!
268 :
忍法帖【Lv=40,xxxPT】 ミオ ◆yz7KwCMAoU :2012/08/19(日) 04:28:29.10 ID:t9naPkC70
七十七本目の蝋燭が消えました・・・
黒靴 ◆c6TvSatgXEさん、ありがとうございました
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ダメレオン ◆aKQ2SJ2lbMさん、第七十八話をお願いします
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269 :
ダメレオン ◆aKQ2SJ2lbM :2012/08/19(日) 04:29:13.95 ID:Cbo5Z/XN0
【アレはなんだったのか?】1/2
小学校に上がる前、 近所に住む年上の少年たちと土手の草むらで虫捕りをしていた。
キチキチ バッタや殿様バッタは素早いので、僕には捕まえることができなかッた。
年上の少年が捕ったバッタのオコボレをもらって満足するしかなかった。
うわッ!土手の上のほうにいた少年が、小さな悲鳴を上げた。見ると土手の斜面を何かが転がってくる。
ソレは長さ30センチほどで目も鼻もクチもなく、太さは 葉巻ぐらい、色は肌色、両端は少し萎んでいて毛はなくツルンとしていた。
ソレはどう見てもミミズに見えた。
270 :
ダメレオン ◆aKQ2SJ2lbM :2012/08/19(日) 04:32:44.54 ID:WZvCDUBC0
【アレはなんだったのか?】2/2
ミズチだッ!別の少年が叫んだ。
ミズチ!ミズチ!少年たちが騒ぎ出した。
そのうち少年たちが小枝でソレをツツキ始めた。
ツツかれたソレは苦しそうに身をくねらせた。
僕は気味が悪くなって先に家に帰った。
ミズチとはゲゲゲの鬼太郎にも出てきた妖怪で、架空の動物である。
かといって、あんな巨大なミミズや蛭が日本に生息しているはずがない。
ミズチと呼ばれたアレは、少年たちによって殺されたのだろうか。
それともあの中の誰かが家に持ち帰り、飼うことにしたのだろうか。
今となってはわからない。
そもそもアレは、なんだったのか?【終わり】
271 :
忍法帖【Lv=40,xxxPT】 ミオ ◆yz7KwCMAoU :2012/08/19(日) 04:33:10.96 ID:t9naPkC70
七十八本目の蝋燭が消えました・・・
ダメレオン ◆aKQ2SJ2lbMさん、ありがとうございました
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米屋◆YZbG3mcRGIさん、第七十九話をお願いします
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272 :
代理投稿 ◆nqnJikEPbM.8 :2012/08/19(日) 04:35:56.50 ID:jvZ3IDbu0
米屋 ◆YZbG3mcRGI 様 『触ると死ぬ石』
(1/3)
俺の地元には、触ると死ぬと言われる古い石がある。
その石について。
物心ついた時から、○山の麓の○○さんの家の横道から奥は絶対に行くなと言われてた。
なんで?と親や近所の人やジジババに聞いても、ずっとはぐらかされていた。
小4の夏休みの学年登校日の帰り。クラスで仲良い奴七人で集まっていた。
お喋りしている内には
この近所に触ると死ぬ古い石がある。
という話を誰かが持ち出した。
仲間内でも調子乗りなAが
「今から石探して触りにいこう。どうせ、みんなで触ったらこわないでw」と煽る。
恐怖心より好奇心、存在するのかもわからない石を探しに行った。
場所すら見当も付かなかった。が、探す内に幼い頃から行くなと言われていた○○さんの家の横道を思い出してしまった。
273 :
代理投稿 ◆nqnJikEPbM.8 :2012/08/19(日) 04:38:39.26 ID:jvZ3IDbu0
(2/3)
横道すら知らない奴まで居たのは驚いたが、そこへ行ってみた。
その道は想像以上に長く、山へ登る小さな道が沢山あった。
夕方になっても見つからず、Bが「怒られるから帰りたい」と言い出した。
みんなも同調して帰ろうとなった時「これ、石ってこれ違うんか!」とAが叫んだ。
全員Aの指差す方を見る。
瓢箪の形をしたコケまみれの石が、ひっそりと、無造作に置いてあった。
ビビりながらも達成感から興奮したのは、今でも覚えてる。
誰かが「ほんまにこれ?違う石かも知れないよ」と言い出した。
「じゃあ石に抱きついて帰ろうぜw」と順番に抱きつき始めた。
俺とCって女の子はビビって、ちょんと触るので勘弁してもらった。
結局俺とC以外の奴らは皆石に抱きついてから帰宅した。
274 :
代理投稿 ◆nqnJikEPbM.8 :2012/08/19(日) 04:42:31.31 ID:jvZ3IDbu0
(3/3)
何年か過ぎ、高校生になってから俺はバイクの事故で片腕をなくした。
事故後目が覚めてから最初に「最後やから助かるかおもたけど、あかんかった」と泣いた。
A 中2の時、自転車のっていて頭から落ちて死んだ
B 小5の時、何かの病気で呼吸困難で死んだ。
C 中1の時、台所で調理中に落とした包丁が中指に刺さって、半分切断、いまはついてるみたい。
DとE 石に触った数日後、溺死。
F 俺が事故る前の月に自殺。遺書なし。
今25歳、助からない病気になった。Cはもう寝たきりらしい。
結局みんな死ぬんだな。
あの時行かなかったらと
悔やみながら毎日過ごしてる。
【了】
275 :
忍法帖【Lv=40,xxxPT】 ミオ ◆yz7KwCMAoU :2012/08/19(日) 04:42:52.29 ID:t9naPkC70
七十九本目の蝋燭が消えました・・・
米屋◆YZbG3mcRGIさん、ありがとうございました
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ガータロー ◆l7Mb16VB82さん、第八十話をお願いします
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276 :
代理投稿 ◆nqnJikEPbM.8 :2012/08/19(日) 04:45:23.79 ID:jvZ3IDbu0
ガータロー ◆l7Mb16VB82 様 『彼は死にました』
(1/2)
叔父が子供の頃、当時仲の良かった近所の友達の家に遊びに行ったそうだ
しかしその日は家は空いてるが友達を呼んでも返事が無い。
叔父は寝てるのかと思いそのまま友達の部屋に入るがもぬけの殻。
家の人も誰も居ないようで、諦めて帰ろうとした時、仏間から物音が聞こえてきた
誰か居たのかと仏間を開けると、背の小さなお爺さんが座ってたそうだ
その家は両親と友達の3人家族だが、叔父は友達の祖父が来てるのかと思い
そのお爺さんに友達の所在を尋ねた。
途端、お爺さんは目をギョロリと叔父の方を見据えて口を開いた
「彼は死にました」
叔父は冗談かと思い、苦笑しながらまた聞き直す
「彼は死にました」
「彼は死にました」
「 彼 は 死 に ま し た 」
277 :
代理投稿 ◆nqnJikEPbM.8 :2012/08/19(日) 04:48:21.98 ID:jvZ3IDbu0
(2/2)
お爺さんは無機質な声を徐々に大きくしながら何度も何度も繰り返す。
なおも同じ事を言い続けるお爺さんに叔父は不気味さを感じだが、
ボケ老人の戯言としてそのまま家を後にした。
叔父の家に電話がかかってきて、友達が一人で海に行ったきり帰ってこないと
聞いたのはその日の夜。叔父はこの時ばかりは震えが止まらなかったそうだ。
翌日、友達が海で水死体となって発見された。
ただ、お爺さんの事は友達の親に聞いても分からず、今でも謎のままらしい
『お爺さんが何者かは知らない。ただ、あの無機質な声は今でも耳に残ってる』
盆正月に叔父と会うと事あるごとにこの話をする。
【終】
278 :
忍法帖【Lv=40,xxxPT】 ミオ ◆yz7KwCMAoU :2012/08/19(日) 04:48:33.58 ID:t9naPkC70
八十本目の蝋燭が消えました・・・
ガータロー ◆l7Mb16VB82さん、ありがとうございました
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せっけん ◆5oOLgQPf6Xttさん、第八十一話をお願いします
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『三つ編みの彼女』。
(1/3)
私ではなく母の体験談です
今から25年ほど前の話になります。
来春に結婚を控えたカップルであった母と彼は、冬山にスキーにいきました。
昔で言う婚前旅行で、厳しい家(彼女が不審者に付け狙われやすかったのも原因だったのですが)育った母にとって初めての彼氏との外泊でした。
長く伸ばしていた髪もばっさりと切り、スキーウェアも新調して出かけていったそうです。
そんな風でしたから少々浮かれていたのでしょう、暗くなる頃にはにすっかり疲れて、スキーをやめてコテージに帰ることにしました。
しかし、まだまだすべり足りなかったらしい父(典型的な体育会系)は母を送り届けるとすぐにスキー場に戻ってしまったのです
一人で置いていかれた母は特に不満にも思わず、眠気にまけて早々にベッドに入ることにしました。
年頃の娘としては少しどうかと思う反応ですが、ストーカーにつけまわされたり、ベランダから侵入されかけたことのある彼女にとって、
暗いコテージに一人きりというオカルト的な『怖い状況』は平気だったのです。
それからどれくらいたったのか、枕の側に誰かが座る気配で母の目が覚めました。
父が帰ってきたのかと思いましたが、疲れていた母は寝たふりをしたそうです。
しかし、しばらくしても無言で座っているので少し不審に思い、声をかけようとします。
その途端、側から気配が消え、立ち上がって離れていくのを感じました。声をかけるタイミングを失った母は、居心地悪く感じ、きちんと起きることにしました。
心ゆくまでスポーツをしてきてハイになった彼が、『疲れた』や『すっきりした』と独り言も述べずにだんまりというのは珍しいことです。
たぶん母は、気分屋の彼がなにか機嫌を損ねたとしたら面倒だと思ったのでしょう。
沈黙をやぶるべく上半身をおこした彼女は、途端に正面にある化粧台に座っていた居た人物とばちりと目をあわせることになります。
ことに、母が一目みて最初に認識したのはその人の長い三つ編みでした。当然、父ではありません
ところで、母はこの時まで相手を父だと思っていたようですが、話をきいた私からすると妙な点があります。
スキーブーツを履いたまま玄関をくぐり、廊下を歩く音はなかなかやかましい音です。
別段気をつかう間柄でもない人間が、それを聞こえないようにするでしょうか。
よしんばそれが聞こえなくても、部屋に入れば着替えねばならず、ビニール地のスキーウェアという重装備を片付ける音は、寝ている人間に聞こえないものでしょうか?
熟睡していた?
それなら枕元に人が来たくらいで起きるものでしょうか?
あるいは、雪まみれの人間がシャワーも浴びずに枕元に座ったりするでしょうか?
悪気無く彼女をほっぽりだして一人スキーをしにいく彼が、寝ている彼女を気遣って『ただいま』を言わないのはおかしくないでしょうか?
なにより、家宅侵入されそうになったこともあるほど変質者の被害にあっている彼女が、寂しいコテージでにおいて
そんな不審な行動をとる『誰か』に違和感を抱くことなく、疑いを持たず、警戒心が微塵も作用しないということがあるでしょうか?
母には問いませんでしたが、私はこの原因が、この『訪問者』の存在の異質さが関係していると思うのです
281 :
忍法帖【Lv=40,xxxPT】 ミオ ◆yz7KwCMAoU :2012/08/19(日) 05:12:58.55 ID:t9naPkC70
八十一本目の蝋燭が消えました・・・
せっけん ◆5oOLgQPf6Xttさん、ありがとうございました
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肉球部隊 ◆6l0Hq6/z.wさん、第八十二話をお願いします
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【霊感】
(1/2)
他界した私の父親は極度な霊感体質であった。
幼少の頃、水たまりの中に写っていた「霊」を見たのがきっかけで、
それからは様々な場所と状況であの世の者達を見て来たという。
また、虫の知らせというのか妙に感が働くようで、
例えば私が子供の頃に、遊びに出掛ける間際に
「今日は道に気をつけろ」みたいな事を言われたりしたのだが、
そんな時は案の定自転車で転(こ)けて、右手の肘を縫う程の怪我を
したりもした。
後から聞くと、その日は私が事故に遭う夢を見てイヤな予感がしていたのだという。
そして今、その時の縫い跡を見ながらこれを書いている。
・・・
昔のある日、その頃はまだテレビでゴールデンタイムに
心霊特番が当たり前に放送されていた時代。
それは宜保愛子がヨーロッパにある幽霊城を霊視して回るという
内容の番組だった。
『三つ編みの訪問者』
(3/3)
そこに居たのは、母でした。
自分と全く同じ顔をした人間が、こちらを見つめていたのです。
最初は鏡かと思ったそうです。なにせ座っていたのが鏡台ですから、そうとしか考えられなかったようで。
しかし、そこに座る女は明らかに鏡に映った像ではありませんでした。何故なら当時、母の髪は短かったからです。
旅行前に切ってきたのですから、三つ編みなど編める筈がないのです。
よくよく見れば、着ている服も以前母が買ったものでした。
上下ともにもう処分した品でしたが、確かに一時期好んでいた組み合わせだったのです。明るい紫のセーターに、ゆったりとしたロングスカートという、
季節感といいラフな雰囲気といい今回の旅行に着ていたとしてもおかしくない服装でした。
それがかえって身近すぎて、非日常感とちぐはぐさを生み出しているほどに。
服装や髪型幽とあいまって、それは怪奇や心霊というにはあまりに人間そのもので、
むしろ顔が自分と同じでなかったらオカルトと結びつけることすらなかったのではないかというくらいでした。
その表情はひたすらに無表情で、かといって冷たいということもない、奇妙なものでした。
目の前の、同じ顔をしている筈の自分に対して、特に思うこともないような目を向ける彼女はただただ不思議な存在で
母はしばらく恐怖も沸いてこなかったそうです。
母はひたすら呆然とし、彼女も目をそらすこともせず、二人はしばらく黙って見つめ合いました。
母がふと声をかけようかと考えた時に、ふいにこの現象が恐ろしくなり、布団にもぐりこみました。
そのまま長いこと恐怖に耐えていると、外から足音が聞こえました。
一瞬びくりとしましたが、ただいまという父の声が聞こえ、ようやく安心しました。
あとから父に聞いてみると、部屋の中は勿論、コテージに来るまでの道(当然一本道です)でも誰かを見かけることはなく
結局その正体は謎のままだったそうです。
申し訳ないことに、それから何かが起こったとか、コテージがいわく付きだったという話はありません。
オカルトに良くも悪くも関心がない母が淡々と語ってくれたエピソードです。
私が浅学なだけかもしれませんが、どうもこれと同じだ!!としっくりくるお話を知りません。
いったい彼女は誰、あるいは何だったのでしょうか?
子供とよべなくなったわたしたち兄妹が、今でも母にせがむ唯一のおはなし≠ナす
お仕舞い
(2/2)
当然ゴールデンタイムにやっているものなので、再放送などでは無い。
家族揃って茶の間のテレビに向かっていると、
父が突然画面に向かって「あの茂みの中にいる」とか、
「あの窓からこちらを見てる」などと言い出すのだ。
全て、画面の中の宜保愛子が口に出す前に・・・。
この時は、身の毛がよだつと同時にこういう力が本当にあるのだと
妙に関心してしまったものだ。
それから後日、ちょくちょく家に泊まりに来る
妹の友達と一緒に家族で夕食をとっていた。
そのうちに何故か話題が心霊の話になった時、
妹の友達が突然今まで喉に詰まっていたものを吐き出すかのように言い出した。
「この家、居ますよね。子供の。」
どうやら、彼女には父と同じ者が見えているらしい。
父も以前から同じ事を言っていたのだ。
家のまわりに妙に猫が寄りつくのも、
それが関わっているらしいとも・・・。
あいにく自分は霊感は持ち合わせていないのだが、
父やまわりを通して幾度と無く不思議な経験している。
以上、全て実話である。
【了】
286 :
忍法帖【Lv=40,xxxPT】 ミオ ◆yz7KwCMAoU :2012/08/19(日) 05:19:29.97 ID:t9naPkC70
八十二本目の蝋燭が消えました・・・
肉球部隊 ◆6l0Hq6/z.wさん、ありがとうございました
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カケフ ◆yvskAxXiM6さん、第八十三話をお願いします
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287 :
忍法帖【Lv=40,xxxPT】 ミオ ◆yz7KwCMAoU :2012/08/19(日) 05:21:22.48 ID:t9naPkC70
せっけんさん、おつかれさまでした。お話ありがとうございました。
肉球部隊さん、お待たせした上に混乱した進行になり、
大変もしわけございませんでした。
お話をありがとうございました。
288 :
代理投稿 ◆nqnJikEPbM.8 :2012/08/19(日) 05:21:29.24 ID:jvZ3IDbu0
カケフ ◆yvskAxXiM6 様 『赤い印』
(1/2)
僕の家には大きめの鏡がある。
野球の為だ。将来プロになることを本気で考えている。
毎朝、毎晩、鏡に向かってはフォームを確認し、変な癖をつけないように気を付けている。
鏡は玄関に置いてあって、殺風景な白い壁が映っている。
僕の他に映っているのはカレンダーぐらいだ。
その日は、部活を終えて他の部員と道草を食った後、心地よい疲労を感じて帰路に付いた。
もちろん、日はどっぷりと暮れて、街灯の明かりを頼りによ たよた帰宅した。
家に付くと、玄関の外明かりも点いていなかった。
朝、親が揃って出かけると言っていたことをぼんやり思い出した。
簡素な晩飯になると落胆しながらウチに入り、日々の習慣から鏡に向かった。
いつものように胸の前で腕を構え、いつものように投球フォームを確認する。
いつものように肩の位置、背筋、腰の捻りをチェックし、いつものように片足でバランスを取り、顎を引いた。
そこでふと、違和感を覚えた。視界の端に何か見慣れない感覚があった。
原因を探ろうと奇異な感覚を追って目を遣ると、原因が分かった。
カレンダーだ。
鏡に映るカレンダーのマスに黒いペンで×(バツ)と印されてあった。
8月12日、×。
違和感の元はもうひとつ。8月19日、赤、 ×。
何だろうと思い、振り返ってカレンダーを見た。
悪寒が走った。
ぞぞっと恐怖の戦慄が背筋を撫で上げる。
カレンダーは真っ白だ。
悲鳴が出そうになるのを必死で堪え、なんとか軽くかぶりを振ってもう一度鏡に目を遣る。
やはり、ある…
289 :
代理投稿 ◆nqnJikEPbM.8 :2012/08/19(日) 05:22:39.01 ID:jvZ3IDbu0
(2/2)
それからの記憶はあまり定かではない。
普段通り学校へ行き、普段通り部活を終え、普段通り家に帰る。
ただ、玄関の鏡の前で立ち止まることはなくなった。
通り過ぎ様に見える、視界の端の黒い点には、全ての思考を停止させた。
点が、長く、線になっても、一心不乱に野球に集中した。
ただ、ボールを投げた。投げて投げて投げまくった。
頑張り過ぎたせいか、ときどき視界がぼやけた。
8月19日、早朝。
いつも通り家を出ました。歩きました。バスに乗りました。学校に着きました。
同日早晩。
僕の右手が、いつもよりずっと遠くに見えました。
しっかりとボールを握りしめた、僕の手。
赤い縫い目が……泣きたくなるほど、綺麗だった。
【了】
290 :
忍法帖【Lv=40,xxxPT】 ミオ ◆yz7KwCMAoU :2012/08/19(日) 05:23:37.99 ID:t9naPkC70
八十三本目の蝋燭が消えました・・・
カケフ ◆yvskAxXiM6さん、ありがとうございました
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猫様がみてる ◆UiIW3kGSB.さん、第八十四話をお願いします
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語り部希望は【語り部受付スレ】で、
雑談と感想は【雑談スレ】で、
規制中の方は【避難所】でお願いします。
291 :
代理投稿 ◆nqnJikEPbM.8 :2012/08/19(日) 05:28:09.39 ID:jvZ3IDbu0
猫様がみてる ◆UiIW3kGSB. 様 『夢か真か』
私の周りには霊感が強い人や不思議な現象(心霊写真など)が起こっている友人や親族が多いのですが、私にはあまりそういった経験はありません
。
ただ一つだけ、正直夢だったのかもしれないってくらいにあやふやなのですが、幽霊に出会ったことがあります。
それは小学4年の夏休みでした。毎年両親の実家に泊まりに行くのですが、父方の実家は車がないとどこにも行けないってくらいの田舎です。
虫や暗闇が苦手な私はそこで過ごす夜が大嫌いでした。
今でも虫は苦手なのですが、静寂や暗闇が怖くなくなったのはこの経験があったからだと思っています。
東京に帰る1日前、そこで過ごす最後の夏の夜私は金縛りにあいました。
瞬きも出来ているのかも分からない、顔すらも動かせませんでした。
声だけは出せたので隣で寝ている母に何度も呼びかけたのですが反応はありませんでした。
その頃から怖い話を友人やインターネットで見たり聞いたりしていた私は幽霊がいるんだと何か怒りを買ってしまったのだと心の中でひたすら謝っ
ていました。
そんな時気づいたのです。天井しか見えていないはずなのに私の枕元で正座している女性がいることに。
彼女は前髪をななめに分け後ろ髪をお団子にしていました。
最初は淡いピンクの着物を着ていたはずです。はず、というのは気づいたらその女性の服装が変わっていたからです。
大学の卒業式でみるような袴から白黒写真でしか見たこのないモンペ姿に、最後はワンピースを着ていました。
私の枕元からは1ミリも動かず、視線も合わず座っているだけなのです。
なんでかはわかりませんが怖いという感情から悲しいと思うようになっていて、結局金縛りはとけないまま朝を迎えました。
起きてすぐ母に昨日の夜母を呼び続けたことを話しました。
すると母は呼ばれたことをしっていたのです。そして私の方へ体を起こしたのですが私はひたすら泣いていて呼んでも反応しなかったらしいです。
その年以外で私が彼女を見たことはありません。
あれは夢だったのでしょうか。
(終わり)
292 :
忍法帖【Lv=40,xxxPT】 ミオ ◆yz7KwCMAoU :2012/08/19(日) 05:28:42.01 ID:t9naPkC70
八十四本目の蝋燭が消えました・・・
猫様がみてる ◆UiIW3kGSB.さん、ありがとうございました
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雷鳥一号◆zE.wmw4nYQさん、第八十五話をお願いします
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293 :
代理投稿 ◆nqnJikEPbM.8 :2012/08/19(日) 05:31:23.27 ID:jvZ3IDbu0
雷鳥一号 ◆zE.wmw4nYQ 様 『桜公園のトイレ』
(1/2)
組合仲間の話。
とある山中の町へ仕事で出かけた、その帰り道。
道中に桜で有名な寺社公園があった。
すっかり暗くなっていたが、夜桜を楽しもうと思いつき、そのまま車で乗り入れた。
山裾を少し分け入ったその公園には、時間が遅いせいもあってか誰もおらず、
一人ベンチに腰掛けて桜を眺めていた。
何も思案すること無くしばらく呆っとしていると、突然身体を激しく揺さぶられた。
驚いて我に返ると、壮年の男性が怖い顔で、彼の肩をつかんで揺すっていた。
「あんた、こんな所で一体何しているんだ!?」
そう問われて「え、いや、ただベンチで夜桜を楽しもうと・・・」など答えた時、
自分が見覚えのない空間に座っていることに気がつく。
四方が白い壁に囲まれた狭い場所。微かに悪臭がする。
彼はいつの間にか、薄汚れた洋式便器に腰掛けていたのだ。
慌てて男性と一緒に外へ出た。
あの公園の、隅にある小さなトイレ。
その大用の一つに、彼はいつの間にか、自分でも知らぬ間に籠もっていたらしい。
「驚いたよ、側を通りがかると、トイレの中から唸り声が聞こえてくるんだから。
てっきり怪我でもしているのかと。具合でも悪いのかい?」
そう言った男性の足下で、犬が尻尾を振っている。
どうやら夜の散歩の途中だったようだ。
294 :
代理投稿 ◆nqnJikEPbM.8 :2012/08/19(日) 05:34:14.08 ID:jvZ3IDbu0
(2/2)
「いや私、あそこのベンチに腰掛けていた筈なんですが、気がついたらあなたに
声をかけられていた状態で・・・」
そう説明しながら、自分でも訳のわからない説明だなぁと感じていた。
「それなら構わないけど・・・ここのトイレ、過去に二人ほど自殺してるからなぁ。
お節介だとは思ったけど、ちょっと不安になって声を掛けたんだ」
”自殺”という言葉に思わずドキッとする。
身体を調べてみたが、幸い、特に体調の悪いところも見当たらない。
男性に礼を述べてから、すぐに公園を出たのだという。
彼はその後、その公園には一人で訪れないようにしているそうだ。
【了】
295 :
忍法帖【Lv=40,xxxPT】 ミオ ◆yz7KwCMAoU :2012/08/19(日) 05:34:28.55 ID:t9naPkC70
八十五本目の蝋燭が消えました・・・
雷鳥一号◆zE.wmw4nYQさん、ありがとうございました
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姑 ◆100mD2jqicさん、第八十六話をお願いします
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296 :
姑 ◆100mD2jqic :2012/08/19(日) 05:37:34.59 ID:LCaSceNs0
『雲』 (1/2)
小学校5年生で、念願の一人部屋になった。
たまに模様替えをしていたけど、窓際にベッドを置く形で落ち着いて
以降中学校3年生までずっとそこで寝ていた。
その数年間、しょっちゅう夜中に目が覚める。
時計を見ると大抵深夜2時〜2時半頃。
「またこの時間かぁ」
そして下の階から物音がする。
下は応接室。そこから自宅に併設されてる会社へと繋がる。
少し古い上に建付の悪い家なので、応接室の扉は開閉時、独特の音がする。
”くぅおん…ぱたん” ”ふおん…ばむっ”
「ああ、応接室の扉から、会社へ誰かが移動してる」
しかし会社の扉のすぐ脇には金庫があるため、夜間は必ず警報機が
作動させてある。
ちょっと物を取りに会社側へ入ると、物凄い警報音が鳴っていつも大変…
…なのに、なぜか警報は鳴らない。
”くぅおん…ぱたん” ”ふおん…ばむっ”
”ふおん…ばむっ” ”くぅおん…ぱたん”
「こんな夜中に何度も行ったり来たり…泥棒?!どうして警報が鳴らない?
明日の朝、大変な事になってるんじゃ…」
しかしいつも、翌朝には何事も無く。
高校進学のため実家を離れた。
297 :
姑 ◆100mD2jqic :2012/08/19(日) 05:39:37.11 ID:LCaSceNs0
(2/2)
数年後、大学生になってからだったか、正月に帰省した時の事。
大晦日元旦恒例行事の、神棚2つ & 仏壇へのお参りをしていて気付いた。
応接室にある神棚 ─ 『雲』が貼られていない。
神棚は当然ながら踏み付けて生活する訳にはいかないので、上の階が存在しない
場所に設置するか、そうでない場合は『雲』や『天』と書いた紙を神棚の上の
天井に貼り、直接上の階から踏み付けてはいませんよ、という形にするそうだ。
それが、無い。
この上は…そう、かつて自分が使っていた部屋。
そして、ベッドを置いていた、まさに、枕の位置。
数年間ずーーーーっと、神棚の上にどっかり頭を置いて寝ていた訳だ。
なんという事を!!!
そんな失礼な事を年単位で続けていたのに、怪音だけで済ませてくれていた神様、
本当にすみません…そしてありがとう…気付かなくてごめんなさい…。
皆様も『雲』には、くれぐれもお気を付け下さい。
【了】
298 :
忍法帖【Lv=40,xxxPT】 ミオ ◆yz7KwCMAoU :2012/08/19(日) 05:40:00.94 ID:t9naPkC70
八十六本目の蝋燭が消えました・・・
姑 ◆100mD2jqicさん、ありがとうございました
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ithuki ◆JjVa38i/woさん、第八十七話をお願いします
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299 :
代理投稿 ◆nqnJikEPbM.8 :2012/08/19(日) 05:43:01.19 ID:jvZ3IDbu0
ithuki◆JjVa38i/wo 様 『祖父にもらった時計』
私が就職が決まったしたときに
祖父から、小さくてかわいい、でも立派な腕時計をいただきました。
よくがんばったな、と一言の手紙をそえて。
寡黙ですが、厳しい祖父でした。
後にも先にも、褒められたのはそのときだけでした。
家を出て、東京に暮らし仕事をはじめてからも
その腕時計は欠かさず身につけ、日々励んでいました。
数年たったある日の仕事中、急に時計がとまっていました。16:01分。
おかしいなーと思っていると実家から電話が。祖父が急逝。
心筋梗塞でした。
突然の出来事に頭が真っ暗になりました。
実家にかけつけて、祖父と対面。
昔とかわらない祖父が、そこに眠っていました。
亡くなった時刻は16時01分。時計がとまった時間でした。
口数が少なく、厳しかっただけに、私に何か言い足りないことがあったのでしょうか。
それとも、私のところにきてくれたのでしょうか。
それから10年近く、この話を思い出して書きながら、
懐かしくなって時計を倉庫から引っ張り出してきたら
16:15分になっていたんですが・・・
祖父も、新たな時を歩みはじめたんですかねえ。
【完】
300 :
忍法帖【Lv=40,xxxPT】 ミオ ◆yz7KwCMAoU :2012/08/19(日) 05:44:16.08 ID:t9naPkC70
八十七本目の蝋燭が消えました・・・
ithuki ◆JjVa38i/woさん、ありがとうございました
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左手◆9So2lElL40Kiさん、第八十八話をお願いします
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301 :
!ninjaミオ ◆yz7KwCMAoU :2012/08/19(日) 05:58:27.79 ID:t9naPkC70
八十七本目の蝋燭が消えました・・・
ithuki ◆JjVa38i/woさん、ありがとうございました
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憂莉 ◆BPe4rMCg8kさん、第八十八話をお願いします
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302 :
代理投稿 ◆nqnJikEPbM.8 :2012/08/19(日) 05:59:42.02 ID:jvZ3IDbu0
憂莉 ◆BPe4rMCg8k 様 『デジャヴ』
小学生の頃、給食当番をしているとき急にデジャヴを感じた。
ただのデジャヴでは無く、数分先のことまで急に頭に流れ込んできたからデジャヴというよりはある種の予知なのだろうか?
どちらでもいいのだが、ともかく先ほどまで友人と会話していた内容が過去にもあったように思え、またその先の会話も思い出した。
会話の内容は覚えていないが、たわいの無い、昨日のテレビだとか昼休み何はをしようかだとか、そんな感じだったと思う。
そこで思い出した会話を続けてみると、一言一句間違えずに同じ内容になった。
二年ほどして小学校高学年に上がった頃、またデジャヴを感じた。
今回も同じようにこの先の会話も思い出した。
しかし前回と同じくそれを辿るのでは面白くない、今回はあえて逆らってみることにした、ちょっとした実験である。
結果から言うと、話の大筋は変わらなかった。
話を変えようとしたり、思い出した会話と真逆のことを言ってみたりしたが、結局話の内容はもとに戻ってしまうのだ。
もしかしたら、この世に運命というものはあるのかもしれない。
終わり。
303 :
忍法帖【Lv=40,xxxPT】 ミオ ◆yz7KwCMAoU :2012/08/19(日) 06:04:20.51 ID:t9naPkC70
八十八本目の蝋燭が消えました・・・
憂莉 ◆BPe4rMCg8kさん、ありがとうございました
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憂莉 ◆BPe4rMCg8kさん、第八十九話をお願いします
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304 :
忍法帖【Lv=40,xxxPT】 ミオ ◆yz7KwCMAoU :2012/08/19(日) 06:04:35.17 ID:t9naPkC70
失礼しました・・・
305 :
忍法帖【Lv=40,xxxPT】 ミオ ◆yz7KwCMAoU :2012/08/19(日) 06:05:00.89 ID:t9naPkC70
八十八本目の蝋燭が消えました・・・
憂莉 ◆BPe4rMCg8kさん、ありがとうございました
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動画◆ElPl8xGQc2さん、第八十九話をお願いします
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306 :
動画 ◆ElPl8xGQc2 :2012/08/19(日) 06:06:23.00 ID:5YF0phdy0
1/2
さて、自分は趣味で動画を作ってます。
ホラーに限っているわけではありませんが、
ホラー作品も作り出して何年か経ちます。
そして今まで何ら怪奇現象が起こったことはなかったのですが・・・
3か月ほど前、ある女性から朗読用の動画を作って欲しいとの依頼がありました。
オカ板でも有名な話で、まあそれなりに尾びれ背びれのような後日談もあり
それらも纏めて、作品にすることに決まりました。
そしてちまちまと動画に使うネタなんぞを集めつつ、
その女性のボイストレーニングなんかにも付き合ったり
作業は順調に進んでいたのですが、
ある時、編集中にその使用しているPCから、変な音が聞えだしました。
それは、どう聞いても生活音で、誰かの足音や、雑誌か何かをめくる音で
作業が作業だけにちょっとビビりましたが、身のまわり雑談スレに吐き出して
まあ近所の人が盗聴でもされてるとか、その程度だろうと考えて作業は続行しました。
しかしある日、その依頼してきた女性と全く連絡が取れなくなり
途方に暮れつつも、自分のできることだけはやっておこうと
朗読タイムの目安に、自分でその話の一部分を朗読してみたのです。
307 :
動画 ◆ElPl8xGQc2 :2012/08/19(日) 06:06:55.31 ID:5YF0phdy0
308 :
忍法帖【Lv=40,xxxPT】 ミオ ◆yz7KwCMAoU :2012/08/19(日) 06:08:57.20 ID:t9naPkC70
八十九本目の蝋燭が消えました・・・
動画◆ElPl8xGQc2さん、ありがとうございました
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ユウ ◆pK2t4W3twQさん、第九十話をお願いします
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309 :
ユウ ◆pK2t4W3twQ :2012/08/19(日) 06:09:23.22 ID:o5mW8Mmw0
「某スポットにて」
1/2
神奈川県某所の心霊スポットでのお話。
何年か前に某スレにて凸オフって形で行ってみたんだ。
同じ地元の大学生が同行してくれてさ。
その場所は史跡らしくて、昼間は観光客が訪れる景色のいい場所みたいなんだけど。
まぁ自分達の目的はあくまでスポ凸としてだから、そんな表の面はどうでもいいワケでw
で、県内でも結構有名なスポットみたいで色んなウェブサイトとかで紹介されてるのね。
そういう場所にありがちな噂もそれなりに多く紹介されてる。
実際、夜は昼間の表情とは似ても似付かないくらいに、とにかく暗くて不気味なんだ。
両脇に地蔵やら灯篭がある急な坂道を下って奥に行くと、大きな岩屋が鎮座してる。
で、ここでの噂の例として、
「首なし地蔵を3体見ると呪われる」とか、「白い着物を来た女の霊が出る」とか。
どれも都市伝説並みに胡散臭いものが挙げられてるのね。
310 :
ユウ ◆pK2t4W3twQ :2012/08/19(日) 06:09:58.96 ID:o5mW8Mmw0
2/2
日付が変わる頃に現地に到着して、とりあえず奥まで向かってみた。
噂の話をしながら坂を下りつつ、首なし地蔵探してたりしてたw
まぁ大学生は2体までは見たらしいけど。
とにかく雰囲気は半端なかったかな。
懐中電灯がないと右も左も分からないような、文字通りの闇だった。
そうこうするうちに最奥に着いたら、岩屋が思ったよりしっかりしてて驚いたかな。
そこで写真撮ったり動画の撮影とかしたけど、特に異変は無かった。
プラス思考(?)な噂として、岩屋の上から落ちる小さな滝の水を飲むと健康になる、って話なんで飲んでみたりもした。
でもさ、帰る際に見たんだよね・・・俺だけ。
はっきりとは見えなかったけど、白っぽい人影を。
・・・3体目、見付けちゃったからかな。
【了】
311 :
忍法帖【Lv=40,xxxPT】 ミオ ◆yz7KwCMAoU :2012/08/19(日) 06:12:29.77 ID:t9naPkC70
九十本目の蝋燭が消えました・・・
ユウ ◆pK2t4W3twQさん、ありがとうございました
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KMT ◆nqnJikEPbM.8さん、第九十一話をお願いします
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312 :
KMT ◆nqnJikEPbM.8 :2012/08/19(日) 06:15:11.19 ID:jvZ3IDbu0
『職業病』
友人にネイリストをしている女性がいます。
本来の職業は美容師なのだが、ネイルアートが得意で現在はそちらの依頼が入ることが多いと言っていました。
今でこそネイルアートをしている人はあまり多くはないそうですが、
一時期は猫も杓子もネイルアート状態で、休む間もなかったと言っていました。
そんな彼女が、まさにネイルアート絶頂の頃、「休みを取ろう」と思ったできごとがあったそうです。
来る日も来る日も誰かの爪を見て、それを整えて行く仕事。
彼女は心底、嫌気が指していました。
「目が疲れて、肩が凝る。自分のしたいのはこんなことなのかって疑問だった」
そんな疲れを押して出勤したある日のこと。
マネキンにつけられているウィッグがずれているのを見て、それを直そうと手を伸ばしたそうです。
ガリッ
鈍い音がして、手の甲には鋭い痛みが走りました。
慌てて手を引くと、そこには4筋の赤い傷が付いていたそうです。
「何かな、と思ってマネキンを見たらさ」
マネキン側頭部、ウィッグの隙間から薄汚れた手が覗いていたそうです。
「その手、爪に何もつけてなくて、それを見た瞬間に、怖いとかより先に『どうネイルアートを施そうかな?』って考えてた」
手が音もなく消えた後、彼女は仕事を休むことを決意したと言っていました。
【了】
313 :
本当にあった怖い名無し:2012/08/19(日) 06:18:15.88 ID:sS6tOCxd0
肉なししゃぶしゃぶ
314 :
忍法帖【Lv=40,xxxPT】 ミオ ◆yz7KwCMAoU :2012/08/19(日) 06:22:37.19 ID:t9naPkC70
九十一本目の蝋燭が消えました・・・
KMT ◆nqnJikEPbM.8さん、ありがとうございました
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憂莉 ◆BPe4rMCg8kさん、第九十二話をお願いします
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語り部希望は【語り部受付スレ】で、
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315 :
KMT ◆nqnJikEPbM.8 :2012/08/19(日) 06:25:41.00 ID:jvZ3IDbu0
憂莉 ◆BPe4rMCg8k 様 『猫』
うちには猫が二匹いる。
もともと野良なのだが、まだ子猫の頃に寒空の中うちの近所でにゃあにゃあと助けを呼ぶように鳴いているところを母親に拾われて家族の一員になった。
猫が家にきて半年ほど経ったころの話。
その日は夜中に目が覚めた。
もともと眠りが浅いのでいつものこと、いつものように何かを飲もうと台所へと向かった。
自室を出てリビングへ、すると足元に猫がいる。
電気をつけておらず、真っ暗な中でも妙にはっきりと見えるその猫はうちの猫ではなかった。
家はマンションの八階で見知らぬ猫が入ってこれるような場所ではない。
不思議に思っているとその猫は、俺の足にすり寄ってきた。
撫でてやろうと思い手を伸ばすと、こちらを見て笑顔で一声「にゃあ」とだけ鳴いて、その猫は消えた。
その顔を見てもしかすると、と思った。
笑った顔がうちの猫にすごく似ていた。
後日母親にその話をしてみた、やはり猫は最初三匹いたみたいだ。
実は母親は拾ってくる数日前から子猫の鳴き声が聞こえて気になり、探してはいたがなかなか見つけられなかった、そのときは三匹分の鳴き声が聞こえていたらしい。
そして拾ってきた日、ついに子猫を見つけれたが二匹しかいなかった。
聞き間違いか?とも思ったみたいだが、俺の話を聞いて納得したみたいだ。
「もう少し早く見つけられたらねぇ……。」と母親は遠くを見ながら寂しそうにつぶやいた。
それにしても一番猫の世話をできていない俺の元へなぜきたのか、それが一番不思議でならない。
家族で唯一かなり薄いながらも霊感があるからだろうか。
それ以降その猫には会っていないが、ありがとうを言いにきたのか、二匹をよろしくと言いにきたのか、どちらにしろその猫を思うと少し切なくなる。
終わり。
316 :
忍法帖【Lv=40,xxxPT】 ミオ ◆yz7KwCMAoU :2012/08/19(日) 06:28:33.74 ID:t9naPkC70
九十二本目の蝋燭が消えました・・・
憂莉 ◆BPe4rMCg8kさん、ありがとうございました
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りほ ◆aZ4fR7hJwMさん、第九十三話をお願いします
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317 :
りほ ◆aZ4fR7hJwM :2012/08/19(日) 06:31:05.75 ID:anZJD0SA0
「怪魚の魚影」1/4
小学生の頃、祖父に連れられてよく釣りに行った。
祖父は別に釣りが趣味というわけではないのだが、
釣り好きな自分の我侭を叶える為、知り合い伝いに色々と
情報を仕入れては、毎度のごとく様々な所へ連れて行ってくれた。
ただ、自分が免許を取る頃にはその当時の記憶も曖昧になってしまい、
昔に行ったあの川や池、沢への道を教えてくれと頼んでも、
ほとんどの場所を忘れてしまい、今となっては再び行くことができないのが残念である。
318 :
りほ ◆aZ4fR7hJwM :2012/08/19(日) 06:32:53.60 ID:anZJD0SA0
「怪魚の魚影」2/4
ある夏の日、またどこかで話を仕入れてきた祖父に連れられ、釣りに行った。
そこは山奥ではあるのだが、渓流のように早く澄んだ流れの川ではなく、
水は緑がかり、流れはゆったりとし、幅は狭くも、深さのある川だった。
早速釣りを始めたわけだが、かなり魚影が濃く、ほぼ入れ食い状態だったと覚えている。
そのうち小さなハヤを釣るのに飽き、近くの藪でドバミミズを掘り出し、
大物狙いに仕掛けを変えた。
といっても、じっと待つことができず、そのうち水面までエサを持ち上げては、
小魚がミミズを突くのを見て楽しむという遊びに変わった。
幾度と無く場所を変えては、水面にミミズを落とし、魚がそれを突くのを見る。
そんな遊びをしている最中、いかにも大物が潜んでそうな深い淵を見つけた。
岩の上に陣取り、ミミズをたらす。
319 :
りほ ◆aZ4fR7hJwM :2012/08/19(日) 06:34:05.60 ID:anZJD0SA0
「怪魚の魚影」3/4
すると、川の淵からヌッと黒く大きな魚影が出てきたかと思うと、
バクッと水面で大きな水しぶきをたてた後、また川の深みへと潜っていった。
一瞬ではあったが、それを見て直ぐに釣りを止め、一目散に祖父の下へ走っていった。
その大きな魚影の話を聞いた祖父は雷魚だ雷魚!と騒いでいたが、そんな祖父に
とにかく早く帰ろうと喚いたのを覚えている。
祖父は面食らったようではあったが、そのまま直ぐに自分を連れて帰ってくれた。
320 :
りほ ◆aZ4fR7hJwM :2012/08/19(日) 06:35:10.53 ID:anZJD0SA0
「怪魚の魚影」4/4
あの細長く大きな魚影は今となってもなんだったのかはわからない。
ただ言えるの確実に雷魚ではないこと。そもそもあんなところにいない。
そして、釣りを止めた理由だが、あの魚は水面にいたミミズではなく…
水面に写った俺の顔に喰らいついてきたからである。「完」
321 :
忍法帖【Lv=40,xxxPT】 ミオ ◆yz7KwCMAoU :2012/08/19(日) 06:36:26.03 ID:t9naPkC70
九十三本目の蝋燭が消えました・・・
りほ ◆aZ4fR7hJwMkさん、ありがとうございました
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せっけん ◆5oOLgQPf6Xttさん、第九十四話をお願いします
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『不幸の気配』
(1/2)
うちの長兄がものごころつきはじめた、あるいは目に見えるもの以外について考えはじめたの時のことです。
わたしたち兄妹が通っていた幼稚園の遠足で、イチゴ狩りにいくことになりました。
幼稚園にしてはけっこう本格的なイベントで、幼稚園が私立だったこともありお金がかかっていました。
あさ早くに集合し、貸し切りバスで郊外のフルーツパークまでいくというなかなかの強行軍。
当然体力が持たずに体調を崩す子供もいて、わたしの兄はその一人でした
べつだんこういったイベントが好きなタイプでもなく、イチゴが好きなわけでもなかった兄は
さして途中で帰ることで悲しんだりもしなかったそうです
熱が出たのはそれなりに苦しかったようですが、彼は重度といっていい持病を抱えており
それが悪化した時の苦しみたるや、発熱の比ではなかったので割合気持ちに余裕がありました
母曰く、迎えがきて家に帰るときも周りが心配するのを妙に冷静にみていたとか
しかし家に到着し、三回の寝室に寝かされてから、兄は奇妙な感覚に襲われたというのです
見慣れているどころか、母とよく昼寝をする、幼児にとっていちばん安心できるといって
過言ではないはずのそこで
金縛りにあったわけではありません
おかしなモノを見てしまったわけではありません
何もないところから声がきこえたわけでもありません
一人になった時間を酷く長く体感したというわけでもありません
奇妙な『体験』をしたのではなく、まさに感じ取って,否『感じとらされて』
しまったとでもいいましょうか
『不幸の気配』
(2/2)
本当に全てがいつも通りなのです――しかし兄は
『もう一生幸せになれないんじゃないだろうか』という漠然とした不安に
襲われたのです
怪談もきいたことがない幼子を、そんな気持ちにさせたのは一体なんだったというのでしょう
皆さんは『ハリー・ポッター』シリーズを読まれたことがおありでしょうか?
そのなかに『吸魂鬼(ディメンター)』という妖怪がでてきます
それはその名のとおり、人間の魂を吸い取ってしまう化け物で、具体的には
幸福な気持ちや思い出を吸い取ってしまうというものです
兄が初めて『吸魂鬼』のくだりを読んだとき、まっさきにこのときのことを思い出したそうです
ちなみにわたしや次兄はそんな体験をしたことはなく、その部屋でその後奇妙なこと
が起こったということもありません
しかし、あの瞬間、あの部屋にはなにかがいた、あるいはなにかがなかったのではないかとおもわれます
今はもう人に貸しているおうちですが、小学生の二人のお子さんがいる家庭です
彼らがそんな体験をしていないことを祈ります
お仕舞い
324 :
忍法帖【Lv=40,xxxPT】 ミオ ◆yz7KwCMAoU :2012/08/19(日) 06:42:11.27 ID:t9naPkC70
九十四本目の蝋燭が消えました・・・
せっけん ◆5oOLgQPf6Xttさん、ありがとうございました
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25 ◆n8k98SYXbkさん、第九十五話をお願いします
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325 :
25 ◆n8k98SYXbk :2012/08/19(日) 06:44:46.18 ID:LAGoG+oz0
『うちのお袋様の話』
霊感無しの自分。
怖い話は好きだけど、全く経験無し。
ある時、掲示板で怖い話を読みながら、
何の気なしにお袋様にそういう話は無いかと聞いてみた。
「うーん。火の玉は見たことあるけど幽霊はねぇ……」
……火の玉見たんかい。
「あ、そういえば、実家の床の間の部屋、他の部屋を広げて今の状態にしたんだけど、
改装してすぐの頃に、夜中にがつんっって何かがぶつかる音と、
『痛っ!』て言う声が聞こえたことがあったかな。
あの声はもう亡くなってたおばさんの声だったと思う。
部屋の配置が違っていることに気が付かずにどこかにぶつかったみたい。
幽霊でもそんな事あるんだねぇ」
そう言って笑ってた。
確かにそれも心霊体験であるがなんか期待してたのとは違う。
そんなお袋様、自称霊感無し。
終わり
326 :
忍法帖【Lv=40,xxxPT】 ミオ ◆yz7KwCMAoU :2012/08/19(日) 06:45:26.18 ID:t9naPkC70
九十五本目の蝋燭が消えました・・・
25 ◆n8k98SYXbkさん、ありがとうございました
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切子 ◆DjSl2E7hcsさん、第九十六話をお願いします
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327 :
切子 ◆DjSl2E7hcs :2012/08/19(日) 06:46:21.19 ID:pszXzzP+0
『身近なところ』
つい最近、小耳に挟んだ話。
バス停でバス待ちをしてたときのこと。
うしろを女子高生の集団が通ったのね。
うろ覚えだけどこんな内容の会話だった。
A子「え?B子だよ?なんでわかんないの?」
他「A子なに言ってるのー?w」
他「無理無理w」
他「おかしいのA子じゃんw」
他「誰よ、B子ってさー」
ちょっと聞き耳を立ててしまいました。
A子「○組の!友達なのになんでそんなこと言うの!?」
他「ちょwむきにならないでよ」
他「マジで言ってんの、それ?」
他「ほんとにB子とかきいたことないんですけどー?」
他「○組にそんな子いないよね?」
そのまま集団は通り過ぎていった。
私はバスに乗った。
霊感とかまったくない私ですが、不思議なことは意外と身近で起きているのかも、と思った出来事でした。
【終】
328 :
忍法帖【Lv=40,xxxPT】 ミオ ◆yz7KwCMAoU :2012/08/19(日) 06:47:46.43 ID:t9naPkC70
九十六本目の蝋燭が消えました・・・
切子 ◆DjSl2E7hcsさん、ありがとうございました
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キツネ◆8yYI5eodysさん、第九十七話をお願いします
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329 :
KMT ◆nqnJikEPbM.8 :2012/08/19(日) 06:51:20.19 ID:jvZ3IDbu0
キツネ ◆8yYI5eodys 様 『稚児守り様』
(1/5)
日本の「田舎」と呼ばれる場所には、様々な因習やら行事が今も残っていたりします。
私の祖母の家もそんな田舎。民家が20件そこらで商店すら無い、山に囲まれた集落にあります。
その集落にある公民館の端には山の神様を祀った御社と、その傍らに小さな祠がひっそりと佇んでいます。
集落の人から『稚児守り様(ちごもぃさぁ)』と呼ばれる祠さんには小さな風車(かざぐるま)が供えられていて、カタカタ……と音を立てながら
回っている光景が印象的。
このお話は、その小さな小さな祠さんに纏わるお話です。
遡ること今から20年ほど前の事でしょうか。
当時、小学校低学年だった私は祖母の家に呼ばれ、集落の行事に参加させられることになりました。
その行事というのが、『稚児守り様(ちごもぃさぁ)』にお供えしてある風車を、山の神様が住んでいるお山の祠に運ぶというもの。
毎年、集落の各家が持ち回りで、家の長と子供が参加しなければいけないという風習でした。
確か、『稚児守り様(ちごもぃさぁ)』を夏の間、山の神様にお預けするといった意味があったと記憶しています。
その年はちょうど祖母の家が当番で、いとこが皆幼かったこともあって一番年上だった私が選ばれたという、いやはや、なんともいい加減な理由で
離れた町に住んでいた私が行くハメになったそうです。
330 :
KMT ◆nqnJikEPbM.8 :2012/08/19(日) 06:52:53.75 ID:jvZ3IDbu0
(2/5)
当日。初夏と言うには日差しが強く暑い日。
私は祖母に言われた通りに長袖・長ズボン・帽子・軍手という、雰囲気も……季節感すらガン無視の重装備で行事に臨みました。
農業用の長靴に履き替える時に文句を言ってはみたのですが、「山ん中はスズメバチやらヘビがおっかい、あぶねぇど」と言われる始末。
オカルトとは別次元の怖さで震え上がったのを今でも覚えています。
さて、『稚児守り様(ちごもぃさぁ)』にお参りし風車を預かった後、軽トラでお山の麓に行って、いよいよ入山。
杉が幾重にも生い茂るお山には道は勿論、獣道すらありませんでした。
祖母は軽トラの荷台から鉈を手にして、藪の草やら木の枝をバッサバッサと薙ぎ払いながら登って行きました。
私も置いていかれないようにと必死に後に続いたのですが、流石は田舎の農業で鍛えたバイタリティ。
時に這い蹲りながら斜面を登る私をよそに、ヒョイ、バッサ。ヒョイ、バッサと登っていく祖母の姿に、この日2度目の驚愕!
どれくらい登ったでしょうか。
1時間、いえ、それ以上だったかもしれません。
ふと、のどが渇いてリュックから水筒を出した時でした。
カラカラカラ……
リュックに差しておいた風車が、山の斜面を転がっていきました。
慌てて追いかけ下ること十数メートル。
カラン、と風車が岩だらけの開けた場所で動きを止めました。
ホッとして斜面を見上げますが、祖母の姿は見当たりません。
急に不安に駆られた私は周囲を見渡しましたが、周りは岩場、そしてその周りには木、木、木。
331 :
KMT ◆nqnJikEPbM.8 :2012/08/19(日) 06:53:42.99 ID:jvZ3IDbu0
(3/5)
ふと、その視界の端に、赤く揺れるものが映り込みました。
視界を戻して見ると、そこには誰もいません。
おかしいな、と思いながら風車を拾ったーーーその時でした。
「・・・あそぼ・・・・・・」
ビクッ!と振り返ると、私のすぐ傍に女の子が屈み込んでいました。
年のころは私より少し小さいくらいで、妙にくすんだ赤い着物?浴衣?を着た女の子が、こう、しゃがみ込んで私を見上げていたのです。
内心1人じゃないことに安堵しながら「誰?集落の子?」と話しかけますが、女の子はニコニコ笑うだけ。
迷子だと危ないな、と自分のことを棚上げして女の子の手を取りました。
いえ、手を取ろうとしたのですが・・・・・・掴んだのは着物の袖。
「お手てはねぇ・・・無いの・・・」
え?と思う間もなく、
「ねえ・・・遊んで・・・・・・遊ぼ・・・遊ぼ・・・ねえ、遊ぼうよ・・・
遊ぼ、遊ぼ、遊ぼ、遊ぼ遊ぼ遊ぼ遊ぼ遊ぼ遊ぼ遊ぼ遊ぼ遊ぼ遊ぼ遊ぼ遊ぼ遊ぼ遊ぼ遊ぼ遊ぼ遊ぼ遊ぼ遊ぼ遊ぼ遊ぼ遊ぼ遊ぼ遊ぼ!!!」
・・・喜々とした、狂ったように眼を見開いた女の子の顔がぬぅっと私の目の前に迫ったところで記憶がプッツリと途切れました。
これは後に祖母から聞いた話ですが・・・
祖母は私の叫び声で私の居場所を見つけ。
その時の私は立ったまま呆然としていて、傍には誰もおらず。
そして、私はぼーっとしながらも祖母の後に続き風車を山の祠に届け、ぼーっとしたまま無事に祖母と山を降りたのだそうです。
332 :
KMT ◆nqnJikEPbM.8 :2012/08/19(日) 06:56:43.77 ID:jvZ3IDbu0
(4/5)
そんなことがあって、十数年過ぎたお盆のこと。
私は入院していた祖母の名代で、祖母の代わりに親戚、もとい集落の人たちの歓待をしていました。
宴会の話題の内容は集落を出ていった人たちの話題から、今年の米の出来、それから戦時中の自慢話などなど……取留めもないような話が延々と。
その中で、今年の『稚児守り様(ちごもぃさぁ)』の当番の話へと話題が移っていきました。
そう言えば、と、近くで酒を飲んでいた近所の爺さまに「あの稚児もいさぁってどんな謂われがあるんですか?」と何気なく訊いてみました。
「あ〜、あん祠んこつね?こいは昔に爺さんから聞いたとやけど……」と、爺さまはそのまたお爺さんから聞いた話を語って聞かせてくれました。
ずっと昔、あの祠がある公民館の場所には一軒のお屋敷があったそうです。
ある日、そのお屋敷が火事で焼失し、一家は皆亡くなったとか。
それからしばらくして、集落の子供が1人、行方不明になりました。
当時の集落の人が総出で山狩りまで行ったそうですが見つからない。
そうした中、ある日、焼けたお屋敷の親族が焼け跡の片づけをしている時に、焼け跡にパックリと穴が開いているのを見つけました。
中はちょうど地下室のような空間で、真ん中を木の格子で区切られ、畳も敷かれたお座敷がきれいに残っていました。
その『格子の向こう』に行方不明になっていた子供と……痩せこけた女の子の亡骸があったのだそうです。
333 :
KMT ◆nqnJikEPbM.8 :2012/08/19(日) 06:59:06.38 ID:jvZ3IDbu0
(5/5)
集落の人は誰一人としてその女の子のことを知らなかったため、地下室は座敷牢(障害を持ったり気の触れた家人、隠し子などを恥として閉じ込め
るための物)だったのだろう、と考えたそうです。
集落では女の子を手厚く供養したのですが、以来、夏になると子供が度々いなくなる。
果てはお屋敷の跡に祠を建て、『地籠り様(ちごもぃさぁ)』として祀ったのですが、それでも収まらない。
そこで、当時の集落の人々は子供を守るため、夏の初めに『地籠り様』を山の神様の元で遊ばせて、夏の終わりに迎えに行くようになったのだとか
。
そうして、『地籠り様(ちごもぃさぁ)』はいつしかこの子供を守る風習そのものを指すようになり、更には現地で同じ読みの『稚児守り様(ちご
もぃさぁ)』の字を当てるようになったのだそうです。
あの幼い日に見た女の子。
着物を着た、手の無いあの子は誰だったのでしょうか?
今となっては知る術もありませんが、この話を聞いた時に妙な符合の多さに愕然としたのを、今でもはっきりと覚えています。
【了】
334 :
忍法帖【Lv=40,xxxPT】 ミオ ◆yz7KwCMAoU :2012/08/19(日) 07:00:09.86 ID:t9naPkC70
九十七本目の蝋燭が消えました・・・
キツネ◆8yYI5eodysさん、ありがとうございました
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K子 ◆100tu2tQBIさん、第九十八話をお願いします
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335 :
KMT ◆nqnJikEPbM.8 :2012/08/19(日) 07:01:38.24 ID:jvZ3IDbu0
K子 ◆100tu2tQBI 様『友人の体験談』
(1/2)
友人は見えてしまう人だそうだ。
母方の家系が見る方が多いせいだという。
なるべく気にしないようにしてるようだが、油断すると見てしまうよう。
曰く、一人の時に見る事が多い。
一番古い記憶は、母方の実家
皆で出かける時にふと外から家を見上げた時
二階の窓辺に女性が立って、無表情でこちらを見下ろしていたそうだ。
親戚でも見た事ない人・・・
それとも家族の友達かなと見ていた。
見た事ないけどなんとなく親戚関係かな、と母親に聞いてみたそうだ。
「おかーさん、あれ誰?誰おばちゃん?」
「なにいってんの」
「・・・服装とか髪型、教えて。見た感じはおばちゃんなのね。」
途中で何かに気づいたかのように、母親は逆に質問してきた。
336 :
KMT ◆nqnJikEPbM.8 :2012/08/19(日) 07:03:34.11 ID:jvZ3IDbu0
(2/2)
服装、髪型、背格好を説明するとどうやら祖母にあたる方だったよう。
「そっかぁ、あんたも見えるのね。孫来たから見に来たんだと思うよ。」
祖母は随分前に他界してました。
写真等はしまってあったので、友人は目にした事がなかった為誰かわからなかったそうです。
その後、成人して今日まで
風呂で竹林方面から呼ばれた時はちょっと怖かったから、洗うの半分で部屋に逃げてきちゃった。とか
沿岸沿い走ってたら、落ち武者みたいな扮装の人が霧から出て消えていくの見た。とか
別友達といつもの山に星見に行ったら、聞いた事もない太鼓の音に追いかけられた。とか
細かいものから、不思議体験まで細かいもの様々体験してるようです。
でも本人曰く気にしちゃダメとの事。
なんで?怖くないの?って聞いてみましたら
「怖いのは生きてる人間の方で、見えちゃうのは気持ち悪いだけだから気にしない方がいい」
のだそうです。
完
337 :
忍法帖【Lv=40,xxxPT】 ミオ ◆yz7KwCMAoU :2012/08/19(日) 07:03:58.92 ID:t9naPkC70
九十八本目の蝋燭が消えました・・・
K子 ◆100tu2tQBIさん、ありがとうございました
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ユウ ◆pK2t4W3twQさん、第九十九話をお願いします
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338 :
ユウ ◆pK2t4W3twQ :2012/08/19(日) 07:04:19.92 ID:o5mW8Mmw0
「竹藪」
1/2
皆のイメージでは「竹藪」ってどんな感じかな?
俺にとっては「怖い」というものでしかないんだけど・・・。
いつ頃だったかな・・・たぶん中学に入るか入らないかくらいの頃の話。
多感な時期って所謂「霊感」ってやつにも影響を及ぼすのかな。
俺の実家は周りに山とか自然が多いトコなんだけどさ。
子どもの頃って授業が終わると、友達と外で遊んだりするのが普通だったのね。
何して遊ぶかなんて決めてはいないけど、とりあえず集まって今思えば下らないコトで時間を潰すっていう。
で、その日も放課後に友達と集まってかくれんぼみたいなコトをして過ごしてた。
何でそんなものに夢中になってたか今となっては理解出来ないけど、当時は楽しかったんだろうね。
周りに山とか森があると、かくれんぼでも自然とそっちの方に隠れがちになるのね。
皆、泥だらけになって見付けたり見付かったりしてさ。
339 :
ユウ ◆pK2t4W3twQ :2012/08/19(日) 07:04:56.00 ID:o5mW8Mmw0
2/2
んで、鬼が自分からA君に移った時に、やっぱり山の中に隠れる訳で。
結構見付かりにくいんだよね、山中ってw
擬態・・・とまではいかなくても、色んなモノでカモフラージュしたりして。
自分もそんな感じで隠れてたんだけどさ。
しばらくして人の話し声に気付いたんだ。
(おぅっ、もう見付かったか・・・!?)
とか思いつつ、周囲の様子を探ったけど友達の姿は無かった。
(あれ?誰か近くに隠れてるのかな・・・?)、って思ったんだけどさ・・・見事に違ったよ。
竹藪の中に無数の顔が浮かんでるの。
おじさん、おばさん、お姉さん、おじいさん、おばあさん、赤ん坊・・・、って。
驚くより先に駆け出してたよ。
だって「顔」だけ浮かんでたんだもん。
後に知ったんだけど、近くに防空壕があったんだ。
実際に見たら、ただの横穴だったけどね。
あの近くでも大勢の人が亡くなってたのかな・・・。
【了】
340 :
忍法帖【Lv=40,xxxPT】 ミオ ◆yz7KwCMAoU :2012/08/19(日) 07:06:44.30 ID:t9naPkC70
九十九本目の蝋燭が消えました・・・
ユウ ◆pK2t4W3twQさん、ありがとうございました
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りほ ◆aZ4fR7hJwMさん、第百話をお願いします
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341 :
りほ ◆aZ4fR7hJwM :2012/08/19(日) 07:09:02.23 ID:anZJD0SA0
「山の老人」1/4
学生の頃、良く休暇を利用しては長野の祖父母宅に入り浸っていた。
その時に、一度予言のようなものを言われたことがある。
あれは2009年11月の事であった。禁漁期間で釣りはできないものの、普段の釣り場とは
また違うポイントを見つけようと山中を徘徊していた時のことである。
ふと林の中でよたよたとさまよう人影を見つけた。
近づいてくるその人影は杖(といっても、どうみても落っこちてた木の枝なのだが…)をついた老人であった。
爺「なにかいたかい?」
そう言いながらその老人は近づいてきた。おそらく沢を覗き込んだり写真を撮ったりしていたからだろう。
「いや、春の釣りに向けて新しい場所を開拓しようと思いましてね。そちらは何をしているところで?」
爺「いやぁ、散歩だよ。ただ今日は道(林道)に車が止まっていてね。今日はもう帰ろうと思っていたところだよ。」
342 :
りほ ◆aZ4fR7hJwM :2012/08/19(日) 07:10:02.44 ID:anZJD0SA0
「山の老人」2/4
どうやらこの爺さん、気さくに話しかけてきた割には、車等の他の人間がいるという感じが嫌いなようだ。人好きなのか人嫌いなのか…。
ただ、杖で指し示した方向にあるのはおそらく俺の車だ。静かな山林なのでそれ以外に車が来たとすればすぐわかるはずである。
「あー、その車は俺のですよ。ちょっと邪魔でしたかね?」
爺「あー、あんたのか。ならばよいよい。ここいらは昔…」
いったいどんな理由かはわからないが、どうやらこの老人に気に入られてしまったようではある。
そこからは、自分自身も山や沢歩きが好きなので、このまえはどこどこの滝にいって…と言えば、あーそこは前はどうで…、○○池は行った事があるかい?といった感じに結構会話が盛り上がっていた。
ただその会話の中、あそこの沢の水は絶対生で飲んではいかん、○○の森は静かで綺麗だが夜にいっては行けないと、所々に注意をされた記憶がある。
会話だけで見れば、地域に詳しい物知り爺さんというような感じであるのだが、対面している最中、ふと疑問に思ったことがある。
343 :
りほ ◆aZ4fR7hJwM :2012/08/19(日) 07:13:42.11 ID:anZJD0SA0
「山の老人」3/4
まず、この老人の目…。名称で言えば虹彩の部分であるのだが、日本人に多い黒とも言える濃いブラウンではなく、まるでカラコンでもいれているかのような鮮やかで透き通った白色なのである。
また、車がどうのと言っていたが、今いる場所から車まではかなり距離がある。
というか、ここまでの道程も杖をついた老人が気楽に来れるほど簡単なものではない。
さらに言えば、俺が車を停めた後からやってきているわけであるが、こんなヨタヨタ歩いてる爺さんが追いついてこれるのか?
気になる点は幾つかあったが、目は病気かもしれないし、ここらの土地に詳しくよく散歩にくるくらいだ。なにか近道や歩きやすい道を通って来たのかもしれない。
あまり深く考えずに談笑していたが、ある会話が強く印象に残った。
「この前、祖父に案内してもらってね。竜王の奥にある、白沢の滝を見に行ってきましたよ。」
爺「ほぉ、どうだったい?」
「いやいや、がたがた道を車で1時間以上かけて登って、滝には着いたんだが、その頃には真っ暗になってね。滝へ降りる場所だけ確認して見ないで帰ってきちまった。」
爺「あぁ、そうかい。あそこはいい場所だ。一度見に行くといい。ただ、いくなら早いうちにいくことだ。」
「ん?なぜ」
爺「あそこはじきに通れなくなるからな。早いほうがええ。ちゃんと見ておけ。」
「まぁ、これから冬だしなぁ。来年の夏にでも見にいきますよ。」
なにかやたらと早く行け早く行けと言われた覚えがある。その後、爺さんと別れ、帰宅し、晩飯時に祖父に今日会った老人の話をしたところ
344 :
りほ ◆aZ4fR7hJwM :2012/08/19(日) 07:14:54.77 ID:anZJD0SA0
「山の老人」3/4
祖父「ずいぶんと懐かしい話だ。俺が子供の頃の話しだなぁ。」
「子供の頃っていつさ?」
祖父「もう70年近く前の頃だな。」(祖父当時83歳)
祖父から話を聞いていくうちに段々と混乱してきた。なぜならあの老人は見た感じ、70前半といったところであったが、会話の内容が老人が成人を超えてからといった感じであった為、もしそうならば84の祖父よりはるかに高齢なわけである。
そんな老人があんな山林を散歩できるものなのだろうか?だが、所詮老人同士の思い出話である。どこか記憶に誤りがあるもんだろうと解釈し、特に気に留めることも無かった。
その後祖父が体調を崩し、長期の入院生活をすることとなり、結局滝を見に向かったのは11年の夏になってしまった。
345 :
りほ ◆aZ4fR7hJwM :2012/08/19(日) 07:15:54.93 ID:anZJD0SA0
「山の老人」4/4
祖父の入院の見舞いにと、山や沢の風景を写真に撮り、ちょくちょく見せにいっていたのだが、残念ながらも、3月の地震の影響か、滝へ向かう道が地すべりによって通行不可となってしまった。
思い返せば、あの時話題に上がった場所はどこも古いとこなのでそのうち道等が風化し、車で向かうのが困難になるだけだろう位しか考えてなかった。
しかし、あの老人は他の場所には一切触れず、その滝だけを早く行くようにと言っていた。
まるでこうなる事を予期していたかのように。
祖父は今年の6月8日に亡くなった。深山幽谷の名所や沢等を色々教えてくれた山の師とも呼べる祖父がいなくなった今、なぜだか無性にあの老人に会いたくなる。
そして、結局見に行くことのできなかった滝ではあるが、道は崩れてもおそらく滝はまだあの場所にある。
徒歩で向かうには険しい道となりそうだが…必ず見に行くと決めている「完」
346 :
25 ◆n8k98SYXbk :2012/08/19(日) 07:17:04.02 ID:LAGoG+oz0
百本目の蝋燭が消えました・・・
りほ ◆aZ4fR7hJwMさん、ありがとうございました
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これにて語り部の話は最後となりました……
「百物語」今宵の幕が降ろされ様としています。
347 :
25 ◆n8k98SYXbk :2012/08/19(日) 07:18:40.31 ID:LAGoG+oz0
色は匂へど 散りぬるを
我が世誰そ 常ならむ
されど現身の人ある限り
此の岸 訪う者絶えず
白蝋 さめざめ涙を溢し
白煙 細くたなびきたる
いまや宴は幕と成り
東の空の白めども
千々に乱るる心根に
描きし彼の岸 誰や忘るる――
終幕宣言
2012年8月18日 オカルト板百物語
皆様お楽しみ頂けましたでしょうか?
素敵なお話を語って下さった語り部の皆様、百物語にお付き合い下さった皆様
本当に有難う御座いました。
最後に、終宴の動画にて語り部の皆様をご紹介致します。
―――――2012年 百物語 終幕―――――――
348 :
25 ◆n8k98SYXbk :2012/08/19(日) 07:19:42.60 ID:LAGoG+oz0
【語り部様エントリーリスト】(敬称略)
01:昨日の人 ◆3wiF1V29nQ
02:三年目の朝顔 ◆6.QkgMwzsU
03:☆:憂莉 ◆BPe4rMCg8k
04:ねーむど ◆zN2K111QVA
05:ダメレオン ◆aKQ2SJ2lbM
06:何でも ◆3/OAb1.6.2
07:☆:雷鳥一号 ◆zE.wmw4nYQ
08:☆:ぺろ ◆3pRM76ouijbS
09:三年目の朝顔 ◆6.QkgMwzsU
10:☆:NK7 ◆DBi0fUMQZg
11:ねーむど ◆zN2K111QVA
12:何でも ◆3/OAb1.6.2
13:三年目の朝顔 ◆6.QkgMwzsU
14:物体X13号 ◆S801T3Lhtw
15:☆:雷鳥一号 ◆zE.wmw4nYQ
16:何でも ◆3/OAb1.6.2
17:☆:とうふ ◆PFnlRcm/X2
18:☆:秋鳥 ◆X0TyCi.5oo
19:☆:かぐら ◆Ccp.OZqu04w2
20:三年目の朝顔 ◆6.QkgMwzsU
349 :
25 ◆n8k98SYXbk :2012/08/19(日) 07:20:48.50 ID:LAGoG+oz0
21:☆:コッソリ ◆.PiLQRq.0A
22:☆:米屋◆YZbG3mcRGI
23:☆:かぐら ◆Ccp.OZqu04w2
24:☆:はんぶん ◆hNCx62prg6
25:☆:わたくし ◆Zdj8zv6ZTc
26:☆:雷鳥一号 ◆zE.wmw4nYQ
27:メタルスライム ◆LuWpVnhAYs
28:☆:コッソリ ◆.PiLQRq.0A
29:メタルスライム ◆LuWpVnhAYs
30:☆:キツネ ◆8yYI5eodys
31:メタルスライム ◆LuWpVnhAYs
32:☆:秋鳥 ◆X0TyCi.5oo
33:☆:合いの手
34:メタルスライム ◆LuWpVnhAYs
35:☆:猫日和(ねこびより)
36:メタルスライム◆LuWpVnhAYs
37:☆:わたくし ◆Zdj8zv6ZT
38:黒靴 ◆c6TvSatgXE
39:☆:合いの手
40:☆:かぐら ◆Ccp.OZqu04w2
41:メタルスライム ◆LuWpVnhAYs
42:☆:憂莉 ◆BPe4rMCg8k
43:三年目の朝顔◆6.QkgMwzsU
44:☆:木乃伊
45:笹野 ◆r/VbEj4pp6
46:☆:憂莉 ◆BPe4rMCg8k
47:☆:ななほし ◆5JfBuh0hdc
48:☆:白
49:☆:カリン
50:☆:かぐら ◆Ccp.OZqu04w2
350 :
25 ◆n8k98SYXbk :2012/08/19(日) 07:21:48.97 ID:LAGoG+oz0
51:可部 ◆0ZomiFbhPA
52:☆:鏡◆6CsOFCfHco
53:☆:憂莉 ◆BPe4rMCg8k
54:☆:カリン
55:ネヴィル ◆5SharF2siA
56:☆:ithuki ◆JjVa38i/wo
57:☆:KMT ◆nqnJikEPbM.8
58:☆:憂莉◆BPe4rMCg8k
59:☆:カリン ◆Knugtm5lOQ
60:ネヴィル ◆5SharF2siA
61:☆:ユウ ◆pK2t4W3twQ
62:☆:憂莉 ◆BPe4rMCg8k
63:☆:ななほし ◆5JfBuh0hdc
64:☆:猫様がみてる ◆UiIW3kGSB
65:☆:雷鳥一号 ◆zE.wmw4nYQ
66:ダメレオン◆aKQ2SJ2lbM
67:☆:キツネ ◆8yYI5eodys
68:りほ ◆aZ4fR7hJwM
69:可部 ◆0ZomiFbhPA
70:ネヴィル ◆5SharF2siA
71:☆:コッソリ ◆.PiLQRq.0A
72:☆:K子◆100tu2tQBI
73:切子◆DjSl2E7hcs
74:☆:K子◆100tu2tQBI
75:☆:カリン ◆Knugtm5lOQ
76:☆:雷鳥一号 ◆zE.wmw4nYQ
77:黒靴 ◆c6TvSatgXE
78:ダメレオン ◆aKQ2SJ2lbM
79:☆:米屋◆YZbG3mcRGI
80:☆:ガータロー ◆l7Mb16VB82
351 :
25 ◆n8k98SYXbk :2012/08/19(日) 07:22:44.00 ID:LAGoG+oz0
81:せっけん ◆5oOLgQPf6Xtt(せっけん◇8012blabcmart)
82:肉球部隊 ◆6l0Hq6/z.w
83:☆:カケフ ◆yvskAxXiM6
84:☆:猫様がみてる ◆UiIW3kGSB
85:☆:雷鳥一号 ◆zE.wmw4nYQ
86:姑 ◆100mD2jqic
87:☆:ithuki ◆JjVa38i/wo
88:☆:憂莉 ◆BPe4rMCg8k
89:動画 ◆ElPl8xGQc2
90:ユウ ◆pK2t4W3twQ
91:KMT ◆nqnJikEPbM.8
92:☆:憂莉 ◆BPe4rMCg8k
93:りほ ◆aZ4fR7hJwM
94:せっけん ◆5oOLgQPf6Xtt
95:25 ◆n8k98SYXbk
96:切子 ◆DjSl2E7hcs
97:☆:キツネ◆8yYI5eodys
98:K子◆100tu2tQBI
99:ユウ ◆pK2t4W3twQ
100:りほ ◆aZ4fR7hJwM
352 :
動画 ◆ElPl8xGQc2 :2012/08/19(日) 07:44:53.29 ID:5YF0phdy0
353 :
本当にあった怖い名無し:2012/08/19(日) 18:12:08.64 ID:7DGZPdS00
354 :
本当にあった怖い名無し:2012/08/19(日) 19:21:29.61 ID:MiFlk7th0
お疲れ様〜
355 :
本当にあった怖い名無し:2012/08/19(日) 20:20:42.29 ID:7DGZPdS00
おつかれさまー!
357 :
本当にあった怖い名無し:2012/08/20(月) 03:46:44.66 ID:I0KdVh4I0
知らない間に始まって、知らない間に終わってた
録音とか無いの?
このスレの存在がそのものじゃん。
359 :
動画 ◆ElPl8xGQc2 :2012/08/20(月) 21:55:35.74 ID:L7QkeyHv0
360 :
動画 ◆ElPl8xGQc2 :2012/08/20(月) 23:56:00.09 ID:L7QkeyHv0
「Bar」
とある、バーでの事。
その日も馴染みの客で賑わう、ごくあたりまえの風景の中で、ひとり、
見掛けない女性客がカウンター席に座っていた。
ここのバーは裏通りの目立たない場所にあるので、新規の客をあまり見掛け
ない。だから余計に目を引いたのかもしれないが、自分は妙にその女の存在が
気に掛かった。
…酒も数杯飲み、マスターやスタッフとの会話も途切れた時、自分は何故か
急に眠くなってきた。その日も35度を超す猛暑で、涼みがてらバーに駆け込み、
お腹も満たされ、程よく酒もまわり、居心地が良くなったせいだろうと思って
いた。マスターも明日の休みを前に疲れが溜まっているのか、あくびを噛み
殺していた。
その時「すみません」と、沈黙を破るように女から声が掛かり、マスターと
スタッフは返事をして女がいるカウンター席を見た。
自分もボーッとした頭で、隣の客越しに女を見ようとして思わず、目を
擦った。マスターを見るとスタッフと顔を見合わせてキョトンとしている。
………。あの夏、バーから忽然と姿を消した女の声が、未だにハッキリと耳に
残っているのに、女の姿をバーで見る事は二度と無かった。
〜 完 〜
すみません、このカクテルは私のおごりです
/ ./
/ ./
/./// /
/ /
/ /
| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|
| __ | ガシャン
| (__();o。|
゜*・:.。 コロコロ
363 :
本当にあった怖い名無し:2012/08/23(木) 14:58:54.41 ID:XOwtYz2zO
>>4 糞はてめえだろ生きてる価値ねえからさっさと死ねカス^^単発以下の存在の奇形池沼在チョン死ねカス^^
364 :
本当にあった怖い名無し:2012/08/23(木) 15:29:22.21 ID:XOwtYz2zO
>>4その他カス荒らし
糞はてめえだろ生きてる価値ねえからさっさと死ねカス^^単発以下の存在の奇形池沼在チョンシナ畜池沼バカサヨアメ公露助バカ白黒土人その他下等生物死ねカス^^
荒らししかできないカス野郎死ねカス^^
365 :
本当にあった怖い名無し:2012/08/23(木) 15:33:10.56 ID:XOwtYz2zO
>>6 親切な人をバカにするなクズ野郎子供はてめえだろ「・・・」使うなカス^^身を寄せあって暮らして何が悪い^^悪いように見せる協力もできない池沼バカサヨうぜえよ死ねカス^^
366 :
本当にあった怖い名無し:2012/08/23(木) 15:48:54.23 ID:XOwtYz2zO
>>5 エゴ(笑)エゴ(笑)で動物愛誤してる池沼バカサヨ愛誤生きてる価値ねえからさっさと死ねカス^^てめえも楽しんでるじゃねぇか^^
367 :
本当にあった怖い名無し:2012/08/23(木) 15:51:05.63 ID:XOwtYz2zO
>>20な
間違えさせんな話数のとこ見ちまったじゃねぇか池沼バカサヨ愛誤生きてる価値ねえからさっさと死ねカス^^
368 :
本当にあった怖い名無し:2012/08/23(木) 15:54:44.52 ID:XOwtYz2zO
>>22 煽ってねえよ天敵もいなくなってねえよねじくれた言い方でほざくな池沼バカサヨ死ねカス^^
>>25 平然とってなんだよ言い方考えろ悲しみ堪えてる父に向かって失礼親への情がない池沼バカサヨ死ねカス^^
369 :
本当にあった怖い名無し:2012/08/23(木) 15:59:41.81 ID:XOwtYz2zO
>>32-33 不謹慎。事故にあった人いるのに良かったはねえよ
東京行ってたからって亡くなるとは限らないだろ
370 :
本当にあった怖い名無し:2012/08/23(木) 16:02:26.57 ID:XOwtYz2zO
>>35-36 供養してるのに気味が悪いってなんだよ神社を侮辱するな
気味が悪いのてめえら池沼バカサヨだよさっさと死ねカス^^スレどれだよ言ってみろ
371 :
本当にあった怖い名無し:2012/08/23(木) 16:15:03.48 ID:XOwtYz2zO
>>61 てめえの伯父を動物扱いするな我慢した伯父をバカにするな
我慢も思いやりもない池沼バカサヨ死ねカス^^
372 :
本当にあった怖い名無し:2012/08/23(木) 16:20:43.24 ID:XOwtYz2zO
373 :
本当にあった怖い名無し:2012/08/23(木) 16:25:54.90 ID:XOwtYz2zO
>>74 肉塊はてめえだろ笑うなてめえが笑われてろ死ねカス^^
374 :
本当にあった怖い名無し:2012/08/23(木) 16:28:42.81 ID:XOwtYz2zO
>>76 助産室の何がおかしいんだよ新しい生命が生まれる場所だぞ
戦争を思わせる絵の何がおかしいんだよ嫌なのてめえ池沼バカサヨの考え存在だわ^^死ねカス^^
375 :
本当にあった怖い名無し:2012/08/23(木) 16:39:44.55 ID:XOwtYz2zO
>>80その他糞バカチョンシナ畜池沼バカサヨアメ公露助バカ白黒土人その他下等生物カス
だのってなんだよ心配してくれてる親戚に失礼だろ^^だのはてめえの存在だろ感謝の感情がない池沼バカサヨ^^生きてる価値ねえからさっさと死ねカス^^
ねぇねぇてめえら何で生きてるの〜^^生きてて恥ずかしくないの〜^^
376 :
本当にあった怖い名無し:2012/08/23(木) 16:46:41.50 ID:XOwtYz2zO
>>80糞バカチョンシナ畜池沼バカサヨ単細胞アメ公キチガイ露助底辺バカ白黒土人底辺その他下等生物
偉大なる神国様日本国様大日本帝国様偉大なる神天孫民族様日本人様大和撫子様に何一つ勝てないし糞バカチョンとかの血混じりまたはそのもののねぇねぇてめえら何で生きてるの〜^^生きてて恥ずかしくないの〜^
377 :
本当にあった怖い名無し:2012/08/23(木) 17:14:43.56 ID:XOwtYz2zO
>>80その他カス
偉大なる神国様日本国様大日本帝国様偉大なる神天孫民族様日本人様大和撫子様の血は一滴も入ってない糞バカチョンシナバカサヨアメ公露助バカ白黒土人その他下等生物の血混じりまたはそのものてめえらはな^^
死んでも誰も悲しまねえからよ〜^^さっさと死ねよ〜^^さっさと死ねカス^^
378 :
本当にあった怖い名無し:2012/08/23(木) 17:18:53.40 ID:XOwtYz2zO
>>80その他カス
ねぇねぇてめえら何で生きてるの〜^^生きてて恥ずかしくないの〜^^死んでも誰も悲しまねえからよ〜^^さっさと死ねよ〜^^さっさと死ねカス^^
こういうところで発散すると祟られるよ(´・ω・`)やめとき
暴れすぎだろコイツw
なんだもしもしか
382 :
本当にあった怖い名無し:2012/08/25(土) 22:12:39.15 ID:iYG7tURpO
一話ごとになんか言うかと思ってたが、途中で力尽きるとは残念だ
383 :
本当にあった怖い名無し:2012/08/27(月) 19:40:46.00 ID:jkSeeWYSO
ホシュ?
一応保守っときますね〜
385 :
本当にあった怖い名無し:2012/09/01(土) 23:46:22.32 ID:UJQpxuWp0
寸評○3つが最高
第一話 夏の風景 ○
怖い現象が何も起きてない
怪談ではなくて、エッセイになっている
鳴らないはずの風鈴がある日鳴ると・・・・・
このように話を展開すれば怪談らしくなるでしょう
あの…そういうの辞めたほうが(´・ω・`)
主人公耳が聞こえないとかじゃないの?
お世話になりました。
第二話 Bar ○
周囲の人間全員に見える霊とは脅威的である
テレポーテーションにしてもである
そこを強調すれば良くなる
消えることで怖がらせたいのなら
名作怪談【残煙 】が参考になるでしょう
第三話 引っ越し ○○
謎の音が謎のままなのがイイ
前書きが長く、怖い部分がチョビッとといった感じ
謎の音が顔面に迫ってくるので有名なのが
【先輩の部屋】である
参考にされたし
聞く耳持たないって…どうしてこう2chはキチガイが多いんだ
指摘されて喜んでるから更に始末が悪い
第四話 「深夜のショッピングモール」○
これも前置きが長く、怖い部分がチョビッと
逆にすれば良くなるでしょう
いきなり車の窓を叩かれて、顔を上げると
警備服を着た男がお辞儀をした
そそくさと車を発進させた・・・
次の日、深夜の駐車場には
警備員など配置してないことを知った・・・
こういうパターンもありかと
第5話「通り道」○○
ありきたりの怪談
斬新さが欲しいところ
第六話 第六感 ○
前ふりとしては良いでしょう
第七話 しっかり者の祖母 ○○
これぞ怪談
セリフ回しが適度に入っていて良い
>少しほっとして・・・少し寂しかった
少しが2回ダブってる
第八話 お盆 ○
説明が長い、もっとまとめて、無駄な部分は省く
ご住職が亡くなって寺を閉めることになった時
みんなで例の写真を探したが、見つからなかった。完
ここで終わればいいと思う
第九話 まぬがれる人 ○
叔母が何県に住んでるのか書いて欲しい
震災で死んだのは福島県の人
東京はほとんど死者が出なかった
だから東京に行ってたら死んでいたかもというのは
おかしい
第十話 人形を供養している神社 ○
公園内に神社があるかないかは、地元の人なら分かるはず
ないはずの神社をあると言い張って
その写真を投稿し続けるTという人物・・・
こういう設定にすれば少しは怖くなるかも
第十一話 時短肝試し ○
語り部に怖がらせる気がないのが怖いw
単発偽装までして評論家ごっこ?
第十二話 扉 ○○
オバケに誘拐されたはずの隣のご主人は
次の日、元気に会社へ出掛けた
でも会社で急に亡くなってしまった‥‥
こういうふうにすると怪談らしくなる
第十三話 一生の宝物 ○○
感動系の怪談。タイトルから感動系かなと予測できてしまうので
「痛み」とかのほうが良かったのでは
“2回ダブる”に違和感を覚えない奴が評論家気取りとはおこがましい
ま、キチガイだからw
かまって貰えてウヒウヒしてるだろ
第十四話 「赤いはんてん」○
稲川本で読んだ気もするが気のせいでしょう
遺体が最初、俯せだったのを誰が見てたの?
第十五話 夜警 ○○+
うまくまとまった怪談だと思います
407 :
本当にあった怖い名無し:2012/09/07(金) 20:33:02.09 ID:gygOxFsV0
第16話 幸福の時計 ○
タイトルは時計だけでよい
これから良いことが起きるのだなと
読み手にバレてしまうから
第17話 『狐狗狸さん』 ○
Kちゃんが出て来ないことを
後になって気付くのは不自然
整合性を失なわないように語りましょう
第18話 ネコノメ ○
もっと猫に活躍して欲しかった
第19話 狐憑き ○
ネタ的には良し
語り部の母と伯父はキョウダイなのだから、母 から聞いた話にすれば読みやすい
>見てのとおり
読者からは見えない
>わたしの祖父であるこの父親は
なんか文章が変
第20話 ある悲しいお話 ○
タイトルからネタがバレてしまう
悲しいかどうかは読者が決めるモノ
アンクル、アーントという表現も変
百物語の寸評か、自分も後日やってみよう(今は忙しくて100話全部読んでられない)
やっぱ終わって評価何もなしじゃ愛想がないよね
第21話 山の塚 ○○
ネタは良し
誰が車を運転してたのかが抜けている
語り部、A君、カップルの4人で充分。5人は必要なし。
>>413 うん、でも自分のブログでやってくれる?
このスレがもったいないから
ここに書くよ
第22話 A姉妹 ○
変態デブ女が 家に入り込んで
どう大変だったのか書いて欲しい
第23話 七夕祭りの噂 ○+
雨が降らないだけでなぜ事故が続くのか?
何かの祟りで事故が続いたという風にして欲しい
毎度毎度見てて思うが指摘が的外れ過ぎる
第24話 実習先の病院の話 ○○
文章が上手いので読みやすい
次は三人称で書いてみよう
第25話 ハブがきた ○+
文章は上手い
霊的なハブは煙草が苦手とは初耳である
普通は、盛り塩かお札
やっと25話まで 終わたぁ タマランノウ (*≧∇≦)y─┛~~~~
気持ち悪い
オカ板は精神歪んでるの多いな
第26話 カツラ ○○
うまくまとめてあって良し
カツラの正体が謎のままなのも良し
評価してる人、コテハンつけてよ。
こいつ、田中だったら面白いのにな
第27話 体験談のその後 ○
怪談じゃなくて、レポートになってる
第28話 受付嬢の話 ○○
いまでも入れ替わりは続いているというのは
サービスのし過ぎ
第29話 黒猫 ○○
あの猫は俺を助けてくれたのかな?
A君がそう思った瞬間
「ちっ・・・ 」
猫が去って行った暗闇から、舌打ちのような音が響いたそうです。完
こっちのほうが良さげですよ
第30話 池畔の電話ボックス ○○
お前は稲川淳二かッ!w
お前は一日中やってるのかッ!
田中ww
第30 話 父と母と苦笑い ○○+
タイトルは苦笑いだけでよい
短くて 読みやすく感動的
(⌒0⌒) えぇ話やなぁ~
第32話 もしもしさん ○○
> 最近・・・ この話も、そういう携帯怪談のうちの1つ。
この部分は省く
>もしもしさんて、誰だろう
誰かは読者の想像に任せる、よってこの部分も省く
第33話 異音 ○+
死んで数ヶ月後にお別れの挨拶にくるとは
のんびり屋さんの霊ですねw
第34 三途の川 ○
なんの川かは読者の想像に任せる
よって最後の文は省く
第35話 生霊 ○○
幽霊は呼吸しないので、息づかいで女性だと解るのは
不自然
第36話 揺れる光 ○○
本当に体験した感がして良かとです
第37話 紫煙 ○○+
お前は落語家かっ!
第38話 登山したときの話 ○+
友人から聞いた話ではなく、自分が体験した話として語ったほうが怖さが増すと思われる
第39話 図書館 ○
三階の天井から中一階にかけてぶら下がる巨大な照明なんてあるのかな?
そんな危険な照明器具を放置してる図書館が怖い
休日の午前中に図書館にくる子供もいるのでは?だって休日なんだから
君は粗探しのプロですね
こいつ浣腸とかいうやつじゃね
第40 笑わないホステス ○
幽霊が生身の人間と同じように喋り、名刺まで置いていくというのは、超弩級のネタだが
文章力がそれに追い付いてない
ただの説明のようになってしまっている
だから怖くない
文章力ww
まったく毎日笑わせやがるぜこいつは
以降、お前浣腸な
第41話 地震 ○+
怪談というより都市伝説ですね
第42話 『夏の病』○+
「夏というのは不思議なもので‥‥‥、そんな話をさせていただきたいと思う」ここまで省略する。
俺が 小学生の時の話。
梅雨が明けて、気温の変化の激しい時期に、俺は高熱で倒れ病院に入院することになった ‥‥
このように始めればよいと思われる
第42話 守られている家 ○+
わたしが子供のころ住んでいた家 は‥‥‥
で始めればよし、余分な部分は省く
もう少し不思議な事件を混ぜて欲しい
第44話 古書にある不明な一節 ○○
不気味で良し
第45話 百物語の途中でお菓子を買いに行きたることの怪 ○
何度も書いてる通り、これは説明であって怪談ではない
オバケに遭遇した時の場面を、現在進行形で生々しく書くと怪談になるよ
コンビニへお菓子を買いに行きたることの怪【改】
百物語の途中ですが お菓子が食べたくなり ちょっとコンビニに行ってきました
コンビ二は自宅のすぐそばにあるんです。帰って来る時に、周囲から微かに リコーダーの音が聞こえてき たのです。
昼間なら 子供が練習しているのか な?とも思えるんだけど こんな時間に練習って変だなと思いました
一体 誰が吹いてるんだろう?
そう思った瞬間、わたしの後ろからリコーダーの音が聞こえるんです 。
ゆっくり振り返ると、白くて細長い笛のようなものが闇の中に浮かんでました
ダッシュで自宅まで帰って来ました
ほんの10分前の出来事です 終わり
第46話 気配 ○
もう少し怖い要素を混ぜて欲しい
第47話 送り行列 ○+
最後の解説は不要
読者の想像に任せたほうがよい
第48話 少女 ○+
語り部はスタジオ内で何の仕事をしてる人なのかを書いて欲しい
電車内で金縛りに合うというのは珍しいので、そこを強調すればいい
熊のヌイグルミを持ってないのに気付いたというのは、リアルで良し
第49 樹海 ○
ただの説明になってしまっている
第50話 別れの挨拶 ○○+
うまくまとめてあって良し
やっと半分終わったぞなもし
川゚д゚川y─┛~~
おつです
第51 話 真おいてけ掘
1話ぐらいこんな話が混ざっていても
息抜きになって良いでしょう
でも○はあげません
第52 父実家 ○○
第53 旅行○+
どちらも前書きが長い
怖くない部分はサラッと書いて
怖い部分を丁寧に描写してほしい
第54話 深夜のドライブ○+
ベルトのバックルまで見えたというのは
リアルで良し
第55話 深夜のトイレ○+
何の仕事をしてるのか書いて欲しい
もう少し怖い要素を混ぜて欲しい
第56話 前に使っていた人は ○○
タイトルはリサイクルかシャツのほうがいい
話は上手くまとめてあって良し
第57話 ノック ○+
文章がまとまっていて 読みやすいです
もう少し怖い要素を混ぜて欲しい
第58話 イメージ ○
ただの説明になってしまっている
第59話 太陽に似た何か ○○
本当に体験した感じがして良し
第60話 置いていかないでくれよ ○○
タイトルが不気味で良し
>男性の声がしたそうです。完
ここで終わったほうがいい感じ
あと40話か‥‥
頑張れ俺
(;´Д`)y─┛~~
第61話 夏休み ○
くだけた話言葉で書かれると、怖さが半減してしまう
話言葉や喋り言葉は怪談には向いていないのです
怨 彡△ミ 怨
(ΦдΦ)
(⊃ ⊃
∠ ノ
第62話 逆夢 ○+
前フリが長い
ラストに落ちがあるのは良し
第63話 国道先の道 ○+
文章は読みやすい
もう少し怖い要素を混ぜて欲しい
第64話 修学旅行の例外 ○
タイトルは修学旅行だけで良い気がする
怪談というより説明になってしまっている
オバケに遭遇した様子を現在進行形の文章で書くと、怪談らしくなるよ
第65話 『突堤の女』○+
> 目の部分に眼球が見当たらず、大きな黒い穴がぽっかりと空いている。
ただの説明になっている
女の顔に目は なかった。大きな黒い 穴が2つ空いているのみ。
> 同時に、おかしな事にも気がついてしまった。
女の存在自体がオカシイのであるから、この部分は省く
ダルマさんが転んだのように、徐々に女が迫ってくるのは怖くて良し
第66話 穴 ○+
まとまっていて読みやすい
斬新さが欲しい
第67 空き家の落書き ○○+
ラストがコワイ
第68話 泣き石 ○
怖い要素をもう少し混ぜて欲しい
第69話 火の玉の正体 ○
怪談じゃなくて科学分析になってしまっている
第70話 エレベーター ○
幼児が1人でエレベーターに乗るのは不自然
一般のエレベーター から霊安室には行けません
リアリティーを大切に
第71話 無題 ○
タイトルは例えば「座っていたモノ 」とかが良さげ
今思い出しても吐き気が←現在
当時はしばらく眠れ流れた←オバケをみたすぐ後
そいつは跳ねて四つん這い←オバケを見た瞬間
時系列がバラバラです
時間の流れにそって語りましょう
第72話 縁側の足音 ○
あんまり怖くないけど
実際に体験した感じがして良し
第73話 転ばし ○+
ラストが怖くて良し
第74話 コタツひっぱり ○+
タイトルが可愛くて良し
引っ張られると足がコタツの外に出てしまうはずが
奥の空間へとどんどん引きづり込まれていった‥‥というふうにすれば怖くなる
第75 話 作業服の男○+
>入り込んできたそうな
日本昔話になっている
第76話 銃創 ○○+
読みやすくて 不思議な話
第77話 見えない ○+
風景描写は丁寧だが、オバケと遭遇した場面がただの 説明になってしまっている
怖がらせようという気持ちが空回りしている感じ
第78話 あれは何だったのか ○○+
不気味な感じがよく出ていて良し
「○」をNGワードにすればいいのか
第79 触ると死ぬ石 ○
後半が ただの説明になっている
第80話 彼は死にました ○○+
不気味で怖い
第81話 三つ網の彼女 ○
怪談ではなく説明になってしまっている
オバケと遭遇した場面を、現在進行形の文やセリフで描写すると怪談になるよ
第82霊感 ○
水溜まりに映った霊をどんなふうに見たのかを
リアルに語ってくれたほうが怖くなると思う
第83話 赤い印 ○
8月12日は、何か事件が起こったの?
第84話 夢か真か ○
文章は読みやすい
でも怖くない
第85話 桜公園のトイレ ○+
夜1人で山裾にある公園に行く度胸が凄い
第86話 雲 ○
数年後じゃなく、3日後ぐらいに気付いて欲しい
第87話 祖父にもらった時計 ○+
読みやすく、少し感動する
生々しい描写が一ヵ所ぐらい欲しかった
第88話 デジャブ ○
どんなふうに元に戻るのかを
生々しく描写してほしい
498 :
本当にあった怖い名無し:2012/09/19(水) 21:59:42.34 ID:SdjkAbCE0
お疲れ様です
できればベスト3の発表もお願いします
第89話 動画 ○○
怖い
第90話 ○○
話言葉は怪談には向いてないのだが
この語り部は文章が上手い
スラスラ読めて情景が頭に浮かんでくるようだ
あと残り10話だぁ〜
。 。゜
゜ (゜ ´△`゜ )っ゜
(つ /
| (⌒)
し⌒
...ウワァァァァン
ヾ(*´∀`*)ノキャッキャッ○2個貰えたw
第91話 職業病 ○○+
文章が読みやすい
擬音とセリフ回しが適度に入ってる
第92話 猫 ○○
全然怖くないけど
何気に感動する
第93話 魚影 ○○+
ラストがとびきり怖い
怪談としてはまさに理想的ともいえるオチ
第94話 不幸の気配 ○
なんの事件も起きてないのに
恐怖に震えるお兄さんが怖い
第95話 『うちのお袋様の話』○○
普通はお袋とか母親がと書くところを、「お袋様」と書いてある
最初からフザケタ態度である
> ……火の玉見たんかい。
漫才師のようなツッコミ
>なんか期待してたのとは違う。
漫才師・笑い飯が流行らせたギャグ
語り部は吉本興行の影響を受け過ぎである
怪談で一番多い話は、当然怖い話です
次が不思議な話、 三番目が感動する話
そして最も数が少ない希少ともいえるのが、読み終わった後、クスッと笑ってしまうお笑い系の話です
この語り部には、貴重な お笑い系の怪談を保護するという意味で
今後の活躍に期待します
第96話 みじかなところ ○○
集団は通り過ぎていきました。完
こういうふうに終わったほうが
不気味で良さげですよ
第97話 稚児守り様 ○○
十数年後だと物語が間延びしてしまうので、1週間後ぐらいにして欲しい
第98話 友人の体験談○
太鼓の音に追いかけられた話のほうが
気になる
第99話 竹藪 ○○
話言葉で書くと怖さが半減するというデメリットがあるのですが
この話は読みやすく、それなりに怖い
この語り部はおそらく、どんな文体でも書ける人なのでしょう
視える人ならぬ、書ける人
いよいよ100話だ
♪∧,,∧
♪∧,,∧・ ω・)
∧,,∧・ ω・) )っ
(・ ω・) )っ__フ
(っ )っ__フ(_/彡
( __フ(_/彡
(_/彡♪
長い長い暇潰しだったなぁ
川゚д゚川y─┛~~
第100話 山の老人 ○
これも怪談というより、ただの説明になってしまっている
いつ、どこで、誰が何をしたかを簡潔に説明した後
オバケと遭遇した場面を、現在進行形の文章と、擬音や登場人物のセリフを混ぜて、リアルに描写する
そしてラストは謎のまま放置して、読者の想像に任せます
あれは猫の恩返しだったのでしょうかとか、A 君が死んだのはあの石を触ったせいだとかいう
余計な解説はしないで放置します
この「山の老人」では、謎の老人にもっと不思議な能力を見せて欲しかった
それではワタクシ田中星人の独断と偏見に基づきまして
各賞の発表を行います
最も多くの話を投稿された【お憑かれ様賞】は 憂莉 ◆BPe4rMCg8kさんに決定しました
魔( ̄○ ̄)め( ̄◇ ̄)で( ̄△ ̄)と( ̄0 ̄)う( ̄ー ̄)
憂莉 ◆BPe4rMCg8kさんには、墓場で拾ったムーの最新号をお憑けします
んなもん持って帰ってくんなよw
文章の上手かった人に贈られる
【文章う魔いで賞】は
第99話 竹藪の投稿者
ユウ ◆pK2t4W3twQさんに決定しました
\(∇⌒\)☆魔☆メ☆デ☆ト☆ウ☆(/⌒∇)/
ユウ ◆pK2t4W3twQさんには、天狗の羽で作ったGペンをお憑けします
さらに文章にみ餓鬼をかけてくださいね
これぞ怪談ッ!優秀作品賞の発表です
第3話:引っ越し:憂莉 ◆BPe4rMCg8kさん
第7話 :しっかり者の祖母 :雷鳥一号 ◆zE.wmw4nYQさん
13話 :一生の宝物 :三年目の朝顔 ◆6.QkgMwzsUさん
第 15話:夜警:雷鳥一号 ◆zE.wmw4nYQさん
第26話:カツラ:雷鳥一号 ◆zE.wmw4nYQさん
第28話:受付嬢の話:コッソリ ◆.PiLQRq.0A さん
第31話:父と母と苦笑い:メタルスライム ◆LuWpVnhAYsさん
第50話:別れの挨拶:かぐら ◆Ccp.OZqu04w2 さん
第60話:置いていかないでくれよ :ネヴィル ◆5SharF2siA さん
第76話:銃創:雷鳥一号 ◆zE.wmw4nYQ さん
第78話:あれは何だったのか: ダメレオン ◆aKQ2SJ2lbMさん
第 91話:職業病:KMT ◆nqnJikEPbM.8さん
オメット♪ヽ(・∀・ヽ)(ノ・∀・)ノ オメット♪
皆様にはスポーツの秋にぴったり
子泣き爺さん型 リュックサックをお憑けします
わたくし田中星人が個人的に好きな作品に贈られます田中賞の発表です
田中賞は‥‥
第 32話:もしもしさん:秋鳥 .5oo ◆X0TyCiさん
第44話:古書にある不明な一節 :木乃伊 さん
第 74話 :こたつひっぱり:K子◆100tu2tQBIさん
△△△オメデ島△△△ △△△オメデ島△△△ △△△オメデ島△△△
三名様には人霊 と動物霊を適当に身繕ったやつをお憑けします
2012年8月18日2ちゃんねる百物語
最恐賞の発表です
最恐第3位は‥‥
第80話:彼は死にました:ガータロー ◆l7Mb16VB82さんに決定いたしました
(´∀`ノノ'`゚チ'`゚チ (≧o≦)ノ~''オメデトでちゅ♪ オメデト(・Θ・)ピヨピヨ♪
ガータローさんには子孫7代まで有効の呪い地蔵をお憑けします
最恐賞第2位は
第93話:怪魚の魚影:りほ ◆aZ4fR7hJwMさん に決定いたしました
才乂〒~├ゥ♪(=`(●●)´=)ノ
ヾ(*~∀~*)ゞ オメデトォー
りほさんには恐怖新聞無料購読券を1年分プレゼントします
さていよいよ第1位の発表です
最恐賞第1位は‥‥
第 67話 :実家の落書き:キツネ ◆8yYI5eodysさん に決定いたしました
★⌒☆⌒★〓☆ 祝 ☆〓★⌒☆⌒★ ★⌒☆⌒★〓☆ 祝 ☆〓★⌒☆⌒★ ★⌒☆⌒★〓☆ 祝 ☆〓★⌒☆⌒★
キツネ様には六道輪廻巡礼の旅のチケットをペアでプレゼントします
後ろに憑いている白い着物を着た彼女さんと、ご旅行をお楽しみください
すべての語り部の皆さん
ありがとうございました
次回のご参加をお待ちしております
運営の皆様、お憑れ様でした
そしてありがとうございました
サンキュゥコーラス サン!ハイ!|。・ω・)ノ (・∀・(・∀・(・∀・*)サーンキュー♪
優秀賞に雷鳥1号さんの怪談が4本も選ばれてる
優秀な語り部なんだね
次回もぜひ参加して欲しい
批評が思ったより優しくて拍子抜けしたよ!
嘘です。自分が何言われるのかドキドキしてましたww精進します
定期的にやれるように話がまとまるといいな。皆さんの怖い話もっと聞きたい
怪談の書き方
@いつどこで誰が何をしたかを手短に書く
Aオバケとの遭遇
現在進行形の文章とセリフと擬音を混ぜて、リアルに描写する
これに失敗すると、ただの説明文になってしまう
Bオバケの解明はしない。 読者の想像に任せる
新耳袋や稲川本をまず模写する
模写しまくって基礎の文章を体得するべし
いまになって100話全部読んだよ〜
寸評の寸評になるが、前の評者はラストにひねりを入れたショートショート風の物が好きみたいだが
俺はそういうのはあざとい感じるので あまり評価しない
あと、オバケと遭遇した時
>現在進行形の文章とセリフと擬音を混ぜて、リアルに描写する ←これは逆に萎えるな
2ちゃんねるからは「猿夢」や「はじめてのかていか」といった名作怪談が生まれた歴史があるのです
伝説になるような怪談を作りたいもんですね
これは私が体験したことです←一人称
これは山田さんから聞いた話です←三人称
一人称で書いたほうが怖いネタなのか、三人称で書いたほうが怖くなるのか
まず考える
厳密にはその文章はどちらも一人称だがな
後に続く文章の人称は別れるが
>>528 猿夢は阿刀田高が原作じゃなかったっけ?
>>531 違います
名無しの2ちゃんねらーの作品です
ログも残ってるよ
怖がらせるポイントは主に4つ
@視覚で怖がらせる
A聴覚で怖がらせる
B臭い、味覚で怖がらせる
C感触で怖がらせる
大賞の「実家の落書き」は@ですね
二番煎じだけど、おれも全話を読んだので評価しま〜す
自分も書き手として当日参加してたのだけどまだまだ要修行だったね
以下がベスト3+次点(評価が5段階中3を超えたのがこの4つしかなかったのだ)
第一位 第 12話:扉 :何でも ◆3/OAb1.6.2 さん
《評:4》「怪異が段々と近づいてくる」という話だが、時間を段々ずらして行くというのは新しい、意味不明さも含めて今回で一番怖い
第二位 第 80話:彼は死にました :ガータロー ◆l7Mb16VB82 さん
《評:3》自分でなく叔父の話としたのは効果的、身近な人が死んで変な人に予告されるという怖くも不思議な雰囲気が上手く出ている
第三位 第 16話:幸運の時計 :何でも ◆3/OAb1.6.2 さん
《評:3》最後が秀逸、5分の遅れがまた幸運を呼ぶのか逆の不幸を呼ぶのかは不明なところがいい、幸運の時計というネーミングもいい
次点 第 76話:銃創 :雷鳥一号 ◆zE.wmw4nYQ さん
《評:3》不思議系のいい話、実は自分も似たような体験があるので妙なリアリティを感じてしまう、話のまとめ方もうまい
「幸福の時計」は、「時計」や「遅れる」というタイトルのほうがよかった気がする
ネタバレせず、読者にオヤッ?と思わせるタイトルが理想だと思う
「もしもしさん」や 「こたつひっぱり」はタイトルの付け方が上手い
怪談の中でも希少なのが
味覚で怖がらせる話
味で怖がらせる怪談なんて
ほとんど読んだことない
怪談に分類していいのか迷うがウミガメのスープなんかはその類だと思う
538 :
本当にあった怖い名無し:2012/10/03(水) 22:01:10.03 ID:/d8Cccx20
同じくウミガメのスープが浮かんだw
海亀汁は怪談というかサスペンス的な怖さだよな
臭いで怖がらせる時の定番が
腐ったゆで玉子のような臭いw
稲川御大いわく「死神の臭いはじめついて焦げ付いた、酸っぱっぽい様な臭い」らしい
イミフwwwwwww
来年の夏も百物語やるの?
543 :
本当にあった怖い名無し:2012/10/16(火) 20:16:39.33 ID:YlCYHCZN0
やるよ
544 :
本当にあった怖い名無し:2012/10/18(木) 01:36:53.02 ID:IOMzc5a30
雷鳥の話のどこが恐いんだ???
身内贔屓の自画自賛乙
545 :
本当にあった怖い名無し:2012/10/18(木) 02:12:51.51 ID:IOMzc5a30
上位作品の評価
『空き家の落書き』
長いだけw読み手の事を考えないで、ぐだぐだと説明するから
文章に重みがなくて読む気が失せ、全然恐いくない糞話すぎw
一レスの殆どに何の展開もなく自分語りに使うとか馬鹿じゃね?死ね
「怪魚の魚影」
だから何?って感じ
これの恐い要素って何だよアホか、大きな魚影が恐かっただけの
こんなの糞話で語るな低脳は死ねや!!ばーか
「彼は死にました」
ほん恐いのパクリwww消えろ
546 :
本当にあった怖い名無し:2012/10/18(木) 02:26:27.10 ID:IOMzc5a30
全然恐いくない×
全然恐くない○
糞野郎田中は優秀作品にあがっている奴の中で、どれがお前が投稿したやつなんだ?wwwww
糞みたい駄文のオンパレードを、自画自賛している馬鹿どもは消えろ。
こんな糞話を読ませやがって、100話も読んだ時間を返せや!!
語り部()どもは、人を唸らせるもっとマシなネタ書いてからゴリ押ししてね。下手糞
オレの評価
最恐賞第1位 該当者なし
最恐賞第2位 該当者なし
最恐第3位 該当者なし
糞話でつまらなかった賞 1〜100話
私は今年はじめて百物語に参加した者です。
『幽』怪談実話コンテストに入選したり、いくつかの怪談本にも寄稿した事があります。
参加した当日は運営の方の努力もあり、とても楽しかったのですが
その後の書き込みを見て、とても残念に思いました。
批判される事や評価されない事などは、なれているので納得できます。
しかし馴れ合いか自演かは知りませんが、寸評で他人の話をダシにコケ落として
懇意的に一部の人を持ち上げる事に使われる為に、私は百物語に参加した訳ではありません。
その様な幼稚で未熟な事をする人達がいるのなら私は二度と、ここの百物語には参加しません。
最後に生意気な事を言わせていただきますが、評価される怪談とはあざとい事をしないでも
人々に求められ伝播して行くものです。
ここで哀れなボス猿を気取り与太話を推して朽ちていくのが貴方の限界なのでしょう。
貴方があの晩に語った百物語が人々に恐れられ語り継がれる怪談として広まる事など
絶対に無いと私の命を賭けても断言できます。
それではさようなら、もう二度と来ません。
2chで変な事するヤツを止められるわけないのだから、気にしたってしゃーない
まぁ二度と来ないっつってるんだから何言ったって本人に届かないだろうけど
「評価されるなんて、もう二度と参加しません」っていちいち書いてくの
後味悪くさせて「そうだよねー、私も次は参加しないでおこうかな…」などという
雰囲気を作りたい、それこそ一連の評価者(笑)の自演にも見えるから
やめといたほうがいい
つっても二度と来ないなら見ないだろうけど
寸評なしじゃ寂しいし、スレッドの空きが勿体ない
寸評を参考に更なるレベルアップをはかればいいんじゃないの
運動会の徒競走で順位をつけるのが可哀想といって、みんなで手を繋いで同着にするというのが、問題になった
人間は競争することで能力を伸ばす動物なんだよ
よって百物語にも順位を着けるのが宿命なのです
>>544 自分の話が賞から漏れたからといって
嫉妬するなよ
たかが暇潰しなんだから
そう熱くなんなよ
伊達と酔狂が足りん
住民が殺伐として怖いってオチか。
百物語の批評家様方が
「お手本としての番外編」をこの後投下してくれるという
かつてない展開をお楽しみください。
田中とかいうキチガイが勝手につけた寸評なんだから、気にしなくていいだろ
自分の寸評を書けばいいんだよ
寸評で気分を害している人は
厨房が仲間内でいきがっている様子を想像すれば
優しい気持ちになれるよ
あとツンデレ変換もお役立ちスキルだ
見本 【鐘の音】
わたしが小学生のとき。日が暮れてきたので、遊んでいた友達と別れて家路へ向かっていました。
お寺の横を通ると「ぼ〜ん」という鐘を突く音がしました。
別れた友達が後ろから走ってきました。
「いまの鐘の音、びょ〜んって聞こえたか?」とわたしに尋ねてきました。
「いや、ぼ〜んと聞こえたけど」わたしは答えました。【完】
>>557 それ、意味が分かると怖いね
後から効いてくる
ガクガク (((;゚д゚;))) ブルブル
スレが上がったわけでもないのに固まった時間帯に書き込みが沸いてきててワラタw
>>557 どういう意味?
聞こえ方が違う所がポイントなの?
別れた友達が鐘の音の確認のためにやってくるのが…
わたしの実家には小さい裏庭がありました。朝方、その庭を見ると小さな裂け目が入っていました。
きのう、地震でもあったかなと不思議に思いました。
次の日、その亀裂が伸びていました
このままだと外の道路に出てしまう
心配になったので役所に電話したのですが
何にもしてくれませんでした
564 :
本当にあった怖い名無し:2012/11/13(火) 22:25:16.76 ID:Ljc9lKhY0
そんなある日、亀裂から
さらに亀裂が走り
とうとう道路にまで伸びてしまいました
これは危ない
わたしは思いました
もう一度役所に電話をかけることにしたのです
566 :
本当にあった怖い名無し:2012/11/17(土) 23:39:28.41 ID:IncQNdBZ0
「もしもし、ことばおじさんですか?日本語が大変です!」
やはり役所は何もしてくれませんでした。
亀裂は道路をどんどん裂いていったのです。
568 :
本当にあった怖い名無し:2012/11/26(月) 22:37:46.87 ID:GvRtisSX0
そんなある日、亀裂から
さらに亀裂が走り
亀裂はどんどん伸びていきました
どこまでも、どこまでも‥‥‥
際限がないなあと思ったその時です!
572 :
本当にあった怖い名無し:2012/11/27(火) 23:59:46.28 ID:pO4T6YIu0
ドカーン!
母からの電話です
間違え電話でした
一時間後、今度は本当に母から電話があった
なんと母の住む街まで亀裂が伸びてきたというのだ
576 :
本当にあった怖い名無し:2012/12/02(日) 00:35:44.11 ID:ofgqNSgb0
abeか津工務店さん の マンション工事さすがです^^
工期8月31日までで未だに工事してる。
8月にお宅のさまざまな原因でノイローゼにされて
8月過ぎてるのに、用頼むのだけはやめてください。
用やらないからと逆ぎれするのだけはやめて。
亀裂以外の誤爆があったことはまた別のお話
亀裂を見た母は、その日以来失踪してしまいました。
父は母を捜すため亀裂内に降りて行きました。
「な・・なんだ、これは・・?!」
父は二度と地上には戻ってきませんでした。わたしは両親を一度に失ってしまったのです。
これもすべてあの謎の亀裂のせいです。
憎いッ!わたしは亀裂が憎いッ!
つまんね
まさか来年の夏までスレ持たせるつもりか?
もうこうなったらどこまでいけるかやってみよう
おうよ
亀裂はどこまで伸びるのだろう
みんながその話題に熱中し始めたのだった
両親の居ない自宅はガランとしていた
テレビの朝のニュースをボーと見ていた、ただボーと。
玄関のチャイムが鳴った
ドアを開けると豚がいた
人間のように二足で立っていたのだ
「おはようございます。鈴木さん。わたしは黄金の片栗粉団から参りました豚という者です 」
豚は勝手に自己紹介を始めた
あんたは宇宙人なんですか?
「いえ、わたしは地球生まれの豚です。
勿論、食用の豚とは違いますけどね」
二足で立ち上がってる豚は、伸長が二メートル30センチを有に超えていた
いわば巨人
で、豚さん。わたしに何か用があるのですか?
豚の機嫌を損ねないように愛想よく尋ねた
「はい、訪問したのは例の亀裂の件について、あなたとイロイロ話し合いたいと思いましてね」
とにかく中へ入ってください
わたしは豚を部屋へ招き入れた。
587 :
本当にあった怖い名無し:2012/12/12(水) 23:05:09.03 ID:V7x0KL9J0
「ブヒーッ!」
豚が鳴いた
いや、わたしが泣いたのだ
いや、いや、全米が泣いたのだ
ブヒー、豚がないた
いや、わたしがないたのだ
いや、いや、全米が泣いたのだ‥‥
テレビでつまらない、豚を題材にしたコントが放送中だった
わたしは慌ててテレビの電源を切った
人語を操るこの豚が本気になれば
あっという間にわたしは撲殺されてしまうだろう
この謎の豚は、わたしにとってドラエモンになるかもしれない
などと虫のよいことを考えてしまった
豚に便利な道具を出してもらって
イロイロと楽しむ
はたまた、豚と一緒に冒険の旅に出る
どっちにしても今までのクソッたれた日常とはオサラバできる
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本当にあった怖い名無し:
奇妙亀裂男って