ほんのりと怖い話スレ その86

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953本当にあった怖い名無し
ありがとうございます。
ではかき終わりましたので投下

もう10年以上前の話。
今道民なんですが、仕事で中部地方の某県1年間程転勤に行ってた時の出来事。

ガキの頃から霊体験の類とは無縁な人生をおくってきていたんで、これを経験するまで霊の類を
全く信じてなかったんですよね。

社宅に空きが無かったことと(既婚・子持ち優先だったし)、自分が独身で広い部屋が必要なかった
ことと、とにかく物欲が大きくて生活費をケチりたいので、会社への距離と家賃の安さだけで選んだ部屋
に住んでました。この板の住人なら容易に想像つくとは思いますが、案の定安い物件には安いだけの理由
があったんですよね・・・。でも最初に書いたとおり、これまで何一つそれらしい経験をしたことが無かった
自分にとっては、ただのラッキーでしかなかったわけです。

入居から2週間後以降、不定期に月1・2回のペースで金縛りに遭うようになったんだけど、金縛りになる
だけで、なんか見えたり聞こえたりするわけじゃなかったんで「あー、疲れてんだなー」くらいにしか思って
ませんでした。

入居してから半年過ぎ、10月下旬だっただんですが、ちょっと酷い目に遭って自棄酒飲んで帰宅。
自分はこの地方に長居するわけではないので、友人は作っても彼女は作らない方がいいだろうと思って
たんですが、些細な誤解で社内で散々嫌な目に遭い、仕事も早々に切り上げて飲みに行き、帰宅後のこと。

全てがどうでもよくて、あと半年近くこの職場で仕事をするのが嫌で嫌でたまらなく、ぶつけようの無い
怒りで部屋に帰ってからも関係者一同の悪口、文句を連呼していたんですが、そのうちなんだか悲しくなり、
スーツ姿のまま部屋の角にへたり込んで一人で泣いてました。
954本当にあった怖い名無し:2012/08/06(月) 23:56:46.60 ID:T4BRpJwh0
家に帰った時間からして、おそらく夜中の2時頃、なんとそこに例の金縛りです。
ベッド以外での金縛りは初めてでびっくりしました。同時にこんな体勢で金縛りに遭う=ただ疲れてるだけじゃ
ない、と瞬時に考えが切り替わり、無性に腹が立ってきました。
自分が何をしたというのか?自分に何の恨みがあるのか?何もこんなときにじゃなくてもいいだろう?
とふつふつと怒りがわいてきました。
部屋の角を背にしてへたり込んでいたのですが、誰へともなく部屋の中に向かって悪態の限りをつくこと数分
それはついに現れました。青白い半透明な着物姿の女性。なにやら着衣乱れ気味、長い前髪の隙間からかすかに見える目は、こっちに向かって憎悪の表情をむけている。
流石にびっくりしましたが、酷い目にあった自棄酒の直後で、怒りと悲しみの両方MAX状態。
「俺がにくいか?俺が悪いのか?じゃあ俺を殺せよ!連れて行け!あんなとこ(会社)行かなくて済むなら
なんだってしてやるわ!お前もそんな目で俺を睨むほど憎いなら俺を殺せ!あの世に連れてってくれるなら
願ったりかなったりだクソが!!」
と怒鳴りつけ、一息ついてから相手の目を直視しながら「俺一人あの世に連れてって成仏できるなら好きにして良いぞ?一緒に行ってやっから、あの世行くべ?俺もう疲れたから連れてっていいから」とソレに向けて力なく
言い放ち、どうにでもなれと全身の力を抜くと同時に部屋の空気?雰囲気が少し変わった気がしました。
頭をたれて項垂れる姿勢になっていたので、見えないはずのソレの顔が憎悪の表情から(´・ω・`)こんな
かんじのショボンな表情に変わったように感じました。
「オバケのくせになさけねえ、仕事しろ仕事」といいかけている最中、かすかに耳元で何かささやかれ、暖かい
感覚に包まれたまま意識が遠のいていきました。正直、「あ、これで俺死んだな」と思いました。
955本当にあった怖い名無し:2012/08/06(月) 23:59:51.62 ID:T4BRpJwh0
しばらくして、下半身を襲う強烈な快楽と脱力感に襲われ意識を取り戻すと、いつの間にか全裸に毛布をかけられた状態で、意識を失う前と同じ場所に座ったままでした。
意識がはっきりしても快感の余韻と脱力感は消えず・・・そして、なにやら男なら誰でも一度はかいだことがあるであろう異臭・・・
足を開いて膝を立てているその間の床に・・・どうみても精液です。本当にありがとうございました。
脱力感の正体はそのせいだとすぐに理解。なにしろ量が半端じゃない。日本酒ワンカップにいれたら四分の一
はいくんじゃないかという量。
げんなりしながら何とか起きだして掃除。
俺、女幽霊のセックスしたのか・・・?としばし呆然。
そういやスーツはどこ行ったかと思うと、普段ハンガーにかけるのみで、1度もたたんだことがないはず
なのに、きれいにたたんで置かれていました。
(正直、スーツの上着はたたみにくかったろうしたたまないでほしかったが・・・)
時計を見ると朝の5時。そのままシャワーを浴びてそのまま出勤準備開始。
その後、誤解も解け無事仕事をこなし、残りの半年も恙無く過ぎていきました。
あの時以来、一度も金縛りはありません。

あの時あの女性が現れた付近の床に、小さな花瓶を置いて常に花を飾っていましたが、その後引っ越すまで、あの半透明の女性を再び見ることはありませんでした。

引越しまえの最終日、花に加えて和菓子を少々と、あの時和服姿だったので、地元観光地のお土産やさんで購入
した櫛を置き、
「もう成仏されていらっしゃらないかもしれませんが、ご覧の通り、明日引っ越します」と報告してから就寝。
金縛りも夢精もありませんでしたが、朝起きると櫛がなくなっていました。
もし輪廻というものがあるのであれば、次の人生で幸せになってくれていると思いたいです。
956本当にあった怖い名無し:2012/08/07(火) 00:10:07.13 ID:j8zEl/5n0
すみません、初めての書き込みで内容どころか改行まで見づらい書き込みになってしまいました。
これにて失礼いたします。
ありがとうございました。