大阪最強心霊スポット part32

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886本当にあった怖い名無し
なるほど・・・侮れない。
強力な護符をたった一晩で無効化する負霊圧。お師匠様が僕の二倍以上の霊能力があると評価した
上級霊媒師を返り討ちにした禍々しい「何か」。
そう言えば、玄関の背の高い女を見た時に「これは荷物が一瞬そう見えただけや」と落ち着いて二度見したにも
拘らず背の高い女が目の前に立っていた。負霊圧場では一瞬「それら」が見えることはある。
しかし間を置いて二度見しても「それら」が在ることは無い。

護符が無効化されたのも上級霊媒師が自殺したのも水晶にひびが入ったのも、そして二度見しても
まだそこに「それら」が存在していたことも全て初めてだ。今回のケースは、僕にとって未踏の地である。
首吊り屋敷を後にする時に背の高い女が「そんな事を・・・しても・・・無駄・・・」と僕に警告したのを思い出す。
背が高いくせに少しうつむいて長い黒髪から覗くように僕を見下ろしていた。
不敵な笑みを浮かべながら。

その笑みは挑戦的興奮とは無縁で、むしろ揺るぎない大地のような重厚な自信を有してた。
そう、だから僕はあの夜、彼女の警告が聞こえない演技をしたんだ。
僕はその事に気付いた。

僕は相談者からの電話を切ったらすぐに首吊り屋敷へ向かった。
結論から言うと、そこで僕は再び彼女の警告を受けることになる。
一度目よりも厳しく強い警告を。五寸釘をハンマーで四肢にガチンと打ちつけられるような冷たく無慈悲な警告を。

(続く)