大阪最強心霊スポット part32

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868本当にあった怖い名無し
霊能力者だけど、次スレは早めに立てた方がええやろうね。
本物の霊能力者のリアルが読めなくなるからね。

首吊り屋敷から家に帰るとお風呂に入って全身を清めてから床についた。
寝ていると無性に窓から飛び降りたくなった。だけど完全に眠っているわけじゃなく夢を見ているのではない。
浅い眠りの中で「俺は今窓から飛び降りたくなっているが、そんなことしたらあかん」と冷静さは失っていない。
飛び降りたらあかん、飛び降りたらあかん、と念じながら他のことを考えるようにした。
そうして夢を見て寝ようと試みて、それは成功した。

むかし海の見える旅館に泊まった時、一緒にいた女性と夜の海を眺めていた。
その安旅館は海のすぐ側に建てられていた。彼女には配偶者がいたので不倫理性を持った二人は、
人目につかないように遠くへ旅行することを選んだ。

夜の海を見ていると、なんというか飲み込まれそうになる。僕は理由もなくその旅館の窓から海に飛び込みたい
衝動に駆られた。その刹那、「ねえ、一緒に心中しよっか」と彼女が囁いた。
彼女は夫に日常的暴力を振るわれていた。夫はキックボクシングの心得もある体格の良い男だ。
彼女の話を聞くと、彼女に暴力を振う時にローキックで頭を落とした瞬間に顎へのアッパーを打つらしい。
こうすると足が死ぬ為にダメージを分散できないし、落ちた頭を突き上げることでカウンター効果も生まれ
ダメージを増幅できるからだ。
彼女の体型は普通の女性を少しスレンダーにした体型だ。こんな女性相手に上下のコンビネーションを使って
暴力を振う男もこの世界にはいるのである。
彼女からの心中のお誘いに対して、不思議なことにその時の僕は「それもいいな」と思ってしまった。
夜の海が持つ魔力である。

その時を彷彿させる夜だった。
翌朝目を覚まして何気なく小物入れを覗くと僕の水晶に微かなひびが入っていた。

(続く)