ほんのりと怖い話スレ その84

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994本当にあった怖い名無し
流れ切ってほんのり怖かった話

引っ越した当初から、変な部屋でした。
ドアには大量の引っ掻いたような傷、部屋の中は他と比べてとても綺麗に張替えられていました。
お風呂場も新品のバスタブ。
下見は知人がしていて、私は引っ越しの当日にその部屋を知りました。
が、何だかとっても気持ち悪い。一人暮らしなのに、誰かいるような気配やら、痕跡がある。
しまいには部屋のスイッチに血がついていたり、襖には濡れた手形(私より少し小さい)が現れたり。
なんかいると思いつつ、啜り泣く声と変な女の子が視界の端に見えるくらいで実害がなく、放置しておりました。
これが金縛りや病気になる、怪我をするなどだったら即、部屋を出ていましたがそれは無かったので。

三ヶ月くらい彼女(?)と同居し、いい加減慣れてきた頃に、夜中来訪者が現れました。
乱暴にチャイムが鳴らされ、ドアに向かうと何人かの姿が磨りガラス越しに見えました。
私「夜分になんでしょうか」
男「オマエ、あの女の兄弟か。○○だろ」
あいにく私には女兄弟どころか、肉親が居ません。正直に答えたところ、怒鳴られドアを蹴り飛ばされる始末。
男「嘘つくなっ! あの女どうした、答えろ」
私「知らない。引っ越してきたばかりだ」
怒鳴るばかりの男達なのですが、どうも訛りがある。某半島の方だと判断。
どうも前に部屋にいた女性と付き合っていた&金を貸していたから、部屋に来たらしい。だがしかし、話が変だった。
男「あの女の代わりにお前が○○万円出せ」
私「そんな義理はないです」
男「お前の部屋が女の部屋に住んでるのだから、代わりに払え」
意味がわからない。
私「通報します」
電話している間に、階段を駆け降りる音が聞こえました……。
通報し、翌日大家にも連絡を入れたところ、連中の探していた女性の行方もわかりました。
部屋でお亡くなりになりなっていたそうです、バスタブで。部屋での女の幻は彼女かも知れないと、人相を告げたところどんぴしゃり。
それを知らない連中は、私を彼女の親類だと信じ込んでいたようです。