ガチでゾンビが溢れたら皆どうするよ 29日目

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92 ◆JwKmRx0RHU
>>88
顔の血色と眼光から判断する限りでは、少なくともゾンビではない。

「怖がらないで。 俺の名前は、堺 雅人です。 どうぞよろしく」 軽く頭を下げる。
「わ、私は、原 幹恵と言います」 丁寧なお辞儀。
「良かったら、出て話しませんか」 堺は原の同意を確かめもせず踵を返し、厨房を出て硬直した。
大量のゾンビが彼の目の前に。
だが、それが見間違いであると直ぐに気付いた。
「お姉さん、大丈夫?」 その中の一人が、自分越しの原に呼び掛ける。
「うん。 大丈夫。 心配してくれて嬉しいけど、
 みんな出てきちゃ駄目でしょ。 これじゃ私だけで確かめに来た意味ないじゃないの」
今、気付いたのだが、目の前に居るのは全て学生で、たぶん中学生だろう。
表の駐車場に停まっている観光バスの乗客がこの子たちか。
学校行事の旅行先でゾンビ災害に巻き込まれ、ここまで逃れて来たと言う。
他に、川上 麻衣子と言う中年女性が、この施設で唯一の生き残りだそうだ。
堺も2週間ぶりに人間と会ったので動揺していたのだろ。
原の服装がバスガイドの制服であることに、今になって気付く。
93 ◆JwKmRx0RHU :2012/03/26(月) 10:58:59.16 ID:X7oJnQ8S0
>>92

http://spaspa.gnk.cc/20080505/20080505.htm

http://www.fuku-c.ed.jp/schoolhp/jhyokote/

福岡市立 横手中学2年B組の美少女が堺に屈託の無い笑顔を向けながら訊ねる。
「堺さんは、これからどうするつもりですか」
拳銃で、先約の彼らが管理していた食糧を奪えるほどに、堺のモラルは壊れていない。
「・・・。 取り敢えず、南に下ってみようと思ってる」
「お姉さん。 堺さんに一緒に来てもらうのはどうですか」 美少女が美女に乞う。
堺はこの展開になると予期していたが、この集団の中で成人は自分を含め3人なので、
唯一の男手となる自分に責任が圧し掛かるにしろ、
それを果たすことで食糧を得られるならば悪い条件ではないと考えた。
原は川上の方を見るが、川上も決め兼ねているようだ。
「あの、こんな事態で言うのも変なんだけど、堺さんはどんな仕事してたんですか」
利発そうな男子生徒が後ろから質問し、堺は彼に自分の名刺と運転免許証を見せた。
「システム・エンジニア、SEだ。 電力を失っては手も足も出ない」 堺は肩を竦める。
後に父親が弁護士だと知ることになるこの少年は、それらを確認してから返して発言を続ける。
「お姉さん。 川上さん。 僕も堺さんが同行してくれたら心強いし、毛利さんの意見に賛成」
毛利とはあの美少女の苗字だろう。
「急いで決めることはないよ。 俺も今晩は此処に泊まろうと思うし。
 それと、電気が止まった冷蔵庫の食糧をどうするのか決めた方がいい。 これは最優先事項だよ」

さっきの少年が、施設を案内すると言う。
94 ◆JwKmRx0RHU :2012/03/26(月) 11:05:37.57 ID:X7oJnQ8S0
>>92-93修正

丁寧なお辞儀。

丁寧なお辞儀を返す。


「良かったら、出て話しませんか」 堺は原の同意を確かめもせず踵を返し、厨房を出て硬直した。

「良かったら、出て話しませんか」 堺は原の同意を確かめもせず踵を返し、厨房を出ようとして硬直した。