ガチでゾンビが溢れたら皆どうするよ 29日目

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637 ◆JwKmRx0RHU
>>635
既にストレッチャーに拘束されてあるので、4階から持って来た物を通路に放棄し、無菌病室のをそのまま運ぶ。
「ありふれたゾンビだぞ?」 根井がふて腐れる。
「・・・なぃ」
「え?」 根井が女性2人の方を見る。
「ゾンビじゃなぃ・・・」
「えぇ!?」 声は下から聞こえて来ていた。
「しゃ、喋った! こ、このゾンビ! 喋ってるぞ!?」 須藤も驚く。
「だから、ゾンビじゃないんだってば。 この人は抗毒素を持ってるから死んでません」 上原が説明する。
「!!  す、凄ぇ・・・!」
「静かにしろッ」 田中が舌打ちする。
ストレッチャーをエレベーターに乗せてる間に、星が使わなかった予備弾倉を回収したがゾンビどもは食事に夢中だ。
「(こいつら、余程の刺激でもなければ食事を途中で切り上げたりしないんだな・・・)」 どうやら共通する特性らしい。
1階のゾンビ3体を無視して、5人は建物の外へと脱出した。
「おぃ皆! 凄ぇぞ! 抗血清の話は本当だ!」 須藤と根井が、ストレッチャーを皆の中央に押して行く。
しかし、皆の視線は検体には反応せず、田中へと注がれる。
「(なんだ? 星の死因について一悶着やらかそうとでも言うつもりか? どうせ誰も見てないんだ。 無駄なことを)」

バスの陰から見知らぬ男が現れた。
その腕の中には毛利さくらが捕らわれており、首筋にはブッシュナイフが当てられている。
救出成功に田中も気が緩んだのだろう。 横から釘打ち機で狙われてるのに気付いたのは、暫く後だった。