ガチでゾンビが溢れたら皆どうするよ 29日目

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469 ◆JwKmRx0RHU
>>405
手術台には、手術を途中で放棄されたまま喰われた人体が、両腕の無い上半身だけのゾンビになって蠢いている。

注射器、メス、各種鉗子、内視鏡、局所麻酔薬、呼び名すら知らない医療器具の数々・・・。
手錠を嵌められた両手で不自由そうに詰めていき、3人分のリュックがたちまち満杯になってしまった。
雉貝の手際は、自称だった医師の肩書きが事実であると確信するのには充分だろう。
「これ以上は入りませんね。 切り上げましょう」 雉貝が見切りを付けた。
工藤、佐藤、鈴木、雉貝の4人は、手術室を出て渡辺、村上、前田に合流する。

ここまでに使った通路は倒したゾンビが折り重なっており、それを踏み越えねばならない状態だ。
1階で前田が踵に噛みつかれたが、同様の事態が起きても何ら不自然ではない。
しかも、今もって向かってくるゾンビの数は20体を下らない。
「正面突破か!?」 ライフルを使っている渡辺が問う。
佐藤と鈴木が工藤を見るが、返事が無い。
「突破だッ」 佐藤が叫ぶ。
「分かったッ」 渡辺が返す。
「待て。 見ろッ エレベーターに電力が戻ってる。 あれで脱出だッ」 工藤が指差す。
「何!?」 3階の数字が点灯している。
地下に患者を運ぶ必要から、非常用発電でエレベーターが動く設計なのだろう。
「良し! みんな退くぞ!」 佐藤の声で全員がエレベーターに駆け出し、真っ先に着いた鈴木がボタンを押す。
「来い、来い、早くーーーっ」 エレベーターの数字を睨む調達担当の面々。
ゾンビの群れとの距離が詰まっていく。
470 ◆JwKmRx0RHU :2012/04/29(日) 01:29:35.12 ID:UtmNwB7p0
>>469
「待て。 見ろッ エレベーターに電力が戻ってる。 あれで脱出だッ」 工藤が指差す。

「あれ見てッ エレベーターに電力が戻ってる。 あれで脱出しようッ」 工藤が指差す。

ゾンビの群れとの距離が詰まっていく。
2階から1階へとエレベーターの位置表示が移る間も、渡辺の射撃は休まない。
工藤を100%の基準とすれば、概ね70%と言える命中率だろうか。
1体のゾンビに平均2発で、運が良ければ1発で倒せることもあるが、3発を要すことはないと言った感じ。
エレベーターまで後退した分だけ距離が開いたので、今の命中率はかなり低下している。
1階から地下へと位置表示の点灯が移動し、遂にミッションクリアまで手が届くところまで来れた。
エレベーターの到着音が鳴って扉が開く。


何かが視界を塞ぎ、天井が下へと流れて行く。
射撃している渡辺の両脇を村上や前田が銃を抱えながら走り抜けながら、渡辺に叫ぶ。
鈴木は、上体を起こしてエレベータに目をやり、凍りついた。

腕だ。

視界を埋め尽くす腕の壁。

エレベーター内のゾンビは、互いが譲らずに出ようとするのでせばまった出入り口に身体がつかえている。
上体を捻り、鈴木は這いずるように逃げ出して仲間を追い、渡辺が手招きしている扉に駆け込んだ。

http://megalodon.jp/2012-0429-0103-02/www.obihiro-kyokai-hsp.jp/about/floor/b1f.html

http://megalodon.jp/2012-0429-0107-03/www.yamatocity-mh.jp/about/map/floor_b1.html

7人の逃げ込んだ部屋が、霊安室だと気付くのに然程の時間は掛からなかったろう。
遺体保管冷蔵庫の扉を内側から何者かが叩いている。
叩くたびに扉が拳ぐらいの大きさで外側へと飛び出るのは、拳か鉄槌によるものでありもちろん人間業ではない。
471 ◆JwKmRx0RHU :2012/04/29(日) 01:57:02.19 ID:UtmNwB7p0
>>470
射撃している渡辺の両脇を村上や前田が銃を抱えながら走り抜けながら、渡辺に叫ぶ。

射撃している渡辺の両脇を村上や前田が銃を抱え走り抜けながら、渡辺に叫ぶ。

エレベーター内のゾンビは、互いが譲らずに出ようとするのでせばまった出入り口に身体がつかえている。

エレベーター内のゾンビは互いが譲らずに出ようとするため、せばまった出入り口に身体がつかえている。

叩くたびに扉が拳ぐらいの大きさで外側へと飛び出るのは、拳か鉄槌によるものでありもちろん人間業ではない。

叩くたびに扉が拳ぐらいの大きさで外側へと盛り上げるのは、拳か鉄槌の打撃によるものでありもちろん人間業ではない。


「なぁ・・・」 渡辺が顔面蒼白で皆を呼ぶ。
「言うな。 最悪だってのは分かってる」 佐藤が焦りから八つ当たりする。

「いや・・・ そうぢゃねぇ・・・                                                                          弾が無ぇんだ・・・ 」

「え? 何・・・?」 鈴木が訊き返す。
「だ・か・ら、もう、弾が残ってねえーんだよ!! この着いてるマガジンが最後なんだよッ」

「え? え!? う、嘘だろ!?」 鈴木は渡辺のショルダーバッグを漁るが、全てが空になったマガジンだった。

「だから、あの時、一度バスに戻ろうと言ったんだ」 村上が呟く。
「そ、そうだ工藤ッ お前が直行するって言い出して、このエレベーターもお前が言い出したッ どーしてくれるんだ!!」
鈴木が工藤の胸倉を掴む。
工藤はだらりとぶら下がったマリオネットのように力も無く、ただただ鈴木の成すがままに身を任せるのみだった。
472 ◆JwKmRx0RHU :2012/04/29(日) 02:24:59.25 ID:UtmNwB7p0
>>471
「いや・・・ そうぢゃねぇ・・・                                             弾が無ぇんだ・・・ 」

「(上の2tトラックには、まだ充分な弾薬と銃がある。 待っていれば堺さんが救助に来てくれる)」 との言葉を呑み込んだ。
雉貝はともかく、他の5人が感情的になっている今そのことを話せば、
「なぜ武器を隠した!」
「信用してなかったのか!」
「その武器も使えば、こんなリスクは冒さずにすんだんだ!」
こう責められるのは目に見えている。
そう考えつつ、工藤はもう一つの角度に初めて思い至った。
「(堺さんは、雉貝を連れて行くことに反対していた。 このまま僕らが出られずに時間が経てば、全滅したと看做して置き去りに。
  雉貝を厄介払いできる絶好の機会でもある。 この選択の可能性は、つまり必ず助けに来るとは言い切れないと言うことか)」

「何匹いると思う?」 佐藤が全員に確認する。
「手術室側は残り5匹ってところだ」 と渡辺。
「エレベーターは鮨詰めに見えたが、出入り口に殺到してただけって可能性もあるけど、少なくて10体。多ければ20体ぐらい」
「今は15〜25体、あるいはそれ以上が外で待ち構えてるわけか。 死んだな。 僕らはもう出られない・・・」 前田がうな垂れる。

<第03話 END>
473 ◆JwKmRx0RHU :2012/04/29(日) 02:37:23.78 ID:UtmNwB7p0
>>472修正

<第03話 END>

<第04話 END>


各話に女性の入浴シーンを挿入。
これは必須かつ不可欠なる本作のパターンwww^^
第01話 湯上りの幹恵と堺が脱衣所でニアミス
第02話 朝風呂の幹恵
第03話 「バスが走ってる!」立て篭もった病棟の個室で上原が入浴していると、紗倉が素っ裸で呼びに来る(>>382
第04話 浴槽から出て、高橋や原とハンディ無線機で通信する上原
第05話 七沢温泉