ガチでゾンビが溢れたら皆どうするよ 29日目

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251 ◆JwKmRx0RHU
>>250
「無理・・・ですよね」 原が意気消沈気味に呟く。
「仮に俺たちがウィンチなどの牽引装置を持っていたとしても、これらの車輌をどけるのは無理です」 堺も認める。
そこに工藤が来て、堺を原から離す。
「な、なに」 全く危険性を感じられない原にすら、聞かせたくない内容だろうことだけは間違いない。
原のもとに堺が戻り、放置車から得られる物資の調達を手伝って上げて欲しいと頼んでから、2人で足早に去って行く。

トランクを開け、青空を背に工藤と堺が覗き込む。
ライフル型の銃が12丁。 散弾銃が3丁。 拳銃が8丁。
それらの弾薬と手榴弾や携帯式無反動砲(AT-4)。対人地雷までもが、所狭しと収まっているではないか。
「(この車自体は軍用ではない一般車だから、家族と共に基地を脱出して来たのだろう)」
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%9B%B8%E6%A8%A1%E5%8E%9F%E4%BD%8F%E5%AE%85%E5%9C%B0%E5%8C%BA
「これを頂かない手は無いですよね。 ただ、誰に持たせるかは慎重に決めた方がいいと思ったので・・・」
堺は暫く考え込んでいたが、「うん。 良い判断だ。 君は凄いな。 ご両親は何をやってる方なの」
「・・・。 父は弁護士で、母は専業主婦です」 最低限の返事をして口を閉ざす。
「ん・・・(何だろう、話すのが嫌そうだな)。 これ、バスに入り切らないんじゃないか? もう一台べつに車が必要だね」
「あの・・・、皆に知らせずに積み込みたいんですが」
「え・・・? (確かに、知らせるのは何時でもできるか。) 分かった、そうしよう。 毛布でくるんだり袋に小分けにしてくれ」
毛利と三河が近付いて来たので、慌ててトランクを閉じる。