>>217 農具のピッチフォークを満足げに見詰める彼の横を駆け、原がバスの扉を開けて乗り込んだ。
続いた堺は、鍵の位置を教えて貰いエンジンを始動する。
「やりましたね!」
「あぁ!」 原幹恵の笑顔と真っ直ぐな視線に照れながら、頷き返した。
生徒たちが武器を捨てて乗り込んで来るが、危惧した通りもたつき、
そんな中を堺が大ききクラクションを鳴らしたものだから、女子がみんなして飛び上がった。
「や! 超ビビった〜」
「もぅッ」 女子たちは難局を乗り越えて、威勢が良くなったようだ。
文句を言われる損な役割りとなったが、女子が活気付くのは喜ばしく思え、
原と目を合わせながら互いにクスリと笑う。
モップで、バリケードに阻まれているゾンビどもを牽制していた工藤たちは、クラクションを聞いて撤退を始める。
工藤が運転席の真後ろに座り、原がスイッチを堺に教えながらドアを閉め、
バックしながら着実に海老名サービスエリアから遠ざかるバス。
そのバックモニターに、異様な物体が映り込んだ。
>>217 農具のピッチフォークを満足げに見詰める彼の横を駆け、原がバスの扉を開けて乗り込んだ。
続いた堺は、鍵の位置を教えて貰いエンジンを始動する。
ゴゥン、ガ、ガ、ガ、ガ、ガ・・・ アイドリングするエンジン音は力強い。
「やりましたね!」
「あぁ!」 原幹恵の笑顔と真っ直ぐな視線に照れながら、頷き返す。
生徒たちが武器を捨てて乗り込んで来るが、危惧した通りもたつき、
そんな中を堺が派手にクラクションを鳴らしたものだから、女子がみんなして飛び上がった。
「や! 超ビビった〜」
「もぅッ」 女子たちは難局を乗り越えて、威勢が戻ったようだ。
文句を言われる損な役割りとなったが、女子が活気付くのは喜ばしく思え、原と一緒にクスリと笑う。
モップで、バリケードに阻まれているゾンビどもを牽制していた工藤たちは、クラクションを聞いて撤退を始める。
工藤が運転席の真後ろに座り、原がスイッチを堺に教えながらドアを閉め、
バックしながら着実に海老名サービスエリアから遠ざかるバス。
そのバックモニターに、異様な物体が映り込んだ。