>>215 「いゃぁッ」 女生徒たちが逃げだし、隊列が一気に崩れる。
「くそぉッ」 男子がデッキブラシの柄で突き込むと、柄はゾンビの身体に深く突き刺さった。
と言うよりも、ズヴズヴと飲み込まれたと表現すべきかもしれない。
刺さった柄をものともせずゾンビは襲い掛かって来るので、デッキブラシを諦めて飛び退く。
堺は、2体目のゾンビを仕留め損ない、フォークをゾンビに掴まれて振り回されそうになっている。
剣鉈を抜いて、フォークを掴んでいる指に振り下ろす。
ゾンビの指がバラバラっと足元に転がり、フォークを取り戻せた。
デッキブラシを失った男子は、横の女子が持ってる椅子を奪うと向きを逆に持ち変え、
椅子の脚を握りながら背もたれをゾンビの顔面に叩き込む。
ゾンビはよろめいたが倒れず、バランスを持ち直すと何事も無かったかのように距離を詰める。
デッキブラシの柄で突き刺すのも、椅子を顔面に叩きつけるのも、痛覚が無いゾンビに有効な攻撃ではなかった。
「えぇぃ!」 別の男子がバールの釘抜きをゾンビの後頭部に突立てる。
が、止まらない。
刺さったバールごと引きずられそうだ。