■□■幽霊は本当にいるのか170(いないのか)■□■

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232本当にあった怖い名無し
    河原の中に流れあり     娑婆にて嘆く父母の

    一念届きて影映れば     のう懐かしの父母や

    飢えを救いてたび給えと   乳房を慕いて這い寄れば

    影はたちまち消え失せて   水は炎と燃え上がり

    その身を焦がして倒れつつ  絶え入ることは数知れず

    峰の嵐が聞こえれば     父かと思うて馳せ上がり

    辺りを見れども父は来ず   谷の流れの音すれば

    母が呼ぶかと喜びて      こけつまろびつ馳せ下り

    辺りを見れども母は無く

    走り回りし甲斐もなく     西や東に駆け回り

    石や木の根につまづきて  手足を血潮に染めながら

    幼子哀れな声をあげ     もう父上はおわさぬか

    のう懐かしや母上と      この世の親を冥土より

    慕い焦がれる不憫さよ