先日、睡眠中に突如として金縛りに遭った。当然だが体は動かず、目だけが動く始末。
その内、自分の足下から忍び寄る黒い影の存在に気付いた。
自分はこれは、そういう物だと思った。
「Fuck you! Fuck you! I kill you once again!」
知り得る限りの罵倒語(何故か英語)で、自分はその黒い影に呟き続けた。
呟くと云っても、口は動かなかったので頭の中で念じるといった具合だった。
黒い影は歩みを止めて、立ち止まる。
その内、黒い影に何となく輪郭が在る事を理解出来た。
背はそれほど高くなく、長髪で、手足は細い事から女だと推測出来た。
女は自分の罵倒に対して、あからさまに困惑していた。
「これは、近付いていいのか悪いのか……」という具合で、一歩進んでは、一歩後退しを繰り返していた。
その内、諦めたのか黒い影は消え去った。金縛りも解けていた。
黒影さん、何かすみませんでした……。