207 :
1:
笑えるかどうか分からないし長文の上、霊体験といえるかどうかも怪しいけど投下。
今からもうウン十年も前、当時高校卒業間近のオレの友人Aの話。
Aは実家が渋谷のアパートで、高校生になったとき手狭になったので
実家にほど近い別のアパートを借りてもらって1人暮らしをしていた。
風呂なしトイレ共同の古いアパートは案の定友人たちのたまり場となり
オレも何度も遊びに行った。渋谷と原宿の間にこんなに閑静な空間がある
とは思えないほどいい環境だった。
208 :
2:2011/06/25(土) 14:59:03.37 ID:sdm4NspP0
ある日のこと、Aは友人2人とこっくりさんをやったそうだ。当時好きだった
子に彼氏がいるとか、今後彼女が出来るのかなんかを一通り聞いた後、こっくり
さんに帰ってもらう段になって、よくあることだが帰ってもらえなくなった。
そこでこっくりさんに降臨した霊を鎮めるためにどうしたらいいか分からなかった
209 :
3:2011/06/25(土) 15:01:31.00 ID:sdm4NspP0
そこでこっくりさんに降臨した霊を鎮めるためにどうしたらいいか分からなかった
友人たちはその霊に質問したそうだ。
「性別は?」お・ん・な
「何処にいますか?」こ・の・し・た・の・み・ず・の・な・か
「どうしたら帰ってくれますか?」み・つ・け・て
ここまでやった友人たちは怖くなって、帰ってくれない状態のままやめちゃった
そうだ。どうせ誰かが怖がらせようと動かしてんだろうと。
210 :
4:2011/06/25(土) 15:04:19.84 ID:sdm4NspP0
それからしばらくたったある日、Aは夜中に寝苦しくて目を覚ましたそうだ。
半身を起こした後、畳の上に直接引いた万年床が暗がりの中ぼんやり見えていたが
なんか違う。部屋の中なのに布団の高さより少し高いくらいの位置まで、霧が発生
していたそうだ。布団の足下くらいの位置に波紋のようなものが広がり、なにかが
ひらひらと舞い上がったようにみえた。蛾でもいるのかなあと最初Aは思ったんだ
が、よくよく見てみると、どうやらそれは女の手のひらのようだった。
211 :
5:2011/06/25(土) 15:06:30.86 ID:sdm4NspP0
ひらひら、ひらひらと蠢きやがて波紋のたつ霧の表面に、どうやらつかむところを
見つけたようで布団の端に手をつく。また新たな手のひらが現れひらひらとつかむ
ところを探している。布団の端を見つけると、とうとう両手を布団に付けた。なに
やら水の中から体を引き上げるように、両手を突っ張ると霧のような波紋の中から
黒い長い髪に覆われた頭のようなものが徐々に現れ始めたところでAは気を失ったそうだ。
翌日以降怖かったAは友人たちに頼んで泊まってもらったりしていたが、それきり
怪異はおこらなくなった。
212 :
6:2011/06/25(土) 15:08:55.55 ID:sdm4NspP0
でも、なんとなく気になったのでAとオレは図書館にいって古地図なんかを調べて
みようって話になった。もしかしたら井戸かなんかがアパートを建てる前にあって
そこにこないだの女の霊が沈んでるんじゃないかなんて考えたから。
そしたら井戸ではなかったが、渋谷川と言う川がAのアパートあたりを流れていた
ことが判明。こっくりさんにほんとに霊が来たのかも、なんて盛り上がった。
その後卒業したオレたちは進路の違いから合うことも無く数ヶ月が過ぎたある日
1本の電話がかかってきた。Aの母親からだった。
213 :
7:2011/06/25(土) 15:11:10.16 ID:sdm4NspP0
「うちのこの居場所しりませんか?」
なんと3ヶ月前から行方知らずだったそうだ。オレはもしやこっくりさんを途中で
止めたたたりかなんかか!とちょうビビっていた。
それから半年後、母親から再度電話があり、どうやらAは無事に見つかったそうだ。失踪した理由は
「自分を変えたかったから」
との理由で自衛隊に入隊し、見つかったのは訓練に耐えきれず除隊したからだとさ。ちゃんちゃん。
気をつけろッ!精神攻撃系のスタンド攻撃DA――――ッ!!!