【霊感持ちの】シリーズ物総合スレ17【友人・知人】

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952本当にあった怖い名無し:2011/06/12(日) 14:20:09.03 ID:3u4A+y2S0
メリー?とかいうの?つまんないな。萌えラノベみたい
953本当にあった怖い名無し:2011/06/12(日) 14:21:50.63 ID:Y5gCNygU0
そう。彼女の顔を、僕は見たことが無い。
 彼女は常に僕の背後に位置し続け、彼女の正面からは無論、横顔すらも
僕は見た事が無いのだ。
954本当にあった怖い名無し:2011/06/12(日) 14:22:38.40 ID:Y5gCNygU0
 鏡などで覗き見ようとしても無駄に終わった。とにかく、視線が通る場所に、
彼女はいてくれない。先に彼女自身が述べたように、それは種族的本能と
でも言うべき、徹底された挙動だった。
955本当にあった怖い名無し:2011/06/12(日) 14:25:28.13 ID:Y5gCNygU0
「私メリーさん。貴方の事は好きなの。二人はラブラブ、なの。多分」
「……じゃあ、顔見せて?」
956本当にあった怖い名無し:2011/06/12(日) 14:28:38.38 ID:Y5gCNygU0
「それは……恥ずかしいの」
「……なんだかなぁ」
957本当にあった怖い名無し:2011/06/12(日) 14:32:47.44 ID:Y5gCNygU0
「ごめんなさいなの……メリーさん、メリーさんだから……どうしようもないの」
「ああ、うん……君が悪いわけじゃないってのはわかってるよ」
958本当にあった怖い名無し:2011/06/12(日) 14:35:32.69 ID:Y5gCNygU0
 背後から、何やら落ち込んだような雰囲気が伝わってくる。どうやら、
彼女も彼女なりに、僕に顔を見せられない事を気に病んでるらしい。
959本当にあった怖い名無し:2011/06/12(日) 14:36:25.19 ID:Y5gCNygU0
「……ま、こんな風変わりな付き合い方も、面白いっちゃ面白いしね」
 彼女を元気付ける為に言ったその言葉も、全くの嘘ってわけじゃない。
960本当にあった怖い名無し:2011/06/12(日) 14:38:12.76 ID:Y5gCNygU0
実際、こんな関係でも、彼女といるとそれなりに……いや、かなり楽しい。
それに、何よりも――
961本当にあった怖い名無し:2011/06/12(日) 14:38:47.06 ID:4WCfhf1T0
次スレ立ってた。

【霊感持ちの】シリーズ物総合スレ18【友人・知人】
http://toki.2ch.net/test/read.cgi/occult/1307855096/
962本当にあった怖い名無し:2011/06/12(日) 14:40:03.67 ID:Y5gCNygU0
「ほんとなの!? 私、嬉しいの!」
 背後から、柔らかい感触が僕の背中に押し付けられる。
963本当にあった怖い名無し:2011/06/12(日) 14:41:32.61 ID:Y5gCNygU0
 僕は、ちょっとだけ顔が赤くなるのを感じながら、手を伸ばし、彼女の頭を撫でた。
 ――そう、彼女はいる。僕の背後に、確かに。
964本当にあった怖い名無し:2011/06/12(日) 14:42:15.85 ID:Y5gCNygU0
「ん……」
 彼女が嬉しそうに瞳を閉じ、僕の掌を感じているような、そんな気配を背後に感じる。
965本当にあった怖い名無し:2011/06/12(日) 14:42:42.59 ID:AidMQRoVP
>>961
お知らせd!
966本当にあった怖い名無し:2011/06/12(日) 14:44:02.10 ID:Y5gCNygU0
「ううん、なんでも」
 ちょっと風変わりで、ちょっと面倒だけど、とても楽しい彼女との日々。
967本当にあった怖い名無し:2011/06/12(日) 14:44:57.26 ID:Y5gCNygU0
 なんだかんだで、このままこんな毎日が続いていけば、それだけで僕は満足
できるんじゃないかと、そう思う。
968本当にあった怖い名無し:2011/06/12(日) 14:45:51.33 ID:Y5gCNygU0
「じゃあ、そろそろ行こうよ。映画始まっちゃう」
「わかったの!」
969本当にあった怖い名無し:2011/06/12(日) 14:47:24.33 ID:Y5gCNygU0
 そして、僕らは連れ立って……正確に言えば、彼女を背後に連れて、駆け出した。
 顔を正面から見るのは、いつの日かのお楽しみって事で、今はこのまま、
970本当にあった怖い名無し:2011/06/12(日) 14:48:29.52 ID:Y5gCNygU0
彼女と一緒に毎日を過ごしていこう。
 ……けど、来るのかなぁ、見れる日?
971本当にあった怖い名無し:2011/06/12(日) 14:49:18.80 ID:Y5gCNygU0
「もしもし、私メリーさん。今あなたの後ろにいるの」
電話口からそう聞こえると同時に、とあるマンションの一室に彼は出た。
972本当にあった怖い名無し:2011/06/12(日) 14:50:03.54 ID:Y5gCNygU0
「久しぶりだな、じんめんけん」
「だーかーらー、俺は仁目 権(じんめ けん)だっつってんだろうが!」
973本当にあった怖い名無し:2011/06/12(日) 14:51:02.55 ID:Y5gCNygU0
30をやや越えたくらいに見える男が、汚れたソファから起き上がる。
「んで、今日は何の用だよ本職の刑事殿が。俺は風邪ひいてんだ……えっきし」
974本当にあった怖い名無し:2011/06/12(日) 14:51:45.94 ID:Y5gCNygU0
男はくしゃみをして、鼻をすする。
「成程な……てめえ、この様子じゃあニュースも見てねえし外にも出てねえか」
975本当にあった怖い名無し:2011/06/12(日) 14:54:20.93 ID:Y5gCNygU0
汚れきった室内を見ながら、ため息をこぼした。
「あ? そりゃあどういうこった」
976本当にあった怖い名無し:2011/06/12(日) 14:55:51.33 ID:Y5gCNygU0
パサリ、と新聞を投げ出した。
「今月に入ってから三件も猟奇殺人が起きてやがる。
977本当にあった怖い名無し:2011/06/12(日) 14:57:20.74 ID:Y5gCNygU0
 現場にはいつも、どの犬のものとも一致しない犬の毛が残されている。
 警察犬は、現場に入れた瞬間、気を失っちまう」
978本当にあった怖い名無し:2011/06/12(日) 14:59:02.18 ID:Y5gCNygU0
そこまで聞くと、男は薄汚れたコートをまとった。
「てめえの眷属のことはきっちりてめえが管理しやがれ!」
979本当にあった怖い名無し:2011/06/12(日) 15:00:23.98 ID:Y5gCNygU0
「うるせえ伊三! 八雲さんの子じゃなきゃあ食い殺してやる!」
がるると牙を剥きながら、男は部屋を出た。
980本当にあった怖い名無し:2011/06/12(日) 15:01:47.76 ID:Y5gCNygU0
「……やれやれ。戸締りはしてけよ、無用心だな」
そう呟きつつ、俺は今日中にもう一個死体があがって、それでこの事件は終わるだろうと思った。
981本当にあった怖い名無し:2011/06/12(日) 15:03:05.76 ID:Y5gCNygU0
あいつの名は『仁目 権(じんめ けん)』
人の町に下りてきたころ、変化に失敗して人間の顔をした犬になっていたところを、
982本当にあった怖い名無し:2011/06/12(日) 15:04:24.52 ID:Y5gCNygU0
俺の親父に助けられた犬神である。
……あいつがいるから、この辺りに野良犬は、いない。
983本当にあった怖い名無し:2011/06/12(日) 15:05:48.31 ID:Y5gCNygU0
私は困惑しました。
いや、困惑したというよりは、まったく理解の域を超えていたのですが……。
984本当にあった怖い名無し:2011/06/12(日) 15:06:41.13 ID:Y5gCNygU0
ありのまま今、起こった事を話します。
先程、つまりは夜も更け切り、日付が変わった頃の話です。
985本当にあった怖い名無し:2011/06/12(日) 15:07:56.44 ID:Y5gCNygU0
長風呂によって本日分の仕事による汗と疲れを流し終えた私は、慣例に倣って冷たいお茶を一飲みしていました。
さて、これからどうしよう。
986本当にあった怖い名無し:2011/06/12(日) 15:09:38.78 ID:Y5gCNygU0
明日にもまた仕事があるけれど、今すぐに寝てしまうのは深夜という一日のうち最も落ち着ける時間を無駄にしてしまうんじゃないのか。
私はそのように考え、ストレッチを行いつつ室内を見渡してみたのです。
987本当にあった怖い名無し:2011/06/12(日) 15:11:12.15 ID:Y5gCNygU0
そうそう、私事ではありますが、就寝一時間前のストレッチは心地よい眠りを齎すエッセンスともなりえるんですよ。
知っていましたか?
988本当にあった怖い名無し:2011/06/12(日) 15:12:07.48 ID:Y5gCNygU0
……そうですか、フフ。失敬。
話を戻しましょう。
989本当にあった怖い名無し:2011/06/12(日) 15:13:09.17 ID:Y5gCNygU0
室内は、まるで静寂そのものでした。
当然ですよ。
990本当にあった怖い名無し:2011/06/12(日) 15:14:32.45 ID:Y5gCNygU0
深夜なので近隣住宅が騒音を立てないのは勿論のこととして、
この室内はというと、今しがた入浴を終えた私が立ち入ったばかりなのですから。
991本当にあった怖い名無し:2011/06/12(日) 15:15:25.00 ID:Y5gCNygU0
オーディオはもとより、テレビやラジオ。それらばかりか蛍光灯すらも。
つまり、室内には人の気そのものが無かったと言う方がより適確なのでしょうか。
992本当にあった怖い名無し:2011/06/12(日) 15:16:55.67 ID:Y5gCNygU0
部屋に踏み行った私がしたことといえば、せいぜい蛍光灯のスイッチを入れた程度のことです。
就寝前にテレビやオーディオなどで神経を高ぶらせてしまうと、せっかく築き上げてきたリラックスムードが台無しですからね。
993本当にあった怖い名無し:2011/06/12(日) 15:19:09.23 ID:Y5gCNygU0
心地良い眠り。
やたらとゴミったらしい日々の中において、これほど安らげる瞬間はないものでして。
994本当にあった怖い名無し:2011/06/12(日) 15:20:24.32 ID:Y5gCNygU0
だからこそ気を遣っているのですよ、私は。
おっと、またも話が逸れてしまいましたね。フフ、失敬失敬。
995本当にあった怖い名無し:2011/06/12(日) 15:22:20.44 ID:Y5gCNygU0
ともかく、暫くの間、無音という室内の空気を愉しんでいた私でしたが……突然。
そう、突然!
996本当にあった怖い名無し:2011/06/12(日) 15:24:14.25 ID:Y5gCNygU0
カチリとスイッチの入るような音がしたかと思うと、独特のブゥーンという音が次ぎ、直後、テレビに光が灯りました。
何が起こったんだろう。
997本当にあった怖い名無し:2011/06/12(日) 15:25:02.12 ID:Y5gCNygU0
私が今一つ事態を飲み込めない間に、テレビからは下品を匂わせるBGMと、
それに見合うような深夜番組のオープニング――数人がケツを振るものですが――が流れ始めました。
998本当にあった怖い名無し:2011/06/12(日) 15:26:25.95 ID:Y5gCNygU0
なぜテレビが?
私はリモコンを手にしてはいない。
999本当にあった怖い名無し:2011/06/12(日) 15:28:16.84 ID:Y5gCNygU0
となると、電波の乱れか何か?
しかし私は、電化製品の類いを身に着けてはおりませんでした。
1000本当にあった怖い名無し:2011/06/12(日) 15:28:34.20 ID:7LYVUAKPO
千里と大復活愛
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        (  _   ,、'"    ̄
         `ー--─'"
千本目の蝋燭が消えますた・・・
新しい蝋燭を立ててくださいです・・・