【霊感持ちの】シリーズ物総合スレ15【友人・知人】
「よぉ。」
「私だ。」
電話の向こうに居るのは、やはり彼のようだった。
「電話、どうにかなったか?」
「いいや。……これから、どうにかするつもりだ。」
彼の声からは生気は感じられない。
急に俺は彼に申し訳なく感じた。
「おい、お前今どこに居るんだ?」
「……」
「おい。」
「お前の後ろに居る。」
その瞬間、軽い衝撃と共に、俺の背中に激痛が走った。
くたびれたコートのポケットから、ボイスレコーダーと、それにテープで繋がったもうひとつの携帯電話がこぼれ落ち、血溜まりに転がった。
もしもし?
私メリーさん、
いま・・・係長の後ろにいるの・・・
「さぁ、メリー君、君も今日から係長だ!
部下もできるわけだからね、がんばってくれたまえ!」
「はい・・・ありがとうございます。」
もしもし?
私メリーさん、
いま・・・課長さんの後ろにいるの・・・
「・・・昨日、課長が亡くなった・・・、
どうか混乱しないで、みんなは自分の仕事に専念してほしい、
今日から・・・メリー君が課長だ、力を合わせて仕事してくれ・・・!」
もしもし?
私メリーさん、
いま・・・ウフフ、部長の後ろにいるのよ・・・
「・・・皆さん、昨夜部長が倒れました。
緊急入院して意識不明の状態です。
今後、この部署は私が取りしきるよう、専務から申し付かりました。
今後、よろしくお願いいたします・・・。」
もしもし?
私メリーさん、
いま・・・取締役の後ろにいます・・・
「私、メリーさん。 ちょっ待って! 切らないで! やっと公衆電話見つけて電話できたの。
もう小銭もほとんどないしテレホンカードも度数切れ。ここで切られたらもう電話できないの!
だからここで言うわ。
私、メリーさん。十分後にあなたの後ろに出現するn」
電話は途中で切れてしまった。どうやら小銭が切れたようだ。
俺は十分後に背後に現れたメリーさんをつれて携帯ショップへ行った。
今では当たり前のようになってしまった携帯電話を前にはしゃぎまくるメリーさん。
買って上げるというと目を輝かせて喜んでくれた。
携帯代分働くと言ってうちに住み込み始めてから三年。今日は婚姻届をプレゼントする予定だ。