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本当にあった怖い名無し:
私が経験的に知っているのは、「愛国心」とか「郷土愛」ということを
うるさく言う人間に、同胞や同郷者に対する寛大さや愛情の深さで
きわだつ人間を見たことがない、ということである。
彼らはむしろ「愛国心のない人間」や「郷土愛を欠いた人間」をあぶり
出して、彼らを攻撃し、排除することの方に興味がある。
ほんとうの愛国心というのは、その人間がどんな政治イデオロギーを
信じていようが、どんな宗教を信じていようが、どんな道徳律に従って
いようが、「同国人である」というただそれだけの理由で
「思わず抱きしめたくなる」という感情に依拠しているはずである。
そのような身体実感の上にしか、持ち重りのする愛国心は築かれない。
「非国民」とか「売国奴」というようなフレーズを軽々しく口にする人間は、]
同胞の数を減らすこと、つまり彼らの愛国心発露の機会を減らすことに
熱心なので、私はそういう人間を「愛国者」には算入しないのである。
だから、こんな文言を条例に書き入れたら子供たちの愛国心や郷土愛が
高揚するとほんとうに起草した人間が思っているなら、彼の知性には
かなり問題があり、このような条項を書き入れておくことで、
学校において「非国民」や「売国奴」のあぶり出しがやりやすくなると
思ってそうしているなら、彼は愛国心に大きな問題を抱えている。
だが、これはたぶん「ちょっとアリバイ的に書いてみました」というだけの
文言で、次の項目ほどには本気で書かれたものではあるまい。
「グローバル化が進む中、常に世界の動向を注視しつつ、激化する国際競争に
迅速的確に対応できる、世界標準で競争力の高い人材を育てること」
これはまぎれもなく、彼らのかなり切実な「本音」である。
平たく言えば、「金を儲けさせてくれる人間」がもっと欲しいということである。