103 :
地球市民:
【質問】
南京大虐殺では結局,何人虐殺されたんですか? 諸説入り乱れて良く分からんのですが・・・
【 序 】
まず最初に心得ておくべきは,軍事板では南京虐殺やホロコーストについての話題は好まれない,ということである.
これらは既に戦史の域を離れてプロパガンダの道具と化しており,プロパガンディストの罵り合いに発展し易いからである.
「アンネの日記」の項でも述べられているように,細かい部分での議論は専門家に任せたほうがよろしい.
素人が適当に議論の端っこだけつかまえて,討議しようったって,水掛け論の信仰告白にしかなりゃしない.
もし専門的に討議したいのだったら,BBSで不毛の論争を繰り返すよりも,大学の史学科に入るなど,相応しい場を求めた方がよろしい.
まあ,人それぞれの人生だが….
【回答】
さて,その南京虐殺ですが,「幻」説から「30万人」説まで,外交的意図も絡んで諸説入り乱れており,現在も真相はよく分かっていません.
ただし,虐殺否定と30万人説は,完全に否定されているようです.
<捕虜や便衣兵を揚子江沿岸に連行して射殺・刺殺した件に関して>
まず,虐殺否定説では,その論拠である「陸戦ノ法規慣例ニ関スル規則」によって,その殺害は交戦の延長としての戦闘行為,そして,
便衣兵は捕虜の資格がないので殺害しても不法殺害にならない,としている点.
これは,武装解除している捕虜・便衣兵を自己の管理下に置いていながらそれを殺害するのは,戦闘の延長とは言えず,叛乱を
起こしていない限り,不法殺害となる.
また,第一線部隊ではその処断権限はなく,軍法会議あるいは軍律会議の判決により処断すべしと言う,国際的慣習であり,現に上海派遣軍,
中支那方面軍,第十軍に軍律会議があるので,勝手に処断できないはず,と言う論旨.
また,下関付近での包囲撃滅戦,揚子江を船や筏で逃げる兵士を射殺したのは,ハーグ陸戦規則の第23条ハ項を根拠にしているが,これは,
「武器を捨てまたは自衛の手段尽きて降を乞える敵を殺傷すること」を禁じており,降伏の意思表示を示さずに逃亡する敵兵はこれに当たらない,としている.