実際は多くの地球人にとって、悟りでなく単に精神レベルを上げていこうとする場合でも自我の問題は
付きまとうように思う。だから俺は、これらの方向性の違う教えはミックスして消化することで、
より良くなるのではないかと思っている。例えば、バシャールの教えで、「引き寄せの法則」や
「思いは実現する」という感じの内容が出てくる。これに異論はない。たしかにそういった法則は
存在するように感じられる。でもそれは注意深く消化する必要がある。引き寄せとは、
誰が引き寄せるのだろうか?誰が思うのだろうか?そこに自我の要素が強く作用したら、
これらは余り意味がないばかりか、時には危険なものにさえなってしまうと思うのだ。
バシャールは言う。「物事はそれが起こった時点ではニュートラルだ。あなたがそれをどう
解釈するかで全く違ったエネルギーが作用することになる」と。確かにそうだろう。
でもふつうに自我があれば、これは難しくなる。自我は役に立つものでもあるが、基本的に
その性質は闇であり、二極性であり、真実を覆い隠す。自我は脳内の潜在意識や無意識の領域を
覆い隠す。ネガティブに受け取りやすい物事が起こったときに、ポジティブに受け取ろうと
努力をする人は多いだろう。それは熟練すればある程度うまくいくように見えるのだが、
じつはポジティブ思考の裏側には恐れが存在していることが多い。それはほとんど潜在意識の領域
である為に非常に気づきにくい。ではどうすれば良いのだろうか?我々が今現在持っていないものを
手に入れようと欲する時、潜在意識には「持っていない」という思念が存在しがちだ。
これを変えるには、既に自分は満たされていなければならない。ここに悟りの教えの有効性がある。
悟りの教えは現実の実在性を認めない。それは我々の本性である観照者の観照意識を強めるよう
要求する。我々がどんな状態にあっても本性はすでに満たされている、本性に気付かないから
そう感じられないのだとそれは教える。