先週の事だけどさ、俺仕事終わって家に帰るのが超深夜だったんだよ。
当然玄関なんかも明かりなんて点いてなくて超暗いんだ。まぁそんな事はどうでもいいんだけどね。
子供の頃、河川敷の草むらに秘密基地を作ったんだ。仲間5人位とね。
そこそこナイスな基地になったんで、皆で色々な物を持ち寄って基地をより良い快適空間にしようってなったんだ。
そこで貧乏でアホだったA君は持ち寄る物が無いってんで、寺か神社かに捨てられてたのか祭られてたのかの人形を持ってきたワケ。
そんで事件はここからですよ刑事さん。
なんか俺達が基地に入ろうとすると、中から人の気配がするんだ。
もしかして秘密の脱出口からの侵入者かも知れないってんで、俺達忍者部隊が裏の脱出口に待機し、正面の部隊が基地に突撃した!
しかし、ソコには誰も居ない。基地の中央にはアホの人形のみポツンと置いてある。
誰かが俺達の基地に忍び込んだに違いない!そう思った俺達は張り込み捜査を決行した。
水中眼鏡にシュノーケルを装備し、日が暮れるまで隠れて秘密基地を見張った。
すると、誰もいないはずの基地の中から物音が聞こえるではありませんか!
考えられる侵入経路は全て監視しているのに関わらず、犯人は中に居るのだ。
怖くなった俺達は科学の申し子と噂されるB君に全てを託した。
B君は猛烈に嫌がったが、屈強な俺達の前では従うしかなく、泣く泣く中の様子を伺った。
Bは中の様子を見た瞬間、俺達の方に全力で走ってきた。
俺達はそんなB君が怖くて全員でB君からダッシュで逃げた。
B君は皆が逃げる姿を見てさらに恐怖を感じ泣きながら迫ってくる。
俺達も必死の形相で泣きじゃくるB君がさらに恐怖!
そんな死の連鎖でみんなテンションMAX!
口々にお化けが出た!ジェイソンがいた!とウソつきまくる
もうB君の『基地の中で人形が起き上がりコボシみたいにバッタンバッタンしてた』
などと程度の低い真実は無視されてた。
今となっては笑い話みたいだけど、当時はジェイソンが家に来るんじゃないかと死ぬほど怖かったよ。