思考盗聴システムは実在している!!!その60

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573糖質ですが
国会とはどういうものだろうか。まず基礎教育においては「みんなの代表者を選ぶもの」であると教わるだろう。
さて「みんなの代表者を選ぶ」とはどういうことであろうか。古くはフランス革命を準備した哲学者
によって論じられた。見事なコントラストをなしているのがモンテスキューとルソーであろう。
モンテスキューが求めたのは政治的自由の確保であり、人民は自分自身でなしえないことを代表者を
通じて行うと理解する。代表者の独立性を求め、「国民の気まぐれ」によって代表者の意思決定が阻止
されないような仕組みが好ましいとした。彼は「アテネのような直接民主制」を理想とする言説を否定
したのだ。モンテスキューにおいては「民主制」的要素はきわめて希薄なものとなった。
一方、ルソーは「人民の最後の一人までを救済することを目指した民主的な国家」を主張した。人民の
代議士は人民の代表者ではなく使用人であるとする。主権は譲り渡せないし、一般意思なるものも
代表不可能であるとするのだ。フランス憲法史における「代表性」と「民主制」の結びつき方の具体的
ありようはモンテスキューとルソーの対比から説き起こされるのである。
フランス革命においては、1791年憲法を正当化する最も体系的な議論を展開したのがシエースで
あった。シエースはフランス人民は法律の作成に関与するだけの「暇と教養」を持っておらず、代表者
の自由を極めて広範に認めた。これを真っ向から批判したのがロベスピエールである。ロベスピエール
もその一員であったモンターニュ派の指導のもとに作成された1793年憲法において、法律を議決
するのは立法府ではなく主権者たる人民であるとされ、立法に関しては人民拒否権たるレファレンダムが、
また憲法改正においては人民のイニシアチブが認められ、立法府の権限は「法律を提案し、デクレを
議決する」ことのみであるとされた。モンテスキュー→シエース。ルソー→ロベスピエール。という系譜があるのだ。