去年から1人暮らしを始めたんだけど、ある日金縛りにあった。
目を開けると視界はぼやけているが、窓辺に薄らと人影が見える。
部屋中に耳を塞ぎたくなるような怒鳴り声が響いていた。声から察するに中年の男。
その時金縛りにあっているにもかかわらず、
(やっべ鍵閉め忘れたか!?)
と昨夜の行動を振り返った。
しかし昨夜はちゃんと窓も玄関も鍵は閉めたはずだ。
(なんだ、幽霊か・・・)
それなら何も盗られたりしないよね、その時は安心して二度寝した。
それが人生で初の霊体験であった訳だが、その後部屋で中年男を見る事は無かった。
進学して大学の近くに引っ越した。
夏休みのある日、金縛りにあった。
目を開けると、斜め前方から白い影がすーっと近づいてくる。その顔に自分は見覚えがあった。
中年男だった。隣には男の孫だと思われる小学校低学年くらいの男の子がいた。
前の部屋から引っ越して、もうその中年男に会う事は無いだろうと思っていたのに、
どうやら自分に憑いてきてしまったらしい。その上今回孫まで紹介されてしまった。
もう怒ってはいないようだった。
この中年男とは一生付合う事になるんだろうか、そんな事を思いながらまた二度寝した。
笑えるっていうか怖くない霊の話。長文スマソ