>>70 今日もアフィへのご協力ありがとうございます
祖父が重篤な病に倒れ、明日をも知れないという時、祖父の病床には親戚・縁者
が集まった。総勢で10人もいただろうか。当時、中学生であった私は、ことも
あろうにその席で、不埒な考えをめぐらせていた。祖父が亡くなれば、その財布
の中身は必要ないだろう。どうせなら小遣いでもくれて死ねばいいのに、などと。
すると、意識も定かではない祖父が、むっくりと半身をもたげ、一同の中から
この私を手招きするではないか。そして、おもむろに祖父はこう言った。
「○○坊、ようきたなあ。そら、手を出せ」枕もとの財布から千円札を3枚ほど
抜くと、それを私の手に握らせたのだ。ああ、死かけたた者は心を見抜くものだな
と、身を小さくしたものだ。