大学で化学専攻だった人が来ましたよ。
中学校の理科で習う結合の手で説明してみると、
ケイ素(Si)は炭素(C)の同族体で、結合の手を4本持ってる。
炭素の場合、4本の結合の手が、それぞれ C 原子を中心とした正四面体の頂点方向に伸びる。
したがって、メタン(CH4)は水素を頂点にした正四面体構造になる。
メタン:
ttp://rikanet2.jst.go.jp/contents/cp0200a/model/methane-k.html (結合の手が正四面体の頂点方向に伸びる理由は、説明すると長くなるため割愛)
石英(SiO2)の場合も、
Siの結合の手がCと同じように、Si原子を中心とした正四面体の頂点方向に伸びている。
正四面体の各頂点には酸素原子(O)が位置している。
Si原子とO原子4つで正四面体を構成している形になる。
O原子は水素原子と違って結合の手が2本あるので、その隣のSi原子とも結合している。
さっきのメタンの正四面体の頂点から、さらに1本ずつ結合の手が伸びる形。
SiO4を基本単位にした正四面体が、頂点を共有しながらずっと繋がっていくことになる。
そうやってできる形がこの画像↓
ttp://staff.aist.go.jp/nomura-k/common/STRUCIMAGES/Quartz.gif 画像を見ると綺麗な正四面体がずっと続いていて、
正四面体同士の間に空孔があるけど、これはあくまで石英の結晶が取る形のひとつで、
結晶になるときの温度や圧力の条件によって異なる構造を取ることもある(結晶多形)。
また、不純物(他の原子や金属イオンなど)が入り込むと色がついたり濁ったりするため、
石英の中でも無色で透明度が非常に高い「水晶」の天然ものは貴重だと思う。
ちなみに、石英の構造はSiO4正四面体が基本だけど、組成式はSiO2。
理由は、全体を見たときにSi原子とO原子が1:2の割合で結合しているから。
ひとつのSi原子は4つのO原子と手を繋いでいるけど、
ひとつのO原子は2つのSi原子と手を繋いでいるので、
ひとつのSi原子に対しては1/2個結合しているとカウントする。
よってSi原子1つに大して、O原子が4×1/2で2こ。→1:2