501 :
K-DASH ◆sGfqu5ykJJSx :
『深夜のドライブ』
1/4
そう、あれは私が19歳の頃。
季節は秋を向かえて、少し肌寒く感じられた、そんな頃でした
その日、私は休みを翌日に控えいつもの遊び仲間3人と深夜のドライブに繰り出したときでした。
いつものように、近所をぐるぐる回り、ファミレスで談笑し帰るはずでした。
ただ違ったのは、給料日後で財布に余裕のあったという事。
私たちは相談し、遠出をしようということになりました。
が、免許を取ってまだ間もない友人は、比較的近場がイイ、という事で一路S玉件はC山へのドライブとなりました。
高速を使ってしまうと1時間くらいで着いてしまうので、時間も早いということもあり下道でいく事になりました。
まだ、免許を持っていなかった私は後部座席に座っていました。
どれくらい経った事でしょうか。
日ごろの仕事で疲れていた私はいつの間にか眠っていました。
502 :
K-DASH ◆sGfqu5ykJJSx :2009/08/08(土) 04:18:52 ID:J5yumSEPO
2/4
ふと携帯の時計を見ると、午前2時前だったと思います。
そして、すでに山道を走っていました。
あたりは、闇に包まれ光の無いまさに「漆黒」という表現が
あてはまるそんな景色でした。
車のライトに照らされ、左手には小さな小川が崖下に流れています。
右手は山の斜面がコンクリートで固められた壁となっています
そんな道を山頂に向かって走っていました。
起きてから30分くらい経った頃だったかと思います。
運転していた友人Hが言いました。
『あっ! 事故ってる!!』
503 :
K-DASH ◆sGfqu5ykJJSx :2009/08/08(土) 04:20:31 ID:J5yumSEPO
3/4
あわてて車外を見ると、相当のスピードを出していたのでしょうか?
左の緩いカーブがありまして、曲がりきれなかったんでしょうね.....。
大型のRV車が山の斜面側の縁石を飛び越え横転していました。
車の窓から見ただけでしたが、車種はランクル・パジェロのどちらだったかと思います。
暗闇の中、見てみると男性が2人・女性が2人、車の前にボーっと立ち尽くしていました。
何となくですが、私たちの方を見ていたような気がします。
ただ私たちは、若気の至りか笑いながら
『行っちゃえ!行っちゃえ!!!』
といったノリで横目に彼等を見つつその場をあとにしました。
そして30分ほど経ち、私たちはC山頂上へ到着しました。
時刻はもうすぐ4時を迎えようとしていました。
山頂にはパーキングがありまして、そこからはパラグライダーなんかも出来たりします。
とりあえず昼ごろまで山頂のパーキングで眠り帰ることにしました。
しかし、そのときは誰も先ほどの事故現場の不自然さに気づいていませんでした。
私を除いて誰も......。