【今夜】百物語2009本スレ【恐怖】

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485理科社会 ◆ygdszMLl7s
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「ヤマネコ」

子供の頃、関東の某県に住んでた。
関東といってもど田舎で、田んぼの真ん中を突っ切って学校に行くような場所だった。
そんな小学校高学年のときの話。

夏休みに友達2人と山にカブトを取りに行こうとことになった。
普段行かない場所で穴場を探そうぜ、ということで3人で計画を練った。
そこである森というか山というかが候補に挙がったんだ。
そこは「スズメバチが多いから絶対入るな」ときつくいわれている場所だった。

早朝に集合した俺たちは、舗装された道を外れて小山の森への道に分け入った。
初めての場所に足を踏み入れるドキドキ感以外は、まあ、なんの変哲もない朝だった。
空は真っ青になりはじめてて、夏って感じがしたのは覚えている。

それくらいなんの前触れもなく、そいつが藪から飛び出してきた。
ガサッとかいう類の音もほとんどしなかった。
486理科社会 ◆ygdszMLl7s :2009/08/08(土) 03:53:35 ID:+uB51La+0
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尻尾抜きで80cmくらいある(うちで飼ってた中型犬くらいあった)ばかでかい猫だった。
巨大な猫がなにか(鳥か?)を咥えて、威嚇するように唸り声を上げてこちらを見てた。
家で飼っている猫とかとは段違いの迫力で、なにより目がものすごく怖かった。

一瞬なんだか判らなくて、3人とも棒立ちになってしまった。
次の瞬間、一番気の弱かったやつが大声を上げて泣き始めた。
するとその巨大な猫はビクッとして、さっとまた藪の中に消えてしまった。
俺ともう1人は「ヤマネコだー」って叫びながら、泣いてるやつを連れて逃げ出した。

その後こっぴどく叱られた上に引っ越すことになってしまい、そこへ行くことは二度となかった。

もちろん今は、本州には山猫なんかいないということは知っている。
ただ、家猫があんなに巨大に、しかも野良でなるものだろうか?

いまだに猫をみると、あの怖い目を思い出すんだ。