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「枕元」
高校生時代、寮生だった俺は夏休みのような長期の休みにしか帰省できなかった
普段家にいない子供の部屋なんてどうなるか
ご想像のとおり、物置と化していた俺の部屋にはとても寝れるスペースが無く
仕方なく俺は居間に寝た
寝付いて数時間ほど経った頃
急に眼が覚めた、でも体が動かない
金縛りのようなものにはよくあうため「ああ〜またかよ〜」とそのまま寝ようとした
けれど、何か頭の上からごそごそと音がする
ごそごそというか、頭の上を行ったりきたりしてる気配か
でも、俺の頭のすぐ上は、ジュースのペットボトルを置いたスペースくらいで
あとは壁だった
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瞼は動くようだったので、俺はうっすらと目を開けた
眼を開けた瞬間に視界に入ってきたのは、7〜8歳くらいの子供
頭の上から、俺の顔を覗き込んでいた
そいつは俺と目が合うと、大きく口を開いてニヤリと笑った
「ぎゃははははははははははは!!!」
狂ったような声で笑った
その後は覚えてない、多分気絶するようにでも眠ったんだろう
一回だけなら俺も夢か何かで済まそうとするかもしれないが、同じことがもう一度あって、俺はそこで寝るのを止めた
その子供は、今でも俺の家にいる
廊下を走る足音、笑い声、俺の部屋のドアを叩く音
時折、電気を勝手に消したり点けたり、鳥のおもちゃで遊んだりしている
あれから、俺の枕元に立つことはなくなったけど
完