これは私が高校の頃の話です。
その日、私は電話で友人Aと遊びに行く相談をしていました。
長く話した結果、映画の後、買い物、カラオケとなりました。
決まったので電話を切ろうとするとAは、
「あのさ・・・全部やめて○○公園に散歩に行かない?」
と、今まで話していたことを突然覆しました。
「えっ?○○公園に?なんで?」
「いいから○○公園行こうよ。散歩しようよ」
とAはしきりに公園に行きたがります。
「でも、公園で散歩だけじゃね・・・」
と私は異論を唱えました。
するとAは、
「え・・・あんた、○○公園行きたいの?」
それまで公園に行きたがっていたAが、突然不思議そうに私に言いました。
「Aが行こうって言ったんじゃん」
私がそう言ってもAは笑って不定するだけで、結局もとどおり映画、買い物、カラオケになりました。
「じゃあ、明日ね」
「うん、じゃあ」
そう言って、Aは電話を切りました。
Aは確かに電話を切ったのです。
しかし、受話器からはっきりと声が聞こえました。
「お前も来いよ・・・公園・・・飛び降りにさぁ!」
Aの高い声とは違う、低くかすれた男性の声でした・・・
私はすぐに電話を切りました。
翌日、私はAと遊びに行きました。
けれど、あまり楽しめませんでした。
なぜなら、○○公園が飛び降り自殺や海難の名所だということを思い出してしまったからです。
それ以来、電話が怖いです。
【完】