【今夜】百物語2009本スレ【恐怖】

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271たるたる ◆7vU/OMinzs
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小学生のころ家の近くにあったゴミ捨て場は俺ら子供の遊び場になっていた
そのゴミ捨て場の一角に近所の不○家の店にあった古いペコちゃん人形が捨てられていた。
そしていつの頃からか、そのペコちゃんが夜になると口から真っ赤な舌を1メートルくらい垂らし、
それを見てしまった人は食われる−という噂が出たのである。
いま思えばありきたりな噂だったが、子供心には本気で怖かった。

小学校6年の夏休み、俺らは町会の集まりで公民館に集まって友達としゃべったり花火をしたりとさわいで
いたが、自然とゴミ捨て場のペコちゃんの話になった。
「夜10時を過ぎると舌をだらーんと出すらしいぞ」、「いや、9時半だ」とか子供どうしで言いあってたが
人数が多くて強気になり、夜にもかかわらずゴミ捨て場に見に行こうという事に。

8時頃ゴミ捨て場につくとペコちゃん人形は変わりなかった
しかし、そこにクラスのやんちゃガキのT野がゴミの中から長さ2メートルほどの赤い布の紐を見つけてきた。
そしてその赤い紐の片端をペコちゃんの口の所にガムテープで貼りつけたのである
なんだか本当にペコちゃんが赤く長い舌を出しているように見えて俺ら感心してしまった。

その後10時近くなって解散しもう一度ゴミ捨て場に行ってみたらペコちゃんがだらりと赤い舌を垂らしている。
するとT野がうわっと驚くので、「自分でやっておいて驚くな」と言ったら、T野は「俺、外したけど」と言って
その横を指さす、たしかに先ほどの紐は外されて放り投げられているのが街灯に照らされて見える。
しかし俺らはT野がかついでるなと考え、比較的冷静にペコちゃんを観察した
くらい街灯の光でよく見てみると、ペコちゃんの両目がまっすぐ正面を見ている(ふつうは右を見ている)のである。
目を見開き正面を凝視しているペコちゃんに気付いた俺らは驚きまくってばらばらに走って家に帰った
その後、T野も皆も誰も変わりはないがペコちゃん人形は半年くらいしてゴミ捨て場から消えた。

【完】