砂狼◆zxNj9QFa2wさんの代理投下
2/1
「無題」
変わり事があると奇妙な事が起きる。
素麺をすすりながら祖母はぽつぽつと話した。
つい最近の事だ。田舎の親戚が亡くなったのは。
西瓜畑の真ん中にある広い家で、私もよく真っ赤な西瓜を貰って食べていた。
祖母は葬式の日、土産に大きな西瓜を貰ったそうだ。
そこらの物より一周りも二周りも大きな大玉だった。
家に帰り早速食べようと包丁を入れるとぱっくり割れた面は西瓜の赤ではなく、きゅうりの断面のような白色をしていたという。
祖母は奇妙に思い口をつけなかったが、一緒に西瓜を割った祖父は、うまいうまいと言いながら丸一つたいらげてしまった。
白い見た目とは裏腹に喉が焼けるほどの甘みを持った西瓜だったそうだ。四十九日が過ぎた。最近祖父の体調が優れない。
また別の親戚の話になるが、祖母の父が亡くなった時の事だ。