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糖質ですが ◆/dRpTBnZTC3y :
580 名前: 糖質ですが ◆/dRpTBnZTC3y 投稿日: 2009/07/30(木) 17:18:34 ID:7BQJ3Kjw0
障害者が養護学校(特別支援学校)などに通うのがなんだか当たり前みたいにとらえられているが、
基本的に、障害を持つ子供と持たない子供が一緒に学ぶことがお互いの成長にとって望ましいとする
考え方(統合教育)、と、障害を持つ子供だけを集めて特別に進めた方が効果があるとする考え方
(分離教育)という二つの考え方がある。
現在の学校教育法制の下では、市町村教育委員会が毎年10月1日現在で、その年度中に満6歳と
12歳になる子供について学齢簿を作成する。そして、11月末日までに健康診断を行うのだ。
この健康診断に基づき、心身に障害があると疑われるものについては就学指導委員会に障害の種類・
程度につき諮問を行い、その答申を経て、「盲者」「聾者」「精神薄弱者」「肢体不自由者」「病弱者」で
ある旨の判定を行う。そしてその結果を都道府県教育委員会に12月末日までに通知する。
すると、都道府県教育委員会は、翌1月末日までにその保護者に、特殊教育諸学校の入学期日と
就学すべき学校を指定して通知するのだ。
あるいは、障害の程度が上記の状態に達していない場合は、普通学校に入学措置がとられるが、
特殊学級が設置されているとそこに入級措置がとられる。
人間を分離・隔離することは、人間が自由に他者とかかわりをもち、理解しあいながら共に生きてい
ゆく関係を断ち切ることになり、社会的存在としての人間の尊厳をおかすことになる。自由に人間関係
をつくってゆくこと、分離・隔離されないことは、人権の中の人権といってもよいだろう。
しかし、この就学強制は、「行政処分」と位置づけられ、毎年、行政不服審査請求や行政訴訟で争い
が起きているのである。
805 :
糖質ですが ◆/dRpTBnZTC3y :2009/07/30(木) 17:35:03 ID:7BQJ3Kjw0
581 名前: 糖質ですが ◆/dRpTBnZTC3y 投稿日: 2009/07/30(木) 17:33:27 ID:7BQJ3Kjw0
養護学校高等部生徒が、昭和62年4月15日にマンツーマンの水泳指導で溺死してしまうという
事故があった。指導教師の重過失が認定されたものの生徒は自閉症だったのだ。
横浜地裁は「生徒が地域作業所に進む蓋然性が最も高い」として神奈川県の地域作業所における
障害者一人当たりの年間平均工賃(昭和60年度)が7万3千円であるとし、一般人の平均賃金
ではなく、この「工賃」によって逸失利益を計算し、損害は120万円とされてしまった。
これに対して、東京高裁は「人間一人の生命の価値を金額で計るには、この作業所による収入
をもって基礎とするのではあまりにも人間一人の生命の価値を計る基礎としては低い水準となる」
とし、極言すれば、不法行為等により生命を失われても、その時点で働く能力のない重症の障害児
や重病人であれば、その者の生命の価値をまったく無価値と評価されてしまうことになりかねない
という配慮から、生徒の逸失利益を1800万円とした。
障害者の「生命の価値」を論じた事件だったのだ。