後味の悪い話 その101

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508本当にあった怖い名無し
たぶん『西太后』だったか、中国の近世歴史映画の中の1エピソード。 

皇子か誰かが、女官?宮仕えの姫君?の一人(おしとやかで優雅な娘)と恋仲になる。 
庭園で逢引を重ねたりして、詩に出てくる恋物語のようないい感じの雰囲気。 
だが、西太后(たぶん)はその相手を快く思っておらず、二人を引き離して、女を娼館に売る。 
皇子はそれでも彼女が忘れられず、側近に言いつけて密かに彼女の行方を探させる。 
やがて居場所が判明し、身売りされて辛い思いをしているであろう彼女を救い出すため 
身柄を引き取ろうと、皇子は側近に案内させてお忍びで逢いに行く。 
で、そこに彼女は居たのだが……。 

下品でケバケバしい化粧をした彼女は、太った客のオヤジの尻を蹴っ飛ばし 
「ふざけんじゃねェ!! 女郎屋に金も持たずに来やがって! 
やる事やっといてそのままトンズラここうってのか、このクズが!! 
あたしはな、そんじょそこらのお安い女とは訳が違うんだ! 
こう見えても元はちゃんとした所の出なんだよ!! てめぇごときがナメんじゃねぇ!!」 
などと怒鳴っていた。 
その変わり果てた様子を柱の陰から目にした皇子は、彼女の前に出て行くことなく 
無言で側近を促して背を向け帰途に着いた。