じわじわ来る怖い話21じわ目

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334本当にあった怖い名無し
母が殺されてから二年が経った。
犯人はまだ捕まっていない。
何が目的か、母は山中で殺されており、遺体は死後3〜4日経過していた。
獣に食い荒らされたのと、夏だったことで損傷が激しく、
死亡時刻は科学捜査をもってしても正確には判明しなかった。

一応、今日を命日と決め、無念さを抱えながらも私は墓参りに出かけた。

母の墓に着くと、すでに先客があったようだ。
夏の強い日差しで枯れ始めているが、菊の花束が墓前に置いてあった。
京都に住んでいる叔父だろうか?そんな連絡はなかったが。
誰にしてもありがたいことだ。これも母の人徳かな。
そういえば去年も誰のものか知れない枯れかけた菊が供えてあったな、
と思い出しながら、私は自分の菊を供え、静かに手を合わせた。