>>944 わたしはここを楽しみにしていたけど、同じ人が書いてくれてるのは
知っていました。
あなたがいなくなれば、何の意味もなく進行するだけのスレに
なってしまうと思います。
ログはたいせつにとっておきます。
柿い話をたくさんありがとう。
今年の秋には前とはちがった目で
柿を見られるような気がします。
で、結局次スレどうすんの?
立てて良いなら、
スレタイ「●死ぬ程洒落にならない柿い話を集めてみない?●2投目」
テンプレ
貴方が聞いた・体験した柿話や、2ちゃんの色んなスレから拾ってきた死ぬ程洒落にならない柿話を集めてみませんか?
【重要ルール】
・長文を投稿する時はメモ帳等で全部書き終えてから一気に投稿しましょう。
・煽り・荒らしは徹底放置・完全無視が基本姿勢。反応するあなたも煽り・荒らしです。過剰な自治も荒らしです。
・コピペの際には転載元を提示。2ch以外からのサイトからは許可を取ること。
・感想はOK。ただし叩き、煽りと感想は違います。日頃気をつける程度に、言葉には気を遣いましょう。
・次スレは950レスを超えてから立ててください。
・次スレは、前スレのスレタイとスレ番号に沿ったタイトル、テンプレ内容の内、一番最初に立った物とします。
※乱立時の混乱を避ける為、以下を必ず守ってください。
※スレ番号や、スレタイとスレ番号の間に余計な記号やスペースを入れたり、スレタイの●を他の記号に変えた物は次スレとして認めません。
※つまり「●死ぬ程洒落にならない柿い話を集めてみない?●○投目(○にはスレ番号が入る)」が正式な本スレです。
※前スレとスレ番号が重複した場合も、無効スレとします。
↑を暫定として立てるよ?
スレタイ・テンプレ案は話し合ってもきりがないから、なんかあったら次スレでヨロ。
昔、妙に赤い柿の実があったので、竹竿で取ってみたら
既にカラスに食われて実が無く、こちら側の皮だけが残っていたヤツに夕日が透過して真っ赤に見えていたのだった
あぁ怖ろしい
955 :
次スレ:2009/05/01(金) 21:32:31 ID:rX8HyZ+g0
150 名前:名無しさん@九周年[sage] 投稿日:2009/05/02(土) 12:31:25 ID:tHrcAxsj0
稲川淳二
友人達と集まって話してたら肝試しに行こうって話になったんですよ。ええ。
暑かったからってのもあったんじゃいないかねぇ。
それでブーンっと深夜の山道を走る。ブーン、ブーーン。
「本当に出るの〜」「いやいやー出る訳ないだろー」「そんな事無いよあそこは本当に出るって聞いたもん」
なんて車の中で話ながら。
それで現場についたらそこはやっぱり真っ暗。外灯の一つもないほんっとーに真っ暗。
車を止めた瞬間ね、その時全員何か感じるんですよ、肌寒いっていうか、何かおしかかってくる物を。
そこで全員で行く予定だったのを男3人だけ出て様子を見に行く事になったんですよ。
中に女の子と護衛の為の男を残して。
そしたらね、気付くと表に出てた3人が見当たらない!
誰も目を離してなかったはずなのに車内の4人全員が、気付いた時には彼らを見失ってた。
その瞬間!何か暗闇の中からね、スゥ〜っと何かが現れてくるんですよ。
スウ〜っと、車のような物が。
皆怖がって「何でこんな所に車が!?」とか「あれ何!?」とか騒ぎ始めたんです。
そしたらその現れた車の中から、男が3人ゆーーっくりと降りてきて、そして近づいてきて言ったんですよ。
「金を出せ」と。
トンネルで肝試し中に強盗被害 愛知、3容疑者逮捕
ttp://www.asahi.com/national/update/0502/NGY200905020001.html
柿食えば 腹鳴りて かわやの窓から 見ゆる柿の木
数年前にどっかのサイトで見た話。
誰か知ってる人いる?
著者が旅行である旅館に泊まったときの話。
夜、部屋を出て廊下に出たとき、昼間壁だったはずの場所になぜか下へ向かう階段がある。
「こんな所に階段あったか?」と思いつつ下ってみると踊り場に自販機がある。
自販機でビールを買いつつ階段の先を見ると、宴会場(人はいるっぽいがなぜか無音)みたいなのが見える。
不思議に思いつつ階段を上って廊下に出ると、他の部屋の客らしきおじさんにどこでビールを買ったか聞かれる。
先ほどの階段の場所を教え、部屋に戻るとき「うわっ」という声と階段を転げ落ちる音。
おじさんが階段で足を踏み外したんだと思い、様子を見に行くと階段のあった場所は壁があるだけ。
翌朝になっても初めから階段がなかったかのようにそこは壁。従業員に聞いても、階段などないと言う。
結局その旅館を出て、数年ほどたち、その旅館について忘れたころ、ある新聞記事を見かける。
あの数年前に言った旅館で改築工事が行われ、その際に壁から中年男性と思われる白骨死体が見つかった。
細部は違うかもしれんが、こんな感じの話。
960 :
本当にあった怖い名無し:2009/05/02(土) 22:56:46 ID:onsuV5sr0
957,959>>間違えた子羊がまた一人・・・
シャレ柿にようこそ!!書いた話は
シャレ怖のほうに投稿すべきです
961 :
959:2009/05/02(土) 23:49:50 ID:2cHA6A9H0
シャレ怖と間違えてた!すまない!
そしてどうでもいいことだがIDが2ch(・∀・)
>>961 間違えてないよ!ここ洒落怖スレだよっと思ったら柿だったよ
あれ…?
2chおめ!
ナカーマ
(・∀・)人(・∀・)
964 :
本当にあった怖い名無し:2009/05/03(日) 07:12:34 ID:RE21IL8w0
はなさか爺さんは犬が殺されたときに泣いてないで復讐すべきだと思うんだ
ここいいね。
和む。
オカ板のオアシス的存在みたいなかんじ。
966 :
本当にあった怖い名無し:2009/05/03(日) 21:50:57 ID:PPnVN5Vt0
「姉弟と美すい婆サ」 福島県の昔話
昔、花子と太郎て云う姉弟が居た。ある日、親が二人に云った。
「うめぇ柿の実、どっさとなったで、一山越えた里の婆サに持ってコ」
そんで二人は、どっさと柿の実しょって出かけた。
途中の山道で、美すい婆サと行き逢った。
「花子サ、太郎サ、柿持ってどこサ行く?」
「里の婆サのうち行く」
「俺がその婆だ。俺に柿の実呉れろ」
「んだば、おらちの婆サにゃほくろがあべ。あんたにゃほくろねべ」
そったら、美すい婆サは、
「今、米搗いてたサ、顔洗てくるべ」
って戻ってきたら、ほくろちゃんとあった。二人の婆サの顔だった。
んで、二人は本当の婆サと思ってしまった。
「俺のうちサ行くだ」って、美すい婆サ、道々ずっと柿の実カリカリ齧ってた。
花子と太郎は「婆サ、なんでずっと柿の実食ってら?」と不審だったと。
行くが行くが行くと、愈々婆サの家着いた。
「今夜は、よう肥えたコと一緒に寝るべ」
「おらサ、おらサ」と二人は競り合った。二人とも婆サが大好きだったから。
婆サは、「今夜は花子だ」と抱いて寝た。
イカン…
「柿弟と美すい婆サ」
って見えて、ワケがわからんかった。
968 :
本当にあった怖い名無し:2009/05/03(日) 22:30:24 ID:PPnVN5Vt0
夜中、太郎はガリモリ、ガリモリ、音がするで目覚めた。
てっきり、婆サが柿の実食ってるんだと思った。
「おらにも呉れろ」
「ほら」と婆サがとすん、と何かを放ってよこした。
見たら、それは花子の手首だった。
花子姉サは喰われてしまった、て太郎は悟った。
「婆サ、婆サ、おら、小便してぇ」
「外は物騒じゃけ」婆サは太郎の腰を紐で縛った。
太郎は厠に行くふりして紐を切って逃げ出した。そしたら婆サが追いかけてきた。
「太郎を喰おう、太郎を喰おう」
太郎は逃げて逃げて、とうとう山を越えた。
太郎は近くの柿の木に登って登って、てっぺん近くにしがみついた。
婆サがどんどん登って来て、太郎サの足を掴んだ。
その途端、婆サの乗った枝がぽっきり折れた。
婆サはまっさかさまに落っこちて死んでしまった。
太郎サはほそっこくて助かったんだと。
花子喰った婆サは重くて枝が折れたんだと。
朝になったら、婆サの姿はむじなに変わってたそうだ。
テスト
970 :
本当にあった怖い名無し:2009/05/04(月) 02:40:48 ID:nuJ7Q8cXO
バイバイさるさんに引っ掛かりますね。
取り敢えず落ちます。
明日には解除されてれば良いんですが…。
971 :
本当にあった怖い名無し:2009/05/04(月) 19:39:03 ID:OdFMjR5t0
「とんと昔(山形の民話)」ほんねずさま より
2007年11月02日 より抜粋
昔、ある家さ貧乏神住んでいたっけど。
二親は流行病であっけなぐ死んだけずもな。
倅は気抜けては、野良仕事もすねで、酒、博打、女郎買いとまぁ、半分やくざになりかけだけど。
村の衆が心配して無理矢理、嫁っこ世話してむかさりぶったど。
倅は、嫁っこがあんまりめんこいんで、じきに気ば入れ直して野良仕事さ精出して、
たちまち傾いだっけ家の屋台骨、びんと立ったけど。
972 :
本当にあった怖い名無し:2009/05/04(月) 19:49:36 ID:OdFMjR5t0
その年の年越しの晩、天井裏でしくしく泣く声がしたけっど。
「泣くのは誰だぁ?」って聞いだけっど。すっど、
「おらぁ、貧乏神だ」
「なして泣いでんのや?」って聞いだれば、
「この家、すっかり金持ちになったがら、ずけ、福の神くっど。んだど、
おらぁ用無しだはぁ、この家出はらんなね。んだがらしゃ悲しぐって
泣いっだけどごよ」
973 :
本当にあった怖い名無し:2009/05/04(月) 19:55:50 ID:OdFMjR5t0
「おい、貧乏神、にしゃはよ、おらいの家出ていぐたいんだが?」
「ほだごどない」
「んだら、さすかい無いがら、このまま居ろは」
「んだて……」
「んだたても、へちまもね。福の神来たら、にしゃがぼい出してやれ」
「んだ、ほれ、魚食って、餅食って、干し柿食って、力つけろ」
ここの家の倅ど嫁は、なじぇなもんだが、そんびんたかりで、貧乏神ばけしかけずだもな。
974 :
本当にあった怖い名無し:2009/05/04(月) 20:02:08 ID:OdFMjR5t0
そこさやって来た福の神、貧乏神と相撲取って、負けでしまったど。
福の神は慌てだもんで、大事な打ち出の小槌、忘っで行ったけど。
貧乏神はその打ち出の小槌ば拾って、自分が福の神になって、その家ば長者にしたっけずもな。
どんびんさんすけ、かっぱの屁
ほんねず様 山形の民話(置賜方言版) 2007年11月02日より抜粋
975 :
本当にあった怖い名無し:2009/05/04(月) 20:24:32 ID:yP/ooCJqO
976 :
本当にあった怖い名無し:2009/05/05(火) 13:29:58 ID:kzkIqKbg0
「47歳 今まで中途半端に生きて来たけど…」より
2008年11月03日 『柿食えば…』より
夜勤明けに「柿」を買いました。
この時期になると、街道沿いに臨時売店等があちこちに出て、柿を売り捌いています。
岐阜県は、柿の一大産地ですので、私の田舎は嫌と言う程柿の木だらけです。
「柿」「鮎」「いちぢく」等は、“自ら採取”して食べる
…即ち、川や山や柿畑で、取って(盗って?)食うものでした。
ですから、柿を買うのは生まれてから二度目です。
初めて買ったのは20年以上前です。
北海道を放浪した時に、世話になった人に送りました。
お金が無かったので、「安くて有難味が有る物」として柿を送りました。
977 :
本当にあった怖い名無し:2009/05/05(火) 13:37:41 ID:kzkIqKbg0
…お返しで、イクラ、帆立貝、海胆等を送って頂いて、
「実録わらしべ長者」と喜んだのを覚えています。
当時は北海道では「柿」が“高級食材”だったようで、
先方も「実録わらしべ長者」と喜んだようです。
自分が食べる為に買ったのは今日が生まれて初めてです。
買ってまで食べなくても、普通に生活していれば、どこかから必ず手に入ります。
978 :
本当にあった怖い名無し:2009/05/05(火) 13:46:19 ID:kzkIqKbg0
今日買った柿は15個入りで一箱“300円”です。
熟して赤くなった奴は、なんと一箱15個で…“100円”です。
箱代と手間を考えたら、柿自体は「只」みたいなもんです。
勿論、「進物用」の「富有柿」や「蜂屋柿」等は一箱3000円ぐらいします。
※実際に誰かに贈る時は、一箱100円や300円の柿では、送料の方が高くついてしまうので、
何となく「送料より高い奴」を贈ってしまいます。
個人的には、今日買った奴ぐらいが一番旨いと思います。
979 :
本当にあった怖い名無し:2009/05/05(火) 13:49:02 ID:PC8VffCKO
( ・∀・)よく見たら「怖」じゃなくて「柿」じゃないか!
980 :
本当にあった怖い名無し:2009/05/05(火) 13:52:29 ID:kzkIqKbg0
おそらくは、今日買った15個を全部食べ切らない内に、隣近所や嫁様の
勤め先等から舞い込んで来る事でしょう。
かくして岐阜県民は、最初は「秋の味覚」を堪能しますが、やがて、
お互いに「柿の押し付け合い」を始めます。
一通り、「押し付け合い」が終わる頃、冬が訪れます。
981 :
本当にあった怖い名無し:2009/05/05(火) 13:59:41 ID:kzkIqKbg0
[厳重注意・警告]
間違っても、岐阜県民に柿を贈るような事をしてはいけません。
何が届いたのか、わくわくしながら“贈り物”を開けて、中から「柿」が
出てきた日にゃ、「喧嘩売ってんのか、こらぁ!」
例え、貴方が、それなりの大枚をはたいて送ったとしても、
決して気持は伝わりません。
良い子は違う物を送りましょう。
2008年11月03日 「柿食えば…」より
干し柿は美味
983 :
本当にあった怖い名無し:2009/05/07(木) 11:28:36 ID:V+UF3kHyP
あげ
福島県の会津出身の友達に柿をあげようとしたら本気で怒った。
「何処にでもあふれているから絶対にいらん」と友達はきっぱり言った。
わたしが持っていたのは富士柿と平種無。
会津のひとたちは、土地で実る渋柿(みしらずがきとかいう)しか知らないんだ。
それが最高だと信じてぃいて、他の柿など知らないし、試しに食べてみる気もないんだ。
しかも「日本一おいしいのは甘柿ではない。渋抜きした会津の柿」と言い切る。
でも、他の柿の味も甘柿の味も知らないんだよ。
外人が日本人を特別視してるってのは、自分の歴史少しでも知ってたら誰でも分かるだろ。
まず、資源が全くないってことはすごいこと。もう両手両足もがれたぐらいのハンデ。
しかもすごいのは、米国の3分の1の人口、わずか25分の1の領土で、
その上そのただでさえ極小の国土の7割が山、山、山。なーんにもない、山・・・。
だから農業で輸出して食べていくことすらできない。条件からして最貧国でもおかしくない国。
そんな国が、100年ほど前で当時世界最強クラスだった露助とか清をあっさり倒して、
非白人国家で普通に白人常任倶楽部仲間入りしちゃってて、おまけに米国敵に回して
ガチで戦争して、世界で唯一米国本土爆撃して、英国の無敵艦隊フルボッコにして、
オランダ倒して、世界で唯一原爆落とさせるほどてこずらせて。しかも二発だよ。二発。
考えられない。敗戦とか言ってるけど日本のせいでアジアから白人の植民地全部消されたし。
しかも信じられないのは、戦争に負けてただでさえ何にもない国がさらに
インフラまで全部叩き潰されて、多額の賠償金まで背負わせて100%再起不能に
しといた極貧衰弱国家で、今度こそ生意気なイエローモンキーが消えて数百年は
ウザイ顔見ないで済むと思ってたら、直ちに再び白人社会に経済で参戦して来くさって、
参戦どころかごぼう抜きでたった2,30年であっという間に米国さえ抜いて世界第一位。
東京の土地だけで米国全土が買えるほどの呆れた価値になっちゃう程の超絶経済力で
世界中( ゚Д゚)ポカーン・・・状態。その後もずーっと二位維持。頭一本でそれ。
しかも経済の80%が内需。内需だけでそれ。金融とかでまだ全然進出してないし
車や家電、工業製品ももまだまだ進出しきってなくてそれ。もうキチガイの域。
伸びしろありすぎワロタ。戦後60年一発も打たずに侵略せずにこれ。何気に世界最長寿国とかなってる。
んで今度は漫画・アニメ・ゲーム。気がつけばハリウッドの規模とっくに超えてる。
アメリカの検索で一位になってるのが日本のアニメとか。世界中で一番人気の映像作品が日本のアニメとか。
極めつけは世界一長い国号、2000年のどの白人より長い王室ならぬ、その上の皇室保有。
エンペラーに代表される歴史。普通の神経してたらこんな国怖くて関わりたくない。
986 :
本当にあった怖い名無し:2009/05/07(木) 14:03:54 ID:QkkDVAKI0
984さんの好意は伝わらなかったんだね。お気の毒です。
自分は堅い柿もやわらかい柿も大好き。
二本全国には1000種を超える柿の品種があるらしい。
正確な数は把握できない。なぜなら、日々品種改良が重ねられ、増えているから。
柿の実はより大きくより甘く、より美味になるよう、大勢の人達の手で
工夫が続けられている。
柿の実の味は、それぞれの土地の味。大地の味。
美味しい柿の実を皆にも食べさせよう、と広めてくれた先達の愛情の味だと思う。
相手の信念は尊重するとして、自分ならいろんな柿の実を食べるチャンスは逃したくないな。
せっかくの美味しい物を食べないでいること、味を知らないでいることって、
人生を損するような気がするから。
富士柿も平種無も美味しいのに、お友達は可哀想だなぁ。
柿食えば 鐘が鳴るなり 天現寺
ピナ バウシュ
989 :
本当にあった怖い名無し:2009/05/08(金) 20:11:13 ID:BWMJ18jO0
(山本禾太郎)
女は田所君子と云った。君子は両親の顔も、名も知らない。
自分の生まれた所さえも知らないのである。
君子が物心の付く頃には祖母と二人で、ある山端の掘っ立て小屋のような陋屋に住んでいた。
どこか遠い国から、そこに流れてきたものらしい。
祖母の寝物語によると、君子は摂津の国、風平村とか風下村とかで生まれた
と言う事で在るが、今は村の名や、国の名さえ君子の記憶には無くなっていた。
唯夢のように記憶しているのは、背戸に大きな柿の木が有って、夏なぞ六尺も
あろうかと思われる大きな蛇が、屋根から柿の木に伝わっていた事や、蕗の葉
程もある向日葵が陽に顔を向けていた事なぞで有るが、こんな事は自分の生まれた
家を捜す為には、役に立つ事では無かった。
唯、これだけは確かだと思うたった一つの記憶は、背戸に立って左の方を眺めると
はるか遠くに一際高く槍のように尖った山が見え、その頂に唯一本の大きな松の木が
有った事である。
美しい夕焼けにくっきりと、濃い紫で塗りつぶした山の頂に、墨で描いたような
一本の松の木、それが君子の記憶に妙にはっきりと残っている。
990 :
本当にあった怖い名無し:2009/05/08(金) 21:34:53 ID:BWMJ18jO0
君子は旅をするようになってから、美しい夕陽に出会うと、時々よその農家の
裏口に立って、試して見るのであるが、自分の記憶にあるような山や松の木を
見出した事は一度も無い。
だから確かだと思っているこの記憶さえ、本当は君子が作り出した想像で
あるかも知れない。
君子の祖母は君子が八歳の時に亡くなった。
祖母が寝物語に君子に語った処に依ると、君子の父は、君子が生まれた翌年の
秋に死んだと云う事である。
父は善根の深い人で、四国、西国の霊場を経巡る遍路の人たちの為に構えの
一棟を開放し善根の宿に充てていた。
遍路が村に入ってきて、この村に善根の宿をする家はないか、と尋ねると、
村人はすぐに君子の家を教えた。だから種々様々な人体の遍路が泊って行った。
人の良さそうな老夫婦もあれば、美しい尼姿の遍路もあった。
一夜の宿を恵まれた遍路達は別棟の建物に旅装を解くと、母屋の庭に入って
来て改めて父や母に挨拶をする。
父は君子の母に言いつけて、野菜の煮たのや汁、鍋等を遍路達の所に運ばせ、
時には自分で別棟に出かけて、遍路の話を聞いて楽しむ事も有り、遍路の方から
母屋に押し掛けて来た事も有った。
そんな時母は父の傍らに座って、黙って聞いていたそうである。
991 :
本当にあった怖い名無し:2009/05/08(金) 22:09:49 ID:BWMJ18jO0
しかし、遍路と言う遍路の全てが、美しい尼さんや人の良い老夫婦ばかりでは無く
中には向こう傷の有る目の凄い大男や、ヘラヘラとした幽霊のような老人、
手の無い人なぞ、物凄く気味の悪い遍路も珍しい事では無かった。
そんな遍路が泊った時母は気味が悪い、怖いと言って奥の間に引っ込んだ儘
出て来なかったそうである。
こう言うと、祖母の寝物語は大変順序だっているようであるが、祖母の話は
こんなに順序が立っていたのでは無く、折に触れ、時に従って切れ切れに語られた
もので、それも、君子が物心の付く頃に多くは寝床の中で聞いた話であるから、
今では遠い記憶の彼方に霞んでしまって、その話の切れ切れが、まるで夢物語
のようにしか思い出せない。
しかし、君子にとっては譬えそれが掘っ立て小屋の陋屋ではあっても、祖母と
二人で暮らした当時の楽しい思い出である。
記憶の彼方に薄れようとする、祖母の話の一つ一つを自らの想像で補い、
今ではそれが立派な事実であったかのように君子の心の内に成長している。
たとえば、美しい尼僧の遍路と話をしている父の姿や、その傍らに座って
静かにそれを聞いている母の姿、尼遍路の顔等が、まるで映画でも見るように
はっきりと思い浮かぶのである。
992 :
本当にあった怖い名無し:2009/05/08(金) 22:27:23 ID:BWMJ18jO0
父の死んだ、いや、殺されたと言った方が正しい、その日は二人の遍路が泊っていた。
一人は年の頃、六十二、三の老婆で有ったか、黒い毛の一本も見ぬ見事な白髪を
ざんぎりにして後ろへ撫で付け、男を見るように丈夫そうな身体の老婆で、顔立ちも
上品であったが、あまりに老人らしくないその体格が、何か不自然な、不気味な
感じを与えたそうである。
今一人の遍路も女であった。
それは君子の母と同じ年頃の三十七、八歳かと思われたが、この女は鼠色の
御高祖頭巾ですっぽりと顔まで包んで、出ている処と言っては目だけであった。
その目元は如何にも涼しく、美しい目であったそうな。
この遍路は部屋の中でも、食事の時でさえ御高祖頭巾を取らず、問わず語りに
業病の為に二目と見られぬ醜い顔になっているので、頭巾を被った儘、こうして
お大師様におすがりしている。と言ったそうである。
白髪の老女も、この御高祖頭巾の遍路も、普通の遍路と変わりがない服装を
していたが、どこかに上品な所が有って、所謂乞食遍路では無く信心遍路で
有る事が一目で分かった。
柿食えば 鐘が鳴るなり 浅草寺
ミッキー トンプソン
誰か次スレ立ててくらさい
994 :
本当にあった怖い名無し:2009/05/08(金) 23:02:38 ID:BWMJ18jO0
この御高祖頭巾の女遍路は、余程祖母の注意を惹いたものらしい。
それは女遍路が君子の母に生き写しで、御高祖頭巾の間から覗いている目なぞ、
まるで、君子の母の目をそこに移し替えたようで、その姿容なぞ瓜二つと言っても
及ばぬ程良く似ていた。
もし、この女遍路が御高祖頭巾を被っていなかったら、どちらが君子の母か
分からぬ程であったそうな。
二人は偶然に泊まり合わせたように装っていたが、どうやら同行であるらしく、
それも主従の間柄で、老女は御高祖頭巾を被った女の召使のように感じられたと云う。
君子が祖母からこの二人の遍路の話を聞く時は、それが父の殺された当夜の
物語であるだけに子供心にも、何か恐ろしい怪談でも聞かされるように、薄気味悪く
身を縮めたものである。
今では記憶も薄らいで生々しい感じではないが、この二人の姿が、ふと心に
浮かんでくると、父の臨終、白髪の老女、御高祖頭巾の尼遍路なぞ、まるで
地獄の絵図でも見るような気がする。
それだけにこの幻像はしばしば、最も多く君子の心に浮かんでくるのである。
二人の遍路が泊った日の四、五日前から君子の母は高い熱を出して床に就いていた。
首筋にぐりぐりが出来て、高い熱の為に苦しみ通した。
お
ち
ん
ち
ん
1000 :
本当にあった怖い名無し:2009/05/08(金) 23:17:25 ID:t4awLj9qO
次スレもよろしくね(゚▽゚)/
おちんちんスプラ〜ッシュm9(^Д^m9(^Д^m9(^Д^)
1001 :
1001:
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千本目の蝋燭が消えますた・・・
新しい蝋燭を立ててくださいです・・・