鬼になる理由<晴彦> 4/4
5分ほど走って、I村を完全に行き過ぎたところで、村の裏手の山に入る道を見つけた。
車は…入らないな。この程度の登山なら革靴でもいけるだろ。
電波が届きそうだったから崇志兄に電話した。その場では通じなかった。
10分ほど山中に入り込んだところで、崇志兄の方から電話があった。
ノイズだらけで何を言ってるのかわからない。
諦めて電話を切った。…なんか、美耶ちゃんの声が聞きたいなあ…。
時計を見ると、まだ13時半。
天気もいいのに、ぬかるんだ山道には陽の光が届いていなかった。
前方に人影が見えた気がして、正直、ビビッた。
鬼…って、本当にいるんだろうか。もし出たら…。
どうしようかな、オレ。
とりあえず――――――――……。
逃げよう。
絶妙のタイミングで割り込んじまったああああああああああああああああああん!
教授乙!すんませんっした!!
>>953 乙w
私のも保守代わりになれば幸いですww
またまた続きの気になる…orz
教授乙です。
957 :
本当にあった怖い名無し:2008/12/28(日) 08:57:53 ID:t82Az720O
>>956 坂さん、藤原君、ケイさんの作者とブログ。
パスつきの日記にスレで書けなかったネタが掲載されている。
958 :
本当にあった怖い名無し:2008/12/28(日) 08:59:05 ID:t82Az720O
そんなん貼られても、パスわからなきゃ意味ないじゃん
ド素人のくせにパス付けるって勘違いも甚だしいな
もうスレ関係無いし、個人的にやってるブログを此処で叩いてどうすんの。
2行目外しとけよ
950超えると速攻落ちるよ
雑談でもして埋めないか
雑談、混ぜたってくださいw
ウニさん、お忙しいようで、なかなか来てくれませんねぇ。
夏休みが終わって2ヶ月ぐらいで書きますといってたらしいけども
そもそも帰省できたのかしら
お久しぶりに、小話を投下させていただきます。
スレ終盤にさしかかり、残りレス数も少ないので、雑談の足しにでもなればと思います。
スレの中盤辺りで友人のUのことをちょっと書かせていただいたのですが、コテこれで合ってるかな?
----------------------------
友人のUはいわゆる「見える人」なのだが、よくよく聞くと、あまり昔の霊は見ないようだ。
形状不明のわけのわからないものは、たびたび目撃するらしいが、
「落ち武者」とか、「着物姿の人」とか、そういうあからさまに「昔」っぽいのは、見ない。と、言っていた。
U曰く、
「俺の能力みたいなものが足りなくて、見えないだけかもしれない。
それか、時代が経つと、霊の寿命みたいなものも尽きるのかも。
あるいは、違う存在になるのかも……?」
とのこと。
そう言えば、落ち武者辺りはよく目撃談として聞くが、平安十二単の亡霊などは、
耳にしたことがない気がする。
その辺りまで行くと、怨霊として神に祭り上げられている方ぐらいしか、思い浮かばなかった。
壇ノ浦辺りのことも、単なる霊というよりは神妖怪のたぐいのようなイメージがある。
Uは歴史に疎い方らしく、「それで見ないのかも」とも言っていた。
要するに、自分の頭がちょっとアレなのでは? と言うことらしいが。
(=自分の頭の中にないものは見えないと言うこと。僕はそうは思わないが)
みなさんはどう思うだろうか。
>>967 乙です。
私はイメージできる、できない、関係なく、遭遇しちゃいますね。
でも、歴史を感じさせる霊にはお目にかかったことがないなあ。
古墳時代の石棺が仮安置されていた部屋で、
ギボアイコだったか、古墳時代の少年2人を見た。ってのがあったな。
┌───────────────────
│ 古い連中から順次片付けていきますよ。
└───v───────────────
/⌒\ っ /\
/'⌒'ヽ \ っ/\ |
(●.●) )/ |: | すぐ連れて逝きますんで・・・
>冊/ ./ |: /
/⌒ ミミ \ 〆
/ / |::|λ| |
|√7ミ |::| ト、 |
|:/ V_ハ |
/| i | ∧|∧
и .i N /⌒ ヽ)
>>1 λヘ、| i .NV | | |
V\W ( 、 ∪
|| |
∪∪
鬼になる理由<崇志2> 1/9
「家…っていうか…」
と美耶が呟くのも頷ける。
集落から離れて、深い樹木の中にぽつんと立っていた『それ』は、外壁を辛うじて残している程度の瓦礫だった。
窓ガラスはすべて外側に吹き飛んで、家屋を支えていただろう柱や壁の破片が、その穴を埋めていた。
「なんだか封印みたい」
美耶の感想。確かに、誰かが故意に窓を埋めたような印象を受ける。
「何を封印したんだ?」
と聞くと、妹は困った様子で、
「悪いものじゃない気がする」
と答えた。
晴彦の話では、笹川氏は、この家でガス爆発が起こる夢を見たという。
もう少し細かく言うなら、ガスで心中を図った一家を落雷が襲ったのだと。
だとすれば、この家にいて、『封印』されているのは、その一家の御霊ということだろうか。
どれほどの意味があるのかわからないが、慰霊の経を唱えることにした。
美耶も隣りで手を合わせている。
鬼になる理由<崇志2> 2/9
蝶番が外れ、立てかけられているだけのドアを外して、中に入った。
天井が落ちている。火災で焦げた壁紙が、部屋の闇を濃くしていた。
「懐中電灯が要ったな」
と苦笑しながら慎重に踏み込むと、美耶が、
「置いてかないでよお」
と泣きそうな声で追いすがってきた。
…まだ何も出てないのに、ビビんなよ(溜息)。
奥に進むと、原形を留めている居間らしき部屋に出た。
片隅に階段が見える。この部分は天井が残っているから、階段を上れば2階に行けるはず。とはいえ、いつ崩れるかわからない階段に、美耶を連れて行くわけには行かないな…。
「ちょっと上を見てくるから、ここで待ってて」
と言うと、
「ええ?!お兄ちゃんばっかりずるいっ!」
と盛大に抗議を始めたが、俺は無視して進み始めた。
鬼になる理由<崇志2> 3/9
もし笹川氏がここにいなかったら、もう当てはない。
2階に潜んでいてくれることを祈っていた俺の目の前に、期待以上に早く、それらしき足が視界に入ってきた。
2階の入り口に仁王立ちしているパジャマ姿の男。
無表情で俺を見下ろしている。
目の焦点が合ってない。正気が戻ってないな。
俺は階段を上りきり、笹川氏らしき人物と、できるだけ距離を取りながら、対峙した。
『やつ』の右手には、なぜか鉈が握られていたから。
鬼になる理由<崇志2> 4/9
『やつ』は、抑揚のない声で言った。
「あいつらは?」
意味がわからない…。
答えず、
「笹川さんか?晴彦から連絡を受けて探しにきたんだ」
と告げるが、
「あいつらは?」
と、同じ質問を投げられただけだった。
笹川氏は鬼を探しにきたはずだから、鬼のことだろうか?
「娘さんは、ちゃんと家にいたよ」
と伝えてやった。それが懸念の元になっているのだろうから。
でも『こいつ』は、
「あいつらを見なかったか?」
と、また繰り返す。
…笹川氏じゃ…ないのか?
『あいつら』って、誰のことなんだ?
鬼になる理由<崇志2> 5/9
「笹川さん、だよな?」
もう1度確認する。
『やつ』は目を見開いて、少しだけ動揺を見せた。
「そ…う…かもしれない」
…おいおい(汗)。
「状況がわかるか?あんたは今日の明け方に自宅を飛び出して、ここまで運転してきたんだぜ?」
『笹川氏』は、きょろきょろと辺りを見回しながら、
「ここって…?どこだ?」
と正気を覗かせた。
ひとまず、安心。
「ここはI村の外れだよ。あんたが鬼を見たっていう家の中」
説明すると、笹川氏は顔を歪めて、
「マジで?げ〜。気持ちわる…」
と吐き捨てた。
…わかるけどさ(笑)。
「気味悪いのはこっちも同じだよ。それじゃあ、長居せずに帰ろうか」
と促すと、笹川氏も頷いたが、
「あ。やっぱり駄目だ」
と留まった。
「あいつらを皆殺しにしていかないと」
………。
とりあえず、鉈だけ取り上げておくかな…。
鬼になる理由<崇志2> 6/9
だけど、それは容易じゃなかった。
近づくと、笹川氏は右手を振り上げて威嚇する。
口調は普通なんだが、行動が伴っていない。体だけ、別のモノに支配されてるみたいだ。
鬼に憑依された?美耶の言葉が頭を巡る。
笹川氏が鬼と同化しているとすれば、皆殺しにする予定の『あいつら』って……。
……鬼に追い回されていたっていう、この家の住人たちのことじゃないのか?
「その人たちは、もうこの世にはいないよ」
俺自身が確かめた事実でもないが、そう断言しておいた。
笹川氏は、
「知ってる」
と答えた。
はあ?
ほんっとにわけわかんねえなあ。
「死んだ人間を殺しにいくわけ?」
と聞いてやると、頭をかきむしって、
「完全に消えるまで、何度でも首を取る」
と、物騒なことを言う。
…完全に消えてないのか。ここの住人は…。
そこまで恨む『笹川氏の中の鬼』って、どういう立場の存在なんだろう。
鬼になる理由<崇志2> 7/9
寺に来る相談の中で上位を占めるのは、憑きもの落とし、だ。家族や近しい間柄の人間が、突然、奇行に走る現象を、いまでも『狐憑き』と忌み嫌う風習がある。
と言っても、相談者も本当に怪異が原因だとは、ほとんどの場合、思ってない。精神的なつまずきが幻覚を見せるのだと、俺に説明してくる。
でも、俺はとりあえず、憑きものの存在を信じて祓う。俺が適当な気分でいると『憑かれた人間』は治らないからだ。
「笹川さん、あんた、とり憑かれてる自覚ある?」
だから、笹川氏にもそう振った。
笹川氏は首を大きく縦に振って、搾り出すように言った。
「なんとかしてくれないか」
声が掠れているのが気の毒だな…。
思い切って右腕に組みついた。鉈に固執しているのなら、取り上げたほうがいいだろう。
でも、俺の力でも、細身の笹川氏の腕を極められなかった。硬い。人間離れした筋肉で、俺はあっけなく床に振り払われた。
くそっ。力づくは無理か!
そのとき、笹川氏の後ろの階段から、美耶が顔を出した。
「お兄ちゃん、何してる…」
笹川氏が変化した…ように見えた。
体が盛り上がり、頭から2本のねじくれた角が生えた。
巨大化したせいで、右手の鉈が、軽々と扱えそうに見える。
そして、その鉈を、笹川氏は、美耶に向かって振り上げた。
鬼になる理由<崇志2> 8/9
俺は『鬼』の背中に組みついて、美耶と反対方向に引きずった。
重い。長くはコントロールできない。
無我夢中で鬼の体を壁に叩きつけた。笹川氏のダメージは考えなかった。
重量を増した肉体は、壁を突き破った。
笹川氏は2階から落下した。
美耶が悲鳴を上げて、笹川氏の落ちていった穴から身を乗り出した。
「暗くてよく見えない…」
焦燥感を顕わにして呟くと、今度は階段に舞い戻ろうとする。
その途中で俺の腕を強く引っ張った。
「ねえ、大丈夫?!笹川さんが落ちちゃったの、わかる?!」
ぼんやりと認識はある。
あの行動以外、どうしようもなかった。
「…笹川氏、生きてる…?」
思わず確認したが、美耶は『暗くて見えない』と言ったばかりだったな。
「わ、わかんない。でも、1階には」
言いかける美耶の言葉にかぶせて、聞き覚えのある声が、1階から飛び込んできた。
「えらいもん降ってきたんですけど、崇志兄の仕業?」
鬼になる理由<崇志2> 9/9
俺より早く、美耶が晴彦に答える。
「お兄ちゃんがやったんだけど、お兄ちゃんもちょっとおかしいの。いま、1階に連れて行くから」
晴彦が、
「あー…。オレが行くよ。そこにいて」
と返す。
すぐに顔を覗かせた晴彦は、笑顔だった。
「笹川さん、相当暴れたんですか?今は戦意喪失って感じで座り込んでますけど」
…生きてたかあ。よかった…。
「凶器を取り上げようとしただけなんだが、手強くってさ。それに」
家が思ったよりボロかった、と言い訳すると、晴彦は壁の大穴を見て笑い、それから真顔で首を傾げた。
「凶器?」
美耶も口を揃える。
「笹川さん、何も持ってなかったよ」
……………。
やられた。
とり憑かれてたのは、俺のほうだったのか。
980 :
本当にあった怖い名無し:2008/12/30(火) 11:36:25 ID:UxDt+FtW0
>>979 続きは来年かな?待ち遠しいです。良いお年を!
┌───────────────────
│ 鬼?ぼこぼこにしてやんよwww。
└───v───────────────
/⌒\ っ /\
/'⌒'ヽ \ っ/\ |
(●.●) )/ |: | すぐ連れて逝きますんで・・・
>冊/ ./ |: /
/⌒ ミミ \ 〆
/ / |::|λ| |
|√7ミ |::| ト、 |
|:/ V_ハ |
/| i | ∧|∧
и .i N /⌒ ヽ)
>>1 λヘ、| i .NV | | |
V\W ( 、 ∪
|| |
∪∪
鬼とか、どんどんおかしな方向に行ってるなあ
地蔵シリーズの方が良かったとぬかすか。
me too.
地蔵シリーズ懐かしいな。
あの頃の方が良かったな、俺は。
暫く教授が登場してないから寂しいのかも
確かに
兄や晴彦が出てきた辺りから急激に嘘臭くなっちゃったしな…
創作なのはかまわないんだけど、もう少し、良い意味で読み手を騙して欲しい
恋する妹キャラとか、完全に古典だよ
営業コンビとしてのエピソードは文句なしに面白かった
あのまま別シリーズとして独立してくれたら良かったのになぁ
俺はトリップだけの人を待ち続けてます
うに氏のみを待っていますよ
師匠と教授待ち
師匠と忍待ち
出現率の低いウニ・忍・枯野は年明け待ちか…
でも教授、赤緑、Uの人も乙です
洒落コワに師匠シリーズの二次創作が投下されてるけど、初期のウニを思わす文体で面白かった。
改行がうざかったけど。自称本家ウニより才能あるよ
どれどれ?転載よろ
URLをください
995 :
【大吉】 【1522円】 株価【120】 :2009/01/01(木) 17:00:16 ID:g/ooDArAO
あけおめ
忍は終わったんじゃなかったっけ?
明けましておめでとうございます。
>>995 まだ、終わっていません。リアルが忙しいのと、文才が無いので上手くまとめられずにいる状態です。
今年中には終わらせたいと思っています。
お、忍の中の人じゃないか、あけおめ
今年も(無理せず)よろしく
1000なら新シリーズ3本くらい始まる
1001 :
1001:
γ
(
_ノ
/
__
,、'" . `' 、
i`ー _ ',
. l| !| i""!|
}: }i |{ !j
〈| 'J |! }j :}
_ノ;し i} {J |
,、-,、' ハ- 、
( .( '、_ _ ,ノ ノ:i )
,、'""`ー---‐'"フ、_ - _,、' -'"
( _ ,、'"  ̄
`ー--─'"
千本目の蝋燭が消えますた・・・
新しい蝋燭を立ててくださいです・・・