オカルトなリレー小説

このエントリーをはてなブックマークに追加
1本当にあった怖い名無し
一人5行ずつ。
もちろんよい子は連投しない。
横幅は良識で。

荒らしは明白な場合のみスルーしてその前から。

自キャラ死なされても泣かない。
伏線ははっきりと。
カオスや破壊はほどほどに。
>>100までで一区切りにしよう。
駄レスで埋まっても延長しない。

さあどうぞ。
2本当にあった怖い名無し:2008/09/14(日) 04:21:04 ID:RQDcfjp+O
豊、直樹、晃、香苗の四人は同じ大学のオカルト研究会に席を置く仲間。
3かおりん祭り5 ◆KaORiNSqz6 :2008/09/14(日) 06:33:40 ID:499AJIvB0
   ∋oノハヽo∈ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
     ( ^▽^) < 新スレおめでとうございま−す♪
   = ⊂   )   \_______
   = (__/"(__) トテテテ
4本当にあった怖い名無し:2008/09/14(日) 07:34:43 ID:6DrVnbm7O
よくこの4人で、心霊スポットへ出掛ける。
5本当にあった怖い名無し:2008/09/14(日) 07:41:46 ID:G762D+sf0
そして、その場所で4Pを楽しむことが、香苗の密かな楽しみでもあった。
6本当にあった怖い名無し:2008/09/14(日) 09:30:17 ID:Kk9+1MYrO
「もう、電気点けてよ直樹ィ」
「いいじゃん、暗いほうが興奮すっだろ。ほら、もっとケツ上げな」
「ちょ、ちょっと!どこ舐めてんのよ豊」
「あぁ?俺まだなんにもしてねーよ。晃だろ?」
「晃はさっきからあたしとキスしてるわよ。」
7本当にあった怖い名無し:2008/09/14(日) 18:33:02 ID:OV5Gy0wA0
廃病院の黴臭いベッドに押し倒され、三人の男達から先を争うように蹂躙を受ける。
密かに持ち続けていたレイプ願望が満たされるこのひとときを香苗は何よりも愛していた。
8本当にあった怖い名無し:2008/09/14(日) 18:56:33 ID:QIJ9orZUO
ガッシ!ボッカ!香苗は死んだ。スイーツ(笑)
9本当にあった怖い名無し:2008/09/14(日) 19:24:17 ID:Ahx0PttGO
香苗を撲殺してしまった三人は、
遺体をどうするか考えた。
10本当にあった怖い名無し:2008/09/14(日) 19:32:42 ID:h9WPH/kvO
三人は、悩んだ挙げ句、2ちゃんのオカルト板にスレをたてて相談することに決めた。
11本当にあった怖い名無し:2008/09/14(日) 20:42:19 ID:Ssp3R/X0O
はじめのうち、そのスレはかおりんが来たりして普通の流れだった。
しかし、昔に起こった有名な事件をベースにしたネタだというレスが付き始め、
その事件についてまとめたサイトへのリンクがいくつも張られた。
リンク先に記されていたのは、まさに自分たちが犯した犯罪そのものだった。
昔の事件の犯人は未成年だったため少年A・少年B・少年Cという表記だったが、
12本当にあった怖い名無し:2008/09/14(日) 21:43:10 ID:EfyRiQOgO
もう還暦もとっくに過ぎた四人には無関係だと思った。
それより最近やたらと中島みゆき関連のスレが多すぎる…
13本当にあった怖い名無し:2008/09/15(月) 01:48:22 ID:3C+XzfNxO
しかし、中島みゆき関連スレの一つ一つに気になるコテが張り付いていた。

名前は【香苗】
14本当にあった怖い名無し:2008/09/15(月) 17:35:32 ID:gxDsHVco0
ウィットに富んだジョークで場を盛り上げるかと思えば中島みゆきに対する造詣も深い。
香苗が張り付いたスレは漏れなく良スレの様相を呈していた。
15本当にあった怖い名無し:2008/09/15(月) 17:37:59 ID:t2omzyWbO
凍りつく四人…。
香苗?…なぜ…。それぞれが金も名誉も手に入れていた今、あまりにもの展開に愕然としていた。
16本当にあった怖い名無し:2008/09/15(月) 19:42:55 ID:zybxIuB4O
暗がりの中で実際になにが起こったのか誰もが理解していなかった。
ただひとつ言えることは香苗が死んだことだ。
晃は丸出しになったペニスを放り出したまま、呆然と虚空を見つめていた。
17本当にあった怖い名無し:2008/09/15(月) 20:31:59 ID:q1nNCc7P0
っと突然!部屋へと雪崩れ込んで来る謎の黒服の男たち。
「・・・っ!あ、ああアンタ等は誰!?」
男達に捕まりつつ晃が叫ぶと、男の一人がIDを見せながら言った。
「FBIの者だ!すまんが一緒に来てもらおうか!!」
18本当にあった怖い名無し:2008/09/15(月) 21:55:59 ID:jUhDQvjOO
車に押し込められ、助手席の男が晃に話しかけた。
「悪く思うなよ。俺たちだって逆らえねぇんだ」
「逆らえねぇって…誰にだよ!」
「…お前もよく知ってる奴だよ…あと、チンコしまえ。」
19本当にあった怖い名無し:2008/09/15(月) 21:56:48 ID:9bo/YvyRO
合図と同時に、背後で待機していた部下らしき屈強な男達が晃達を取り囲む。
抵抗する余裕もなく壁に押し付けられた三人の背中越しから
乱暴にミランダ警告が告げられると、FBIを名乗る男達は手早く現場を検分し始めた。
晃は、限られた視界で男達の正体を見極めようとしたが
無駄の無い洗練された動作が、彼らが完全な訓練を受けたプロである事を示す以外、
何も手掛かりは得られなかった。
ただ、男達の黒服の肩部を覆いつくす大量の白い鳥のフンが
(この人達、電線の下に長時間いたんだなあ)と、ぼんやりと思わせるのだった。
20本当にあった怖い名無し:2008/09/15(月) 22:15:04 ID:QaIVggfO0
何度も角を曲がり同じ場所をグルグル周るお決まりのパターンで
完全に距離感・方向感覚を狂わされた後、車が止まり目隠しを
取られた豊が降ろされたのは見慣れた豊の自宅マンションの前だった。

「15分以内に支度しろ、ちり紙とhandkerchiefも忘れるな」
21本当にあった怖い名無し:2008/09/15(月) 22:42:24 ID:zybxIuB4O
豊はYes!Sir!とおどけてみたが、誰からの返答もなかった。
常軌を逸したこの状況に冗談のひとつでも言いたくなるのだろう。
FBIのひとりの厳しい目線から逃れるようにアパートの階段を駆け上がった。
22本当にあった怖い名無し:2008/09/15(月) 23:09:38 ID:FTaRsXSxO
豊は自分の部屋に入ると、不思議な安堵感と得もいわれぬ焦燥感に支配された。
目にする物総てが、いつもの自分の部屋の物である筈なのだが、それはまるで誰かが予め用意した別の部屋の様にも思えた。
残り時間はあと13分22秒ばかり、兎に角ティッシュとハンカチをジーンズの左の尻のポケットに押し込む。
「一体なんだって言うんだ。クソヤロー。FBIが一体何のようなんだよ!兎に角逃げるしかねぇよ、クソッ!」
タバコに火を着け唇の右端にくわえ窓ガラスから外を眺めた。
「よし、ここからだな!チキショー!」そう言って窓を開け放ち、右足で窓の枠を大きく蹴って宙を舞った。
23本当にあった怖い名無し:2008/09/15(月) 23:47:32 ID:zybxIuB4O
豊の体はふわりと中空を舞い、隣家の屋根に着地した。
幸い二階からであったので、大きな物音は立たなかった。
三軒ほど屋根伝いに進めばコンビニエンスストアがある。防犯体制はかなりものらしい。そこで助けを求めるのが得策かもしれない。
冷静に考えればFBIなど馬鹿げた話だが、現場の捜査の手際をみると只者ではないのは確かだ。
時間のリミットも近づいている。早く逃げなければならない。
直樹や晃に申し訳ない気持ちになりながら、四つんばいで息を潜めがら、屋上を進んだ。
――――香苗。オカルト研究会において太陽のような存在だった香苗。
奔放で振り回されていたけど、死んだなんて信じられない。豊は滲む涙を堪えながら、歩をすすめた。
24本当にあった怖い名無し:2008/09/16(火) 00:16:15 ID:7hU0QDXsO
「・・・・・・・」
豊はふと後ろが気になり振り向いてみた。が、特にこれと云って何も不審な様子は無いようだった。
そして口にくわえていたタバコを大きく吸い込んでゆっくりと吐き出した。
煙はまるでエクトプラズムの様に目の前を漂っていた。風が全く吹いていないみたいだ。
そしてまたゆっくりと屋根の移動を開始した。緊張と焦りのせいか手のひらに異様な汗をかいていた。
25本当にあった怖い名無し:2008/09/16(火) 00:34:06 ID:B/S2/cW9O
と、ここでネタばらし。
実はこの物語、登場人物全員が香苗の妄想が作りあげたものだったのだ。
それに気付いた香苗も思わずニッコリ。
すぐに入院の手続きを始めたのだった。


二ヵ月後、そこには元気に走り回る香苗の姿が!

香苗「まさか中二病になってたなんて…これからは腐女子なんてやめるよ(笑)」
26本当にあった怖い名無し:2008/09/16(火) 00:41:29 ID:/utCKAAvO
匍匐前進でどうにかコンビニエンスストアの屋上まで辿り着いた。
追っ手には気が付かれていないようだ。屋上にはエアコンの室外機が低い唸りをあげて生暖かい空気を排出している。
階下の様子を探り、早く店内に逃げなければ、そう思い飛び降りようとした時だった。

「…待って」
女の声が聞こえた。振り向くと煙草の紫煙があたかも人型のように形づくっている。

「もしかして…香苗?」


27本当にあった怖い名無し:2008/09/16(火) 00:55:37 ID:4fi3UbCC0
「スイーツ(笑) 」
何か勘違いしているとしか思えないこの挨拶は紛れもなく生前の香苗の口癖だった。
震える豊に対し安心させるように微笑みながら、香苗は意外な提案を口にする。
28本当にあった怖い名無し:2008/09/16(火) 01:09:14 ID:2DrPeoebO

 ‐ 完 ‐
29本当にあった怖い名無し:2008/09/16(火) 12:31:20 ID:1z+fJX5Y0


- 再 開 -
30本当にあった怖い名無し:2008/09/16(火) 18:10:43 ID:OzbsWm2T0
「さ…いかい…? 何が―」

グチャっ――

「!!!うわぁぁぁァァァァァァァァァアーーー!!」

香苗の顎が、熟した柿が落下した時のような音をたてて彼女の足元に腐り落ちた。
最初、紫煙のようだった香苗のその姿は、今は澱んだ腐敗臭を放つ屍となって、恐怖のあまり腰を抜かしへたり込んだ豊を見下ろしている。
31本当にあった怖い名無し:2008/09/16(火) 18:22:37 ID:AaCVYe1w0

「うー、トイレトイレ」

その時、香苗の耳に聞こえてきた言葉は、豊と出会った時と同じものだった。
香苗と豊の出会いは、今から2年ほど前。
仕事帰りの香苗が腹痛に襲われ、公園のトイレへとやって来た時に豊と出会った。
豊はベンチに座り、美味しそうなチーズタルトを食べていた。
そのチーズタルトを、香苗が物欲しげに眺めていた時、豊に声をかけられたのが、二人の運命は繋だった。

た べ な い か
32本当にあった怖い名無し:2008/09/16(火) 18:27:56 ID:2j/YY5VH0
「違う…!お前を殺したのは俺じゃない…!!」
あの時、豊は必死に止めようとした。
だか狂気に駆られた男二人を止めることは豊には出来なかった。
やはり香苗はあの二人と同じように自分をも恨んで死んでいったのだろうか?
豊は屋根から飛び降りると本来の目的地であるはずのコンビニに助けを求めることも忘れ、
ただひたすらに走り、逃げた。
33本当にあった怖い名無し:2008/09/16(火) 18:41:25 ID:FYTmeW3C0

恐怖心からか、豊は何度も振り返る。
しかし、意外な事に香苗が追い掛けて来ている様子はない。
しばらく走り続け、体力の限界を感じた豊は、後ろを振り向き、香苗の姿がない事を確認すると、その場に立ち止まり、タバコをくわえ、前を向いた。
しかし、くわえたばかりのタバコは、豊の口から地面へと落ちていった。

「ここは…。」

豊の目に映った光景は、あの日、香苗が死んだ廃病院だった。
34本当にあった怖い名無し:2008/09/16(火) 19:02:58 ID:OzbsWm2T0
陰気という言葉がまさに当て嵌まる廃病院。
草いきれに覆われ、辺りは手入れのされていない雑木林。

心霊スポット――

確かにそんな感じだ。だがふと豊は思った。

(霊なんて、ここにはいねぇ)

別に豊には霊感があるというわけではないのだが、何故だか唐突にそう思ったのだった。
35本当にあった怖い名無し:2008/09/16(火) 19:25:30 ID:khQPL70VO
少女が私に何かを手渡す、何だろうか?
よくみるとそれは人形で、私の生き写しの様にそっくりだった。
少女はわたしに人形を手渡すと、はにかみながら走り去っていった。
私のタウタウ人形、誰が作ったのだろうか?
36本当にあった怖い名無し:2008/09/16(火) 19:35:57 ID:7/LnYMZE0
そ〜のうち何とか、な〜るだ〜ろう〜♪
37本当にあった怖い名無し:2008/09/16(火) 19:37:55 ID:1WhkRiCTO
気が付くと豊は廃病院のロビーに蹲っていた

さっきのは?あの少女は?タウタウ人形?いったい何の記憶だ?先程自分は"彼女"だった・・・
38本当にあった怖い名無し:2008/09/16(火) 19:51:49 ID:OzbsWm2T0
急に外が騒がしくなった。
割れた窓から外を覗くと、例の自称FBI?達が駐車場にいた。
39本当にあった怖い名無し:2008/09/16(火) 20:18:35 ID:2j/YY5VH0
慌てた豊は人形を取り落としてしまう。
それを拾おうと伸ばした手が床から突き出した何かに触れる。
薄暗くてよくわからないがどうやら取っ手のようなものらしい。
床下収納でもあるのだろうか。とにかく身を隠すことが出来るのなら何でもいい。
豊がそれを引き上げるとそこにはコンクリートの地肌を剥き出しにした階段が、
暗い地階へと続いていた。
40本当にあった怖い名無し:2008/09/16(火) 21:20:35 ID:khQPL70VO
誰かいるのだろうか?
人の気配を感じる、オルゴールらしき音が聞こえる。
41本当にあった怖い名無し:2008/09/16(火) 21:30:35 ID:7hU0QDXsO
その階段をゆるゆると降りていくとひんやりとした空気が豊の体を刺激した。
先ほどの扉を閉めてしまったために、灯りはZippoのライターの炎だけが頼りだ。
人ひとりがやっと通れるこの階段が、廃病院となる前に一体何の役目を果たしていたのか、大学生の豊には想像すらつかなかった。
いや、恐らく大抵の人ですら、この階段の本来の目的を見出だす事は難しいのかもしれないのだ。
豊は左手に人形を持ち、右手の灯りを頼りに進み続けた。自分の足音だけが不自然に響かせながら。
「……ッテよ…」
突然誰かの声の様な音が、豊の足音のリズムにノイズを入れた。
42本当にあった怖い名無し:2008/09/16(火) 21:44:00 ID:7hU0QDXsO
>>40
スマン、リロードしてなかったm(_ _)m
43本当にあった怖い名無し:2008/09/16(火) 21:57:39 ID:j6cOcx9l0
俺は正直、外を出歩くのが嫌いなんだ。
だから、いつもなら俺は、あんなとこであんなことをすることもなかったはずったんだ。
(くそっ。ババァが用事有るから外出ろっていうから……ぶつぶつ……
くそっ、どうせまた別の男だろ、くそっ……いいつもは俺のでヒィヒィ鳴くくせに……ブツブツ……
やはり家からでる必要はないんだよ、この神である俺様が……)
正直、俺はネットでは神だ。ハッキングはお手のもの。
特に、俺は2ちゃんねるが好きで、ほとんど暇つぶしでかまってやってる。
俺が以前、下僕にした某削除人の秘密をばらすとおどしてからだが。
誰にもバレないと思って書き込む奴らの秘密をちらつかせたり、晒すのが楽しくてハマっていた。
俺の天下だったが、以前、ムカついた奴がいたので適当にでっち上げを晒してからは……
歯車が狂っちまったのか……俺が標的になって晒され出した……最悪だ……。
(……ちくしょう、俺が神なんだぞ……黒服なんて、オフイベで奴を脅すだけで十分だろ……なんで俺が……)
……まさか、そうなのか……奴はゲームで電波な忍者をやってる……。
俺は奴が一人でゲームしてるのを確信してたから晒していた。
だが、奴が一人でなく……あのリアリティ有るサイレント・キルの台詞やオカルトに通じる知識も嘘でなく……
「奴ら」のプレイスタイルが本当に「陰●王」や「影●軍団」のパクりでないなら……

あれはFBIのフリをした本物の忍者なのか?それともそれに類する何かなのかよっ?
44本当にあった怖い名無し:2008/09/16(火) 21:58:15 ID:j6cOcx9l0

「ちっ、ニート風情が……陰気が籠もった場所じゃみわけつかねぇぞ。あんなの見殺しにすればいいだろうによっ。」
「ばかやろうっ。奴に憑いたあの霊が門になるには、鍵となるモノがいるって仰いてたろっ。あのニートは正にうってつけだから困るんだろぅっ」
(ヒィ!!?)
黒服がいつの間にか近くにいやがった。壁一枚、やべぇぇっ。
しししかも、俺、俺の中の何かが、かか、かなりやべぇって警告してやがるっ。
こんなことは消防や厨房で、鬼怖ぇ体育教師のクソに追いかけ回されたり、
いじめの屑共の待ち伏せされた時なんて目じゃねーっ

ドシンッ

ひぃぃぃっ、こここ今度はなんだよぅぅぅっ!?
「殺せばアノ霊の思うツボダ。生け捕リ、アノ監獄島に送り込むム。そこまでがニンムダ」
「鬼風情が偉そうにいうな。」
「我ら烏天狗はテンリョウ直轄、天神地祇のシノビだ。言われるまでもなく承知。」
「胸くそわりいな……とっととあの屑ニート探すぞ。」
し、し、しししし、しのびキター!?マジキター!!
鬼?烏天狗?……どこの妖怪大戦争だっつーのっ、鬼太郎マジたすけてっー!

股間が生暖かくなってきたが、ササ、寒気がするから丁度いいんだぜ……。

「……ってよ……」
ひぃぃぃぃ!!!
45本当にあった怖い名無し:2008/09/16(火) 22:09:55 ID:Ea5tlUF00
「……ッテよ…」
俺の中の何かが更に大きくなった気がする。

肉眼で見る、というよりも、意識がそちらをミタ、という感じだった。

「この音色……きれいでしょ……よくきいて……」

俺は肉眼でない感覚でミルといいうことがどういうことかを実感してるはずだった。
だが、そんなことはどうでもいいっ
そんなことカンケーネー!!

ここから逃げなければ!!
46本当にあった怖い名無し:2008/09/16(火) 22:36:11 ID:/utCKAAvO
消え入りそうな声の正体は確かに香苗だった。まるで頭の中に直接響くようなあの声。
まずここから逃れ、頭を整理したい。そう豊は感じた。人形を握り締めた手にも力がこもる。
この細い階段を上がり続けても、退路を絶たれるだけだ。
勇気を持って階下に降りるのが先決だ。ふと気が付くと香苗の声もオルゴールの音色も聞こえない。
もはやこの世のものではないのかもしれない。しかし、今がチャンスだと豊は感じた。
歩を止め、深呼吸をし、その瞬間踵を返し、階段を掛け降りる。
なにを見ても、なにを聞いても恐れない。逃げて真相を掴むまでは。そう誓い、一心不乱に院内を駆けていった。
47本当にあった怖い名無し:2008/09/16(火) 23:37:37 ID:n8HAbiRZ0
この世のものではないのかもしれない。そう、豊が気が付かなかったのは無理ない。

地下に降りているはずなのに、
何故、地上の出来事を聞き取れたのかを。
何故、突然オルゴールの音色が聞こえたのかを。
何故、FBIから忍者のことを想起できたのかを。
何故、妖怪という言葉を思いついたのかを。
何故、何故、何故……全てが常識的に考えれば非常識であるのに。

豊の躯は、運良くもまだ、彼の自宅の「階下あった。」
ニートでなくても、着地でミスれば、打ち所が悪くなるのも当然。彼はたまたま頭部を打っただけだったのだ。

そして豊は「あの」幽体離脱を行っていることに気が付かないまま
幽玄の世界、「あの世」を走り抜けていたのだった。

「あの世」においては、望んだことが起きる。
本人の望む姿や、与えられた姿でいることができる。
その姿と同じく、居場所においても、
「もっとも望まれる景色」を、その場所に集まった魂が望むことにより
まるで「存在してる・見える」かのようになってはいるが
実際は「思いこむ力を共有することによる幻覚」でしかない。
いわば、ネットゲームを「リアル体感」しているようなものだ。
そして今、豊と、豊を捕らえんとするモノ達による意識共有で生み出されたステージである
「廃病院」は、更に色濃く様変わりを始めだした。
このまま色濃く闇が、陰気が増せば増すほど
「あの世」にふさわしいもっとも近い「あの世」が近くなることを知らず。

求めよ、されば得られん
類は友を呼ぶ

これは霊界においては絶対の理であることを、生者なれば忘れて久しくなりやすい。それが現世の理なのだから。
故に、豊は仮死状態のまま、まだ気が付かないでいた・・・。
48本当にあった怖い名無し:2008/09/17(水) 01:06:47 ID:faof4nKp0
「目標ニート確保。窓からの逃亡を試みるも、失敗の模様。どうぞ。」
『(ピポッ ザッ) ……了解。対象コンパクの追跡は別班が続行中。身体は付近住人に気取られることなく、XXX神社へ搬送を。ひとひとふたまる時に「開城」する。どうぞ(ピポッ)』
黒服にサングラスの一人は豊のそばにひざまづき、犬のように鼻を嗅いでおり、もう一人はヘッドセットらしきもので会話をしていた。
「……マリファナかな……。かなーり、臭いがしみこんでるな……。」
「……了解。あぁ、でなければ、こんなに離れやすく、かつアッチに逝っちまうこともない。」
虚空に親指を向けて苦笑い。
「とっとと俺っちを呼べば……って言ってもはじまらんか」
「犬狼のお前さんを呼ぶまでもないって思ってたんだろうよ。さて、とっととこの生ゴミを運ばないと完全に逝っちまう。周りの様子は?」
豊を軽々とかつぎ上げた黒服は、もう一人の黒服に尋ねる。
「昨今における、あのお方の精霊界降ろしが順調だからな……俺たちが望むなら、なんとでもなるぜ。」
そして彼らは誰からも見咎められることなくどうどうと、豊の身体をXXX神社へと運びさった。

そして豊の部屋から出てきた数名の華奢な体躯の黒服は、口元を押さえつつ玄関を出ていった。
豊のゴミ部屋のモニターの前に、一通の手紙を残して。
その中の手紙にはお決まりの文句があった。

『探さないで下さい。』
49本当にあった怖い名無し:2008/09/17(水) 02:16:13 ID:YPooYI2y0
豊は一心不乱に院内を駆けていった。
本人としては、階段を降りてるはずなのに。

階下だ、階下にいけば、きっとっ

しかし、下へと向かうにつれて、暗さがまし
そして、なにやら不穏な雰囲気はいや増すばかりだった。
50おーひろわーく木戸内:2008/09/17(水) 02:34:35 ID:CVSZUUH0O

 ‐ 完 ‐
51本当にあった怖い名無し:2008/09/17(水) 05:17:26 ID:8U8Qh8q0O
ー完ー 本当にその文字は頭骨の中で反射を繰り返し自らの過ちを律するはずであった。
病院を走り回る姿も、香苗の幻聴も全て夢うつつの出来事だと知ったのは……
黒服の肩に担がれ逆さまの状態で目がさめた時だった。
(どうすれば……)直樹も晃もいない今、あきらめにも近い気持ちで、この状況に身を委ね様と決心するまで
たいして時間はかからなかった。
52本当にあった怖い名無し:2008/09/17(水) 05:35:24 ID:xL19aiEOO
黒服の肩に担がれたまま、豊は×××神社の境内に着いた。
すると、黒服は豊を乱暴に地面へと放り投げる。
ピ、ポ、パ…
気絶しているフリをしながら豊は薄目を開けて様子を探った。
53本当にあった怖い名無し:2008/09/17(水) 09:07:17 ID:X5V9PGrw0
豊は考える。今必要なのは自分の置かれている状況を少しでも把握することだ。
とはいえ豊に出来ることは限られている。下手に周囲を見回して目覚めていることを
黒服に悟られるのは避けたかった。
豊は目を閉じ聴覚に神経を集中させた。境内(?)は静まり返り、木々のざわめきと
無機質な電子音、そして携帯を操作しながら何事かつぶやく黒服の声だけが聞こえてくる。
豊はその声に耳を傾けた。

「し・ん・す・れ・お・め・で・と・う・ご・ざ・い・ま・す…っと」
54本当にあった怖い名無し:2008/09/17(水) 12:54:58 ID:tCbifOxC0
世の中知らない方が幸せなこともある。
知ってしまったことを後悔しつつも豊は次の行動を起こしていた。
足音を殺し、息をすることも憚られるほどの慎重さでゆっくりと歩を進める。
黒服は全く気付いていない。どうやら夢中でリロードを繰り返しているようだ。
55本当にあった怖い名無し:2008/09/18(木) 00:26:56 ID:GtZmMGX0O
第一部完
56本当にあった怖い名無し:2008/09/18(木) 08:44:53 ID:oCueaS0S0
第一部要約

豊は引きこもりの学生ハッカーだった。
過保護で溺愛の母親との関係を、厳格な元豪族家系の父親に知られたことで、
離縁を受けての高級アパート二人暮らし。
期待され、裏切られ、愛欲のおもちゃとなりはてた豊自身が
歳を重ねるごとに性格や行動が極端な傾向になったのもうなずけるだろう。
母親に飼われる毎日。抜け出す気力等も無いくせに
親が悪いと言い訳に逃げ、ネットに逃げ、とうとう母親が常用する麻薬にも逃げ出すしまつ。
悪循環が重なり、暇つぶしのネットサーフィンもいつのまにかハッキングにかわり。
そして人恋しさからの2ちゃんねるが、今では削除人を脅して得たスキルでやりたい放題。
彼の本性の一面が肥大化することで彼の運命が
自ら大きな墓穴を掘り出していたことに気が付かなかった。

そして。あまたの数奇な偶然━━いや、必然によって彼は神妖人混成の秘密結社に捕縛され、死者がまず先にたどり着く世界、精霊界へと送り込まれることに。

身体は霊石に封印され逃げ場無し。
彼が抱えてる問題、地獄門の死霊による鍵化に立ち向かう為に
死霊でもなく自縛霊でもないナマタリ、生き霊の豊による
現世と霊界を行き交う修行は今も続いていた。

※ナマタリはご都合主義全開の存在です。
生身の人間や幽霊と同じ事がほぼできます。
しかし、定期的に人の恩情や愛情を得ないと次第に変質し、
人間らしさからかけ離れた悪霊・悪魔・妖魔のたぐいになりますので注意して下さいw
57本当にあった怖い名無し:2008/09/18(木) 18:51:17 ID:iJoj72LI0
番外編

(なんでこんなことに)
「そりゃ、これがお前にとって、そして我々にとってメリットがあるからさ。」
豊の心の声に、マッチョゆえにパッツンパッツンになった黒服を着た、赤肌の男と並んでいた。ちなみに角が一本生えていたりする。
(結局死んだってことだろ!?なんでこんなことにこんなことにっ……ぶつぶつ)
「興奮するな。でないとお前が苦労するぞ?」
(うっせーな!、って、どうして思ったことが分かるんだよ!)
黒服の鬼は豊の頭上を指さした。
そこには薄もやに浮かぶ、豊に関わる様々なことが映し出されいた。
「もう一度、説明するから、よく聞けよ?
近親相姦や薬物でただれた生活をしてたニートでハッカーだった豊君。
ここは霊界の入り口、精霊界。ここで霊魂は生前の垢を落とし、霊界の奥に進む心の準備をするんだ。」
(やめろっ!やめてくれー!これを消してくれぇ!!)
虚空に浮かぶ虚像は彼の全てを映し出していた。ふれればその声や音までが明確に頭の中に浮かび上がった。
「まぁ、人間の場合、これがいわゆる走馬燈と呼ばれる現象でもある。興奮するなよ?
この霊界では、肉体能力の一つ、『心に思っていたことを口にださない。』ということはできないんだからな。
そしてその思いが強ければ強いほど伝播しやすくなる。ほら、お客人だ。」
(え?ゲフッ)
豊は、突然現れた数名の霞のような存在から『衝撃』を受けて吹き飛んだ。
(てめぇかっ。俺のことをさんざっぱらネットで馬鹿にしていたのは!)
(よくもあることないこと書き込んでくれたわね!)
(そうか、君だったのか……いつかあえると思っていたよ……このゲスヤロウ!)

豊は相手が分からずに、文字通り、イメージ描写付きのフルボッコを受けて疲弊した。
58本当にあった怖い名無し:2008/09/18(木) 19:17:55 ID:XbUMaGi+0
豊はフルボッコの最中、怒濤の如く流れ込んでくる悲痛な情報で深く深く疲弊した。
他人に与えた影響と結果。彼らのたどったその人生と結末。
それらを一瞬で無理矢理追体験させられたのだ。
「大丈夫か?まだ沢山客人がいたが……まぁ俺の中に取り込めばあちらさんには見えんだろ。」
「止めてくれるならさっさと止めろ!このくそでぶふっっぅ!」
豊は胸ぐら当たりを捕まれ、鉄拳をみまわれた。ような感覚を受けた。
「口をつつしめよ。この姿はお前にとって一番都合が良い姿であることを忘れるな。まー……別にいいんだぞ?お客人を無視して、あちらのお迎えに渡しても。」
「い、いえ、結構です。ごめんなさい。」
意識を向けたその先には、彼を追い回していたあの女性霊が薄暗い場所からじっと睨んでいた。
この間引き込まれた場所は、確かに地獄と呼んでふさわしい場所だった。
しかし、それさえもまだ浅い場所らしいのだから、身の毛がよだつとはこのことだろう。

「方便での説明になるが、霊界の奥は光と闇による明暗の階層がある。アレは闇の部類、地獄側のモノであり、お前はVIPだ。
コレ以上死ぬことはないからな、きっと極上の阿鼻叫喚を、永劫にプレゼントしてくれるだろうよ。」
「先生っあの俺の身体の石はいつなくなって現世に帰れるんですか!」
「ふん、虫のいい餓鬼だ。あれはお前の自尊心、こだわり、ほかひきこもごもの具現化したイシ。
意志にして石というわけだ。だから自由になりたければ、自分の考えを改めるしかない。」
(くっだらねーだじゃれだなーおい)
「コトダマというのは概ねそんなもんだ。
そしてお前は生き霊、ナマタリという状態だ。
後はとにかく現世で人助けしてこい。
手段はとわん。
それこそがお前がお前のまま存在し続ける為に必要なことだ。
まずはそれから……だっ。」
ゲシッ
(ぅわーーーーーーーーーーーーっ)
フルボッコされた時と同じく、鬼に蹴飛ばされた瞬間、
その思いが伝わってきた。
『同じナマタリを捜して尋ねろ。必ずしも人間の姿ではないぞ。もしくは守護霊や天使と思える人物から「学び」・「盗れ」。それができなければお前は何もできずに地獄に引き込まれるぞ。』
何故かそれは何かに似てて。そして豊が今までほしかった何かに思えてならなかった。
59本当にあった怖い名無し:2008/09/18(木) 20:39:04 ID:A7WkItw80
「はーいっ、俺、豊ってんだ。君はなんてーの?」
声をかけたはずの女は見向きもせずに、豊の身体にぶつかったと思ったらすり抜けていった。
何人目だろうか。ここまでくると信じざる終えない。
「幽霊、か。ナマタリとかはもちっと便利だって話じゃなかったのかよ。」
ぽっぽー。ぽっぽー。
「鳩かぁ……いいなー。鳩になればもっと自由なんかなー。」
…?
(あれ?……お、スカートの中が丸見え……いい眺めじゃー)
ぽっぽー。ぽっぽー。とことことこ。
(なんか、せわしなく……首を……あれ?なんか目線低くなってませんか?)
ぽっぽー。ぱたたたたっ!
(あれ?俺、はとー!?)

「お?なんだ。どうしてここにいるんだ?」
気が付くと、俺はあの赤鬼にのぞき込まれていた。
どうやら俺は鳩と共に一生を送ってしまったらしい。
鳩……案外過酷な生きざまなんだな……。
「はーっはっははっはっはーっ! こいつは傑作だっ。いきなり鳩の守護霊をしてきたのか!」
だ、誰が、好き好んで鳩なんかのっ。あああんなのの為にがんばったんじゃないんだからねっ!
「それが現世のツンデレってかっ!?はーっはっはっはっはー!」
……返す言葉見つからんよ、クソッ……
「ま、早い話が、そういうのが守護霊の苦労ってやつであり、……だな。そうだ、お前の身体を見て見ろ」
おお!?……なんだ?何かかわってるのか?
「ほんの少しだが、形が以前より変わってるぞ。まー、もう少し、自発的に行動して、その憑いた相手の災難をなんとかしてやれ。そうそう、人間の守護霊になるのは更に大変だし辛いからな。もう少しマシなことからやってみろ。」
こんなこと何回やれば済むんだよ?
「気にするな。霊界の住人は時間に関与されない。お前の身体の時間は本来の時間で元に戻るから安心して、何度でも行ってこいっ。」
どんっと、背中を押された途端、俺はまた現世へと送り返されるのだった……。
60本当にあった怖い名無し:2008/09/20(土) 00:06:15 ID:nLadzwKn0
↑1人5行まで!
気がつくとそこは例の廃病院だった。
「あれ...俺..」
突然1人で暗闇にたたずんでいることが怖くなった豊は、出口に向かって駆け出した。
目の前には赤の扉と緑の扉。
61本当にあった怖い名無し:2008/09/20(土) 01:56:42 ID:zJFUUhp/O
底知れぬ恐怖に狼狽する豊に追い討ちをかけるように、理不尽な選択が強いられる。
(くそっ、どっちにすりゃいいんだ)
ふと豊の脳裏に、子供の頃に聞いた「赤い半纏」という都市伝説が思い出された。
(確か赤い方を選べば血まみれに惨殺されるんだったな。それよりは…)
豊は一縷の望みをかけて緑の扉を開けた。
(!? なんだ、あれは?)
目の前には青緑色に変色し、屍蝋と化した大量の女性が獲物となる生者を待ち構えていた。
62本当にあった怖い名無し:2008/09/20(土) 14:26:09 ID:ifsPO0ZcO
豊は静かにドアを閉めた。
踵を返し外へ向かって歩きだす。院内に豊の足音だけがこだまする。
割れたガラスが痛々しいエントランスから屋外へ出ると、生暖かい空気が体にまとわりつき、豊は顔をしかめた。
鬱蒼と生い茂る雑草が行く手を阻んでいるが、気にせず薙ぎ倒し進んでゆく。

すべては夢だったんだ―――豊はポケットからマルボロを取り出すと古いジッポーで火をつけた。

63本当にあった怖い名無し:2008/09/20(土) 19:44:01 ID:nLadzwKn0
|              
|.-──-、 
| : : : : : : : : \          
|: : : : : : : : : : : ヽ      
|-…-…-ミ: : : : :',     ふと視線を感じ、ふり返ると
| '⌒'  '⌒' i: : : : :}   
| ェェ  ェェ |: : : : :}    病院の入り口から何かが覗いている。
|   ,.、  |:: : : :;!        
| r‐-ニ-┐| : : :ノ       
|! ヽ 二゙ノ イゞ‐′       
| ` ー一'´丿 \        
| \___/   /`丶、     
| /~ト、   /    l \.  
64本当にあった怖い名無し:2008/09/20(土) 20:32:45 ID:Pfw0wY1i0
「なにをする!やめろ!やめてくれーー!」
豊は叫んだが、ほんとはしてほしいのだ。
65本当にあった怖い名無し:2008/09/20(土) 23:51:04 ID:yxyZ8B1AO
いつの間にか豊を見つけていた黒服が
彼を羽交い締めにして一生懸命に耳に吐息を吹きかけていた。








アッー!!
66本当にあった怖い名無し:2008/09/21(日) 01:59:00 ID:RaskLvawO
豊は寸隙で見張りの手をすり抜け、肘を後方の黒服の鼻面に食らわした。
悲鳴とも鳴き声ともわからない音を発し蹲る黒服に、豊は向き直し爪先でまた鼻目がけて蹴りを放つ。
隣の黒服がなにか罵倒しながらかかってきたが、それをマタドールの如くいなし薙ぎ倒す。
まるで聞き慣れた悪役のセリフを放っていた輩だったが
思い切り腹を蹴り上げると呼吸困難なったようですぐに黙った。
先程肘を食らわした黒服に豊はニヤニヤしながら近づいていく。
黒服は何かを察したように悲鳴をあげたが、豊はむしろ心地よい交響曲でも聴くかのようにうっとりした表情で襲い掛かる。
手で遮り許しを請う黒服に容赦なく打撃を与える。手の間を擦り抜ける豊の拳は黒服の顔面を的確に捉え続けた。
まるで粘土細工のように黒服の顔面は拉げてゆく。隣でうつ伏せていた黒服は失禁しているようだ。
それだけ凄惨を極める暴力だった。頬からは奥歯が見え隠れし、眼球は飛び出んばかりである。
しかし豊の狂気は留まることを知らなかった。黒服の指を取ると躊躇いなく通常曲がり得ない方向に折り曲げた。
断末魔の叫びがこだまする。豊は退屈そうに部屋の片隅にあったコンクリート片を取り上げた。
67本当にあった怖い名無し:2008/09/21(日) 03:24:42 ID:1SOiT37/0
「……さてと」ここまで書き終えた分をアップすると、携帯は打つ指を止めた。
「フフフ、皆が俺の才能に食い付いてくるに違いない」携帯には確信があった。

(世に出ている小説家どもより、俺の方が面白い作品が書けるんだよ)

一度も最後まで作品らしい物を書き上げた事などない。
それどころか、これまで他人に認められる様な何事もやり遂げた事は無い。
あるとすれば臆病者が現実逃避の中で妄想した、物語とも呼べぬ、
継ぎはぎだらけのプロットだけだ。

自分を甘やかす日々の中で、肥大化した無根拠な自信……。
しかし「俺には他の人とは違う才能があるんだ」という自惚れに、その声は聞こえない。

「さて、どんな反応があるのかな?」
嬉々としながら携帯はゆっくりとリロードし、そして現実の声を聞く。

>>66
つ ま ん ね

68本当にあった怖い名無し:2008/09/21(日) 05:54:51 ID:Vb2TQxwf0
10行越える長文はもれなくつまらんね。(当然↑も)
ルール違反だし荒らしとみなしてスルーしてもいいんじゃんね?
69本当にあった怖い名無し:2008/09/21(日) 21:46:14 ID:RaskLvawO
いいじゃんね―――豊はそう思うとベルトを緩めた。
ずり下がるデニムのパンツの下から隆起したペニスが露になる。
「ヘッヘッヘッ、愉しみはこれからだぜ」下卑た笑いを隠そうともせず、黒服に覆い被さった。
70花咲か名無しさん :2008/09/22(月) 20:33:28 ID:zpvmVJjE0
>>64>>69
↑どっからも続けたくないんだけど...
71本当にあった怖い名無し:2008/09/22(月) 21:24:27 ID:WjPWeIwq0
好きなところから続けなはれ
72本当にあった怖い名無し:2008/09/22(月) 22:32:00 ID:zpvmVJjE0
>>63続き
ピエロ「うふふふ...おぬし死相が見えておるぞ」
豊「しそう?死相って何のことだい?」
ピエロ「とぼけちゃって...心当たりがあるでしょう」
豊は...
73本当にあった怖い名無し:2008/09/22(月) 22:34:46 ID:iu8AGDwVO
翌日、乗馬を控えた
74本当にあった怖い名無し:2008/09/22(月) 22:49:04 ID:00mAVz4RO
そしてその日の午後…
75本当にあった怖い名無し:2008/09/23(火) 15:02:35 ID:yeBs+4RZ0
豊は明らかにやつれていた。幻聴、幻覚に悩まされた。
どこからか香苗の声が聞こえてくる。
あてもなく夜の街を徘徊するその姿は、
まるで豊自身が幽霊にでもなってしまったかのように見えた。
76本当にあった怖い名無し:2008/09/23(火) 17:16:39 ID:Phq6CQ+s0
――――――ドンッ――――――

薄れゆく意識のなか、誰かの話声が聞こえた。
「...ど〜すんのよぉ...」
「...急に飛び出してきたんだぜ!...」
77本当にあった怖い名無し:2008/09/23(火) 17:28:35 ID:XBjd7dMjO
「俺の精子が」
78本当にあった怖い名無し:2008/09/23(火) 20:45:08 ID:LBCdqzMfO
「ザーメンと言います。よろしく」
……まんまやないかい…、豊は軽く突っ込んでみた。
79本当にあった怖い名無し:2008/09/24(水) 01:35:39 ID:UwoEB3K30
ドンッ―――

誰かに背中を押され豊は道路脇に倒れ込んだ。
その直後、今まで豊がいた場所を明らかに制限速度を無視した車が走り去っていく。
呆然とする豊の耳に聞き覚えのある声が聞こえてきた。
「豊…私はいつでも見守っているよ」
「えっ…!?」
それは、確かに香苗の声だった。
慌てて周囲を見回すがそこにはただ夜の闇が広がっているだけだった。
80本当にあった怖い名無し:2008/09/24(水) 14:33:52 ID:Iib0L0SwO
o(;・_・;)oワクワク
81本当にあった怖い名無し:2008/09/24(水) 18:28:08 ID:Pw4eHPKd0
「後、その生臭いズボンは履き替えなさいよ!精液塗れで恥ずかしくないの?」

……相変わらずだな、香苗。
82本当にあった怖い名無し:2008/09/24(水) 19:51:14 ID:IM76EUUm0
               /|:::::::::::::::::::::ヽ.:.:.:.:、:.:.:.:、:.:.:.、.:.、.:.:.:.:.:.::`゛>
           /{::|:\:::::::\.:.:.:\.:.:.ヽ::.::.ヽ:.:.ヽ::::::::::.:.`゛ー- ..,__
: ・ :    /:|::',:ト、::::::ヽ、:.\:.:.:.\:.:.ヽ:.:.:\.:.:.:.:.:::.:.:.:.:::.::::_;:-'´   : : :
: ・ :   //:/:::|::',|::'、:::::::::\:.:\.:.:.ヽ:.:.:\:.:..\::::::::::::\、::::\    : : :
: ・ :  /!::|::l::::/|:::l:ヽ:\::ヽ:.:\:.:\.:::ヽ:.:.:ヽ:.:.:.:\::::::::::::\ ̄   : : :
: か :   |/l::|::|::|:ト、:::::::::、、:ヽ、:.:.:.:::::::::::::::ヽ::::.:ヽ:.:.:.:.\:.:.:.ヽ:::\.   : : :
: ・ :   |::|::/l::|::|r‐ヽ:::::ヽ(ヽー,―\::::::、::::::::::ヽ::.:.::::::.:::::::ヾ. ̄   : : :
: 香  :   }//l::|:::|{(:::)ヾ、:::ヽ \!(:::) ヽ,:::ヽ:::::::::::::::::::::::::::::::::::ヾ、   : : :
: 苗 :.  |/l::|::|:::|ヽ==''" \:ヽ、ヽ=='" |:::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ、::::\
  ・     / ',|::|:::|   /   `゛       |!::::::::::::::::::::::::::::ト、::ト、_` ゛`
  ・      l::!::::ト、  '、 _         ||::::::::::::::::::::::::ト:ヽヾ| | ̄ ̄ ̄`ヽ、
  ・     r'"´||',::::',                 |:::::/l:::::|\:::ト、ヾ | |     / / \
  ・   /   ll ',::', 、 ーこニ=-       /!::/ ヽ:::|  ヾ、  ノ ノ  /  ,イ   ヽ、
       ,'    |  '、:, \ --       ,. '´ |;'  l ヾ、.   //     / |    l: l
      |   |!  ヽ;  ヽ       /.:    i!  /   ゛// |l      / |      | |


83本当にあった怖い名無し:2008/09/25(木) 20:51:06 ID:bbNNm+JFO
香苗は汚れた下着を手に取ると少し笑い、部屋をあとにした。
後日大学の掲示板には汚れたトランクスが貼り付けられていた。
勿論、わたしの名前がしっかりと表記されている。

香苗めーーーひどく勃起している自分に気付いた。
84本当にあった怖い名無し:2008/09/26(金) 16:32:26 ID:moBXpkF5O
強固なテントを貼った自らの一物をTシャツで隠しながら、豊はトイレへ向かった。
香苗、かわいいよ香苗――――――っ!!!!


あっと言う間に果ててしまった。
心地よい気だるさと眠気の中、豊は白昼夢を見た。
85本当にあった怖い名無し:2008/10/01(水) 22:25:01 ID:xt8Jfoww0
あの鬼が見下ろしていた。あからさまに侮蔑をこめて、にやにやしていた。

(ち、ちくしょぅぅっ)

何か、酷く無様な格好の俺はどうすることもできず。

「まぁ、それもお前自身のってやつだ。そら、次はどこの階層に引っかかるか、なっ。」
また蹴落とされ、意識がうすれだした・・・そういえば、そういう地獄があったようなないような・・・
86本当にあった怖い名無し:2008/10/01(水) 22:51:45 ID:DGGyyNZo0
……食材は贖罪……そんな声を言葉が聞こえたきがしたその途端……俺は、豚になっていた。

俺は汚物まみれの中、腹が減ったらむさぼり餌を喰らい
気に入らない奴は噛みつき、体当たりし、群から追い出した。
そして只ひたすらに腰を振って種付けに性をだす。
しばらくして、俺は、人間に殺された。
87本当にあった怖い名無し:2008/10/01(水) 23:03:20 ID:/kF4chW0O
ペニス
88本当にあった怖い名無し:2008/10/01(水) 23:38:19 ID:+S7D9Uy40
俺の体からソレ、ペニスが切り離され…あまりの激痛に身をよじらせたっ。しかし、豚の体の俺はぴくりともしないっ。
いくら泣き叫ぼうと人間は我関せずと、刃物をザクザクと差し込んでいた。そして刃物に俺の姿が映ることで、気が狂いそうにだった!俺は生きたまま、体を解体されていたのだ!

そしてあろうことか、俺の体はバラバラにされてるにも関わらず、それぞれからの痛みが俺に向かって飛んできてるのだ!
塩を塗り込まれたり、付け汁でもみこまれたりの激痛
真っ赤に高熱を発する炭の上で網焼きにされることによる激痛
そして噛み切られ、噛みしめられる激痛

気を失う事もできずに、俺の肉片が大勢の人間の胃袋へと入り、そして消化されるまで痛み続き
処理しきれない部分が土に埋められ腐り、昆虫や土壌の中へときえる感触までも押しつけられ
ずっと、ずっと俺は泣き叫び続けていた
89本当にあった怖い名無し:2008/10/02(木) 07:37:46 ID:WjksIp3z0
気が付くと、俺の前に、あの赤鬼が、皿に盛られた焼き肉や野菜を無節操に喰らっていた。
その動作と痛みのタイミングが同じということからもあの肉は俺だと察した。
だが、痛みが限界を超えている俺は、眺めることも止めようとすることもできずにいる。

「おう。…痛いか?そりゃすまんな。それじゃ改めて…いただきます…」
90本当にあった怖い名無し:2008/10/02(木) 07:41:28 ID:TQcmbrIp0
するとどうだ、今までの痛みが突然和らいだじゃないか!
俺は懇願するかのように、赤鬼の食事を眺められるほどに回復した。
「ふぅ。満足満足。ごちそうさまでした。」
俺の痛みは不意になくなり、そして例えようもない何かがこみあがる。俺は嗚咽をもらしながら、痛みからの解放と、俺の中からこみあがる何かと、
身体全体を包まれる何かにすがるかのごとく、俺は人の身体に戻ってる俺を抱きしめていた。
91本当にあった怖い名無し:2008/10/02(木) 08:19:46 ID:tHB01X9RO
なげえうぜえ空気嫁
92本当にあった怖い名無し:2008/10/02(木) 23:57:35 ID:hgfb/+0eO
なげえうぜえ空気嫁―――
豊は直樹と初対面に言われたのを思い出していた。
ひどく口が悪い表現だが、こんなに気の置けない友人はほかにはなかった。
93本当にあった怖い名無し:2008/10/04(土) 21:42:17 ID:CCrmEO7C0
(…あ、俺がいる…あれは、あの事件の前の日だ…)
赤鬼のとなりで俺は、まるで遠くから望遠鏡を覗いてるかのような視覚でソレを眺めていた。
「アレはお前の表層意識の強い所を切り離した半身だ。あいつにもう一度人生をやり直させようと思って送った。」
(そんな。それじゃ俺はどうなる?)
「望めばいつでもアレと意識を同調できる。聞いたことないか?臨死体験経験者は不思議と能力を開花するってな。精進しろよ。」
94本当にあった怖い名無し:2008/10/07(火) 00:00:00 ID:UpilvI/JO
ビッグペニス!
95本当にあった怖い名無し:2008/10/07(火) 00:05:18 ID:L5rh5XnxO
ドリーム!
96本当にあった怖い名無し:2008/10/07(火) 01:35:38 ID:4S8n4GeWO
変身!
97本当にあった怖い名無し:2008/10/07(火) 02:10:03 ID:RXlzEZUzO
そして、状況はクマった事になってしまった…クマだけに。
98本当にあった怖い名無し
そう・・・
現れたのは地方妖怪クマ〜ン!
イケメンは即ヌッコロすっ!
だがピザは逆に金をやる・・・