62 :
59:2007/10/13(土) 14:39:57 ID:jZ3E7w+W0
「脱走と追跡のサンバ」「虚人たち」は確かにかぶると思う。
「虚人たち」の解説だったか、本文だったか、何で読んだか忘れたが、前書
の最後に残った"緑色の尾行者"の果ての姿が「虚人たち」の主人公だと書いて
いた物があるのを記憶している。
「虚人たち」あまり記憶に残っていないんだよな。本当に貪るように読んだの
は「脱走と追跡のサンバ」の方だ。
あぁ、「巨人たち」は面白かったな。
新潮社の全集を買ったのが厨房一年の時。「脱走と追跡のサンバ」はそれ
以前消防の時に角川文庫版を貪るように読んだ。
実は今現在作品を所有してない。
うっすらとした記憶と思い込みだと思うのだが、あらすじを。
主人公の"俺"が以前いた"自分の記憶するそうであった筈の世界"に帰る為に、
情報からの脱出、時間からの脱出、空間からの脱出、内宇宙からの脱出を試み
るというテーマは"俺"と"緑色の尾行者"が表裏一体の同一人物故に、そもそも
脱出という事は不可能という結末、だった記憶。
今も俺個人の思考はあまり変わっていなくて、現生活空間や煩雑な世界から脱
したいと朧に思う事がある人にとっては、永遠のテーマだと思う。
自分がいた筈の世界、自分が目指していた筈の世界と現実が異なる人なんて、
100人中100人がそうだろうと思うのだが、自己を中心と捉え得る世界への逃避行
を試みるというテーマは、今でも心をときめかせるテーマだ。
大人になっていないと思う。
更に、あの当時の筒井作品特有のスイングするような文章には心底惚れ込んで
いた。今も手元に残っている数冊の文庫を読めばそう思う。
あぁ、そう言えば今こそ「堕地獄仏法」を世に問うて見たら面白いのにと思った
りもしている。
>>60 俺自身、視力と聴力で障害者手帳持ちだ。
消防の頃につんぼやら、"みみきかんじ"やら言われていたりもしたんだが、
言った相手に不満はあるが、文章として表現を控えるのは話が違うと思っ
ている。
文化を殺すな・言葉を殺すなと言いたい。
気狂い(キチガイ)や狂(くる-う)を文章として禁止ならば、夢野久作を筆頭
とした戦前の大衆小説は根こそぎ全滅だ。
その言葉がもたらすニュアンス・イメージが作品の幅を広げた物であり、そ
れが今現在出来ない。自主規制で禁止されているという世間一般の風潮には
これは違うと声を大にしたい。
親の方が過敏になるというのも同意だ。
消防低学年の時に母親に"みみきかんじ"って何?と質問したら、学校にすっ飛
んでいったwww
周りの方が色々気を揉むのだろうと思う。
>>62 解説ありがとう、やっぱり無限回廊か
時計店とか印象に残る描写が多数あったよ、脱追のサンバは
「巨人たち」は短編だったか、自分で自分の作品をパロディした奴
で学者がホルモンバランス崩壊かなんかでどんどん大きくなっていって、奥さん過労死
「堕地獄仏法」は東海道戦争に収録されてた、創価関係の奴か
しかし創価と言い、エンガッツィオ司令塔収録「首長ティンブクの尊厳」の北朝鮮と言い
筒井康隆は本来の意味でのパロディを書く作家なんだな、と痛感する。「独裁者」でヒトラーを諷したチャップリンのような
筒井康隆本人は、桂米朝師匠との対談で、チャップリンはメロドラマが必ずあるから好きではない、と言っているけど
オッサンくさいことばかり言ってるけど俺まだ25だからね
このスレの平均年齢は結構高いんじゃないか?
夢の木坂分岐点
美藝公
このあたりは読者の中でもマイナーだと思うんだ
暗黒世界のオデッセイでは2001年の予想をやっていたが、結果は思わしくなかったね
>>63 「みみきかんじ」って初めて聞いた・・・。
ガキというのはホントイヤな言葉を作る"匠"だねえ。。。
>>67 俺はこれも文化だと思っている。
がきが言葉を生みだし、定着していくんだ。
悪しき言葉もよい言葉も、普通の言葉も。
まぁ、うちは田舎だから土地固有の蔑称なのかもしれないが。
地味なんだけど、初期の猫シリーズ?が好きだ
「池猫」とか「飛び猫」とか
その流れでまた一発ネタなんだろうと思って「群猫」を
読んだら、不意を突かれて涙ボロボロ
全集で読んだから、最初、ショートショートと区別が
付かなかったよ……
朝のガスパールは面白かった
できれば新聞連載の時にリアルで読みたかったな
文学部唯野教授は世間的に結構なヒットをしたらしいね
岩波書店が出してたから驚いたよ
上方落語とかエノケンとか、関西圏の笑い+関西弁が作品をうまく彩っているな
現在神戸在住で(阪神淡路大震災にも遭った)、暴力団に同じような顔をした構成員がいるらしい
ますますもってホタテ貝
>>1 作品にまともな意見が多かったな
どうだ? 虚構船団に対する意識がちょっとは変わったか?
73 :
本当にあった怖い名無し:2007/10/24(水) 21:10:58 ID:hWKJZ9h40
あげてみる
|| 人 | 人
|| (_ )| (_ )
||// (__)|(__)
||/ ( ,,・∀・)( ) うんこくさいお
|| ( )|( )
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ u―u'
_____
|| 人 | 人
|| (_ )| (_ )
||// (__)|(__)
||/ (n,,・∀・)n ) うんこついてるお
|| (ソ 丿|ヽ )
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ u―u'
_____
|| 人 | 人
|| (_ )| (_ )
||// (__)|(__)
||/ r( n(,,・∀・,,n) うんこついてるからうんこくさいお
|| ( )|( )
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ u―u'
あげた時のリスクはこの際我慢すべきなのか
それとも水面下で細々とレスを繋ぐべきだったのか
筒井康隆はカボチャを食べると腰を抜かします
言語姦覚
ビーバップハイヒールで筒井康隆もうちょっと喋ってくれんかなー
たむけんやチュートリアル、ブラマヨなどの芸人とも若干壁みたいなモノがあるし
江川達也はつっこんで貰えるけど、康隆はツッコミがたい空気なのかも
でも著書を読めば、康隆が関西人で田辺聖子なんかとも付き合いのある、笑いのセンスがある文化人ってすぐわかるのになあ
昭和一桁の人なのに、動作がめっちゃ機敏
トツゲキー
大いなる助走や公共伏魔殿など権力に抵抗する筒井康隆萌え
くたばれPTA
処女作品
同じ人が書いたと思えないほど
シリアスとどたばたで趣向が違うんだよね
ラゴスだけは全然作風が違ったんで、別の人が書いたのかと思ったね
この人一人称視点「おれ」のスラプスティックが初期の短編には多いけど
三人称で書く作品も客観的視点の描写がうまくて面白い
二度死んだ少年の記録とか傾斜とか虚構船団とか
贅肉をそぎ取った簡潔な文章に多くの意味を持たせられるんだな
85 :
本当にあった怖い名無し:2007/11/07(水) 02:35:04 ID:/hRRPvJE0
>>84 そうだね。「おれ」作品は筒井らしいスタイルのひとつだけど
三人称作品では、個性を透明にしてるというか
その作品にはどんなスタイルが最適かを考慮し
作品のプロデューサーとして、うまく文体まで計算してる気がする。
86 :
本当にあった怖い名無し:2007/11/07(水) 02:37:13 ID:/hRRPvJE0
ところで「幽霊の出る部屋に住んでる人」スレで
「豊田商事(刺殺)事件の物件なんかに住んだらどうだろう」
や「わけあり物件に進んで住んでみるのはどうだろう」
というような話があった。
こういう発想で書くとしたら、(書かないだろうが)
筒井なら面白いものを書くのではと思った。
落語的な話になりそうだ
でも時事ネタは風化しやすいからなあ
豊田商事は1985くらいか
全集に入れられて何十年かたったら、解説なしではわからなくなるんだろうな
それはそうと筒井康隆全集の続き、早く出さないかな
いや、作者に死ねって言ってるわけじゃないんだけど
>>86 『笑犬樓の逆襲』(新潮社)によると、筒井康隆は東京に家を買う際
良さそうな家があったので、購入を決めたものの、不動産屋の態度がおかしいので
問い詰めたところ、買おうとした家が『訳あり物件』(殺人事件が起きた家)だったため
筒井氏自身は面白がっていたが、奥さんが気持ち悪がって猛反対したため
その家を買うのをやめた、と書いてあった。
ところで御大がついにラノベを書くらしいぞ
>>88 86ですが、、そうだったんですか。
筒井が面白がったというのが、らしいなあ。
ぜひ住んでもらいたかったが・・・
知らない話が聞けるのもこの板ならではと嬉しくなった。
レスありがとう。
旅のラゴスや私のグランパなど異色作も書いてるし
ポルノ西遊記で官能、男たちのかいた絵で男色、風刺ドタバタナンセンスは数多く
時をかける少女なんかのジュブナイルも昔書いてたから
ラノベくらいでは、どうしてなかなか驚かんぞ
ライトノベル!?
「こんなのは、書けないだろうねえ」
なんて言われると、がぜん書いてみたくなるところが
御大にはあるような気がする。
ライトノベルどころか
吾妻ひでおをして「難しい絵です。描けません」
と降参させたほどの漫画もものしてるし、彼にできないことは
ないんでないかと思う。
なんじょれ 熊の木
かんじょれ 猪の木
ブッケ ブッタラカ
ヤッケ ヤッタラカ
ボッケ ボッボッボッボッボッボッ
……ムシャクシャしていた
今は反省している。更正して罪を償いたい
94 :
本当にあった怖い名無し:2007/11/14(水) 21:08:50 ID:21xld3rT0
あげてみる
>>70 ガキの頃リアルタイムで読んだ。名前以外、筒井を殆ど知らない状態で。
日毎に加速していくぶっ壊れ度に着いていけなくて、新聞小説で目を回していたよ。
亀スマン。
朝のガスパールは朝日だったかな
あれは物語Aを書く人間を書いているもう一つ上の次元の人間Bの上に、それを書いているもうひとつ上の次元のC……と俯瞰が続くからね
ややこしいことこの上ない
虚構船団は感情移入できない登場人物に強制的に感情移入させる物語、なんだそうだ(玄笑地帯)
欠陥バスの突撃と類似性があるとのこと
97 :
本当にあった怖い名無し:2007/11/16(金) 21:07:04 ID:Pe0eaUO60
>>89>>91 別スレで小説やラノベの比較をしていた。
小説
「後ろで大きな爆発音がした。俺は驚きながら振り返った。」
ケータイ小説
「ドカーン!俺は振り返った。」
ラノベ
「背後から強烈な爆発音がしたので、俺はまためんどうなことになったなぁとか
そういや昼飯も食っていないなぁとか色々な思いを巡らせつつも振り返ることにした。」
なんか筒井のやってたことって昔からラノベの要素あったんだなって思ったよ
昔の作品を読むと、この文章要らないなと思うことが良くある、筒井康隆は
三人称で語ることが増えた後期の作品では、簡潔だがしっかりと意図した表現ができる文章になっている気がする
無駄な文章が良い悪いというレベルで語っているわけではないが、簡潔な文章は老成の現れかね
擬音を漢字表現するのも最近の作品に多いな
>>98 逆に、断筆以前の作品より、執筆再開後の作品の方がトーンダウンしているように思える。
やはり、『断筆』と『阪神淡路大震災』での被災体験が影を落としているのだろうか?
>擬音を漢字表現
『敵』での雨音の表現に、『使徒使徒』とあったのを見て
「筒井さんも『エヴァ』を見た事があるんだろうか?」なんて考えたり…まさか、とは思うが…
エヴァンゲリオンってのかね、アレのことはよく知らないが
筒井康隆はキリスト教関係の作品も書いてるからね、「原始人」収録の「抑止力による十二使徒」とか
あるいはワープロの変換機能で使徒って使ったのかもよ
「敵」の擬音で暗示的なのなら「死都死都」かな
老人の心情を非常に強く雨音に託した表現というか
今のところ、筒井康隆で一番好きなのが「敵」だ
私小説のように日常の茶飯事を精緻かつ粘着的に記した潔癖性・完璧主義的の文章と儀助本人の老衰による意識の混沌が、
社会との断絶が深まるにつれ、「死」に向かって境界を曖昧にしていく様が異常なリアリティーをもって迫ってくる
話は変るが、もし筒井さんが断筆しなかったら、作風などはどうなっていただろうか?
102 :
本当にあった怖い名無し:2007/11/25(日) 22:26:26 ID:XRtbsgxZ0
TV等で『逆田嶋陽子文化人』として活躍する筒井康隆を見てみたかった。
もし、断筆していなかったらそうなっていたかもしれない。
103 :
本当にあった怖い名無し:2007/11/26(月) 19:34:49 ID:K9xQ7YrV0
「パプリカ」のラストって、事件が起こる前の世界へ戻ったってオチ?
もう師走じゃのう
時の流れを感じさせてくれる「旅のラゴス」なんかゆっくりと味わいたいのう
康隆って声低ッ
和服が似合うね、ビーバップハイヒール
106 :
本当にあった怖い名無し:2007/12/09(日) 17:59:20 ID:f/d+oR8/0
ちょっとあげてみようか
ぼーくのパンツはピーカピカ
先生今日は背広にネクタイや、ビーバップ
なんとなく小さく見えるね
109 :
本当にあった怖い名無し:2007/12/20(木) 01:21:48 ID:Sg00zj0V0
保守
筒井が編集した、年代別のSF大全は良かったなあ。
漫画も入ってて、諸星やますむらひろし、永井豪のラインナップも出色だった
虚航船団のイタチの章、世界史好きだったんで楽しく読めたよ。
日本そのもののエコノス列島とか、
歴史のひょんなところに現れ続けるスリカタ姉妹とか、
子供が作れない一代雑種が遺伝子工学の発達で子作り可能になったとか。
イイズナノカクエは…田中角栄が遠い記憶になった現在、インパクトは少ないかも。
第三章では輪ゴムの死に方が切なくてとても好き。