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本当にあった怖い名無し:
俺の名はタクミ(巧と書く)。幼いころから霊感(セックスセンス)に優れ、数々の霊(ディーモン)と戦ってきた。
これは、その中でも最も印象深い退魔行(ディーモンハント)の話だ。
とある夕暮どき、俺の友人がこっくりさんをやると言い出した。俺は「興味本位ならやめとけ」と
注意したが、友人は聞く耳もたずで、やり始めた。案の定、低級霊にとり憑かれやがった。
目は白目を向いて、アウアウアーと唸っている。俺はははーんと思い
臨・兵・闘・者・皆・陣・列・在・前・おっ!!」と早九字をスカイリッシュに切り、低級霊を蒸発させた。
友人は何がなんだか分からない顔をしており、俺は「早く帰ろうぜ」と催促した。
ところが、一向に邪悪な気(プラーナ)が収まる気配がない。あれーおかしいなーと思っていると、
こっくりさんの紙が破れ、そこに地獄の門(ヘルズ・ゲート)が開いた。
友人はとんでもない物まで呼び出してしまったらしい。このプラーナだと間違いなく魔神クラスの大物だ。
やがて、ゲートから魔物が姿を現した。凄まじい気の嵐によって、教室の文鎮や習字道具などが飛んでいる。
「なんだ君は!」と問いかけるが、魔神は古代ヘブライ語のような言語で喋り、意味が分からない。
とりあえず、退魔しないといけないので、プラーナを最大限に開放し、ぶつけることにした。
「ナウマクサンマンター・クルママワセダンカン・・・ナウマクサンマンター・クルママワセダンカン・・・」
魔神がすごい嫌な顔をして苦しんでいる。あと一息だ。俺は普段から携帯している、聖遺物ロンギヌスの欠片を
魔神に投げつけると「ぎゃー」と叫んでヘルズゲートへ消えた。
邪悪なプラーナは消え去り、爽やかな秋の夕暮の空が広がっていた。
あとはソロモン72柱の悪魔を順を追って相手にした事もあるが、また機会があれば語ることにしよう。