「事故の時、新田君、凄い顔してたよ?何だろう、何もかも無くしちゃったみたいな、
悲しいのか、怒ってるのか分からない顔。丁度、さっき病室に入って来たとき、そんな感じ
だった。私・・・新田君のそんな顔見てたら、どうしても元気になって欲しくなって」
彼女は振り返った。涙は見えない、けれど彼女は泣いていた。
「私、笑ったよ。そんなに悲しい顔しないでって、声は出ないし、体も動かなかったけど、
思いだけは伝わるようにって―――笑った―――」
あとは声にならなかった。
よろける彼女に咄嗟に駆け寄って抱きとめ、支えた。
「ありがとう。僕も、覚えてる」
支えられているのは、自分なのかもしれない。
今、はっきりと思い出した。
それが幻覚によってもたらされた、偽りの記憶であろうとなかろうと。
―――血と肉と骨の丘で、全ての自由を奪われて、取り残されてしまった彼女の首は、
初め取り澄ましたような気の無い顔をしていた。徐々に動かないはずの目じりは下がり、
口元が弧を描き、慈しむような、優しげな、愛しい笑顔へと―――
今まさに死に逝く瞬間に「最期の笑顔」を。
向けられた対象を妬ましくさえ思ったそれは、正に自分だったのだと。
「ありがとう」
胸に、シャツ越しに染み入ってくる彼女の涙を感じた。
僕ら二人の両腕は、互いの背中にまわされた。そこから伝え、伝わってくる気がする。
全てが遅く、終わり、過ぎ去ってしまった後悔が。
終わりを超えて、ようやく始まることのできた奇跡への、感謝が。
今この時があることが、自然の摂理に反した、いかにおぞましいことであろうとも、この
こと自体を奇跡と呼ぶことは、きっと許されるに違いない。
そう思った。
なんとかなりました。
セキュリティソフトがいつの間にか弾く設定に変わっていたみたいでした。
では、再投下をば。
即座に屈強な武装警備員が姿を現し、金田を連れ去っていった。
市長に目を移すと既に資料を参照に刑罰の算定に移っていた。
「詐欺罪に全てが抵触・・・・・。脅迫罪も71件。暴行罪が53件」
数枚目の資料に既に目を移していた。
「7名を自殺に追い込んでいる・・・・。第三級殺人罪を適用・・・・・」
え?第三級殺人罪?
そんな罪状は元の世界には存在していなかった。
やはり違う世界なのだと再認識させられる。
市長を見れば電卓での計算に移っている。
「詐欺罪が一件につき社会奉仕活動200時間・・・・計14200時間・・・・」
確認するように小さくつぶやきながら計算を続けている。
「暴行罪が一件につき社会奉仕活動500時間・・・・計26500時間・・・・
小計で社会奉仕活動が40700時間・・・・・。社会奉仕活動1万時間に付き2日だから・・・・
8日と社会奉仕活動700時間・・・・・。第三級殺人罪は1件につき5日だから・・・・35日・・・・・。
裁定は43日の追放刑と700時間の社会奉仕活動ですね。ですが、彼はこの地に来てまだ数日・・・・・。
逃げ回る土地勘も無いとしまして・・・・特例として執行猶予期間を社会奉仕活動で40万時間消化してください」
刑事に拘束されている木村は頭に?マークを浮べていそうな表情だ。
無理も無いと思う。
俺もピンと来ない。
ポケットから電卓を取り出して計算してみる。
1日8時間の社会奉仕活動をしたとして・・・・・・40万時間ってのは・・・・5万日!?
ってことは・・・・・約136年!?
一生の活動を拘束する執行猶予か・・・・・。
「1週間の最低社会奉仕活動強制時間は40時間です。これを下回った場合、
正当な理由や医師による一時的ドクターストップの診断書が無ければ実刑に即座に移行します」
相変わらず、木村は理解できていない様子だ。
市庁舎から出て最初に目に付いたのは共に逃げ延びてきた今岡 健二とか言う初老の男が何かに憤慨している所だった。
「社長、落ち着いてください」
彼をなだめているのは武田 左近とか言う男で今岡の会社の社員とか言っていた。
「何かあったんですか?」
「な、何かあったもんてものじゃない!!」
うおっ!?
何で俺がこんなオッサンに怒鳴られなきゃならないんだ?
バサバサッ!
さっ、札束!?
トランクの中から床に落としたのは札束だった。
一千万以上はある。
「わ、私の今もっている全財産が、全て紙屑になってしまったんだ!!」
「・・・・・・・え?」
「つまり・・・・・」
武田さんが俺に説明してくれた。
「このトランクに入っていたのはE券と呼ばれるタイプの一万円札の束で2004年に発券された紙幣です。
しかし、この世界では新紙幣は発券されずに未だにD券と呼ばれるタイプの旧紙幣を使用している・・・・・」
なるほど・・・・。
この世界では発券されていない紙幣だから無効と言うことか・・・・。
・・・・・ん?
ちょ、ちょっと待てよ・・・・・?
大慌てで財布の中を見る。
一万円札が4枚、五千円札が1枚、千円札が7枚入っている・・・・・。
「・・・・・これとこれとこれは・・・・無効ですね」
げっ・・・・・。
俺が使える全財産って、一万七千円かよ・・・・・。
しかし、これから住む場所は金が要らないから安心だった。
市長が手配してくれたこの一行用の居住スペース。
雑居ビルを改良した居住エリアで基本的に一人一部屋。
俺はキャサリンとの仲を市長に見抜かれ、夫婦用の少し大きめの部屋にキャサリンと住むことになった。
さて、明日から職安通いか・・・・トホホ・・・・・・。
って・・・・・なんか騒がしいな・・・・・?
騒ぎの元を見てみる。
あっ・・・・この世界の人と木村が喧嘩してる・・・・・。
ひで・・・・木村が何人もの人達にフルボッコにされてる。
ちょっと木村に同情した。
しかし・・・・あいつも馬鹿だ。
せっかく市長が特例で執行猶予にしてくれたって言うのに・・・・・・・。
現在472KB
ところで中二氏、木村って誰?
中二さん、乙、wktk
木村って誰だっけ?
796 :
本当にあった怖い名無し:2007/12/01(土) 00:06:02 ID:7k5QikA50
ほしゅ
ノベルスレ残党116さんのストーリーも、いよいよオカルトな香りが…村とか、冒頭から繋がるZ症とか。楽しみ。
作家さん、皆個性がありますな!
798 :
本当にあった怖い名無し:2007/12/01(土) 20:45:28 ID:88m5WofzO
中二病作家です。
アクセス規制に巻き込まれました。
しかし、表示されたホストが全く見知らぬアドレス・・・・
ゾンビ禍より謎に満ちた国際電話接続・・・?
800 :
本当にあった怖い名無し:2007/12/01(土) 22:04:46 ID:CiBoNbLa0
浮上
待ってます
新スレ立て時かね?
投稿しますね
重ならないことを願います・・・
駄文お許しください
「これまた・・・随分面白い、もとい奇妙なことになってるな」
双眼鏡を更に眼に押し付ける
「ふむ・・・せいぜいが小走り。平均は早歩きといったところか?」
相変わらず、部屋の入り口である鉄の扉はガンガンと耳障りな音をたてている
木の扉であれば、とうに破られていたであろう
「情報は聴覚・・・それと視覚、あるいは嗅覚といったところだな」
扉には、念のためであろうか。大きめの食器棚がかけられている
今朝起きればもう全ては始まっていた
何時、何があったのか
点けっぱなしのテレビから流れるのは緊急放送ばかりだ
その内容も曖昧なものである
テレビの反対側で光っているノートパソコンからもたらされる情報の方が、何倍も有益であった
「しかし、これは困ったな。ある程度篭城はできるだろうが、長くは保たん。第一、集まれば厄介だ――まぁ、奴らの大半が階段を上るということを知っていればだが」
ようやく双眼鏡を眼から離した
ベランダの手すりに腕を置き、しばらくその光景を眼に焼き付ける
「全く、映画でもあるまいに」
ぽつりと呟いた一言
その一言の中に、明らかな呆れが見える
「・・・起こしに行ってやるか」
そのまま左へ踏み出した
そこには本来、ベランダとベランダとを仕切る板――緊急時には破れるようになっている――があるはずなのだが、そんなものは入居初日、彼女によって撤廃されていた
窓の鍵は開いていた
そのまま部屋へと踏み込む
部屋の扉にきっちりとチェーン・ロックがかけてあるのを確認し、机に突っ伏して寝ている青年に近寄る
そのまま、脚を高く振り上げ――踵落としを叩き込んだ
苦渋の悲鳴と共に跳ね起きる人物――青年。理知的な雰囲気を漂わせてはいるのだが、寝癖と頬に印刷された模様――何かの数式だろう――が、それを見事に相殺していた
「もう少し・・・丁寧かつ優しく起こしてよ・・・・・・」
当然ながら文句の1つも出る
だが、その言葉の中にはかなりの諦めが覗いた
「それと、服も着て」
その言葉を残し、青年は頬をごしごしとこすりながら洗面所へ引っ込んでしまった
青年が指摘したのも無理は無い
何故なら、彼女は全裸であったからだ
唯一身に纏っているものといえば、首から垂らしたタオルであろうか
まだ完全に乾ききっていない髪が、ぺとりと首筋から背中へと張り付いている
ぱっと見容姿端麗であるだけに、その光景は扇情を催す反面、彼女の雰囲気を壊滅的なまでにぶち壊していた
「ふむ、それもそうか」
その呟きと共に、テレビに引っかかっていた“彼女の”下着をつまみあげる
何故男性である彼の部屋に女性たる彼女の下着があるかというと、別にそんな関係ではなく、単に彼女が普段からこの部屋に出入りしているからであった
傍迷惑な状況である
青年の性格であろう、きっちりと整理整頓されたその部屋を荒らすのは、いつも彼女であった
そもそも、彼が来るとわかったからこそベランダを仕切る板をぶち抜いたわけなのだが
何度も説教をされながら直されたものの、次の瞬間には再度ぶち抜かれていた。まるで学習能力の無い生物のごとく、けろりとして壊すのものだからもうすっかり諦めていた
やがて、洗面所から青年が進み出てくる
洗面所に行ったはずなのに寝癖が直されていないことはともかく、大分すっきりとなっていた
「で、どうしてまだ下着なわけ?」
冷蔵庫から手近なお茶を出しながら、ささやかな疑問をなげかけた
それに応えるのは、鼻から漏れた溜め息。それに続く言葉
「たく、随分平和だなぁおい」
その唇から紡ぎだされるのは男口調
しかし、通常なら違和感を感じるはずのそれが、何故か彼女にはしっくりときていた
「いやいやいや、時間的にもそろそろヤバいですよ? 今日はレポートの提出日じゃありませんでしたか? まさかとは思うけど自分で仕上げた? じゃあ今日は見せてあげなくてもいい?」
その唇から紡ぎだされるのはやはりというか、雰囲気を相殺する口調
「馬鹿。外を一旦見てみろ」
双眼鏡を投げ渡す
青年が外を眺めた
「何だこりゃ?」
そうボヤいたのも訳は無い
彼らの住まうマンションから見える光景は、まさに地獄絵図であった
あたり一面を浮浪者はよたよたと歩き、必ずどこかに怪我をしてて、血塗れだった
しかも浮浪者はそれ以外の人間を追いかけ、集団で襲い掛かっている
より一層自分が正常であることを疑わせるものは、浮浪者共が追い詰めた人間を“食して”いる所だった
飛び散る血しぶき、浮浪者の口内へと消えゆく肉片
襲われた人間は浮浪者同然の格好となり、虚しく血に伏していた
別の場面へ眼を向ければ、そこには起き上がる浮浪者
路上は血の色に染め上げられ、嫌でも吐き気を催した
「大規模な災害? それにしてはおかしいけど・・・。これじゃあまるで――」
「うむ、まさにゾンビ映画だな。ちなみにあれは正真正銘のゾンビだ」
「ゾンビ? そんなものはこの世には存在し得ないぞ。そもそもどうやって動いてるんだ?
これは何かの撮影じゃないのか?」
「いや、全国で同時発生してやがる。テレビでは『暴動』なんて云われてるようだが、こりゃあ間違いなくゾンビだ。
そもそも正常な人間が人間を襲って喰うとでも? はっ、いつ人喰い民族が大量に日本に侵入した? しかも襲われた人間がまた人間を喰うのはどういうことだ? どう考えても、これはゾンビ発生だろ。ゾンビショック、とでも呼称するか?」
「いや、有り得ない・・・。そもそも、いつ発生した? 全世界同時発生か? 原因は?
いや、こんな短期間では原因特定は無理か。見たところ、身体が傷ついても倒れたりはしない・・・、頭部か首を破壊しないと殺せないのか? いやいやまるでゲームだぞ」
ぶつぶつと呟く青年。何かを呟くことで必死に自分の常識を保とうとしている。いや、今までの常識にしがみつこうとしているのだろう
「多分全世界だな。発生が少ない今のうちに移動するぞ。下手に立て篭もってどこぞの映画のようになるのは御免だ」
その言葉を残し、自身の部屋へと戻る
扉の向こうからは、未だに叩くような音――今や、叩きつけるような音に変化しているが――が響いていた
手早く鞄を用意する
その中にひたすら詰め込む。長期保存可能な食料、衣料品、水、氷、布、生理用品、下着、簡単な文房具、トイレットペーパー。
クローゼットの中を漁り、奥に仕舞われていた黒い箱も詰め込む
ライター数本、ハンマー数本、ドライバー。
ノートパソコンをパタンと閉じ、ケーブルと共に押し込む。
服を着ながら、青年の部屋に入る
「何をぐずぐずしている。とっとと準備しろ」
手近なジーンズを穿いた
青年がむすっとした顔で応じる
「いや、準備は終わったよ。必要と思うものは準備した。だけど、どこに逃げ込む?」
「ショッピングセンターに逃げ込むさ。あそこなら広い上に食料品やらもあるだろう」
「移動は? 荷物持ちながらだと、奴らに追いつかれると思う」
「車を奪う。下の駐車場行くぞ」
有無を言わさず、部屋に帰る
青年が慌てて追ってきた
荷物を持ち上げ、大事なことに気がつく
「・・・そういえば、入り口が封じられていたな」
彼女の視線の先には、扉を叩く音
なぜこの部屋だけに固執しているのだろうか
「ふむ・・・・・・」
ベランダを眺める
3階からなら、飛び降りれないことも無いだろうが・・・
「危険すぎるな」
「いやあの? どうやって移動するの?」
「しょうがない、お前の部屋から出よう」
「え? 追いつかれて喰われるオチしか見えないんだけど」
「奴らはせいぜいが小走り程度だ。平均は早歩き。この間数時間ぶっ通しで映画を見せただろうが。あの調子で行くぞ」
「うわ、あの悪夢の日が脳裏にまざまざと蘇ったよ。ところで、それって、どっちかが囮になるっていう?」
「馬鹿。開けた瞬間に全力疾走だ」
ベランダから外を眺めた
幸いというか。このマンションの傍には寄ってきてはいない
双眼鏡を眼に押し当てる
ホームセンター・・・だろうか。どうもその周辺に集まってきているようだった
「早めに移動すべきだ」
「・・・そいつが去るまで篭ってるのは?」
「ショッピングセンターに集まられると困るのでな。できるだけ早いうちがいい。ホームセンターに篭ると物資が尽きるのは眼に見えている」
「・・・・・・・ショッピングセンター内に入り込んでいなきゃいいけどね」
青年の部屋へ移る
「そういえばお前、電動ガンは持っていないのか?」
「この場合あっても無駄だと思うんだけど」
「馬鹿。対人相手には有効だろう。何より怖いのは人間だぞ」
「はぁ・・・。まぁ、どっちみち持ってないけど」
「先で手に入れるしか道は無いか」
チェーンを外そうとするも、鎖をじゃらじゃらと鳴らすばかりだった
チェーンを青年が奪い取り、平然と解除する
彼女はややむすっとしたが、気を取り直したようにドアノブに手をかけた
「ではいくぞ、1、2の3だ」
「はいはい」
「気の無い返事だな。まあいい。トイレは済ませたな? では良いな。1、2の、3!」
扉が勢い良く解き放たれた
鈍い音が響いた
wktk
811 :
本当にあった怖い名無し:2007/12/03(月) 12:28:03 ID:PwS96LvrO
相変わらずアクセス規制に大絶賛巻き込まれ中の中二病作家です。
なんだよppp.asahi-net.or.jpって……。
そんなアドレス見たことすらないってのに……。
フシアナに引っかかった時だってちゃんとしたアドレスが表示されていたのに……。
むかついたので抗ヒスタミン剤飲んでふて寝してきます(;_;)
久々に作品投下! ・・・と思ったら、こっちもアクセス規制。
せっかくの皆さんの投稿が読めないのは泣きそうなんですが
中二さんがフシアナ経験有りでちょっとウケたwスマソw
規制はうざいですね
>679 の続きです。
西田は今までの経緯を話した。
「…なるほどな。 昔映画で見た事のある内容だ。 それが現実に起こっているという事か」
「ええ、私達が経験した事を踏まえても間違いないと思います」
「ふむ…」 老人は、顎をさすりながら考え事をした。
「先生! 奴らです!」 長身の男が老人に駆け寄ってくる。
「来たか… 君達もきたまえ。 しばらく休め」
気が進まなかったが、今すぐに動ける自信が二人にはなかった。
ロビーにあるエレベーターで最上階の10階まで上がる。
老人は長身の男に後は頼むと言って別の事務所に入っていった。
「なぜオレ達を助けてくれるんですか?」 オレは長身の男に率直に質問した。
「なぜって? 助けるのに理由がいるのかい?」 男は淡々と質問に答えた。
「自己紹介がまだだったね。 私は高橋。 長居先生を守る任務に就いている」
任務? もしかしてSP?
「私は西田です。 もしかしてSPの方ですか?」 オレが聞こうと思ったのに…
「まぁ、そうだね」
「オレは川本です。 よろしくお願いします」
「こちらこそ。 さ、こっちで休んでください。 飲み物持ってきますから」
老人が入っていった事務所とは別の事務所に案内された。
案内された先は応接室のようだ。 「落ち着くまでゆっくりしててください」
そう言いながら高橋は応接室から出て行った。
「本物のSPなんて初めて見たぜ!」 西田は嬉しそうにはしゃいでいた。
しかし、なぜこんなところに居るんだ? 重要人物なら自衛隊がヘリででも迎えにくるんじゃないのか?
長居… この街にそんな代議士居たかな… 長居… 長居…
「…本! 川本! 聞いてるのかよ」 西田がオレの肩を揺すった。
「ん、あぁ聞いてるよ」 それにしてもSPの割には腕が悪い… SPだったら射撃訓練もやってるはずだ…
とても急所を狙ったとは思えない…
「西田、此所を早く出よう」
「ん? なんでだよ」
「おかしいと思わないか? SPにしては腕が悪いし、SPが付く程の人物ならとっくに避難しているはずだろ?」
「… 確かに… 急所を狙ったとは思えないな… でも…」
かちゃ。
「ホットコーヒーでよかったかな?」 高橋が飲み物を持ってきてくれた。
とにかく早めに此所を離れた方がよさそうだ。
「あ、はい。 有り難う御座います」 オレ達は、高橋をまじまじと見ていた。
「ん? どうしたんだい? なにか付いている?」 高橋は凝視されているのに気付いたのか顔をさすった。
「君達の持っている銃はおもちゃではないよね。 どこから持ってきたんだい?」
「猟に出掛けてるんです。 自分で買った銃ですよ」 西田は笑顔で答えた。
「高橋さん達は何故避難しなかったんですか?」 高橋の表情が一瞬曇ったように見えた。
あ、核心聞いちゃったのかな? オレって馬鹿…
「自衛隊は民間人を先に収容しているからね。 君達こそ何故避難していないんだ?」
高橋は笑顔で答えた。 しかしどことなくぎこちない感じだ。
「食べ物が無くなったんで探しに来たんですよ。 そうしたら襲われて…」
言い終わる寸前にドアをノックする音がした。
「失礼します。 高橋さん、ちょっと…」
「ん、ちょっと失礼するよ」
そういって高橋は部屋を出て行った。
「おい、川本。 胸のバッチ見たか?」 西田が小声で話しかけてきた。
「ん? バッチ? 見てないけど… バッチがどうかしたか?」
「ガソスタの二人もあのバッチ付けていた…」
「まじ!? どういう事だよ。 政治家じゃないのか?」
「かもしれん。 その筋の人達じゃないかと思う」
(((( ;゚д゚))))アワワワワ その筋って…
「まずいじゃんか… 武器取られて殺されるんじゃ…」
その頃、長居の事務所では…
「なんだと! うちの者が二人やられた!? 誰にだ! この街に残っている組織はうちだけのはずだ!!」
長居は大声で無線機に怒鳴りつける。 そこへ高橋が入ってきた。
「先生、よろしいですか?」 神妙な面持ちで話に分け入る。
「後にしろ! それどころじゃないんだ!」
「いえ、二人やられた件についてです。」
「なんだとぉ!! なにか分かったのか!?」
「…はい」
「おい、川本。 胸のバッチ見たか?」 西田が小声で話しかけてきた。
「ん? バッチ? 見てないけど… バッチがどうかしたか?」
「ガソスタの二人もあのバッチ付けていた…」
「まじ!? どういう事だよ。 政治家じゃないのか?」
「かもしれん。 その筋の人達じゃないかと思う」
(((( ;゚д゚))))アワワワワ その筋って…
「まずいじゃんか… 武器取られて殺されるんじゃ…」
その頃、長居の事務所では…
「なんだと! うちの者が二人やられた!? 誰にだ! この街に残っている組織はうちだけのはずだ!!」
長居は大声で無線機に怒鳴りつける。 そこへ高橋が入ってきた。
「先生、よろしいですか?」 神妙な面持ちで話に分け入る。
「後にしろ! それどころじゃないんだ!」
「いえ、二人やられた件についてです。」
「なんだとぉ!! なにか分かったのか!?」
「…はい」
Wカキコすんません。
「… 彼らが… 間違いないのか?」 長居は頭を抱えたまま動かない。
「間違いないようです。 頭部に銃痕がありました。 口径から見ても彼らの銃から発射されたものです」
長居は頭を横に振った。
「どうしますか? まさか、このまま帰すつもりですか?」 高橋は長居に詰め寄った。
「…解放してやれ。 彼らだって生きるのに必死なんだ… 見逃してやれ」
「しかし!」
「馬鹿もん!! 一般人を巻き込んでどうする!! 」
「ぐっ…… 分かりました…」
「それとハンドガンの弾を少し分けてやれ。 この世界を生きていくのに必要なモノだ」
「武器まで渡す必要ないでしょう!」
「お前達は恩を仇で返すのか!? あの時、彼らが居なければもっと被害は拡大したはずだ!」
「ですが…」
「分かったのなら早く準備をしろ」 そう言うと長居は席を立った。
「今の内に逃げた方がよくね!?」 西田はドアに耳を付け外の様子を伺っていた。
「いや、無理だな。 ドア前に一人いる」
Σ(`Д´ )マヂデスカ!? 「逃げられんのか… 二人を殺ったのがばれなきゃいいけど…」
「しっ! 誰か来る」 西田は慌ててソファーに座る。 そして何事もなかったようにコーヒーを飲んでいた。
がちゃり… 長居が入ってきた。
「多少は疲れも取れたかな?」 そう言いながらオレ達の前に座った。
「さっきは君達のおかげで助かったよ。 あの後に侵入してきた奴らも処分しておいた。
君達の情報は正しかったようだ。 感謝するよ」
長居は軽く頭を下げて礼を言った。
「君達にこんな事を聞くのもなんなんだが… 実は偵察に出た二人が帰らないのだよ。
なにか心当たりはないかね? もし知っていたら些細な事でもかまわない教えてくれないか?」
やはり来たか。 知っているんだ… この人はオレ達が殺ったのを知っているんだ…
「あ… あの…」 オレは震える声で答えようとした。
「はははは! すまない。 君達が知っているはずがないな。 はははは!」
長居は突然大声で笑い出しオレが喋るのを遮った。
オレ達を助けてくれるのか? 仲間を殺したのに?
オレ達は顔を見合わせた。
「すまんすまん。 自分で何を言っているのか分からなくなってしまったのだ。
それとさっき君達に頂いた情報の代金だ。 受け取ってくれ」
そう言って一緒に居た男に合図をした。 鞄から取りだしたのはホルダ二つと箱二つ。
「私のSPが使っているモノだ。 肩にぶら下げるホルダと弾丸だ。
弾も沢山持たせてやりたいんだが、我々のストックも心許ないのでね。 これで勘弁してくれ。
では、私はこれで失礼するよ。 出るときはそこの男に言ってくれ。 解錠するから」
長居は部屋を出て行こうとドアに手を掛けたところで立ち止まった。
暫く立ち止まっていたが、ふいに振り返りオレ達の後ろ側に回り込んできた。
ま…、まさか後ろからズドン… そんな思いを巡らせていると
長居は小声で話しかけてきた。
「高橋に気を付けろ」
これだけを言って部屋を出て行った。
オレ達は頂いたモノをリュックにしまいすぐに行動を開始した。
エレベーターは使わずに非常階段を使い下に下りた。
下りる最中にホルダを装着。 臨戦態勢に。
三階から下へは行けないように目張りが施されていた。 別の階段を使わなければいけないようだ。
此所には監視カメラが設置してある。
それに我々の姿が映ったのだろう。 解錠音が非常階段に響き渡る。
「行くぞ」 西田は小声でオレに告げた。
オレはこくりと頷く。
ドアの外の音を確認。 奴らの歩行音は聞こえない。
オレ達は静かにドアを開け、3階に侵入した…
新しい作者様も増えて活気づいてきましたね。
皆様の投稿ペースはとても速くてすごいなぁと感心しております。
少しずつですが、最後まで書き上げたいと思いますので
宜しくお願い致します。
(=゚ω゚)ノジャ、マタ!!
822 :
K:2007/12/04(火) 23:34:52 ID:J4WYN/Pu0
715書いたものです。
短編投下します
川見健太25歳の場合
10月2日俺はいつものように家で休暇を過ごしてた。
その朝はとても静かだった。俺は、朝食を作るのが面倒だったからコンビニへ行った。
道中人一人にも会わなかった。俺は、コンビニに入って適当に弁当と飲み物を買った。
帰り道人が倒れてるのを見ておれは声を掛けた。
「大丈夫ですか。」
823 :
K:2007/12/04(火) 23:43:11 ID:J4WYN/Pu0
倒れていた人は大量に血を流していた。
「うあ・・・うあーーー。」俺はそれを見て大声で走り去った。
確かに酷いと思う。しかし、始めて死体を見て冷静に対処できる奴はいるだろうか。
俺はアパートまで走った。「ぎゃー」俺は目を疑った。目の前で人が食い殺されている。
(何なんだいったい・・・)俺は必死に頭の中で考えをめぐらせた。
すると人を食い殺しているやつがこっちを向いた。
やばいどうしよう・・・
824 :
K:2007/12/04(火) 23:50:55 ID:J4WYN/Pu0
俺はどうしようか迷った。警察を呼ぶべきか、逃げるべきか・・・
その人殺しは俺の方によってきた。「落ち着いてください。話せばわかります。」
そいつは話を聞こうとせず俺に噛み付こうとした。俺は咄嗟に避けた。
(くそ・・・話が通じてないなこいつ・・・)
俺はいったん家に入って鍵を閉めて携帯で警察に連絡をした。「けいさつですか。家の前に人殺しがいるんです助けてください。」
「場所はどこですか。」「OOのOOOOです。すぐ来てください。」
そして10分ぐらいでパトカーのサイレンが聞こえてきた。
助かった・・・
825 :
K:2007/12/05(水) 00:06:18 ID:w14DrwK70
何とか警察の人が捕り押さえてくれた。その捕り押さえた人の手から血が出ているのに気づいた。
気がつけば周りにやじ馬がいた。
それからおれはその場で事情を聞かれて明日調書を取るので警察署に来てくださいと言われた。
俺はその日の夜全然眠れなかった。
次の日の朝の7時に起きた。俺は着替えて早速警察署に行った。ついた時間は8時ちょっとすぎだった。
「あのー昨日調書にくるように言われた川見なんですけど・・・」
「はい、私についてきてください。」言われた通りについて行った。その部屋で俺はそのときのことを詳しく聞かれた。
終わった時間は10時くらいだった。警察署の入り口では何かあったようで忙しく警察官達が出て行っていた。
そして俺は街の中心にある書店に行っていた。周りでは盛んにパトカーなどのサイレンが聞こえてきた。
826 :
K:2007/12/05(水) 00:25:02 ID:w14DrwK70
書店につくと時間は11時をすぎていた。適当に店内をぶらついて時間をつぶして11時30分に店を出た。
店を出ると昨日見た光景をまた見た。俺の目の前で人が喰らいつかれて喉元から血の噴水が吹き出た。
周りでは同じような光景が見られた。サイレンや人の悲鳴しまいには拳銃の発砲音が聞こえてきた。
俺は急いで逃げた。とりあえず安全なとこに行きたかった。急いで安全そうな警察署に行った。
途中人が何人も殺されるのを見たが構っていられなかった。その中には警察官の人もいた。
やっと警察署について入ろうとしたとき、中から出てきた警察官にぶつかって倒れた。
「大丈夫ですか。すいません。」「いえ、こちらこそすいません。」
生きている人に会えてよかったと思った。確かに逃げている途中にも生きている人はいたがほとんどがまともじゃなかった。
「あの、名前を教えてください。」俺は自分でも何を言っているのかわからなかった。
その人もその質問に驚いた顔をしたが、「私は田村仁です。」
といってその人は急いで走っていった。
827 :
K:2007/12/05(水) 00:42:32 ID:w14DrwK70
警察署に居て少ししたらあの殺人者が来た。正面玄関にいた警察官が何とか止めようとしているが阻止できず入られた。
「うあーーゾンビだーー。」誰か避難した人が言った。俺は怖くなって別の入り口から俺は急いで逃げた。
逃げていく途中掴まれそうだったが何とか避けた。近くの友人の家に逃げようと急いだ。
その友人の住んでいるマンションはセキュリティーがしっかりしていてまだ安全だった。
俺は急いでエレベーターのボタンを押していた。チーン。お、やっとエレベータが着いたか。
俺は急いでエレベータに乗ろうとしたら中からあのゾンビが沢山出てきて俺を押し倒して噛み付いてきた。
「ぎゃーーーーー」
END
828 :
K:2007/12/05(水) 00:47:51 ID:w14DrwK70
投下させてもらいました。
これからも少しずつ投下させてもらいます。
今後よろしくお願いします。
Kさん
話的には楽しみなんですが……
語尾が『だった』とかで締めくくられていて、読みにくく、文が稚拙に見えてしまいます。
気を付けた方がよろしいかと……
ほんと稚拙だ。
つまりもっとたくさん考えて推敲して書いてここにうpして練習しろってこった。wktk
wktk
他の板で書き込めたのでテスト。
「はぁ・・・・・」
今日も仕事が見つからなかった。
あれから2週間が過ぎている。
当面の食料は市長が仕事が見つかるまでの間の食券(この世界の生活保護システムらしい。現金の代わりに食糧配給券
を配布。月に一定時間の社会奉仕活動が義務付けられている)を俺達全員に取り計らってくれた。
そのおかげで食うには困らないが仕事がなかなか見つからない。
職安には確かに仕事と求職者が溢れている。
しかし、漁船乗組員とかリサイクル工場とか、どうしても経験者が優先採用されて行く。
一般の職場からの雇用登録は殆ど無いらしい。
「今日も駄目だったのかい?」
職安から出てきた俺に声をかけてきたのは武田さんだ。
「あははは・・・・・」
「おやおや、まるで世界が滅亡したような顔をして・・・・」
「殆どしてますよ」
確かにこの世界は滅亡寸前で踏みとどまっている。
「実は、君に仕事の口があるんだが・・・・」
「えっ!?」
一瞬、あのオッサンの部下になるのかと思った。
「安心しなさい。あの男の部下ではないよ」
「えっ?」
「あのオッサンは、全財産が紙屑になって高級マンションからあんな小さな部屋に・・・・・
ショックでほとんど廃人だよ」
えと・・・・この人、ついこの間まで言う事なんでも聞いていた人をオッサンよばわり・・・・・?
「全く、もう少しじわじわ追い詰めたかったってのに・・・・・」
こ、この人・・・何気に凄い事言っていないか?
ゴゴゴゴゴゴゴッ・・・・・・・。
そこは機械が唸り声のような低く響く音を立てながら稼動していた。
機械油と金属の臭い。
その倉庫の中には自分達の窮地に姿を現したトラックがズラリと並んでいる。
機械の唸りは整備用の機械の移動する音のようだ。
あ、市長がいた・・・・。
う〜ん・・・・市長、こんな油で汚れる場所にスーツで来なくても・・・・・・。
そう思いながらも市長の説明を聞いた。
なんでも現在行動中の資源回収班の一台が消息を絶ったそうだ。
この世界はゾンビのせいで捜索隊の派遣も出来ず、回収班を見捨てるしか方法は無い。
しかも危険な仕事の為に高給だがなかなかなり手が無く困っているそうだ。
聞けば武田さんを始めこの世界に来たメンバーの大半が既に参加を決めているらしい。
「出来れば明日までに返事が欲しい。次の作業までに訓練を受ける必用があるから・・・・」
市長の説明と資料を貰い、その日は帰路についた。
キャサリンとの相談はしばらく長引いたが結局はキャサリンが折れてその仕事を引き受けることにした。
訓練は航空機の滑走路を利用して行われた。
航空機は自衛隊が統治する離島政府がある島との行き来や他の滑走路のある隔離都市との重要な
移動手段らしい。
半島を利用した隔離都市は大なり小なり日本に幾つか存在する。
その中でも伊豆隔離都市は最大級の都市らしい。
ゾンビが発生して半年もしないうちに自衛隊は本土を放棄して北海道や四国、
その他の離島に撤退し本土との移動経路を破壊した。
事実上の本土の生存者の見殺し。
それに反発した一部の自衛隊員が武装を持ち出し本土へ帰還。
生存者を集めながらゾンビを何とか退けながら居住区を確保。
その後、万人単位に膨れ上がった生存者は数百人の犠牲者を出しながらも巨大なコンクリートの壁を建造。
伊豆を拠点に各地を転々とした自衛隊脱走者達は生存者を救出しながら隔離都市を建造したとの事だ。
待っていましたw
wktk
投下しますね
中二病作家さんの後だと肩身が狭いです・・・
コンクリートに何かを打ち付けられる音。跳ね返る扉の音
ほぼ同時に響き渡った
「・・・あ?」
彼女がじっとその先を見つめる
青年も、呆れたように見つめていた
視線の先には、床に打ち捨てられた肉塊
肉塊はコンクリートの床の上でじたばたと暴れ、手足を意味も無く振り回している
青年が扉の廊下側を見やる。そこには、新たに浅い凹みと血でできた抽象画が描かれていた
「・・・・・・・。どうやら、扉を開けるタイミングとこのゾンビのぶつかるタイミングが丁度良かったみたいだね」
雰囲気に合わずゆったりとした口調
彼女が横の扉――自分の部屋の扉を見る
そこには浅い凹凸と、血でできた跡。全身で突進していたらしい
そして、今その部屋の前にゾンビが居ないということは
「さっきの鎖の音に反応したのかな。まぁ、ミッションコンプリートということで。急ごうか」
すたすたとエレベーターへと歩く青年。その後を追いつつ、
「幸運だな・・・」
未だ廊下でもがき、新たに魚拓――いや、人拓といったほうが正しい――を描き続けているゾンビを見やった
その出来事は“幸運”という言葉で片付けるには余りに大きすぎた
階段を使うか、エレベーターを使うかで非常に迷った
階段の方が安全だろうと思い階段への扉を目指したのだが、ガラスの向こうにゾンビがたむろしているのを見て、エレベーターに変えることにした