猫元気です助けてください悲しいです

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1猫元気です ◆QHUMtA89T.
助けてください
2禿鷹 ◆aiSlHqUd2c :2007/07/15(日) 21:52:45 ID:9nx3ic7t0
第2話

メロスは激怒した。必ず、かの邪智暴虐の王を除かなければならぬと決意した。
メロスには政治がわからぬ。メロスは、村の牧人である。
笛を吹き、羊と遊んで暮して来た。けれども邪悪に対しては、人一倍に敏感であった。
きょう未明メロスは村を出発し、野を越え山越え、十里はなれた此のシラクスの市にやって来た。
メロスには父も、母も無い。女房も無い。十六の、内気な妹と二人暮しだ。
この妹は、村の或る律気な一牧人を、近々、花婿(はなむこ)として迎える事になっていた。
結婚式も間近かなのである。
メロスは、それゆえ、花嫁の衣裳やら祝宴の御馳走やらを買いに、はるばる市にやって来たのだ。
3禿鷹 ◆aiSlHqUd2c :2007/07/15(日) 21:57:15 ID:9nx3ic7t0
先ず、その品々を買い集め、それから都の大路をぶらぶら歩いた。
メロスには竹馬の友があった。
セリヌンティウスである。今は此のシラクスの市で、石工をしている。
その友を、これから訪ねてみるつもりなのだ。
久しく逢わなかったのだから、訪ねて行くのが楽しみである。
歩いているうちにメロスは、まちの様子を怪しく思った。
4禿鷹 ◆aiSlHqUd2c :2007/07/15(日) 21:58:10 ID:9nx3ic7t0
ひっそりしている。

もう既に日も落ちて、まちの暗いのは当りまえだが、けれども、なんだか、夜のせいばかりでは無く、市全体が、やけに寂しい。
のんきなメロスも、だんだん不安になって来た。
路で逢った若い衆をつかまえて、何かあったのか、二年まえに此の市に来たときは、夜でも皆が歌をうたって、まちは賑やかであった筈だが、と質問した。
5猫元気です ◆QHUMtA89T. :2007/07/15(日) 22:09:41 ID:7XLzXkB10
どなたか助けてください
6禿鷹 ◆aiSlHqUd2c :2007/07/15(日) 22:10:50 ID:9nx3ic7t0
若い衆は、首を振って答えなかった。
しばらく歩いて老爺に逢い、こんどはもっと、語勢を強くして質問した。老爺は答えなかった。
メロスは両手で老爺のからだをゆすぶって質問を重ねた。老爺は、あたりをはばかる低声で、わずか答えた。

「王様は、人を殺します。」
7猫元気です ◆QHUMtA89T. :2007/07/15(日) 22:11:18 ID:7XLzXkB10
悲しくないですが なんか不安です
8禿鷹 ◆aiSlHqUd2c :2007/07/15(日) 22:11:32 ID:9nx3ic7t0
「なぜ殺すのだ。」

「悪心を抱いている、というのですが、誰もそんな、悪心を持っては居りませぬ。」

「たくさんの人を殺したのか。」

「はい、はじめは王様の妹婿さまを。それから、御自身のお世嗣を。それから、妹さまを。それから、妹さまの御子さまを。それから、皇后さまを。それから、賢臣のアレキス様を。」
9禿鷹 ◆aiSlHqUd2c :2007/07/15(日) 22:12:13 ID:9nx3ic7t0
「おどろいた。国王は乱心か。」

「いいえ、乱心ではございませぬ。人を、信ずる事が出来ぬ、というのです。このごろは、臣下の心をも、お疑いになり、少しく派手な暮しをしている者には、
人質ひとりずつ差し出すことを命じて居ります。御命令を拒めば十字架にかけられて、殺されます。きょうは、六人殺されました。」
10禿鷹 ◆aiSlHqUd2c :2007/07/15(日) 22:13:29 ID:9nx3ic7t0
聞いて、メロスは激怒した。

「呆れた王だ。生かして置けぬ。」

メロスは、単純な男であった。
買い物を、背負ったままで、のそのそ王城にはいって行った。
たちまち彼は、巡邏の警吏に捕縛された。調べられて、メロスの懐中からは短剣が出て来たので、騒ぎが大きくなってしまった。
メロスは、王の前に引き出された。
11猫元気です ◆QHUMtA89T. :2007/07/15(日) 22:15:06 ID:7XLzXkB10
助けてください
12猫元気です ◆QHUMtA89T. :2007/07/15(日) 22:16:33 ID:7XLzXkB10
誰か助けてよ
13猫元気です ◆QHUMtA89T. :2007/07/15(日) 22:17:08 ID:7XLzXkB10
凛さん 助けてください
14禿鷹 ◆aiSlHqUd2c :2007/07/15(日) 22:18:39 ID:9nx3ic7t0
「この短刀で何をするつもりであったか。言え!」暴君ディオニスは静かに、けれども威厳を以て問いつめた。その王の顔は蒼白で、眉間の皺は、刻み込まれたように深かった。

「市を暴君の手から救うのだ。」とメロスは悪びれずに答えた。

「おまえがか?」
王は、憫笑した。

「仕方の無いやつじゃ。おまえには、わしの孤独がわからぬ。」
15イカ ◆GJI4pSv7Ss :2007/07/15(日) 22:18:41 ID:EMugvbno0
悲しい御話であります
16禿鷹 ◆aiSlHqUd2c :2007/07/15(日) 22:19:40 ID:9nx3ic7t0
「言うな!」とメロスは、いきり立って反駁した。

「人の心を疑うのは、最も恥ずべき悪徳だ。王は、民の忠誠をさえ疑って居られる。」

「疑うのが、正当の心構えなのだと、わしに教えてくれたのは、おまえたちだ。人の心は、あてにならない。人間は、もともと私慾のかたまりさ。信じては、ならぬ。」
暴君は落着いて呟き、ほっと溜息をついた。

「わしだって、平和を望んでいるのだが。」
17禿鷹 ◆aiSlHqUd2c :2007/07/15(日) 22:21:42 ID:9nx3ic7t0
「なんの為の平和だ。自分の地位を守る為か。」
こんどはメロスが嘲笑した。

「罪の無い人を殺して、何が平和だ。」

「だまれ、下賤の者。」
王は、さっと顔を挙げて報いた。

「口では、どんな清らかな事でも言える。わしには、人の腹綿の奥底が見え透いてならぬ。おまえだって、いまに、磔になってから、泣いて詫びたって聞かぬぞ。」

「ああ、王は悧巧だ。自惚れているがよい。私は、ちゃんと死ぬる覚悟で居るのに。命乞いなど決してしない。ただ、――」
18本当にあった怖い名無し:2007/07/15(日) 22:23:09 ID:v7JL7h/G0
青空文庫に来たかと思った
19メロス:2007/07/15(日) 22:23:11 ID:XRSkZtTb0
妹萌え〜wwww
20猫元気です ◆QHUMtA89T. :2007/07/15(日) 22:23:57 ID:Z5N3duBgO
凛さん助けてよ
21禿鷹 ◆aiSlHqUd2c :2007/07/15(日) 22:24:00 ID:9nx3ic7t0
と言いかけて、メロスは足もとに視線を落し瞬時ためらい、
「ただ、私に情をかけたいつもりなら、処刑までに三日間の日限を与えて下さい。たった一人の妹に、亭主を持たせてやりたいのです。三日のうちに、私は村で結婚式を挙げさせ、必ず、ここへ帰って来ます。」

「ばかな。」と暴君は、嗄れた声で低く笑った。

「とんでもない嘘を言うわい。逃がした小鳥が帰って来るというのか。」
22本当にあった怖い名無し:2007/07/15(日) 22:24:26 ID:xMzDQQPh0
元気よ  蟻地獄だな
23禿鷹 ◆aiSlHqUd2c :2007/07/15(日) 22:25:37 ID:9nx3ic7t0
「そうです。帰って来るのです。」メロスは必死で言い張った。

「私は約束を守ります。私を、三日間だけ許して下さい。妹が、私の帰りを待っているのだ。そんなに私を信じられないならば、よろしい、この市にセリヌンティウスという石工がいます。
私の無二の友人だ。あれを、人質としてここに置いて行こう。私が逃げてしまって、三日目の日暮まで、ここに帰って来なかったら、あの友人を絞め殺して下さい。たのむ、そうして下さい。」

それを聞いて王は、残虐な気持で、そっとほくそえんだ。
24禿鷹 ◆aiSlHqUd2c :2007/07/15(日) 22:28:24 ID:9nx3ic7t0
生意気なことを言うわい。どうせ帰って来ないにきまっている。この嘘つきに騙された振りして、放してやるのも面白い。
そうして身代りの男を、三日目に殺してやるのも気味がいい。人は、これだから信じられぬと、わしは悲しい顔して、その身代りの男を磔刑に処してやるのだ。
世の中の、正直者とかいう奴輩(やつばら)にうんと見せつけてやりたいものさ。

「願いを、聞いた。その身代りを呼ぶがよい。三日目には日没までに帰って来い。おくれたら、その身代りを、きっと殺すぞ。ちょっとおくれて来るがいい。おまえの罪は、永遠にゆるしてやろうぞ。」

「なに、何をおっしゃる。」

「はは。いのちが大事だったら、おくれて来い。おまえの心は、わかっているぞ。」
25禿鷹 ◆aiSlHqUd2c :2007/07/15(日) 22:29:34 ID:9nx3ic7t0
メロスは口惜しく、地団駄踏んだ。ものも言いたくなくなった。
竹馬の友、セリヌンティウスは、深夜、王城に召された。暴君ディオニスの面前で、佳き友と佳き友は、二年ぶりで相逢うた。
メロスは、友に一切の事情を語った。セリヌンティウスは無言で首肯き、メロスをひしと抱きしめた。
友と友の間は、それでよかった。セリヌンティウスは、縄打たれた。
メロスは、すぐに出発した。

初夏、満天の星である。
26禿鷹 ◆aiSlHqUd2c :2007/07/15(日) 22:30:48 ID:9nx3ic7t0
メロスはその夜、一睡もせず十里の路を急ぎに急いで、村へ到着したのは、翌る日の午前、陽は既に高く昇って、村人たちは野に出て仕事をはじめていた。
メロスの十六の妹も、きょうは兄の代りに羊群の番をしていた。
よろめいて歩いて来る兄の、疲労困憊の姿を見つけて驚いた。
そうして、うるさく兄に質問を浴びせた。

「なんでも無い。」メロスは無理に笑おうと努めた。

「市に用事を残して来た。またすぐ市に行かなければならぬ。あす、おまえの結婚式を挙げる。早いほうがよかろう。」
妹は頬をあからめた。
27エロス:2007/07/15(日) 22:31:09 ID:XRSkZtTb0
俺は小学生の頭の中で生まれたのだ!
28猫元気です ◆QHUMtA89T. :2007/07/15(日) 22:31:32 ID:Z5N3duBgO
凛さん助けてください
29テンプレ1/2:2007/07/15(日) 22:35:34 ID:Q2cCvwTaO
《「元気です ◆QHUMtA89T.」について》
自称、愛知県在住の17歳の男子高校生。失恋を機に「疲れました」のハンドルで
↓のスレで霊視鑑定を希望し、数回に及ぶ霊視アドバイスを受ける。

(sage)霊能者に霊視してもらうスレ12(進行)

http://hobby9.2ch.net/test/read.cgi/occult/1174613915/805

しかし、それだけでは満足せず、ルール違反である、個人専用の単独スレを立て、
途中で「元気です◆xKBEBEjRA」と名乗り始める(後にトリ割れ、現名へ改名)。
その後何度も、善意のオカ板住民たちによる霊視鑑定、占い鑑定、親切なアドバイス、
説得にも係らず、無視、暴言、罵倒、「リスカ」「死んでやる!」等の脅迫もどきを
繰り返し、今日までに十数回に及ぶスレ立てを行う。

釣りなのか、はたまた人格障害か、それとも統合失調症陽性の初期なのか。
オカ板の総コテを巻き込んで、今日も彼は、元気に「霊視」を叫ぶ!

《注意事項》
・本人は、他人の雑談を嫌がりますが、禁止されてる訳ではありません。
・霊視をしても無駄です。少しでも当たらなければ、罵倒されます。
・たまに「リスカ」「死んでやる!」等の脅迫をするので、油に火を注がないでください。
30テンプレ2/2:2007/07/15(日) 22:36:56 ID:Q2cCvwTaO
・本人が気が向けば、逆霊視するので、見られたくない方はご用心。w
・メールで訴えても、無視されるか、罵倒されるだけです。
・時には、凶暴化します。噛み付かれないように、十分にご注意を!
・人が居ない時には「一般人」とも会話する事があります。
・たまに、偽「元気です」が出没します。
・埋め立て時には、ご協力をお願いいたします。
31猫元気です ◆QHUMtA89T. :2007/07/15(日) 22:38:07 ID:Z5N3duBgO
暇人さん?呪うよ
32禿鷹 ◆aiSlHqUd2c :2007/07/15(日) 22:38:09 ID:9nx3ic7t0
「うれしいか。綺麗な衣裳も買って来た。さあ、これから行って、村の人たちに知らせて来い。結婚式は、あすだと。」

メロスは、また、よろよろと歩き出し、家へ帰って神々の祭壇を飾り、祝宴の席を調え、間もなく床に倒れ伏し、呼吸もせぬくらいの深い眠りに落ちてしまった。

眼が覚めたのは夜だった。メロスは起きてすぐ、花婿の家を訪れた。そうして、少し事情があるから、結婚式を明日にしてくれ、と頼んだ。
33禿鷹 ◆aiSlHqUd2c :2007/07/15(日) 22:38:58 ID:9nx3ic7t0
婿の牧人は驚き、それはいけない、こちらには未だ何の仕度も出来ていない、葡萄の季節まで待ってくれ、と答えた。
メロスは、待つことは出来ぬ、どうか明日にしてくれ給え、と更に押してたのんだ。
婿の牧人も頑強であった。なかなか承諾してくれない。
夜明けまで議論をつづけて、やっと、どうにか婿をなだめ、すかして、説き伏せた。
結婚式は、真昼に行われた。
34禿鷹 ◆aiSlHqUd2c :2007/07/15(日) 22:39:56 ID:9nx3ic7t0
新郎新婦の、神々への宣誓が済んだころ、黒雲が空を覆い、ぽつりぽつり雨が降り出し、やがて車軸を流すような大雨となった。
祝宴に列席していた村人たちは、何か不吉なものを感じたが、それでも、めいめい気持を引きたて、狭い家の中で、むんむん蒸し暑いのも怺え、陽気に歌をうたい、手を拍った。
メロスも、満面に喜色を湛え、しばらくは、王とのあの約束をさえ忘れていた。
祝宴は、夜に入っていよいよ乱れ華やかになり、人々は、外の豪雨を全く気にしなくなった。

メロスは、一生このままここにいたい、と思った。
35禿鷹 ◆aiSlHqUd2c :2007/07/15(日) 22:41:39 ID:9nx3ic7t0
この佳い人たちと生涯暮して行きたいと願ったが、いまは、自分のからだで、自分のものでは無い。
ままならぬ事である。
メロスは、わが身に鞭打ち、ついに出発を決意した。
あすの日没までには、まだ十分の時が在る。ちょっと一眠りして、それからすぐに出発しよう、と考えた。
その頃には、雨も小降りになっていよう。少しでも永くこの家に愚図愚図とどまっていたかった。
36禿鷹 ◆aiSlHqUd2c :2007/07/15(日) 22:42:21 ID:9nx3ic7t0
メロスほどの男にも、やはり未練の情というものは在る。

今宵呆然、歓喜に酔っているらしい花嫁に近寄り、
「おめでとう。私は疲れてしまったから、ちょっとご免こうむって眠りたい。眼が覚めたら、すぐに市に出かける。大切な用事があるのだ。
私がいなくても、もうおまえには優しい亭主があるのだから、決して寂しい事は無い。おまえの兄の、一ばんきらいなものは、人を疑う事と、それから、嘘をつく事だ。
おまえも、それは、知っているね。亭主との間に、どんな秘密でも作ってはならぬ。おまえに言いたいのは、それだけだ。おまえの兄は、たぶん偉い男なのだから、おまえもその誇りを持っていろ。」
37禿鷹 ◆aiSlHqUd2c :2007/07/15(日) 22:43:01 ID:9nx3ic7t0
花嫁は、夢見心地で首肯(うなず)いた。メロスは、それから花婿の肩をたたいて、
「仕度の無いのはお互さまさ。私の家にも、宝といっては、妹と羊だけだ。他には、何も無い。全部あげよう。もう一つ、メロスの弟になったことを誇ってくれ。」

花婿は揉み手して、てれていた。
メロスは笑って村人たちにも会釈して、宴席から立ち去り、羊小屋にもぐり込んで、死んだように深く眠った。
38イカ ◆GJI4pSv7Ss :2007/07/15(日) 22:46:14 ID:EMugvbno0
セインツロウを売ろうか、もう少し頑張ってみようか迷っております
39本当にあった怖い名無し:2007/07/15(日) 22:47:20 ID:L9/3Drde0
>>31
その人一番まともに助言くれてた人じゃないの?
40本当にあった怖い名無し:2007/07/15(日) 22:51:32 ID:TMinM84h0
元気いいかげんスレ違いに気付けよ

ここはメロススレだぞ
41猫元気です ◆QHUMtA89T. :2007/07/15(日) 22:52:19 ID:Z5N3duBgO
暇人不幸にしてやるよ
42禿鷹 ◆aiSlHqUd2c :2007/07/15(日) 22:53:06 ID:9nx3ic7t0
眼が覚めたのは翌る日の薄明の頃である。
メロスは跳ね起き、南無三、寝過したか、いや、まだまだ大丈夫、これからすぐに出発すれば、約束の刻限までには十分間に合う。
きょうは是非とも、あの王に、人の信実の存するところを見せてやろう。
そうして笑って磔の台に上ってやる。メロスは、悠々と身仕度をはじめた。
雨も、いくぶん小降りになっている様子である。身仕度は出来た。
さて、メロスは、ぶるんと両腕を大きく振って、雨中、矢の如く走り出た。
43本当にあった怖い名無し:2007/07/15(日) 22:53:19 ID:OPWdjUNr0
もしかして、某スレでドラえもん書いたひと?
44禿鷹 ◆aiSlHqUd2c :2007/07/15(日) 22:54:06 ID:9nx3ic7t0
私は、今宵、殺される。殺される為に走るのだ。
身代りの友を救う為に走るのだ。
王の奸佞邪智を打ち破る為に走るのだ。
走らなければならぬ。
そうして、私は殺される。若い時から名誉を守れ。
さらば、ふるさと。

若いメロスは、つらかった。
幾度か、立ちどまりそうになった。
えい、えいと大声挙げて自身を叱りながら走った。
村を出て、野を横切り、森をくぐり抜け、隣村に着いた頃には、雨も止み、日は高く昇って、そろそろ暑くなって来た。
45禿鷹 ◆aiSlHqUd2c :2007/07/15(日) 22:55:44 ID:9nx3ic7t0
メロスは額の汗をこぶしで払い、ここまで来れば大丈夫、もはや故郷への未練は無い。
妹たちは、きっと佳い夫婦になるだろう。
私には、いま、なんの気がかりも無い筈だ。
まっすぐに王城に行き着けば、それでよいのだ。
そんなに急ぐ必要も無い。ゆっくり歩こう、と持ちまえの呑気さを取り返し、好きな小歌をいい声で歌い出した。

ぶらぶら歩いて二里行き三里行き、そろそろ全里程の半ばに到達した頃、降って湧いた災難、メロスの足は、はたと、とまった。
見よ、前方の川を。きのうの豪雨で山の水源地は氾濫し、濁流滔々と下流に集り、猛勢一挙に橋を破壊し、どうどうと響きをあげる激流が、木葉微塵に橋桁を跳ね飛ばしていた。
46お稲荷様:2007/07/15(日) 23:00:22 ID:XRSkZtTb0
>>41
【大吉】

恋愛運 道路で犬のウンコを踏んで周りから変な目で見られるよ♪第一印象バッチリ!
仕事運 勤め先の前でブレイクダンスを踊り、後々警察に踊らされるよ♪
金銭運 チン毛に注意!1円が絡まってるかも?
健康運 ミンミンゼミの鳴き声の真似をやめると吉♪
全体運 背中が痒い♪
47イカ ◆GJI4pSv7Ss :2007/07/15(日) 23:00:43 ID:EMugvbno0
昔の話ではありますが小生の弟がアディダスの偽者で、アディマウスというパーカーを纏っておりました
小生はそれを指を指しながら笑い続けました。弟は凄く悲しい顔をしていました

さっき「ふっ」と思い出しまして切なくなってしまいました
48猫元気です ◆QHUMtA89T. :2007/07/15(日) 23:00:53 ID:Z5N3duBgO
二人を呪ったよ 一人は暇人もう一人は禿鷹 運気みたいなのを停止するイメージで縛り付けた 結果でるかな 人を傷つけるからこうなるんだよ
49猫元気です ◆QHUMtA89T. :2007/07/15(日) 23:02:17 ID:Z5N3duBgO
凛さん悲しいです呪いたくありません意味分からない
50禿鷹 ◆aiSlHqUd2c :2007/07/15(日) 23:02:57 ID:9nx3ic7t0
彼は茫然と、立ちすくんだ。あちこちと眺めまわし、また、声を限りに呼びたててみたが、繋舟は残らず浪に浚われて影なく、渡守りの姿も見えない。
流れはいよいよ、ふくれ上り、海のようになっている。
メロスは川岸にうずくまり、男泣きに泣きながらゼウスに手を挙げて哀願した。

「ああ、鎮めたまえ、荒れ狂う流れを! 時は刻々に過ぎて行きます。太陽も既に真昼時です。
あれが沈んでしまわぬうちに、王城に行き着くことが出来なかったら、あの佳い友達が、私のために死ぬのです。」
51禿鷹 ◆aiSlHqUd2c :2007/07/15(日) 23:04:12 ID:9nx3ic7t0
濁流は、メロスの叫びをせせら笑う如く、ますます激しく躍り狂う。
浪は浪を呑み、捲き、煽り立て、そうして時は、刻一刻と消えて行く。
今はメロスも覚悟した。泳ぎ切るより他に無い。ああ、神々も照覧あれ!
濁流にも負けぬ愛と誠の偉大な力を、いまこそ発揮して見せる。

メロスは、ざんぶと流れに飛び込み、百匹の大蛇のようにのた打ち荒れ狂う浪を相手に、必死の闘争を開始した。
満身の力を腕にこめて、押し寄せ渦巻き引きずる流れを、なんのこれしきと掻きわけ掻きわけ、めくらめっぽう獅子奮迅の人の子の姿には、神も哀れと思ったか、ついに憐愍を垂れてくれた。
押し流されつつも、見事、対岸の樹木の幹に、すがりつく事が出来たのである。
ありがたい。
メロスは馬のように大きな胴震いを一つして、すぐにまた先きを急いだ。
一刻といえども、むだには出来ない。
52禿鷹 ◆aiSlHqUd2c :2007/07/15(日) 23:04:43 ID:9nx3ic7t0
陽は既に西に傾きかけている。ぜいぜい荒い呼吸をしながら峠をのぼり、のぼり切って、ほっとした時、突然、目の前に一隊の山賊が躍り出た。
「待て。」
「何をするのだ。私は陽の沈まぬうちに王城へ行かなければならぬ。放せ。」
「どっこい放さぬ。持ちもの全部を置いて行け。」
「私にはいのちの他には何も無い。その、たった一つの命も、これから王にくれてやるのだ。」
「その、いのちが欲しいのだ。」
「さては、王の命令で、ここで私を待ち伏せしていたのだな。」
53禿鷹 ◆aiSlHqUd2c :2007/07/15(日) 23:11:23 ID:9nx3ic7t0
山賊たちは、ものも言わず一斉に棍棒を振り挙げた。
メロスはひょいと、からだを折り曲げ、飛鳥の如く身近かの一人に襲いかかり、その棍棒を奪い取って、
「気の毒だが正義のためだ!」と猛然一撃、たちまち、三人を殴り倒し、残る者のひるむ隙に、さっさと走って峠を下った。

一気に峠を駈け降りたが、流石に疲労し、折から午後の灼熱の太陽がまともに、かっと照って来て、メロスは幾度となく眩暈を感じ、これではならぬ、と気を取り直しては、よろよろ二、三歩あるいて、ついに、がくりと膝を折った。
立ち上る事が出来ぬのだ。
天を仰いで、くやし泣きに泣き出した。
54猫元気です ◆QHUMtA89T. :2007/07/15(日) 23:12:10 ID:Z5N3duBgO
もっと荒らせば? 俺は荒らされても気にしないよ
55本当にあった怖い名無し:2007/07/15(日) 23:12:48 ID:TMinM84h0
元気さー霊視してもらいたいなら相応のスレいけよ
わざわざ自分専用に何度もスレ立ててんじゃねぇっつーの
56禿鷹 ◆aiSlHqUd2c :2007/07/15(日) 23:13:45 ID:9nx3ic7t0
ああ、あ、濁流を泳ぎ切り、山賊を三人も撃ち倒し韋駄天、ここまで突破して来たメロスよ。
真の勇者、メロスよ。
今、ここで、疲れ切って動けなくなるとは情無い。
愛する友は、おまえを信じたばかりに、やがて殺されなければならぬ。
おまえは、稀代(きたい)の不信の人間、まさしく王の思う壺だぞ、と自分を叱ってみるのだが、全身萎えて、もはや芋虫ほどにも前進かなわぬ。
路傍の草原にごろりと寝ころがった。
57禿鷹 ◆aiSlHqUd2c :2007/07/15(日) 23:14:48 ID:9nx3ic7t0
身体疲労すれば、精神も共にやられる。もう、どうでもいいという、勇者に不似合いな不貞腐れた根性が、心の隅に巣喰った。
私は、これほど努力したのだ。約束を破る心は、みじんも無かった。
神も照覧、私は精一ぱいに努めて来たのだ。動けなくなるまで走って来たのだ。
私は不信の徒では無い。ああ、できる事なら私の胸を截ち割って、真紅の心臓をお目に掛けたい。
愛と信実の血液だけで動いているこの心臓を見せてやりたい。

けれども私は、この大事な時に、精も根も尽きたのだ。
私は、よくよく不幸な男だ。私は、きっと笑われる。
私の一家も笑われる。私は友を欺いた。
中途で倒れるのは、はじめから何もしないのと同じ事だ。
58猫元気です ◆QHUMtA89T. :2007/07/15(日) 23:15:07 ID:7XLzXkB10
ほれほれ荒らせ自分がいいたいこと言えればきにしませーん
59禿鷹 ◆aiSlHqUd2c :2007/07/15(日) 23:16:17 ID:9nx3ic7t0
ああ、もう、どうでもいい。
これが、私の定った運命なのかも知れない。
セリヌンティウスよ、ゆるしてくれ。
君は、いつでも私を信じた。私も君を、欺かなかった。
私たちは、本当に佳い友と友であったのだ。
いちどだって、暗い疑惑の雲を、お互い胸に宿したことは無かった。
いまだって、君は私を無心に待っているだろう。ああ、待っているだろう。
ありがとう、セリヌンティウス。
よくも私を信じてくれた。それを思えば、たまらない。
60本当にあった怖い名無し:2007/07/15(日) 23:16:45 ID:XRSkZtTb0
じゃぁ霊視と占いの必要ないね

みんな存分に雑談するか
完全放置だね
61猫元気です ◆QHUMtA89T. :2007/07/15(日) 23:16:48 ID:7XLzXkB10
凛さん なんで逃げたの
62猫元気です ◆QHUMtA89T. :2007/07/15(日) 23:17:37 ID:7XLzXkB10
いいよ やった分はやり返すから呪いで 残念だね 呪っても俺は
悪くない 実験台になってもらうよ
63禿鷹 ◆aiSlHqUd2c :2007/07/15(日) 23:17:42 ID:9nx3ic7t0
友と友の間の信実は、この世で一ばん誇るべき宝なのだからな。
セリヌンティウス、私は走ったのだ。
君を欺くつもりは、みじんも無かった。信じてくれ!
私は急ぎに急いでここまで来たのだ。濁流を突破した。
山賊の囲みからも、するりと抜けて一気に峠を駈け降りて来たのだ。
私だから、出来たのだよ。

ああ、この上、私に望み給うな。放って置いてくれ。
どうでも、いいのだ。私は負けたのだ。
だらしが無い。
笑ってくれ。
王は私に、ちょっとおくれて来い、と耳打ちした。
おくれたら、身代りを殺して、私を助けてくれると約束した。
私は王の卑劣を憎んだ。
けれども、今になってみると、私は王の言うままになっている。

私は、おくれて行くだろう。
王は、ひとり合点して私を笑い、そうして事も無く私を放免するだろう。
そうなったら、私は、死ぬよりつらい。
私は、永遠に裏切者だ。
64九尾狐:2007/07/15(日) 23:17:48 ID:XRSkZtTb0
逃げたとかwwwwwww
逃げてるのはお前だろってwwwww
65猫元気です ◆QHUMtA89T. :2007/07/15(日) 23:18:18 ID:7XLzXkB10
俺は逃げてないよ お前呪って良い?
66禿鷹 ◆aiSlHqUd2c :2007/07/15(日) 23:18:56 ID:9nx3ic7t0
地上で最も、不名誉の人種だ。
セリヌンティウスよ、私も死ぬぞ。
君と一緒に死なせてくれ。
君だけは私を信じてくれるにちがい無い。
いや、それも私の、ひとりよがりか?

ああ、もういっそ、悪徳者として生き伸びてやろうか。
村には私の家が在る。羊も居る。
妹夫婦は、まさか私を村から追い出すような事はしないだろう。
正義だの、信実だの、愛だの、考えてみれば、くだらない。
人を殺して自分が生きる。それが人間世界の定法ではなかったか。
ああ、何もかも、ばかばかしい。
私は、醜い裏切り者だ。どうとも、勝手にするがよい。

やんぬるかな。
――四肢を投げ出して、うとうと、まどろんでしまった。
67蝦人 ◆as1mg4Nm26 :2007/07/15(日) 23:19:13 ID:Xns4yGHt0
おk。全力で呪い返しとくから(・∀・)ノシ
あといい加減なんで医者に行かないか教えてくれる?
68本当にあった怖い名無し:2007/07/15(日) 23:20:18 ID:XRSkZtTb0
>>65
いいよwwwいいよwwww
どんどん呪ってwwww
なんも起きないからどんどん呪ってwwww
69禿鷹 ◆aiSlHqUd2c :2007/07/15(日) 23:20:21 ID:9nx3ic7t0
ふと耳に、潺々、水の流れる音が聞えた。
そっと頭をもたげ、息を呑んで耳をすました。
すぐ足もとで、水が流れているらしい。
よろよろ起き上って、見ると、岩の裂目から滾々と、何か小さく囁きながら清水が湧き出ているのである。
その泉に吸い込まれるようにメロスは身をかがめた。
水を両手で掬って、一くち飲んだ。

ほうと長い溜息が出て、夢から覚めたような気がした。
歩ける。
行こう。
肉体の疲労恢復と共に、わずかながら希望が生れた。
義務遂行の希望である。
70猫元気です ◆QHUMtA89T. :2007/07/15(日) 23:21:04 ID:7XLzXkB10
俺は呪いとゆうか あれだよ呪いじゃないから呪い返しとかできないよ
運気停滞させるから本当にもうやめないよ だって良いっていったからやめなくて
いいでしょ 凛さんのせいだからまぁしかたないと思え暇人さん 
71禿鷹 ◆aiSlHqUd2c :2007/07/15(日) 23:21:16 ID:9nx3ic7t0
わが身を殺して、名誉を守る希望である。
斜陽は赤い光を、樹々の葉に投じ、葉も枝も燃えるばかりに輝いている。
日没までには、まだ間がある。
私を、待っている人があるのだ。
少しも疑わず、静かに期待してくれている人があるのだ。
私は、信じられている。
私の命なぞは、問題ではない。
死んでお詫び、などと気のいい事は言って居られぬ。
私は、信頼に報いなければならぬ。

いまはただその一事だ。

走れ! メロス。
72禿鷹 ◆aiSlHqUd2c :2007/07/15(日) 23:22:19 ID:9nx3ic7t0
私は信頼されている。
私は信頼されている。
先刻の、あの悪魔の囁きは、あれは夢だ。
悪い夢だ。
忘れてしまえ。
五臓が疲れているときは、ふいとあんな悪い夢を見るものだ。
メロス、おまえの恥ではない。
やはり、おまえは真の勇者だ。
再び立って走れるようになったではないか。
ありがたい! 私は、正義の士として死ぬ事が出来るぞ。

ああ、陽が沈む。
ずんずん沈む。
待ってくれ、ゼウスよ。
私は生れた時から正直な男であった。
正直な男のままにして死なせて下さい。
73猫元気です ◆QHUMtA89T. :2007/07/15(日) 23:22:39 ID:7XLzXkB10
>>68 コテつけといてよ 
74禿鷹 ◆aiSlHqUd2c :2007/07/15(日) 23:23:09 ID:9nx3ic7t0
路行く人を押しのけ、跳ねとばし、メロスは黒い風のように走った。
野原で酒宴の、その宴席のまっただ中を駈け抜け、酒宴の人たちを仰天させ、犬を蹴とばし、小川を飛び越え、少しずつ沈んでゆく太陽の、十倍も早く走った。
一団の旅人と颯っとすれちがった瞬間、不吉な会話を小耳にはさんだ。

「いまごろは、あの男も、磔にかかっているよ。」

ああ、その男、その男のために私は、いまこんなに走っているのだ。
その男を死なせてはならない。急げ、メロス。
75猫元気です ◇QHUMtA89T.:2007/07/15(日) 23:24:17 ID:XRSkZtTb0
>>73
ほらよw
どうだぃ?呪いやすいだろ?
あぁ、呪いじゃ無かったね♪
76禿鷹 ◆aiSlHqUd2c :2007/07/15(日) 23:24:21 ID:9nx3ic7t0
おくれてはならぬ。
愛と誠の力を、いまこそ知らせてやるがよい。
風態なんかは、どうでもいい。
メロスは、いまは、ほとんど全裸体であった。
呼吸も出来ず、二度、三度、口から血が噴き出た。
見える。
はるか向うに小さく、シラクスの市の塔楼が見える。
塔楼は、夕陽を受けてきらきら光っている。

「ああ、メロス様。」
うめくような声が、風と共に聞えた。

「誰だ。」メロスは走りながら尋ねた。

「フィロストラトスでございます。貴方のお友達セリヌンティウス様の弟子でございます。」
その若い石工も、メロスの後について走りながら叫んだ。
「もう、駄目でございます。むだでございます。走るのは、やめて下さい。もう、あの方をお助けになることは出来ません。」
77猫元気です ◆QHUMtA89T. :2007/07/15(日) 23:24:55 ID:7XLzXkB10
俺がつけとくよ俺の透視からするとあなたは黄色に縁があるらしいから
黄色さんね
78禿鷹 ◆aiSlHqUd2c :2007/07/15(日) 23:25:17 ID:9nx3ic7t0
「いや、まだ陽は沈まぬ。」

「ちょうど今、あの方が死刑になるところです。ああ、あなたは遅かった。おうらみ申します。ほんの少し、もうちょっとでも、早かったなら!」

「いや、まだ陽は沈まぬ。」
メロスは胸の張り裂ける思いで、赤く大きい夕陽ばかりを見つめていた。走るより他は無い。

「やめて下さい。走るのは、やめて下さい。いまはご自分のお命が大事です。あの方は、あなたを信じて居りました。
刑場に引き出されても、平気でいました。王様が、さんざんあの方をからかっても、メロスは来ます、とだけ答え、強い信念を持ちつづけている様子でございました。」
79猫元気です ◇QHUMtA89T.:2007/07/15(日) 23:25:57 ID:XRSkZtTb0
まったく関係ありませんw
あと却下
80禿鷹 ◆aiSlHqUd2c :2007/07/15(日) 23:26:35 ID:9nx3ic7t0
「それだから、走るのだ。
信じられているから走るのだ。
間に合う、間に合わぬは問題でないのだ。
人の命も問題でないのだ。
私は、なんだか、もっと恐ろしく大きいものの為に走っているのだ。
ついて来い! フィロストラトス。」

「ああ、あなたは気が狂ったか。それでは、うんと走るがいい。ひょっとしたら、間に合わぬものでもない。走るがいい。」

言うにや及ぶ。
まだ陽は沈まぬ。
最後の死力を尽して、メロスは走った。
メロスの頭は、からっぽだ。
何一つ考えていない。ただ、わけのわからぬ大きな力にひきずられて走った。
陽は、ゆらゆら地平線に没し、まさに最後の一片の残光も、消えようとした時、メロスは疾風の如く刑場に突入した。間に合った。
81猫元気です ◆QHUMtA89T. :2007/07/15(日) 23:28:05 ID:7XLzXkB10
ノートと鉛筆がみえる あなたは真面目らしい 結構楽しい人でもある
82猫元気です ◇QHUMtA89T.:2007/07/15(日) 23:29:54 ID:XRSkZtTb0
ノートなし
鉛筆なし
ついでにシャーペンもなし
真面目な人間は>>46みたいなの書かないし
日常がつまらなくてイライラしてるねw
83禿鷹 ◆aiSlHqUd2c :2007/07/15(日) 23:30:08 ID:9nx3ic7t0
「待て。その人を殺してはならぬ。メロスが帰って来た。約束のとおり、いま、帰って来た。」
と大声で刑場の群衆にむかって叫んだつもりであったが、喉がつぶれて嗄れた声が幽かに出たばかり、群衆は、ひとりとして彼の到着に気がつかない。
すでに磔の柱が高々と立てられ、縄を打たれたセリヌンティウスは、徐々に釣り上げられてゆく。
メロスはそれを目撃して最後の勇、先刻、濁流を泳いだように群衆を掻きわけ、掻きわけ、

「私だ、刑吏! 殺されるのは、私だ。メロスだ。彼を人質にした私は、ここにいる!」
と、かすれた声で精一ぱいに叫びながら、ついに磔台に昇り、釣り上げられてゆく友の両足に、齧りついた。
群衆は、どよめいた。
あっぱれ。
ゆるせ、と口々にわめいた。
セリヌンティウスの縄は、ほどかれたのである。
84本当にあった怖い名無し:2007/07/15(日) 23:31:11 ID:BtplSmd60
>>73
毎晩、2時ぐらいに顔だけの元気です ◆QHUMtA89Tがこちらを向いてニヤニヤしてるんですが何だアレ?ファーンデッドマンションのつもりか?やる気ねーならくんなよ、うぜーんだよぼけナス
85禿鷹 ◆aiSlHqUd2c :2007/07/15(日) 23:31:27 ID:9nx3ic7t0
「セリヌンティウス。」
メロスは眼に涙を浮べて言った。

「私を殴れ。ちから一ぱいに頬を殴れ。私は、途中で一度、悪い夢を見た。君が若し私を殴ってくれなかったら、私は君と抱擁する資格さえ無いのだ。殴れ。」

セリヌンティウスは、すべてを察した様子で首肯き、刑場一ぱいに鳴り響くほど音高くメロスの右頬を殴った。
86禿鷹 ◆aiSlHqUd2c :2007/07/15(日) 23:32:35 ID:9nx3ic7t0
殴ってから優しく微笑み、

「メロス、私を殴れ。同じくらい音高く私の頬を殴れ。私はこの三日の間、たった一度だけ、ちらと君を疑った。生れて、はじめて君を疑った。君が私を殴ってくれなければ、私は君と抱擁できない。」

メロスは腕に唸りをつけてセリヌンティウスの頬を殴った。

「ありがとう、友よ。」
二人同時に言い、ひしと抱き合い、それから嬉し泣きにおいおい声を放って泣いた。
87蝦人 ◆as1mg4Nm26 :2007/07/15(日) 23:32:54 ID:QR8h50zO0
>>70
いや呪い返しつーのは私がお前を全力で呪うという話だ(´,_ゝ`)
無論お前から来る呪いも返すがな。お前は初めに「呪う」と言った。その時点でお前が幾ら否定しようと
お前がしていることは「呪い」だ。また「オレサマハトクベツダカラチガウ」理論を展開したいようですがご愁傷様。
つーか運気停滞させるとかそれまんま「いわゆる呪い」ですからーざんね(ry

で何で医者に行かないのかいい加減に答えられないのかな頭の足らないゲソキクンは。
88猫元気です ◆QHUMtA89T. :2007/07/15(日) 23:33:23 ID:7XLzXkB10
真面目だよあなたは 面白い面が>>46なんじゃないの? ようするに場をわきまえる
のが真面目なんだよ それと俺の透視は関わってるものもあるしかかわりのないものもある
あなたは何歳?お婆ちゃんみたいな人を大事にするみたいなのかな?おばあちゃんかおかあさん
それとお兄さんみたいな 思いやりがあるから
89禿鷹 ◆aiSlHqUd2c :2007/07/15(日) 23:34:02 ID:9nx3ic7t0
群衆の中からも、歔欷の声が聞えた。
暴君ディオニスは、群衆の背後から二人の様を、まじまじと見つめていたが、やがて静かに二人に近づき、顔をあからめて、こう言った。

「おまえらの望みは叶ったぞ。おまえらは、わしの心に勝ったのだ。信実とは、決して空虚な妄想ではなかった。どうか、わしをも仲間に入れてくれまいか。どうか、わしの願いを聞き入れて、おまえらの仲間の一人にしてほしい。」

どっと群衆の間に、歓声が起った。

「万歳、王様万歳。」
90禿鷹 ◆aiSlHqUd2c :2007/07/15(日) 23:34:45 ID:9nx3ic7t0
ひとりの少女が、緋のマントをメロスに捧げた。
メロスは、まごついた。
佳き友は、気をきかせて教えてやった。

「メロス、君は、まっぱだかじゃないか。早くそのマントを着るがいい。この可愛い娘さんは、メロスの裸体を、皆に見られるのが、たまらなく口惜しいのだ。」

勇者は、ひどく赤面した。

(古伝説と、シルレルの詩から。)
91猫元気です ◆QHUMtA89T. :2007/07/15(日) 23:35:17 ID:7XLzXkB10
イライラしているの? そこは知らないけど そうだなああなたが
イライラする理由は多分はっきりずばっと言えないからそんなものが
たまりやすいのは分かる なにが理由かは分からないけど いいな〜
優しい人だあ 呪わないよ 俺は誰も呪わないよ
92猫元気です ◆QHUMtA89T. :2007/07/15(日) 23:36:08 ID:7XLzXkB10
暇人さん大丈夫だよ呪わないよ 暇人さんはなんかみょうに心配してるから
笑える
93猫元気です ◇QHUMtA89T.:2007/07/15(日) 23:36:17 ID:XRSkZtTb0
真面目の意味知ってるかぁ?
場をわきまえる奴は禿鷹の走れメロスが完結するまでレスしね〜よwww
で?何?何歳?それくらい視ろよ
あと、おばあちゃんは死んでるし
兄弟もなし
言うなればダレでもいいんだろ?
今度はダレ?親父かい?www
94禿鷹 ◆aiSlHqUd2c :2007/07/15(日) 23:36:27 ID:9nx3ic7t0
第三話

煙草は、本来、日本になかつた植物である。
では、何時頃、舶載されたかと云ふと、記録によつて、年代が一致しない。
或は、慶長年間と書いてあつたり、或は天文年間と書いてあつたりする。
が、慶長十年頃には、既に栽培が、諸方に行はれてゐたらしい。

それが文禄年間になると、「きかぬものたばこの法度銭法度、玉のみこゑにげんたくの医者」と云ふ落首が出来た程、一般に喫煙が流行するやうになつた。――
95禿鷹 ◆aiSlHqUd2c :2007/07/15(日) 23:38:28 ID:9nx3ic7t0
そこで、この煙草は、誰の手で舶載されたかと云ふと、歴史家なら誰でも、

葡萄牙(ポルトガル)人とか、
西班牙(スペイン)人とか答へる。

が、それは必ずしも唯一の答ではない。
その外にまだ、もう一つ、伝説としての答が残つてゐる。



それによると、煙草は、悪魔がどこからか持つて来たのださうである。



さうして、その悪魔なるものは、天主教の伴天連か(恐らくは、フランシス上人がはるばる日本へつれて来たのださうである。
96猫元気です ◇QHUMtA89T.:2007/07/15(日) 23:38:48 ID:XRSkZtTb0
>呪わないよ 俺は誰も呪わないよ

呪えないんだろ?
呪い方知らないんだろ?wwww
97本当にあった怖い名無し:2007/07/15(日) 23:39:16 ID:P23oXIA0O
元気、お前は頑張ったよ


もういいんだよ?ゆっくりおやすみ
98猫元気です ◆QHUMtA89T. :2007/07/15(日) 23:39:20 ID:7XLzXkB10
お兄さん なにがお婆ちゃんがみえるんだよ そのおばあちゃんとは相性がいいとゆうか
あなたがお婆ちゃんになんとなく尽くしてるんだ そうだなあおばあちゃんにたいして
やるべき事はする みたいな表現かな とても青青のあなたとお婆ちゃんとのイメージがある
すがすがしいんだ
99禿鷹 ◆aiSlHqUd2c :2007/07/15(日) 23:39:33 ID:9nx3ic7t0
かう云ふと、切支丹宗門の信者は、彼等のパアテルを誣ひるものとして、自分を咎めようとするかも知れない。
が、自分に云はせると、これはどうも、事実らしく思はれる。
何故と云へば、南蛮の神が渡来すると同時に、南蛮の悪魔が渡来すると云ふ事は――西洋の善が輸入されると同時に、西洋の悪が輸入されると云ふ事は、至極、当然な事だからである。
100禿鷹 ◆aiSlHqUd2c :2007/07/15(日) 23:40:47 ID:9nx3ic7t0
しかし、その悪魔が実際、煙草を持つて来たかどうか、それは、自分にも、保証する事が出来ない。
もつともアナトオル・フランスの書いた物によると、悪魔は木犀草の花で、或坊さんを誘惑しようとした事があるさうである。
して見ると、煙草を、日本へ持つて来たと云ふ事も、満更嘘だとばかりは、云へないであらう。

よし又それが嘘にしても、その嘘は又、或意味で、存外、ほんとうに近い事があるかも知れない。



――自分は、かう云ふ考へで、煙草の渡来に関する伝説を、ここに書いて見る事にした。
101猫元気です ◇QHUMtA89T.:2007/07/15(日) 23:41:07 ID:XRSkZtTb0
婆ちゃんは死にました
そして年寄りとの接点はまったくありません

大ハズレです
本当にありがとうございましたw
102猫元気です ◆QHUMtA89T. :2007/07/15(日) 23:41:26 ID:7XLzXkB10
お兄さん あなたは普段笑ってる?元気にみせてる? 言いたいところで言えない
それは人の良さだよ それが分かっていれば俺なに言われても大丈夫だよ 
103本当にあった怖い名無し:2007/07/15(日) 23:42:04 ID:ay1KQH/N0
走れメロスってこんな話だったのか。
子供の頃は一通り読み終えたあと
絶望の塊のようなものを感じて本を開くのも怖かったのに。
こんな力強い話がなんで今の今までトラウマのようになってたんだろう。

でも最後の顔赤らめた少女が布差し出すのは覚えてた。
乙れ禿鷹。
104禿鷹 ◆aiSlHqUd2c :2007/07/15(日) 23:42:19 ID:9nx3ic7t0
天文十八年、悪魔は、フランシス・ザヴイエルに伴いてゐる伊留満(いるまん)の一人に化けて、長い海路をつつがなく、日本へやつて来た。
この伊留満の一人に化けられたと云ふのは、正物のその男が、阿媽港か何処かへ上陸してゐる中に、一行をのせた黒船が、それとも知らずに出帆をしてしまつたからである。

そこで、それまで、帆桁へ尻尾をまきつけて、さかさまにぶら下りながら、私に船中のようすを窺つてゐた悪魔は、早速姿をその男に変へて、朝夕フランシス上人に、給仕する事になつた。
勿論、ドクトル・フアウストを尋ねる時には、赤い外套を着た立派な騎士に化ける位な先生の事だから、こんな芸当なぞは、何でもない。
105猫元気です ◆QHUMtA89T. :2007/07/15(日) 23:42:37 ID:7XLzXkB10
俺の透視は広くみなきゃだめだよ 接点とかの問題じゃないから まぁ透視終わり
106禿鷹 ◆aiSlHqUd2c :2007/07/15(日) 23:44:19 ID:9nx3ic7t0
所が、日本へ来て見ると、西洋にゐた時に、マルコ・ポオロの旅行記で読んだのとは、大分、容子がちがふ。

第一、あの旅行記によると、国中至る処、黄金がみちみちてゐるやうであるが、どこを見廻しても、そんな景色はない。
これなら、ちよいと磔を爪でこすつて、金にすれば、それでもかなり、誘惑が出来さうである。

それから、日本人は、真珠か何かの力で、起死回生の法を、心得てゐるさうであるが、それもマルコ・ポオロの嘘らしい。
嘘なら、方々の井戸へ唾を吐いて、悪い病さへ流行らせれば、大抵の人間は、苦しまぎれに当来の波羅葦僧(はらいそ)なぞは、忘れてしまふ。
107本当にあった怖い名無し:2007/07/15(日) 23:44:22 ID:BdaxXh2tO
猫元気さん、君は半年程前に森か山、、、木が多い場所にいかなかった?
108猫元気です ◇QHUMtA89T.:2007/07/15(日) 23:44:30 ID:XRSkZtTb0
今がつまらなくてイライラしてる人間に笑ってる?って質問は愚問だぁよ
笑ってるわけね〜
>言いたいところで言えない
ただの対人恐怖症じゃね〜かwwww
>それが分かっていれば俺なに言われても大丈夫だよ 
わかんな〜い♪でも何言われても大丈夫だよ〜♪
全問不正解だしな
109禿鷹 ◆aiSlHqUd2c :2007/07/15(日) 23:45:33 ID:9nx3ic7t0
――フランシス上人の後へついて、殊勝らしく、そこいらを見物して歩きながら、悪魔は、私にこんな事を考へて、独り会心の微笑をもらしてゐた。


が、たつた一つ、ここに困つた事がある。
こればかりは、流石の悪魔が、どうする訳にも行かない。
と云ふのは、まだフランシス・ザヴイエルが、日本へ来たばかりで、伝道も盛にならなければ、切支丹の信者も出来ないので、

肝腎の誘惑する相手が、一人もゐないと云ふ事である。

これには、いくら悪魔でも、少からず、当惑した。
第一、さしあたり退屈な時間を、どうして暮していいか、わからない。――
110猫元気です ◇QHUMtA89T.:2007/07/15(日) 23:46:46 ID:XRSkZtTb0
>俺の透視は広くみなきゃだめだよ
透視を広くって何?ズバッと当てるもんだろ透視って
>接点とかの問題じゃないから
それじゃぁ透視でも霊視でもなんでもない。ただの妄想

はい妄想乙
111禿鷹 ◆aiSlHqUd2c :2007/07/15(日) 23:46:57 ID:9nx3ic7t0
そこで、悪魔は、いろいろ思案した末に、先に園芸でもやつて、暇をつぶさうと考へた。

それには、西洋を出る時から、種々雑多な植物の種を、耳の穴の中へ入れて持つてゐる。
地面は、近所の畠でも借りれば、造作はない。
その上、フランシス上人さへ、それは至極よからうと、賛成した。
勿論、上人は、自分についてゐる伊留満(いるまん)の一人が、西洋の薬用植物か何かを、日本へ移植しようとしてゐるのだと、思つたのである。
112猫元気です ◆QHUMtA89T. :2007/07/15(日) 23:47:48 ID:7XLzXkB10
あたってるからなに言われてもいいよ 否定的になってるだけだよ 落ち着けば
実感できると思うまた落ち着いたらきてください
113禿鷹 ◆aiSlHqUd2c :2007/07/15(日) 23:48:38 ID:9nx3ic7t0
悪魔は、早速、鋤や鍬を借りて来て、路ばたの畠を、根気よく、耕しはじめた。
丁度水蒸気の多い春の始で、たなびいた霞の底からは、遠くの寺の鐘が、ぼうんと、眠むさうに、響いて来る、その鐘の音が、如何にも又のどかで、聞きなれた西洋の寺の鐘のやうに、いやに冴えて、かんと脳天へひびく所がない。

――が、かう云ふ太平な風物の中にゐたのでは、さぞ悪魔も、気が楽だらうと思ふと、決してさうではない。
彼は、一度この梵鐘の音を聞くと、サンパウロの寺の鐘を聞いたよりも、一層、不快さうに、顔をしかめて、むしやうに畑を打ち始めた。
114禿鷹 ◆aiSlHqUd2c :2007/07/15(日) 23:50:00 ID:9nx3ic7t0
何故かと云ふと、こののんびりした鐘の音を聞いて、この曖々たる日光に浴してゐると、不思議に、心がゆるんで来る。
善をしようと云ふ気にもならないと同時に、悪を行はうと云ふ気にもならずにしまふ。

これでは、折角、海を渡つて、日本人を誘惑に来た甲斐がない。
――掌に肉豆がないので、イワンの妹に叱られた程、労働の嫌な悪魔が、こんなに精を出して、鍬を使ふ気になつたのは、
全く、このややもすれば、体にはひかかる道徳的の眠けを払はうとして、一生懸命になつたせゐである。





悪魔は、とうとう、数日の中に、畑打ちを完つて、耳の中の種を、その畦に播いた。
115猫元気です ◆QHUMtA89T. :2007/07/15(日) 23:50:01 ID:7XLzXkB10
霊みたいなあ
116猫元気です ◇QHUMtA89T.:2007/07/15(日) 23:50:26 ID:XRSkZtTb0
>あたってるからなに言われてもいいよ
本人が当たってないって言ってるのに当たってる?
必死すぎワロスwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
>落ち着けば 実感できると思うまた落ち着いたらきてください
また来てやるよwwwww
そん時も大ハズレだろwwwww

妄想乙wwwww
117猫元気です ◆QHUMtA89T. :2007/07/15(日) 23:50:41 ID:7XLzXkB10
霊がみえたら いい加減な霊視とかうけなくてすむのに
118本当にあった怖い名無し:2007/07/15(日) 23:50:54 ID:BdaxXh2tO
猫元気さん?
119猫元気です ◇QHUMtA89T.:2007/07/15(日) 23:51:04 ID:XRSkZtTb0
>>117
正にお前
120禿鷹 ◆aiSlHqUd2c :2007/07/15(日) 23:51:21 ID:9nx3ic7t0
それから、幾月かたつ中に、悪魔の播いた種は、芽を出し、茎をのばして、その年の夏の末には、幅の広い緑の葉が、もう残りなく、畑の土を隠してしまつた。
が、その植物の名を知つてゐる者は、一人もない。

フランシス上人が、尋ねてさへ、悪魔は、にやにや笑ふばかりで、何とも答へずに、黙つてゐる。
121猫元気です ◆QHUMtA89T. :2007/07/15(日) 23:52:22 ID:7XLzXkB10
本当だよ もう暴言やめてください >>118なんですか

>>119さん 言いたいことがいえるようになりましょうね 人の考慮なんかしてたら
持ちませんよ ずばずばいったほうがいい
122禿鷹 ◆aiSlHqUd2c :2007/07/15(日) 23:52:37 ID:9nx3ic7t0
その中に、この植物は、茎の先に、そうそうとして、花をつけた。漏斗のやうな形をした、うす紫の花である。
悪魔には、この花のさいたのが、骨を折つただけに、大へん嬉しいらしい。
そこで、彼は、朝夕の勤行をすましてしまふと、何時でも、その畑へ来て、余念なく培養につとめてゐた。


すると、或日の事、(それは、フランシス上人が伝道の為に、数日間、旅行をした、その留守中の出来事である。)一人の牛商人が、一頭の黄牛(あめうし)をひいて、その畑の側を通りかかつた。
123本当にあった怖い名無し:2007/07/15(日) 23:53:52 ID:BdaxXh2tO
こちらで波動を一つ捕らえたんだけど、これが猫元気さんの気なら確認したいことがあるんだ。
124禿鷹 ◆aiSlHqUd2c :2007/07/15(日) 23:53:56 ID:9nx3ic7t0
見ると、紫の花のむらがつた畑の柵の中で、黒い僧服に、つばの広い帽子をかぶつた、南蛮の伊留満が、しきりに葉へついた虫をとつてゐる。
牛商人は、その花があまり、珍しいので、思はず足を止めながら、笠をぬいで、丁寧にその伊留満へ声をかけた。

――もし、お上人様、その花は何でございます。

伊留満は、ふりむいた。鼻の低い、眼の小さな、如何にも、人の好ささうな紅毛(こうまう)である。
125猫元気です ◇QHUMtA89T.:2007/07/15(日) 23:54:17 ID:XRSkZtTb0
>>121
ハイハイw
ズバズバ言い過ぎて「お前は少し遠慮って事を知れ」って怒られた自分ですが何か?
126猫元気です ◆QHUMtA89T. :2007/07/15(日) 23:54:25 ID:7XLzXkB10
>>123 どうぞ
127禿鷹 ◆aiSlHqUd2c :2007/07/15(日) 23:55:04 ID:9nx3ic7t0
――これですか。

――さやうでございます。


紅毛は、畑の柵によりかかりながら、頭をふつた。さうして、なれない日本語で云つた。




――この名だけは、御気の毒ですが、人には教へられません。

――はてな、すると、フランシス様が、云つてはならないとでも、仰有(おつしや)つたのでございますか。

――いいえ、さうではありません。

――では、一つお教へ下さいませんか、手前も、近ごろはフランシス様の御教化をうけて、この通り御宗旨に、帰依(きえ)して居りますのですから。
128本当にあった怖い名無し:2007/07/15(日) 23:56:12 ID:BdaxXh2tO
ちょうど半年〜七ヶ月程前に木が多い場所に行かなかった?山とか森とか
129禿鷹 ◆aiSlHqUd2c :2007/07/15(日) 23:56:24 ID:9nx3ic7t0
牛商人は、得意さうに自分の胸を指さした。
見ると、成る程、小さな真鍮の十字架が、日に輝きながら、頸にかかつてゐる。

すると、それが眩しかつたのか、伊留満はちよいと顔をしかめて、下を見たが、すぐに又、前よりも、人なつこい調子で、冗談ともほんとうともつかずに、こんな事を云つた。


――それでも、いけませんよ。これは、私の国の掟で、人に話してはならない事になつてゐるのですから。
それより、あなたが、自分で一つ、あててごらんなさい。
日本の人は賢いから、きつとあたります。

あたつたら、この畑にはえてゐるものを、みんな、あなたにあげませう。
130禿鷹 ◆aiSlHqUd2c :2007/07/15(日) 23:57:41 ID:9nx3ic7t0
牛商人は、伊留満が、自分をからかつてゐるとでも思つたのであらう。
彼は、日にやけた顔に、微笑を浮べながら、わざと大仰に、小首を傾けた。

――何でございますかな。どうも、殺急には、わかり兼ねますが。

――なに今日でなくつても、いいのです。
三日の間に、よく考へてお出でなさい。
誰かに聞いて来ても、かまひません。
あたつたら、これをみんなあげます。
この外にも、珍陀の酒をあげませう。
それとも、波羅葦僧垤利阿利の絵をあげますか。



牛商人は、相手があまり、熱心なのに、驚いたらしい。
131禿鷹 ◆aiSlHqUd2c :2007/07/15(日) 23:59:06 ID:9nx3ic7t0
――では、あたらなかつたら、どう致しませう。

伊留満は帽子をあみだに、かぶり直しながら、手を振つて、笑つた。
牛商人が、いささか、意外に思つた位、鋭い、からすのやうな声で、笑つたのである。

――あたらなかつたら、私があなたに、何かもらひませう。賭です。
あたるか、あたらないかの賭です。
あたつたら、これをみんな、あなたにあげますから。

かう云ふ中に紅毛は、何時か又、人なつこい声に、帰つてゐた。
132禿鷹 ◆aiSlHqUd2c :2007/07/15(日) 23:59:54 ID:9nx3ic7t0
――よろしうございます。では、私も奮発して、何でもあなたの仰有(おつしや)るものを、差上げませう。

――何でもくれますか、その牛でも。

――これでよろしければ、今でも差上げます。

牛商人は、笑ひながら、黄牛(あめうし)の額を、撫でた。
彼はどこまでも、これを、人の好い伊留満の、冗談だと思つてゐるらしい。
133猫元気です ◆QHUMtA89T. :2007/07/16(月) 00:01:07 ID:U9Qf9I+r0
>>125 それは心で話してないよ 透視終わりだから小さいところからほどいてけば
分かると思うけどやめる 半年前?行ったけど?
134禿鷹 ◆aiSlHqUd2c :2007/07/16(月) 00:01:32 ID:9QyF6Qeq0
――その代り、私が勝つたら、その花のさく草を頂きますよ。

――よろしい。よろしい。では、確に約束しましたね。

――確に、御約定致しました。御主エス・クリストの御名にお誓ひ申しまして。



伊留満は、これを聞くと、小さな眼を輝かせて、二三度、満足さうに、鼻を鳴らした。
それから、左手を腰にあてて、少し反り身になりながら、右手で紫の花にさはつて見て、




――では、あたらなかつたら――あなたの体と魂とを、貰ひますよ。
135本当にあった怖い名無し:2007/07/16(月) 00:02:06 ID:IiNlZKHTO
猫元気さん?興味ないならやめときます
どうしても確認したかったのですが残念です。
136猫元気です ◇QHUMtA89T.:2007/07/16(月) 00:02:13 ID:z96wuAUd0
やめる

お前の妄想物語に興味ないし
137猫元気です ◆QHUMtA89T. :2007/07/16(月) 00:02:25 ID:U9Qf9I+r0
半年前には山いきましたよ
138禿鷹 ◆aiSlHqUd2c :2007/07/16(月) 00:03:31 ID:9QyF6Qeq0
かう云つて、紅毛は、大きく右の手をまはしながら、帽子をぬいだ。

もぢやもぢやした髪の毛の中には、山羊のやうな角が二本、はえてゐる。
牛商人は、思はず顔の色を変へて、持つてゐた笠を、地に落した。

日のかげつたせゐであらう、畑の花や葉が、一時に、あざやかな光を失つた。
牛さへ、何におびえたのか、角を低くしながら、地鳴りのやうな声で、唸つてゐる。……
139禿鷹 ◆aiSlHqUd2c :2007/07/16(月) 00:05:17 ID:9QyF6Qeq0
――私にした約束でも、約束は、約束ですよ。
私が名を云へないものを指して、あなたは、誓つたでせう。

忘れてはいけません。期限は、三日ですから。
では、さやうなら。



人をばかにしたやうな、いんぎんな調子で、かう云ひながら、悪魔は、わざと、牛商人に丁寧なおじぎをした。
140本当にあった怖い名無し:2007/07/16(月) 00:06:26 ID:IiNlZKHTO
あ〜、じゃあ多分これ猫元気さんの波動で間違いないですね。
え〜と、その時に何かしませんでした?
なんかすごいのがついちゃってるんで、お知らせしといた方がいいと思って、、、。
あ、急にこんな話ししてすみません。
気を悪くしないでくださいね。
141猫元気です ◆QHUMtA89T. :2007/07/16(月) 00:06:31 ID:50ZDO35KO
携帯に切り替えます
142禿鷹 ◆aiSlHqUd2c :2007/07/16(月) 00:07:12 ID:9QyF6Qeq0
牛商人は、うつかり、悪魔の手にのつたのを、後悔した。
このままで行けば、結局、あの「ぢやぼ」につかまつて、体も魂も、

「亡ぶることなき猛火」

に、焼かれなければ、ならない。
それでは、今までの宗旨をすてて、波宇寸低茂(はうすちも)をうけた甲斐が、なくなつてしまふ。

が、御主エス・クリストの名で、誓つた以上、一度した約束は、破る事が出来ない。
勿論、フランシス上人でも、ゐたのなら、またどうにかなる所だが、あいにく、それも今は留守である。


そこで、彼は、三日の間、夜の眼もねずに、悪魔の巧みの裏をかく手だてを考へた。
143禿鷹 ◆aiSlHqUd2c :2007/07/16(月) 00:08:31 ID:9QyF6Qeq0
それには、どうしても、あの植物の名を、知るより外に、仕方がない。

しかし、フランシス上人でさへ、知らない名を、どこに知つてゐるものが、ゐるであらう。……
144本当にあった怖い名無し:2007/07/16(月) 00:08:50 ID:IiNlZKHTO
>>140=山に行ったかの質問した者です
145猫元気です ◆QHUMtA89T. :2007/07/16(月) 00:09:00 ID:50ZDO35KO
なにがついてんの?[email protected] メールください
146禿鷹 ◆aiSlHqUd2c :2007/07/16(月) 00:10:43 ID:9QyF6Qeq0
牛商人は、とうとう、約束の期限の切れる晩に、又あの黄牛(あめうし)をひつぱつて、そつと、伊留満の住んでゐる家の側へ、忍んで行つた。
家は畑とならんで、往来に向つてゐる。
行つて見ると、もう伊留満も寝しづまつたと見えて、窓からもる灯さへない。
丁度、月はあるが、ぼんやりと曇つた夜で、ひつそりした畑のそこここには、あの紫の花が、心ぼそくうす暗い中に、ほのめいてゐる。
147禿鷹 ◆aiSlHqUd2c :2007/07/16(月) 00:12:04 ID:9QyF6Qeq0
元来、牛商人は、おぼつかないながら、一策を思ひついて、やつとここまで、忍んで来たのであるが、このしんとした景色を見ると、何となく恐しくなつて、いつそ、このまま帰つてしまはうかと云ふ気にもなつた。

殊に、あの戸の後では、山羊のやうな角のある先生が、「いんへるの」の夢でも見てゐるのだと思ふと、折角、はりつめた勇気も、意気地なく、くじけてしまふ。
が、体と魂とを、「ぢやぼ(デビル)」の手に、渡す事を思へば、勿論、弱い音なぞを吐いてゐるべき場合ではない。
148本当にあった怖い名無し:2007/07/16(月) 00:12:13 ID:IiNlZKHTO
すみません。僕は携帯しかなくて、サブアドも持ってないから
メールはちょっと無理です。

ここで話すのはイヤですか?

どうしてもメールがいいなら、
明日でよければサブアド取得して送りますが?
149禿鷹 ◆aiSlHqUd2c :2007/07/16(月) 00:13:28 ID:9QyF6Qeq0
そこで、牛商人は、毘留善麻利耶(びるぜんまりや)の加護を願ひながら、思ひ切つて、あらかじめ、もくろんで置いた計画を、実行した。

計画と云ふのは、別でもない。
――ひいて来た黄牛の綱を解いて、尻をつよく打ちながら、例の畑へ勢よく追ひこんでやつたのである。

牛は、打たれた尻の痛さに、跳ね上りながら、柵を破つて、畑をふみ荒らした。
角を家の板目につきかけた事も、一度や二度ではない。
その上、蹄の音と、鳴く声とは、うすい夜の霧をうごかして、ものものしく、四方に響き渡つた。
150禿鷹 ◆aiSlHqUd2c :2007/07/16(月) 00:14:58 ID:9QyF6Qeq0
すると、窓の戸をあけて、顔を出したものがある。
暗いので、顔はわからないが、伊留満に化けた悪魔には、相違ない。
気のせゐか、頭の角は、夜目ながら、はつきり見えた。


――この畜生、何だつて、おれの煙草畑を荒らすのだ。


悪魔は、手をふりながら、睡むさうな声で、かう怒鳴つた。
寝入りばなの邪魔をされたのが、よくよく癪にさはつたらしい。
が、畑の後へかくれて、ようすを窺つてゐた牛商人の耳へは、悪魔のこの語が、ゼウスの声のやうに、響いた。……


――この畜生、何だつて、己の煙草畑を荒らすのだ。
151禿鷹 ◆aiSlHqUd2c :2007/07/16(月) 00:16:36 ID:9QyF6Qeq0
それから、先の事は、あらゆるこの種類の話のやうに、至極、円満に完つてゐる。

すなはち、牛商人は、首尾よく、煙草と云ふ名を、云ひあてて、悪魔に鼻をあかさせた。
さうして、その畑にはえてゐる煙草を、悉く自分のものにした。と云ふやうな次第である。
が、自分は、昔からこの伝説に、より深い意味がありはしないかと思つてゐる。
152猫元気です ◆QHUMtA89T. :2007/07/16(月) 00:17:30 ID:50ZDO35KO
メールしたいです 心配してください
153禿鷹 ◆aiSlHqUd2c :2007/07/16(月) 00:18:15 ID:9QyF6Qeq0
何故と云へば、悪魔は、牛商人の肉体と霊魂とを、自分のものにする事は出来なかつたが、そのかはりに、煙草は、あまねく日本全国に、普及させる事が出来た。


して見ると牛商人の救抜が、一面堕落を伴つてゐるやうに、悪魔の失敗も、一面成功を伴つてゐはしないだらうか。
悪魔は、ころんでも、ただは起きない。
誘惑に勝つたと思ふ時にも、人間は存外、負けてゐる事がありはしないだらうか
154本当にあった怖い名無し:2007/07/16(月) 00:19:08 ID:IiNlZKHTO
では明日までにサブアドを準備します。
明日必ずメールしますから待っててもらえますか?
155本当にあった怖い名無し:2007/07/16(月) 00:19:24 ID:5DRTtGYN0
親切が仇にならなきゃいいけどな。
156禿鷹 ◆aiSlHqUd2c :2007/07/16(月) 00:20:37 ID:9QyF6Qeq0
それから序(ついで)に、悪魔のなり行きを、簡単に、書いて置かう。


彼は、フランシス上人が、帰つて来ると共に、神聖なペンタグラマの威力によつて、とうとう、その土地から、逐払(おひはら)はれた。
が、その後も、やはり伊留満のなりをして、方々をさまよつて、歩いたものらしい。
或記録によると、彼は、南蛮寺の建立(こんりふ)前後、京都にも、屡々(しばしば)出没したさうである。

松永弾正(だんじやう)を飜弄(ほんろう)した例の果心居士と云ふ男は、この悪魔だと云ふ説もあるが、これはラフカデイオ・ヘルン先生が書いてゐるから、ここには、御免を蒙る事にしよう。


それから、豊臣徳川両氏の外教禁遏に会つて、始の中こそ、まだ、姿を現はしてゐたが、とうとう、しまひには、完く日本にゐなくなつた。
――記録は、大体ここまでしか、悪魔の消息を語つてゐない。唯、明治以後、再、渡来した彼の動静を知る事が出来ないのは、返へす返へすも、遺憾である。……

(大正五年十月)
157猫元気です ◆QHUMtA89T. :2007/07/16(月) 00:24:12 ID:50ZDO35KO
待ちます
158禿鷹 ◆aiSlHqUd2c :2007/07/16(月) 00:25:12 ID:9QyF6Qeq0
第四話


ちえ子さんは可愛らしい奇麗な児でしたが、勉強がきらいで遊んでばかりいるので、学校を何べんも落第しました。
そしてお父さんやお母さんに叱られる毎に、

「ああ、嫌だ嫌だ。どうかして勉強しないで学校がよく出来る工夫は無いかしらん」

と、そればかり考えておりました。
159本当にあった怖い名無し:2007/07/16(月) 00:25:58 ID:IiNlZKHTO
猫元気さんありがとう
では明日メールします

おやすみなさい
160禿鷹 ◆aiSlHqUd2c :2007/07/16(月) 00:26:09 ID:9QyF6Qeq0
ある日、どうしてもしなくてはならぬ算術をやっておりましたが、どうしてもわからぬ上にねむくてたまりませんので、大きなあくびを一つしてお庭に出てみると、白い寒椿がたった一つ蕾を開いておりました。

ちえ子さんはそれを見ると、
「ああ、こんな花になったらいいだろう。学校にも何にも行かずに、花が咲いて人から可愛がられる。ああ、花になりたい」
と思いながら、その花に顔を近づけてにおいをかいでみました。
161禿鷹 ◆aiSlHqUd2c :2007/07/16(月) 00:29:25 ID:9QyF6Qeq0
その白椿の香気のいい事、眼も眩(くら)むようでした。思わずむせ返って、

「ハックシン」

と大きなくしゃみを一つして、フッと眼を開いてみると、どうでしょう。
自分はいつの間にか白い寒椿の花になっていて、眼の前にはちえ子さんそっくりの女の子が立ちながら自分を見上げております。
162禿鷹 ◆aiSlHqUd2c :2007/07/16(月) 00:30:36 ID:9QyF6Qeq0
ちえ子さんはびっくりしましたが、どうする事も出来ませんでした。
只呆れてしまって、その児の様子を見ておりますと、その女の児は自分を見ながら、

「まあ、何という美しい花でしょう。そしてほんとにいいにおいだこと。これを一輪ざしに挿して勉強したいな。お母様に聞いて来ましょう」

と云いながらバタバタと駈けて行きました。
163禿鷹 ◆aiSlHqUd2c :2007/07/16(月) 00:32:12 ID:9QyF6Qeq0
しばらくすると、ちえ子さんのお母さんが花鋏を持ってお庭に降りておいでになりました。

「まあ、お前が勉強をするなんて珍らしい事ねえ。お前が勉強さえしておくれだったら、椿の花くらい何でもありませんよ」

と云いながら、ちえ子さんの白椿をパチンと鋏切って、一輪挿しにさして、ちえ子さんの机の上に置いておやりになりました。
164禿鷹 ◆aiSlHqUd2c :2007/07/16(月) 00:33:12 ID:9QyF6Qeq0
ちえ子さんは机の隅から見ていますと、女の児はさもうれしそうに可愛らしい眼で自分を見ておりましたが、やがて算術の手帳を出しておけいこを初めました。
ちえ子さんの白椿は、真赤になりたいきまりが悪くなりました。

算術の帳面には違った答えばかりで、処々にはつまらない絵なぞが書いてあります。
女の児はそれをゴムで奇麗に消して、間違った答えをみんな直して、明日(あす)の宿題までも済ましてしまいました。
それを見ているうちにちえ子さんは、算術のしかたがだんだんわかって来て面白くて堪らず、自分でやってみたくなりましたが、花になっているのですから仕方がありません
165禿鷹 ◆aiSlHqUd2c :2007/07/16(月) 00:34:01 ID:9QyF6Qeq0
そのうちに女の児は算術を済まして、読本を開いて、本に小さく鉛筆でつけてある仮名を皆消してしまいました。
おさらいと明日の下読が済むと、筆入やカバンを奇麗に掃除して、鉛筆を上手に削って、時間表に合せた書物や雑記帳と一所に入れて机の上に正しく置きました。

それから机のひきだしをあけてキチンと片づけて、押しこんだいたずら書きの紙屑や糸くずをちゃんとのばして、紙は帳面に作り、糸は糸巻きに巻きました。
その間のちえ子さんの極りのわるさ!
消えてしまいたい位でした。
166禿鷹 ◆aiSlHqUd2c :2007/07/16(月) 00:35:38 ID:9QyF6Qeq0
女の児はそれから、台所で働いていらっしゃるお母様の処へ走って行って、手を突いて、

「お母さん、お手伝いさせて頂戴」

と云いました。


お母様はしばらくだまって女の児の顔を見ておいでになりましたが、濡れたままの手でいきなりしっかりと女の児を抱きしめて、

「まあ、お前はどうしてそんなによい子になったの」

と云いながら、涙をハラハラとお流しになりました。
167禿鷹 ◆aiSlHqUd2c :2007/07/16(月) 00:37:14 ID:9QyF6Qeq0
白椿のちえ子さんは身を震わしてこの様子を見ておりました。
ちえ子さんもお母さまからこんなにして可愛がられた事は今まで一度も無かったのです。
あんまり羨ましくて情なくて口惜しくて、思わずホロホロと水晶のような露を机の上に落しました。


それからこの女の児がする事は、何一つとしてちえ子さんを感心させない事はありませんでした。
遊びに誘いに来るわるいお友達はみんな、お母様にたのんで断って頂いて、よいお友達と遊ぶようにしました。
168禿鷹 ◆aiSlHqUd2c :2007/07/16(月) 00:38:25 ID:9QyF6Qeq0
「ちえ子のちえ子の大馬鹿やい。ちえ子の知恵無し落第坊主、一年二度ずつエンヤラヤ、学校出るのに……ツーツータアカアセ」

と悪い男の生徒がはやしても、家の中から笑っていました。
そのほか勉強のひまには編物をお母さんから習いました。
夜はお祖父さまの肩をもみました。
お母様のお使い、お父様の御用向でも、ハイハイとはたらきました。
そうして自分の事は何一つお母様やお祖母様に御迷惑をかけませんでした。
169禿鷹 ◆aiSlHqUd2c :2007/07/16(月) 00:39:31 ID:9QyF6Qeq0
お家の人は皆驚いて感心をして賞め千切って、いろいろのものを買って下さいました。
しかし女の児はそれを大切にしまって、今までちえ子さんが使い古したものばかり使いました。

けれどもお家の人よりも何よりも驚いたのは学校の先生でした。
今までは何をきいてもうつむいてばかりいたちえ子が、今度は何を聞いてもすっかり勉強しておぼえていて、時々は先生も困る位よい質問を出します。
そればかりでなく、今まで運動場で遊んでいても、直に泣いたり、おこったり、すねたり、よけいなにくまれ口をきいたりして嫌われていたちえ子が、
急に親切にやさしくなって、どんな遊戯でもいやがらずに、それはそれは元気よく愉快に仲よく遊びますので、友達の出来る事出来る事。
今まで寄り付かなかったよいお友達が、みんな遊びたがってお家にまで来るようになりました。
170禿鷹 ◆aiSlHqUd2c :2007/07/16(月) 00:40:41 ID:9QyF6Qeq0
女の児はいつもよいお友達と音なしく遊んで、音なしく勉強しました。
来るお友達も来るお友達も、みんなちえ子さんの机の上の一輪ざしに生けてある白椿の花を賞めました。その時女の児はいつもこう答えました。

「あたしはこの白椿のようになりたいといつも思っています」

「ほんとにね」

と友達は皆、女の児の清い心持ちに感心をしてため息をしました。
171禿鷹 ◆aiSlHqUd2c :2007/07/16(月) 00:41:23 ID:9QyF6Qeq0
ちえ子さんの白椿は日に増し淋しく悲しくなって来ました。

「あたしのようなわるい児はこのまま散ってしまって、あの女の児があたしの代りになっている方がどれ位みんなのしあわせになるかもしれない。
どうぞ神様、妾の代りにあの女の児がしあわせでいるように、そうしていつまでもかわらずにいるように」と心から祈って、涙をホロホロと流しました。

そのうちにだんだん気が遠くなって、ガックリとうなだれてしまいました。
172禿鷹 ◆aiSlHqUd2c :2007/07/16(月) 00:42:22 ID:9QyF6Qeq0

       ×          ×          ×

「まあちえ子さん、大変じゃないの。総甲を取っているのに、何だって今まで見たいに成績を隠すのです。お起きなさいってば、ちえ子さん。そんなに勉強ばかりして身体に障りますよ」

とお母さんの声がします。
フッと眼をあけてみると、ちえ子さんは算術の本を開いてその上にうたた寝をしているのでした。
眼の前の机の上の一輪挿しには椿の枝と葉ばかりが挿さっていて、花はしおれ返ったままうつ伏せに落ちておりました。



底本:「夢野久作全集1」ちくま文庫、筑摩書房
173禿鷹 ◆aiSlHqUd2c :2007/07/16(月) 00:56:39 ID:9QyF6Qeq0
中座


−おまけの一日−

ルチャドールになるために
猛練習を積んでいた少年が
トペデレベルサの失敗で
短いその命を落としました
憐れに思った神様は
少年におまけの一日をお与えになりました
おまけの一日 さりとて するべき事も無く
なんとなく陽がくれて その夕陽を見ながら少年は
「あ〜 僕の一生こそ おまけのようなものだったな」
と思いました
174本当にあった怖い名無し:2007/07/16(月) 01:27:35 ID:Xl/ALhBGO
ここのスレ主に粘着してる奴らって、スレ主と同類のメンヘラばっかW

一生やってろ!
175本当にあった怖い名無し:2007/07/16(月) 01:28:18 ID:CnrALE6+0
>>174
あなたも同類w
176本当にあった怖い名無し:2007/07/16(月) 01:50:56 ID:Xl/ALhBGO
>>175
ハイ、即レスしたあなたの負け〜!

粘着厨って、叩くとほんとよく釣れるね!じゃあね。
177本当にあった怖い名無し:2007/07/16(月) 02:17:49 ID:CnrALE6+0
何じゃその自分ルールw
178猫元気です ◆QHUMtA89T. :2007/07/16(月) 02:30:34 ID:50ZDO35KO
誰かチャットしませんか
179本当にあった怖い名無し:2007/07/16(月) 02:33:06 ID:F83XYnsb0
出会い系みたいになってきたなw
180猫元気です ◆QHUMtA89T. :2007/07/16(月) 02:34:54 ID:50ZDO35KO
やめろ
181本当にあった怖い名無し:2007/07/16(月) 02:35:09 ID:LY6b4BNg0
猫元気エロサイトキボンヌ
182本当にあった怖い名無し:2007/07/16(月) 02:35:11 ID:hJNm+UAVO
>>178
バカでかいキツネがみえる
183猫元気です ◆QHUMtA89T. :2007/07/16(月) 02:39:18 ID:50ZDO35KO
誰でもいいからチャットして
184猫元気です ◆QHUMtA89T. :2007/07/16(月) 02:49:10 ID:U9Qf9I+r0
誰か
185猫元気です ◆QHUMtA89T. :2007/07/16(月) 02:50:30 ID:U9Qf9I+r0
誰か眠れない
186ちんこ元気:2007/07/16(月) 02:51:58 ID:LY6b4BNg0
猫元気エロサイトキボンヌ
187猫元気です ◆QHUMtA89T. :2007/07/16(月) 02:52:34 ID:U9Qf9I+r0
うるさいぶた
188いぬ:2007/07/16(月) 02:52:48 ID:kUPtZ79YO
ワたちが来ましたよ
189本当にあった怖い名無し:2007/07/16(月) 02:53:12 ID:9NOHPYDD0
寝ろ
無理してでも目を閉じて休め 
寝なくてもそれだけで体力はそこそこ回復されるらしいよ ノシ
190猫元気です ◆QHUMtA89T. :2007/07/16(月) 02:54:09 ID:U9Qf9I+r0
犬ってみたことあります誰でしたっけ
191いぬ:2007/07/16(月) 02:55:14 ID:kUPtZ79YO
通りすがりの者でつよ
192猫元気です ◆QHUMtA89T. :2007/07/16(月) 02:55:44 ID:U9Qf9I+r0
眠れるけど寝たくないです
193いぬ:2007/07/16(月) 02:57:50 ID:kUPtZ79YO
猫さんは どちらの方?
194猫元気です ◆QHUMtA89T. :2007/07/16(月) 02:58:11 ID:U9Qf9I+r0
愛知
195ちんこ元気:2007/07/16(月) 02:58:30 ID:LY6b4BNg0
どうしてぶたとわかった?
196猫元気です ◆QHUMtA89T. :2007/07/16(月) 03:00:05 ID:U9Qf9I+r0
もうやめてくれ  からかうな 頭が狂うすんぜんみたいな感じがするいっそのこと
狂ってほしい
197ちんこ元気:2007/07/16(月) 03:01:27 ID:LY6b4BNg0
じゃあ、エロサイトくれ!!
198猫元気です ◆QHUMtA89T. :2007/07/16(月) 03:02:18 ID:U9Qf9I+r0
しらんがや 自分で探せ もう本当に止めろ
199k:2007/07/16(月) 03:03:13 ID:QvrHdRvb0
チャットのやり方教えて
200ちんこ元気:2007/07/16(月) 03:04:48 ID:LY6b4BNg0
くれくれくれくれくれくれくれくれくれくれくれくれくれくれくれくれくれくれくれくれ
201猫元気です ◆QHUMtA89T. :2007/07/16(月) 03:05:16 ID:U9Qf9I+r0
http://rent.kanichat.com/rent.cgi?room=2choc ここきてくださいkさん
202k:2007/07/16(月) 03:08:35 ID:QvrHdRvb0
入れません
203ちんこ元気:2007/07/16(月) 03:09:02 ID:LY6b4BNg0
入れません
204猫元気です ◆QHUMtA89T. :2007/07/16(月) 03:09:17 ID:U9Qf9I+r0
入れない? どうしよう もう分からない いたずらでばかとかやられたし最悪
205k:2007/07/16(月) 03:10:31 ID:QvrHdRvb0
残念。
206猫元気です ◆QHUMtA89T. :2007/07/16(月) 03:10:34 ID:U9Qf9I+r0
http://occult.ushimairi.com/ ここから メインよろずちゃっとにきてください
207猫元気です ◆QHUMtA89T. :2007/07/16(月) 03:12:15 ID:U9Qf9I+r0
もういいよ もうやだ誰か心配してください
208k:2007/07/16(月) 03:12:58 ID:QvrHdRvb0
こっちも無理。なんで?
209ちんこ元気:2007/07/16(月) 03:13:14 ID:LY6b4BNg0
ところで君はどうしたんだね?
210猫元気です ◆QHUMtA89T. :2007/07/16(月) 03:13:31 ID:U9Qf9I+r0
kさん 携帯ですか
211k:2007/07/16(月) 03:14:10 ID:QvrHdRvb0
ごめん。
212猫元気です ◆QHUMtA89T. :2007/07/16(月) 03:14:26 ID:U9Qf9I+r0
分からない なにか分からない 
213k:2007/07/16(月) 03:15:05 ID:QvrHdRvb0
携帯ではないよ。
214猫元気です ◆QHUMtA89T. :2007/07/16(月) 03:15:48 ID:U9Qf9I+r0
kさん指定してくださいチャット部屋
215k:2007/07/16(月) 03:16:54 ID:QvrHdRvb0
元気は入れるの?
216猫元気です ◆QHUMtA89T. :2007/07/16(月) 03:18:12 ID:U9Qf9I+r0
入れますよ
217k:2007/07/16(月) 03:18:25 ID:QvrHdRvb0
そんな難しい事言われても分からないよ。ごめん。
218猫元気です ◆QHUMtA89T. :2007/07/16(月) 03:20:10 ID:U9Qf9I+r0
どっかさがしてきてくださいよ
219k:2007/07/16(月) 03:21:03 ID:QvrHdRvb0
わかった。探してみる。
220:2007/07/16(月) 03:21:44 ID:LY6b4BNg0
221猫元気です ◆QHUMtA89T. :2007/07/16(月) 03:24:41 ID:U9Qf9I+r0
どこはいればいいのですか
222ちんこ元気:2007/07/16(月) 03:28:24 ID:LY6b4BNg0
おおべやまなし
223猫元気です ◆QHUMtA89T. :2007/07/16(月) 03:28:54 ID:U9Qf9I+r0
どこはいればいいのkさん
224k:2007/07/16(月) 03:29:33 ID:QvrHdRvb0
なんだか全滅だ。何故?ゴメン元気。期待させちゃったね。
225k:2007/07/16(月) 03:31:03 ID:QvrHdRvb0
今日の所は一緒に寝よう。
226猫元気です ◆QHUMtA89T. :2007/07/16(月) 03:32:11 ID:U9Qf9I+r0
やめろ!なんで中途半端にやるんだ いい加減にしろ!
227ちんこ元気:2007/07/16(月) 03:33:09 ID:LY6b4BNg0
どうして俺じゃだめなんだ!!
228本当にあった怖い名無し:2007/07/16(月) 03:34:30 ID:JzKQLTIx0
なんてひどい事故中、これは完全に池沼
229k:2007/07/16(月) 03:34:35 ID:QvrHdRvb0
だって分からないんだもん。元気が探してくれた方が早いよ。
230猫元気です ◆QHUMtA89T. :2007/07/16(月) 03:35:29 ID:U9Qf9I+r0
もういいよ早く寝ろクズ人間クズクズ
231ちんこ元気:2007/07/16(月) 03:36:58 ID:LY6b4BNg0
俺は寝ないぞ!!
232k:2007/07/16(月) 03:37:44 ID:QvrHdRvb0
…何で入れないのか、誰か教えて。元気、起こらないで。
233猫元気です ◆QHUMtA89T. :2007/07/16(月) 03:38:31 ID:U9Qf9I+r0
ごめんなさい あなたは凛さんですか? すみませんでした 諦めます
234k:2007/07/16(月) 03:40:19 ID:QvrHdRvb0
凛さんじゃないよ。
235ちんこ元気:2007/07/16(月) 03:40:40 ID:LY6b4BNg0
ちんこ元気だよ
236猫元気です ◆QHUMtA89T. :2007/07/16(月) 03:42:56 ID:U9Qf9I+r0
k さんこれからスレにきてください ゴマアザラシの赤ちゃんがみえたので
ゴマアザラシって名前できてください
237ちんこ元気:2007/07/16(月) 03:44:26 ID:LY6b4BNg0
オナすみ
238ゴマアザラシ:2007/07/16(月) 03:45:49 ID:QvrHdRvb0
名前。気に入った。行くね。
239猫元気です ◆QHUMtA89T. :2007/07/16(月) 03:46:48 ID:U9Qf9I+r0
お願いします おやすみなさい
240ゴマアザラシ:2007/07/16(月) 03:50:01 ID:QvrHdRvb0
おやすみ。明日は調子がいいはずだよ。
241禿鷹 ◆aiSlHqUd2c :2007/07/16(月) 06:52:49 ID:9QyF6Qeq0
電波虫

友達の女の子が死んだ。一年半前。投身自殺だった。彼女は僕より三つか四つ年下で、あまり美人ではなかった。
かといって頭が良いわけでもなく、性格はまあまあ、いればいたで、いなければいないで、いずれにせよ人の関心をひくことのない娘だった。

二月のある日、彼女のアパートを訪ねると彼女は壁にぴったりと耳をくっつけ、大きな瞳だけを僕の方に向けて言った。

「ね、聞こえるでしょ。この壁の中を電波虫が群をなして行進してる音」
「デンパムシって何?」
「電気で生きる虫よ。ああ……いる……いるいるいる……動いてるわ、何て汚らしい! ね、牧村君もこっちへ来て聞いてみなさいよ」彼女に腕を引っぱられて、僕も壁に耳を当ててみた。
もちろん何も聞こえなかった。
242禿鷹 ◆aiSlHqUd2c :2007/07/16(月) 06:55:11 ID:9QyF6Qeq0
デンパムシなんているものか。

「ああ……いる……いるいるいるいっぱいいるわ……あたしに命令する気なのよ。指令を送る気なのよ!」
アハハと笑って彼女の方を振り返ると、彼女の目は僕を見ていなかった。
僕の顔に向けられている二つの眼球は、僕を通りこして、窓の外に広がる青空を見ていた……。

彼女が電波虫の妄想にとりつかれた原因についてはよくわからない。
進学とか恋愛とか、彼女の年頃によくありがちな事だったのかもしれない。
彼女の姉を一度だけ見た事がある。彼女と街を歩いている時にすれちがったのだ。
年は僕と同じぐらいだろうか、彼女とちがってちょっとどぎついくらいの美人だった。
やせていて、体にピッタリした赤い服。背中まである髪がゆらゆらゆれていた。
姉は片足が不自由なようだった。
243禿鷹 ◆aiSlHqUd2c :2007/07/16(月) 06:56:17 ID:9QyF6Qeq0
「あの足は私のせいなの。フフ、おかしいわね。姉さん美人なのにヒョコヒョコ歩くのよ……」
――三月三日の深夜、彼女は美人の姉さんと一緒に、板橋区のはずれにあるビルの六階から身を投げた。
二人の手首はエナメル線で結ばれていた。姉さんの方は、落ちてからもしばらくの間は生きていた。

妹を引きずりながら、二〇〇メートルぐらい歩いたところでパッタリ倒れ、それっきり起き上がることは無かった。
二日後、彼女が死の直前に僕にあてた手紙が届いた。

「牧村君、お元気ですか? さて空が青いのはあれは一分のスキも無く電波虫がつまってるからなの。
奴らは見えないように青い色をしている。くもった日はもっと大変、雲にかくれて見えないのをいいことに、電波虫は飛びかって私に電波を送るの。
それはどこに逃げたって私の頭に飛びこんでくる。耳の穴は左右にあるから、電波のよけようがないの。
姉さんを殺せって命令するの。姉さんはお前に殺してほしいのだよって、玉置宏みたいな声で私に言うのよ。
電波虫が直接、脳の中に入る時もある。私は悲しくなって……。」


その手紙は今も引き出しの奥にあって、時々読み返してみるけれど、何度読んでも……当り前だけど……あまりいい気分はしない。
244禿鷹 ◆aiSlHqUd2c :2007/07/16(月) 07:00:44 ID:9QyF6Qeq0
家族の肖像

サザエさん
カツオくん
ワカメちゃん
タラちゃん
フネさん
ナミヘイさん
マスオさん
タマちゃん

だけど
ノリスケさん
アナゴさん
イクラちゃん
タイコさん
サンペイさん
ナカジマくん
リカちゃん
ハマさん

だけど
イクラよお前は叫びなさい! 茶の間に向って叫びなさい!
タラオよお前は泣きなさい! 家族に向かって泣きなさい!
マスオよお前は去りなさい! 妻のもとから去りなさい!

カッオよお前は死になさい!
姉さんの前で死になさい!

だけど  サザエさん
だけど  サザエさん
245禿鷹 ◆aiSlHqUd2c :2007/07/16(月) 07:03:26 ID:9QyF6Qeq0
愛川欽也のうんちくを
岡田有希子に聞かせたかったよ
だけど今さら言っても
しょうがないじゃない

丹波哲郎の地獄の話を
沖雅也に聞かせたかったよ
だけど今さら言っても
しょうがないじゃない

大橋巨泉のたわごとを
田宮二郎に聞かせたかったよ
だけど今さら言っても
しょうがないじゃない

大仁田厚の泣き顔を
円谷選手に見せたかったよ
だけど今さら言っても



仕方の無い事だよ
246禿鷹 ◆aiSlHqUd2c :2007/07/16(月) 07:04:49 ID:9QyF6Qeq0
ノゾミ・カナエ・タマエ



男の子が一人ぽっち 森へ行った
友達なんかいないから
一人ぽっちで行った
夏の熱い日射しは
男の子にハトの羽のいっぱいついた
ふさふさのコートを着せ
虫かごはあふれ
男の子はうれしくって
うれしくって
友達のいないことも忘れて
いきおいづいて
ポーン と
ジャンプしたひょうしに
沼に落ちた
オニナマズの群れがゴポゴポと浮かんで
ハトの羽根をくわえ
またいっせいにゴポゴポと沈んでいった
247禿鷹 ◆aiSlHqUd2c :2007/07/16(月) 07:05:21 ID:9QyF6Qeq0
男の子のお葬式には
同じ学校の小学生が11人
そのうち女子が3人
お葬式の後
みんなでマクドナルドへ行った
だれも男の子とおしゃべりしたこと なかったくせに
「あいつもあれで結構
いい奴だったよな」
とか
バーガーくわえながら語り合っていた
女子なんか泣いたんだぜ
そこへ
ハンテンをはおった男の子のおじいさんが現れて
マチ針で小学生をつつき出したのだ
なにか口の中でもごもご言ったのだ
低い低い
沼の底のオニナマズの声で言ったのだ
みんな耳をふさいだけど
僕だけには聞こえてしまったのだ
おじいさんは


「ノゾミ・カナエ・タマエ ノゾミ・カナエ・タマエ ノゾミ・カナエ・タマエ ノゾミ・カナエ・タマエ ノゾミ……」



くり返していたのだ。
248禿鷹 ◆aiSlHqUd2c :2007/07/16(月) 07:07:03 ID:9QyF6Qeq0
私はみまちゃん



崩れていくよな遊びが終って
ふと見た鏡の鏡の中は
あまりにみにくい あまりにふとった
ぶよぶよからだの女の子
身動きもせずにじっと見つめてる
身動きもせずにあたしを見ている あ・た・し……

昨日までは普通の少女だった
あたしが今日から異形の少女ね
うぴうぴふるえる脂肪のあたしに
お肉屋さんさえ逃げていく
笑うとみにくい 泣いてもみにくい
どうしてもみにくいあたしの名前は みまちゃん……
249禿鷹 ◆aiSlHqUd2c :2007/07/16(月) 07:07:54 ID:9QyF6Qeq0
お肉のかたまりお肉のかたまり

「あたし、おなかがぶよぶよだわ」
「おしりまでぶよぶよだわ」
おしりだけではないわいな

身動きもせずにじっとしている
あたしのお部屋の扉がたたかれ
テノールの声があたしをさそうの
南の島へ行きましょう
そこではふとった少女がたくさん
だれにも知れずたくさん住んでる楽園……
250禿鷹 ◆aiSlHqUd2c :2007/07/16(月) 07:08:45 ID:9QyF6Qeq0
お肉の楽園お肉の楽園
「あたしでもそこへ行けるの?」
「もちろんですよお嬢さん」
「でもあたしなんか迷感じゃないかしらん」
「なにを言います、あなたなら楽園の女王になれますよ」

そうだお肉の女王だ


お肉の女王お肉の女王お肉の女王
お肉の女王お肉の女王お肉の女王
お肉の女王お肉の女王お肉の女王
お肉の女王お肉の女王お肉の女王
お肉の女王お肉の女王お肉の女王
お肉の女王お肉の女王お肉の女王
お肉の女王お肉の女王お肉の女王
お肉の女王お肉の女王お肉の女王
お肉の女王お肉の女王お肉の女王
お肉の女王お肉の女王お肉の女王
お肉の女王お肉の女王お肉の女王
お肉の女王お肉の女王お肉の女王
お肉の女王お肉の女王お肉の女王
女王だ!
251禿鷹 ◆aiSlHqUd2c :2007/07/16(月) 07:12:11 ID:9QyF6Qeq0
モンブラン

姉さんは夕暮れに帰ってくる。
僕は絵を描いて待っている。
高い高い塔の上に僕と姉さんがいる絵。
塔の上に腰かけ足をぶらぶらさせる。
地上から見たらヘンテコな振子が四本。
姉さんの足は僕より長くて、姉さんはきれいだ。
姉さんをきれいに描かなきゃと思う。
 
252禿鷹 ◆aiSlHqUd2c :2007/07/16(月) 07:13:00 ID:9QyF6Qeq0
姉さんの手には小さなパラボラアンテナが握られている、そこからジグザグの電波が地上に向かってのびている。

赤、青、ぐんじょう、ビリジアン、茶色に金色。
いろんな色のクレパスで線を引く。電波に当った人達を描く、案山子みたく棒立ちで、その目は白い。
画用紙の白じゃなくて、ちゃんと白いクレパスで白くぬる。白目の案山子をいっぱいいっぱい描く。

姉さんはきれいだ。
姉さんのドレスをぬる。
最初に赤、その上から黄色、そしてその上から黒くぬりつぶす。
すると僕の手は止まらなくなって、姉さんのドレスどころか画用紙中黒くぬりつぶしてしまう。
画用紙がゆるりと裂ける。
253禿鷹 ◆aiSlHqUd2c :2007/07/16(月) 07:18:53 ID:9QyF6Qeq0
姉さんが帰ってきた。
「しづちゃんしづちゃんただいま。良い子にしてたネェしづちゃん。しづちゃんに見せたい物があるの。ホラこれ、フフフ」
姉さんはケーキの小箱を持っていた。
「ケーキだと思うでしょ、モンブランだと思うでしょ。姉さんケーキの中じゃモンブランが一番好きだな。でもちがうのケーキじゃないのよ、この箱をあけるとねーホラ……」
ケーキの小箱からチョコンと子猫の顔がとび出た。ニーと鳴く。
「可愛いでしょ?」


僕の姉さんは美しかったがイカレていた。失恋だかなんだか、そんなくだらない事が理由でいかれちまったのだ。
254禿鷹 ◆aiSlHqUd2c :2007/07/16(月) 07:21:00 ID:9QyF6Qeq0
姉さんは次の日から、ケーキの箱に子猫をいれて街をうろつくようになった。そして道行く人をつかまえて

「ケーキだと思うでしょ? モンブランだと思うでしょ。私ケーキの中じゃモンブランが一番好きだな。でもちがうのケーキじゃないの、この箱をあけるとねー……フフフ」
とやるのだ。
 
可愛いいけど姉さん美意識が無いよ。
狂った女に子猫なんて凡庸じゃないか。
姉さん美意識が無いよ。
255禿鷹 ◆aiSlHqUd2c :2007/07/16(月) 07:22:02 ID:9QyF6Qeq0
姉が眠っている間に子猫を殺した。
喉を切るとピーッとホイッスルの音を立てた。
ぐったりしたのをテレビの裏に隠し、からっぽになったケーキの小箱には、猫のかわりに、仏壇にそなえてあった“おはぎ”を一個入れてやった。

次の日、何も知らないきれいな姉さんは、ケーキ箱を持ってまた街に出ていった。

「ね、お兄さんお兄さん、そうよあなたのこと、フフ、何って?
これ見て、ケーキだと思うでしょ?
モンブランだと思うでしょ。私、ケーキの中じゃモンブランが一番好きだなあ……。」
256禿鷹 ◆aiSlHqUd2c :2007/07/16(月) 07:24:17 ID:9QyF6Qeq0
のんきな兄さん


のんきな兄さん
のんきな妹と
暮らす 二人で 眠る 二人で

のんきな父さんと
のんきな娘の
のんきな息子と
のんきな娘さ

いつか誰かが疑いだしたら
阿呆のふりしよう
阿呆になって
阿呆になって
何も知らぬふりしよう
暮らす 二人で 眠る二人で

「うれしくって
うれしくって
私やりきれない
兄さん
兄さん
兄さん
兄さん 兄さん兄さん兄さん
いつか誰かが疑いだしたら
阿呆のふりしようよ」

ねぇ
257禿鷹 ◆aiSlHqUd2c :2007/07/16(月) 07:26:30 ID:9QyF6Qeq0
孤島の鬼



夜に見る夢 昼に見て
君が一人で 舟に乗る
ひねもす ゆられて日めくられて
夢と うつつは 君に棲む
流れてついたは どこかの島だ
そこで おとなしくしてりゃ いいものを
生まれついての 夢見がち
夢は いつしか人を喰う

君は見果てぬ 夢を見て
いつか迷った 袋小路
うまい話が あるじゃなし
金のなる木の あるじゃなし
僕は ここで見ていよう
君が堕ちてゆくところを
258禿鷹 ◆aiSlHqUd2c :2007/07/16(月) 07:27:01 ID:9QyF6Qeq0
その島は かこまれて
君はもう 動けない

から笑う 孤島の鬼

遊ぶばかりで働かず
君も そのうち みだれてく

僕はここで見ていよう
君が朽ち果てるところを
その島の中でなら
いくらでも 走れるさ
夢を見て もう二度と
目覚めずに 目覚めずに



から笑う 孤島の鬼
259禿鷹 ◆aiSlHqUd2c :2007/07/16(月) 07:28:44 ID:9QyF6Qeq0
ペテン師の最期

ぺテン師の最期など
だれも見に行きはしない
新月の夜には

ぼくたちは
恋だとかなんだとか
そんなことでいそがしいんだよ
死にかけた男は
夜の校舎にもたれ

ペテン師の最期に見る夢は
十一月の森のむこうへと

新月は
夜を てらさず
ぼくたちの遊びかくし
260禿鷹 ◆aiSlHqUd2c :2007/07/16(月) 07:29:34 ID:9QyF6Qeq0
死にかけた男は
長の年月
夢の中に生き
そんなふうにくらしてきたこと
死にかけた男は
悔いもせずに笑う

ペテン師の最期に見る夢は
ただよう舟の上のマストに
新月にペテン師
死ぬ前のひと眠り

ぼくたちは犬の世界観で生きている
だれを好きだとか愛しているとか
そんなことで忙しいし
日曜日には「サザエさん」だって見たい
勉強だっていちおうしなければならない

死にかけたペテン師を見に行くほど
ひまじゃあない
261禿鷹 ◆aiSlHqUd2c :2007/07/16(月) 07:30:44 ID:9QyF6Qeq0
……けれど
生まれてから死ぬまで夢の中っていうのは
いったいどんなきもちなのだろう
ペテン師の屍は
やっぱり
「狐の かわごろも 」
みたいなんだろうかねえ?


「ああ、どうなんだろうかねえ」


最期に見る夢は
いま、夜にうかびながらも
空をてらしはしない この月のもとで
死にかけたひとりのペテン師が
これでおしまいというときに
最期に見る夢は

新月にペテン師
死ぬ前のひと眠り

この夜に星は満ち
死ぬ前のひと眠り
262禿鷹 ◆aiSlHqUd2c :2007/07/16(月) 07:32:48 ID:9QyF6Qeq0
これでいいのだ



いわれなき罪によって 無実の僕は 十三年間
檻の中に閉じこめられていたのであった

星の夜散歩の途中 黒い服の人々によって
手錠を掛けられてしまった

どんな夢も不思議じゃない
僕はいつも思うんだ――いくらつらい事があったって


これでいいのだ これでいいのだ
263禿鷹 ◆aiSlHqUd2c :2007/07/16(月) 07:33:52 ID:9QyF6Qeq0
僕には恋人がいたが 彼女の面前
いわれなき罪を暴かれてしまったのであった
証言台に立った彼女は言った
「私はあなたを愛してはいるわ だけど罪は罪だと思うの」と

非常にキビシー そりゃないぜセニョール
僕はいつも思うのさ いくらつらい事があったって
これでいいのだ これでいいのだ

十三年の刑期を終えて 僕は黒い服の人々に礼を言って
塀の外に出た これからはどこへだって歩いてゆける
この二本の足さえあれば 地の果てだってゆける
264禿鷹 ◆aiSlHqUd2c :2007/07/16(月) 07:34:58 ID:9QyF6Qeq0
十三年目の春の夜 満天の星空の下 恋人と再会した
「私 毎晩祈ってたわ 悔い改めてくれる事を
ねえ、これからは二人で罪を償う旅に出ましょう」

彼女の手を握り ただ僕は
ありがとう ありがとうと涙した
握った彼女の手はなぜか冷たかった

それからの十三年間を二人で暮した
幸せだった
十四年目の春に彼女は死んだ
僕は満天の星空の下
泣きながら思った

――これでいいのだ
つらくともこれでいいのだ

テレビの男が言う
「西から昇ったお陽様が東へ沈む これでいいのだ」


そうだ これでいいのだ!
だが しかし……
だが ……しかし!
265禿鷹 ◆aiSlHqUd2c :2007/07/16(月) 07:36:01 ID:9QyF6Qeq0
パブロフの犬


パブロフの犬だよ 噛まれちゃいけない!

象牙の塔 その上から逃げた
天才がゆえに狂人となった男が叫ぶ
あなた方はパブロフの犬のようだ
条件反射でよだれをたらしている
男は幾人もの人を刺した
まだ若い警官が彼を射った 怯えながら
ふりかえりざまに男が言った
266禿鷹 ◆aiSlHqUd2c :2007/07/16(月) 07:36:38 ID:9QyF6Qeq0
白髪の彼は泣きながらこういうのであった


パブロフの犬だ
パブロフの犬だ
あなた方は
リング・ア・ベルで
よだれをたらして

パブロフの犬だ
パブロフの犬だ
あなた方は
何も知らないで
生きてゆけばいい
私はもういい 去りゆくのみだ
267禿鷹 ◆aiSlHqUd2c :2007/07/16(月) 07:37:17 ID:9QyF6Qeq0
警官は男の言葉が気になった
何をしていても
言葉から逃れることが出来なかった

やがて彼は本を読むようになり
家庭をも仕事さえもかえりみぬ男になっていた
警察官の髪が真っ白になる頃


彼もまた そして、彼もまた!
268禿鷹 ◆aiSlHqUd2c :2007/07/16(月) 07:38:13 ID:9QyF6Qeq0
警官のピストルが火を吹いた
説得にあらわれた少年は彼の孫さ

警官は自分の額にピストルを
濡れた瞳を少年に向けてこう言った

パブロフの犬だ
パブロフの犬だ
おまえも含めて
何も知らないで
生きてゆけばいい
私はもういい 去りゆくのみだ
それでも もしも
おまえが何か
思うことあれば
パブロフの犬に
パブロフの犬に
かまれてはいけない

走れるうちは
どこまでだって
逃げてゆきなさい
パブロフの犬よ
パブロフの犬よ
私はもういい 去りゆくのみだ



パブロフの犬だよ 噛まれちゃいけない!
269禿鷹 ◆aiSlHqUd2c :2007/07/16(月) 07:39:59 ID:9QyF6Qeq0
猫のリンナ


猫にはみんな
当りとハズレがある
小さな舌の裏
それは書いてある
僕の子猫
やっぱりハズレだけれど
仲良くやろうね

いつか君の背にバクダンをくくりつけて
僕と二人で
この世界を
燃やしにゆこうよ
君の爪を光るほど磨く
僕の瞳 映るほどに磨く
燃えおちる街が美しく映るよにね
君の爪を光るほどに磨く
270禿鷹 ◆aiSlHqUd2c :2007/07/16(月) 07:40:37 ID:9QyF6Qeq0
僕は詩を書いてる
君は猫だもの 寝てる
時に寝言の君に そうだ名を付けなきゃ
“リンナ”ってのはどうかな
あまり意味もないけど
呼んだら鳴いてくれよ


リンナ君の手は
マッチを持てないから
発火装置は
ボタンにしておくよ


リンナリンナリンナの爪を磨く
僕の指がすべるほどにみがく
燃えあがる空につき立てられるようにね
リンナリンナリンナの爪を磨く


遠くで音がしたね
とても大きな音が
あれはきっと花火さ
気にせずにお眠り


僕の子猫は
やっぱりハズレだけれど
271禿鷹 ◆aiSlHqUd2c :2007/07/16(月) 07:41:42 ID:9QyF6Qeq0
ビッキーホリデイの唄


ビッキー 僕は忘れない
明日は君が戦場に行く日
僕ら夜の森に集い
うかれて踊る フォークダンス
月は夜の真上
ビッキーはつぶやいた
「この世は全て作り物
だから ネェ 仕方ないさ」

ビッキー 僕は忘れない
君が戦場からもどる
僕らみんな迎えに行った
君の好きなワイン持って
だけどビッキー 君は狂っていた
「この世は全て作り物
だから ネェ 仕方ないさ」
272禿鷹 ◆aiSlHqUd2c :2007/07/16(月) 07:42:31 ID:9QyF6Qeq0
仕方ないさとビッキーは言った
仕方ないさとビッキーは言った

ビッキー 僕は忘れない
君が街に火をつけて
燃えあがる教会に登り

「神よ この火消してみろ」

笑う ビッキー 僕に叫んだ

「この世は全て作り物
だから ネェ 仕方ないさ」

ビッキビッキビッキーホリデイ
仕方ないさとビッキーは笑った
仕方ないさとビッキーは笑った
273禿鷹 ◆aiSlHqUd2c :2007/07/16(月) 07:43:25 ID:9QyF6Qeq0
詩人オームの世界


昔、昔のお話です

詩人オームは世界を憎んで
森の奥に住む
若くして死んだ娘のために
詩をつづった
その言葉は風にのって
森をぬけて街にふって
蝶の群れとなり
蝶々の群れは
ムラサキの色に空をおおった
ムラサキの色に触れた者は皆
気がふれてしまった
274禿鷹 ◆aiSlHqUd2c :2007/07/16(月) 07:44:27 ID:9QyF6Qeq0
おびえる者達は 詩人を追った
森をぬけて詩人は海へ ボートに乗って

「私は眉をそって
新月の夜も休まず
詩をつづろう
世界を憎む詩を!」

詩人はとある小島に 流れ着いた
犬と猫とコウモリとピエロが
彼を迎えた

「私はこの世の全てを憎む!
憎んでも 憎んでも
まだあまるこの世の全てを
言葉で 燃やし尽くしてみせよう!
力を貸してくれ」
275禿鷹 ◆aiSlHqUd2c :2007/07/16(月) 07:45:10 ID:9QyF6Qeq0
だが おびえたピエロの密告で
詩人は警官隊の銃弾に倒れた
その夜 犬はワンワンと吠え
猫はニャーニャーと鳴き
そして コウモリは黙して
語ることがなかったのであった

でも 言葉だけは風にのって
いくつもの街を越えて
蝶の群れとなり


詩人の屍は
海を越え北の国へ
その国の漁師によって
手厚くほうむられたという
276禿鷹 ◆aiSlHqUd2c :2007/07/16(月) 07:46:28 ID:9QyF6Qeq0
また会えたらいいね

僕が僕である事に もう気がつかなくちゃ
君が君である事に もう気がつかなくちゃ
僕も君も騙されるって もう気がつかなくちゃ
僕と君はひとつじゃないって 気がつかなくちゃね

僕と君とは 達い異国で会った
達い異国のカーニバルで会った
子供達が森で 行方知れずの夜
月も星もすべて空のオモチャ
空気男が子猫をぼくらにくれた
猫はケーキの箱につめて帰った
黒猫が啼く 黒猫が啼いた
277禿鷹 ◆aiSlHqUd2c :2007/07/16(月) 07:47:30 ID:9QyF6Qeq0
僕が僕である事に もう気がつかなくちゃ
君が君である事に もう気がつかなくちゃね
黒い子猫は 朝になると一人で
音もたてずに 逃げて行ってしまったね
追いかけた二人も 離れて行った

いつか二人が 遠い異国で会っても
もしも二人が 地獄なんかで会っても
ゆき過ぎてゆくでしょう 気づきもせずに

黒猫が啼く 黒猫が啼いた

それでもいつか
カーニバルが来て
僕と君がいて
黒い猫もいて

また会えたらいいね
また会えたらいいね
また会えたらいいね

また会えたら
278禿鷹 ◆aiSlHqUd2c :2007/07/16(月) 07:50:54 ID:9QyF6Qeq0
第四話


或春の日暮です。
 
唐の都洛陽の西の門の下に、ぼんやり空を仰いでいる、一人の若者がありました。
若者は名を杜子春といって、元は金持の息子でしたが、今は財産を費い尽して、その日の暮しにも困る位、あわれな身分になっているのです。
279本当にあった怖い名無し:2007/07/16(月) 07:56:30 ID:F83XYnsb0
こんどは杜子春かよww
280禿鷹 ◆aiSlHqUd2c :2007/07/16(月) 08:06:43 ID:9QyF6Qeq0
何しろその頃洛陽といえば、天下に並ぶもののない、繁昌を極めた都ですから、往来にはまだしっきりなく、人や車が通っていました。
門一ぱいに当っている、油のような夕日の光の中に、老人のかぶった紗(しゃ)の帽子や、トルコの女の金のみみわや、白馬に飾った色糸の手綱が、絶えず流れて行く容子は、まるで画のような美しさです。
281禿鷹 ◆aiSlHqUd2c :2007/07/16(月) 08:08:17 ID:9QyF6Qeq0
しかし杜子春は相変らず、門の壁に身をもたせて、ぼんやり空ばかり眺(なが)めていました。
空には、もう細い月が、うらうらとなびいた霞かすみの中に、まるで爪の痕かと思う程、かすかに白く浮んでいるのです。

「日は暮れるし、腹は減るし、その上もうどこへ行っても、泊めてくれる所はなさそうだし――こんな思いをして生きている位なら、一そ川へでも身を投げて、死んでしまった方がましかも知れない」
杜子春はひとりさっきから、こんな取りとめもないことを思いめぐらしていたのです。
282禿鷹 ◆aiSlHqUd2c :2007/07/16(月) 08:09:24 ID:9QyF6Qeq0
するとどこからやって来たか、突然彼の前へ足を止めた、すがめの老人があります。それが夕日の光を浴びて、大きな影を門へ落すと、じっと杜子春の顔を見ながら、
「お前は何を考えているのだ」と、横柄に声をかけました。

「私ですか。私は今夜寝る所もないので、どうしたものかと考えているのです」
老人の尋ね方が急でしたから、杜子春はさすがに眼を伏せて、思わず正直な答をしました。
283禿鷹 ◆aiSlHqUd2c :2007/07/16(月) 08:10:36 ID:9QyF6Qeq0
「そうか。それは可哀そうだな」
 老人は暫しばらく何事か考えているようでしたが、やがて、往来にさしている夕日の光を指さしながら、

「ではおれがいいことを一つ教えてやろう。今この夕日の中に立って、お前の影が地に映ったら、その頭に当る所を夜中に掘って見るが好い。きっと車に一ぱいの黄金が埋まっているはずだから」
284禿鷹 ◆aiSlHqUd2c :2007/07/16(月) 08:11:28 ID:9QyF6Qeq0
「ほんとうですか」
杜子春は驚いて、伏せていた眼をあげました。
ところが更に不思議なことには、あの老人はどこへ行ったか、もうあたりにはそれらしい、影も形も見当りません。
その代り空の月の色は前よりもなお白くなって、休みない往来の人通りの上には、もう気の早いこうもりが二三匹ひらひら舞っていました。
285禿鷹 ◆aiSlHqUd2c :2007/07/16(月) 08:12:52 ID:9QyF6Qeq0
杜子春は一日の内に、洛陽の都でも唯一人という大金持になりました。
あの老人の言葉通り、夕日に影を映して見て、その頭に当る所を、夜中にそっと掘って見たら、大きな車にも余る位、黄金が一山出て来たのです。
大金持になった杜子春は、すぐに立派な家を買って、玄宗皇帝にも負けない位、贅沢な暮しをし始めました。
286禿鷹 ◆aiSlHqUd2c :2007/07/16(月) 08:14:24 ID:9QyF6Qeq0
蘭陵の酒を買わせるやら、
桂州の竜眼肉をとりよせるやら、
日に四度色の変る牡丹を庭に植えさせるやら、
白孔雀を何羽も放し飼いにするやら、
玉を集めるやら、
錦を縫わせるやら、
香木の車を造らせるやら、
象牙の椅子を誂えるやら、

その贅沢を一々書いていては、いつになってもこの話がおしまいにならない位です。


するとこういう噂を聞いて、今までは路で行き合っても、挨拶さえしなかった友だちなどが、朝夕遊びにやって来ました。
287禿鷹 ◆aiSlHqUd2c :2007/07/16(月) 08:16:26 ID:9QyF6Qeq0
それも一日ごとに数が増して、半年ばかり経つ内には、洛陽の都に名を知られた才子や美人が多い中で、杜子春の家へ来ないものは、一人もない位になってしまったのです。
杜子春はこの御客たちを相手に、毎日酒盛りを開きました。
その酒盛りの又盛なことは、なかなか口には尽されません。

極かいつまんだだけをお話しても、杜子春が金の杯に西洋から来た葡萄酒を汲んで、天竺生れの魔法使が刀を呑んで見せる芸に見とれていると、そのまわりには二十人の女たちが、
十人は翡翠の蓮の花を、十人は瑪瑙の牡丹の花を、いずれも髪に飾りながら、笛や琴を節(ふし)面白く奏しているという景色なのです。
288禿鷹 ◆aiSlHqUd2c :2007/07/16(月) 08:18:12 ID:9QyF6Qeq0
しかしいくら大金持でも、御金には際限がありますから、さすがに贅沢家の杜子春も、一年二年と経つ内には、だんだん貧乏になり出しました。

そうすると人間は薄情なもので、昨日までは毎日来た友だちも、今日は門の前を通ってさえ、挨拶一つして行きません。
ましてとうとう三年目の春、又杜子春が以前の通り、一文無しになって見ると、広い洛陽の都の中にも、彼に宿を貸そうという家は、一軒もなくなってしまいました。
いや、宿を貸すどころか、今ではわんに一杯の水も、恵んでくれるものはないのです。
289禿鷹 ◆aiSlHqUd2c :2007/07/16(月) 08:18:59 ID:9QyF6Qeq0
そこで彼は或日の夕方、もう一度あの洛陽の西の門の下へ行って、ぼんやり空を眺めながら、途方に暮れて立っていました。
するとやはり昔のように、片目眇(すがめ)の老人が、どこからか姿を現して、

「お前は何を考えているのだ」と、声をかけるではありませんか。

杜子春は老人の顔を見ると、恥しそうに下を向いたまま、暫くは返事もしませんでした。
が、老人はその日も親切そうに、同じ言葉を繰返しますから、こちらも前と同じように、

「私は今夜寝る所もないので、どうしたものかと考えているのです」と、恐る恐る返事をしました。
290禿鷹 ◆aiSlHqUd2c :2007/07/16(月) 08:20:45 ID:9QyF6Qeq0
「そうか。それは可哀そうだな。ではおれがいいことを一つ教えてやろう。今この夕日の中へ立って、お前の影が地に映ったら、その胸に当る所を、夜中に掘って見るが好い。きっと車に一ぱいの黄金が埋まっている筈だから」

老人はこう言ったと思うと、今度もまた人ごみの中へ、掻き消すように隠れてしまいました。
杜子春はその翌日から、忽(たちま)ち天下第一の大金持に返りました。
と同時に相変らず、仕放題な贅沢をし始めました。
庭に咲いている牡丹の花、その中に眠っている白孔雀、それから刀を呑んで見せる、
天竺から来た魔法使――すべてが昔の通りなのです。

ですから車に一ぱいにあった、あの夥しい黄金も、又三年ばかり経つ内には、すっかりなくなってしまいました。
291禿鷹 ◆aiSlHqUd2c :2007/07/16(月) 08:26:26 ID:9QyF6Qeq0


「お前は何を考えているのだ」
片目眇の老人は、三度杜子春の前へ来て、同じことを問いかけました。
勿論、彼はその時も、洛陽の西の門の下に、ほそぼそと霞を破っている三日月の光を眺めながら、ぼんやり佇んでいたのです。

「私ですか。私は今夜寝る所もないので、どうしようかと思っているのです」

「そうか。それは可哀そうだな。ではおれが好いことを教えてやろう。今この夕日の中へ立って、お前の影が地に映ったら、その腹に当る所を、夜中に掘って見るが好い。きっと車に一ぱいの――」

老人がここまで言いかけると、杜子春は急に手を挙げて、その言葉を遮(さえぎ)りました
292禿鷹 ◆aiSlHqUd2c :2007/07/16(月) 08:29:09 ID:9QyF6Qeq0
「いや、お金はもういらないのです」

「金はもういらない? ははあ、では贅沢をするにはとうとう飽きてしまったと見えるな」

 老人は審しそうな眼つきをしながら、じっと杜子春の顔を見つめました。

「何、贅沢に飽きたのじゃありません。人間というものに愛想がつきたのです」

杜子春は不平そうな顔をしながら、突慳貪にこう言いました。

「それは面白いな。どうして又人間に愛想が尽きたのだ?」
293禿鷹 ◆aiSlHqUd2c :2007/07/16(月) 08:30:26 ID:9QyF6Qeq0
「人間は皆薄情です。私が大金持になった時には、世辞も追従(ついしょう)もしますけれど、一旦貧乏になって御覧なさい。柔しい顔さえもして見せはしません。そんなことを考えると、たといもう一度大金持になったところが、何にもならないような気がするのです」

老人は杜子春の言葉を聞くと、急ににやにや笑い出しました。

「そうか。いや、お前は若い者に似合わず、感心に物のわかる男だ。ではこれからは貧乏をしても、安らかに暮して行くつもりか」

杜子春はちょいとためらいました。が、すぐに思い切った眼を挙げると、訴えるように老人の顔を見ながら、

「それも今の私には出来ません。ですから私はあなたの弟子になって、仙術の修業をしたいと思うのです。いいえ、隠してはいけません。
あなたは道徳の高い仙人でしょう。仙人でなければ、一夜の内に私を天下第一の大金持にすることは出来ない筈です。どうか私の先生になって、不思議な仙術を教えて下さい」
294禿鷹 ◆aiSlHqUd2c :2007/07/16(月) 08:31:29 ID:9QyF6Qeq0
老人は眉をひそめたまま、暫くは黙って、何事か考えているようでしたが、やがて又にっこり笑いながら、

「いかにもおれは峨眉山に棲んでいる、鉄冠子という仙人だ。始めお前の顔を見た時、どこか物わかりが好さそうだったから、二度まで大金持にしてやったのだが、それ程仙人になりたければ、おれの弟子にとり立ててやろう」と、快く願を容れてくれました。
295禿鷹 ◆aiSlHqUd2c :2007/07/16(月) 08:33:00 ID:9QyF6Qeq0
杜子春は喜んだの、喜ばないのではありません。老人の言葉がまだ終らない内に、彼は大地に額をつけて、何度も鉄冠子に御時宜おじぎをしました。

「いや、そう御礼などは言って貰うまい。いくらおれの弟子にしたところが、立派な仙人になれるかなれないかは、お前次第で決まることだからな。
――が、ともかくもまずおれと一しょに、峨眉山の奥へ来て見るがいい。おお、さいわい、ここに竹杖が一本落ちている。では早速これへ乗って、一飛びに空を渡るとしよう」

鉄冠子はそこにあった青竹を一本拾い上げると、口の中に咒文を唱えながら、杜子春と一しょにその竹へ、馬にでも乗るように跨りました。
すると不思議ではありませんか。
竹杖は忽ち竜のように、勢よく大空へ舞い上って、晴れ渡った春の夕空を峨眉山の方角へ飛んで行きました。
296禿鷹 ◆aiSlHqUd2c :2007/07/16(月) 08:34:39 ID:9QyF6Qeq0
杜子春は胆をつぶしながら、恐る恐る下を見下しました。
が、下には唯青い山々が夕明りの底に見えるばかりで、あの洛陽の都の西の門は、どこを探しても見当りません。
その内に鉄冠子は、白い鬢の毛を風に吹かせて、高らかに歌を唱い出しました。


朝(あした)に北海に遊び、暮(くれ)には蒼梧(そうご)。
袖裏(しゅうり)の青蛇(せいだ)、胆気粗(たんきそ)なり。
三たび岳陽に入れども、人識(し)らず。
朗吟して、飛過(ひか)す洞庭湖(どうていこ)。
297禿鷹 ◆aiSlHqUd2c :2007/07/16(月) 08:35:39 ID:9QyF6Qeq0
二人を乗せた青竹は、間もなく峨眉山へ舞い下りました。
そこは深い谷に臨んだ、幅の広い一枚岩の上でしたが、よくよく高い所だと見えて、中空に垂れた北斗の星が、茶碗程の大きさに光っていました。
元より人跡の絶えた山ですから、あたりはしんと静まり返って、やっと耳にはいるものは、後の絶壁に生えている、曲りくねった一株の松が、こうこうと夜風に鳴る音だけです。
298禿鷹 ◆aiSlHqUd2c :2007/07/16(月) 08:36:35 ID:9QyF6Qeq0
二人がこの岩の上に来ると、鉄冠子は杜子春を絶壁の下に坐らせて、

「おれはこれから天上へ行って、西王母に御眼にかかって来るから、お前はその間ここに坐って、おれの帰るのを待っているが好い。
多分おれがいなくなると、いろいろな魔性が現れて、お前をたぶらかそうとするだろうが、たといどんなことが起ろうとも、決して声を出すのではないぞ。

もし一言でも口を利いたら、お前は到底仙人にはなれないものだと覚悟をしろ。いいか。天地が裂けても、黙っているのだぞ」
と言いました。
299禿鷹 ◆aiSlHqUd2c :2007/07/16(月) 08:37:34 ID:9QyF6Qeq0
「大丈夫です。決して声なぞは出しません。命がなくなっても、黙っています」

「そうか。それを聞いて、おれも安心した。ではおれは行って来るから」

老人は杜子春に別れを告げると、又あの竹杖に跨って、夜目にも削ったような山々の空へ、一文字に消えてしまいました。
杜子春はたった一人、岩の上に坐ったまま、しずかに星を眺めていました。
するとかれこれ半時ばかり経って、深山の夜気が肌寒く薄い着物にとおり出した頃、突然空中に声があって、

「そこにいるのは何者だ」

と、叱りつけるではありませんか。
300禿鷹 ◆aiSlHqUd2c :2007/07/16(月) 08:38:53 ID:9QyF6Qeq0
しかし杜子春は仙人のおしえ通り、何とも返事をしずにいました。
ところが又暫くすると、やはり同じ声が響いて、

「返事をしないと立ちどころに、命はないものと覚悟しろ」
と、いかめしくおどしつけるのです。

杜子春は勿論黙っていました。
と、どこから登って来たか、爛々と眼を光らせた虎が一匹、忽然と岩の上に躍り上って、杜子春の姿を睨みながら、一声高く哮りました。
のみならずそれと同時に、頭の上の松の枝が、烈(はげ)しくざわざわ揺れたと思うと、後の絶壁の頂からは、四斗樽程の白蛇(はくだ)が一匹、炎のような舌を吐いて、見る見る近くへ下りて来るのです。
301禿鷹 ◆aiSlHqUd2c :2007/07/16(月) 08:40:13 ID:9QyF6Qeq0
杜子春はしかし平然と、眉毛も動かさずに坐っていました。
虎と蛇とは、一つ餌食を狙って、互に隙でも窺うのか、暫くは睨合いの体でしたが、やがてどちらが先ともなく、一時に杜子春に飛びかかりました。

が虎の牙に噛まれるか、蛇の舌に呑まれるか、杜子春の命は瞬く内に、なくなってしまうと思った時、虎と蛇とは霧の如く、夜風と共に消え失せて、後には唯、絶壁の松が、さっきの通りこうこうと枝を鳴らしているばかりなのです。
杜子春はほっと一息しながら、今度はどんなことが起るかと、心待ちに待っていました。
302禿鷹 ◆aiSlHqUd2c :2007/07/16(月) 08:44:10 ID:9QyF6Qeq0
すると一陣の風が吹き起って、墨のような黒雲が一面にあたりをとざすや否や、うす紫の稲妻がやにわに闇を二つに裂いて、すさま)じく雷が鳴り出しました。

いや、雷ばかりではありません。
それと一しょにたきのような雨も、いきなりどうどうと降り出したのです。
杜子春はこの天変の中に、恐れ気もなく坐っていました。風の音、雨のしぶき、それから絶え間ない稲妻の光、

――暫くはさすがの峨眉山も、覆えるかと思う位でしたが、その内に耳をもつんざく程、大きな雷鳴が轟いたと思うと、空に渦巻いた黒雲の中から、まっ赤な一本の火柱が、杜子春の頭へ落ちかかりました。
303禿鷹 ◆aiSlHqUd2c :2007/07/16(月) 08:45:42 ID:9QyF6Qeq0
杜子春は思わず耳を抑えて、一枚岩の上へひれ伏しました。が、すぐに眼を開いて見ると、空は以前の通り晴れ渡って、向うにそびえた山々の上にも、茶碗ほどの北斗の星が、やはりきらきら輝いています。
して見れば今の大あらしも、あの虎や白蛇と同じように、鉄冠子の留守をつけこんだ、魔性のいたずらに違いありません。
杜子春は漸く安心して、額の冷汗(ひやあせ)を拭いながら、又岩の上に坐り直しました。
304禿鷹 ◆aiSlHqUd2c :2007/07/16(月) 08:46:52 ID:9QyF6Qeq0
が、そのため息がまだ消えない内に、今度は彼の坐っている前へ、金の鎧を着下した、身の丈三丈もあろうという、厳かな神将が現れました。
神将は手に三叉の戟を持っていましたが、いきなりその戟の切先を杜子春の胸(むな)もとへ向けながら、眼を嗔らせて叱りつけるのを聞けば、

「こら、その方は一体何物だ。この峨眉山という山は、天地開闢の昔から、おれが住居をしている所だぞ。それも憚らずたった一人、ここへ足を踏み入れるとは、よもや唯の人間ではあるまい。さあ命が惜しかったら、一刻も早く返答しろ」と言うのです。
305禿鷹 ◆aiSlHqUd2c :2007/07/16(月) 08:53:19 ID:9QyF6Qeq0
しかし杜子春は老人の言葉通り、黙然と口を噤んでいました。

「返事をしないか。――しないな。好し。しなければ、しないで勝手にしろ。その代りおれの眷属たちが、その方をずたずたに斬ってしまうぞ」

神将は戟を高く挙げて、向うの山の空を招きました。
その途端に闇がさっと裂けると、驚いたことには無数の神兵が、雲の如く空に充満ちて、それが皆槍や刀をきらめかせながら、今にもここへ一なだれに攻め寄せようとしているのです。

この景色を見た杜子春は、思わずあっと叫びそうにしましたが、すぐに又鉄冠子の言葉を思い出して、一生懸命に黙っていました。
神将は彼が恐れないのを見ると、怒ったの怒らないのではありません。
306禿鷹 ◆aiSlHqUd2c :2007/07/16(月) 08:55:14 ID:9QyF6Qeq0
「この剛情者め。どうしても返事をしなければ、約束通り命はとってやるぞ」

神将はこう喚くが早いか、三叉の戟を閃かせて、一突きに杜子春を突き殺しました。
そうして峨眉山もどよむ程、からからと高く笑いながら、どこともなく消えてしまいました。
勿論この時はもう無数の神兵も、吹き渡る夜風の音と一しょに、夢のように消え失せた後だったのです。

北斗の星は又寒そうに、一枚岩の上を照らし始めました。
絶壁の松も前に変らず、こうこうと枝を鳴らせています。
が、杜子春はとうに息が絶えて、仰向けにそこへ倒れていました。
307禿鷹 ◆aiSlHqUd2c :2007/07/16(月) 08:57:30 ID:9QyF6Qeq0
杜子春の体は岩の上へ、仰向けに倒れていましたが、杜子春の魂は、静に体から抜け出して、地獄の底へ下りて行きました。
この世と地獄との間には、あんけつどうという道があって、そこは年中暗い空に、氷のような冷たい風がぴゅうぴゅう吹き荒んでいるのです。

杜子春はその風に吹かれながら、暫くは唯木の葉のように、空を漂って行きましたが、やがて森羅殿という額の懸った立派な御殿の前へ出ました。
308禿鷹 ◆aiSlHqUd2c :2007/07/16(月) 08:59:21 ID:9QyF6Qeq0
御殿の前にいた大勢の鬼は、杜子春の姿を見るや否や、すぐにそのまわりを取り捲いて、階の前へ引き据えました。
階の上には一人の王様が、まっ黒な袍に金の冠をかぶって、いかめしくあたりを睨んでいます。
これは兼ねて噂に聞いた、閻魔大王に違いありません。
杜子春はどうなることかと思いながら、恐る恐るそこへ跪いていました。

「こら、その方は何の為(ため)に、峨眉山の上へ坐っていた?」

閻魔大王の声は雷のように、階の上から響きました。
杜子春は早速その問に答えようとしましたが、ふと又思い出したのは、
「決して口を利(き)くな」
という鉄冠子の戒(いまし)めの言葉です
309禿鷹 ◆aiSlHqUd2c :2007/07/16(月) 09:00:31 ID:9QyF6Qeq0
そこで唯頭を垂れたまま、唖のように黙っていました。
すると閻魔大王は、持っていた鉄の笏を挙げて、顔中の鬚を逆立てながら、

「その方はここをどこだと思う? すみやかに返答をすれば好し、さもなければ時を移さず、地獄の呵責に遇わせてくれるぞ」
と、威丈高(いたけだか)に罵りました。

が、杜子春は相変らず唇一つ動かしません。
それを見た閻魔大王は、すぐに鬼どもの方を向いて、荒々しく何か言いつけると、鬼どもは一度に畏って、忽ち杜子春を引き立てながら、森羅殿の空へ舞い上りました。
310禿鷹 ◆aiSlHqUd2c :2007/07/16(月) 09:03:00 ID:9QyF6Qeq0
地獄には誰でも知っている通り、剣の山や血の池の外にも、焦熱地獄という焔の谷や極寒地獄という氷の海が、真暗な空の下に並んでいます。
鬼どもはそういう地獄の中へ、代る代る杜子春を抛(ほう)りこみました。
ですから杜子春は無残にも、剣に胸を貫かれるやら、焔に顔を焼かれるやら、舌を抜かれるやら、皮を剥がれるやら、鉄の杵に撞かれるやら、油の鍋に煮られるやら、毒蛇に脳味噌を吸われるやら、熊鷹に眼を食われるやら、

――その苦しみを数え立てていては、到底際限がない位、あらゆる責苦に遇わされたのです。
それでも杜子春は我慢強く、じっと歯を食いしばったまま、一言も口を利きませんでした。
311禿鷹 ◆aiSlHqUd2c :2007/07/16(月) 09:04:43 ID:9QyF6Qeq0
これにはさすがの鬼どもも、呆れ返ってしまったのでしょう。
もう一度夜のような空を飛んで、森羅殿の前へ帰って来ると、さっきの通り杜子春を階の下に引き据えながら、御殿の上の閻魔大王に、

「この罪人はどうしても、ものを言う気色がございません」と、
口を揃えて言上しました。

閻魔大王は眉をひそめて、暫く思案に暮れていましたが、やがて何か思いついたと見えて、
「この男の父母は、畜生道に落ちている筈だから、早速ここへ引き立てて来い」
と、一匹の鬼に言いつけました。

鬼は忽ち風に乗って、地獄の空へ舞い上りました。と思うと、又星が流れるように、二匹の獣を駆り立てながら、さっと森羅殿の前へ下りて来ました。
312禿鷹 ◆aiSlHqUd2c :2007/07/16(月) 09:06:53 ID:9QyF6Qeq0
その獣を見た杜子春は、驚いたの驚かないのではありません。
なぜかといえばそれは二匹とも、形は見すぼらしいやせ馬でしたが、顔は夢にも忘れない、死んだ父母の通りでしたから。

「こら、その方は何のために、峨眉山の上に坐っていたか、まっすぐに白状しなければ、今度はその方の父母に痛い思いをさせてやるぞ」

杜子春はこう嚇されても、やはり返答をしずにいました。

「この不孝者めが。その方は父母が苦しんでも、その方さえ都合が好ければ、好(い)いと思っているのだな」

閻魔大王は森羅殿も崩れる程、凄じい声で喚きました。
313禿鷹 ◆aiSlHqUd2c :2007/07/16(月) 09:07:35 ID:9QyF6Qeq0
「打て。鬼ども。その二匹の畜生を、肉も骨も打ち砕いてしまえ」

鬼どもは一斉に「はっ」と答えながら、鉄の鞭をとって立ち上ると、四方八方から二匹の馬を、未練未釈なく打ちのめしました。
鞭はりゅうりゅうと風を切って、所嫌わず雨のように、馬の皮肉を打ち破るのです。
馬は、――畜生になった父母は、苦しそうに身を悶(もだ)えて、眼には血の涙を浮べたまま、見てもいられない程嘶(いなな)き立てました。

「どうだ。まだその方は白状しないか」
314禿鷹 ◆aiSlHqUd2c :2007/07/16(月) 09:08:52 ID:9QyF6Qeq0
閻魔大王は鬼どもに、暫く鞭の手をやめさせて、もう一度杜子春の答を促しました。
もうその時には二匹の馬も、肉は裂け骨は砕けて、息も絶え絶えに階の前へ、倒れ伏していたのです。

杜子春は必死になって、鉄冠子の言葉を思い出しながら、緊く眼をつぶっていました。
するとその時彼の耳には、ほとんど声とはいえない位、かすかな声が伝わって来ました。
315禿鷹 ◆aiSlHqUd2c :2007/07/16(月) 09:09:49 ID:9QyF6Qeq0
「心配をおしでない。私たちはどうなっても、お前さえ仕合せになれるのなら、それより結構なことはないのだからね。大王が何と仰っても、言いたくないことは黙って御出で」

それは確に懐しい、母親の声に違いありません。
杜子春は思わず、眼をあきました。
そうして馬の一匹が、力なく地上に倒れたまま、悲しそうに彼の顔へ、じっと眼をやっているのを見ました。
母親はこんな苦しみの中にも、息子の心を思いやって、鬼どもの鞭に打たれたことを、怨む気色さえも見せないのです。
316禿鷹 ◆aiSlHqUd2c :2007/07/16(月) 09:10:38 ID:9QyF6Qeq0
大金持になれば御世辞を言い、貧乏人になれば口も利かない世間の人たちに比べると、何という有難い志でしょう。
何という健気な決心でしょう。
杜子春は老人の戒めも忘れて、転ぶようにその側へ走りよると、両手に半死の馬の頸を抱いて、はらはらと涙を落しながら、

「お母さん…」

と一声を叫びました。…………
317禿鷹 ◆aiSlHqUd2c :2007/07/16(月) 09:12:03 ID:9QyF6Qeq0


その声に気がついて見ると、杜子春はやはり夕日を浴びて、洛陽の西の門の下に、ぼんやり佇んでいるのでした。
霞んだ空、白い三日月、絶え間ない人や車の波、
――すべてがまだ峨眉山へ、行かない前と同じことです。

「どうだな。おれの弟子になったところが、とても仙人にはなれはすまい」

すがめの老人は微笑を含みながら言いました。

「なれません。なれませんが、しかし私はなれなかったことも、かえって嬉しい気がするのです」

杜子春はまだ眼に涙を浮べたまま、思わず老人の手を握りました。
318禿鷹 ◆aiSlHqUd2c :2007/07/16(月) 09:12:40 ID:9QyF6Qeq0
「いくら仙人になれたところが、私はあの地獄の森羅殿の前に、鞭を受けている父母を見ては、黙っている訳には行きません」

「もしお前が黙っていたら――」と鉄冠子は急に厳(おごそか)な顔になって、じっと杜子春を見つめました。

「もしお前が黙っていたら、おれは即座にお前の命を絶ってしまおうと思っていたのだ。――お前はもう仙人になりたいという望(のぞみ)も持っていまい。大金持になることは、元より愛想がつきた筈(はず)だ。ではお前はこれから後、何になったらいいと思うな」
319禿鷹 ◆aiSlHqUd2c :2007/07/16(月) 09:13:43 ID:9QyF6Qeq0
「何になっても、人間らしい、正直な暮しをするつもりです」

杜子春の声には今までにない晴れ晴れした調子がこもっていました。

「その言葉を忘れるなよ。ではおれは今日限り、二度とお前にはあわないから」

鉄冠子はこう言う内に、もう歩き出していましたが、急に又足を止めて、杜子春の方を振り返ると、

「おお、さいわい、今思い出したが、おれは泰山の南の麓に一軒の家を持っている。その家を畑ごとお前にやるから、早速行って住まうが好い。今頃は丁度家のまわりに、桃の花が一面に咲いているだろう」
と、さも愉快そうにつけ加えました。


底本:「蜘蛛の糸・杜子春」新潮文庫、新潮社
   1968(昭和43)年11月15日発行
320本当にあった怖い名無し:2007/07/16(月) 09:17:01 ID:F83XYnsb0
ビートたけしの文学夜話を思い出したよ
321本当にあった怖い名無し:2007/07/16(月) 10:17:30 ID:n3RbS/mw0
猫元気さんはいないんですか?
322猫元気です ◆QHUMtA89T. :2007/07/16(月) 12:50:09 ID:50ZDO35KO
おはようございます 今起きました
323本当にあった怖い名無し:2007/07/16(月) 13:05:04 ID:hJNm+UAVO
>>322
netero
324猫元気です ◆QHUMtA89T. :2007/07/16(月) 13:13:22 ID:U9Qf9I+r0
バイト休んでやりました
325本当にあった怖い名無し:2007/07/16(月) 13:19:34 ID:c39ttrEs0
元気くんお昼何食べた?
326本当にあった怖い名無し:2007/07/16(月) 13:21:23 ID:n3RbS/mw0
昨日の凛です。
327猫元気です ◆QHUMtA89T. :2007/07/16(月) 13:21:33 ID:U9Qf9I+r0
食べました いっぱい またデブになったダイエットしないと
328猫元気です ◆QHUMtA89T. :2007/07/16(月) 13:24:54 ID:50ZDO35KO
長野で地震あったんだ大丈夫かな
329猫元気です ◆QHUMtA89T. :2007/07/16(月) 13:29:31 ID:50ZDO35KO
凛さんこんにちは
330本当にあった怖い名無し:2007/07/16(月) 13:30:58 ID:n3RbS/mw0
こんにちわ
331猫元気です ◆QHUMtA89T. :2007/07/16(月) 13:35:20 ID:50ZDO35KO
昨日はごめんなさい
332猫元気です ◆QHUMtA89T. :2007/07/16(月) 13:42:52 ID:50ZDO35KO
凛さん いないですか
333猫元太です ◇QHUMtA89T. :2007/07/16(月) 13:47:03 ID:wz97p68B0
自分専用個人スレ立ててオナニーすんならsage進行でひっそりやれよ
毎回ageやがって公開オナニーしてんじゃねーよ この露出狂が!!
334猫元気です ◆QHUMtA89T. :2007/07/16(月) 13:52:55 ID:50ZDO35KO
凛さん?
335猫元気です ◆QHUMtA89T. :2007/07/16(月) 13:57:00 ID:50ZDO35KO
凛さん無視しないでください
336猫元気です ◆QHUMtA89T. :2007/07/16(月) 13:59:37 ID:U9Qf9I+r0
なんで凛さん無視するの?
337本当にあった怖い名無し:2007/07/16(月) 14:04:06 ID:ezIJANo20
852 名前: 猫元気です ◆QHUMtA89T. 投稿日: 2007/07/15(日) 20:41:10 ID:7XLzXkB10
凛さんなんで逃げるんですか ものすごく頭にきます やめてください

853 名前: 猫元気です ◆QHUMtA89T. 投稿日: 2007/07/15(日) 20:43:36 ID:7XLzXkB10
凛さん 逃げないでください やめろ豚

859 名前: 猫元気です ◆QHUMtA89T. 投稿日: 2007/07/15(日) 20:49:11 ID:7XLzXkB10
なにを始めるの 凛さんのせいでまた悩み事が増えた人を不幸にしやがって
クズ野朗

331 名前: 猫元気です ◆QHUMtA89T. 投稿日: 2007/07/16(月) 13:35:20 ID:50ZDO35KO
昨日はごめんなさい

デラ自分勝手(´,_ゝ`)pgr
338猫元気です ◆QHUMtA89T. :2007/07/16(月) 14:05:35 ID:U9Qf9I+r0
凛さん いないんですか
339本当にあった怖い名無し:2007/07/16(月) 14:06:26 ID:n3RbS/mw0
あらまぁ。怒ってはいませんが。寝てました。
340猫元気です ◆QHUMtA89T. :2007/07/16(月) 14:08:02 ID:U9Qf9I+r0
眠いんですか?
341猫元気です ◆QHUMtA89T. :2007/07/16(月) 14:14:40 ID:U9Qf9I+r0
また寝てしまった おやすみなさい 
342本当にあった怖い名無し:2007/07/16(月) 14:16:58 ID:n3RbS/mw0
よくわかりますね。うとうとしてます。おやすみ。
343本当にあった怖い名無し:2007/07/16(月) 14:17:42 ID:fde20ahgO
猫さん、苦しいの?
どうしたの???
344本当にあった怖い名無し:2007/07/16(月) 14:18:22 ID:8RdlqFbLO
助けてください。死にたくありません。霊の出す死にたい気持ちに殺されそうです。本当に死にたくありません。大至急助けてください。
345猫元気です ◆QHUMtA89T. :2007/07/16(月) 14:20:42 ID:U9Qf9I+r0
凛さん またきてくださいね 
>>343 今は苦しくありません
346本当にあった怖い名無し:2007/07/16(月) 14:23:34 ID:Bu20+iI+O
メンヘル板へ帰れ
347本当にあった怖い名無し:2007/07/16(月) 14:23:55 ID:fde20ahgO
>>345
それなら良かったね(^-^)
348猫元気です ◆QHUMtA89T. :2007/07/16(月) 14:24:29 ID:U9Qf9I+r0
>>347さん 霊視できますか
349虎目 ◆HXZwhFeyIY :2007/07/16(月) 14:26:24 ID:fy0xtAsg0
お 生きたい
350猫元気です ◆QHUMtA89T. :2007/07/16(月) 14:30:52 ID:U9Qf9I+r0
>>347さん誰
351本当にあった怖い名無し:2007/07/16(月) 14:38:38 ID:8RdlqFbLO
猫元気、早く助けて。霊に殺される。死にたくない。助けてー。
352本当にあった怖い名無し:2007/07/16(月) 14:41:43 ID:F83XYnsb0
昔オク板にいた大鳥居つばめっていうコテ以来の衝撃なんです
353本当にあった怖い名無し:2007/07/16(月) 14:52:56 ID:8RdlqFbLO
猫元気、俺の頭の中の死にたい気持ち(霊の気持ち)を早くとってくれ。俺はまだ死にたくない。助けてくれー。
354本当にあった怖い名無し:2007/07/16(月) 14:53:08 ID:n3RbS/mw0
目が覚めました。
>>352
>大鳥居つばめっていうコテ以来の衝撃なんです
どういうことですか?
355本当にあった怖い名無し:2007/07/16(月) 14:55:28 ID:fde20ahgO
>>350
ただの通りすがりだよ。
紛らわしかったかな?ごめんねm(__)m
強い力持ってるよ、とその手の方々に言われるけど…開花させてないから、他の人より感じる力が強い程度だよ。
356本当にあった怖い名無し:2007/07/16(月) 15:05:41 ID:F83XYnsb0
>>354

以前、ootorii_t_2012というIDの、ものすごくキャラが立ってる人が
ヤフーオークションにいたんです。

http://best-thread.xrea.jp/logs/test/read.cgi/thread/1026431843/

東大物理学科卒業で、就職できなくてビル清掃の仕事をしてたらしい。
オークションの商品説明でこういうテキストを入れる。

>私は、東京大学理学部物理学科出身でビル清掃のような単純労働を卑屈に何種類かやりました。
>そこでは、かなり多くのタイプ(進学校いった人はまずいない)の人がいろんな仕方の勝ち誇る態度を私に示しました。
>そういうのも、その人(私)の自由だとか思うのだろううから許さん。
>私の学歴と職、または、あなたの場合について、私に何も言わなくても言っても、
>あなたの態度を学歴が高い人間に勝ち誇ろうとするような態度とみなす。何事も平等ではない。

マジカルエミの抱き枕を落札した人にいつまでたっても品物を届けずに

>コメント:お金がないので、返金は無理です。
>土曜までに届けます。すみません。 (11月 18日 18時 32分)

>コメント:実は、まだ品に興味があり遅くなってる面もあるので、
>「さよなら、マジカルエミ」と言えるかどうかなので、
>けりがつくまで、もうしばらくお待ちください。 (11月 26日 19時 12分)

落札されたあとになって、品物に未練が出てきたらしい。
357猫元気です ◆QHUMtA89T. :2007/07/16(月) 15:10:15 ID:U9Qf9I+r0
いいね力あって うらやましい 自分が嫌になってくる
358本当にあった怖い名無し:2007/07/16(月) 15:12:56 ID:n3RbS/mw0
ちょっと犯罪者ですねw
359禿鷹 ◆aiSlHqUd2c :2007/07/16(月) 15:13:06 ID:9QyF6Qeq0
中座

題名のない展覧会
360猫元気です ◆QHUMtA89T. :2007/07/16(月) 15:14:00 ID:U9Qf9I+r0
凛さん いるじゃないですか あなたいったいなんなんです
361禿鷹 ◆aiSlHqUd2c :2007/07/16(月) 15:14:47 ID:9QyF6Qeq0
362禿鷹 ◆aiSlHqUd2c :2007/07/16(月) 15:15:17 ID:9QyF6Qeq0
363禿鷹 ◆aiSlHqUd2c :2007/07/16(月) 15:15:58 ID:9QyF6Qeq0
364禿鷹 ◆aiSlHqUd2c :2007/07/16(月) 15:16:45 ID:9QyF6Qeq0
365猫元気です ◆QHUMtA89T. :2007/07/16(月) 15:16:49 ID:U9Qf9I+r0
凛さん なんですかおちょくってるんですか
366禿鷹 ◆aiSlHqUd2c :2007/07/16(月) 15:17:15 ID:9QyF6Qeq0
367禿鷹 ◆aiSlHqUd2c :2007/07/16(月) 15:18:57 ID:9QyF6Qeq0
第五話

かくれんぼで、倉の隅にもぐりこんだ東一君がランプを持って出て来た。
それは珍らしい形のランプであった。八十センチぐらいの太い竹の筒が台になっていて、その上にちょっぴり火のともる部分がくっついている、そしてほやは、細いガラスの筒であった。

はじめて見るものにはランプとは思えないほどだった。
そこでみんなは、昔の鉄砲とまちがえてしまった。
368猫元気です ◆QHUMtA89T. :2007/07/16(月) 15:19:32 ID:U9Qf9I+r0
人間不信になる なんだもう!
369禿鷹 ◆aiSlHqUd2c :2007/07/16(月) 15:20:21 ID:9QyF6Qeq0
「何だア、鉄砲かア」と鬼の宗八君はいった。
東一君のおじいさんも、しばらくそれが何だかわからなかった。

眼鏡ごしにじっと見ていてから、はじめてわかったのである。
ランプであることがわかると、東一君のおじいさんはこういって子供たちを叱りはじめた。
370本当にあった怖い名無し:2007/07/16(月) 15:20:32 ID:WKrEdJQw0
>>354で起きたってちゃんと相手書いてくれてるじゃん
読めよ
371355:2007/07/16(月) 15:20:32 ID:fde20ahgO
>>357
どうして?
いい事も確かに多少はあるけど(危険察知とか)、よくない事の方が多いよ?
相手と話するだけで、いい事言ってくれても本心ではなく、妬みや嫉妬、悪意が混ざってるのが分かってしまうから…
人間不振になりそうになるよ(^^;

自分の事そんな風に言ったら、猫さん自身が可哀想だよ!
頑張ろう(^-^)/
372猫元気です ◆QHUMtA89T. :2007/07/16(月) 15:21:48 ID:U9Qf9I+r0
しまった 見落としてたすみません 落ちます
373禿鷹 ◆aiSlHqUd2c :2007/07/16(月) 15:22:02 ID:9QyF6Qeq0
「こらこら、お前たちは何を持出すか。まことに子供というものは、黙って遊ばせておけば何を持出すやらわけのわからん、油断もすきもない、ぬすっと猫のようなものだ。
こらこら、それはここへ持って来て、お前たちは外へ行って遊んで来い。外に行けば、でんしんばしらでも何でも遊ぶものはいくらでもあるに」

こうして叱られると子供ははじめて、自分がよくない行いをしたことがわかるのである。
そこで、ランプを持出した東一君はもちろんのこと、何も持出さなかった近所の子供たちも、自分たちみんなで悪いことをしたような顔をして、すごすごと外の道へ出ていった。
374禿鷹 ◆aiSlHqUd2c :2007/07/16(月) 15:24:37 ID:9QyF6Qeq0
外には、春の昼の風が、ときおり道のほこりを吹立ててすぎ、のろのろと牛車が通ったあとを、白い蝶がいそがしそうに通ってゆくこともあった。
なるほど電信柱があっちこっちに立っている。
しかし子供たちは電信柱なんかで遊びはしなかった。
大人が、こうして遊べといったことを、いわれたままに遊ぶというのは何となくばかげているように子供には思えるのである。
375禿鷹 ◆aiSlHqUd2c :2007/07/16(月) 15:25:44 ID:9QyF6Qeq0
そこで子供たちは、ポケットの中のラムネ玉をカチカチいわせながら、広場の方へとんでいった。そしてまもなく自分たちの遊びで、さっきのランプのことは忘れてしまった。

日ぐれに東一君は家へ帰って来た。
奥の居間のすみに、あのランプがおいてあった。
しかし、ランプのことを何かいうと、またおじいさんにがみがみいわれるかも知れないので、黙っていた。

夕御飯のあとの退屈な時間が来た。
東一君はたんすにもたれて、ひき出しのかんをカタンカタンといわせていたり、店に出てひげを生やした農学校の先生が『大根栽培の理論と実際』というような、むつかしい名前の本を番頭に注文するところを、じっと見ていたりした。
376禿鷹 ◆aiSlHqUd2c :2007/07/16(月) 15:26:57 ID:9QyF6Qeq0
そういうことにも飽くと、また奥の居間にもどって来て、おじいさんがいないのを見すまして、ランプのそばへにじりより、そのほやをはずしてみたり、五銭白銅貨ほどのねじをまわして、ランプの芯を出したりひっこめたりしていた。

すこしいっしょうけんめいになっていじくっていると、またおじいさんにみつかってしまった。
けれどこんどはおじいさんは叱らなかった。
ねえやにお茶をいいつけておいて、すっぽんと煙管筒をぬきながら、こういった。
377禿鷹 ◆aiSlHqUd2c :2007/07/16(月) 15:28:05 ID:9QyF6Qeq0
「東坊、このランプはな、おじいさんにはとてもなつかしいものだ。長いあいだ忘れておったが、きょう東坊が倉の隅から持出して来たので、また昔のことを思い出したよ。こうおじいさんみたいに年をとると、ランプでも何でも昔のものに出合うのがとても嬉しいもんだ」

東一君はぽかんとしておじいさんの顔を見ていた。
おじいさんはがみがみと叱りつけたから、怒っていたのかと思ったら、昔のランプに逢うことができて喜んでいたのである。
378禿鷹 ◆aiSlHqUd2c :2007/07/16(月) 15:28:57 ID:9QyF6Qeq0
「ひとつ昔の話をしてやるから、ここへ来てすわれ」

とおじいさんがいった。

東一君は話が好きだから、いわれるままにおじいさんの前へいって坐ったが、何だかお説教をされるときのようで、いごこちがよくないので、いつもうちで話をきくときにとる姿勢をとって聞くことにした。
つまり、寝そべって両足をうしろへ立てて、ときどき足の裏をうちあわせる芸当をしたのである。



おじいさんの話というのは次のようであった。
379禿鷹 ◆aiSlHqUd2c :2007/07/16(月) 15:30:21 ID:9QyF6Qeq0
今から五十年ぐらいまえ、ちょうど日露戦争のじぶんのことである。岩滑新田の村に巳之助(みのすけ)という十三の少年がいた。

巳之助は、父母も兄弟もなく、親戚のものとて一人もない、まったくのみなしごであった。
そこで巳之助は、よその家の走り使いをしたり、女の子のように子守をしたり、米を搗いてあげたり、そのほか、巳之助のような少年にできることなら何でもして、村に置いてもらっていた。
380禿鷹 ◆aiSlHqUd2c :2007/07/16(月) 15:38:08 ID:9QyF6Qeq0
けれども巳之助は、こうして村の人々の御世話で生きてゆくことは、ほんとうをいえばいやであった。
子守をしたり、米を搗いたりして一生を送るとするなら、男とうまれた甲斐がないと、つねづね思っていた。
男子は身を立てねばならない。
しかしどうして身を立てるか。巳之助は毎日、ご飯をたべてゆくのがやっとのことであった。

本一冊買うお金もなかったし、またたといお金があって本を買ったとしても、読むひまがなかった。
身を立てるのによいきっかけがないものかと、巳之助はこころひそかに待っていた。
381禿鷹 ◆aiSlHqUd2c :2007/07/16(月) 15:39:30 ID:9QyF6Qeq0
するとある夏の日のひるさがり、巳之助は人力車の先綱を頼まれた。

その頃岩滑新田には、いつも二、三人の人力曳がいた。潮湯治に名古屋から来る客は、たいてい汽車で半田まで来て、半田から知多半島西海岸の大野や新舞子まで人力車でゆられていったもので、岩滑新田はちょうどその道すじにあたっていたからである。
 

人力車は人が曳くのだからあまり速くは走らない。
それに、岩滑新田と大野の間には峠が一つあるから、よけい時間がかかる。
おまけにその頃の人力車の輪は、ガラガラと鳴る重い鉄輪だったのである。
そこで、急ぎの客は、賃銀を倍出して、二人の人力曳にひいてもらうのであった。
382禿鷹 ◆aiSlHqUd2c :2007/07/16(月) 15:43:10 ID:9QyF6Qeq0
巳之助に先綱曳を頼んだのも、急ぎの避暑客であった。
巳之助は人力車のながえにつながれた綱を肩にかついで、夏の入陽のじりじり照りつける道を、えいやえいやと走った。
馴れないこととてたいそう苦しかった。

しかし巳之助は苦しさなど気にしなかった。
好奇心でいっぱいだった。
なぜなら巳之助は、物ごころがついてから、村を一歩も出たことがなく、峠の向こうにどんな町があり、どんな人々が住んでいるか知らなかったからである。
383禿鷹 ◆aiSlHqUd2c :2007/07/16(月) 15:44:11 ID:9QyF6Qeq0
日が暮れて青い夕闇の中を人々がほの白くあちこちする頃、人力車は大野の町にはいった。
巳之助はその町でいろいろな物をはじめて見た。
軒をならべて続いている大きい商店が、第一、巳之助には珍らしかった。巳之助の村にはあきないやとては一軒しかなかった。

駄菓子、わらじ、いとくりの道具、こうやく、貝殻にはいった目薬、そのほか村で使うたいていの物を売っている小さな店が一軒きりしかなかったのである。
384禿鷹 ◆aiSlHqUd2c :2007/07/16(月) 15:45:33 ID:9QyF6Qeq0
しかし巳之助をいちばんおどろかしたのは、その大きな商店が、一つ一つともしている、花のように明かるいガラスのランプであった。

巳之助の村では夜はあかりなしの家が多かった。
まっくらな家の中を、人々は盲のように手でさぐりながら、みずがめや、石臼や大黒柱をさぐりあてるのであった。
すこしぜいたくな家では、おかみさんが嫁入りのとき持って来た行燈を使うのであった。
行燈は紙を四方に張りめぐらした中に、油のはいった皿があって、その皿のふちにのぞいている燈心に、桜の莟ぐらいの小さいほのおがともると、まわりの紙にみかん色のあたたかな光がさし、附近は少し明かるくなったのである。

しかしどんな行燈にしろ、巳之助が大野の町で見たランプの明かるさにはとても及ばなかった。
385禿鷹 ◆aiSlHqUd2c :2007/07/16(月) 15:46:15 ID:9QyF6Qeq0
それにランプは、その頃としてはまだ珍らしいガラスでできていた。

煤けたり、破れたりしやすい紙でできている行燈より、これだけでも巳之助にはいいもののように思われた。
このランプのために、大野の町ぜんたいが竜宮城かなにかのように明かるく感じられた。
もう巳之助は自分の村へ帰りたくないとさえ思った。
人間は誰でも明かるいところから暗いところに帰るのを好まないのである。
386禿鷹 ◆aiSlHqUd2c :2007/07/16(月) 15:47:19 ID:9QyF6Qeq0
巳之助は駄賃の十五銭を貰うと、人力車とも別れてしまって、お酒にでも酔ったように、波の音のたえまないこの海辺の町を、珍らしい商店をのぞき、美しく明かるいランプに見とれて、さまよっていた。



呉服屋では、番頭さんが、椿の花を大きく染め出した反物を、ランプの光の下にひろげて客に見せていた。

穀屋では、小僧さんがランプの下で小豆のわるいのを一粒ずつ拾い出していた。

また或る家では女の子が、ランプの光の下に白くひかる貝殻を散らしておはじきをしていた。

また或る店ではこまかい珠に糸を通して数珠をつくっていた。

ランプの青やかな光のもとでは、人々のこうした生活も、物語か幻燈の世界でのように美しくなつかしく見えた。
387禿鷹 ◆aiSlHqUd2c :2007/07/16(月) 15:49:10 ID:9QyF6Qeq0
巳之助は今までなんども、「文明開化で世の中がひらけた」ということをきいていたが、今はじめて文明開化ということがわかったような気がした。


歩いているうちに、巳之助は、様々なランプをたくさん吊してある店のまえに来た。これはランプを売っている店にちがいない。
巳之助はしばらくその店のまえで十五銭を握りしめながらためらっていたが、やがて決心してつかつかとはいっていった。

「ああいうものを売っとくれや」

と巳之助はランプをゆびさしていった。まだランプという言葉を知らなかったのである。
店の人は、巳之助がゆびさした大きい吊ランプをはずして来たが、それは十五銭では買えなかった。
388禿鷹 ◆aiSlHqUd2c :2007/07/16(月) 15:50:28 ID:9QyF6Qeq0
「負けとくれや」
と巳之助はいった。

「そうは負からん」
と店の人は答えた。

「卸値で売っとくれや」
巳之助は村の雑貨屋へ、作った草鞋を買ってもらいによく行ったので、物には卸値と小売値があって、卸値は安いということを知っていた。
たとえば、村の雑貨屋は、巳之助の作った瓢箪型の草鞋を卸値の一銭五厘で買いとって、人力曳たちに小売値の二銭五厘で売っていたのである。
ランプ屋の主人は、見も知らぬどこかの小僧がそんなことをいったので、びっくりしてまじまじと巳之助の顔を見た。
そしていった。
389禿鷹 ◆aiSlHqUd2c :2007/07/16(月) 15:51:26 ID:9QyF6Qeq0
「卸値で売れって、そりゃ相手がランプを売る家なら卸値で売ってあげてもいいが、一人一人のお客に卸値で売るわけにはいかんな」

「ランプ屋なら卸値で売ってくれるだのイ?」

「ああ」

「そんなら、おれ、ランプ屋だ。卸値で売ってくれ」
店の人はランプを持ったまま笑い出した。

「おめえがランプ屋? はッはッはッはッ」

「ほんとうだよ、おッつあん。おれ、ほんとうにこれからランプ屋になるんだ。な、だから頼むに、今日は一つだけンど卸値で売ってくれや。こんど来るときゃ、たくさん、いっぺんに買うで」
390禿鷹 ◆aiSlHqUd2c :2007/07/16(月) 15:52:08 ID:9QyF6Qeq0
店の人ははじめ笑っていたが、巳之助の真剣なようすに動かされて、いろいろ巳之助の身の上をきいたうえ、

「よし、そんなら卸値でこいつを売ってやろう。ほんとは卸値でもこのランプは十五銭じゃ売れないけど、おめえの熱心なのに感心した。負けてやろう。そのかわりしっかりしょうばいをやれよ。うちのランプをどんどん持ってって売ってくれ」

といって、ランプを巳之助に渡した。
391禿鷹 ◆aiSlHqUd2c :2007/07/16(月) 15:53:02 ID:9QyF6Qeq0
巳之助はランプのあつかい方を一通り教えてもらい、ついでに提燈がわりにそのランプをともして、村へむかった。
やぶや松林のうちつづく暗い峠道でも、巳之助はもうこわくはなかった。花のように明かるいランプをさげていたからである。

巳之助の胸の中にも、もう一つのランプがともっていた。
文明開化に遅れた自分の暗い村に、このすばらしい文明の利器を売りこんで、村人たちの生活を明かるくしてやろうという希望のランプが――
392禿鷹 ◆aiSlHqUd2c :2007/07/16(月) 15:54:33 ID:9QyF6Qeq0
巳之助の新しいしょうばいは、はじめのうちまるではやらなかった。
百姓たちは何でも新しいものを信用しないからである。

そこで巳之助はいろいろ考えたあげく、村で一軒きりのあきないやへそのランプを持っていって、ただで貸してあげるからしばらくこれを使って下さいと頼んだ。
雑貨屋の婆さんは、しぶしぶ承知して、店の天井に釘を打ってランプを吊し、その晩からともした。

五日ほどたって、巳之助が草鞋を買ってもらいに行くと、雑貨屋の婆さんはにこにこしながら、こりゃたいへん便利で明かるうて、夜でもお客がよう来てくれるし、釣銭をまちがえることもないので、気に入ったから買いましょう、といった。
393禿鷹 ◆aiSlHqUd2c :2007/07/16(月) 15:55:59 ID:9QyF6Qeq0
上、ランプのよいことがはじめてわかった村人から、もう三つも注文のあったことを巳之助にきかしてくれた。
巳之助はとびたつように喜んだ。

そこで雑貨屋の婆さんからランプの代と草鞋の代を受けとると、すぐその足で、走るようにして大野へいった。
そしてランプ屋の主人にわけを話して、足りないところは貸してもらい、三つのランプを買って来て、注文した人に売った。
これから巳之助のしょうばいははやって来た。
394禿鷹 ◆aiSlHqUd2c :2007/07/16(月) 15:56:36 ID:9QyF6Qeq0
はじめは注文をうけただけ大野へ買いにいっていたが、少し金がたまると、注文はなくてもたくさん買いこんで来た。
そして今はもう、よその家の走り使いや子守をすることはやめて、ただランプを売るしょうばいだけにうちこんだ。

物干台のようなわくのついた車をしたてて、それにランプやほやなどをいっぱい吊し、ガラスの触れあう涼しい音をさせながら、巳之助は自分の村や附近の村々へ売りにいった。
395禿鷹 ◆aiSlHqUd2c :2007/07/16(月) 15:58:24 ID:9QyF6Qeq0
巳之助はお金も儲かったが、それとは別に、このしょうばいがたのしかった。

今まで暗かった家に、だんだん巳之助の売ったランプがともってゆくのである。
暗い家に、巳之助は文明開化の明かるい火を一つ一つともしてゆくような気がした。
巳之助はもう青年になっていた。
それまでは自分の家とてはなく、区長さんのところの軒のかたむいた納屋に住ませてもらっていたのだが、小金がたまったので、自分の家もつくった。
すると世話してくれる人があったのでお嫁さんももらった。
396禿鷹 ◆aiSlHqUd2c :2007/07/16(月) 16:02:09 ID:9QyF6Qeq0
或るとき、よその村でランプの宣伝をしておって、

「ランプの下なら畳の上に新聞をおいて読むことが出来るのイ」と
区長さんに以前きいていたことをいうと、お客さんの一人が「ほんとかン?」とききかえしたので、
嘘のきらいな巳之助は、自分でためして見る気になり、区長さんのところから古新聞をもらって来て、ランプの下にひろげた。

やはり区長さんのいわれたことはほんとうであった。
新聞のこまかい字がランプの光で一つ一つはっきり見えた。

「わしは嘘をいってしょうばいをしたことにはならない」と巳之助はひとりごとをいった。
しかし巳之助は、字がランプの光ではっきり見えても何にもならなかった。
字を読むことができなかったからである。
397禿鷹 ◆aiSlHqUd2c :2007/07/16(月) 16:04:06 ID:9QyF6Qeq0
「ランプで物はよく見えるようになったが、字が読めないじゃ、まだほんとうの文明開化じゃねえ」
そういって巳之助は、それから毎晩区長さんのところへ字を教えてもらいにいった。

熱心だったので一年もすると、巳之助は尋常科を卒業した村人の誰にも負けないくらい読めるようになった。
そして巳之助は書物を読むことをおぼえた。
398禿鷹 ◆aiSlHqUd2c :2007/07/16(月) 16:05:33 ID:9QyF6Qeq0
巳之助はもう、男ざかりの大人であった。
家には子供が二人あった。

「自分もこれでどうやらひとり立ちができたわけだ。まだ身を立てるというところまではいっていないけれども」と、ときどき思って見て、そのつど心に満足を覚えるのであった。

さて或る日、巳之助がランプの芯を仕入れに大野の町へやって来ると、五、六人の人夫が道のはたに穴を堀り、太い長い柱を立てているのを見た。



その柱の上の方には腕のような木が二本ついていて、その腕木には白い瀬戸物のだるまさんのようなものがいくつかのっていた。
こんな奇妙なものを道のわきに立てて何にするのだろう、と思いながら少し先にゆくと、また道ばたに同じような高い柱が立っていて、それには雀が腕木にとまって鳴いていた。
399禿鷹 ◆aiSlHqUd2c :2007/07/16(月) 16:07:31 ID:9QyF6Qeq0
この奇妙な高い柱は五十メートルぐらい間をおいては、道のわきに立っていた。

巳之助はついに、ひなたでうどんを乾している人にきいてみた。
すると、うどんやは「電気とやらいうもんが今度ひけるだげな。
そいでもう、ランプはいらんようになるだげな」と答えた。

巳之助にはよくのみこめなかった。
電気のことなどまるで知らなかったからだ。ランプの代りになるものらしいのだが、そうとすれば、電気というものはあかりにちがいあるまい。
あかりなら、家の中にともせばいいわけで、何もあんなとてつもない柱を道のくろに何本もおっ立てることはないじゃないかと、巳之助は思ったのである。
400禿鷹 ◆aiSlHqUd2c :2007/07/16(月) 16:08:21 ID:9QyF6Qeq0
それから一月ほどたって、巳之助がまた大野へ行くと、この間立てられた道のはたの太い柱には、黒い綱のようなものが数本わたされてあった。
黒い綱は、柱の腕木にのっているだるまさんの頭を一まきして次の柱へわたされ、そこでまただるまさんの頭を一まきして次の柱にわたされ、こうしてどこまでもつづいていた。
注意してよく見ると、ところどころの柱から黒い綱が二本ずつだるまさんの頭のところで別れて、家の軒端(のきば)につながれているのであった。

「へへえ、電気とやらいうもんはあかりがともるもんかと思ったら、これはまるで綱じゃねえか。雀や燕のええ休み場というもんよ」
401禿鷹 ◆aiSlHqUd2c :2007/07/16(月) 16:09:31 ID:9QyF6Qeq0
と巳之助が一人であざわらいながら、知合いの甘酒屋にはいってゆくと、いつも土間のまん中の飯台の上に吊してあった大きなランプが、横の壁の辺に取りかたづけられて、
あとにはそのランプをずっと小さくしたような、石油入れのついていない、変なかっこうのランプが、丈夫(じょうぶ)そうな綱で天井からぶらさげられてあった。

「何だやい、変なものを吊したじゃねえか。あのランプはどこか悪くでもなったかやい」

と巳之助はきいた。すると甘酒屋が、

「ありゃ、こんどひけた電気というもんだ。火事の心配がのうて、明かるうて、マッチはいらぬし、なかなか便利なもんだ」

と答えた。
402禿鷹 ◆aiSlHqUd2c :2007/07/16(月) 16:11:14 ID:9QyF6Qeq0
「ヘッ、へんてこれんなものをぶらさげたもんよ。これじゃ甘酒屋の店も何だか間がぬけてしまった。客もへるだろうよ」

甘酒屋は、相手がランプ売であることに気がついたので、電燈の便利なことはもういわなかった。

「なア、甘酒屋のとッつあん。見なよ、あの天井のとこを。ながねんのランプのすすであそこだけ真黒になっとるに。ランプはもうあそこにいついてしまったんだ。
今になって電気たらいう便利なもんができたからとて、あそこからはずされて、あんな壁のすみっこにひっかけられるのは、ランプがかわいそうよ」

こんなふうに巳之助はランプの肩をもって、電燈のよいことはみとめなかった。
403禿鷹 ◆aiSlHqUd2c :2007/07/16(月) 16:17:03 ID:9QyF6Qeq0
ところでまもなく晩になって、誰もマッチ一本すらなかったのに、とつぜん甘酒屋の店が真昼のように明かるくなったので、巳之助はびっくりした。あまり明かるいので、巳之助は思わずうしろをふりむいて見たほどだった。

「巳之さん、これが電気だよ」
巳之助は歯をくいしばって、ながいあいだ電燈を見つめていた。

かたきでも睨んでいるようなかおつきであった。
あまり見つめていて眼のたまが痛くなったほどだった。

「巳之さん、そういっちゃ何だが、とてもランプで太刀うちはできないよ。ちょっと外へくびを出して町通りを見てごらんよ」
404禿鷹 ◆aiSlHqUd2c :2007/07/16(月) 16:18:05 ID:9QyF6Qeq0
巳之助はむっつりと入口の障子をあけて、通りをながめた。
どこの家どこの店にも、甘酒屋のと同じように明かるい電燈がともっていた。
光は家の中にあまつて、道の上にまでこぼれ出ていた。
ランプを見なれていた巳之助にはまぶしすぎるほどのあかりだった。

巳之助は、くやしさに肩でいきをしながら、これも長い間ながめていた。
ランプの、てごわいかたきが出て来たわい、と思った。
いぜんには文明開化ということをよく言っていた巳之助だったけれど、電燈がランプよりいちだん進んだ文明開化の利器であるということは分らなかった。
りこうな人でも、自分が職を失うかどうかというようなときには、物事の判断が正しくつかなくなることがあるものだ。
405禿鷹 ◆aiSlHqUd2c :2007/07/16(月) 16:19:08 ID:9QyF6Qeq0
その日から巳之助は、電燈が自分の村にもひかれるようになることを、心ひそかにおそれていた。
電燈がともるようになれば、村人たちはみんなランプを、あの甘酒屋のしたように壁の隅につるすか、倉の二階にでもしまいこんでしまうだろう。
ランプ屋のしょうばいはいらなくなるだろう。

だが、ランプでさえ村へはいって来るにはかなりめんどうだったから、電燈となっては村人たちはこわがって、なかなか寄せつけることではあるまい、と巳之助は、一方では安心もしていた。

しかし間もなく、「こんどの村会で、村に電燈を引くかどうかを決めるだげな」という噂をきいたときには、巳之助は脳天に一撃をくらったような気がした。強敵いよいよござんなれ、と思った。
406禿鷹 ◆aiSlHqUd2c :2007/07/16(月) 16:20:22 ID:9QyF6Qeq0
そこで巳之助は黙ってはいられなかった。村の人々の間に、電燈反対の意見をまくしたてた。

「電気というものは、長い線で山の奥からひっぱって来るもんだでのイ、その線をば夜中に狐や狸がつたって来て、この近ぺんの田畠を荒らすことはうけあいだね」

こういうばかばかしいことを巳之助は、自分の馴れたしょうばいを守るためにいうのであった。
それをいうとき何かうしろめたい気がしたけれども。
村会がすんで、いよいよ岩滑新田の村にも電燈をひくことにきまったと聞かされたときにも、巳之助は脳天に一撃をくらったような気がした。

こうたびたび一撃をくらってはたまらない、頭がどうかなってしまう、と思った。
407禿鷹 ◆aiSlHqUd2c :2007/07/16(月) 16:22:33 ID:9QyF6Qeq0
その通りであった。頭がどうかなってしまった。
村会のあとで三日間、巳之助は昼間もふとんをひっかぶって寝ていた。その間に頭の調子が狂ってしまったのだ。

巳之助は誰かを怨みたくてたまらなかった。
そこで村会で議長の役をした区長さんを怨むことにした。そして区長さんを怨まねばならぬわけをいろいろ考えた。
へいぜいは頭のよい人でも、しょうばいを失うかどうかというようなせとぎわでは、正しい判断をうしなうものである。とんでもない怨みを抱くようになるものである。
408禿鷹 ◆aiSlHqUd2c :2007/07/16(月) 16:25:22 ID:9QyF6Qeq0
菜の花ばたの、あたたかい月夜であった。
どこかの村で春祭の支度に打つ太鼓がとほとほと聞えて来た。

巳之助は道を通ってゆかなかった。
みぞの中をいたちのように身をかがめて走ったり、やぶの中を捨犬のようにかきわけたりしていった。
他人に見られたくないとき、人はこうするものだ。


区長さんの家には長い間やっかいになっていたので、よくその様子はわかっていた。
火をつけるにいちばん都合のよいのわらやね)の牛小屋であることは、もう家を出るときから考えていた。
409禿鷹 ◆aiSlHqUd2c :2007/07/16(月) 16:26:22 ID:9QyF6Qeq0
母屋はもうひっそり寝しずまっていた。
牛小屋もしずかだった。しずかだといって、牛は眠っているかめざめているかわかったもんじゃない。
牛は起きていても寝ていてもしずかなものだから。
もっとも牛が眼をさましていたって、火をつけるにはいっこうさしつかえないわけだけれども。


巳之助はマッチのかわりに、マッチがまだなかったじぶん使われていた火打ちの道具を持って来た。
家を出るとき、かまどのあたりでマッチを探したが、どうしたわけかなかなか見つからないので、手にあたったのをさいわい、火打の道具を持って来たのだった。
410禿鷹 ◆aiSlHqUd2c :2007/07/16(月) 16:27:31 ID:9QyF6Qeq0
巳之助は火打で火を切りはじめた。
火花は飛んだが、ほくちがしめっているのか、ちっとも燃えあがらないのであった。
巳之助は火打というものは、あまり便利なものではないと思った。
火が出ないくせにカチカチと大きな音ばかりして、これでは寝ている人が眼をさましてしまうのである。

「ちえッ」と巳之助は舌打ちしていった。
「マッチを持って来りゃよかった。こげな火打みてえな古くせえもなア、いざというとき間にあわねえだなア」
そういってしまって巳之助は、ふと自分の言葉をききとがめた。



「古くせえもなア、いざというとき間にあわねえ、……古くせえもなア間にあわねえ……」
411禿鷹 ◆aiSlHqUd2c :2007/07/16(月) 16:29:13 ID:9QyF6Qeq0
ちょうど月が出て空が明かるくなるように、巳之助の頭がこの言葉をきっかけにして明かるく晴れて来た。

巳之助は、今になって、自分のまちがっていたことがはっきりとわかった。


――ランプはもはや古い道具になったのである。


電燈という新しいいっそう便利な道具の世の中になったのである。
それだけ世の中がひらけたのである。
412禿鷹 ◆aiSlHqUd2c :2007/07/16(月) 16:31:55 ID:9QyF6Qeq0
文明開化が進んだのである。巳之助もまた日本のお国の人間なら、日本がこれだけ進んだことを喜んでいいはずなのだ。

古い自分のしょうばいが失われるからとて、
世の中の進むのにじゃましようとしたり、
何の怨みもない人を怨んで火をつけようとしたのは、
男として何という見苦しいざまであったことか。

世の中が進んで、古いしょうばいがいらなくなれば、男らしく、すっぱりそのしょうばいはすてて、世の中のためになる新しいしょうばいにかわろうじゃないか。――
巳之助はすぐ家へとってかえした。
413生きたい:2007/07/16(月) 16:32:47 ID:8RdlqFbLO
助けて。死にたくない。誰か頭の中の死にたい気持ちを浄化して。
414禿鷹 ◆aiSlHqUd2c :2007/07/16(月) 16:33:00 ID:9QyF6Qeq0
そしてそれからどうしたか。
寝ているおかみさんを起して、今家にあるすべてのランプに石油をつがせた。
おかみさんは、こんな夜更けに何をするつもりか巳之助にきいたが、巳之助は自分がこれからしようとしていることをきかせれば、おかみさんが止めるにきまっているので、黙っていた。

ランプは大小さまざまのがみなで五十ぐらいあった。
それにみな石油をついだ。
そしていつもあきないに出るときと同じように、車にそれらのランプをつるして、外に出た。
こんどはマッチを忘れずに持って。
415本当にあった怖い名無し:2007/07/16(月) 16:33:58 ID:9KZNkrOn0
なんでコテ鳥つけて青空文庫こぴってんの?
416禿鷹 ◆aiSlHqUd2c :2007/07/16(月) 16:34:08 ID:9QyF6Qeq0
道が西の峠にさしかかるあたりに、半田池という大きな池がある。
春のことでいっぱいたたえた水が、月の下で銀盤のようにけぶり光っていた。
池の岸にははんの木や柳が、水の中をのぞくようなかっこうで立っていた。

巳之助は人気のないここを選んで来た。
さて巳之助はどうするというのだろう。
巳之助はランプに火をともした。

一つともしては、それを池のふちの木の枝に吊した。
小さいのも大きいのも、とりまぜて、木にいっぱい吊した。
一本の木で吊しきれないと、そのとなりの木に吊した。

こうしてとうとうみんなのランプを三本の木に吊した。
417禿鷹 ◆aiSlHqUd2c :2007/07/16(月) 16:35:13 ID:9QyF6Qeq0
風のない夜で、ランプは一つ一つがしずかにまじろがず、燃え、あたりは昼のように明かるくなった。あかりをしたって寄って来た魚が、水の中にきらりきらりとナイフのように光った。

「わしの、しょうばいのやめ方はこれだ」

と巳之助は一人でいった。しかし立去りかねて、ながいあいだ両手を垂れたままランプの鈴なりになった木を見つめていた。
ランプ、ランプ、なつかしいランプ。ながの年月なじんで来たランプ。

「わしの、しょうばいのやめ方はこれだ」

それから巳之助は池のこちら側の往還に来た。
まだランプは、向こう側の岸の上にみなともっていた。
五十いくつがみなともっていた。
そして水の上にも五十いくつの、さかさまのランプがともっていた。
立ちどまって巳之助は、そこでもながく見つめていた。
418禿鷹 ◆aiSlHqUd2c :2007/07/16(月) 16:35:59 ID:9QyF6Qeq0
ランプ、ランプ、なつかしいランプ。
やがて巳之助はかがんで、足もとから石ころを一つ拾った。
そして、いちばん大きくともっているランプに狙いをさだめて、力いっぱい投げた。
パリーンと音がして、大きい火がひとつ消えた。

「お前たちの時世はすぎた。世の中は進んだ」

と巳之助はいった。
そしてまた一つ石ころを拾った。
二番目に大きかったランプが、パリーンと鳴って消えた。
419禿鷹 ◆aiSlHqUd2c :2007/07/16(月) 16:36:38 ID:9QyF6Qeq0
「世の中は進んだ。電気の時世になった」

三番目のランプを割ったとき、巳之助はなぜか涙がうかんで来て、もうランプに狙いを定めることができなかった。
こうして巳之助は今までのしょうばいをやめた。
それから町に出て、新しいしょうばいをはじめた。

本屋になったのである。
420禿鷹 ◆aiSlHqUd2c :2007/07/16(月) 16:38:55 ID:9QyF6Qeq0
「巳之助さんは今でもまだ本屋をしている。もっとも今じゃだいぶ年とったので、息子が店はやっているがね」

と東一君のおじいさんは話をむすんで、冷めたお茶をすすった。
巳之助さんというのは東一君のおじいさんのことなので、東一君はまじまじとおじいさんの顔を見た。
いつの間にか東一君はおじいさんのまえに坐りなおして、おじいさんのひざに手をおいたりしていたのである。

「そいじゃ、残りの四十七のランプはどうした?」
と東一君はきいた。
421猫元太です ◇QHUMtA89T.:2007/07/16(月) 16:38:59 ID:wz97p68B0
おい元気 この予言本当にしたの?

----------------------------------------------------------------------

768 :猫元気です ◆QHUMtA89T. :2007/05/8(月) :01:31 ID:9q+UAiVaO
俺は透視できるみたい 友達にしてあげた 当たった言われた
 
775 :本当にあった怖い名無し:2007/05/8(月):01:40:14 ID:kJtQTaTsO
透視できるなら予言もできるだろ?当てたら信じてやる

783 :猫元気です ◆QHUMtA89T. :2007/05/8(月) :01:52 ID:9q+UAiVaO
台風と地震が一緒にきそう長野〜新潟あたり コシヒカリ食べたくなりました
霊視してください
422禿鷹 ◆aiSlHqUd2c :2007/07/16(月) 16:40:56 ID:9QyF6Qeq0
「知らん。次の日、旅の人が見つけて持ってったかも知れない」

「そいじゃ、家にはもう一つもランプなしになっちゃった?」

「うん、ひとつもなし。この台ランプだけが残っていた」

とおじいさんは、ひるま東一君が持出したランプを見ていった。

「損しちゃったね。四十七も誰かに持ってかれちゃって」

と東一君がいった。
423猫元気です ◆QHUMtA89T. :2007/07/16(月) 16:41:09 ID:U9Qf9I+r0
なんですかそれは 俺じゃありませんよ
424禿鷹 ◆aiSlHqUd2c :2007/07/16(月) 16:42:14 ID:9QyF6Qeq0
「うん損しちゃった。今から考えると、何もあんなことをせんでもよかったとわしも思う。岩滑新田に電燈がひけてからでも、まだ五十ぐらいのランプはけっこう売れたんだからな。
岩滑新田の南にある深谷なんという小さい村じゃ、まだ今でもランプを使っているし、ほかにも、ずいぶんおそくまでランプを使っていた村は、あったのさ。
しかし何しろわしもあの頃は元気がよかったんでな。思いついたら、深くも考えず、ぱっぱっとやってしまったんだ」

「馬鹿しちゃったね」
と東一君は孫だからえんりょなしにいった。
「うん、馬鹿しちゃった。しかしね、東坊――」
425本当にあった怖い名無し:2007/07/16(月) 16:43:15 ID:+MQsGVDJO
祭りと聞いて飛んできました!これはガチですな!
これから何が起るやらwktk
426禿鷹 ◆aiSlHqUd2c :2007/07/16(月) 16:43:24 ID:9QyF6Qeq0
とおじいさんは、きせるを膝の上でぎゅッと握りしめていった。

「わしのやり方は少し馬鹿だったが、わしのしょうばいのやめ方は、自分でいうのもなんだが、なかなかりっぱだったと思うよ。
わしの言いたいのはこうさ、日本がすすんで、自分の古いしょうばいがお役に立たなくなったら、すっぱりそいつをすてるのだ。
いつまでもきたなく古いしょうばいにかじりついていたり、自分のしょうばいがはやっていた昔の方がよかったといったり、
世の中のすすんだことをうらんだり、そんな意気地(いくじ)のねえことは決してしないということだ」

東一君は黙って、ながい間おじいさんの、小さいけれど意気のあらわれた顔をながめていた。
やがて、いった。

「おじいさんはえらかったんだねえ」
そしてなつかしむように、かたわらの古いランプを見た。

底本:「新美南吉童話集」岩波文庫、岩波書店
427猫元気です ◆QHUMtA89T. :2007/07/16(月) 16:43:53 ID:U9Qf9I+r0
祭りってなに
428禿鷹 ◆aiSlHqUd2c :2007/07/16(月) 16:44:09 ID:9QyF6Qeq0
中座

題名のない展覧会 〜二幕〜
429禿鷹 ◆aiSlHqUd2c :2007/07/16(月) 16:44:49 ID:9QyF6Qeq0
430禿鷹 ◆aiSlHqUd2c :2007/07/16(月) 16:45:24 ID:9QyF6Qeq0
431禿鷹 ◆aiSlHqUd2c :2007/07/16(月) 16:46:14 ID:9QyF6Qeq0
432本当にあった怖い名無し:2007/07/16(月) 16:46:44 ID:+MQsGVDJO
君の予言の話じゃないのかい?もしや僕釣られたの!?
ヒョーー恥ずかしいぜ!
433猫元気です ◆QHUMtA89T. :2007/07/16(月) 16:47:15 ID:50ZDO35KO
凛さんごめんなさい
434禿鷹 ◆aiSlHqUd2c :2007/07/16(月) 16:47:25 ID:9QyF6Qeq0
435禿鷹 ◆aiSlHqUd2c :2007/07/16(月) 16:48:09 ID:9QyF6Qeq0
436猫元気です ◆QHUMtA89T. :2007/07/16(月) 16:49:13 ID:50ZDO35KO
凛さん ごめんなさい
437本当にあった怖い名無し:2007/07/16(月) 16:52:12 ID:F83XYnsb0
VOW系だな
438本当にあった怖い名無し:2007/07/16(月) 16:52:14 ID:pL6xJ2XJO
>>430
テラハイリタスwwww
439禿鷹 ◆aiSlHqUd2c :2007/07/16(月) 16:55:32 ID:9QyF6Qeq0
第六話 

昔、ある街の町外れで大勢の乞食が集まって日なたぼっこしながら話しをしておりましたが、その中で一人の若い乞食が大きな声を出して申しました。

「おい、皆聞け。俺が昨夜、他家の軒下で寝ていると、白い着物を着た人が来て、俺について来いと云った。
おれは何でもこれは福の神に違いないと思って従いて行って見ると、この街の真中の四辻に来て神様は、
地面の上を指してそのまま消えてしまった。見るとそこには金剛石をはめた金の指環が……」
440猫元気です ◆QHUMtA89T. :2007/07/16(月) 16:56:09 ID:50ZDO35KO
凛さんごめんなさい
441本当にあった怖い名無し:2007/07/16(月) 17:05:35 ID:+MQsGVDJO
この崇拝模様からして凛さんは神様か何かですかね?
442本当にあった怖い名無し:2007/07/16(月) 17:09:16 ID:S5+frTB0O
>>421
元気すごいじゃん
443猫元気です ◆QHUMtA89T. :2007/07/16(月) 17:12:21 ID:U9Qf9I+r0
俺の書き込みじゃない 凛さん いないんですか
444猫元気です ◆QHUMtA89T. :2007/07/16(月) 17:15:55 ID:U9Qf9I+r0
凛さん ごめんなさい
445猫元気です ◆QHUMtA89T. :2007/07/16(月) 17:21:36 ID:U9Qf9I+r0
凛さん もうこないのかな 霊視してもらいたいのに
446禿鷹 ◆aiSlHqUd2c :2007/07/16(月) 17:26:13 ID:9QyF6Qeq0
とまだ話してしまわないうちに、横に居ったびっこの乞食が、持っていた松葉杖で、若い男の頭をコツンと打ちますと、若い男はウーンと云って引っくりかえりました。
乞食共は驚くまい事か、どうしたのかと聞きますと、跛はプンプン憤りながら、

「何、その指環は俺が或る金持ちから貰ったのを落したのだ。こん畜生は泥棒だ。俺は指環を取り返さなくちゃならない」
 
と云いながら、倒れた男を丸裸にして調べましたが、銅貨が二ツ三ツあったきりで他に何もありませんでした。
447禿鷹 ◆aiSlHqUd2c :2007/07/16(月) 17:27:27 ID:9QyF6Qeq0
最前から見ていた禿頭の紳士がありました。
この紳士はこの町で名高いけちん坊でしたが、つかつかと乞食の処に近よりまして、その若い男の死骸を買おうと申しました。

そして乞食仲間に少しばかりのお金を遣って、若い男の死骸を買い取って、馬車に乗せて家に持って帰りまして、自分の居間に寝かしてお医者を呼びにやりました。
そしてお医者が来ると禿紳士は、家(うち)中のものを皆遠ざけて、若い乞食の死骸を見せて、

極く内緒でこの死骸をズタズタに切って、金剛石(ダイヤモンド)の指環を探してくれと頼みました。
448禿鷹 ◆aiSlHqUd2c :2007/07/16(月) 17:28:32 ID:9QyF6Qeq0
お医者は驚いて、私はそんな恐ろしい事は出来ませぬと断りますと、禿紳士は大層おこって、それではお前も一緒に殺してしまうと云いますから、
仕方なしに承知して、それでは家に行って、人の身体(からだ)を切る器械を取って来てくれと頼みました。

すると紳士は医者を室に閉じこめて、外から鍵をかけて、自分で器械を取りに行きました。
449本当にあった怖い名無し:2007/07/16(月) 17:30:16 ID:+MQsGVDJO
禿紳士!w
wktk
450禿鷹 ◆aiSlHqUd2c :2007/07/16(月) 17:31:04 ID:9QyF6Qeq0
この様子を最前から窓かけの蔭に隠れて聞いていたのは、この禿紳士の娘と男の子でした。

二人はお父さんが出て行くと直に駈け出して、お医者の袖にすがって、この乞食を助けてくれと頼みました。
そして娘はお母様から頂いた金剛石(ダイヤモンド)入りの指環を出して、これをお父様に上げて下さいと申しました。
451禿鷹 ◆aiSlHqUd2c :2007/07/16(月) 17:33:19 ID:9QyF6Qeq0
お医者は涙を流して感心しました。そしていろいろ乞食を介抱しますと、上手なお医者ですから、間もなく生き返らしてしまいました。
その時にお父様の禿紳士は器械を片手に持ちながら、息を切らして帰って来ましたが、このていを見ると大層おこって、二人はどこから這入って来たかと叱りました。

その時お医者は一足進み出て、指環を紳士に見せながら申しました。
452本当にあった怖い名無し:2007/07/16(月) 17:33:55 ID:JJKVTbbvO
この人夜からいるけど徹夜?w
453禿鷹 ◆aiSlHqUd2c :2007/07/16(月) 17:35:21 ID:9QyF6Qeq0
「おこ様方は前からこの室においでになっておったのです。私はこの乞食を生かしました。そして飲み込んでいた指環を吐き出させました。
ですから何卒乞食の生命だけはお助け下されますように。この指環はあなたに差し上げます」

禿紳士がその指環を一眼見ると、誰の指環かという事がすぐにわかりました。
454本当にあった怖い名無し:2007/07/16(月) 17:35:50 ID:+MQsGVDJO
ものすごい執念を感じるw相当暇なんだなw
取りあえず俺この話で泣いた
455本当にあった怖い名無し:2007/07/16(月) 17:36:39 ID:9KZNkrOn0
必死チェッカーだんとつ一位のかたです
頭が高い
456猫元気です ◆QHUMtA89T. :2007/07/16(月) 17:37:39 ID:U9Qf9I+r0
雨ふってるの分からなくて洗濯物いれるのできなかった
457本当にあった怖い名無し:2007/07/16(月) 17:39:39 ID:+MQsGVDJO
どんまいだ
458本当にあった怖い名無し:2007/07/16(月) 17:39:52 ID:Q5UzUImUO
凛です
459猫元気です ◆QHUMtA89T. :2007/07/16(月) 17:40:38 ID:U9Qf9I+r0
凛さん すいません見落として嫌なこといってしまいました これからも
よろしくお願いします
460本当にあった怖い名無し:2007/07/16(月) 17:41:11 ID:Q5UzUImUO
お断りです
461本当にあった怖い名無し:2007/07/16(月) 17:41:39 ID:S5+frTB0O
>>443
予言のことだよ。地震と台風、長野から新潟〜の。元気じゃないの?
462猫元気です ◆QHUMtA89T. :2007/07/16(月) 17:42:28 ID:U9Qf9I+r0
偽物凛さんだな どっかいけ 俺の予言じゃないよ
463本当にあった怖い名無し:2007/07/16(月) 17:44:42 ID:S5+frTB0O
そっか、ごめん。私は、通りすがり。消えるね。
464猫元気です ◆QHUMtA89T. :2007/07/16(月) 17:45:44 ID:U9Qf9I+r0
とっとととおりすがり消えろクズ 人間のゴミ
465本当にあった怖い名無し:2007/07/16(月) 17:45:48 ID:Q5UzUImUO
そう言う態度だからお断りなんです
466本当にあった怖い名無し:2007/07/16(月) 17:45:48 ID:+MQsGVDJO
実は私が凛です
467猫元気です ◆QHUMtA89T. :2007/07/16(月) 17:47:33 ID:U9Qf9I+r0
誰が凛さんか分からん IDがさっきと同じじゃなきゃしんじない
468本当にあった怖い名無し:2007/07/16(月) 17:48:19 ID:+MQsGVDJO
あれ?本物が二人…
さぁてどっちかな?
469本当にあった怖い名無し:2007/07/16(月) 17:49:09 ID:JJKVTbbvO
皆読んでるのかw俺は前スレの芝原の話の途中でギブアップだ
禿鷹も読者もガンバレw
470禿鷹 ◆aiSlHqUd2c :2007/07/16(月) 17:49:29 ID:9QyF6Qeq0
そしてそれと一所に自分の子供の美しい心がわかりまして、今までの自分の悪い行いを後悔しました。

禿紳士はお医者に沢山のお礼を遣り、若い乞食を初め大勢の乞食を集めて、いろいろのものを遣って御馳走をしました。
二人の子供にも御褒美(ごほうび)をやった事は申すまでもありませぬ。その時に禿紳士は若い乞食に向って申しました。
471禿鷹 ◆aiSlHqUd2c :2007/07/16(月) 17:50:41 ID:9QyF6Qeq0
「拾ったものは返さなくてはいけない。指環はどこに隠してあるのか」
若い乞食は頭をかきかき答えました。

「あれは本当の事では御座いませぬ。夢の話をしていたのにこやつが私の頭をなぐったのです」

と横に居る跛を指しました。跛も顔を真赤にして頭を掻きながら、

「私も夢で指環を落したのですが、此奴が夢の中で同じ所で拾ったのならば、きっと私のに違いないと思うと、急に腹が立ちましたからなぐり付けたのです」

と申しましたから、皆腹を抱えて笑いました。
472本当にあった怖い名無し:2007/07/16(月) 17:51:51 ID:+MQsGVDJO
な、なにを申した?
wktkがとまらん
473猫元気です ◆QHUMtA89T. :2007/07/16(月) 17:52:14 ID:U9Qf9I+r0
凛さん きてください
474禿鷹 ◆aiSlHqUd2c :2007/07/16(月) 17:52:37 ID:9QyF6Qeq0
けれども禿紳士は笑わないで申しました。

「お前達の夢は正夢であった。御蔭で俺は善人になる事が出来た」

「じゃ、あの神様は本当の神様だったかしら」

と若い乞食が申しました。

「いや、神様はここに居る。この二人の子供が俺の心を直した本当の神様だ」


と云って紳士は二人を抱き上げました。乞食共は一時に万歳を叫びました。


底本:「夢野久作全集1」ちくま文庫、筑摩書房
475本当にあった怖い名無し:2007/07/16(月) 17:52:54 ID:+MQsGVDJO
早くPCで見たいぜ!
476本当にあった怖い名無し:2007/07/16(月) 17:54:12 ID:WKrEdJQw0
人を罵倒する前に過去ログ読め
予言のことといい凛さんのことといい・・・
あやまればいいってもんじゃないんだぞ?
発言するってことにはそれ相応の責任ってもんがあるんだよ
予言だって君の発言じゃんか
透視しますって
477禿鷹 ◆aiSlHqUd2c :2007/07/16(月) 17:54:35 ID:9QyF6Qeq0
中座

題名のない展覧会 〜第三幕〜
478本当にあった怖い名無し:2007/07/16(月) 17:54:36 ID:Q5UzUImUO
まずは自分を省みなさい
479禿鷹 ◆aiSlHqUd2c :2007/07/16(月) 17:55:35 ID:9QyF6Qeq0
480本当にあった怖い名無し:2007/07/16(月) 17:55:39 ID:fy0xtAsg0
凛さんに生霊飛ばすなよ
481禿鷹 ◆aiSlHqUd2c :2007/07/16(月) 17:56:13 ID:9QyF6Qeq0
482禿鷹 ◆aiSlHqUd2c :2007/07/16(月) 17:56:44 ID:9QyF6Qeq0
483猫元気です ◆QHUMtA89T. :2007/07/16(月) 17:56:57 ID:U9Qf9I+r0
地震と台風は俺がいったんじゃない 凛さん 以外くるんじゃねえ豚
484禿鷹 ◆aiSlHqUd2c :2007/07/16(月) 17:57:21 ID:9QyF6Qeq0
485本当にあった怖い名無し:2007/07/16(月) 17:57:33 ID:WKrEdJQw0
人に言われなければ相手の発言に気づかず罵倒するのにえらくなったもんだ
486禿鷹 ◆aiSlHqUd2c :2007/07/16(月) 17:58:33 ID:9QyF6Qeq0
487本当にあった怖い名無し:2007/07/16(月) 17:59:59 ID:WrlRyS+K0
予言なんかしてないんだろ
488本当にあった怖い名無し:2007/07/16(月) 18:02:14 ID:+MQsGVDJO
菊地 凛 子 です
489本当にあった怖い名無し:2007/07/16(月) 18:04:48 ID:Q5UzUImUO
用がないなら帰ります
490猫元気です ◆QHUMtA89T. :2007/07/16(月) 18:06:48 ID:U9Qf9I+r0
凛さんまってください 心配してください
491本当にあった怖い名無し:2007/07/16(月) 18:07:12 ID:fy0xtAsg0
www 心配してください
492禿鷹 ◆aiSlHqUd2c :2007/07/16(月) 18:09:08 ID:9QyF6Qeq0
新章


「キキキ……ケエケエケエ……キキキキッ」

形容の出来ない奇妙な声が、突然に聞こえて来たので、座敷中皆シンとなった。
それはこの上もないめでたい座敷であった。

甘川家の奥座敷。十畳と十二畳続きの広間に紋付(もんつき)袴の大勢のお客が、酒を飲んでワイワイ云っていた。
奇妙な謡曲を謡う者、流行節を唄い唄い座ったまま躍り出しているもの……

不安とか、不吉とかいう影のミジンも映していない、醇朴(じゅんぼく)そのもののような田舎の人々の集まりであった。

それが皆、突然にシンとしてしまったのであった。
493禿鷹 ◆aiSlHqUd2c :2007/07/16(月) 18:11:11 ID:9QyF6Qeq0
「……何じゃったろかい。今の声は……」

「ケダモノじゃろか」

「鳥じゃろか」

「猿と人間と合の子のような……」

「……春先はもずは啼かん筈じゃが……」

皆、その声の方向に顔を向けて耳を澄ました。
二間の床の間に探幽の神農様と、松と竹の三幅対。

その前に新郎の当主甘川澄夫と、新婦の初枝。

その右の下手に新郎の親代りの村長夫婦。
その向い側には嫁女(よめじょ)の実父で、骨董品然と痩せこけた山羊鬚の頓野(とんの)羊伯と、その後妻の肥った老人。
494禿鷹 ◆aiSlHqUd2c :2007/07/16(月) 18:12:35 ID:9QyF6Qeq0
仲人役の郡医師会長、栗野医学博士夫妻は、流石にスッキリしたフロックコートに丸髷紋服で、西日の一パイに当った縁側の障子の前に坐っていた。

その他、村役場員、駐在所員、区長、消防頭、青年会長、同幹事といったような、村でも八釜(やかま)しい老若が一ダースばかり下座に頑張って、
所狭しと並んだ田舎料理を盛んにパク付いては、氏神様から借りて来た五合、一升、一升五合入の三組の大盃を廻わしている。

皆相当酔っているとはいうものの、まだ、ほんの序の口といってもいい座敷であった。
495猫元気です ◆QHUMtA89T. :2007/07/16(月) 18:13:04 ID:U9Qf9I+r0
凛さんいないんですか
496本当にあった怖い名無し:2007/07/16(月) 18:13:46 ID:n3RbS/mw0
凛です、今日は霊視しませんよ。
497禿鷹 ◆aiSlHqUd2c :2007/07/16(月) 18:13:59 ID:9QyF6Qeq0
縁側の障子際に坐っている仲人役の栗野博士夫妻は最前からしきりに気をもんで、新郎新婦に席を外させようとしていたが、田舎の風俗に慣れない新郎の澄夫が、モジモジしている癖にナカナカ立ちそうになかった。

やっと立上りそうな腰構えになると又も、盃を頂戴に来る者がいるので又も尻を落付けなければならなかった。
そうして、やっと盃が絶えた機会を見計って本気に立上ろうとしたところへ、今一度前と違った奇怪な叫び声が聞こえたので、又もペタリと腰を卸したのであった。



「アワアワアワ……エベエベ……エベ……」
498本当にあった怖い名無し:2007/07/16(月) 18:17:52 ID:Q5UzUImUO
偽者扱いしておいて何言ってるんですか
499猫元気です ◆QHUMtA89T. :2007/07/16(月) 18:19:52 ID:U9Qf9I+r0
凛さん分かりました みすてないでくださいね
500本当にあった怖い名無し:2007/07/16(月) 18:21:16 ID:KyRJ2vlm0
>>499
呼んだ?
テレパシーみたいなの感じたけど・・このスレ?
501本当にあった怖い名無し:2007/07/16(月) 18:22:20 ID:n3RbS/mw0
??たまにしかここを見れませんよ。私は働いてますから。
次スレも、このペースだと探すことも出来なくなるので、あてにしないで下さい。
一応、探しますけど。
502猫元気です ◆QHUMtA89T. :2007/07/16(月) 18:22:43 ID:U9Qf9I+r0
>>496凛さん 見捨てないでくださいね
503本当にあった怖い名無し:2007/07/16(月) 18:23:49 ID:KyRJ2vlm0
>>502

見捨てないよ。
504本当にあった怖い名無し:2007/07/16(月) 18:25:17 ID:fy0xtAsg0
(゚Д゚)凛さん 元気に疲れちゃったねw
505本当にあった怖い名無し:2007/07/16(月) 18:26:09 ID:n3RbS/mw0
私以外にも見守ってくれる人がいますね。
安心してください。
506本当にあった怖い名無し:2007/07/16(月) 18:26:08 ID:grtDo5E00
ちょうど基地外二人で話しがあったんだから、他へ移動しろ。馬鹿凛と馬鹿元気でチャットでもメッセでもなんでもやれ!
死ね凛てめーはいつも糞なんだよ
507猫元気です ◆QHUMtA89T. :2007/07/16(月) 18:37:40 ID:50ZDO35KO
凛さんからカルピスみたいなミルク色の水色のイメージがくる
508本当にあった怖い名無し:2007/07/16(月) 18:40:48 ID:KyRJ2vlm0
>>507
猫呪ったの?   

真ん中が悦んでるよ。。。。。


ヤヴァクない?


509本当にあった怖い名無し:2007/07/16(月) 18:41:45 ID:n3RbS/mw0
水色のコップで水分補給してますよ。
510語り部:2007/07/16(月) 18:41:47 ID:z96wuAUd0
でたよwww勝手に妄想wwww
511猫元気です ◆QHUMtA89T. :2007/07/16(月) 18:41:53 ID:50ZDO35KO
なにもしつてないよ 禿鷹は呪ったけど
512本当にあった怖い名無し:2007/07/16(月) 18:43:32 ID:n3RbS/mw0
わたしにいい事はありますか?猫元気さん
513本当にあった怖い名無し:2007/07/16(月) 18:44:40 ID:KyRJ2vlm0
>>511


真ん中が増幅してるよ。



どうする?


514猫元気です ◆QHUMtA89T. :2007/07/16(月) 18:45:39 ID:U9Qf9I+r0
いい事はないかもしれない なにか笑顔なんだけどそれは幸せの笑顔じゃない
運命なのかもしれないけどいい事がないかもしれない これから先ずっと
凛さんは弱いながらも柱みたいな信念をもってる
515猫元気です ◆QHUMtA89T. :2007/07/16(月) 18:46:51 ID:U9Qf9I+r0
真ん中ってなに? 呪ってるとき1回呪うイメージしておもっきり縄で
しばりつけて 2回めやろうとしたら胸が少し苦しくなってやめたんだけど
真ん中増幅ってなに?
516本当にあった怖い名無し:2007/07/16(月) 18:47:08 ID:n3RbS/mw0
そうげすか。ちょっと残念です。明日は仕事の転換期なんですよ。
517本当にあった怖い名無し:2007/07/16(月) 18:48:05 ID:yUdtkwin0
ここの>>1さんが予言してくれると聞いて飛んできました
518本当にあった怖い名無し:2007/07/16(月) 18:48:32 ID:KyRJ2vlm0
>>515
「呪え!呪え!」つて囁くヤツだよ。


519猫元気です ◆QHUMtA89T. :2007/07/16(月) 18:50:40 ID:U9Qf9I+r0
>>518さん そんなの知りません 
凛さん もうちょっと解放的な考えになれば変わるよ 背伸びして手のばして
やるような 今の凛さんの考えは自分を不幸にするみたいだよ
520本当にあった怖い名無し:2007/07/16(月) 18:53:17 ID:n3RbS/mw0
解放的にですか、ちょっと痛いですね。猫元気さんに励まされてる。
ありがとうございます。猫元気さんに幸福が訪れますように。
521猫元気です ◆QHUMtA89T. :2007/07/16(月) 18:54:32 ID:U9Qf9I+r0
俺に励まされるのが痛いんですか? 言ってることはずれてますか
522本当にあった怖い名無し:2007/07/16(月) 18:56:02 ID:KyRJ2vlm0
>>519
そんなの知りませんって・・・・じゃ自分の意思で
呪ったの?



523本当にあった怖い名無し:2007/07/16(月) 18:56:10 ID:n3RbS/mw0
当たってるとかじゃなくて、励ましになりましたよ。
私だって落ち込む時もありますから。
524美樹:2007/07/16(月) 18:56:49 ID:GkIwEclcO
私を視てみてほしいです。近いうちに何かおこる事ありますか?幸せになりたいです
525本当にあった怖い名無し:2007/07/16(月) 18:57:49 ID:yUdtkwin0
すごい能力者なんだってねここの>>1
今回の地震も当てたんだってね
まじすごい 尊敬する
526猫元気です ◆QHUMtA89T. :2007/07/16(月) 18:59:18 ID:50ZDO35KO
凛さん おれることを覚えてください心的に
527本当にあった怖い名無し:2007/07/16(月) 19:00:12 ID:n3RbS/mw0
おれることってなんですか?
528猫元太です ◇QHUMtA89T.:2007/07/16(月) 19:03:43 ID:wz97p68B0
>>525
元気が言っても説得力無さすぎる件
529猫元太です ◇QHUMtA89T.:2007/07/16(月) 19:05:03 ID:wz97p68B0
>>526だった ☆ミ
530本当にあった怖い名無し:2007/07/16(月) 19:06:54 ID:zZX6TtAlO
なにこのンコスレ
531本当にあった怖い名無し:2007/07/16(月) 19:06:58 ID:z96wuAUd0
言葉を知っていても意味を説明できない
そんな処だろ
532本当にあった怖い名無し:2007/07/16(月) 19:07:29 ID:grtDo5E00
凛とかいう馬鹿はウミガメのスレから出てくんな!糞元気もそっちに連れてけカス!!
533猫元太です ◇QHUMtA89T.:2007/07/16(月) 19:07:52 ID:wz97p68B0
今日の見所は巻の存在感の無さ
534猫元気です ◆QHUMtA89T. :2007/07/16(月) 19:13:15 ID:U9Qf9I+r0
凛さん なにかものすごくあなたは行きすぎてる考え的に もうちょっと
コントロールしたほうがいい いかなくていい考えまでいきすぎて 不幸を
よせつけるよ 
535本当にあった怖い名無し:2007/07/16(月) 19:13:59 ID:z96wuAUd0
おれることの説明しろよ
536猫元気です ◆QHUMtA89T. :2007/07/16(月) 19:15:08 ID:U9Qf9I+r0
折れることの意味 ときにはぐにゃーん みたいに心?気?みたいなのをのほほん
としてください 難しいイメージはくるんだけどよく分からないでも この言葉で
いいと思う
537本当にあった怖い名無し:2007/07/16(月) 19:15:27 ID:zZX6TtAlO
猫元気
538本当にあった怖い名無し:2007/07/16(月) 19:16:13 ID:z96wuAUd0
あぁ、やっぱコイツただのバカだ
小学生?
539猫元気です ◆QHUMtA89T. :2007/07/16(月) 19:16:30 ID:U9Qf9I+r0
>>522さん 俺がなんで呪ったって分かったの?じゃあ俺は呪う力が本当にあるんだね
540本当にあった怖い名無し:2007/07/16(月) 19:16:55 ID:yUdtkwin0
透視を何度も的中させた猫元気さんに透視してもらいたいです
541猫元気です ◆QHUMtA89T. :2007/07/16(月) 19:18:14 ID:U9Qf9I+r0
すいません今は透視する気ないです これからもする予定はありません
542本当にあった怖い名無し:2007/07/16(月) 19:18:52 ID:QWBiRQso0
透視する能力が欲しいわ・・。
543本当にあった怖い名無し:2007/07/16(月) 19:19:05 ID:z96wuAUd0
どうせ明日になれば勝手に偽透視しだすよ
544本当にあった怖い名無し:2007/07/16(月) 19:19:32 ID:yUdtkwin0
>>541
じゃあ猫さんが気が向いた時でいいです
気分のいいときなら透視してもらえることはありますか?
545猫元気です ◆QHUMtA89T. :2007/07/16(月) 19:19:34 ID:U9Qf9I+r0
いっときますが地震を当てたのは俺じゃありませんまちがえないでください
546猫元気です ◆QHUMtA89T. :2007/07/16(月) 19:20:23 ID:U9Qf9I+r0
>>544さん なにを透視してもらいたいの? 性別と年齢教えてください
547猫元気です ◆QHUMtA89T. :2007/07/16(月) 19:21:24 ID:U9Qf9I+r0
呪いができるなら人を幸せにできる気みたいなのも送れるかな? 凛さんやってみます
霊が見えるなら俺のもみえるかも? 俺が本当にできているなら やってみます
548本当にあった怖い名無し:2007/07/16(月) 19:22:33 ID:XM49MyR+0
猫元気さんがんばって
549本当にあった怖い名無し:2007/07/16(月) 19:23:01 ID:yUdtkwin0
>>546
ありがとう
女26歳です。転職のこと聞きたいです。 
550本当にあった怖い名無し:2007/07/16(月) 19:24:22 ID:z96wuAUd0
541 :猫元気です ◆QHUMtA89T. :2007/07/16(月) 19:18:14 ID:U9Qf9I+r0
すいません今は透視する気ないです これからもする予定はありません

546 :猫元気です ◆QHUMtA89T. :2007/07/16(月) 19:20:23 ID:U9Qf9I+r0
>>544さん なにを透視してもらいたいの? 性別と年齢教えてください


約2分で終了
流石嘘つき元気
551猫元気です ◆QHUMtA89T. :2007/07/16(月) 19:25:48 ID:U9Qf9I+r0
凛さん やってみました 薄いピンクの柔らかい物で凛さんをつつんでみました
それと心をリフレッシュする事もやってみました できとるのかな本当に

552本当にあった怖い名無し:2007/07/16(月) 19:26:36 ID:z96wuAUd0
飽きた
553本当にあった怖い名無し:2007/07/16(月) 19:26:38 ID:t9txcEfG0
猫さん、私はどうしたら幸せを感じられますか?
今の仕事はがんばって続けたら楽しくなりますか?
554蝦人 ◆as1mg4Nm26 :2007/07/16(月) 19:28:27 ID:Vkea1TzY0
>>553
それスレヌシが知りたいっていつも喚いてることだから
喚いてる人に訊いてわかるわけないから
555猫元気です ◆QHUMtA89T. :2007/07/16(月) 19:28:35 ID:U9Qf9I+r0
>>549さん 赤色がみえたさくらんぼと濃い真っ赤な赤 結構楽天家みたい
転職は多分いいんじゃないのかな 新しい事にたいしてとりつくのはうまい
から 転職したらかならず良いとかは分からないけど 新しい物にたいしての違和感
みたいなのが感じれない うまく付き合っていけるみたいだよ新しい物とは
それはあなたの明るい心や笑顔からきてると思う
556本当にあった怖い名無し:2007/07/16(月) 19:28:40 ID:yUdtkwin0
>>550
いいんです。猫さんに透視してもらえたら嬉しいんですから。
557本当にあった怖い名無し:2007/07/16(月) 19:29:14 ID:n3RbS/mw0
ウミガメのスレ??
>>532
私は別人ですよ。
558猫元気です ◆QHUMtA89T. :2007/07/16(月) 19:31:08 ID:U9Qf9I+r0
>>553さん やる気ないと書いてあります やる予定はありません 理由は気分が
そんなものじゃないからです
559本当にあった怖い名無し:2007/07/16(月) 19:31:18 ID:n3RbS/mw0
猫元気さん、励ましありがとう。
あなたが幸福になりますように。
560本当にあった怖い名無し:2007/07/16(月) 19:31:59 ID:z96wuAUd0
600ゲトー
561猫元気です ◆QHUMtA89T. :2007/07/16(月) 19:32:25 ID:U9Qf9I+r0
凛さん 俺の言ってる事は実感できましたか? それと気みたいなのきましたか?
のろいができるとしたら こんなのも出来るのかなって思ってやってみた
562本当にあった怖い名無し:2007/07/16(月) 19:33:12 ID:z96wuAUd0
スレ間違えた
563本当にあった怖い名無し:2007/07/16(月) 19:35:11 ID:n3RbS/mw0
んーちょっと来てるかもw
幸せになれましたよ。
のろいは自分に帰るのでやめましょうね。

お風呂ははいります。では。
564本当にあった怖い名無し:2007/07/16(月) 19:35:15 ID:yUdtkwin0
>>555
ありがとうございます!
楽天家っていうのすごく当たってると思います
私よくマイペースで悩み少ないって言われます

透視・・噂以上にすごいですね!ありがとうございました
565本当にあった怖い名無し:2007/07/16(月) 19:35:19 ID:C0a5RFUFO
六百超えたか
第二段がはじまるよ
566本当にあった怖い名無し:2007/07/16(月) 19:35:56 ID:z96wuAUd0
どんな噂だよwwwww
567本当にあった怖い名無し:2007/07/16(月) 19:36:26 ID:KyRJ2vlm0
>>539

何で呪ったの?


568猫元気です ◆QHUMtA89T. :2007/07/16(月) 19:37:48 ID:U9Qf9I+r0
凛さん 本当ですか?良かったです 本当なのかなこんな事やったことないから
分からない 幸せになったんですか?分からないですが良かった
569猫元気です ◆QHUMtA89T. :2007/07/16(月) 19:38:37 ID:U9Qf9I+r0
>>567さん 身勝手なやつが嫌だから本気でやってみた
570本当にあった怖い名無し:2007/07/16(月) 19:38:39 ID:yUdtkwin0
>>568
透視とかの能力って生まれつきのものなんですか?
それともどこかで修行されたんですか?
571猫元太です ◇QHUMtA89T.:2007/07/16(月) 19:39:49 ID:wz97p68B0
偽教祖誕生の瞬間に立ち会えた
572猫元気です ◆QHUMtA89T. :2007/07/16(月) 19:40:39 ID:U9Qf9I+r0
>>570さん 生まれつきなのかな 小さい頃はなんとなく分かる程度だった
気がする 無感情人間とか自分の中で分かってた この人あんま人の事
考えないな〜って分かる 修行はしてないよ 傷つくうちにみについたと
思う多分
573本当にあった怖い名無し:2007/07/16(月) 19:41:33 ID:C0a5RFUFO
九時にははじまるかな?
574本当にあった怖い名無し:2007/07/16(月) 19:41:37 ID:XM49MyR+0
猫さん今は不安じゃない??
575本当にあった怖い名無し:2007/07/16(月) 19:41:46 ID:z96wuAUd0
>>570
マジレスすると鍛えれば見れるらしい
ただ、人によって向き不向きがある
あと、人は全員能力を持ってるけど、開花してないだけ
オレは予知能力だったorzいらねーよ!こんな能力!!!!
576猫元気です ◆QHUMtA89T. :2007/07/16(月) 19:42:16 ID:U9Qf9I+r0
凛さん呪いはもうやめる 意識とイメージだけでできるものなんだすごいや
さくらんぼさん 良かったですね
577本当にあった怖い名無し:2007/07/16(月) 19:43:52 ID:QWBiRQso0
俺が無感情人間とかわかるのかな?
まあ多分俺は無感情人間なはず・・orz
578本当にあった怖い名無し:2007/07/16(月) 19:44:16 ID:yUdtkwin0
>>572
やっぱり霊能力や透視能力って生まれつきなんですね

>>575
予知能力があるんですか?
では今回の災害のことも?
579本当にあった怖い名無し:2007/07/16(月) 19:45:59 ID:QWBiRQso0
どうやって鍛えれば開花できるんですかね・・?
580猫元気です ◆QHUMtA89T. :2007/07/16(月) 19:46:47 ID:U9Qf9I+r0
透視で分かる事を書いときます 俺の能力は低いですが 例えばなにが入ってる
?とか分からない 人間的なものの事しか分からないです

人間の中に悪い人はいない どこかで曲がってどこかでその考えが構成されるだけ
人は素直になれば物凄く良く思えるし思いあえる 
581本当にあった怖い名無し:2007/07/16(月) 19:48:30 ID:z96wuAUd0
>>578
予知っていっても幅が広いから…
他人の未来が見える人とか大きな事件・出来事の未来が見える人とか…

オレは自分の未来しか見れない。だからいらない!
念動力がよかったorz
582蝦人 ◆as1mg4Nm26 :2007/07/16(月) 19:48:34 ID:Vkea1TzY0
あーかゆいかゆいかゆいぞ〜(|||´ω`)オゾゾゾゾゾ
583猫元気です ◆QHUMtA89T. :2007/07/16(月) 19:49:34 ID:U9Qf9I+r0
暇人さんどうしたんですか
584本当にあった怖い名無し:2007/07/16(月) 19:49:59 ID:KyRJ2vlm0
>>569
呪えばそれ相当、又はその倍還って来る。


知ってた?


585本当にあった怖い名無し:2007/07/16(月) 19:50:22 ID:z96wuAUd0
>>574
トランプの絵柄でも当てるところから始め
586蝦人 ◆as1mg4Nm26 :2007/07/16(月) 19:50:50 ID:Vkea1TzY0
>>583
いや? 心が曲がってるからもまいのまっすぐな発言がかゆくて堪らないだけだほっといてくれ。
587本当にあった怖い名無し:2007/07/16(月) 19:50:58 ID:fy0xtAsg0
>>582
体がかゆい?
588猫元気です ◆QHUMtA89T. :2007/07/16(月) 19:51:01 ID:U9Qf9I+r0
>>584さん なにが還ってくるんですか? 怖いです 俺には能力本当にあるの?
589本当にあった怖い名無し:2007/07/16(月) 19:51:40 ID:z96wuAUd0
>>585
安価ミス
>>574×
>>579
590猫元気です ◆QHUMtA89T. :2007/07/16(月) 19:52:19 ID:U9Qf9I+r0
トランプとかでみにつける透視は良くないよ 汚い部分があるから 
591本当にあった怖い名無し:2007/07/16(月) 19:52:28 ID:KyRJ2vlm0
>>588
能力?真ん中が操ってるだけじゃない?



592猫元気です ◆QHUMtA89T. :2007/07/16(月) 19:53:10 ID:U9Qf9I+r0
俺には能力ないの? 
593本当にあった怖い名無し:2007/07/16(月) 19:53:41 ID:z96wuAUd0
>>590
あのさ〜
アメリカの超能力捜査官の初期訓練を否定するだけの証拠あんの?
てか、それならお前なんか訓練法言ってみろよ
594蝦人 ◆as1mg4Nm26 :2007/07/16(月) 19:53:44 ID:Vkea1TzY0
>>587
背中のあたりがむずむずする。
595本当にあった怖い名無し:2007/07/16(月) 19:54:35 ID:h2pFtvmkO
元気が怖い…何でだろう
596本当にあった怖い名無し:2007/07/16(月) 19:54:47 ID:yUdtkwin0
>>580
それだけわかればすごいですよ!
わたし透視なんて、芸能人にでもならなきゃ
一生してもらえることないと思ってたから嬉しかったです!!
ありがとうございます

>>581
オカ板ってあまり来た事ないんですけど
こんなに透視や予知能力を持った人がいっぱいいるんですね
すごいです!なんか自分の日常と違いすぎて戸惑ってしまうw
597猫元気です ◆QHUMtA89T. :2007/07/16(月) 19:55:37 ID:U9Qf9I+r0
やればいいじゃんトランプでご勝手にやれよ豚
598猫元気です ◆QHUMtA89T. :2007/07/16(月) 19:56:26 ID:U9Qf9I+r0
汚い心になれよトランプ使って訓練 多分能力ある人は分かると思うよ汚いのが
みにつくって 予知とかひっこんでろよハゲ
599蝦人 ◆as1mg4Nm26 :2007/07/16(月) 19:57:10 ID:Vkea1TzY0
>>596
……('A`)つ スレタイ検索 キーワード:霊視




ああ、釣りか。マジレスしてすまんかった。
600猫元気です ◆QHUMtA89T. :2007/07/16(月) 19:57:36 ID:U9Qf9I+r0
未来は1秒でも1分でも変わるんだよ人の意識と考えで
601本当にあった怖い名無し:2007/07/16(月) 19:58:39 ID:h2pFtvmkO
元気の言葉勇気が湧くな
602蝦人 ◆as1mg4Nm26 :2007/07/16(月) 19:59:58 ID:Vkea1TzY0
きれいな心の人が ひっこんでろよハゲ とか
豚 とか
クズ野郎 とか
不幸にしてやるよ とか言うんだ〜('A`)つ∩へぇ〜 へぇ〜
603本当にあった怖い名無し:2007/07/16(月) 20:00:27 ID:QWBiRQso0
元気は1秒でも1分でも変わるんだよ人の意識と考えで
604本当にあった怖い名無し:2007/07/16(月) 20:00:53 ID:z96wuAUd0
元気に能力がるとしたらリトロコグニションであって透視じゃない
605本当にあった怖い名無し:2007/07/16(月) 20:01:10 ID:QWBiRQso0
一気に元気のイメージが変わった俺です・・。
606本当にあった怖い名無し:2007/07/16(月) 20:01:43 ID:h2pFtvmkO
元気透視してもらえないかな?
俺、何か気分の沈みが激しかったり何か直さないといけない気がするんだ。
607本当にあった怖い名無し:2007/07/16(月) 20:02:32 ID:KyRJ2vlm0
>>592
能力が有るか無いかは、呪ったモノがそのまんま
その倍に呪いが還ってきたら解る事。



その時判断したら・・・・・



608本当にあった怖い名無し:2007/07/16(月) 20:02:36 ID:yUdtkwin0
猫さんって生神様のような人ですね
透視でお金取ろうとか思わないんですか?
609禿鷹 ◆aiSlHqUd2c :2007/07/16(月) 20:03:21 ID:pv/Rhm3y0
「何じゃい。アレ唖(おし)ヤンの声じゃないかい」

「唖ヤンの非人が何か貰いに来とるんじゃろ」

「ウン。お玄関の方角じゃ」

「ああ、ビックリした。俺はまた生きた猿の皮を剥(は)ぎよるのかと思うた」

「……シッ……猿ナンチ事云うなよ」
610本当にあった怖い名無し:2007/07/16(月) 20:03:23 ID:z96wuAUd0
>>602
同意

そうやって聖人ぶってろ豚!
また太ったんだろ?豚!痩せるとか言って無かったか?豚!
腐れ神父?だっけ?アイツも頭に来るがお前はそれ以上だな!豚野郎!
611禿鷹 ◆aiSlHqUd2c :2007/07/16(月) 20:04:30 ID:pv/Rhm3y0
そんな会話を打消すように末席から一人の巨漢が立上って来た。

「なあ花婿どん。イヤサ若先生。花嫁御はシッカリあんたに惚れて御座るばい」

そう云ううちに新郎の前へ一升入の大盃を差突けたのはこの村の助役で、村一番の大酒飲の黒山伝六郎であった。
見るからに血色のいい禿頭の大入道で、澄夫の膳の向うにおおあぐらをかいた武者振は堂々たるものであったが、袴の腰板を尻の下に敷いているので、花嫁の初枝が気が附くと真赤になって下を向いた。
612禿鷹 ◆aiSlHqUd2c :2007/07/16(月) 20:06:05 ID:pv/Rhm3y0
澄夫はうやうやしく大盃をおしいただいたが、伝六郎がありあう熱燗を丸三本分逆様にしたので、飲み悩んだらしく下に置いて口を拭いた。

伝六郎は両肱を張って眼を据えた。
座敷中に響き渡るのてんごえを出した。

「なあ若先生。イヤサ澄夫先生。惚れとるのは花嫁御ばかりじゃないばい。村中の娘が総体に惚れとる。
俺でも惚れとる。なあ。この村で初めての学士様じゃもの。しかも優等の銀時計様ちうたら日本にたった一人じゃもの……
なあ。学問ばっかりじゃない。テニスとかペニスとかいうものは学校でも一番のチャンポンとかチンポンとかいう位じゃげな」
613猫元太です ◇QHUMtA89T.:2007/07/16(月) 20:07:10 ID:wz97p68B0
おかえり禿鷹
614禿鷹 ◆aiSlHqUd2c :2007/07/16(月) 20:07:16 ID:pv/Rhm3y0
仲人の郡医師会長夫妻と、頓野老夫婦と、新郎新婦が、腹を抱えて笑い出した。
下座の方の若い連中が又続いて大声でゲラゲラ笑い初めたので、伝六郎はその方に入道首をねじ向けて舌なめずりをした。


「……何かい。何が可笑しかい。俺の英語が何が可笑しい。まだまだ知っとるぞ畜生。なあ頓野先生。そうじゃろがなあ。男ぶりチウタならトーキー活動のロイドよりも、まっとまっとええ男じゃしなあ。
阪妻でも龍之介でもおいつかん。トーキー及ばんチウ言葉は、これから初まったゲナ……ええ。笑うな笑うな。貴様達はトーキー活動ちうものをば見た事があるか。
あるめえが。この世間知らずの山猿どもが。キングコングの垂れ粕どもが……」
615猫元気です ◆QHUMtA89T. :2007/07/16(月) 20:07:39 ID:U9Qf9I+r0
未来っとゆうのは線路で表すと 今生きている線路のうえにある線路 だから未来
とかは現状においてのいきさつを当てるものみたいなもの 数学を解いてる人が透視を
受ける側で 数学の裏の答えをみてそれを教えるのが透視する人 でもそれは現状においての
未来透視でしかすぎないのであって その人が意味分からないことをすれば
未来はかならず変わる 例えば受験合格するっていわれたのに 適当に試験うけて自分で落ちることも
できる 
616本当にあった怖い名無し:2007/07/16(月) 20:09:02 ID:yUdtkwin0
禿鷹 ◆aiSlHqUd2cさん邪魔です

みんなが猫さんから元気を頂いてるときに
邪魔するなんて最低ですよ!
617禿鷹 ◆aiSlHqUd2c :2007/07/16(月) 20:09:37 ID:pv/Rhm3y0
「アハハハ……もうわかったわかった。もう止めてくれ給え伝六君。腹の皮が捩じ切れる。アハハハハ……」

「オホホホホホホホホホ」

「まあ、そう云わっしゃるな。その盃をばツーッと一つ片付けさっしゃい。なあ若先生。俺あ要らん事は一つも云いよらん。

皆に云うて聞かせよるとこじゃ。なあ……若先生は村でタッタ一人のお医者様じゃ。しかしこげな山の中の素寒貧村には過ぎた学士様じゃ。

先代の仲伯先生も云うちゃ済まんが、学校は出ちゃ御座らん漢方の先生じゃ。

今度の医師会長のお世話で、隣村の頓野先生のお嬢さん……しかも女学校をば一番で卒業さっしゃったサイエンス……ええ……何が可笑しいか。

馬鹿ア。ナニイ……サイエン? サイエンが本真(ほんま)チウのか……馬鹿あ。]
618本当にあった怖い名無し:2007/07/16(月) 20:09:38 ID:z96wuAUd0
能力なんたら言う前に国語を勉強しろ
619禿鷹 ◆aiSlHqUd2c :2007/07/16(月) 20:10:37 ID:pv/Rhm3y0
「ヘゲタレエ。スの字が附くと附かぬだけの違いじゃないか。ウグイスとウグイ……カマスとカマ……ナニイ大違いじゃあ……大違いじゃとも。

サイエンスの方がサイエンよりもヨッポド上等じゃ。問題になるけえ。上等の証拠にコレ程の別嬪さんが日本中に在ると思うか。なあ医師会長さん。

サイエンスちうのは別嬪さんの事だっしょう。西洋の小野の小町というてみたような……ヘエヘエ。それみろ。俺の英語は本物じゃ。よう聞いとけ。

ロイドちうのは色男の事ぞ。舶来の業平(なりひら)さんの事ぞ。セルロイドと間違えるな。その日本の業平さんと、小野小町とこの村で結婚さっしゃる。

新式の病院を開業さっしゃる。お蔭で村の者が一人残らず長生きする。なあ……これ位芽出度(めでた)い事は無いなあ医師会長さん。死んだ先生も喜んで御座ろう」
620猫元気です ◆QHUMtA89T. :2007/07/16(月) 20:10:40 ID:U9Qf9I+r0
俺は生神様なんかじゃない 能力低いよあっても お金なんかとる訳ない そうゆう考えが
トランプとかでみにつけるとでてくるんだよ 俺は報酬めあてに透視とか悩みを解決してあげる
とか絶対にしないそうゆうのが自分がやるのが嫌いだから自分がやるのがね
621本当にあった怖い名無し:2007/07/16(月) 20:11:16 ID:z96wuAUd0
>>616
いや、元気の方がオカ板的に邪魔
622禿鷹 ◆aiSlHqUd2c :2007/07/16(月) 20:12:04 ID:pv/Rhm3y0
伝六郎は床の間の上に並んで架かっている二枚の額を見上げた。
古びた金縁の中に極めて下手な油絵の老夫婦の和服姿がひからびたままニコニコしていた。

「ああ。喜んで御座る喜んで御座る。なあ老先生。もう絵になって終(しも)うて御座るけんどなあ老先生。
あなた方御夫婦はこの村の生命の親様じゃった。四十年この村に御奉公しとる私がよう知っとる。
御恩は忘れまっせんぞえ。決して決して忘れませんぞえ……なあ。せめて今一年と半年ばかり生かいておきたかったなあ。
今日というきょうこの席へ座らせたかったなあ。若先生御夫婦には、この伝六が附いとるというて安心させたかったなあ。今までの御恩報じに……」

伝六郎の声が次第に上釣って涙声になって来た。
満場ただ伝六郎の一人舞台になってシインとしかけているところへ、縁側の障子の西日の前に一人の小女(こおんな)の影法師がチョコチョコと出て来て跪いた。
障子を細目に隙かして眩しい西日を覗かせた。
623猫元気です ◆QHUMtA89T. :2007/07/16(月) 20:12:05 ID:U9Qf9I+r0
>>606さん 年齢と性別教えてください それとなにを透視してほしいか
ラストにしますもう透視しません
624猫元太です ◇QHUMtA89T.:2007/07/16(月) 20:12:17 ID:wz97p68B0
お前ら・・・いきなり元気持ち上げて何を企んでるんだ
625本当にあった怖い名無し:2007/07/16(月) 20:12:49 ID:z96wuAUd0
>>620
トランプで訓練するとお金欲しくなると?
はぁ〜?ドコの幼稚園児だお前
面白い頭の作りしてんな〜wwww
ちょっと精神科行って来い
んで入院して来い
626本当にあった怖い名無し:2007/07/16(月) 20:12:49 ID:yUdtkwin0
>>620
お金を取るようになると霊感って無くなるらしいですね
やっぱりそういうことってありますか?
627禿鷹 ◆aiSlHqUd2c :2007/07/16(月) 20:13:08 ID:pv/Rhm3y0
仲人の医師会長栗野博士が、その障子の隙間に胡麻塩頭を寄せて、少女の囁声を聞くと二三度軽くうなずいて立上った。
その後から博士夫人が続いて立上ると、見送りのつもりであろう新郎新婦が続いて立上った。

「イヤ、宜しい」

と栗野博士が振返って手を振った。
新婦の母親の頓野老夫人も、ちょっと中腰になって押止めにかかったが、新夫婦が強いて行こうとするのを見た頓野老人が、山羊鬚をしごいて老夫人を押止めた。小声で囁いた。
628禿鷹 ◆aiSlHqUd2c :2007/07/16(月) 20:13:53 ID:pv/Rhm3y0
「婆さん。留めるな留めるな。もう良えもう良え。立たしとけ立たしとけ。こげな式の時には見送りに立たぬものと昔からなっとるが、今の若い者は流儀が違うでのう。心配せんでも宜えわい」

床の間の前では話の腰を折られて唖然となった伝六郎が、新郎の残して行った大盃に気が付くと、

「勿体ない。お燗が冷める」

と云って両手で抱え上げながら顔を近付けてグイグイと一息に飲み初めたので、見ていた下座の連中がゲラゲラ笑い出した。
629猫元気です ◆QHUMtA89T. :2007/07/16(月) 20:14:08 ID:U9Qf9I+r0
>>625 お前には分からない物事の中身だよ
>>626さん 俺は霊感ないよ 俺は霊感がほしい それでいっぱい人を救いたい
毎日2chにきて困ってる人全員助けてみたい
630禿鷹 ◆aiSlHqUd2c :2007/07/16(月) 20:14:58 ID:pv/Rhm3y0
玄関に近い中廊下の暗がりまで来ると、栗野博士がニコニコ顔で新夫婦を振返った。

「イヤ。これは恐縮でした。……実は玄関に妙な患者が来たという話でな。あんた方は今日は、そげな者を相手にされん方がええと思うたけに、私が立って来ましたのじゃが」

「ハッ。恐れ入ります。そんな事まで先生を煩わしましては……」

新郎の態度と言葉が、如何にも秀才らしくテキパキとしているのを、背後から花嫁の初枝が惚れぼれと見上げていた。栗野博士はそれに気付きながら気付かぬふりをしていた。



「いや。実はなあ。その患者が精神病者(きちがい)らしいでなあ」



「エッ……キチガイ……」
631本当にあった怖い名無し:2007/07/16(月) 20:15:09 ID:yUdtkwin0
禿鷹 ◆aiSlHqUd2cさん、
猫元気さんが>>606さんを霊視するまで大人しくしてもらえませんか?

あなたは猫元気さんの能力を否定派なんでしょ?
でも>>606さんも気の毒なので、少しだけ待ってください
632本当にあった怖い名無し:2007/07/16(月) 20:15:25 ID:h2pFtvmkO
>>606
ですが、
年齢21 男
今、就職してるんだけどこのままで自分はいいのかって思います。
それとたまに気分が沈みが激しい時があって気分が晴れません。
633禿鷹 ◆aiSlHqUd2c :2007/07/16(月) 20:16:09 ID:pv/Rhm3y0
「そうじゃ。玄関に坐って動かぬと云うて来たでな。今日だけは私に委せておきなさい。
まだ時間はチット早いけれども、ちょうど良え潮時じゃけにモウこのままはなれに引取った方がよかろうと思うが……
あんな正覚坊連中でもアンタ方が正座に坐っとると、席が改まって飲めんでな。ハハハ……」

「……ハイ……」

「私たちもアトから離座敷へチョット行きますけに、お二人で茶でも飲んで待っておんなさい。今一つ式がありますでな」

「……ハ……ハイ……」

新郎新婦は狭い、暗い処で折重なるようにお辞儀をした。そのままに立って見送っていた。
634karasu// ◆eJlUd9keO2 :2007/07/16(月) 20:16:16 ID:xG8s8MLxO
  )))
(・ω・)猫さん少し僕を見てもらえませんか?
635本当にあった怖い名無し:2007/07/16(月) 20:16:17 ID:yUdtkwin0
>>629
あ!霊感と透視って別の能力なんですね?
636蝦人 ◆as1mg4Nm26 :2007/07/16(月) 20:16:32 ID:Vkea1TzY0
>>1
って言ってるモノがどうやって他人を助けるのかまずそれを教えてくれまいか。
637本当にあった怖い名無し:2007/07/16(月) 20:16:40 ID:z96wuAUd0
>>629
そりゃ〜精神逝かれてるお方の事なんか解るわけね〜よな
638本当にあった怖い名無し:2007/07/16(月) 20:17:03 ID:QWBiRQso0
禿鷹のこの文章は自作なのか・・?
639禿鷹 ◆aiSlHqUd2c :2007/07/16(月) 20:17:08 ID:pv/Rhm3y0
玄関の夕暗(ゆうやみ)の中をズウーッと遠くの門前の国道まで白砂を撒いて掃き清めてある。
その左右の青々とした、新しい四目垣(よつめがき)の内外には邸内一面の巴旦杏(はたんきょう)と白桃と、梨の花が、雪のように散りこぼれている。

その玄関に打ち違えた国旗と青年会旗の下に、男とも女とも附かぬ奇妙な恰好の人間が、両手を支いて土下座している。
640本当にあった怖い名無し:2007/07/16(月) 20:18:02 ID:WKrEdJQw0
>>626
対価は別に関係ないですよ
とりすぎなければね
641禿鷹 ◆aiSlHqUd2c :2007/07/16(月) 20:18:25 ID:pv/Rhm3y0
頭は蓬々(ほうほう)と渦巻き縮れて、火を付けたら燃え上りそうである。
白木綿に朱印をベタベタと捺した巡礼の笈摺(おいずり)を素肌に引っかけて、腰から下に色々ボロ布片を継合わせた垢黒い、大きな風呂敷様(のものを腰巻のように捲付けている恰好を見ると、どうやら若い女らしい。


全体に赤黒く日に焼けてはいるが肌目の細かい、丸々とした肉付の両頬から首筋へかけて、お白粉のつもりであろう灰色の泥をコテコテと塗付けている中から、切目の長いめじりと、赤い唇と、白い歯を光らして、無邪気に笑っている恰好はグロテスクこの上もない。
642禿鷹 ◆aiSlHqUd2c :2007/07/16(月) 20:19:48 ID:pv/Rhm3y0
今しも台所から出て来たこの家の下男の一作が、赤飯の握飯を一個遣って追払おうとするのを、女はイキナリ土の上に払い落して、大きく膨脹した自分の下腹部を指しながら、頭を左右に振った。
獣とも鳥とも附かぬ奇妙な声を振絞った。


「アワアワアワアワアワ。エベエベエベエベエベ」


「コン畜生。唖女(おしやん)の癖にケチを附けに来おったな。コレ行かんか。殺すぞ」

一作が薪割用の斧を振上げて見せると、唖女(おしおんな)は、両手を合わせて拝みながら、蓬々たる頭を左右に振立てた。
下腹部を撫でて見せながら今一度叫んだ。
643本当にあった怖い名無し:2007/07/16(月) 20:20:12 ID:Vkea1TzY0
>>638
いや、ところどころに出典書かれてるよ。それぞれの文章の終わりに。
じっくり読んでないから全部書いてあるかどうかは知らんけど。
644猫元気です ◆QHUMtA89T. :2007/07/16(月) 20:20:29 ID:U9Qf9I+r0
>>632さん イメージですがやせ細った暗い男性がみえます なるようになるって
思ってください そんなに難しく考えなくてもあなたは大丈夫ですよ やる事は
やる人ですから真面目できちんとしてると思います 人の道から外れるようなことは
そうしません やって駄目だったら失敗でいいと思いませんか?思えると思いますあなたなら
気の浮き沈みは自然の力で治せますし自然の力で+思考にする事があなたには可能です
食べ物力も使ってみてください あなたが実際痩せてるかは知りませんが もっと
エネルギッシュな食べ物食べてください 自然の力はそよ風や芝生があなたに合うようです
友達とそうゆうところに出かけるのもいいんじゃないですか? 一人でもいいですそのそよ風の
芝生の上で本をよんだりして考えをまとめるってのもいいです そう悩むことありません
失敗しても構いませんなにを不安がる必要があるかそよ風と芝生の上で真剣に考えてみてください
645禿鷹 ◆aiSlHqUd2c :2007/07/16(月) 20:20:35 ID:pv/Rhm3y0
「エベ……エベ……エベエベエベ」

その時に栗野博士夫婦が玄関へ出て来た。

「コレコレ。乱暴な事をしちゃ不可ん。穏やかにして追返さんといかん」



唖女が急に向直って栗野博士のフロック姿に両手を合わせた。下腹部(したはら)を指して奇声を発し続けた。

「何だ。妊娠しとるじゃないか」
646本当にあった怖い名無し:2007/07/16(月) 20:21:25 ID:z96wuAUd0
541 :猫元気です ◆QHUMtA89T. :2007/07/16(月) 19:18:14 ID:U9Qf9I+r0
すいません今は透視する気ないです これからもする予定はありません
647禿鷹 ◆aiSlHqUd2c :2007/07/16(月) 20:21:32 ID:pv/Rhm3y0
一作が手拭を肩から卸した。斧を杖に突いてペコペコした。

「ヘエヘエ。これは先生。この唖女(おしやん)はモトこの裏山の跛爺(ちんばじい)の娘で、あそこの名主どんの空土蔵に住んでおった者で御座いますが……」

「フウム。まだ若い娘じゃな爺さん」

「ヘエ。幾歳になりますか存じませんが。ヘエ。去年の夏の末頃までこの裏山に住んでおりまして、父親の跛爺の門八は、村役場の走り使いや、避病院(ひびょういん)の番人など致しておりましたが……」

「フーム。村の厄介者じゃったのか」
648猫元気です ◆QHUMtA89T. :2007/07/16(月) 20:22:06 ID:U9Qf9I+r0
>>632さん イメージですがやせ細った暗い男性がみえます なるようになるって
思ってください そんなに難しく考えなくてもあなたは大丈夫ですよ やる事は
やる人ですから真面目できちんとしてると思います 人の道から外れるようなことは
そうしません やって駄目だったら失敗でいいと思いませんか?思えると思いますあなたなら
気の浮き沈みは自然の力で治せますし自然の力で+思考にする事があなたには可能です
食べ物力も使ってみてください あなたが実際痩せてるかは知りませんが もっと
エネルギッシュな食べ物食べてください 自然の力はそよ風や芝生があなたに合うようです
友達とそうゆうところに出かけるのもいいんじゃないですか? 一人でもいいですそのそよ風の
芝生の上で本をよんだりして考えをまとめるってのもいいです そう悩むことありません
失敗しても構いませんなにを不安がる必要があるかそよ風と芝生の上で真剣に考えてみてください

他の人すいません最後って言ってあります ほおっておけなくなるのでもう落ちます
また夜にきます 
649禿鷹 ◆aiSlHqUd2c :2007/07/16(月) 20:22:39 ID:pv/Rhm3y0
「ヘエ。まあ云うて見ればソレ位の人間で御座いましたが、それが昨年の秋口になりますと大切な娘のこの唖女(おしやん)が、

どこかへ姿を隠しましたそうで、門八爺は跛引き引き村の内外を探しまわっておりますうちに、あの土蔵の中で首を縊って死んでおりました事が、程経てわかりましたので大騒動になりましてな」

「ウムウム」

「それから後、この唖女(おしやん)の姿を見た者は一人も居りませんので……ヘエ……」


「ふうむ。誰が逃がいたのかわからんのか」
650禿鷹 ◆aiSlHqUd2c :2007/07/16(月) 20:24:15 ID:pv/Rhm3y0
「ヘエ。それがで御座います。御覧の通り唖娘(おしむすめ)の上に色情狂(いろきちがい)で、あの裏山の中の土蔵の二階窓から、山行の若い者の姿を見かけますと手招きをしたり、

アラレもない身振をして見せたり致しますので、跛の門八爺(じい)が外に出る時には、必ず喰物を内に残いて、外から厳重と締りをしておったそうで御座います。

それでも門八が帰りがけには、途中で拾うた赤い布片なぞを持って帰ってやりますとこの花子奴(め)が……この娘の名前で御座います……コイツが有頂天も無う喜んでおりましたそうで、その喜びようが、あんまりイジラシサに門八爺が時々、

なけなしの銭をハタいて、安物の練白粉や、口紅を買うて帰ってやったとか……やらぬとか……まことに可哀相とも何とも申様の無い哀れな親娘で御座いましたが」
651蝦人 ◆as1mg4Nm26 :2007/07/16(月) 20:24:29 ID:Vkea1TzY0
「心配してください」「助けてください」「死にたい」「助けろクズ野郎」と騒いでいるナマモノが
大真面目に他人に生きるためのアドバイスをしている、これがオカルトでなくしてなんであろう(反語

スレヌシ、そんなにたくさんの人を助けたいなら「生きたい」も透視してやれば?
652本当にあった怖い名無し:2007/07/16(月) 20:24:39 ID:z96wuAUd0
二度と来るな
653本当にあった怖い名無し:2007/07/16(月) 20:25:05 ID:yUdtkwin0
元気さん透視ありがとうございました
透視いっぱいしてお疲れでしょう
ゆっくり休んでください^^
654禿鷹 ◆aiSlHqUd2c :2007/07/16(月) 20:25:20 ID:pv/Rhm3y0
「……まあ……」と博士夫人がタメ息をして眼をしばたたいた。

「ふうむ。してみると誰かこの女にイタズラをした村の青年が、その土蔵の戸前を開けてやったものかな」


「ヘエ。そうかも知れませぬが、跛の門八が戸締を忘れたんかも知れませぬ。だいぶもうろくしておりましたで……それで娘に逃げられたのを苦に病んで、行末の楽しみが無いようになりましたで、首を吊ったのではないかと皆申しておりましたが」

「うむ。そうかも知れんのう。つまりこの娘を逃がいた奴が、門八爺を殺いたようなもんじゃ」

「ヘエ。まあ云うて見ればそげな事で……」
655本当にあった怖い名無し:2007/07/16(月) 20:26:17 ID:z96wuAUd0
>>1が大人になったら犯罪するだろうな
で、警察に捕まってもオレ無実だ!お前等が犯罪者だ!とか言ってそう
656蝦人 ◆as1mg4Nm26 :2007/07/16(月) 20:27:11 ID:Vkea1TzY0
>>655
その前に黄色い救急車(比喩 が来るよ。
657禿鷹 ◆aiSlHqUd2c :2007/07/16(月) 20:28:20 ID:pv/Rhm3y0
「しかし、それから最早(もう)、かれこれ一年近うなっとるが、どこに隠れていたものかなあこの女は……」


「それがヘエ。やっぱりどこか遠い処を、当てもなしに非人してまわりよりまする中に、

誰やらわからん×××を宿して、久し振りに父親の門八爺が恋しうなりましたので、故郷へ帰って来ますと、

あの裏山の土蔵は壊けてアトカタも御座いませんので、途方に暮れておりまするところへ、

コチラ様の前を通りかかって、御厄介になりに来たのではないかと、こう思いますが……」
658本当にあった怖い名無し:2007/07/16(月) 20:28:56 ID:grtDo5E00
こういうスレにこういう頭に蛆がわいた奴→ ID:yUdtkwin0みたいのが定期的に沸くな
基地外は基地外を呼び寄せる・・・・これの方がオカルト。
659猫元気です ◆QHUMtA89T. :2007/07/16(月) 20:29:12 ID:U9Qf9I+r0
>>632さん イメージですがやせ細った暗い男性がみえます なるようになるって
思ってください そんなに難しく考えなくてもあなたは大丈夫ですよ やる事は
やる人ですから真面目できちんとしてると思います 人の道から外れるようなことは
そうしません やって駄目だったら失敗でいいと思いませんか?思えると思いますあなたなら
気の浮き沈みは自然の力で治せますし自然の力で+思考にする事があなたには可能です
食べ物力も使ってみてください あなたが実際痩せてるかは知りませんが もっと
エネルギッシュな食べ物食べてください 自然の力はそよ風や芝生があなたに合うようです
友達とそうゆうところに出かけるのもいいんじゃないですか? 一人でもいいですそのそよ風の
芝生の上で本をよんだりして考えをまとめるってのもいいです そう悩むことありません
失敗しても構いませんなにを不安がる必要があるかそよ風と芝生の上で真剣に考えてみてください

またきます
660元気へ:2007/07/16(月) 20:29:16 ID:h2pFtvmkO
>>644
元気へ
本当にどうもありがとうございました。
僕は、確かに痩せています。
今日、元気の言葉を聞いて少し元気が出たのは事実です。
本当に、ありがとう。
僕は、元気が人の為になりたいとか、以前の元気と違う発言を聞いてとても嬉しく思いました。
ありがとうごさいました。
661禿鷹 ◆aiSlHqUd2c :2007/07/16(月) 20:30:09 ID:pv/Rhm3y0
「ふうん。しかし物を遣っても要らんチウし、自分の腹を指さいて何やら云いよるではないか」

「ヘエ。もう産み月で痛み出して居るかも知れませんがなあ。ちょうどこの村から姿を隠いた時分から数えますと十月ぐらい。

………そうとすれば孕(はら)ませた者は、この村の青年かも知れませんが……ヘヘヘ……」


「うむ。困った奴じゃのう」
662本当にあった怖い名無し:2007/07/16(月) 20:30:14 ID:z96wuAUd0
541 :猫元気です ◆QHUMtA89T. :2007/07/16(月) 19:18:14 ID:U9Qf9I+r0
すいません今は透視する気ないです これからもする予定はありません
663本当にあった怖い名無し:2007/07/16(月) 20:30:45 ID:WKrEdJQw0
なんか情緒が著しく不安定なのな、元気くんて
罵倒して誤解とわかってあやまるの繰り返しが結構ある
ちなみに気づかせてくれた人への謝辞は今まで一回もないという不思議w
つかごめんなさいだけですむのって小学生までだと思っていたよ
664ステアー:2007/07/16(月) 20:31:00 ID:hEF/pWtn0
18歳女性ですが、将来の方向性について悩んでいます。
霊視お願いできないでしょうか。
665禿鷹 ◆aiSlHqUd2c :2007/07/16(月) 20:31:26 ID:pv/Rhm3y0
「何せい相手が唖女(おしやん)で、おまけの上にキチガイと来ておりますけに、何が何やらわかったものでは御座いません」

「しかしここが医者の家チウ事は、わかっとる訳じゃな」

「さあ。わかっておりますか知らん。オイオイ花チャン。ここ痛いけん」


一作爺が自分の腹を指して見せながら、唖女(おしおんな)の顔を覗き込んだ。
666マギステル ◆vnqgLCUStM :2007/07/16(月) 20:32:27 ID:+MfWOSz8O
いいね、日本文学。
667猫元気です ◆QHUMtA89T. :2007/07/16(月) 20:32:42 ID:50ZDO35KO
良かった 結果的にはなにか実感できましたか? 教えてください当たってるとか 自分に能力あるか知りたいから それからこれからも名前つけて来てほしいです
668蝦人 ◆as1mg4Nm26 :2007/07/16(月) 20:32:44 ID:Vkea1TzY0
>>663
誤解じゃなくて全くなんの非もない人に対し一時の感情の爆発で罵倒→感情が治まる→謝る
というのが正しい。謝辞は確かに。
小学生だってやることやったら謝るだけじゃすまんがな。
669禿鷹 ◆aiSlHqUd2c :2007/07/16(月) 20:32:59 ID:pv/Rhm3y0
しかし唖女のお花は答えなかった。

最前からの二人の問答を、自分の事と察しているらしく、無邪気な、真剣な眼付で二人の顔を代る代る見比べていたが、
そのうちに、栗野博士夫妻の背後から、物珍らしそうに覗いている新郎新婦の中でも、先に立っている新郎澄夫の青白い顔に気が付くと、お花は見る見る眼を丸くして口をポカンと開いた。
泥だらけの手足を躍らして小犬のように跳ね上ると、玄関の式台へ泥足のまま駈け上って、栗野博士をつきのけながら、澄夫の袴腰(はかまごし)にシッカリと抱き付いた。


同時に「アッ」と小さな声を立てた花嫁の初枝を、背後から抱きかかえるようにして栗野夫人が、廊下の奥の方へ連れ込んで行った。
670禿鷹 ◆aiSlHqUd2c :2007/07/16(月) 20:34:11 ID:pv/Rhm3y0
澄夫はハッと度を失った。花嫁の方を振返る間もなく、唖女の両手を払い除(の)けて飛退(とびの)こうとしたが、間に合わなかった。

ガッシリと帯際を掴んだ女の両腕を、そのまま逆にガッシリと掴み締めると、眼を真白く剥き出し、舌をダラリと垂らした。
そうして気を落付けようとしているのであろう。あわててその舌をのみこみ嚥込み眼をパチパチさせた。
その顔を下から見上げた唖女はサモサモ嬉しそうに笑った。



「ケケケ……ケケケケケケケケケ……」
671本当にあった怖い名無し:2007/07/16(月) 20:34:40 ID:yUdtkwin0
>>662
猫元気さんは透視続きで疲れてるのに
みんなを見てくれたんじゃない?
なにがそんなに気に入らないの?

>>664
ここの1さんならいっぱい透視して疲れてるのに
変な荒らしに絡まれて疲れて休憩してますよ
夜にまたくるそうです^^
672本当にあった怖い名無し:2007/07/16(月) 20:34:42 ID:z96wuAUd0
気分害した
散歩してこよ

二度と来るなクソ元気
お前みたいな他力本願で自己中心的でナルシストで傲慢で陰湿で豚な男
オレは大嫌い
一生彼女出来ないなwwww
出来ても金目当てだろwwwwww
超ウケる。ほなサイナラ〜(爆死wwwwwww)
673蝦人 ◆as1mg4Nm26 :2007/07/16(月) 20:34:47 ID:Vkea1TzY0
>>659
>気の浮き沈みは自然の力で治せますし

なら自分の気の浮き沈みもそれで治せヴォケガw
674禿鷹 ◆aiSlHqUd2c :2007/07/16(月) 20:35:01 ID:pv/Rhm3y0
若様らしい上品な澄夫の顔が、その笑い声につれて見る見るしわだらけの鬼婆のような、又は髪毛を逆立てた青鬼のような表情に変った。反対に澄夫の方が発狂しているかのように見えた。

栗野博士も一作爺も、澄夫と一所に度を失った。


「コレコレ……のかんか……」

「コラッ……コン外道……」
675蝦人 ◆as1mg4Nm26 :2007/07/16(月) 20:36:24 ID:Vkea1TzY0
>>672
いやスレヌシはそもそもえびちゃん似(スレヌシ談 の彼女がいたらしいぞ。
その彼女に振られてから頭が涌いてしまったらしいが。
676禿鷹 ◆aiSlHqUd2c :2007/07/16(月) 20:36:40 ID:pv/Rhm3y0
と二人が声を揃えて怒鳴り付けるうちに一作が、女の襟首へ手をかけると、古びた笈摺の背縫と脇縫が、同時にビリビリと引離れかかった。

その手を非常な力で跳ね除けながら唖女は、涙をボロボロと流した。

澄夫の顔を指し、又自分の腹部を指し示して、情なさそうな奇声を発しながらオドオドと三人の顔を見廻わした。

「エベエベ……アワアワ。アワアワアワアワ……」

澄夫は絶体絶命の表情をした。唇を血の出る程噛んで、肩をキリキリと逆立たした。
677本当にあった怖い名無し:2007/07/16(月) 20:37:41 ID:z96wuAUd0
>>671
知らないようだから教えてあげるよ
>>29>>30を読んでみな
コレが真実
このスレの事を知ってる人間10人に>>29>>30ってホント?
って質問したら全員「ホントだよ」って言うから
678禿鷹 ◆aiSlHqUd2c :2007/07/16(月) 20:39:11 ID:pv/Rhm3y0
「イヨオ。これはめでたい」

という頓狂な声がして、澄夫の背後の廊下から伝六郎が躍出して来た。

又も大盃を呷(あお)り付けて、素敵に酔払っているらしく、吉角力の大関を取ったという双肌を脱いで、素晴らしい筋肉美を露出している。


「ヨオヨオ。これは芽出度い、婚礼の門口に孕(み女とは芽出度い、イヤア……汝あ裏山のお花坊じゃねえかい。

こん外道人間。片輪者とはいいながら親の死んだ事も知らじい、どこをウロ付きおったかい。

どこの×××××をば孕(はろ)うで来おったかい。ええ。コレ……コレ……」
679本当にあった怖い名無し:2007/07/16(月) 20:39:48 ID:z96wuAUd0
>>675
知ってる
腐れ神父から聞いた
あの腐れ嫌いだぁ〜
真意突き過ぎで反論し難いし
なんかニヤニヤしてそうでキモイ
680禿鷹 ◆aiSlHqUd2c :2007/07/16(月) 20:40:57 ID:pv/Rhm3y0
と云ううちにお花の両脇の下に手を入れて軽々と抱き上げた。お花は引離されまいとする一生懸命さに、片手で色々な手真似をしいしい、線香花火のように暴れ出した。

繿縷布片の腰巻が脱け落ちそうになったまま叫び続けた。



「アワアワアワ。エベエベエベエベ。ギャアギャアギャアギャアギャ」



「アハハハ、わかったわかった。感心感心。ウムウム。エベエベエベじゃ。ベッベッ。臭いなあ貴様は……アハハハ。

わかったわかった。つまり近いうちに子供が生まれるけに、この若先生に頼んで生ませてもらいたいチウのか……ウムウム。

なかなか良うわかっとる。エベエベ。感心感心」




「エベエベエベエベエベ」
681猫元太です ◇QHUMtA89T.:2007/07/16(月) 20:43:45 ID:wz97p68B0
元気信者装って実は壮大な釣りを実行中なんでしょ?
682本当にあった怖い名無し:2007/07/16(月) 20:45:39 ID:yUdtkwin0
猫元気さんは無償でみんなに
思いやりある透視をするのに

あなたがたはなんでこんなに荒らすんですか?
683猫元気です ◆QHUMtA89T. :2007/07/16(月) 20:46:30 ID:50ZDO35KO
痩せてるイメージさんもし良かったら名前つけてこれからも来てください
684猫元太です ◇QHUMtA89T.:2007/07/16(月) 20:48:21 ID:wz97p68B0
>>682
そんな事言ったって騙されないんだからっ!
釣りなんでしょ?そうなんでしょっ!?
685マギステル ◆vnqgLCUStM :2007/07/16(月) 20:48:53 ID:+MfWOSz8O
なんか新興宗教ぽいな…
信者集めて…
686本当にあった怖い名無し:2007/07/16(月) 20:48:53 ID:WKrEdJQw0
>>682
まぁ教えておくなら彼は自分が苦しい状態から抜けだすためにこのスレたててるらしいから
彼を思いやるならそこ理解して透視させるような発言控えたほうが元気のためなんじゃねーの?
687本当にあった怖い名無し:2007/07/16(月) 20:53:30 ID:yUdtkwin0
>>686
猫元気さんは本当はみんなを救いたいと言ってました
でもみんなを透視し続ければ、猫元気さんはそれに束縛されてしまう
それはわかります

でもそれとあなたがたが猫さんを叩くのは関係ありません
688本当にあった怖い名無し:2007/07/16(月) 20:53:39 ID:KzEI+oTOO
まだやってたのかよ
こんなクソスレ放置しろよ
689禿鷹 ◆aiSlHqUd2c :2007/07/16(月) 20:54:02 ID:pv/Rhm3y0
「ええ。泣くな泣くな。縁起の悪い。ウムウム。わかったわかったそうかそうか。よしよし。俺が頼うでやる頼うでやる。おとなしうしとれ」

「エベエベエベエベ」

「なあ若先生。たまげなさる事はない。これあ芽出度い事ですばい。たとい精神異状者(きちがい)じゃろが、唖女じゃろが何じゃろが、これあ福の神様ですばい。

何も知らじい来た、今日のお祝いの御使姫(つかわしめ)ですばい。何とかして物置の隅でも何でも結構ですけに、置いてやって下さいませや。

本来ならば役場で世話せにゃならぬところですけれど、この村にゃ設備が御座いませんけに、なあ先生。功徳で御座いますけに……

きょうのお祝いに来た人間なら何かの因縁と思うて、なあ若先生……これ位、芽出度い事は御座いまっせんばい」



「……………」
690本当にあった怖い名無し:2007/07/16(月) 20:54:10 ID:QWBiRQso0
>>29>>30読んでも信者が増えていく・・。
多分信者は全員元気と同じような人なのかもしれない・・。
691猫元太です ◇QHUMtA89T.:2007/07/16(月) 20:54:23 ID:wz97p68B0
>>688
だったらageんな
692ステアー:2007/07/16(月) 20:54:30 ID:hEF/pWtn0
>>671
お疲れでしたか。ではお疲れでない時にでも。
693禿鷹 ◆aiSlHqUd2c :2007/07/16(月) 20:55:44 ID:pv/Rhm3y0
「どうぞもし……どうぞ若先生。先生の病院はこの功徳の評判だけでも大繁昌ですばい。

アハハ……なあ花坊。祝い芽出度の若松様よ……トナ……さあ。花ちゃん。この手を離しなさい。

柔順(おとな)しうこの帯を離しなさい。この若先生が診てやると仰言るけに……」



双肌脱(もろはだぬぎ)の伝六郎が、音に聞こえた強力で、お花の腕をもぎ離そうとする度に、帯際を掴まれている澄夫は式台の上でヨロヨロとよろめいた。
694本当にあった怖い名無し:2007/07/16(月) 20:57:02 ID:KzEI+oTOO
あれ?
なんか新展開?
小説投下に元気信者wwwww
何?新興宗教 元気救済会でも作るの?wwwwww
695禿鷹 ◆aiSlHqUd2c :2007/07/16(月) 20:57:35 ID:pv/Rhm3y0
「コレコレ。離せと云うたら。恐ろしい力じゃ。コレコレここ、離しおれと云うたら……云うたて聞こえんけに往生するのう。袴の紐が切れるてや。ええ若先生。この袴と帯を解かっしゃれ。アトは私が引受けますけに……」

今にも気絶しそうに生汗を滴(た)らしながら唖女の瞳を一心に凝視していた澄夫は、この時やっと気を取直したらしく、伝六郎の顔を見て真赤になった。
暗涙を浮かめた瞳で背後の栗野博士を振返ると、すこしばかり頭を下げた。やっとの思いで唇をわななかした。

「誠に……恐れ入りますが、モルフィンを少しばかり、お願い出来ますまいか……一プロ……ぐらいで結構ですが……」
696本当にあった怖い名無し:2007/07/16(月) 20:57:55 ID:WKrEdJQw0
>>687
あなたがたって一言でくくるけど、僕元気くんを叩く発言あったか?
697本当にあった怖い名無し:2007/07/16(月) 20:59:30 ID:yUdtkwin0
>>696
青文字の人は全員同じ人だという認識でした
698本当にあった怖い名無し:2007/07/16(月) 20:59:43 ID:SOTta6uqO
おはよう猫くん
本日も元気ではないね
699本当にあった怖い名無し:2007/07/16(月) 21:00:10 ID:WKrEdJQw0
>>697
なら君だって同類だろうに
700禿鷹 ◆aiSlHqUd2c :2007/07/16(月) 21:01:22 ID:pv/Rhm3y0
「オット。モルヒネなら失礼ながら私が作りましょう。長らくこの病院の留守番をさせられて、案内を知っておりまするので……」

栗野博士の背後から頓野老人が山羊鬚を突出した。

「二番目の棚の右の端で御座ったの」

と云ううちに自分で二つ三つうなずきながら、大仰に袴の両岨(りょうそわ)を取った頓野老人は、玄関脇の薬局にヨチヨチと走り込んだ。
ホントウにこの家の案内を知っているらしく、突当りの薬戸棚のガラス戸を開いて、旧式の黒柿製の秘薬筥を取出して調薬棚の上に置いた。
701本当にあった怖い名無し:2007/07/16(月) 21:02:56 ID:yUdtkwin0
>>699
わたしは緑ですよ
702禿鷹 ◆aiSlHqUd2c :2007/07/16(月) 21:03:13 ID:pv/Rhm3y0
その中からつまみ出した小型の注射器に蒸溜水を七分目ほど入れて、箱の片隅の小さな薬瓶の中の白い粉を、薬包紙の上におとすと、指の先で無雑作に抓み取りながら注射器の中へポロポロとヒネリ込んだ。

活栓と針を手早く添えて、中味の液体をシーソー式に動かすと、薬の残りを箱の中の瓶に返して、右手にアルコールをひたした脱脂綿と、万創膏を持ちながら薬局を出て来た。
703本当にあった怖い名無し:2007/07/16(月) 21:03:45 ID:QWBiRQso0
俺緑だけど信者じゃない・・。
704本当にあった怖い名無し:2007/07/16(月) 21:04:06 ID:WKrEdJQw0
そうですか、それは失礼しました。
705本当にあった怖い名無し:2007/07/16(月) 21:04:16 ID:KzEI+oTOO
なんだ信者ってガキかよ
706禿鷹 ◆aiSlHqUd2c :2007/07/16(月) 21:04:17 ID:pv/Rhm3y0
「ヘッヘッヘ。わしは元来胆石でなあ。飲み過ぎると胸が痛み出す。痛み出すと自分でこの注射をやって眠るのが楽しみでなあ。ヒッヒッ。

この見量なら下手な天秤よりもヨッポドたしかじゃ。生命(いのち)がけの練習しとるけになあ。

……さあ作って来ました。六分ゲレンの一じゃからちょうど一プロの一瓦じゃ。相手が相手じゃけに相当利きまっしょう。さあ……」


澄夫は、こうした頓野老人の自慢の離れ業(わざ)を格別、驚いた様子もなく受取った。無造作に狂女の右腕を捕まえて注射した。
707蝦人 ◆as1mg4Nm26 :2007/07/16(月) 21:04:30 ID:Vkea1TzY0
>>679
いいじゃないかチェシャ猫みたいで私は好きだ。
708禿鷹 ◆aiSlHqUd2c :2007/07/16(月) 21:05:17 ID:pv/Rhm3y0
唖女のお花は痛がらなかった。

かえって何となく嬉しそうに注射器と澄夫の顔を見比べてニコニコしていたが、注射が済むと、何と思ったか急に温柔(おとな)しく手を離して、
伝六郎と一作に手を引かれながら、繿縷の腰巻を引擦り引擦り立ち上った。
もう真暗になった軒下を、裏手の物置納屋の処へ来た。

納屋の前まで来た時、彼女はモウ眠気を感じているらしかった。
先に立った一作が造ってくれた古藁と、古茣蓙(ござ)の寝床へコロリと横になって眼を閉じた。
大きな腹の上に左手を投げかけると、もうスヤスヤと寝息を立てていた。
709禿鷹 ◆aiSlHqUd2c :2007/07/16(月) 21:06:33 ID:pv/Rhm3y0
かつて殿様のお鷹野(たかの)の時に、御休息所になったという十畳の離座敷は、障子が新しく張換えられ、床の間に古流の松竹が生けられて、寂びの深い重代の金屏風が二枚建てまわしてある。
その中に輪違いの紋と、墨絵の馬を染出した縮緬の大夜具が高々と敷かれて、昔風の紫房の括枕を寝床の上に、金房の附いた朱塗の高枕を、枕元の片傍に置いてあった。

その枕元に近い如鱗の長火鉢の上に架かった鉄瓶からシュンシュンと湯気が立っていた。
710禿鷹 ◆aiSlHqUd2c :2007/07/16(月) 21:07:18 ID:pv/Rhm3y0
仲人栗野博士から、唖女に対する伝六郎の口上を、身振り手真似、声色(こわいろ)入りで聞かされた花嫁の初枝は、たしなみも忘れて、声を立てながら笑い入った。

そうして、
「まあまあ大事にしてやんなさい。医者の人気というものはコンな事から立つものじゃけに……そのうちに私が県庁へ手続きをして行路病人の収容所へ入れて上げるけに……」

という博士の話を聞いて初枝はスッカリ安心したらしく、両手を突いて頭を下げながらホッとタメ息をしてみた。
しかし新郎の澄夫は両手をキチンと膝に置いて頸低(しなだ)れたまま、ニンガリもせずに謹聴していた。
711蝦人 ◆as1mg4Nm26 :2007/07/16(月) 21:07:22 ID:Vkea1TzY0
>>701
普通のスレッドじゃメール欄に半角英字でsageって入れて、スレッドを上げないようにするのが大抵のマナー。
理由はそれをやらないとスレッドの位置が上がって目立ち、もまいさんみたいな有象無象が来やすいから。



ああまた釣りにマジレスして俺カッコワルイ
712禿鷹 ◆aiSlHqUd2c :2007/07/16(月) 21:08:27 ID:pv/Rhm3y0
それから博士夫妻の介添で、床盃(とこさかずき)の式が済んで二人きりになると、最前から憂鬱な顔をし続けていた澄夫は、
無雑作に………………、………………………………………………………………………。

塗枕と反対側の床の間の方を向いて、両腕を組んで、両脚を縮めたまま凝然と眼を閉じた。


澄夫の着物を畳んで、衣桁にかけた花嫁の初枝は、…………………………………………、…………………、……………………。

………………………………………………、透きとおるような声で、

「おやすみ遊ばせ」

とハッキリ云うと、石のように頬を固ばらせたまま冷然と眼を閉じている………………………………………………………、


……………………………………………………………、出来るだけ静かに………………………、


……………………………………。
713禿鷹 ◆aiSlHqUd2c :2007/07/16(月) 21:10:11 ID:pv/Rhm3y0
しかし澄夫は動かなかった。呼吸をしているのか、どうかすら判然らない位凝然と静まり返っていた。
初枝も天鵞絨の夜具の襟をソット引上げて、水々しい高島田の髱を気にしいしい白い額と、青い眉を蔽うた。

白湯の音がシンシンと部屋の中に満ち満ちた。
新郎――澄夫は、その白湯の音に耳を澄ましながら、物置の中に寝ている唖女の事ばかりを一心に考え続けていた。




それは去年の八月の末の事であった。
暑中休暇の数十日を田舎の自宅で潰して、やっとの事で卒業論文を書上げた彼は、正午下りの晴れ渡った空の下を、裏山の方へ散歩に出かけた。
714禿鷹 ◆aiSlHqUd2c :2007/07/16(月) 21:11:13 ID:pv/Rhm3y0
彼の両親はもう、三個月ばかり前に老病で相前後して死んでいた。
後の医業は彼の父の友人で、伜に跡目を譲って隠居している隣村の頓野老人が来て、引受けてくれていたので、彼はただ一生懸命に勉強して大学を卒業するばかりであった。
しかも天性柔良で、頭のいい彼は、各教授から可愛がられていたし、自分自身にも首席で卒業し得る自信を十分に持っていた。

卒業論文が出来上れば、もう心配な事は一つも無いといってよかった。
彼は完全な両親の愛の中で育ったせいであろう。
庭球以外には何一つ道楽らしい道楽を持っていなかった。

もちろん女なんかには、こっちから恐れて近附き得ないような所謂、聖人型だったので、二十四歳の大学卒業間際まで、完全な童貞の生活を送っていた。
それは大学時代の一つの秘密の誇りでもあった。
715本当にあった怖い名無し:2007/07/16(月) 21:11:27 ID:WKrEdJQw0
また、文句言われるだけか〜
すばらしいスレだなwここw
716禿鷹 ◆aiSlHqUd2c :2007/07/16(月) 21:12:51 ID:pv/Rhm3y0
だから来年に近附いて来た結婚に対する彼の期待は、彼の極めて健康な、どちらかといえば脂肪肥りの全身に満ち満ちていた。
たんぼ道でスレ違いさまにお辞儀をして行く村の娘の髪の臭気を嗅いでも、彼は烈しいインスピレーションみたようなものに打たれて眼がクラクラとする位であった。

だから、そんなものに出会うのを恐れた彼はこの時にも、わざと傍道へ外れて、彼の家の背後の山蔭に盛上った鎮守の森の中へフラフラと歩み入った。


そのヒイヤリとした日蔭の木(こ)の間(ま)を横切って行く、白い蝶の姿を見ても、又は、はるか向うの鉄道線路を匐(は)い登って行く三毛猫の、しなやかな身体附を見ただけでも、
云い知れぬ神秘的な悩みに全身を疼(うず)かせつつ、鎮守の森の行詰まりの細道を、降るような蝉の声に送られながら、裏山の方へ登って行った。
717禿鷹 ◆aiSlHqUd2c :2007/07/16(月) 21:14:59 ID:pv/Rhm3y0
たちまち、たまらない草イキレと、木蔭の青葉に蒸れ返る太陽の芳香(におい)が、おそろしい女の体臭のように彼を引包んだ。

行けば行くほどその青臭い、物狂おしい太陽の香気が高まって来た。
彼は窒息しそうになった。
むろん医学生である彼は、その息苦しくなって来る官能の悩みが、どこから生まれて来るかを知っていた。
同時にその悩ましさから解放され得る或る…………誘惑を、たまらなく気附いているのであった。

だから彼は、現在、蒸れ返るような青葉の芳香の中で、その誘惑を最高潮に感じたトタンに、自分のフックリと白い手の甲に……附いた。
汗じみた、あまからい手の甲の皮膚をシッカリと…………て気を散らそうと試みた……が……
しかしその手の甲の肉から湧き起る痛みすらも、一種のタマラない……………のカクテルとなって彼の全身に渦巻き伝わり、狂いめぐるのであった
718禿鷹 ◆aiSlHqUd2c :2007/07/16(月) 21:16:00 ID:pv/Rhm3y0
彼は突然に眼を閉じ、唇を噛締めて、雑木藪の中を盲滅法に驀進し初めた。

あたかも背後から追かけて来る何かの怖ろしい誘惑から逃れようとするかのように、
又は、それが当然、意志の薄弱な彼が、責罰として受けねばならぬ苦行であるかのように、
袷衣一枚の全身にチクチク刺さる松や竹の枝、露わな向う脛から内股をガリガリと引っ掻き突刺す草や木の刺針の行列の痛さを構わずに、
盲滅法に前進した。全身汗にまみれて、息を切らした。

そうして胸が苦しくなって、眼がまわりそうになって来た時、突然に、前を遮る雑木藪の抵抗を感じなくなったので、彼はヒョロヒョロとよろめいて立佇(たちど)まった。
719禿鷹 ◆aiSlHqUd2c :2007/07/16(月) 21:16:50 ID:pv/Rhm3y0
彼はまだ眼を閉じていた。はだかった胸と、露(あら)わになった両脚を吹く涼しい風を感じながら、遠く近くからまばらに聞こえて来るツクツク法師の声に耳を傾けていた。
山中(やまじゅう)の静けさがヒシヒシと身に泌(し)み透るのを感じていた。


突然、鳥とも獣とも附かぬ奇妙な声がケタタマシク彼を驚ろかした。


「ケケケケケケケケケ……」


彼はビックリして眼を見開いた。
彼は山の中の空地の一端に佇(たたず)んでいたのであった。
720禿鷹 ◆aiSlHqUd2c :2007/07/16(月) 21:18:36 ID:pv/Rhm3y0
そこは巨大な楠や榎に囲まれた丘陵の上の空地であった。
この村の昔の名主の屋敷あとで、かなりに広い平地一面に低い小笹がザワザワと生え覆さっている。

その向うの片隅に屋根が草だらけになって、白壁がボロボロになった土蔵が一戸前、朽ち残っていた。
その倉庫の二階のれんじ窓から白い手が出て一心に彼をさし招いている。

その手の陰に、凄い程白く塗った若い女の顔と、気味の悪い程赤い唇と、神々しいくらい純真に輝く瞳と、額に乱れかかったおびただしい髪毛が見えた。
それが窓から挿し込む烈しい光線に白い歯を美しく輝やかした。



「……キキキ……ヒヒヒ……ケケケ……」
721禿鷹 ◆aiSlHqUd2c :2007/07/16(月) 21:19:26 ID:pv/Rhm3y0
その幽霊のように凄い美くしさ……なまめかしさ。
眼も眩むほどの魅惑……白昼の妖精……。

彼は骨の髄までゾーッとしながら前後左右を見まわした。
彼の頭の上には真夏の青空がシーンと澄み渡って蝉の声さえ途絶え途絶えている。

彼を見守っているものは、空地の四方を囲む樹々の幹ばかりである。
彼は全身を石のように固くした。静かに笹原を分けて土蔵の方へ近付いた。
722本当にあった怖い名無し:2007/07/16(月) 21:20:07 ID:VIJwCgEu0
190 :マドモアゼル名無しさん:2007/07/15(日) 19:40:37 ID:JaNoyxIy
妙な胸騒ぎがする。
巨大地震でも起きそうだ。

願いが叶うスレ
http://hobby9.2ch.net/test/read.cgi/fortune/1181908749/

723禿鷹 ◆aiSlHqUd2c :2007/07/16(月) 21:22:09 ID:pv/Rhm3y0
窓の顔が今一度嬉しそうにキキと笑った。すぐに手を引込めて、窓際から離れて、下へ降りて行く気はいであった。

土蔵の戸前には簡単な引っかけ輪鉄が引っかかって、タヨリない枯枝が一本挿し込んで在るキリであった。
それを引抜くと同時に内側で、落桟を上げる音がコトリとした。
彼は眼が眩んだ。呼吸を喘(はず)ませながら重い板戸をゴトリゴトリと開けた。






「キキキキキキキキキ……」
724禿鷹 ◆aiSlHqUd2c :2007/07/16(月) 21:22:41 ID:pv/Rhm3y0
そこまで考え続けて来ると彼は寝床の中で一層身体を引縮めた。
背後にスヤスヤと睡っているらしい花嫁……初枝の寝息を鉄瓶の湯気の音と一所に聞きながらなおも考え続けた。


……それは彼の生れて初めての過失であると同時に、彼の良心の最後の致命傷であった。
725禿鷹 ◆aiSlHqUd2c :2007/07/16(月) 21:23:35 ID:pv/Rhm3y0
その後、その重大な過失の相手である唖女のお花がゆくえ不明となり、そのお花の言葉を理解し得るタッタ一人の父親、門八が、
彼女を無くした悲しみの余りに首をくくって死んだと聞いた時には彼は、正直のところホッとしたものであった。

最早、天地の間に彼の秘密を知っている者は一人も無い。この僅かな秘密の記憶一つを、彼自身がキレイに忘れて終いさえすれば、彼は今まで通りの完全無欠の童貞……
絶対無垢の青年として評判の美人……初枝をめとる事が出来るのだ。
726禿鷹 ◆aiSlHqUd2c :2007/07/16(月) 21:25:14 ID:pv/Rhm3y0
「おお神様。神様。どうぞこの秘密をお守り下さい。この私の罪をお忘れ下さい。もう決して……決して二度とコンナ事をしませんから……」

と彼は人知れず物蔭で、手を合わせた事さえ在ったくらい、そうした思い出そのものを恐れ、おののき、後悔していた。
そうして彼は幸福にも一日一日と日を送って行くうちに、もう殆んど、そうした良心の傷手を忘れかけていた。
彼は彼自身の社会に対する一切の野心と慾望をなげうって、美人の妻と一所に田舎に埋もれるという、涙ぐましいほどに甘美な夢を、安心して、夜となく昼となくおい続けているところであった。
727本当にあった怖い名無し:2007/07/16(月) 21:25:57 ID:lWw5JL5M0
元気ずし でも食ってくるかw
728禿鷹 ◆aiSlHqUd2c :2007/07/16(月) 21:28:05 ID:pv/Rhm3y0
その甘美な夢が、今、無残(むざん)にもタタキ破られてしまったのであった。

時も時……折も折……忘れるともなく忘れて、消えるともなく消え失せていた彼の過去の微かな秘密が、突然に、何千、何万、何億倍された恐ろしい現実となって彼の眼の前に出現し、切迫して来たのであった。

見るも浅ましい孕み女。
物をえ言わぬ聾唖者。

それが口にこそ云い得ね、手真似にこそ出し得ね、正当な彼の妻である事を現実に立証し、要求すべく立現われて来たのであった。
それは、ほかの人間たちには絶対にわからない、ただ彼にだけ理解される恐ろしい、不可抗的な復讐に相違なかった。
729禿鷹 ◆aiSlHqUd2c :2007/07/16(月) 21:29:01 ID:pv/Rhm3y0
……もしも彼女がタッタ一言でも物を云い得たら……否々。
一人でも彼女の手真似を正当に理解し得る者が居たら……
そうして、それだけの恐怖、不安、戦慄を、今日の日に限ってこの家の玄関に持込んで来たのが、彼女の意識的な計劃であったら……。

……それがさながらに悪魔の智慧で計劃された復讐のように残酷な、手酷しい時機と場面を選んで来た事はトテモ偶然と思えない。
白痴の一つ記憶式の一念で、云わず語らずのうちに彼女がそうしたところを狙って、時機を待っていたかのようにも思える。又は全然そうでないかのようにも思える……。
730チェシャ猫でググッた:2007/07/16(月) 21:29:32 ID:z96wuAUd0
アリス  :すみませんが、私はどちらに行ったらよいか教えていただけませんか。
チェシャ猫:そりゃ、おまえがどこへ行きたいと思っているかによるね。 
アリス  :どこだってかまわないんですけど
チェシャ猫:それなら、どっちに行ってもいいさ。
アリス  :どこかに着きさえすれば・・・
チェシャ猫:そりゃ、きっと着くさ。着くまで歩けばの話だけど。

アリスとチェシャ猫のやりとりの一場面です。
この部分だけを読まれた方はどうお感じになるでしょうか?
「不親切な猫だな」と思う方もいらっしゃるでしょうし、
「そもそも猫がしゃべるかよ」と思う方もいらっしゃるでしょう。
ちなみに私は「なるほど小粋な事を言う猫だな」って感想でした。

私は何の時だったかにこのくだりを面白い解釈をしているものに出会いました。
その内容とは以下のようなものです。

このアリスとチェシャ猫のやりとりは人生そのものである。
人生において目的を持たないという事はこの場合のアリスと同じで
どっちにいったらいいかわからない状態だと言える。
この状態の時にはチェシャ猫からも見放されてしまったが、
誰からもアドバイスをもらえない状態である。
それはどちらに導いたらいいかわからない為にアドバイスのしようが無いからだ。
例えば「アカペラのボイスパーカッションが上手くなりたい」「空手で黒帯を取る」
「ビリヤードを上達したい」・・・なんでもいいと思う。
やはり何かしら目的を持って人生歩んで生きたいものである。

・・・どうです?
これを読んだ後はちょっとニヤニヤ笑った猫の顔がちょっとは
思慮深く見えてきませんか^^;?
この話を聞いて以来、私はチェシャ猫のファンです。
やはりどうせなら日々何か目標を持って過ごしたいものですよね^^
731禿鷹 ◆aiSlHqUd2c :2007/07/16(月) 21:30:20 ID:pv/Rhm3y0
……そうした判断の不可能な事を考え合せると、その恐怖、不安、戦慄が更に更に神秘数層倍されて来るのであった。

彼は思わず今一度ゾッとして身体を縮めた。
パッチリと眼を見開いて、静かに振返ってみると花嫁の初枝は、夜具の襟に顔を埋めてスヤスヤと眠っているようである。
彼は極めて注意深くソロソロと夜具を脱け出した。

枕元の障子をすこしずつすこしずつ音を立てないように開けて廊下に出て、足音を窃み窃み渡殿(わたりどの)伝いに母屋の様子を窺った。
732本当にあった怖い名無し:2007/07/16(月) 21:31:32 ID:z96wuAUd0
まんま腐れwwww
オレはファンにならなかったがなwwwwww
733禿鷹 ◆aiSlHqUd2c :2007/07/16(月) 21:32:12 ID:pv/Rhm3y0
家中が森閑と寝静まって給仕人の足音も途絶えている。
勝手の方の灯も消えてしまって、ただ奥座敷に寝ているらしい伝六郎の寝言(ねごと)とも歌とも附かぬグウダラな呆(ぼ)け声が聞えている……
その声を聞き聞き彼は真暗な中廊下を抜けて、玄関脇の薬局の扉を開いた。

薬局の三方硝子窓の外は雪のように輝やいていた。
西に傾いて一段と冴え返った満月に眩しく照らされた巴旦杏(はたんきょう)の花が、鉛色の影を大地一面に漂わしていた。
734禿鷹 ◆aiSlHqUd2c :2007/07/16(月) 21:33:43 ID:pv/Rhm3y0
中央の調薬台の前に立った彼は恍惚としてその白い光りに見惚れていた。
そうして今日までに彼が見たり聞いたりした幾多のいわゆる成功者、すなわち立志伝中の人々が……
如何に残忍な、血も涙も無い卑怯な方法をもって弱者を蹂躙(じゅうりん)し、踏殺して来たかを聯想し、想起し続けていた。



……俺もその一人にならなければならぬ。
否々。
もっともっと強い人間にならねばならぬ。
735禿鷹 ◆aiSlHqUd2c :2007/07/16(月) 21:34:23 ID:pv/Rhm3y0
貴い俺自身の一生涯……これだけの頭脳と、智識と……この若い血と、肉と、豊かな情緒とをあの見苦しい、淋しい廃物同然の唖女の一生と釣換えにしてたまるものか……
これは当然の事なのだ、天地自然の理法なのだ。
ちっとも恥ずるところはない。
咎(められるところもない。

ただ他人に見咎(められさえしなければ……疑われさえしなければいいのだ。
ちっとも構わない。
何でもない事なのだ。
736禿鷹 ◆aiSlHqUd2c :2007/07/16(月) 21:35:37 ID:pv/Rhm3y0
そんな事を考えまわしているうちに、いつの間にか、雪の光りに包まれたような寒さを感じ初めたので、彼はハッとしてわれに帰った。

頭のシンは睡むくてたまらないのに、意識だけはシャンシャンと冴え返っているような気持で彼は、正面の薬戸棚の抽出から小さなカプセルを一個取出した。
それから突当りの薬戸棚の硝子戸を開いて、きょう昼間、頓野老人が持出した黒柿の秘薬箱を今一度取出して、調合棚の上に置いた。

その中から、やはり今日頓野老人が扱った塩酸モルヒネの小瓶を抓(つま)み出して、その中の白い粉末の小量を、月の光りに透かしながらカプセルに落し込んだが、
多過ぎると思ったらしく又、その中の極微量を小瓶の中へ落し返してからカプセルの蓋をシッカリとおおうた。

それから何もかもモト通りに直して、薬戸棚の硝子戸をピッタリと閉じた。
737禿鷹 ◆aiSlHqUd2c :2007/07/16(月) 21:36:51 ID:pv/Rhm3y0
その時に彼の背後の、開放しにして来た廊下の暗闇で微かな、深い溜息が聞こえたように思ったので、彼はハッとばかり固くなった。

慌ててカプセルを右手に握り込んだまま、指先走りに廊下に出てみたが、しかしそこには何の人影も無く、真暗な中廊下の向うの、
閉め忘れて来た渡殿(わたりどの)の入口の片側に、白桃の花が白々と月あかりに見えたので、今度は彼自身が思わず、深いタメ息をさせられた。


彼は彼自身を勇気付けるかのようにタッタ一人で微笑した。
悠々と薬局に帰って、小型のビーカーを取上ると常水を六分目程満たした。
塩酸モルヒネ入りのカプセルと一所に左手に持って、薬局用のスリッパをつまさぐった。

薬局の横の扉の掛金を外(はず)して、勝手口の外側に出た。
738禿鷹 ◆aiSlHqUd2c :2007/07/16(月) 21:37:37 ID:pv/Rhm3y0
軒下の暗がり伝いに足音を窃み窃み、台所の角に取付けた新しいコールタ塗の雨樋(あまどい)をめぐって、裏手の風呂場と、納屋の物置の廂合(ひさしあ)いの下に来た。
そこでは西へ傾いた月が、かなり深い暗がりを作って、直ぐ横手の白光りする土蔵の壁を、真四角に区切っていた。

彼は絶対に音を立てないように……まだ痲酔しているであろう唖女の眼を醒まさないように、用心しいしい納屋の扉の掛金を外した。
739禿鷹 ◆aiSlHqUd2c :2007/07/16(月) 21:38:29 ID:pv/Rhm3y0
……すると……納屋の中の暗がりで、突然にガサガサと藁の音がし初めた。たまらない乞食臭い異臭がムウと襲いかかって来た。
……と思う間もなく獣のように髪を振乱した怪物……逞ましい、………………………唖女が飛出して来て、イキナリ彼に抱き付いた。
心から嬉しそうに笑った。


「キイキイキイ……キキキキキ……」


その鵙(もず)さながらの声は月夜の建物と、その周囲をめぐる果樹園に響き渡って消え失せた。
740禿鷹 ◆aiSlHqUd2c :2007/07/16(月) 21:39:36 ID:pv/Rhm3y0
彼は一切が破滅したように思った。
眼も眩むほど胸がドキンドキンとした。全身にゾーッと生汗を掻きながら今一度、静かに左右を振返ってみたが、その彼の怯えた視線は、タッタ今通って来た台所の角の、新しい黒い雨樋の処へピタリと吸い寄せられた。

同時に彼の全神経が水晶のように凝固してしまった。
そこには離座敷から、彼の行動をつけて来たらしい花嫁の初枝の、冴え返った顔が覗いていた。
昨夜のままの濃化粧と、口紅のクッキリとした、高島田の金元結(きんもとゆい)の艶めかしい、黒い大きな瞳を一パイに見開いた人形のような瓜実顔が、
月の光りに浮彫りされたまま、半分以上雨樋の蔭から覗き出して、彼の姿を一心に凝視しているのであった。
741禿鷹 ◆aiSlHqUd2c :2007/07/16(月) 21:40:43 ID:pv/Rhm3y0
彼はソレを月の光りに照し出された巴旦杏の花の幻覚かと思った。
右手で左右の眼をグイグイと強くコスッて今一度よく見直した。

それは、たしかに花嫁の初枝の顔に相違なかった。
びんのホツレ毛が二三本、横頬に乱れかかっているのが、傾いた月の光りでハッキリと見えた。
その二つの黒い瞳が、マトモに此方を凝視したまま大きく、ユックリと二つばかり瞬いたのが見えた。

同時に、その真白い頬から大粒の涙の球が、キラリキラリと月の光りを帯びて、土の上に滴たり落ちるのが見えた。
742禿鷹 ◆aiSlHqUd2c :2007/07/16(月) 21:41:24 ID:pv/Rhm3y0
彼は、彼の足元の大地が、その涙の落ちて行く方向にグングンと傾いて行くように感じた。持っているビーカーを取落しそうになった。
 その時に彼にとりすがっているオドロオドロしい姿が、泥だらけの左手をあげて、初枝の顔を指した。勝誇るように笑った。


「ケケケケ……エベエベエベ……キキキキ……」
743禿鷹 ◆aiSlHqUd2c :2007/07/16(月) 21:42:46 ID:pv/Rhm3y0
人形のような高島田の顔が、静かに雨樋の蔭から離れた。
長々と地面に引擦(ひきず)った燃立つような緋縮緬(ひぢりめん)の長襦袢(ながじゅばん)の裾に、白い脛と、白い素足が交る交る月の光りを反射しいしい、彼の眼の前に近付いて来た。

彼はカプセルを自分の口に入れた。
ビーカーの水を……その中にゆらめく月の光りを凝視しつつ……

思い切ってガブガブと飲んだ。



「笑う唖女」
底本:「夢野久作全集4」ちくま文庫、筑摩書房
744本当にあった怖い名無し:2007/07/16(月) 21:43:56 ID:n3RbS/mw0
猫元気さんいないんですか?
745猫元気です ◆QHUMtA89T. :2007/07/16(月) 21:45:01 ID:U9Qf9I+r0
いますよ
746本当にあった怖い名無し:2007/07/16(月) 21:45:43 ID:n3RbS/mw0
あっびっくりw
さっきはありがとう。
747本当にあった怖い名無し:2007/07/16(月) 21:46:56 ID:n3RbS/mw0
どうやら覚醒したみたいですね。
私より、能力がありそうですね。
748猫元気です ◆QHUMtA89T. :2007/07/16(月) 21:48:24 ID:U9Qf9I+r0
あなた誰ですか 凛さんですか?
749禿鷹 ◆aiSlHqUd2c :2007/07/16(月) 21:48:36 ID:pv/Rhm3y0
第二章



ある日の事でございます。
御釈迦様(おしゃかさま)は極楽の蓮池(はすいけ)のふちを、独りでぶらぶら御歩きになっていらっしゃいました。
池の中に咲いている蓮(はす)の花は、みんな玉のようにまっ白で、そのまん中にある金色(きんいろ)の蕊(ずい)からは、
何とも云えない好(よ)い匂(におい)が、絶間(たえま)なくあたりへ溢(あふ)れて居ります。

極楽は丁度朝なのでございましょう。
750禿鷹 ◆aiSlHqUd2c :2007/07/16(月) 21:49:14 ID:pv/Rhm3y0
やがて御釈迦様はその池のふちに御佇(おたたず)みになって、水の面(おもて)を蔽(おお)っている蓮の葉の間から、ふと下の容子(ようす)を御覧になりました。

この極楽の蓮池の下は、丁度地獄(じごく)の底に当って居りますから、水晶(すいしよう)のような水を透き徹して、三途(さんず)の河や針の山の景色が、丁度覗(のぞ)き眼鏡(めがね)を見るように、はっきりと見えるのでございます。
751本当にあった怖い名無し:2007/07/16(月) 21:50:03 ID:n3RbS/mw0
そうです。昨日チャットした者です。
ここでは、そのコテは使いません。
同じ名前の人がいるようなので。
752禿鷹 ◆aiSlHqUd2c :2007/07/16(月) 21:50:33 ID:pv/Rhm3y0
するとその地獄の底に、陀多(かんだた)と云う男が一人、ほかの罪人と一しょにうごめいている姿が、御眼に止まりました。

この陀多と云う男は、人を殺したり家に火をつけたり、いろいろ悪事を働いた大泥坊でございますが、それでもたった一つ、善い事を致した覚えがございます。
と申しますのは、ある時この男が深い林の中を通りますと、小さな蜘蛛が一匹、路ばたを這って行くのが見えました。

そこで陀多は早速足を挙げて、踏み殺そうと致しましたが、

「いや、いや、これも小さいながら、命のあるものに違いない。その命を無暗にとると云う事は、いくら何でも可哀そうだ。」

と、こう急に思い返して、とうとうその蜘蛛を殺さずに助けてやったからでございます
753猫元気です ◆QHUMtA89T. :2007/07/16(月) 21:51:09 ID:U9Qf9I+r0
俺は能力あるのかな? なんで覚醒したと思うの?
754禿鷹 ◆aiSlHqUd2c :2007/07/16(月) 21:52:04 ID:pv/Rhm3y0
御釈迦様は地獄の容子を御覧になりながら、この陀多には蜘蛛を助けた事があるのを御思い出しになりました。
そうしてそれだけの善い事をした報には、出来るなら、この男を地獄から救い出してやろうと御考えになりました。


幸い、側を見ますと、翡翠(ひすい)のような色をした蓮の葉の上に、極楽の蜘蛛が一匹、美しい銀色の糸をかけて居ります。
御釈迦様はその蜘蛛の糸をそっと御手に御取りになって、玉のような白蓮の間から、遥か下にある地獄の底へ、まっすぐにそれを御下しなさいました。
755本当にあった怖い名無し:2007/07/16(月) 21:52:42 ID:n3RbS/mw0
いろんな人の霊視が当たってたじゃないですか?
凄いと思います。
756禿鷹 ◆aiSlHqUd2c :2007/07/16(月) 21:55:04 ID:pv/Rhm3y0
こちらは地獄の底の血の池で、ほかの罪人と一しょに、浮いたり沈んだりしていた陀多(かんだた)でございます。
何しろどちらを見ても、まっ暗で、たまにそのくら暗からぼんやり浮き上っているものがあると思いますと、それは恐しい針の山の針が光るのでございますから、その心細さと云ったらございません。
757禿鷹 ◆aiSlHqUd2c :2007/07/16(月) 21:55:37 ID:pv/Rhm3y0
その上あたりは墓の中のようにしんと静まり返って、たまに聞えるものと云っては、ただ罪人がつく微(かすか)な嘆息(たんそく)ばかりでございます。

これはここへ落ちて来るほどの人間は、もうさまざまな地獄の責苦(せめく)に疲れはてて、泣声を出す力さえなくなっているのでございましょう。
ですからさすが大泥坊の陀多も、やはり血の池の血に咽(むせ)びながら、まるで死にかかった蛙(かわず)のように、ただもがいてばかり居りました。
758本当にあった怖い名無し:2007/07/16(月) 21:55:47 ID:n3RbS/mw0
そして、私を幸せな気持ちにしてくれた。ありがとう。

もう寝ますね。
759本当にあった怖い名無し:2007/07/16(月) 21:55:58 ID:Zotb3NG5O
あげ
760禿鷹 ◆aiSlHqUd2c :2007/07/16(月) 21:58:01 ID:pv/Rhm3y0
ところがある時の事でございます。
何気なく陀多が頭を挙げて、血の池の空を眺めますと、そのひっそりとした暗の中を、遠い遠い天上から、銀色の蜘蛛の糸が、まるで人目にかかるのを恐れるように、一すじ細く光りながら、するすると自分の上へ垂れて参るのではございませんか。

カンダタはこれを見ると、思わず手を拍って喜びました。
この糸に縋(すが)りついて、どこまでものぼって行けば、きっと地獄からぬけ出せるのに相違ございません。
いや、うまく行くと、極楽へはいる事さえも出来ましょう。
761猫元気です ◆QHUMtA89T. :2007/07/16(月) 21:59:32 ID:U9Qf9I+r0
幸せになったんだ良かった おやすみなさい
762禿鷹 ◆aiSlHqUd2c :2007/07/16(月) 21:59:47 ID:pv/Rhm3y0
そうすれば、もう針の山へ追い上げられる事もなくなれば、血の池に沈められる事もある筈はございません。
こう思いましたから陀多(かんだた)は、早速その蜘蛛の糸を両手でしっかりとつかみながら、一生懸命に上へ上へとたぐりのぼり始めました。
元より大泥坊の事でございますから、こう云う事には昔から、慣れ切っているのでございます。

しかし地獄と極楽との間は、何万里となくございますから、いくら焦(あせ)って見た所で、容易に上へは出られません。
ややしばらくのぼる中(うち)に、とうとう陀多もくたびれて、もう一たぐりも上の方へはのぼれなくなってしまいました。

そこで仕方がございませんから、まず一休み休むつもりで、糸の中途にぶら下りながら、遥かに目の下を見下しました。
763禿鷹 ◆aiSlHqUd2c :2007/07/16(月) 22:00:45 ID:pv/Rhm3y0
すると、一生懸命にのぼった甲斐があって、さっきまで自分がいた血の池は、今ではもう暗の底にいつの間にかかくれて居ります。

それからあのぼんやり光っている恐しい針の山も、足の下になってしまいました。
この分でのぼって行けば、地獄からぬけ出すのも、存外わけがないかも知れません。
陀多は両手を蜘蛛の糸にからみながら、ここへ来てから何年にも出した事のない声で、「しめた。しめた。」と笑いました。
764禿鷹 ◆aiSlHqUd2c :2007/07/16(月) 22:04:32 ID:pv/Rhm3y0
ところがふと気がつきますと、蜘蛛の糸の下の方には、数限(かずかぎり)もない罪人たちが、自分ののぼった後をつけて、まるで蟻(あり)の行列のように、やはり上へ上へ一心によじのぼって来るではございませんか。

陀多はこれを見ると、驚いたのと恐しいのとで、しばらくはただ、莫迦(ばか)のように大きな口を開(あ)いたまま、眼ばかり動かして居りました。
自分一人でさえ断(き)れそうな、この細い蜘蛛の糸が、どうしてあれだけの人数(にんず)の重みに堪える事が出来ましょう。
765禿鷹 ◆aiSlHqUd2c :2007/07/16(月) 22:05:04 ID:pv/Rhm3y0
もし万一途中で断(き)れたと致しましたら、折角ここへまでのぼって来たこの肝腎(かんじん)な自分までも、元の地獄へ逆落(さかおと)しに落ちてしまわなければなりません。
そんな事があったら、大変でございます。

が、そう云う中にも、罪人たちは何百となく何千となく、まっ暗な血の池の底から、うようよと這(は)い上って、細く光っている蜘蛛の糸を、
一列になりながら、せっせとのぼって参ります。今の中にどうかしなければ、糸はまん中から二つに断れて、落ちてしまうのに違いありません。
766マギステル ◆vnqgLCUStM :2007/07/16(月) 22:12:16 ID:+MfWOSz8O
能力はスゴい…。
だけど言動とか鼻持ちならない態度とかと合わさってプラスマイナスゼロ。
冷やかしとか冗談とかなしで、もったいないから自分を見直せばいいと思うよ。
767猫元気です ◆QHUMtA89T. :2007/07/16(月) 22:15:33 ID:U9Qf9I+r0
マギステルさんってなやんでましたっけ
768禿鷹 ◆aiSlHqUd2c :2007/07/16(月) 22:16:59 ID:pv/Rhm3y0
そこで陀多は大きな声を出して、「こら、罪人ども。この蜘蛛の糸は己のものだぞ。お前たちは一体誰に尋いて、のぼって来た。
下りろ。下りろ。」と喚(わめ)きました。

その途端でございます。
今まで何ともなかった蜘蛛の糸が、急に陀多のぶら下っている所から、ぷつりと音を立てて断(き)れました。

ですから陀多もたまりません。あっと云う間(ま)もなく風を切って、独楽(こま)のようにくるくるまわりながら、見る見る中に暗の底へ、まっさかさまに落ちてしまいました。
769禿鷹 ◆aiSlHqUd2c :2007/07/16(月) 22:17:55 ID:pv/Rhm3y0
後にはただ極楽の蜘蛛の糸が、きらきらと細く光りながら、月も星もない空の中途に、短く垂れているばかりでございます。

 
御釈迦様(おしゃかさま)は極楽の蓮池(はすいけ)のふちに立って、この一部始終(しじゅう)をじっと見ていらっしゃいましたが、
やがて陀多(かんだた)が血の池の底へ石のように沈んでしまいますと、悲しそうな御顔をなさりながら、またぶらぶら御歩きになり始めました。

自分ばかり地獄からぬけ出そうとする、陀多の無慈悲な心が、そうしてその心相当な罰をうけて、元の地獄へ落ちてしまったのが、御釈迦様の御目から見ると、浅間しく思召されたのでございましょう。
770猫元気です ◆QHUMtA89T. :2007/07/16(月) 22:18:30 ID:U9Qf9I+r0
マギステルさんもし悩んでるのなら良くなるように力送ってみようと思うのですが
771禿鷹 ◆aiSlHqUd2c :2007/07/16(月) 22:18:54 ID:pv/Rhm3y0
しかし極楽の蓮池の蓮は、少しもそんな事には頓着(とんじゃく)致しません。

その玉のような白い花は、御釈迦様の御足(おみあし)のまわりに、ゆらゆら萼(うてな)を動かして、そのまん中にある金色の蕊(ずい)からは、何とも云えない好(よ)い匂が、絶間(たえま)なくあたりへ溢(あふ)れて居ります。

極楽ももう午(ひる)に近くなったのでございましょう。

(大正七年四月十六日)
772禿鷹 ◆aiSlHqUd2c :2007/07/16(月) 22:19:53 ID:pv/Rhm3y0
22:30〜40
773本当にあった怖い名無し:2007/07/16(月) 22:24:10 ID:fB5x4pE80
俺も質問して良いかな?
774猫元気です ◆QHUMtA89T. :2007/07/16(月) 22:25:36 ID:U9Qf9I+r0
マギステルさんいないのでやめます
775本当にあった怖い名無し:2007/07/16(月) 22:26:37 ID:2M28gHLX0
27才、♀、8月22日
最近身の回りで病気になる人が多いのでみてください。
776蝦人 ◆as1mg4Nm26 :2007/07/16(月) 22:26:56 ID:Vkea1TzY0
>>732
さてはおぬし犬派だな?

>>766
プラスマイナスマイナスだろw
777本当にあった怖い名無し:2007/07/16(月) 22:27:00 ID:z96wuAUd0
すげー!
病人を祭ってるよ!!!
778猫元気です ◆QHUMtA89T. :2007/07/16(月) 22:29:36 ID:U9Qf9I+r0
>>775さん 俺は霊視はできないし今する気ないです他あたってください
779本当にあった怖い名無し:2007/07/16(月) 22:31:02 ID:KJ6goDzU0
30才・男
最近仕事でミスをすることが多いです。
なにかあるんでしょうか?
780猫元気です ◆QHUMtA89T. :2007/07/16(月) 22:32:13 ID:U9Qf9I+r0
依頼しないでください無理です
781本当にあった怖い名無し:2007/07/16(月) 22:32:25 ID:z96wuAUd0
これがオカルト板かー…
凄いなぁ〜
メンヘル板いらないじゃんw
全員こっち呼んじゃえば?
そうすりゃぁ、みんな霊視とか透視とかしまくりじゃね?www
んで、適当言って、一個でも当たってたら霊視透視成功じゃんwwww
ホント、オカルト板って凄いねぇ〜凄いねぇ〜凄いねぇ〜滅びろ
782トンヌラ:2007/07/16(月) 22:34:21 ID:mx/xsTLG0
18歳男学生

先週から何かがおかしいようにやる気がもう出ません。
本当におかしいと思います。
どうでしょうか?
783猫元気です ◆QHUMtA89T. :2007/07/16(月) 22:34:26 ID:U9Qf9I+r0
誰かチャットしてほしいです落ち着きません
784本当にあった怖い名無し:2007/07/16(月) 22:35:22 ID:WadQqBCH0
私はこうなるだろうなと思ったことが現実になります。
自分の希望したもの、但し突拍子もないことではなく
実現可能な目標のようなものを夢で見て、それが
現実で遅れて起こります。
こういうのを意識して能力として開花させられたら
いいのだけど
ただのイメージトレーニングでしょうか
785本当にあった怖い名無し:2007/07/16(月) 22:38:11 ID:AyiIzSiF0
美容師・22才

男の外見と口にだまされてばっかりなんですけどこんなのばっかりです。
妙なオーラまとってるからなんでしょうか?
786猫元気です ◆QHUMtA89T. :2007/07/16(月) 22:39:23 ID:U9Qf9I+r0
依頼しても無理です 誰かチャットしてください
787本当にあった怖い名無し:2007/07/16(月) 22:40:28 ID:WadQqBCH0
チャットってどこでですか
788本当にあった怖い名無し:2007/07/16(月) 22:40:45 ID:fB5x4pE80
>>785
オーラが原因ではなくお前の知能が一番の問題だ

まず現実をよく見てから生きていこう
789本当にあった怖い名無し:2007/07/16(月) 22:41:19 ID:z96wuAUd0
>>784
その夢が、妙にリアルに見えたのなら、それは予知夢
その妙にリアルだった夢を日記みたいに書いとくと結構役に立つぞ
790猫元気です ◆QHUMtA89T. :2007/07/16(月) 22:42:22 ID:U9Qf9I+r0
http://monachat.dyndns.org/ ここのモナちゃっと41部屋にきてください
791本当にあった怖い名無し:2007/07/16(月) 22:43:13 ID:z96wuAUd0
でえたぁぁぁぁぁぁwwwwwwwモナちゃっとwwwwwwwww
ガキの巣窟wwwwwwww
792本当にあった怖い名無し:2007/07/16(月) 22:43:56 ID:9GzlhIus0
結婚寸前までいくのですが断られたり自然消滅することが多いです。
何かあるのでしょうか

36才 公務員
793猫元気です ◆QHUMtA89T. :2007/07/16(月) 22:45:33 ID:U9Qf9I+r0
昨日ゴマアザラシさんに教えてもらったんだ ガキの巣とか知らない
794本当にあった怖い名無し:2007/07/16(月) 22:48:21 ID:slqnD1530
17歳学生ですが昔のころより先が予測できなくなりました。
あと右肩がじんじん痺れます。
795本当にあった怖い名無し:2007/07/16(月) 22:51:25 ID:mV3Vh0CuO
携帯だからモナチャ入れへんし
796本当にあった怖い名無し:2007/07/16(月) 22:52:00 ID:Rf92fqLp0
できれば年と性別は出したくないのですがいいでしょうか?

黒い影が横切ったのが見えた日から悪いことがよくおきます。
今は見えませんが何かあるのでしょうか。
見えますか?
797本当にあった怖い名無し:2007/07/16(月) 22:55:57 ID:1fos/xIJ0
サクラ以外の客が来ると逃亡www
非常にわかりやすいwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
元気涙目脂肪www
798マギステル ◆vnqgLCUStM :2007/07/16(月) 22:56:04 ID:+MfWOSz8O
要するに元気は友達が欲しいだけなのね…
799本当にあった怖い名無し:2007/07/16(月) 22:57:23 ID:1fos/xIJ0
ただ荒らしてみんなが騒ぐのを見たいだけだろ。
TVとかでやってる愉快犯とかそういう変態の部類。
800karasu// ◆eJlUd9keO2 :2007/07/16(月) 22:57:58 ID:xG8s8MLxO
  )))
(・ω・)おいハゲ!!ポマエのやってることは最低だお
意見があるなら意見しる
できないなら黙ってなしゃいよ!!
ぽくのレイシの順番がわからないじゃないのさ
801本当にあった怖い名無し:2007/07/16(月) 22:59:00 ID:1fos/xIJ0
>>800
お前つまらねえよ。黙れないなら死ね。クズ。
802karasu// ◆eJlUd9keO2 :2007/07/16(月) 22:59:13 ID:xG8s8MLxO
  )))
(・ω・)ハゲは禿げ鷹くんだからね ほかのしとじゃないんだよ

はやくレイシしてくれないかなあ〜
803本当にあった怖い名無し:2007/07/16(月) 23:00:44 ID:1fos/xIJ0
>>802
お前が現実世界でも頭が悪いのは俺でも霊視できたから糞して寝ろ
804本当にあった怖い名無し:2007/07/16(月) 23:02:07 ID:1fos/xIJ0
イカサマやって喜んでるバカ元気まだ〜?
805karasu// ◆eJlUd9keO2 :2007/07/16(月) 23:02:17 ID:xG8s8MLxO
  )))
(・ω・)レイシまだかなあ?
だってレイシしてもらわないとほんとにしごい人だったら損だもの
糞スレだとしても
それを排除しる権利はぽくらにはないんだお
806本当にあった怖い名無し:2007/07/16(月) 23:03:46 ID:1fos/xIJ0
>>805
もっと霊視すると、お前は寒いAAでつまらん書き込みをできるくらい恥を知らない大物だ。
よかったな。いいことあるぞ。
807マギステル ◆vnqgLCUStM :2007/07/16(月) 23:04:05 ID:+MfWOSz8O
見た目とかは意外に当たる…
でもアドバイスの面に関しては…って感じ。
808karasu// ◆eJlUd9keO2 :2007/07/16(月) 23:05:26 ID:xG8s8MLxO
   )))
ヽ(・ω・)ノばんじゃーい
809本当にあった怖い名無し:2007/07/16(月) 23:05:29 ID:1fos/xIJ0
結局ここでコテつけて騒いでる阿呆どもは元気とつるんでると考えていいわけ?
かまってやるから図に乗るのがわかんないわけじゃねえよな?
810karasu// ◆eJlUd9keO2 :2007/07/16(月) 23:07:41 ID:xG8s8MLxO
  )))
(・ω・)いやぽくは一見さんですよ
どっちかつうとOff板からきまちた

とりあえず元気様の降臨をまちましょう
ぽくは元気様にみてもらいたいよくばりな大物らしいです。
  )))
(・ω・)ノイェーイ
811本当にあった怖い名無し:2007/07/16(月) 23:08:01 ID:JzKQLTIx0
そりゃあ分かってやってるでしょ
オカ板の奴ってそういう奴多いね
812本当にあった怖い名無し:2007/07/16(月) 23:08:47 ID:mV3Vh0CuO
>>809
わかんね。
さっき北んだけど
何なのこのスレ
813本当にあった怖い名無し:2007/07/16(月) 23:09:12 ID:1fos/xIJ0
>>810
さらに霊視すると、現実世界でも寒さの空気の読めないお前はいつになってもうだつがあがっていない。
あたってるか?
814本当にあった怖い名無し:2007/07/16(月) 23:13:16 ID:1fos/xIJ0
バカとアホが傷を舐めあいながら暇つぶしかよwww
ホモビデオよりきめえwww
815karasu// ◆eJlUd9keO2 :2007/07/16(月) 23:20:12 ID:xG8s8MLxO
  )))
(・ω・)うーん>>813
友達や仲間ひいてはおんにゃのこ にも満足しております。
たくさんの優しい人に支えられてぽくは元気でしゅ
ただ 強くなりたいっす自分よわいポクチング練習生ですが
うまれもっての虚弱体質でなやんでます
ピクミンみたいな運命なのかなって
ちょっとハチワンダイバー立ち読みしてきましゅ
816ステアー:2007/07/16(月) 23:30:03 ID:hEF/pWtn0
>>815
はて、武板でお見かけしたようなお名前。
817禿鷹 ◆aiSlHqUd2c :2007/07/16(月) 23:55:56 ID:LGwhBvVT0
番外


太郎さんはお父さまから銀色にピカピカ光る空気銃を一梃頂きました。
大喜びで毎日毎日雀を撃って歩きましたが、一匹もあたりません。
そのうちに弾丸(たま)が一発も無くなりました。
お父様に弾丸(たま)を買って下さいとお願いしましたが、

「まだ店がお休みだから」

と云って買って下さいません。雀は表でチュンチュン鳴いて、何だか太郎さんを馬鹿にしているようです。太郎さんは弾丸のない空気銃を抱いて涙ぐみました。
818禿鷹 ◆aiSlHqUd2c :2007/07/16(月) 23:56:55 ID:LGwhBvVT0
そのうちに不図お祖父様の手箱の中に赤い丸薬があった事を思い出しました。
ちょうどお祖父様は御年始に行かれた留守でしたから、そっとお室へ行って床の間の手箱をあけて丸薬の袋を盗み出しました。

その袋の中には赤い丸薬がたった三粒ありました。
空気銃に入れてみると丁度良い位の大きさです。
819禿鷹 ◆aiSlHqUd2c :2007/07/16(月) 23:57:47 ID:LGwhBvVT0
太郎さんは大喜びで三粒の赤い丸薬を持って表に出て、屋根の上にいる雀を狙って一発放しましたが、中(あた)りませんでした。

又一発――
又一発――

とうとう三粒共赤い丸薬を撃ちましたが、中(あた)りません。
雀は知らぬ顔をしてチュンチュンと囀(さえず)っています。
820禿鷹 ◆aiSlHqUd2c :2007/07/16(月) 23:58:46 ID:LGwhBvVT0
太郎さんは急に丸薬が惜しくなりました。
もしやそこらに落ちていはしまいかと門の外へ来てみますと、そこには一人の老人の乞食がいて、三粒の赤い丸薬を汚い黒い掌に乗せて不思議そうに見ております。

太郎さんは喜ぶまい事か、
「あっ、その丸薬は僕のだ。返しておくれ」
と云いました。
821禿鷹 ◆aiSlHqUd2c :2007/07/17(火) 00:00:35 ID:S4dLo2XH0
乞食は鬚だらけの顔を挙げて太郎さんをジロジロ見ましたが、やがてニヤリと笑って、

「坊ちゃん。この薬は今しがた私がここにいるときに天から降って来たのを私が拾ったのです。あなたに上げる訳に行きません」

と云ううちに汚い手で握り込んでしまいました。
822禿鷹 ◆aiSlHqUd2c :2007/07/17(火) 00:01:44 ID:LGwhBvVT0
太郎さんは、何という意地の悪い乞食だろうと思って腹が立ちました。
どうかして返してもらおうと思いましたが、しかたがありませんから、お祖父様の丸薬を盗んだ事を話しますと、乞食はさもさも驚いたという顔をしました。


「それは坊ちゃん、大変ですよ。この丸薬は一粒飲むと一年、二粒飲むと十年、三粒飲むと百年、四粒飲むと千年、五粒飲むと一万年生き延びるのです。

もし今日あなたのお祖父様が御病気になられて、この薬を飲みたいと云われたらどうなさいます。そうしてこの薬がないためにお祖父様が亡くなられたらどうなさいます。

あなたはお祖父様のお命を取ったも同然ではありませんか。そんな大切なお薬を雀の生命を取るために使うなぞと、まあ何という乱暴な坊ちゃんでしょう。

私はあなたのような方にこの薬をお返し申す訳に参りません」
823禿鷹 ◆aiSlHqUd2c :2007/07/17(火) 00:02:37 ID:S4dLo2XH0
太郎さんは悪かったと思って、たちまちワッと泣き出しました。泣きながら乞食に、

「どうぞどんな事でもしますから、その丸薬を返して下さい」

と頼みましたが、乞食は意地悪く頭を左右に振るばかりです。

「イエイエ、御返しする訳には参りません。この薬は私が飲んでしまいます」

と云ううちに、乞食はその一粒をペロリと飲み込んでしまいました……
と思うと、今までの乞食の汚い姿は見る間に変って、一人の立派な旅行商人の姿になりました。
824青猫:2007/07/17(火) 00:02:40 ID:E/52qEzs0
猫くん今日はありがとう
君に教えてもらったことを心に留めて毎日過ごしてみるよ

祈り
825禿鷹 ◆aiSlHqUd2c :2007/07/17(火) 00:03:40 ID:S4dLo2XH0
たった一粒の丸薬で乞食から急に旅行商人に変った姿を見ている太郎さんを見ながら、乞食の旅行商人はニッコリ笑いました。

「どうです、太郎さん、驚いたでしょう。私は一年前迄はこんな姿だったのです。
こうして毎日毎日お薬を売って歩いたのです。売るお薬というのはたった五粒の丸薬で、名前を『若返り薬』というのでした。
この薬を売って歩いて見ましたが、誰も本当にしてくれませんでした。
826禿鷹 ◆aiSlHqUd2c :2007/07/17(火) 00:04:45 ID:S4dLo2XH0
その中(うち)にあなたのお祖父様ばかりは本当にして下さって、ねだんはいくらだとお尋ね下さいました。

私が『一粒で一円、二粒で十円、三粒で百円、四粒で千円、五粒で一万円だ』と申しますと、
『それではみんな買ってやるから、その中で一粒飲んで見ろ』と云うお話です。

私は惜い事と思いましたが、一粒飲みますと見る間に一年分だけ若返りました。
しかしお祖父様は『一年分だけ若返ったのではつまらぬから、今一粒飲んで十年分だけ若返って見せろ』と云う御注文です。
827禿鷹 ◆aiSlHqUd2c :2007/07/17(火) 00:05:40 ID:S4dLo2XH0
私が御注文通りに十年程若返って御眼にかけると、お祖父さまはお喜びになって、

『それではあと百年分を一万円で買おう』

とおっしゃってお買い下すったのが残りの三粒でした。
私はそれから一年の間にすっかりその一万円を使ってしまって、今年は乞食になっていたのです」

「そんなら、どうしてそんなお薬を手に入れたのですか」
と思わず太郎さんは尋ねました。
828本当にあった怖い名無し:2007/07/17(火) 00:06:03 ID:JGio/DsoO
なにはともあれ禿鷹の努力はもっと評価されるべきだ
829禿鷹 ◆aiSlHqUd2c :2007/07/17(火) 00:06:26 ID:S4dLo2XH0
旅行商人は黙って次の一粒を飲み込みました。
するとそれと一所に旅行商人は一人の立派な若い紳士の姿に変って、髪までも真黒になってしまいました。
二粒目の丸薬で旅行商人から若紳士の姿にかわった乞食は、いよいよ驚いている太郎さんの顔を見て面白そうに笑いながら、又お話しを続けました。
830禿鷹 ◆aiSlHqUd2c :2007/07/17(火) 00:07:37 ID:S4dLo2XH0
「どうです、坊ちゃん、いよいよ驚いたでしょう。御覧なさい。私は十年前ではこの通りの姿でこの国第一のお医者様だったのです。

私は音なしくしていれば、仕事は益々繁昌するばかりであったのに、思い切って贅沢をしたいばかりに、診てもらいに来る病人の生命の筋を一人に就いて一年分宛切り取って、

丁度一万年分集めてこの薬を作ったのです。この薬の作り方は誰も知っているものはありません。世界中にただ私ばかりです。

この薬を作るためには丁度一万人の人が一年分生命を縮めている筈です。
831禿鷹 ◆aiSlHqUd2c :2007/07/17(火) 00:08:59 ID:S4dLo2XH0
ああ恐ろしい。
人間一人の生命が五十年として、私は二百人分の生命を取っている訳です。
それを思うと私は生きている気持はしません。
しかし人の命を助ける役目をする薬で雀の命を取るようないたずら坊ちゃんほどに悪い人間ではありません。
良い者は御褒美を受け、悪いものは助けられるのが当り前です。

私は悪い事をした罰に今から直ぐに死んでしまいます。
あなたもすぐに私の真似をなさい。左様なら、太郎さん」

と云ううちに、紳士は掌に残っていた残りの一粒の丸薬を口に入れました。
832禿鷹 ◆aiSlHqUd2c :2007/07/17(火) 00:09:58 ID:S4dLo2XH0
と思うと、そのままあと形も無く消え失せて、あとには三粒の赤い丸薬が地びたの上にころがっているばかりでした。
 太郎さんは夢を見たように驚いて、暫くはボンヤリその三粒の丸薬を見詰めておりましたが、やがて気がつくと、自分もいよいよ死ななくてはならぬのかと思うと、情なくて恐ろしくて、身体がガタガタふるえて来ました。
833禿鷹 ◆aiSlHqUd2c :2007/07/17(火) 00:11:04 ID:S4dLo2XH0
恐る恐る丸薬を拾って家へ駈け込んでみますと、いつの間にかお祖父さんがお帰りになって、火鉢にあたっておいでになります。
太郎さんは紙に包んだ三粒の赤い丸薬をお祖父様の前へ置いて、最前からの話をして、ふるえながら泣いてあやまりました。
834禿鷹 ◆aiSlHqUd2c :2007/07/17(火) 00:11:47 ID:S4dLo2XH0
太郎さんのお父様やお母様も、太郎さんの泣き声を聞いて何事かと思って出て来られましたが、太郎さんのお話しを聞くと笑いだして、太郎さんの背中を撫でながら、

「何を言うのだ、太郎さん。そのお薬はお祖父様(じいさま)が町から買っておいでになった、風邪引きの薬のお余りではないか。もう古い古い事だから利かなくなっているのかも知れない。それを若返りの薬だなぞと、お前は狐につままれているのじゃないか」

腹を抱えて笑いころげられました。
835禿鷹 ◆aiSlHqUd2c :2007/07/17(火) 00:13:04 ID:S4dLo2XH0
しかしその中でお祖父様だけは笑われずにこう言われました。


「それは太郎の云うのが本当であろう。
どんな小さなものでも間違ったしかたで使う事がどんなに悪い事であるかという事が、太郎にだけ本当にわかったのだ。
他のものは皆嘘と云っても、太郎だけ本当と思えば、それでいいではないか」



底本:「夢野久作全集1」ちくま文庫、筑摩書房
「若返り薬」
836本当にあった怖い名無し:2007/07/17(火) 00:17:33 ID:h+pMMT610
おもしろかった
837karasu// ◆eJlUd9keO2 :2007/07/17(火) 00:31:50 ID:ZvktZs+gO
  )))
(・ω・)ハチワンダイバー休みだったお
838本当にあった怖い名無し:2007/07/17(火) 01:21:00 ID:li48cMq8O
いま透視、何人待ちですか〜?
839本当にあった怖い名無し:2007/07/17(火) 01:36:36 ID:lMaH7SIW0
禿鷹さんありがとう。夢野久作好きなので嬉しいです^^
840猫元気です ◆QHUMtA89T. :2007/07/17(火) 02:56:22 ID:KpOqPipw0
誰か助けてください むちゃくちゃ気が狂いそうです死にたい
841猫元気です ◆QHUMtA89T. :2007/07/17(火) 02:57:43 ID:KpOqPipw0
泣きながら笑ってます 人を個路視田意ですもう気が狂うたすけてください
842猫元気です ◆QHUMtA89T. :2007/07/17(火) 02:58:13 ID:KpOqPipw0
助けて!狂う!助けて!
843猫元気です ◆QHUMtA89T. :2007/07/17(火) 02:59:37 ID:KpOqPipw0
助けてよ
844本当にあった怖い名無し:2007/07/17(火) 03:00:37 ID:f2Yb8xZi0
どうしたの??
845本当にあった怖い名無し:2007/07/17(火) 03:02:25 ID:f2Yb8xZi0
私占いとか、霊視できないけど
話きくだけなら、できるから^^;
846猫元気です ◆QHUMtA89T. :2007/07/17(火) 03:02:38 ID:KpOqPipw0
分からない 死にたい頃して
847本当にあった怖い名無し:2007/07/17(火) 03:06:08 ID:f2Yb8xZi0
とりあえず死ぬのはだめ!
848本当にあった怖い名無し:2007/07/17(火) 03:06:40 ID:f2Yb8xZi0
身の回りで何か嫌なことでもあったの?
849ななし:2007/07/17(火) 03:07:56 ID:tsVXWV5U0
だから、その不安定なのをどうにか汁www
850蝦人 ◆as1mg4Nm26 :2007/07/17(火) 03:08:29 ID:XPPgfPBP0
>>849
全くだwwwwwwww
851猫元気です ◆QHUMtA89T. :2007/07/17(火) 03:09:50 ID:KpOqPipw0
なにも分かってないのに発言するな!気が狂うもう関わるな ななしと暇人
本当にやめろ
852ななし:2007/07/17(火) 03:11:04 ID:tsVXWV5U0
>>850
まさか=さっきの人ですか?w
853本当にあった怖い名無し:2007/07/17(火) 03:12:28 ID:wk7HVmTG0
御行し奉る
854ななし:2007/07/17(火) 03:12:46 ID:tsVXWV5U0
>>851
元気を助けたいのは山々だけど、私には私の課題があって、その課題を
クリア出来ないと、元気のことを救う手伝いが出来ないみたいなんだ。
855蝦人 ◆as1mg4Nm26 :2007/07/17(火) 03:12:52 ID:XPPgfPBP0
そそっwww

AB→えび→蝦

でしたw
856ななし:2007/07/17(火) 03:13:49 ID:tsVXWV5U0
>>855
おーっwww
857蝦人 ◆as1mg4Nm26 :2007/07/17(火) 03:14:09 ID:XPPgfPBP0
>>851
だからお医者さんに行きなさいっておいちゃんあれほど言うておろうが…
858蝦人 ◆as1mg4Nm26 :2007/07/17(火) 03:16:09 ID:XPPgfPBP0
さておいちゃん今度こそ寝るよ。
ななしさん、超お疲れ様どすた。おやすになさいノシ
859ななし:2007/07/17(火) 03:16:37 ID:tsVXWV5U0
>元気
私はここまで来るのに、何年も掛かった。でも、まだ課題が残されてるから
それクリア出来ない限りは、開花出来ない。

元気にも、死ぬ死なない、という葛藤よりは、そういう葛藤をして欲しい。

そして、「人を大切に想うこと」もう少し、知って欲しい。
860ななし:2007/07/17(火) 03:17:17 ID:tsVXWV5U0
>>858
こちらこそ、乙です&サンクスです ノシ
861猫元気です ◆QHUMtA89T. :2007/07/17(火) 03:18:02 ID:KpOqPipw0
偽物能力者が! なにが人を大事に思うだ 思いに思ってるは
消えろ本当にもう関わるな!気が狂う助けて
862猫元気です ◆QHUMtA89T. :2007/07/17(火) 03:19:07 ID:KpOqPipw0
死にたい もうやだこうゆう人間ばかりだしにたい パソコンぐちゃぐちゃにしたい
もう死にたい
863ななし:2007/07/17(火) 03:19:23 ID:tsVXWV5U0
本当に想ってる人は「豚」とか言わないってw

先ずは深呼吸して、落ち着こうぜよ?
864本当にあった怖い名無し:2007/07/17(火) 03:19:26 ID:f2Yb8xZi0
そんなに興奮したらだめだよ??
体に悪いし・・・
865猫元気です ◆QHUMtA89T. :2007/07/17(火) 03:20:55 ID:KpOqPipw0
うるせんだよ!クズ人間なんも分かってないだろ 死ね!
866ななし:2007/07/17(火) 03:21:12 ID:tsVXWV5U0
元気の能力は、まだ伸びてくよ。
けど、心身を安定させるのが鍵なんだよ。それ乗越えないと、
本物に近づけないんだよ?
867本当にあった怖い名無し:2007/07/17(火) 03:21:56 ID:f2Yb8xZi0
私にあたってもいいから
自分を責めるのだけはやめて!
868本当にあった怖い名無し:2007/07/17(火) 03:24:19 ID:VJxyw+7LO
だぁー
869猫元気です ◆QHUMtA89T. :2007/07/17(火) 03:25:03 ID:KpOqPipw0
霊能力がほしんだよ豚死ね
870本当にあった怖い名無し:2007/07/17(火) 03:27:38 ID:f2Yb8xZi0
そうかー霊能力かぁ・・・
欲しいと思って、手に入るものでもないからなぁ




















とマジレスしてみる あん でしたwwwwwwwwwwwwwwwwwww
871ななし:2007/07/17(火) 03:27:42 ID:tsVXWV5U0
元気は、死のうとしていても、死ねない。
それはなぜかというと、心が「生きたい」と訴えてるから。

なぜそんな、「自分自身」からの訴えを、ちゃんと聞いてあげないの?

関わる者すべて、いい加減だと言ったままでは、いけないよ?

物を壊したいのであれば、壊せばいい。しかし、それは元へは戻らない。

(透視の)数をこなして、上へ上がるも良し。でも、それにはまず、
心の安定をはからなければ、かなわぬこと。

生きて。死のうとは思わないで。
872ななし:2007/07/17(火) 03:28:25 ID:tsVXWV5U0
>>870
乙wwwwwwwwwwww
873猫元気です ◆QHUMtA89T. :2007/07/17(火) 03:29:51 ID:KpOqPipw0
霊能力がほしい透視いらない
874ななし:2007/07/17(火) 03:31:13 ID:tsVXWV5U0
>元気
元気は透視が伸ばせるよ。
875本当にあった怖い名無し:2007/07/17(火) 03:31:28 ID:f2Yb8xZi0
ななしさーん、さっきはありがとねwww

これからのななしさんの
成長と大成功いのっとります!
876猫元気です ◆QHUMtA89T. :2007/07/17(火) 03:31:55 ID:KpOqPipw0
霊視じゃないといやだ 透視じゃ守護霊の声きけない 頭が狂いそう 笑ってる
877本当にあった怖い名無し:2007/07/17(火) 03:32:51 ID:CPBPjrUV0
とりあえず パキシルでも呑めよww つ パ
878猫元気です ◆QHUMtA89T. :2007/07/17(火) 03:36:08 ID:KpOqPipw0
霊視がしたい気が狂うああああああああ
879:2007/07/17(火) 03:37:27 ID:GjsKZj6sO
>>869
霊能力がほしんだね
880ななし:2007/07/17(火) 03:37:50 ID:tsVXWV5U0
>>875
こちらこそ、有難うです。m(__)m

あんさんの人生を左右するのは "信頼しあえる心"
それを持ってすれば、吉みたいですよ?w

陰ながら、祈っておきますねw
881本当にあった怖い名無し:2007/07/17(火) 03:39:41 ID:f2Yb8xZi0
視てもらってありがとう♪

うん、それを心に留めておきますね!
ありがと〜
882猫元気です ◆QHUMtA89T. :2007/07/17(火) 03:40:33 ID:+SDOYWVlO
口のなかでちの味する 狂ってきた クスクス笑う
883ななし:2007/07/17(火) 03:40:58 ID:tsVXWV5U0
>>881
dでもないですwご参考までに〜w
884猫元気です ◆QHUMtA89T. :2007/07/17(火) 03:42:49 ID:+SDOYWVlO
消えろ嫌だ!!! 関わるな!!!
885ななし:2007/07/17(火) 03:43:39 ID:tsVXWV5U0
>元気
まずは「自分自身」から。目をそらさないで
向き合って、受け容れて。
886猫元気です ◆QHUMtA89T. :2007/07/17(火) 03:44:21 ID:+SDOYWVlO
そらしてねえよ馬鹿 関わるな!!!
887本当にあった怖い名無し:2007/07/17(火) 03:46:42 ID:CPBPjrUV0
元気、おまえ、自分で嫌なもの増幅させてるよ
888猫元気です ◆QHUMtA89T. :2007/07/17(火) 03:49:04 ID:+SDOYWVlO
俺がななしを呪ってるのが分かるの?
889ななし:2007/07/17(火) 03:49:25 ID:tsVXWV5U0

っ‑○●○ <だんごだおw
890本当にあった怖い名無し:2007/07/17(火) 03:49:56 ID:TrfzvwGaO
猫踏んじゃった♪
猫踏んじゃった♪
猫踏んづけちゃったら♪
死んじゃった♪
891本当にあった怖い名無し:2007/07/17(火) 03:50:41 ID:CPBPjrUV0
もうこれ以上は、同調しない。こっちも忙しくて体調悪いから、おまえに引っ張られちまうよ
892猫元気です ◆QHUMtA89T. :2007/07/17(火) 03:51:13 ID:+SDOYWVlO
俺が強い念で蛇で締め上げて運気停滞させるたびに増幅っていうけど分かるの?
893:2007/07/17(火) 03:51:47 ID:GjsKZj6sO
>>884
消えぬ好きだ!!! 関わる!!!
894ななし:2007/07/17(火) 03:52:23 ID:tsVXWV5U0

っ‑○●○ <ウマーな串募集中だおw
895猫元気です ◆QHUMtA89T. :2007/07/17(火) 03:53:01 ID:+SDOYWVlO
>>891さん 助けてください悲しい
896ななし:2007/07/17(火) 03:53:32 ID:tsVXWV5U0
>>893(←ヤクザだってw)

素敵だwww
897ななし:2007/07/17(火) 03:56:33 ID:tsVXWV5U0
░▒∀・)
898ヤクザ:2007/07/17(火) 03:59:31 ID:GjsKZj6sO
>>896
素敵?
899ななし:2007/07/17(火) 04:02:07 ID:tsVXWV5U0
>>898
www

スマソw素敵なのはこっちw

>消えぬ好きだ!!! 関わる!!!

惚れた(ポッ
900:2007/07/17(火) 04:06:25 ID:PdkHqbr8O
900ヘトー
901ヤクザ豚:2007/07/17(火) 04:11:53 ID:GjsKZj6sO
>>899
退却
902本当にあった怖い名無し:2007/07/17(火) 06:17:45 ID:JGio/DsoO
ここはまだやってんのか…
元気ちゃんいい加減諦めなよ。霊能力なんてあっても辛いだけだぜ?俺はしょっちゅう引っ張られるからわかる。
相手は選べないしね。まぁ一つ助言してあげると俺がこの力を身に着けたきっかけは幼い頃の事故で死にかけたことにあるらしい。
今でも時々頭が脈打つ感じになる。そんな時は決まって見えるんだ。
あまりお勧めしないが頭を超打ってみれば?そしたら世界が元気の思う方向にいくかもよ?ま、死なない程度にな
903本当にあった怖い名無し:2007/07/17(火) 06:25:51 ID:HE0HAdt20
17ぐらいで睡眠時間削ってると将来よい影響ないよ
904猫元太です ◇QHUMtA89T.:2007/07/17(火) 09:58:58 ID:Rk93oeEh0
昨日は信者に持ち上げられて良い気分だったのに
結局いつもの基地外元気になっちゃったのね

これ埋まっても新スレなんて立てんなよ 霊視スレなら他にもあんだろ
ルール無視の個人専用とかわがままな事すんじゃねーぞ
905本当にあった怖い名無し:2007/07/17(火) 10:00:07 ID:FdNDo0MG0
どうしちゃったんですか?
906ヤクザ豚:2007/07/17(火) 10:51:25 ID:GjsKZj6sO
>>905
(´・ω・`)しらんがな
907ちびすけ:2007/07/17(火) 11:07:00 ID:HrTIT2/Z0
猫さんごめんなさい
結局昨日起きれなくなって意識がそのまますーっとなくなってました
今は落ち着いて寝てます
ご挨拶できなくてごめんなさいです
また気が向いたらおしゃべりしてくれるとうれしいです
908蝦人 ◆as1mg4Nm26 :2007/07/17(火) 12:09:00 ID:PdkHqbr8O
>>904
そんな真っ当な忠告無駄無駄。

>>905
>>29-30

>>ちびすけさん
大事がなかったようで何よりです。無理しないでくださいね。えび。
909karasu// ◆eJlUd9keO2 :2007/07/17(火) 12:39:18 ID:ZvktZs+gO
住人がアレルギー反応起こす理由がわかったのでありました。

かまって欲しいならかまってくれって素直に言えばいいような気がするなあ〜
まだ少年なのか?少年のような青年なのか?ぽくにはわかりましえんが、自殺スレとかは立てないでくだしやー
とりあえずぽくをレイシしてくだしゃいよチミイ
メンヘラに悪いヤシは少ないとおもうなあー いわばこのスレも猫君の症状のひとつとしたら
  )))
(・ω・)それをとがめるのって違うきがしるなあ〜 どうせ糞スレが一つ増えても困らないっしょ
他の過疎糞スレ落とせばいいっしょ
とにかくね文章ぽく才能ないからみんなレイシして解読してよ!!?
910karasu// ◆eJlUd9keO2 :2007/07/17(火) 12:54:22 ID:ZvktZs+gO
  )))
(・ω・)せっかく早起きしたのに猫君学校かなあ
ぽく早起き失敗したから仕事さぼることにしたよ
ハチワンダイバー楽しいよね何がいいかって展開が早いしね
ユーモアとね真剣のばらんすが絶妙だね
ぽくね近所じゃ立ち読みの天才だよ 3食コンビミみたいな生活だからねスッカリ常連でね
セブンスターの新作とかぽくにくれたりしるんだお
スゲーだろ
911ちびすけ:2007/07/17(火) 14:00:44 ID:HrTIT2/Z0
>>908
ありがとです^^最近ならなかったので油断してました(^^;
912猫元気です ◆QHUMtA89T. :2007/07/17(火) 14:24:59 ID:KpOqPipw0
ちびすけさん 昨日の透視ですが ちびすけさんのあの問題にたいしては
俺のレベルでは触れちゃだめみたい なにいってもちびすけさんが狂ってしまう
イメージがくる 透視できない人との相談もさけたほうがいいですあの問題にたいしては
ちびすけさんも分かると思いますが ちびすけさん一つだけいっときますが
周りからでそんなふうになってる部分があります 一人で落ち着ける趣味でも
探してみてはどうかな 紅茶とか色々のんでみたり 映画みたり 一人ってのもの
充実させてみてください 友達と遊ぶのはいいですが なにか分からない部分ありますか
913本当にあった怖い名無し:2007/07/17(火) 14:40:05 ID:qF+bI74CO
なんでこんなに当たり前みたいに
人に頼ろうとするんだろ?
914本当にあった怖い名無し:2007/07/17(火) 14:57:28 ID:B9MIh8EB0
>>913
それが当たり前の環境で育てば…でしょ
915本当にあった怖い名無し:2007/07/17(火) 15:01:39 ID:B9MIh8EB0
クソ元気の頭ん中では、能力者=尊敬に値する人間・敬意を払対象
って認識があるんだろう
その認識を他人に押し付けるのはどうだかねぇ?

そうゆうパラレル思考は自分の中だけで展開させてくれ
916猫元気です ◆QHUMtA89T. :2007/07/17(火) 15:11:48 ID:+SDOYWVlO
全然違いますよ 馬鹿?
917猫元気です ◆QHUMtA89T. :2007/07/17(火) 15:22:26 ID:+SDOYWVlO
馬鹿は本当に困る
918本当にあった怖い名無し
>>917
霊視してくれるの!?