時空のおっさん 2

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132本当にあった怖い名無し
洒落怖まとめサイトから流れてきました。
私が見たのはおっさんではないんだけど、似たような経験をしたので書かせて下さい。

その日は高校受験で、私はいささか緊張しながら電車を待っていました。
時刻表よりも数分早く来たのは、その駅からいつも乗っている薄緑の四角い電車ではなくて
新幹線っぽく鼻?が少し尖った白っぽい車体でした。
で、まあその時間帯付近の電車なら目的の駅に行ける筈だと思って、徹夜明けの頭で扉の前に立って
(今思うと変なんだけど、扉にも車両にも窓のない電車だった)
扉がぷしゅーっと音を立てて開いたら、すぐそこに女の人が立ってて「えっ!?」と声を上げた。
で私もえ、なに?と思ってその人の顔を見たら、私の方を見てめちゃくちゃ驚いてる。

何か自分が変な格好でもしているのかと制服や鞄に目をやって気付いたんですが、さっきまで
同じく受験生っぽい学生やサラリーマンでごった返してたホームに全く人気がないんです。
街中なのに何の音もしないし、自分の呼吸と髪の毛が耳に触る音が妙に大きく聞こえました。
驚いてその女の人の顔を見たら「どうやってここにきたの!?」か「何故ここにいるの!?」か
とにかくそういうニュアンスの事を詰問口調で言われて「え?え?」と戸惑っているうちに、女の人は
慌てて奥に引っ込んでいって、呆然としてる私の前で扉が閉まり、その直後、不意に耳栓を外された
みたいに人の声とかがしだして、周囲を見たらさっきのとおり人がいっぱいいるホームでした。
振り返っても電車なんかなくて、反対側のホームが見えるだけでした。

とくに時間が進んだとか戻ったって事もなかったし、緊張と寝不足で立ったまま夢見たんだ
と言われたらそれまでなんですが(友人に言われた)
あの、自分以外に立ってる人間がいないホームを振り返った時の胃が冷たくなるなる感じは
夢と言うにはリアルだったなー、と思うのです。

ちなみに、はっきりとは思い出せませんが女の人は髪が長くてけっこう美人だった気がします。
思い出が美化されているのかもしれないけど。