テ ン プ ル 騎 士 団   ス レ ッ ド

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521,

シュタイナーのことばの恐るべき予言性に、慄然たる思いを感じるのは私だけでしょうか?
 ところで、「性生活と性の本質」とはなんでしょうか?それだけでも大問題です。しかも
シュタイナーはこれとは別のところで、
「性の秘密は最高の神秘学に属することなので、いまはまだそれを明らかにすることはで
きない」
 と、いっています。
「最高の神秘学」などといわれると、いささか権威主義的な感じがするかもしれませんが、
決してそんなことはありません。例えば20世紀アメリカ文学を代表する文豪ヘンリー・ミラーの主要
な作品は、あくまでも文学的な表現方法によるものですが、性の世界と言う主題のあくな
き追求に貫かれています。
また、やはり現代アメリカ文学を代表する作家ノーマン・メイラーも、「性は小説家に残された最後の荒
野であり、フロンティアである」
と、書いています。
私たちはまだ、性についてほとんど何も知らないのです。
しかし、ここでもやはり、私たちは事実を追及することができます。
第一に考えられることは、受胎と誕生に関わるテクノロジーの問題です。人間が受胎と誕生を思
いのままに操作することが近未来において実現するであろうことはほとんど確実なのです
が、その結果人体にどんな影響が出るのかはよくわかりません。
 あるいはまたここで述べられていることは、エイズのような病気を予想していた可能性が
あります。「性生活を通して血の中に現れてくるもの」というシュタイナーの表現には、十分にそ
れを実感させるものがあります」。エイズは病気として出現してきましたが、それはまさに「社
会生活の中にまで移行し、社会生活の内部で形をとるまでに」なっています。シュタイナーが示
唆するものがエイズに決まっていると主張するつもりはまったくありませんが――というの
は、エイズ以外にも今後どんな病気が出現するのかは誰にもわかりませんから――すでにエイ
ズを知り体験してしまった私たちにとって、シュタイナーのこの言葉は思い響きを持つものでは
ないでしょうか。