>>487 ルドルフ・シュタイナーはすでに今世紀の初めに、物質主義文明は近い将来ある限界に達すると予言
していました。
当時はまだ現在ほどには、環境破壊や核兵器といった科学のもたらすマイナスの側面は表面
化していなかったし、科学万能の世を賛美する風習は支配的でしたから、シュタイナーの見通し
の確かさは、これだけでも驚くべきです。
しかし、終わったばかりの第一次世界大戦の模様と戦中戦後の各国指導者の考え方の中
に、シュタイナーは危機の本質を読み取っていたのです。彼の危機意識の深さは、たとえば次の
ような発言によく現れています。
すでにしばしば強調してきたように、もし、現代の文明社会の到来とともに私たちが足を
踏み入れることになったこの衰退が、完全な廃墟になってはならないと言うのなら、非常
に多くの人間が、つぎのようなことを理解しなくてはなりません。すなわち現代文明を、
精神科学的に世界をとらえることによってのみ、もっとも広範囲に到来することになるあ
る種の衝動に満たされなくてはならないのです。
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