去年の夏、ちょうど一年前の話です、
私はグラフィックデザインの仕事をしてるんですが、ある会社の社内報を制作する仕事を受けました、
その会社は全国に支店があり、各地の支店から月半ばになると本社に原稿が送られてきます、
いちいち持って帰るのがめんどうだった私は、そこのマックをお借りして編集をしていました、
1回目2回目と順調に進み、クライアント様もいい出来ですねと誉めてくださいました、
そして3回目の編集作業の日でした、
その日はいくつかの支店から入稿が遅れ、今日残ってやるか明日再出社してやるか迷った私は金曜だったせいもあり、
「ここは土曜休みか、月曜にもう一度くるとなると、二日もったいないし別の案件もあるしなあ」
と考え、担当者に会社に今晩残る旨を伝えました、
すると彼は私に「君、霊感強いほう?」といきなり不思議なことを聞くんです、
すぐに理解できなかった私は「はぁ?霊感って?」と聞き返しました、
彼は声を抑えて「いやね、でるんですよ、ここは...」というんです、
それまで私は心霊体験っていうものをしたことがなく、まったく信じてなかったので、
「大丈夫ですよ、私そういうの鈍いですから」と笑いながら返しました
続く
続き
しかし彼は「うーん、でも月曜日にしといたら?」と真面目な顔でいいます、
でも月曜日には違う仕事の打ち合わせが入っていた私は、どうしても仕上げてしまいたくて、
「大丈夫、大丈夫、幽霊なんてただの錯覚ですよ、いませんよ」と言い、
無理矢理会社のカギを借り、残ることにしました、
「じゃあこれ、僕の携帯の番号だから、何かあったらすぐ連絡するように」とメモを残し彼は帰っていきました、
誰もいなくなった社内は、さっきの話もあり少し不気味だったのですが、
特になんのことはなく11時、12時と時間が過ぎていきました
「やっぱりなにも起こらないじゃない、それともナンパっていうやつだったのかしら」
なんて考えていたとき、一階で「ガチャ」ってタイムカードを押した音が聞こえた気がしたんです
私がいるのは4階建ての自社ビルの2階フロアーなんですが、タイムカードは一階の入り口に置いてあるんです
「あれ、誰かいたのかなあ、カギかかってるはずだし、空耳ってやつ?」なんてぼんやり考えてると
パシッといきなりマックの電源が落ちてしまったのです、
マックユーザーなら分かると思いますが、フリーズするのはよくあることで、
驚くことではないのですが、さすがに電源が落ちてしまうとかなり焦ります、
「やばい、データは大丈夫かしら」と電源を再投入するためにパソコンの本体に目を移そうとしたときでした、
暗くなってるモニターに、うつろな目が片方だけ大きく写ったのです、
一瞬でしたが気のせいにはできないほどはっきりと、頭のなかに映像が飛び込んできました、
「今見えたよね?誰、いたずら?」動転した私は一人なのに声を出してしゃべってました、
でも、頭のスミにあった「電源投入→データ確認(ひょっとしたら今日一日が無駄?)」ということを思い出し、
エイッと電源ボタンを押したのですが電源が入りません、
「え〜、かなりまずいよお」と怖さで半べそをかきながらも、「そうだコンセントを見なくちゃ」と思い、
机の下に潜りOAタップから電源をたぐろうとしました、
続く
続き
すると、「フォン」というパソコンの起動音が対面の席から聞こえたんです、
「えっ?」と思い、ますます恐怖心が高まってきました、
でもなんとか「大丈夫、線を引っ張ったから、抜けかけてた電源が入っただけ」と自分に言いきかせようとしました、
でも違ったんです
聞こえて来たんです、「カチャカチャ」とキーボードを叩く音が、
それに人がいるのなら机の下から足が見えるはずなのに誰もいないんです、
そしてイスだけがときどきクルリ、クルリと回りました、
あまりの怖さと、なぜか頭のなかには「みつかっちゃ駄目」という思いがあり、身動きがとれません、
そんなときふっと担当者が携帯番号を残していったのを思い出しました、
ポケットからメモと携帯をとりだし、「あれ?こんな番号だったけ」とおもったのですが、
そっと番号を押してみました、
すると、向かいの席からミッキーのエレクトリカルパレードの着信音が流れてきたんです、
「だめ、でないで」と思い、切ろうと思ったのですが指も身体も動きません、
10回ほどコールしたでしょうか、向かいの席の着信音が止まった瞬間、プッと電話が通じました、
「やばい」と思ったとき「グォォォォォォォォォォォォ」と、まるで首を絞められてるみたいな
ホントに地面の底から聞こえるような太い断末魔のような声が聞こえてきたんです、
その瞬間に私は気を失ったようです、気づいたら次の日の朝、担当の彼と彼の上司が私を揺り起こしたところでした、
彼がいうには、朝会社の前を通ったら電気がまだついていたので、
心配になったんだがカギがないので上司を呼んで見に来てくれたそうです、
続く
続き
「怒られても言い訳できないなあ、まさか信じてもらえないだろうし」と考えてた私に
上司がポツリと「出ましたか?」といいました、私がコクリとうなずくと「そうか、すまないね」とだけ言い、
なんのお咎めもなく、その日は車で家まで送ってくれました、道中何を訪ねられるでもなくずっと2人無言だったのですが、
一言だけ「おまえのせいじゃないんだぞ」とつぶやいたのが聞こえました、
それが誰に対してだったのかわかりません、少なくとも私に対してではなさそうでした、
ただ私はその月限りで契約を破棄し、携帯電話も捨てました、
でもあの時の着信音と声が時々夢の中にでてきてうなされることが今でもあります。
終わり
あまり恐くないですね、でも私的にはホントに恐かったんですよ、長文失礼しました
いやいや、むっちゃ怖いがな。
今日オフィスでひとりで仕事中なのに。
>>866 は!か!た!の!しお!は「伯方」でしたか
>>870 おらっちの会社も深夜に出るて言われとるでよ、怖さは良くわかる。