なにそのツンデ霊★8人目☆

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853本当にあった怖い名無し:2008/06/06(金) 08:47:49 ID:IW23MEhv0
これは期待だな
854本当にあった怖い名無し:2008/06/06(金) 18:37:36 ID:rnnlZCei0
2ちゃんで自らハードルを上げるとは無謀なことを
か・・・漢だ・・・
855本当にあった怖い名無し:2008/06/06(金) 20:02:57 ID:cBSPU05q0
ただ、「ツンデレ」に忠実であろうとすると小説的なのは難しいよな…

作品に期待w

856本当にあった怖い名無し:2008/06/08(日) 10:52:19 ID:QDt6mTBzO
時折、場面転換してるんだと思うんだが、ついてけなくて混乱したorz
857よくある遭難ものの怪談:2008/06/08(日) 19:02:35 ID:rWKBC4lk0
激しい吹雪に見舞われ道を見失った我々が、運良く今は使われなくなっていた山小屋を
発見したのは既に深夜を回った時間帯だった
ガランとした小屋の中で雪と風は防げるものの明かりも暖を取れるようなものもない
全員体力は尽きかけていたがこのままジッとしていては眠りに落ちて凍死は免れないだろう
そこで我々は起きつづけているため以下のような策を講じた
メンバー4名がそれぞれ部屋の4隅に位置し、一人ずつ隣の隅に移動してはそこに待機する者の肩を
(中ry
もう何十週しただろうか 
意識も朦朧と作業を繰り返すうちいつの間にか吹雪が止んでいることに私は気付いた
仲間と外にでてみると頭上には白み始めた青空が広がっている
これなら正規のルートに戻るのも容易なはずだ

A「どうやら我々は助かったようだな」
B「ええ、今回ばかりは流石にもうダメかとも思いましたがね」
D「ま、俺たち登山家にこれくらいの危険はつきものっスよw」
C「何言ってんだwお前昨日は『死にたくねぇよ〜』なんて半泣きだったじゃねえかw」
D「そ、それは言わないでくださいよ〜」
A「ハハハ…だが、今回は本当に皆を命の危機に晒してしまった・・・なあ、みんな、もうこれで」
B「ストップ!Aさん、その先は言いっこなしですよ」
C「ああ、Dが言ってるようにこんな危険、山に登る以上覚悟の上だぜ」
E「まあそうね あんたらだけじゃ危なっかしくて心配でしょうがないし、これからも付き合ってあげるわよ」
D「プププ…姉御が本当に心配なのは俺たちじゃなくてAさん個人のことじゃないんですかw」
E「あ、あんたなにいってんの(赤面)!?ちょっと、待ちなさいよ、待ちなさいったら!!」
D「うひゃー勘弁してくださいよー」(一同笑い)

…どうやら俺はみんなに失礼な発言をしようとしてしまっていたようだ
そうだ 俺達5人アルピニスト そこに山がある限りこれからも登り続けるだろう
細かいことは気にしない だって俺たちアルピニスト
858本当にあった怖い名無し:2008/06/08(日) 22:29:32 ID:i4dtlV+L0
いや、気にしろってw
859本当にあった怖い名無し:2008/06/09(月) 08:38:59 ID:Vkh9/GY30
あまりに自然w
860本当にあった怖い名無し:2008/06/09(月) 16:34:47 ID:/n0bv+ud0
>>857すげーな、あんた!
861:2008/06/11(水) 21:51:20 ID:GfsBypOA0
しとしとと雨が降っている。
既に辺りは暗闇に包まれている。傘を差し、矢上綾は一人、家路を急いでいた。
明かりを借りてくるべきだったかと多少後悔はするものの、両手を塞がれる事に逆に不安を覚えるのは、彼女の生業が多少なりとも関わっている。
女が夜道を一人で歩くなど無用心だと眉をひそめる者もあろうが、腕には自信があるからこその行為である。
綾は剣道場の師範代を努める程の実力を持っていた。
堀沿いの道を急いでいると、ふと先程話題に上った他愛の無い噂話を思い出した。
曰く、雨の夜に、堀の側を歩いていると、化け物に心の臓を喰われる。
自宅までは、もう少し堀に沿って進まねばならない。この時刻にこの天気では、出歩く者も無いだろう。
綾を知る者なら、彼女が怪談など恐れるような性格ではないと知っている。
そんな彼女でも、いや、たとえ男であっても、怪談を聞いた後で一人夜道を行けば心細くなるものだ。
(昨今は譲位だ開国だと騒がしいが、人心乱れれば物の怪も跳梁しやすいのやも知れぬな)
そう考え、ふ、と苦笑に似た笑みを浮かべる。
小藩だが、お国の行く先を案ずる血気盛んな者は多数いる。門下生達にも最近は剣の指南よりも説得や議論、時には喧嘩の方に時間をとられる事が多い。
862:2008/06/11(水) 21:53:30 ID:GfsBypOA0
色々と考えながら角を曲がる。このまま直進し、突き当たりでもう一度曲がれば自宅はすぐだ。
と、そこで、足が鈍る。
柳が並ぶ堀沿いの道。ここから突き当りまで距離にすれば一町程だが、その丁度中間あたりに、人影が見えた。
傘を握り直す。いつでも刀に手を伸ばせるように。
暗闇に加えて雨に煙る中、その男の姿は、距離があるにも関わらずはっきりと見えている。それが異常な事だというのは明らかだ。
道を引き返そうかとも思ったが、それは自尊心が許さなかった。
幼い頃から、女だてらに剣を振るうと嘲弄を受けてきた。
奇異の目に晒されても、常に真っ直ぐに顔を上げ背筋を伸ばして生きることで自身を確立してきた彼女には、誰が見ていなくても怪談ごときで恐れ退く事は許されない。
顔を上げ、平常心を装い、歩みを進める。
男は年は二十を半ばに差し掛かった頃か。着流しをやや着崩し、一見すれば遊び人にも見える風体だ。
長身で程よい筋肉質の体、顔立ちも整っている。これで全身が透けていなければ、女達が放ってはおかないだろう。
綾が近づいても動く様子は無い。腕を組み、柳に背を預けるようにして、堀の水面を眺めていた。
すれ違う。背を向ける事に抵抗はあったが、それでも綾は速度を緩めることなく、通り過ぎた。
振り返らずに突き当りまで進み、曲がるついでに後ろを伺う。幽霊が動いた様子は無い。
堀から離れ、自宅の塀を横に確認してそこで漸くふう、と息を漏らした。
863:2008/06/11(水) 21:57:04 ID:GfsBypOA0
霧のような雨が降る。
十日程経っていた。
前回と同様夜道を急ぐ羽目になり、内心うんざりとしているのだが、世話になっている人相手に不躾な事は言えない。
ただ、顔を合わせる度に縁談話を持ち出されるのだけは勘弁してもらいたいものだと腹の底で嘆息する。
気が付くと、あの道に丁度差し掛かろうというところだった。幽霊の出る道。
あれから何度か噂話を耳にしたのだが、現れるのは化け物というだけで、それがどういうもの、ましてや幽霊に関しては全くといっていい程情報はない。
ただ、噂通り心の臓を失った死人が堀に浮いたことがあるのは確からしい。
尤もそれも綾が生まれる前の話だったが。
果たして幽霊は、同じ場所に佇んでいた。綾の方も予想していただけあって前回よりは余裕がある。
気を許すまではいかないが、前より詳細に観察することが出来た。
格好は前回と変わらない。堀に顔を向けているのも同じだ。ただ今回気が付いた事もある。
幽霊の脇を一旦行き過ぎたのだが、思い直して引き返す。
「幽霊でも、雨に濡れるのだな」
まるで生きている人間にするように声を掛けてみた。
得体の知れぬものにわざわざ自分から近づく愚行に綾自身苦笑を覚えていたのだが、幽霊もそうだったのだろうか。
意外な事に、少々煩そうにこちらを一瞥した。
「ここには近づくな」
にべもない態度で一言だけ告げると、再び水面へと視線を戻す。まるで何かを見張っている様だ、と思う。
「邪魔をしたな」そう謝罪を口にしたが、今度は反応は無い。軽く会釈をして綾はその場を後にした。
864:2008/06/11(水) 22:00:17 ID:GfsBypOA0
どうやら本降りになってきたようだ。すっかり闇に包まれた空を伺いながら、綾は嘆息した。
そろそろ入梅を迎える頃である。ここの所天気がすっきりしないのも仕方ないのだが、どうにも気が滅入って仕方が無い。
庭に植わる青い紫陽花が雨に濡れる姿を眺めているうちに、同じく雨に濡れる男の姿を思い出した。
あれから何度か夜道を行く機会があったが、幽霊とすれ違う事はなかった。恐らく雨と言う条件がそろっていなかったせいだろう。
今夜は雨が降っている。
悪戯を思いついた子供のようににんまりと笑みを浮かべると、彼女は急いで外出の準備をした。
男は相変わらず雨に濡れながら堀を睨み付けていた。水面は暗く、ただ雨を受けて波紋を浮かべるのみだ。
雨が落ちる度に男は確かに濡れていく。柳の下では、雨を防ぐ事も難しい。
筈なのだが、急に雨が遮られ、驚いて顔を上げる。
「使うがいい」
生真面目な顔で傘を差し出す女性を確認し、眉根に微かな皺を寄せる。
「柳の下に幽霊とは、風流なことだ」
「近づくな、と言った筈だが」
相変わらず無愛想な男の様子に、綾は苦笑するしかない。
「傘を貸しに来ただけだ。流石に風邪を引く事は有るまいが、雨に濡れる者を放っておくのも気分が悪いのでな」
「必要無い」
「まあそう言うな」
宥める様に穏やかに制しながらも傘を差し出してみたのだが、男は再び堀の方へ顔を向けてしまった。
暫く待っても受け取る気配が無いのを察すると、開いたままの傘をそっと足元へ置き、静かに立ち去った。
翌日も雨は続いている。
綾が道場へ向かう為に朝通った時には既に幽霊の姿は無く、ただ傘だけが彼女が置いたままの状態でそこに残されていた。
嘆息し、傘をたたみ、それでもと思い直して、柳の陰にそっと立てかけておいた。
865:2008/06/11(水) 22:02:39 ID:GfsBypOA0
あれから二日が過ぎている。その間雨は殆ど降り止む事はなかったが、何や彼やと忙しく、夜に様子見に行く事が出来なかった。
今日は道場での稽古が終わった後で、師範に呼び出された。
何事かと急ぎ師範宅へ向かうと、そこには師範の他に、藩の重役を務めているある門下生の父親も同席していた。
師範によると、門下生の父親の紹介という形で綾と名家の子息との縁談を取り纏めようという話があるらしい。
以前道場の代表として御前試合に出た事があったのだが、その際に相手先が見初めたのだとか。重役は綾の腕だけではなく、器量にも惚れたのだろうと暗に伝えてくれた。
確かに良縁だとは思うのだが、今一気が進まない。脳裏によぎった姿を打ち消し、身分違いを理由に丁寧に辞意を伝えた。
屋敷を出る頃には既に日は落ちすっかり暗くなっていた。雨が降りしきる中、家路を急ぐ。
今日は例の道を通る必要は無い。無いのだが、どうにも心落ち着かない。
あの男の事を意識している自覚はある。
自分も若い娘なのだと自嘲に似た思いを抱くものの、幽霊に思いを寄せるなど常人ではまずありえない感覚が可笑しくもあった。
自宅の門が見えてきた。さてどうするかと思案する。
男が「近づくな」と言うならば、それなりの理由も有るのだろう。理性はそう思い至っていたが、感情はままならない。
塀の影から様子を伺うだけにしよう。言い訳じみてはいると思いつつもそう結論を出し、門の前を通り過ぎた。
角からそっと顔を覗かせてみて。頬が緩むのが分かる。
男は何時もの様に柳の下に立っている。相変わらず遠目でもはっきりと分かるその姿だが、今夜は傘を差していた。
866いち:2008/06/11(水) 22:10:04 ID:GfsBypOA0
初日
36歳、毒男。職業、ネット監視員。
不動産屋で格安物件アパートを見つけ、その場で即決。パソコンやベッドなど重い荷物は先に搬入し、さあいざ我が王国へ。
玄関を開けた瞬間。
「チェンジ」見えない誰かに冷たい声で言われ、鼻先でドアを閉められた。
…ネカフェで一夜を明かす。

二日目
近所のコンビニで、食塩、味塩、ついでに塩コショウを買う。コンビニ袋に中身を全て移し替え装備。
ノックし、ドアを開け、「食らえぃ!!」吼えつつ相撲取りばりにミックス塩を撒く。
「おお、効いてる!?」ドアが閉まらないのを見て、喜んだのもつかの間。
後ろからコンビニ袋を奪われ、頭の上から中身をぶちまけられた。
「めが、めがああああはくしょんへくしょうわああぁぁあん!!」
その足で不動産屋へ抗議に行く。強面の社長さんが直接対応してくれた。
「幽霊なんか出ませんて」不動産屋さんのお話では、前の住人が汚部屋に→虫大量発生という流れで、破格家賃へせざるを得なくなったとか。
丁寧な対応で大変ありがとうございました。
…公園とコンビニで夜を過ごす。
867にい:2008/06/11(水) 22:11:31 ID:GfsBypOA0
三日目
対幽霊戦に備え実家へ帰る。ついでにママンに軍資金を募る。
幽霊相手に戦うのだ、形からきっちりとしないと。
「そう、俺は間違っていたのさふふん」
巫女さんの衣装、もちろんかつらと御幣も忘れずに装備し、いざ!「食らえぃ!!」ダウンロードしたお経、祝詞、賛美歌その他諸々を、部屋の前で大音量で流す。
…警察に泊めて頂きました。

四日目
予約しておいたゲームソフト、ゲットだぜ!ルンルンでアパートに戻るも「…ここまでするか…」そこは炎と黒煙に包まれていた。
「俺の、俺の命にも等しいデータがぁぁぁ!!」
人垣を押し分け、アパートに突入しようとした瞬間、幽霊に頭をどつかれ足を掬われ転がされた。
ついでに引きずられて駐車場の端まで連て行かれる。
「お前にはわからないのさ…俺がどれ程のものを失ったかが…」転がったまま泣いていると、背中をつつかれた。顔を上げる。
「…ぉお、おおおおおおお」
そこには、俺の荷物が全て置いてあった。
「ふっ、勘違いしていたみたいだな。ありがとうと言うべきだったか」
HDDやCD−Rの無事を確認していると、『馬鹿よね、炎の中に飛び込もうなんて。余程大事なデータなのね』少し優しい声で言われたので、つい油断して答えてしまった。
「今では法律に抵触する可愛い弟妹達の画像とか、入手困難なものばかりさ」
炎の中に、荷物全てと財布を放り込まれました。
…現場検証をずっと眺めてました。原因は漏電だそうです。
868さん:2008/06/11(水) 22:12:49 ID:GfsBypOA0
五日目
ママンに車で迎えに来てもらう。大きな財産を失った殺風景な自室。「今回は社会勉強だと思えば」そう自分を慰める。
取り敢えず、古いパソコンを引っ張り出し、数日絶えていたネット監視を始めんと起動。
暫く巡回していたのだが『キモい。働け』忘れようにも忘れられない声が。「悪霊退散ーーー!!」ファブリーズと蝿叩きを装備して夕方まで戦う。
夕飯の時間になったので台所に向かうと、俺が暫く居なかったのが余程寂しかったのだろう、「何時までも家にいていいのよ」とママンに泣きながら言われた。
…『ハローワーク行きなさい』幽霊の説教を子守唄代わりに就寝。

二ヵ月目
幽霊はすっかり部屋に住み着いている。
最近は、説教は減ったが代わりに菓子を食ったり財布から金を抜いて読みもしない資格本を買ったり秘蔵本を破ったりデータ破壊をしてくれる。
負けるもんか。あ、今日WJの発売日。
…ネットゲームにはまっている幽霊のキーボード操作音を子守唄代わりに就寝。
869しい:2008/06/11(水) 22:16:05 ID:GfsBypOA0
レスくれた人、あるがとう。
今回は時列をそこそこ書き込んでみました。
でももう力尽きた。俺長文駄目だわ。
870本当にあった怖い名無し:2008/06/13(金) 17:57:34 ID:yQ9P9Mdn0
>>869 きみ乙!アーンド急浮上
871本当にあった怖い名無し:2008/06/14(土) 11:59:24 ID:FxQDgLDfO
>>868
これはいいツンデ霊ですな
872またぎさん ◆ci0AGstyuc :2008/06/15(日) 02:01:47 ID:zAaNk8ZU0
久しぶりに行きます。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
その1
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

「ハァ・・・ハァ・・・もう、いやだよう」
私が、悪かったのだ。あれほど入ってはいけないと言われていた森に、興味本位で踏み入れてしまったがために追われることとなってしまった。
一体、どれだけ走ったのだろう。気が付けば、今まで走っていた道すらも無くなっていた。それでも、私を追う馬の足音は今も続いている。
ちらりと後ろを振り返ると、そこにはゆっくりと私の後を追う影が見えた。大きな黒い馬の上にまたがる鎧騎士。しかし、その首はあろうことか脇に抱えられていた。

――デュラハンの森には、近寄ってはいけない・・・近寄ったら最後・・・。――

あれほど、おじいちゃんやお父さん、お母さん、果ては村長にまで注意されていたのにそれを破ってしまった。私は、なんと愚かな事をしてしまったのだろう。

「ハァ、ハァ・・・も、もう・・・追ってこないよね?」

ふと気が付くと、さっきまで聞こえていた馬の足音が聞こえなくなっていた。ようやく休めると思い、樹に寄りかかろうとした瞬間だった。

――ゴス!――

私の真上に、剣が突き刺さった。

――いや・・・いやぁ・・・いやぁぁぁぁぁぁあ!――

あまりの出来事に、腰を抜かしてしまい。私は、動けなくなってしまった。
そんな私に、ゆっくりとデュラハンは近づいてきて軽々と片手で私を持ち上げるともう片方の手で、先ほど突き刺した剣を樹から抜き取る。

――も、もうだめだ。私は、殺されるんだ。お父さん、ごめんなさい。大切な杯を割ったのは私です。お母さん、ごめんなさい。寝てる間に髪を切ったのは、イタチじゃありません。やっぱり私です。
村長さん・・・むしろ代わってください。いつも、飴をあげるからといって人の体にベタベタと触ってこのロリコンめ!って、私殺される!!やっぱ、一発フルスイングで殴っておけばよかった!――

悔やんでも悔やみきれない思いに硬く目を瞑った私は・・・・・・・・。
873またぎさん ◆ci0AGstyuc :2008/06/15(日) 02:04:49 ID:zAaNk8ZU0
その2
〜〜〜〜〜〜〜〜


「えっと・・・。あ、ありがとうございます」
なぜか馬に乗せられていた。
「まったく。あれほど、軽装でこの森に入るなといっていたのに、何の道具もなしにこの森を走り回るとは。しかも、領主である我を恐れて蛇沼まで一直線に駆けていくとは、失礼極まりないわ。
愚かにもほどがあるというものだぞ。我が、もう少し遅かったらお前は今頃蛇に丸呑みにされておったわ」
「め、面目ございません」
どうやら、私の真上に刺さった剣は私に襲いかかろうとしていた蛇を仕留めるためだったようだ。殺されなくてよかった。
「お主、何を落ち着いておる?まさか、巷に流れた変な噂を信じていたわけではなかろうな?まったく、つくづく失礼極まりないな。領主である我が、領民であるお主等を森に入った程度で殺すわけがなかろう。
その噂に関しては、我が名と爵位『デュラハン公爵』に賭けてないと誓おう。むしろ、こうして見回っているのだ。感謝してもらいたいものだ。まぁ、領主としては当然のことであるから、その言葉も無用といえばそれまでか。
お主、これに懲りたらむやみに森に入る出ないぞ?くれぐれも勘違いしないことじゃ。お主等が窮地のときには、必ず我が駆けつけてくれるなどといったことを考える出ないぞ?」

「えっと・・・それでも、見回りを怠らないんですよね?そしてら、助けてくれるのではないのですか?デュラハン様?」

「人の話を聞いておるのか?まったく、お主はじゃじゃ馬じゃのう。お、この木の実はなかなかに美味いのでもっていくがよい。甘いぞ。それに、病人にもよく効く。む、もうすぐ村の入り口じゃ。我は、まだ見回りがある。
すまないが、ここで降りてもらうぞ?村人に、何の通達もなく赴いたのではおどろかせてしまうしのう。娘よ、もう無茶をする出ないぞ。ではな」

―――どうやら、デュラハン様はいい人(?)のようです。――


874本当にあった怖い名無し:2008/06/17(火) 11:09:35 ID:ucglEdc00
何処で聞いたのかは忘れたが、仏前に供えた食べ物は、霊が食べるから?味が落ちるらしい。
そういえば思い当たる事もある。彼女の大好物の桃とかは、確かになんだか味気なくなる。
「なのに何でオレの手作り料理の時は味が変わらないんだよ。そりゃまぁ料理人としては修行中の身だけどさ」
今日も妻の好物を供えながら、独りごちる。

妻の夢を見た。
オレが作った料理に、箸をつけようとしない彼女。
「…俺の料理、そんなに嫌か?」
しょぼんとして尋ねたが、彼女は拗ねたような、怒ったような顔をして黙っていた。

「これならお客にも出せるな」
「!!…有難う御座います!」
ようやく板長に認められる料理が作れるようになった。
帰宅し即妻に報告した。丁度彼女の命日だ。彼女にも食べてもらおうと、精一杯気持ちをこめて料理を作り、供えた。

昔の夢を見た。
料理人を目指し始めた頃の夢だ。
料亭の娘として生まれた彼女は、味付けには人一倍五月蝿かった。
『私に食べさせるのなら、まず人に出しても恥ずかしくない料理を作ってからにして下さい』
そう言って、俺が作ったものには、一切箸をつけなかった。

泣きながら目覚めた。
どうやらうたた寝していたらしい。
仏壇に供えた料理をおろし、口に運んで。
「ん?」
首を捻った。味付けがおかしい?
その時ふっ…と、耳元で懐かしい声がした。
『まだまだね』
875本当にあった怖い名無し:2008/06/17(火) 20:08:19 ID:/8aFilea0
全俺が泣いた
876本当にあった怖い名無し:2008/06/18(水) 20:20:26 ID:u47qhHTg0
6畳一間に収まる数の観客しか入ってないって!
     \\\
   (⌒\   ∧桜∧
    \ ヽヽミ´(▼)`ミ 
     (mJ     ⌒\  
      ノ ∩__/ /
     (  | .|∽鞠∽/
  /\丿 .| (     )
 (___へ_ノ ゝ__ノ
877本当にあった怖い名無し:2008/06/18(水) 20:25:50 ID:u47qhHTg0
すみません、誤爆しました
878本当にあった怖い名無し:2008/06/19(木) 00:57:47 ID:TtzEi/wO0
むしろ世界中の俺が泣いた。
879本当にあった怖い名無し:2008/06/19(木) 02:08:45 ID:EJnBlF2dO
>872->873 テレサ思い浮かんだ
880本当にあった怖い名無し:2008/06/21(土) 11:55:03 ID:kIQvok8K0
最近僕はここに居る。

踏み切りの向こうに君が居る。
僕は君の所へ行けないけれど、君の姿を見るだけで、幸せ。

踏み切りの中に彼女が居る。
時折黄昏時に現れて、走る電車に、何度も何度も撥ねられる。
彼女の姿は普通の人には見えない。

最近気になる事がある。
踏み切りの向こうからでもわかる程、君の表情が暗い。
何か心配事でもあるのだろうか。
会話出来ればいいのに。

今日、ふらりと現れた君の背には、無数の鬼の影。
そうか、君もこちら側に来るつもりなんだね。
誰も君を止められないよ、背中の鬼が、君の姿を隠すから。
こちらへおいでと、僕は君に向けて手を伸ばす。

警報が響き、赤い警告灯が明滅し、遮断機が下がる。
鬼が哄笑して、君の背中を押した。
君は、虚ろな表情のまま遮断機をくぐった。
踏み切りで待つ他の人は誰も、君を見ていない。

もう少しで、君に触れられる。
なのに君はふと下を向き、絶叫してその場から逃げ出した。
またか、また彼女が邪魔をしたか。

無数の肉塊と、天を仰ぐ悲しげな生首が、何時の間にかそこに散らばっていた。
何度目かの電車が走り去った後、何時ものように彼女は霧散した。

ここは魔の踏切と呼ばれている。
881本当にあった怖い名無し:2008/06/21(土) 14:22:24 ID:6KbUiDTlO
誰か、どこがツンデレなのかまったくわからない俺にわかりやすく教えてくれませんか?
882本当にあった怖い名無し:2008/06/21(土) 20:06:54 ID:erFBroRA0
日本人の心意気。

侘び。

寂び。

萌えw

883880書き直してみた:2008/06/21(土) 22:08:49 ID:8oBFcJjC0
私が死んで以来、ここは魔の踏切と呼ばれています。
と言っても、私以外に死んだ人は今の所いません。
死のうとして来る人はいますが、私の姿を見て勝手に逃げていくのです。
悲しむ人がいるとか後ですごく後悔するとか、余計な気を遣って私が脅して追い返しているわけではありません。

最近踏切の向こうに男の人が立っています。
悪霊と呼ばれる類らしいです。
死んだ後か、今から死ぬのかの違いだけだと思うんですけど、どうして生きている人ばかり追いかけるのかしら…。
…別に、意識してたり何時も見てるわけじゃありませんから。
884ID変わってるが880:2008/06/21(土) 22:40:32 ID:8oBFcJjC0
とある小さな教会で、僕はピアノを演奏して暮らしている。
そのピアノは女の子の遺品で、寄付されたものらしい。
僕が一人でいる時に限り、何時も邪魔される。余計な鍵盤を勝手に叩いたり、楽譜を投げ散らかされたり。
女の子は死んだ事が未だ心残りなんだなと考えた僕は、気の済むままにさせている。
ある日見えない誰かに提案してみた。
「一緒に弾いた方が楽しいよ」
簡単な連弾用の楽譜を用意して、弾いて聞かせてみたのだが、興味も無いのか何時ものように騒いでいた。

ちょっとした事故で手を怪我して、暫くピアノが弾けなくなった。
神父さんにその旨説明して、それから一人でピアノを撫でる。
「ちょっとだけ寂しいかもだけど、すぐ帰ってくるからね」
ピアノは珍しく、静かなままだった。

漸く怪我が治ったので、久しぶりにピアノの前に座る。
暫く動かしていなかった手は、ややおぼつかない。
苦笑していると、隣に誰かの気配がした。
最初は恐る恐る、次第に滑らかに、鍵盤を弾いている見えない手。
「お手柔らかに、お願いします」
僕はにっこり笑って、彼女の邪魔にならないようにと指を懸命に動かした。
それが、前に渡した連弾用の曲だと思い出したから。
885本当にあった怖い名無し:2008/06/22(日) 01:46:57 ID:KVVOH8uN0
>>852>>880
886本当にあった怖い名無し:2008/06/22(日) 08:16:38 ID:eV6gnjmA0
( ´,_ゝ`)プ
887880:2008/06/22(日) 16:51:22 ID:m/GE+rM30
>>885
違うよ。俺もwktkして待ってるんだが。
俺顔出し杉で書き込みにくいかな。ちと投下頻度下げます。
888本当にあった怖い名無し:2008/06/22(日) 23:45:52 ID:qOyR+OTC0
>>880は正直分かりにくかったけど>>883で明かされた裏設定(?)にハゲしく萌えた
>>884はツンデ霊作品の模範例といってもいいくらいの良作だね

お前は何様だといわれそうな感想だけど要は面白かったんでまた投下してくださいねということで…
889本当にあった怖い名無し:2008/06/23(月) 02:17:43 ID:vXK7gHAP0
投下歓迎に決まってるじゃないか
890本当にあった怖い名無し:2008/06/23(月) 03:41:13 ID:YaZTQO/sO
だが投下されれば何でも良い訳じゃない
891本当にあった怖い名無し:2008/06/23(月) 03:49:58 ID:PtOgUHARO
天立土地神病院
それは何らかの理由により健康が失われた神が収容される医療施設である。

広島「見舞いにきたよー」
兵庫「お二人とも御加減はいかがかしらぁ?」
長野「地震だなんて災難だったわね」
宮城「あ、ありがと…」
岩手「まだちょっと調子が…」
兵庫「分かりますわぁ、私も前の地震じゃ酷い目にあいましたもの!」
広島「無理しちゃイカンよ?安静が一番じゃけんのぅ」
宮城「…うん」
岩手「みんな、ありがとう」

バーン!
千葉「ヘヘヘ、邪魔するぜぇ」
神奈川「うほ、田舎クセェなこの病室www」
長野「あ、あんた達!」
兵庫「出ておいき!ここはあなた方の来る場所じゃなくってよ!」

神奈川「ヒュゥ!言ってくれんじゃないの」
千葉「へ、嫌われたモンだぜ」
広島「オドリャ、シゴうたるわ!」
ベキ!ゴキャ!
長野「なん…だと?」
兵庫「あの広島ちゃんが一瞬で…!?」
892本当にあった怖い名無し:2008/06/23(月) 03:52:47 ID:PtOgUHARO
千葉「関西の屑ごときが俺達に敵うと思ったのか?」

神奈川「ヘヘヘ、お楽しみの時間だぜぇ」
岩手「イヤぁ!放してぇ!」
千葉「チッ、大人しくしやがれ」
宮城「止めて!嫌!」
神奈川「オラ!さっさとブチこんでやりな茨城!」
茨城「は、はい」
長野「あ、あんた達何を…」

茨城「よし、迂回路完成。これで荒戸沢ダムの土砕硫は心配無いでしょう」
千葉「さすがつくば土木研究所だぜ」
神奈川「まったく世話を焼かせやがる」
岩手「…ふぇ?」
宮城「あ、あ…りがと…」
千葉「べ、別にお前らの為じゃないんだからな!」
神奈川「ストレス発散の相手がいないと俺らが困るってだけなんだ
か、勘違いすんなよ!」


長野(普通に施工すりゃいいのに…)
893本当にあった怖い名無し:2008/06/23(月) 12:56:53 ID:a1WTWMB30
>>891-892
ちょw、広島が無駄にかませ犬www

広島県人として正式に抗議を申し入れます
894本当にあった怖い名無し:2008/06/24(火) 02:28:57 ID:BI37i4w6O
この部屋に越してきて、やっと一週間が経った。

ある日、帰ると何やら空気がいつもと違う。
部屋を見渡してみると、隅の方に誰かがいる。項垂れ、上目遣いで恨めしそうに睨んできている。
僕は恐る恐る話し掛ける。
『あ、あの…誰ですか…?その…そんな恰好で…』

『…出て…け…って……え?恰好?はにゃっ!?』

そう、その女の子は下着姿だった。

『み、見ないでよっ!ばかぁーっ!!』

叫ぶやいなや女の子は消えてしまった。そして僕は、何かが頭に当たった所で気を失った。

翌朝、目が覚めると布団が掛けられていたが、頭の痛みが昨夜の事が現実だったと思い知らされた。
ふと見ると、台所に白のワンピースを着た女の子が立っている。

『…えっち…責任取って貰うからねっ…ずっと取り憑いててやるんだからっ!』

母さん、どうやら僕にも彼女が出来たみたいです。
895本当にあった怖い名無し:2008/06/24(火) 09:36:29 ID:b0JRZWQW0
霊だけに夏だと繁殖するんだね、ツンデ霊
896本当にあった怖い名無し:2008/06/24(火) 18:54:11 ID:Lg3MhIKx0
午前2時、今日も俺の部屋の前で足音が止まる。
毎日毎日頭にきた。今日こそはドアを開けてやる。
「ガチャッッ!!!」 勢いよく部屋のドアを開けると、
髪の毛が濡れた女が立っていた…
しかし俺は驚かない。もう三ヶ月もコイツに苦しめられてきたんだ。
「テメー毎日毎日何やってんだ!」
「えっ?… い、いや…」
「俺がビビルとでも思ってたのか!!」語気を強める。
「あ、あの…」
俺は部屋においてあったタオルを投げつけ、
「廊下が濡れんだろーが!拭いて帰れよ、そしてもう来んな!」
「あ、い、いや… あ、ありがとう…」
女はタオルをもって驚いたような顔でスーッと消えた。
次の朝、なぜか米が炊いてあり、暖かい味噌汁が鍋に入っていた。
「テメー勝手なことすんじゃねーよ! だいたい俺は朝はパン派だぞ!!!」
そう叫んで仕方なく揚げと豆腐の味噌汁と
炊きたてご飯をかきこんで、仕事へ向かった。
通勤電車の窓に映った俺の顔がなぜかにやけていた。
897本当にあった怖い名無し:2008/06/24(火) 22:11:17 ID:VTcN4bxV0
>>896
ツンデ霊じゃなく
ツンデびとですなw
898本当にあった怖い名無し:2008/06/25(水) 18:47:11 ID:gFBV3zcy0
>>894 きめえええええええええええええええええええええええええ
899本当にあった怖い名無し:2008/06/25(水) 22:18:54 ID:ct9MfXEL0
>>884

なんか、なんとなく泣いた・・・。
900900:2008/06/26(木) 01:42:51 ID:ZhjrQfiFO

901本当にあった怖い名無し:2008/06/26(木) 05:56:55 ID:xIdtie3xO
なんか凄い長文投下するのは同じ人なのかな?
902本当にあった怖い名無し
凄い長、文?
凄い、長文?