295 :
本当にあった怖い名無し:
私たちは自分にとって大切だと思うものに気を取られ、ほかは目に入っていない場合も多い。
これは単純な心理だが、偶然のチャンスと運の関係においては重要な意味を持つ。
私たちは何かに気を取られすぎて、自分のまわりにあるチャンスの存在にさえ、気がつかない場合があまりにも多い。
私はこの心理を確かめるために、ごく簡単な実験をした。
まず新聞を一部ずつ配り、掲載されている写真の枚数を数えてもらった。
タネも仕掛けもない、単純な作業だ。
ほとんどの人は二分ほどで最後まで目を通し、写真を数え終わった。
もう少し時間がかかった人も何人かいたが、彼らは確認のために新聞を二回、調べていた。
しかし、本当は、全員が数秒で枚数をこたえられたはずで、すべての写真を一枚ずつ数える必要はなかった。
296 :
本当にあった怖い名無し:2007/02/09(金) 00:04:37 ID:vOFOsikD0
というのも、新聞の二ページ目に次のような広告があったからだ。
「ここで数えるのをやめてください。この新聞には合計四三枚の写真があります」。
この広告はページの隅で目立たなかったわけではない。
紙面の半分を使って、三センチ以上の活字でくっきりと書いてあった。
二ページ目を開いたとき、その巨大なメッセージが正面に見えたはずだ。
しかし写真を数えるのに夢中で、誰も気がつかなかった。
297 :
本当にあった怖い名無し:2007/02/09(金) 00:06:48 ID:y4qoC5tI0
参加者は、もっと大切なものも目に入らなかった。
確実に100ポンドを手にするチャンスに気がつかなかったのだ。
新聞の真ん中のページには二つ目の大きなメッセージがあった。
「数えるのをやめてください。このメッセージを読んだと申告すれば100ポンドを差し上げます」。
ここでも全員がメッセージを見逃した。
やはり、写真を数えることしか頭になかったからだ。
参加者の反応はとても興味深かった。
私はまず、新聞に何か変わったところはなかったかと質問した。
何もないという答えだったので、もう一度、新聞を見直してもらった。
すぐに、彼らは最初のメッセージに気がついた。
そして二つ目のメッセージを見つけると、さらに驚き、思わず口から出た言葉も人それぞれだった。
>>294 俺は逆だよ、あれから勝ち無し
良くて同値撤退
299 :
本当にあった怖い名無し:2007/02/09(金) 00:08:38 ID:y4qoC5tI0
大切なメッセージや明らかなチャンスに気がつかなかった理由は、実験に参加した人が、それを探そうとしていなかったからだ。
では、このようなチャンスに気がつくのは、どんなタイプの人だろうか。
新聞の実験で、100ポンドをもらえるメッセージを見逃さないのは、どのような人か。
その答えは二つ目の性格特性である神経症的傾向に関係している。
これは緊張や不安を感じやすいかどうかという特性で、神経症的傾向のテストで点数が低い人は、基本的に穏やかで落ち着きがある。
グラフ(ryを見てわかるように、神経症的傾向のテストでは、運のいい人は運の悪い人よりはるかに点数が低く、落ち着いていると言える。
それに対し、運の悪い人は緊張や不安に弱い傾向がある。
300 :
本当にあった怖い名無し:2007/02/09(金) 00:13:02 ID:y4qoC5tI0
探そうとしていないものに気づく注意力に、緊張や不安がどのような影響を与えるかについては、心理学でも数多くの研究がある。
たとえば、ある有名な実験では、コンピュータ画面の真ん中で動きまわる一個の水玉を観察させた。その途中で、大きな水玉が画面の隅でときどき点滅していた。
被験者のほぼ全員が大きな水玉に気がついた。別のグループにも同じ画面を見せたのだが、彼らにはあらかじめ、画面の真ん中の水玉を注意深く観察したら、後でけっこうな金額の謝礼を出すと伝えていた。
このような条件が加わると、人間は落ち着きをなくし、全体に目が行き届きにくくなる。そして真ん中の水玉に意識を集中させていた結果、三分の一以上の人が、画面の隅で点滅する大きな水玉を見逃した。
301 :
本当にあった怖い名無し:2007/02/09(金) 00:19:53 ID:y4qoC5tI0
真剣に画面を見つめるほど、そこにあるものが目に入らないというわけだ。
運のいい人は、より落ち着いてリラックスしているから、それだけ偶然のチャンスに気がつきやすい。
予想外のチャンスでも見逃さない確率が高いのだ。彼らのような人が新聞の実験で広告のメッセージに気がつき、
コンピュータ画面の隅で点滅する水玉に目をとめる。
そのようなチャンスに気がつく能力は、人生を大きく左右するプラスの影響を及ぼす。
302 :
本当にあった怖い名無し:2007/02/09(金) 00:23:37 ID:y4qoC5tI0
もう少し具体的に考えてみよう。
たとえば、道端に落ちているお金に気がつくかどうかという運がある。
リチャード(67)は歩道でよくコインを拾う。
お札を見つけることも少なくない。
八年前、リチャードは空きびんに拾ったお金を貯めることにした。
台所に置いた空きびんは、あっというまにいっぱいになった。
そして、不思議なことに気がついた。
空きびんに貯まる金額は、幸せを感じる度合いに直接、影響を及ぼしているようなのだ
(リチャードはしばらくのあいだ、拾ったお金の金額と自分の気持ちーー落ち着いていて幸せか、不安で寂しいか、などーーを記録していた)。
彼の経験からわかるように、普段から落ち着いているかどうかという性格は、自分のまわりにあるチャンスに気がつく確率を大きく変える。
303 :
本当にあった怖い名無し:2007/02/09(金) 00:27:03 ID:y4qoC5tI0
リチャード:気分が沈んでいる日や、余計なことを考えている暇はないと思っている日は、
たいていお金を拾わない。
でも、心が軽くて、大股で元気に歩いている日はお金を拾いやすい。
そんなときは感覚が鋭くなり、意識がはっきりしているからだ。不思議なものだね。
拾おうと思って歩いているわけではないのに、とくに何かを気にしていないときのほうが、
見つける確率ははるかに高いみたいだ。:
304 :
本当にあった怖い名無し:2007/02/09(金) 00:28:27 ID:y4qoC5tI0
運のいい人がチャンスに気がつくのは、肩の力を抜いてまわりを見ているからだともいえる。
何かチャンスが来ないかと待ちかまえているというより、偶然、出くわしたときに、しっかり気がつくのだ。
それに対し、運の悪い人は緊張や不安に弱く、新聞の写真を数えるのに必死なあまり、100ポンドをもらえるという広告まで気が回らない。
実際の生活でも待ち合わせの時間に遅れないことや新しい仕事を見つけることなど、さまざまな問題で頭がいっぱいだ。
その結果、ごく狭い範囲に注意力が集中して、身の回りにあふれている予想外のチャンスを見逃しやすい。