1 :
本当にあった怖い名無し:
あなたが創作した・あなたが体験したオリジナルのオカルトな話を聞かせてください
あなたオリジナルのオカルトな内容であれば特に制限はありません
怖くなくてもオチが無くても全然構いません
人から聞いた・TVで見た・他所からのコピペ等は禁止です
長文を投稿する時はメモ帳等で全部書き終えてから一気に投稿して下さい
携帯からの方もそれなりの配慮をお願いします
オカルトとは心霊現象、UFO、UMA、超科学、神秘学、超能力、超心理、古代文明などのことです。
「怖い」「恐怖」「オカルト」だけではオカルトではありませんよ。。。( ̄ー ̄)ニヤリ
2 :
萬☆魂 ◆upRWOd1qeE :2006/09/19(火) 21:21:10 ID:lsUQRf5H0
アチシの学校でこんなテストがありました。
問題は一問だけ。
「次のテーマを二つ以上使って物語を作りなさい。
宗教、王室、SEX、謎」
アチシはウンウン唸って考えていたんだけれど、クラス一の鈍才と馬鹿にされ続けたとある男子はすらすらっと書き終えました。
後で彼の回答を見せてもらうと、そこにはこう書かれていました。
「女王陛下が妊娠された!おお神よ!相手は誰でしょうか?」
3 :
本当にあった怖い名無し:2006/09/19(火) 21:25:06 ID:jCe/Kdwk0
うんち我慢してるとき歩き方がおかしくなる
うんち我慢してるときのおならは臭い
よんさま
5 :
本当にあった怖い名無し:2006/09/19(火) 21:26:20 ID:lsUQRf5H0
6 :
本当にあった怖い名無し:2006/09/19(火) 21:28:49 ID:3/jAK6vw0
はぁ。。
7 :
本当にあった怖い名無し:2006/09/19(火) 22:40:21 ID:C6rfCesS0
誰か書いてやれよラッキー7
8 :
本当にあった怖い名無し:2006/09/20(水) 10:04:32 ID:47HFzdV7O
(´・ω・`)
9 :
本当にあった怖い名無し:2006/09/20(水) 22:24:36 ID:h1MCa8rXO
おれの実家の裏手が山なんだが、その山の奥の方に古い社がある
昔から祖父に山の奥の社に近づくなと言われてたんだが
高2の頃かな。友達のじいちゃんにある昔話を聞いて
その友達と一緒に肝試しがてら行ったことがあるんだ
その昔話って言うのが、まぁよくある迷信みたいなものなんだが
山の社には山の神さんの隠し戸があって、そこを開けると
昔の自分が見える。ただその時山の神さんに見つかると
取って喰われるって話
10 :
本当にあった怖い名無し:2006/09/20(水) 22:37:21 ID:VlbQoiXX0
誰も書かないようなので書いてみる
動物や赤ん坊はソッチの方にスルドイと言われるが・・・
ウチの子供がまだ3ヶ月の頃、夜中に突然泣き出した。所謂、夜泣きと言うやつだ。
いつもならオッパイをもらうまでは泣き止まないのに、その日は何もしていないのにすぐに泣き止んだ。
それどころか天井の一点を見つめてキャッキャッ言って笑い出した。
寝かしつけようと思って抱っこして歩いていてもずっとその一点を見て笑っている。
しばらくして子供はスヤスヤと眠りに入ったが、こっちが怖くなってデジカメで天井を撮ってみたが何も写ってはいなかった。
後で嫁と話したのだが、子供が怖がっていなかったので
きっと死んだおじいちゃんかおばあちゃんが孫の顔を見に来たのだろうと思う事にした。
11 :
本当にあった怖い名無し:2006/09/20(水) 22:37:40 ID:eRe+JUYkO
ふーやれやれ、僕はタオルで汗をふきながらいつまでも続く山道を見てた。
「はやくいくわよ、しっかりしてよ」
僕は暑い日差しのなか、彼女の軽快な足取りを見ながら肩をすくめた。
「ここよ、あの入り口につながる所は」
うっそうと繁る、藪のなか
12 :
本当にあった怖い名無し:2006/09/20(水) 22:37:47 ID:h1MCa8rXO
で、その友達とその山に入ったわけだが、わりと道はしっかりしていて
バイクでも行けたんだ。ただ肝試しってことで夜の10時くらいに行ったから
夜道は暗く、かなり不気味だったんだ。ところどころにある外灯も余計不気味だった
んで1時間ちょい走ったころかな。山の中腹あたり。
そこで道がとぎれていて、バイクでは進むことができなくなり、仕方なしに歩いたんだ
したら、少し進んだところに、何か真新しい社があったんだ
13 :
本当にあった怖い名無し:2006/09/20(水) 22:45:54 ID:VlbQoiXX0
邪魔してしまってスマソ
続きをwktkしながら待ってるよ
14 :
本当にあった怖い名無し:2006/09/20(水) 22:56:48 ID:h1MCa8rXO
おれとそのダチは、何だよこんなもんか、と若干呆れていたのだけど
ふと社の裏に回ってみるとなんか山の奥の方に向かって
苔と草にまみれた石段があったんだ。正直見た瞬間ヤバい気がした。
何か異様な雰囲気、って言うか、雑木林で石段の奥が見えないし
とにかくヤバいって思った。ダチもそう思ったらしいが、一応肝試しにきたのだから登ってみようと言いだした
この時点で夜の12時近くだったかな。外灯も途切れ、月明かりと懐中電灯のみが光源だったから
おれはマジでビビッてた。して、その石段を30分ほど登ったところで
あったよ。
マジであった。多分これが爺さん達の言ってた社なんだろうな。
柱は腐っていて、半壊状態。まわりは手入れしてないので丈の長い草で覆われていた
15 :
本当にあった怖い名無し:2006/09/20(水) 23:15:41 ID:h1MCa8rXO
さっきのヤバいって感じが凝縮された感じ?そんなのが社のまわりには漂っていた
冷や汗がマジで滝のように出たよ。で、その時ふとダチの方を見たんだ
何かおかしかった。いや、いつもと変わらないんだけど何かおかしかった
おれは昔から直感がわりと冴える方で、何かその時ダチが一瞬いつもと違う感じがしたんだが
いや、そんなことは無いと頭の中でかぶりを振った。
で、社の前に小さい石碑みたいなのがあったんだ。
おれとダチは何書いてあんのかと見てみたわけだが
『アマツチノ〜オンヲタテマツリ〜ミタマヲシズム』とかよく分からないことが書いてあった
(〜のとこは読めなかった。あと覚えてる文字の部分も多分あまり合っていないとおもう)
で、その文を読み終えた後、ダチが社の中を見てみようぜ
とか言いはじめた。おれはその時初めてダチのどこがおかしいか分かった。
笑ってるんだ
16 :
本当にあった怖い名無し:2006/09/20(水) 23:40:33 ID:h1MCa8rXO
このダチはビビりではないものの、こんな状況で笑っていられるほど、
肝が座った男でもない。マジで怖かった。して、おれが躊躇してるとダチが、
一人で社の方に 歩いて行ったんだ。おれは声も出せなかった。
そのうち社のまわりをグルグル回ってたダチが、よく分からないことをつぶやきはじめた。
なんか『どこだ?どこだ?』的なこと言ってた。
マジで泣きたかった。ダチ置いてダッシュで帰ろうかと思った。
そのまま2、3分たった頃かな。ダチが急に社の裏側に走って回った。
んで、一心不乱に土を掘る音が聞こえてきた。ざっざっざっざっ、て。
おれはもうマジで帰ろうとしたとき、ダチが言ってきた。
あったぞ、って
おれは脇目も振らず走って逃げた。何とかバイクのある場所まで走りついたとき、
ダチの叫び声が聞こえた。何かを叫んでた。唯一聞き取れたのがおれの名前だった。
おれは逃げた。ホントに怖かった。泣きながら逃げた。
ダチは数日後発見された。山の中腹の社で。
文が稚拙で申し訳ない。が、これは実話です。
ダチが何を見たのか、とかは何も分かりません。祖父は神さんに喰われたんだ、とか言ってました。
その社にもそれから行ってないです。
17 :
本当にあった怖い名無し:2006/09/20(水) 23:47:09 ID:h1MCa8rXO
何か文にしたらオチが無い上に怖くないなorz
しかも携帯からで読みニクス(´・ω・)
ごめん、吊ってくるわ…
ほう。
( ^ω^)あ、何か自分で読んでて恥ずくなってきたお
( ^ω^)まぁお察しの通り創作だお
( ^ω^)途中からメンドくなって適当になったお
( ^ω^)ごめんお
⊂( ^ω^)⊃
20 :
本当にあった怖い名無し:2006/09/21(木) 01:09:35 ID:LD1D0eo/0
つい最近、本当に経験したコトなんですけども。
朝起きていつものように会社に行く準備してたら、
おかんが「まだいたの?」って言うから、
俺は「さっき起きたトコだよー。」って返した。
でも、おかん、なんか不思議そうな顔してて。
んで、どうしたー?聞いてみたら、
「や。もう30分くらい前、○○(←俺)起きてきて会社向かったんよ〜・・
今日は遅くなる言って出てったよ〜」って。
おかんもはじめは気味悪がってたけど、それ以上に俺がビビってたから
「あー。気のせい気のせい。なんか寝ぼけてたかな〜」
とか誤魔化してたな。
とりあえず、その後は何も起きてない。
よくあるオカルト話かもしれないけど、実際に体験するとビビるなー。
21 :
本当にあった怖い名無し:2006/09/21(木) 19:18:49 ID:VTq+39230
>>17 乙!悪い神さんでも祀ってあったんかねぇ?
>>20 それ俺も経験した事ある。かなりビビったよ ってか、半泣きになったw
俺の友達にいわゆる「見える」奴がいる。
大学の新入生歓迎会で知り合った奴なんだが、外見は至って普通。
でも、カンのよさというか、第六感が半端じゃない。
知らない道に迷い込んだ時、いきなり立ち止まって、
「この近くで猫死んでるね。」
とかさらっと言い出す。
面白がって辺り探してみたら、自販機の裏についさっき轢かれたみたいな猫の死体が
隠すように押し込められてたなんてこともあった。
「いつから見えるんだ?やっぱきっかけとかあるのか?」
ある日、喫茶店で話していたときに、冗談半分で彼女に聞いてみたことがある。
初めはお茶を濁そうとしていたんだが、俺があまりにしつこいせいか、結局折れて話してくれた。
後悔しないでね、と前置きを入れて。
--------------------------------------以下、彼女の話-----------------------------------
私が小学校3年の時にね、クラスでコックリさんが流行ったの。
私は当時はまだ「見えなかった」から、そういうの信じてなくてね。
でも、私のクラスにコックリさんに夢中になってるグループがいたんだ。
霊感があるって子が中心のそのグループは、なんかあるたんびに、
「コックリさんが当たった。」だの「コックリさんが言う通りの事が起こった」
だの言ってのよ。
私、正直嫌いだったわ、その子。
で、ある時、私とその自称・霊感少女が喧嘩になってね、コックリさんの事で。
「いる」「いない」の水掛け論だったんだけど、「証拠を見せてやる。」なんていうから、私もついのっちゃったのよ。
まぁ、本当かどうか、興味はあったし。
その霊感少女グループと私の合計4人で、コックリさんをやることにしたわけ。
放課後になるの待って、私達は屋上に向かう踊り場に行ったの。
何でもそこが校舎の中で一番いい「ポイント」らしくてね。
バカバカしいと思いながらもコックリさんの準備手伝ったわよ、使われてない机並べたりしてね。
で、いよいよ始まった。
何回か「コックリさん、コックリさん・・・おいでください」って呼びかけてる内に、
10円玉がすぅーっと「はい」に動いたの。
他の皆はコックリさんが来たって騒いでた。
その様子見てたらなんか馬鹿らしくなって、私はふざけて
「コックリさん、コックリさん、お願いですから私達に幽霊を見せてくださぁ〜い」
って言ったの。10円玉は『はい』に動いた。
「真面目にやりなさい」
なんて霊感少女は言ってたけど、それ以上付き合う気になれなかったから、
10円から指を離したの、私。
いや、コックリさんやってる途中で指を離しちゃダメってことくらい知ってたわよ。
でもね、その霊感少女への当てつけのつもりで、離したの。
『バンッ!!』
指を離した瞬間、凄い音が鳴ったわ。
屋上に通じるドア、あるじゃない。鉄製の。あれが外側から思い切り叩かれた音だった。
みんなビックリしてね。放課後だし、屋上は元々立ち入り禁止だから外に誰かいるわけないし。
『バンッ!!・・・ドンッ!!』
また叩かれた。というよりは、殴りつけたみたいな音だった。
それが段々激しくなっていくの。もう何人もが一斉に叩いてるみたいな感じで、
『ドン!ドン!ドン!』
怖かった。とにかく怖かった。
でも、あんまり怖いと、映画でよくあるみたいに泣き叫ぶってしないみたいね。
目に涙一杯溜めたまま、みんな固まってた。
「逃げよう」
誰が言ったのか分からないけど、誰も反対しなかった。
扉はもう破られそうなほど激しく叩かれててね。
ドアノブなんかも狂ったみたいにガチャガチャやられてるのよ。
片付けなんかしないで、セット一式放り出して逃げてきたわよ。
何日かして先生にばれて、むちゃくちゃ怒られたけどね。
--------------------------------------------------------------------------------------
「・・・それだけ?」
拍子抜けした。確かにドアを叩かれるシーンでの大声には驚いたが、
それはあくまで驚きだ。恐怖とは違う。
話自体も中途半端のままだ。
「その話、なんか続きないのか。どうも中途半端だ。オチが弱い。」
だから、正直に聞いた。元々、遠慮するような間柄じゃない。
「人がせっかく話したってのに、そんな酷評をしやがりますか、貴様は・・・。」
そう言いながらもニヤニヤしている。どうやらまだオチは先らしい。
「次の日その場所に行ってみたら、コックリさんのセットは無かった。
きっと、見つけた先生が片付けたんじゃないかな。
でもね、コックリさんのルール、最後は呼び出したものを鳥居を通して帰さなきゃならないじゃない。
私達はそれをやってない。だから、あの時のコックリさんはまだ続いているのよ。」
ゾクッとした。
10年以上続くコックリさん。
呼び出されたものは何処に行ったのか。
「あ、だったらさ、その時の面子集めて、またコックリさんやればいいんじゃないか?
それで帰ってもらえば、万事解決だろ。」
・・・それは無理、と彼女は言った。
「だって、私以外もう死んじゃってるんだもん。」
絶句した。
固まってる俺を気にもせず、彼女は続けた。
「死に方は事故だったり自殺だったり、色々だけどね。
結局、一番最初に指を離した私だけが今のところは無事。
さて、私はそろそろ行くけど、嫌な話させたんだからここ奢りなさい。じゃ、またね。」
俺は何も言えなかった。自分のせいで死んだかもしれないクラスメート。
思い出したくも無いだろう話を俺は彼女にせがんだ。
激しく後悔していた。
一言謝ろう。そう思って顔を上げると、彼女と視線がぶつかった。
店を出る準備をしていた手を止めて、彼女は俺を見ていた。
「するなって言ったのに、後悔してるみたいね。」
頷く。
すまん、と言う前に彼女が続けた。
「じゃ、後悔ついでにもう一つ。
私ね、小学校までは垂れ目だったのよ。」
自分の眼を指差して、彼女は笑っていた。
呆気にとられて固まっていると、彼女は軽い調子で「そんじゃね」と店を出ていった。
10年以上続くコックリさん。
呼び出されたものは、目の前にいたんだろうか。
彼女は吊り目だ。
27 :
本当にあった怖い名無し:2006/09/21(木) 23:57:44 ID:88Y1zGqj0
>>26 最後の1行で鳥肌がたった
これは創作だよな?かなり怖かったよ
>>27 大半創作、一部事実、ってとこだな。
楽しんでいただけたなら、光栄だ。
>>28 GJ
俺は彼女が店から出た瞬間にバスにはねられるオチ勝手に想像してたw
>>29 その系のオチも考えたんだが、さすがにまだ奴は生きているんで、不謹慎かとw
大学2年の夏、俺は友人達と一緒に海に遊びに行っていた。
友人の一人が穴場を見つけたらしく、そこに仲間を誘って出かけた。
穴場というのは本当のようで、時期が遅かった事を差し引いても、
その海岸にはほとんど人がいなかった。
「泳がんのか?」
ひとしきり海で騒いだ後、ビーチパラソルの下で
陸に揚げたクラゲみたいになってる奴に俺は声をかけた。
「・・・・・・。」
「返事が無いようだが、ただの屍か?」
「・・・うるさい。」
どうやらまだ息があるらしい。
横においてあるクーラーボックスから冷えたウーロン茶を二つ取り出して、
片方を腰くらいの高さからそいつの腹にめがけて落とす。
腹に当たる直前にそいつは缶を見事にキャッチした。
左腕で自分の目を覆ったまま。
相変わらずの勘の良さだ。
「打ちひしがれる乙女に対してのこの仕打ち・・・まさに外道ね。」
気だるそうに起き上がりながら、俺を咎めるような目つきで見ている。
「俺のジェントリズムが分からないとは、まだまだ修行が足りんな。
・・・日に当たってないとはいえ、水分摂らんと熱中症になるぞ。」
反論する気力も無いのか納得したのか、そいつは黙ってウーロン茶を飲み始めた。
遊びまくって疲れていた俺は、そいつの横に座って同じように缶を傾ける。
「で、泳がんのか?」
黙っていても何なので、最初の質問を繰り返す。
「海、嫌い。」
いつもの饒舌さとは正反対の簡素な返事だった。
横目で見ると炎天下の犬みたいなやりきれない表情をしている。
「まぁ、暑いしな。北国育ちには辛いだろうよ。」
うん、と曖昧な返事。
会話が続かない。
辛い奴と無理に話すこともないか、と俺は口を噤んだ。
ぼーっと海を見る。
友人達がハシャいでる。結構遠くまで行っているにも関わらず、
黄色い声がここまで聞こえてくる。
「あのさぁ・・・。」
ぽんっと沸いたような言葉に少し驚いて、横を見た。
彼女が真剣な顔をしてこっちを見ている。
「今、見える範囲に何人の人間がいる?」
この目、この調子…来た、と思った。
俺の横に居るこいつは、異界の者が「見える」。
俺もそういった話が嫌いじゃないから、こいつにそういった話をせがむこともあるが、
一回も見たことなんてない。
でも、いるかいないかと聞かれれば「いると思う」と答える。
俺はそんな曖昧な立ち位置だ。
「見える範囲で…俺らのグループが6人で、あっちの家族連れが3人。
釣りしてるおっさんが1人と・・・お前を入れて11人だな。」
周囲をグルッと見回しながら、俺に見える人数を彼女に告げた。
リアクションは、そっか、の一言だけ。
それだけを言って、彼女は黙っている。
「で、お前は何人見えてるんだ?」
沈黙に耐え切れなくなって、俺は聞いた。
質問に答えず、彼女はウーロン茶を飲みこむ。
コクッと小さい音がして、そこだけ別の生き物みたいに艶かしく喉が動いた。
ウーロン茶を飲み干し、ぷはぁっ!とオッサンくさい息を一つ吐いて、
「10人。」
短く答えた。
「…は?」
こいつのことだ。きっと1人か2人多く見ているんだろうと思って身構えていたのだが、
あっさりと予想を裏切られた。
慌ててもう一度周囲を見渡す。
さっきより遠くに行って見にくいが、俺の友達は全部で6人。間違いない。
ずっと砂浜で子供と遊んでる家族連れは3人。間違いない。
少し離れた防波堤で釣りをしている黒服のおっさんが1人。これも間違いない。
ここまでで10人。
俺は11人目に目を視線を移した。
相変わらず熱でやられた顔をしているが、目だけは輝いている。
一番怪しいのはこいつだ。何か怪異があるとしたら、こいつに違いない。
俺は少し後退った。
「…私ゃ生きてるってば。」
確かに目の前にくっきりと見えていて、話している奴が幽霊だなんて信じたくもない。
改めて周囲を見渡す。
11人だ。間違いない。
となると、
「貴様、騙したな…?」
答えはこれしか考えられない。
こいつの語りは信じ込ませる力があるから怖い。
何も答えない彼女を軽く睨んでいると、友人達がドヤドヤと浜に上がってきた。
皆一様に楽しそうに疲れている。いいことだ。
1泊して次の日に帰る予定だったので、その後は予約していた旅館に全員で移動した。
移動している最中も、俺はなんとなく割り切れない気持ちで一杯だった。
俺の知る限り、彼女は怪異に関して嘘をついたことが無い。
もしかしたら嘘でも、それは本当だと信じることができる力強い嘘だった。
それが今回は違った。そのことが何となく悔しく、不愉快だった。
旅館の飯はまぁまぁだったが、そんなことは関係ない。
要は盛り上がればそれでいい。
そのうち酒も入り、花火をしようということになった。
俺は弱いくせに罰ゲームで何杯か飲まされてヘロヘロだったが、花火はやりたい。
思い通りに動かない身体を引きずって皆についていった。
昼間遊んでいた海岸の脇で、花火を始めた。
俺も混じりたかったが、酒のせいで気分が悪く、テトラポッドに腰を降ろして、
皆が花火遊びに興じる様子をボーっと見ていた。
「やられてるねぇ〜。」
背後からの弾んだ声に振り返ると、彼女が立っていた。
酒のせいで具合が悪かったことと昼間の出来事を思い出したことで、
俺はそっけない返事だけを返して彼女から視線を外した。
「何不貞腐れてんのよ?」
彼女はそう言いながら、俺の横に腰を降ろした。
「別に…酒で具合が悪いだけだ。放っとけ。」
「昼間の事、気にしてる?」
ドキッとした。
こいつの勘の良さには敵わない。
「まぁ、な。何で騙した?」
俺は正直に答えた。
「別に騙してなんかいないよ。ただの視界の問題。」
種明かしをする子供みたいに楽しそうに、彼女は言った。
「視界?」
「そう、視界。あの時『見える範囲で』って言ったでしょ。
釣りをしていたあのオジさん、あの時はあんたがいたから
私からは死角になって見えなかったのよ。
だから、私から『見える範囲』の人数は10人!」
馬鹿らしくて少し笑った。
そんな簡単なことだったのか。
俺が勝手に幽霊だ何だと結びつけて、勝手に凹んでただけか。
少し、気分がよくなった気がした。
「でもね、皆が来て移動する時に、私、何気なくあのオジさんの事見たの。
死角が無くて、あの時海岸にいた全員を見渡せる状態でも、私の答えはやっぱり10人。」
「は?お前、何言って・・・」
「海水浴場からあんな近いところで、釣りをする人いる?いないでしょ。
だいたい、海水浴場は釣り禁止。
それに、この夏場の直射日光の下で、黒の長袖着て釣りする人いる?」
まくし立てる彼女を、俺は呆然と見つめていた。
冷静に考えてみて、そんな奴いるわけない。
何も言えない俺にニッと笑顔を見せて、
「10人!」
彼女は改めて宣言した。
37 :
本当にあった怖い名無し:2006/09/22(金) 19:52:49 ID:5TazzAqM0
信頼の置ける某筋からの情報によると
スマ○プのリーダーはかつら被ってるらしい。
>>31-36 文章はやたらとうまい!すごく引き込まれたよ
でも私にはムズカシすぎたかな ちとわかりにくかったです
>「10人!」
彼女は改めて宣言した。
ここが好き。
>>38 お褒めの言葉、感謝。
が、どうも文章をまとめるのが苦手で、長くなる・・・。
分かりづらくてすまん・・・。
40 :
本当にあった怖い名無し:2006/09/25(月) 02:55:05 ID:j4lr/dkY0
一度、例の「見える」彼女と俺を含めた8人で、百物語をやったことがある。
言い出したのは、俺でも彼女でもない。
別の友人が集まって騒ぐ口実に言い出したものだ。
最初は参加を渋っていた彼女も、講義のまとめノートを条件に強引に参加させた。
開催場所は俺の部屋。
結論から言うと、この百物語自体は大したものじゃなかった。
どこかで聞いたような話がたどたどしく話される。
途中で誰かのメールが鳴ったりして、雰囲気もぶち壊しだ。
俺はすっかり白けていた。
俺の順番がきて、その時覚えていた稲川淳二の「先輩の鳩」を話す。
話し終わって皆を見渡す。どうやら自分の想像以上に効いたらしい。
皆顔を強張らせて、黙っている。
蝋燭の火がじじっと音を立てて、揺れた。
彼女の番が来る。
薄暗い部屋の空気が少し重くなった気がした。
一息吸って、彼女が話し出す。
「ある時ね、友達皆で集まって、宴会をしようってことになったの。
楽しい時間はあっという間に過ぎて、その宴会はお開きになった。
宴会場所を提供していた家主は、片づけを終わらせた後、
シャワーを浴びることにしたの。」
話している彼女に視線を向けた。
蝋燭の明かりを見つめながら、表情を変えずに滔々と喋り続けている。
「彼はシャワーを浴び始めた。髪を洗う。顔を洗う。身体を洗う。
その光景をじっと見ている女がいるの。
浴槽の中にうずくまって、彼のことをじぃっと見ている。
何も喋らず、微動だにしないで。ただ、じぃっと家主を見ている。」
「彼は結局、最後まで彼女に気付かなかったわ。そのままシャワー室を出た。
彼はきっと、今でもその浴室を使っているんじゃないかな。」
彼女は話し終えてふぅっと息を吐いた。
蝋燭の火が吐息で揺れて、消えた。
真っ暗になった部屋の中、俺は立ち上がり、電気を付けた。
眩しすぎる光に目を細めながら、彼女を見た。
彼女はこっちを見て、微笑を浮かべていた。
その後、友人達は近くの公園に遊びに行くと言って部屋を出て行った。
むしろこっちが本命だったのだろう。
さっきまでの怪談話もそっちのけで盛り上がっている。
俺は彼女の話が気になっていた。
「お前の話に出てきた家主、結局最後まで女には気付かなかったんだろ。
だったら、それが話として残るわけがないんだ。
家主が気付いていないんなら、それは単なる日常のワンシーンで終わるはずだ。」
機を見て友人達と少し離れ、俺は彼女に聞いてみた。
うん、と彼女は一つ頷く。
「でもね、本人が気付いていない場合でも、話として残る場合があるの。
さて、それはどんな状況でしょう?」
「・・・周囲の人間が見た場合、か?」
「正解。」
つまり、さっきの話は家主ではなく、語り部である彼女が見た光景と言うことになる。
それにしたって、彼女の話にしては、怖くない。
少し残念だったが、彼女だってあのぬるい百物語の中で
真面目に話そうって気にはなれなかったんだろう。
そう思って、俺は納得した。
「・・・・・・怖い話ってさ、誰が一番怖いと思う?」
が、どうやら話はまだ終わらないらしい。
「誰がって、聞いてる奴じゃないのか?
話している奴は落ちとか知ってるから心の準備が出来ているだろうし。」
これ以上話を聞くと、怖い目に遭うと分かっていても、俺は答えていた。
好奇心もあるが、なにより、彼女の話が逃げることを許さない。
いつもそんな感じだ。
「外れ。正解は『その話の登場人物』
話を聞いたって他人事だけど、当事者にとってみればたまったもんじゃないでしょ。」
「そりゃそうだが、それとこれと何の関係が?」
「私は『怖い話』しろって言われた。だから"私"は、怖い話をしたの。」
答えになっていない。
だが、聞いた瞬間、なんとなく分かってしまった。
家主=彼なんじゃない。
家主=うずくまっている女だったんだ。
そして、その女は、おそらく目の前にいるこいつなんだろう。
こいつはきっと怖かったんだ。
身近にそういった世界がありすぎる彼女は、
自分がそっち側に行ったんじゃないかと恐怖したんだろう。
だから、自分が幽霊みたいに聞こえる話をしたに違いない。
「それにしても、アホな男だな。
シャワー浴びようとしてたってことは、その女は裸だったんだろ。
全裸でうずくまっている女がいるのに気にも留めなんてな。
俺なら凝視するぞ。」
だから、俺は馬鹿にした。
初めて彼女のしてくれた話を鼻で笑った。
殊更「凝視する」を強調して言ってやった。
彼女はポカンとした表情を浮かべて俺を見ていた。
俺の言いたい事が伝わったんだろうか。
彼女は微妙な笑顔を浮かべながら、色々と文句を言ってきた。
彼女の罵詈雑言を聞き流しながら、俺達は騒ぎ続ける友人達の方に歩き出した・・・・・・。
と、ここまでだったら「俺、いい人」で話は終わっていた。
実はこの話、後日談がある。
百物語からしばらく経ったある日、彼女が俺を訪ねてきた。
なんのかんのと雑談して、彼女は帰った。
いつも怪異について話しているわけじゃない。むしろ、こっちが普通だ。
ただ、帰り際に彼女が、
「この前の怖い話、もう一回考えてごらん。」
とニヤつきながら言った。
一人になって考える。別におかしなところは何もない。
・・・待てよ。
彼女の性格上、たとえ不安でもそれを人に話すような真似はしない。
となると、やっぱり彼女が見た光景ってことになる。
しばらく考えて、嫌な仮説に行き当たった。
怖い話ってのは、あくまで誰かに聞かせるためのものだ。
語り部にとって怖い話をしても、周りの人間にその怖さは100%は伝わらない。
他人事だからだ。
100%の恐怖を味あわせるには、聞き手が話の主人公である必要がある。
彼女はそれを理解して、その上であの話をした。
つまり、彼女がした怖い話の登場人物は、
あの時百物語に参加していた彼女以外の誰かってことになる。
そして、彼女に「怖い話をしてくれ」と頼んだのは、俺。
もしかして・・・
家主=俺?
ぴちょん、と一つ、浴室から水音が聞こえてきた。
45 :
本当にあった怖い名無し:2006/09/26(火) 21:37:57 ID:R/SyDfF30
ID:svxU4UPp0= ID:j4lr/dkY0かな?
確かに文章はうまいんだが少し難しいな
星新一を初めて読んだ時のような気分になったよ
46 :
本当にあった怖い名無し:2006/09/27(水) 00:09:57 ID:dOA6BAXT0
お察しの通り、
>>31-36,
>>40-44、ついでに、
>>22-26は同一人物だ。
連投スマソ。自粛する。
あいつの話し方が回りくどいのと、
俺の文才の無さのお陰でやたらに長く、分かりづらくなった。
にしても、御三家の一人に例えてくれるとは・・・・・・感謝。
47 :
本当にあった怖い名無し:2006/09/27(水) 00:45:57 ID:WrKSZpkZO
おもすれー!GJ!大半創作一部事実か…
でもその彼女自体は存在するんだな
48 :
本当にあった怖い名無し:2006/09/27(水) 00:51:58 ID:SmCazd8DO
で、見える彼女の事好きなのか?
正直に言っちゃえよ。
49 :
本当にあった怖い名無し:2006/09/27(水) 01:00:05 ID:wMJGAfHNO
なにこの一転して中学生メンズみたいなレス
50 :
46:2006/09/27(水) 01:11:24 ID:dOA6BAXT0
>>47 お褒めの言葉、感謝。
見える彼女は実在する。話の骨格も本当にあった。
会話とか情景とかを創作してるから「大半創作」ってこと。
正直、奴と話しているときは怖すぎて周囲の事なんざ覚えてない。
>>48 なにその修学旅行の夜的質問w
ちなみに、お互いに恋愛感情はない。
>>49 流れるようなそのツッコミ、素敵。
51 :
45:2006/09/27(水) 20:42:16 ID:hh70YQf10
>>50 スマン責めている訳ではないんだ 俺の理解力が足らないだけなんだよ
自粛するなどと言わずこれからもドンドン書いて頂きたい
俺も何か書いてみたいけど才能無いしなぁ
52 :
50:2006/09/28(木) 03:30:09 ID:kn+tf40h0
>>51 書いて頂きたい、というお言葉を頂けるとは・・・感謝。
オリジナルであればOKなこのスレ。
遠慮せずに一つずずぃっと書いてみるのもいいかと。
ワクテカしながら、待っているよ。
53 :
50:2006/09/28(木) 03:39:48 ID:kn+tf40h0
で、こんな時間に起きちまって眠れないので、小話を一つ。
見える彼女とは関係ない不思議体験。
----------------------------------------------------------------------
大学に入って仲良くなった奴の一人に、大の心霊好きがいた。
どうやら類は友を呼ぶ、とは本当のことらしい。
俺もそう言う話が嫌いじゃない。同じ匂いがしたんだろう。
そいつは事あるごとに「心霊スポットに行かないか?」と俺を誘った。
ある時、そいつの心霊スポット巡りに参加したことがある。
例の「見える」彼女も誘ったが、
「いけす持ってる人間が、趣味でもないのにわざわざ漁に出る?」
と爽やかに断られた。
心霊スポットに着いても、何も起きない。
拍子抜けだ。夜の夜中に駆り出されて、成果無し。
薮の中に分け入ったりして、蚊に刺された程度だ。
見渡すと、全員がつまらなそうな顔をしている。
結局何も起きないまま、心霊スポット巡りはお開きになった。
「お前、約束すっぽかすなよな。」
数日後、その時一緒に心霊スポットに行った友人が奇妙なことを言い出した。
何のことだ?と聞いても、呆れたように返答もしてくれない。
気になったので、心霊スポットに行った他の友人達に話を聞くと、
どうやらその日、俺は約束の待ち合わせ場所に現れなかったらしい。
電話をしても繋がらず、他の友人達だけで心霊スポット巡りを行った、と。
全員で俺を担いでいるんだ、と思っていた。
でも、友人達が心霊スポットで撮った写真に、俺の姿は無かった。
俺はあの夜、一体誰と心霊スポットを回ったんだろう。
虫刺されの跡をボリボリ掻いても、答えは一向に出なかった。
54 :
本当にあった怖い名無し:2006/09/28(木) 04:56:18 ID:8tZegGcIO
師匠シリーズを思い出した
面白いからもっと書いて下され
55 :
修学旅行生:2006/09/29(金) 22:58:13 ID:jX5gz6fbO
見える彼女の話、最高!
執筆者の才能もさることながら、彼女の言動がいちいちカッコイイ。
早く新しい話が読みたい!
56 :
「見える彼女」の人:2006/09/30(土) 00:15:59 ID:yrCh3inb0
>>54 師匠シリーズほど洗練されていないよ。
彼の切れ味が日本刀だとしたら、俺は鉄パイプだw
あれくらいの文才が欲しい・・・。
>>55 彼女の言動・・・カッコイイか?w
俺からしたら恐怖の対象だ。
お二人とも、もっと読みたいとのお言葉、感謝。
んじゃ、次は彼女と初めて会った時のことでも書くとします。
・・・・・・かなり長くなりそうな予感。
57 :
本当にあった怖い名無し:2006/09/30(土) 01:46:25 ID:yrCh3inb0
俺があいつと初めて会ったのは、大学生の新入生歓迎会の時だった。
その年入学した同じ学部の新入生全員を集めて、ホテルの宴会場でやる立食パーティー。
簡単に言えば、学校主催の合コンみたいな感じだ。
俺はその歓迎会の一週間ほど前から、体調がよくなかった。
朝起きた時から疲労が酷く、頭が重い。
熱が一向に出ないにも拘らず、背筋を蟻が這い回るような寒気に襲われたりする。
季節の変り目だから風邪でも引いたんだろう、と深く考えてはいなかった。
実際、活動する分にはまったく問題はない。
一人暮らしを始めたばかりでバイトも決まっていないから、体力を使うこともない。
放っときゃ治るだろ、と軽い気持ちでダラダラと日々を過ごしていた。
ところが、歓迎会の日が来ても、体調は一向に良くならなかった。
それどころか、頭の重さは徐々に増し、寒気も頻繁に感じるようになっている。
もしかしたら風邪なんかじゃなく、もっと厄介な病気かもしれない。
そう思えるほどに、症状は悪化していた。
歓迎会当日。
休めばいいのだが、先払いした参加費がもったいない。
そんな貧乏根性から俺は歓迎会に参加していた。
気分が悪い。楽しもうにも楽しめない。
余興として貰ったビンゴカードに穴を開けながら、
会場の端にある椅子に力なく腰を下ろしていた。
「さぁ、どんどん行きましょ〜。お次はぁ・・・・・・Bの6番でぇす!!」
あ、俺、ビンゴしてる。
気だるそうに手を挙げて、ビンゴを宣言した。
自分でも分かるくらい覇気が無い声だった。
「おや、ビンゴした人、いるみたいですねぇ〜。さぁ、こちらにどうぞ〜。」
舞台の上に招かれる。簡単な自己紹介をした後、商品を選んだ。
A〜Zまでのアルファベットの書かれた箱が、舞台の上に置いてあり、
選んだアルファベットが書いてある箱の中にある賞品を貰える、という仕組みだ。
Dを選んだ。正直、賞品などなんでもいい。
スポットライトが眩しい。気分が悪い。早く舞台から降りたい。
司会者がおおげさなアクションで、Dの箱を開ける。
中には紙が一枚入っていて『うまい棒』と書かれていた。
「おめでとうございます!!賞品はうまい棒でぇす!!」
舞台の脇からスタッフが巨大な物体を持ってきた。
ドンキホーテとかで売っている、うまい棒の詰め合わせだ。
ちょっとした抱き枕くらいある。
嬉しくない。デカ過ぎるし、気分が悪い時にうまい棒なんて食えない。
微妙な表情で賞品を受け取り、舞台を後にする。
「お帰りはあちらからどうぞ〜。」
司会者が舞台端の階段を指差すが、そこまで行くのも面倒くさい。
舞台の高さは50pくらいしかないから、舞台端まで行かず、途中で飛び降りた。
舞台から飛んだ瞬間、足首に強い負荷がかかる。
まるで誰かに思いっきり足首を掴まれた様な、そんな感じだった。
叫び声を上げる間もなく、俺は舞台の下に落ちた。
抱えていた巨大なうまい棒が、大量の「うまい粉」に変化した瞬間だった。
落ちた後、急いで舞台の上を確かめる。
コードか何かに引っかかったのだと思っていたが、
俺の飛び降りた場所にそんなものはなかった。
心配そうに駆け寄ってくるスタッフに、大丈夫です、と笑顔を見せた。
痛む膝を撫でながらさっきまで腰掛けていた椅子にまた腰を下ろし、
何をするでもなく、ぼんやりと司会者の声に耳を傾けていた。
ふと、視線を感じた。
周囲を見ると、女が真剣な顔で俺を見ていた。視線の主は彼女らしい。
外見は至って普通だが、なんとなく周囲の人とは雰囲気が違う。
目が合う。女が目を逸らす。
何となく気になった。別に俺に気があるとかじゃないようだ。じゃあ、なぜ俺を見る。
俺はその女の方に歩いていった。
あからさまに「うわっ、こっち来た。」って顔してやがる。
俺はそ知らぬ風に、そいつの近くのテーブルに置いてあった
フルーツポンチをすくって、食べた。
生まれてこの方、知らない女に声をかけたことなんかない。
とりあえず声をかけなきゃ。全てはそれからだ。
自然な会話の切り出し方を考えて、俺は言った。
「食べる?」
女はキョトンとしてる。そりゃそうだ。
見ず知らずの男にフルーツポンチ薦められてみろ。誰だってヒく。
軽く謝って、自分の名前を告げた。彼女も自分の名前を教えてくれる。
ちょっと珍しい苗字だったので、しばらく苗字や出身地の話で盛り上がった。
その間、彼女はずっと微妙に頬を引きつらせていた。
やっぱり警戒するよな、とか考えながら、こっちを見ていたことに話題を変えた。
「さっき目合ったけど、もしかしてなんか見えた?
いや、さっき転んだ時、誰かに足を引っ張られたような感じがしてさ。」
目の前の女が幽霊とか信じていなかったら、ただの自意識過剰の変な奴だ。
彼女はしばらく困ったように唸っていたが、唐突に顔を上げて、俺を見た。
「正直言うと、かなり見えてます。」
驚いた。現在進行形だ。そりゃ頬も引きつる。
返答に困っていると、「付いてきてください」と彼女は歩き出した。
素直に付いて行く。着いたところは人気のないロビーだった。
「え〜と、まず最初に、私が「見える」って事を誰にも言わないでください。
次に、ちょっと変なことするけど、気にしないでください。
最後に、この事が済んだらもう私に関わらないでください。」
俺の目をじぃっと見て、矢継ぎ早に言う。
小さく頷くと、彼女は後ろに回って、俺の背中に手を置いた。
もしかして変な奴に声をかけちまったかな、と思い始めたとき、
「もういいですよ。」
と声がして、彼女がゆっくりと手を離した。
振り返って彼女を見る。驚くほど青い顔をしていた。
「だ、大丈夫・・・?やたらと顔青いけど・・・。」
大丈夫、大丈夫、と手をひらひらさせている。
とても大丈夫そうに見えないので、近くにあったソファーに座らせた。
彼女は目をつぶって、気分の悪さに耐えているようだった。
「ねぇ、俺に憑いてたのって、何・・・?」
声をかけるのも悪いかと思ったが、どうしても気になる。
「ヒルコ、っていっても、分からないか。」
ソファの背もたれに身を預けたまま、彼女が答えてくれた。
随分と受け答えがぞんざいになっているが、こっちが素だろう。俺は気にせず答える。
「いや、一応知ってる。イザナギとイザナミの最初の子供だろ。
人の形をしていなかったから、流されたってやつ。ってか、そんなものが憑いてたのか。」
神話やオカルトは大好きだ。そっち系の知識は少なからず持っている。
「詳しいねぇ。まぁ、ヒルコっていっても、私が適当にそう呼んでいるだけだから。
色んなものが一杯集まって、もう人の形をしてないの。だから、ヒルコ。
見た目的には、真っ黒い肉の塊。あんなの連れてたら、そりゃ具合も悪くなるでしょ。」
頷く。そういえば、今は気分がいい。頭の隅に重さは残っているが、寒気は消えていた。
俺は初めて「見える」奴に出会った事で有頂天になっていた。
「そういやさ、お前、祓えるんだな。すごい力持ってるのか。」
純粋な感心と、少しの興味を込めて、俺は言った。
「祓えないよ。私ゃ神職じゃないし。」
予想外の答えだった。
「いや、だって、俺に憑いてたヒルコ祓ってくれたんだろ。今、かなり気分楽だし。
・・・・・・もしかして、まだ憑いてる?」
ひらひらと手を振る。どうやら憑いてはいないらしい。ほっとした。
「元々ね、お祓いって女には向かないの。
男は放つものだけど、女は受け止めるものだからねぇ。
神降とか降霊は女の方が向いているんだけどね。祓の儀式は男の方が断然得意なのよ。
才能と修行次第じゃ出来るようになるらしいけど、私は無理。そういう家系でもないし。」
なるほど、それは納得できた。
「んじゃ、俺のヒルコはどうやって・・・?俺にはもう憑いてないんだろ?」
彼女はもういいでしょ、という顔をしているが気にしない。
言わなきゃ動かないということが分かったんだろう。渋々といった様子で話してくれた。
「言ったでしょ、女は受け止めるもの。あんたのヒルコを私が受け止めたの。」
愕然とした。俺は自分の背負っていた荷物を目の前の彼女に背負わせてしまったらしい。
それでさっきから気分が悪いのか。除霊して疲れているものだとばかり思っていた。
「す、すまん。戻してくれても構わないから。お祓い行って、何とかするから。」
本気で言った。彼女は力なく笑う。
「もう遅いって。水は高い方に流れない。
だいたい、あそこまで大きくなったヒルコを祓える人間なんていないよ。
あのままだと、いつかあんたもヒルコの仲間入り。」
そんな大層なものを背負っていたなんて知らなかった。
「でも、このままだとお前が・・・」
死ぬんじゃないか、と言う前に彼女が言った。
「私は大丈夫。死なないから。」
何が根拠かは分からないが、彼女の目を見た瞬間「あぁ、きっと大丈夫だ」と思ってしまった。
強い意志を感じさせる目。こいつなら大丈夫だ、と思わせてくれる目だった。
結局、彼女と交わした3つの約束のうち、一番最後は守られないまま、今に至っている。
62 :
本当にあった怖い名無し:2006/09/30(土) 04:39:25 ID:VSRFKCIyO
グッジョブ!姉さんかっこええ!
俺ファンになってしまったw!
話うまいですね!小説読んでるみたいだった。
63 :
本当にあった怖い名無し:2006/09/30(土) 10:07:13 ID:t1R+FAtO0
すごく面白かったです またしても一気に読まさせられてしまったw
>男は放つものだけど、女は受け止めるものだからねぇ。
ここがなるほど〜と納得させられました ちょっとエチーけどw
クレクレ君で申し訳ないけどもっともっと読みたいと思っちゃいます
後、コテ付けてくれるとうれしいなぁとおねだりしてみる
64 :
「見える彼女」:2006/09/30(土) 18:08:20 ID:1LCPu3Nr0
>>62 まさか俺の拙文のファンになってくれるとは・・・涙で前が見えないぜ。
・・・感謝。
>>63 怪異って根底に結構エチーことがあったりするw
コテ了解。これからはこれで行くわ。
出会い方からなかなかドラマがありますね〜
そのヒルコはまだ彼女にくっついてるのかな?
面白かったっす
66 :
「見える」彼女:2006/10/01(日) 19:42:12 ID:k9/aj/EP0
大学2年のある日、爽やかな初夏の気候の中、
俺と友人達は近くの山にハイキングに来ていた。
車で1時間ほどのところにある小高い山。
近所の人達はよく散歩コースとして利用しているらしい。
日頃の運動不足が祟ってか、結構キツかったが、
自然の中を歩くのは、気持ちよかった。
頂上に着いて昼食をとった後、少し遊んでから下山した。
下りは登りよりキツい。山の中腹に来た頃には、夕暮れが迫っていた。
人の手が加わった登山道とはいえ、暗くなると危ない。
少しペースをあげて、日が暮れる直前には山を下りることができた。
その代わり、全員クタクタだ。
俺も、もう一人の運転してきた奴も、足が疲れてブレーキ踏める自信がない。
疲れが取れるまで、その山の麓に設けられた公園で思い思いに過ごすことにした。
日が落ちて、山は表情を変えている。
瞬間、影に包まれた山が巨大な生き物のように見えて、俺は少し身震いした。
67 :
「見える」彼女:2006/10/01(日) 19:43:39 ID:k9/aj/EP0
「登山って、怖いよね。」
唐突に声をかけられ、振り返る。
声の主が街灯の光を背に薄い微笑を浮かべて立っていた。
「まぁ、な。こうして夜になってみると、やっぱり不気味なもんだ・・・。」
違う違う、と彼女は首を振る。
「そういうのもあるけどね。私が言っているのは、登山が持つ意味のことよ。」
来た。
こいつはそういった異界の者を「見る」力を持っている。
そういう方面の話についての造詣も半端じゃなく深い。
それにしても・・・山が持つ意味?
それはなんだ、と彼女に聞いた。
怖い目に遭うことは百も承知だ。しかし、好奇心を抑えられなかった。
「あんたさ、山って何だと思う?」
俺の質問に答えず、彼女は質問をしてきた。
素直に考える。俺はあくまで彼女に教えてもらう身だ。文句は言えない。
山・・・山、ね・・・やま・・・。
ブツブツと独り言を繰り返す俺が見ていて怖かったんだろうか。
彼女がヒント、と言って話し始めた。
「昔、海の向こうは常世の国があるって信じられていたわ。
田道間守の話なんか有名でしょ?
そんな風に海の向こうには常世の国があるって考えられていた。
じゃ、ここで問題。それに対して、山はどう捉えられていたと思う?」
ぐ、と返答に詰まる。
海の向こうは常世。ならば、それと対成す山が持つ意味は・・・
「黄泉、か?」
ニヤリ、と彼女が笑う。
「半分正解。実際、山が黄泉の蓋をしているって捉えている話がいくつもある。
でも、それはあくまで蓋であって、黄泉そのものじゃない。」
相変わらず、意地が悪い。だったら最初から
「海の向こうは常世。山は現世と黄泉の境って考えられていた。」
の一言で話は済む。
68 :
「見える」彼女:2006/10/01(日) 19:44:42 ID:k9/aj/EP0
ここまで聞けば、なんとなく、登山が怖いといった理由も分かる気がした。
「つまり、お前は登山が黄泉への小旅行みたいなもんだと考えてるわけか?」
「正解。黄泉比良坂登っちゃってるわけだからね。」
そりゃ、確かに怖い。
怖いといえば怖いが、どちらかというと、
「へぇ〜、そうなんだ」という気持ちのほうが強かった。
要するに、怪異談としてはぬるい話だった。
なるほどねぇ〜、をしきりに繰り返す俺に、彼女が言った。
「以上の事を踏まえて、お知らせがあります。」
・・・・・・はい?
俺達が今、黄泉路から現世に戻ってきたことを踏まえて・・・?
嫌な予感がした。
「・・・私達が集合したのが午前9時。この山まで車で1時間。
つまり、登り始めは10時ってことよね。」
実際はもう少し早かった。確か9時43分。確か腕時計で確認している。
「で、頂上に着いたのが11時37分。これは私が確かめた。」
それを聞いて、携帯のメール送信履歴を開く。
頂上に着いたぞ、と今日来れなかった友人に送ったメールがある。
送信時間は11時39分。どうやら彼女は間違ってないらしい。
「で、お昼食べたりで、頂上に居た時間は大体2時間くらい。
そして、私達は下り始めた。確か・・・13時30分くらい。」
それも間違いない。腕時計を見て、一番暑い時間帯に下山か、と思った。
確かに時計の針は13時30分くらいを指していた。
69 :
「見える」彼女:2006/10/01(日) 19:45:41 ID:k9/aj/EP0
ふと腕時計を見た。針は19時16分を指している。
30分以上はここに居るとしても、山を下りきったのが18時30分くらいだ。
休憩は下山中、2回しか取っていない。2回あわせても30分ほどだ。
そして、休憩は登山中も大体同じだけとっている。
登りと下りでルートを変えたりはしていない。
何かがおかしい。
だが、その違和感の正体がつかめない。
考えれば考えるほど、鰻のように手からするん、と逃げ出す。
「・・・まだ気付かない?
なぜ私達は、2時間で登れた山を下るのに、5時間もかかってるのでしょう?
そして、私以外の誰もそれを疑問に思わないのはなぜでしょう?」
あ、と短く声をあげたきり、俺は何も言えなかった。
目の前に起きている怪異を受け入れるのに精一杯だったからだ。
「引っ張られてたのよ、私達。」
彼女が独り言のように答えを呟いた。
風が吹く。身震いしたように、ざわり、と黒い山が震えた。
70 :
登山・蛇足:2006/10/01(日) 19:48:32 ID:k9/aj/EP0
参考までに、あの時の時間の流れをまとめてみた。
1h54m 1h53m 5h
9:43<-------->11:37<------------------->13:30<----------------->18:30
登山開始 頂上到着 昼食など 下山開始 下山終了
71 :
登山・蛇足:2006/10/01(日) 19:51:51 ID:k9/aj/EP0
うわぁぁぁ、エライことになった・・・orz
訂正。
1h54m 1h53m 5h
9:43<-------->11:37<------------------->13:30<----------------->18:30
登山開始 頂上到着 昼食など 下山開始 下山終了
72 :
本当にあった怖い名無し:2006/10/01(日) 19:56:08 ID:vyj5V7uv0
新作乙です
う〜むやっぱりムツカシイですね ってか、不気味な話ですね
山って神秘的ですよね
私はあまりオカルト知識が無いので「よもつひらさか」とか専門用語を調べながら読ませて頂きました
73 :
「見える」彼女:2006/10/01(日) 23:19:51 ID:k9/aj/EP0
>>72 修験道の修行や民間信仰でも、山は神域と考えられているみたいで、
やはり神聖なものなのでしょう。
専門用語多くてすみません……。
次からはもっと分かりやすく書くよう、努力します。
「見える」彼女、シリーズ化するなら専スレ作ってやってくんないかな?
個人的には他の方の話も聞きたいんだけど…
最近彼女ネタばかりでちょっと(´・ω・`)
他の話投下しづらい感じになってるとオモ
>>74 わがまま言うな。
個人占有で単独スレ立てるほうがどうかしてる。
76 :
74:2006/10/02(月) 16:12:11 ID:ErKa3+gLO
>>75 師匠シリーズも専スレあるって聞いてたからいいんじゃないかなって思ったんだ。
けどあれは「師匠シリーズを語る」スレなんだね。
きちんと調べずに勝手に投下用だと思ってた。
無責任な発言してごめん。
見える彼女さんもこれ見て気を悪くしてたらごめんなさい。
77 :
「見える」彼女:2006/10/02(月) 17:02:08 ID:YBkYeSax0
>>74 いやいや、気を悪くなどしませんよ。むしろ、ご忠告、感謝。
確かに、専スレは無理だけど、俺も他の人の話が読みたい。
俺のネタばかりで、他の人が投下しにくい状況になっているのは確かかと…。
少〜しペースを落として、マターリと行きますw
79 :
本当にあった怖い名無し:2006/10/03(火) 10:07:27 ID:DQ1FFgONO
生意気生意気生意気
81 :
本当にあった怖い名無し:2006/10/03(火) 21:35:02 ID:/2DhqVZG0
>>79は生意気ばっかり言う携帯厨だなぁ(棒読み
しかしすげぇIDだなw
82 :
本当にあった怖い名無し:2006/10/03(火) 22:44:58 ID:chmodBqS0
趣味で暇なときに書き留めてある駄文ですが、、、、もちろん創作です。
ある朝、私は電話で友人に明日山登りにいかないかと誘われた。
彼と山に行くのははじめてなのだが、
最近は運動もあまりしていなく、ちょうどいいので行くことにした。
私と友人はバスを使って山に着いた。
隣の県のあまり知らない名前の山だ。
私は慣れたに山を登って行った。友人は私のすこし後ろを歩いていた。
しばらくして友人はそろそろ休憩しようと言った。
彼は愛用の水筒を持ってきており、ごく普通のティーカップに紅茶を注ぎ私にくれた。
悪くはない味だ。
しばらくして友人はそろそろ行こうと私に言った。
そして山頂にある山の管理人夫婦が経営している軽食屋で食事を取り、
また友人と山を降りた。
家の近くで友人と別れ、私は家に帰り疲れていたので風呂に入ってすぐにベッドに横になった。
しばらく横になっていているうちに気づいた。
これから起こることも。今日あったことも。
ちょっと小説とは趣が違いますが、ある資料を羅列します。
資料の中から関係あると思うものをまとめてみたのですが、
それでも相当の長さになってしまいました…申し訳ない。
では、しばしのお目汚しにお付き合いください。
――K新聞(1998年9月8日)より抜粋――
7日午前5時15分頃、K市にあるS病院から、
「男性が病院の屋上から飛び降りた」との110番通報があった。
警察が到着した時には男性はすでに死亡しており、
同病院の入院患者T.Nさん(49)であることが分かった。
同病院の屋上には高さ2m程度の鉄柵が設けられており、
T氏は8月に起きた交通事故により、半身不随の状態であったため、
警察は事件の可能性があるものとみて、調査を進めてる。
――K新聞(1998年9月30日)より抜粋――
1998年9月7日未明にK市にあるS病院屋上から、
同病院の入院患者T.Nさん(49)が飛び降り、死亡した件について、
K警察は昨日、正式に事故であると発表。
遺族など関係者が警察に再捜査を依頼している。
――T氏の主治医W氏への証言(1998年10月3日 PM10:25)――
……あの事故について知りたい? あんまり話しちゃいけないんですがねぇ……。
いえ、ちゃんとお話しますよ。そのかわ……(雑音で音声が聞き取れない)
……それなら、はい。分かりました。
私ね、Tさんの主治医だったんですよ。
Tさんはねぇ、普通の人でしたよ。
交通事故で脊髄を損傷して、半身不随。
周りに当り散らしたり、自棄になったり、そういうのが当たり前なんです。
えぇ、Tさんもそう。いつも苛立ってましたね。
……そりゃあ、やりにくいですよ。
でも、ま、分け隔てなく救うのが医者ですから。
看護婦達からの評判……? そりゃ良くなかったでしょう。
でも、飛び降りたって聞いて、何であの人が? って、みんな言ってます。
良くも悪くも、普通の人でしたからね。
そうやって周りに当たる人って、普通は飛び降りたりしないんですよ。
関係者、ねぇ……そうそう、奥さんがいましたよ。綺麗な方でねぇ。
よくTさんの車椅子の横を歩きながら、中庭を散歩する姿を見かけましたよ。
奥さんはニコニコと、穏やかな人でしたねぇ。
ん〜、一週間位してかなぁ……Tさんの様子がおかしくなりましてね。
いえ、どこがどう、とは具体的に言えないんですよ。
漠然と……纏ってる空気って言うのかな? それが変わったんですよ。
……いえ、詳しいことは分からないんですよ。
私だって、Tさんだけを診ているわけじゃないですから。
他に? ん〜、特に気付いたことはないなぁ。
お役に立てずにすみませんねぇ……。
――S病院看護婦Sさんへの証言(1998年10月4日 AM11:36)――
Tさん、ですか……?
いいえ、ほとんど会ったことはないです。
ただ、やっぱり他の同僚の話を聞くと、あまり良い方ではなかったみたいです。
いつもイライラしてて、怒鳴り散らして……。
事故に遭われた方って、そういう方が多いんです。
一度、Tさんに怒られたって、後輩の子……あ、その子、Jって言います。
そのJが泣きながらナースセンターに入ってきたことがありました。
そういう事は……Tさんが入院された時からありました。
えぇ、間違いありません。
Jが怒られたのも、Tさんが入院して一週間目くらいだったと思いますから。
主治医の先生のお名前……確かW先生だったと思います。
病院に戻れば、カルテがありますから……えぇ、確認できると思います。
え? 奥さん、ですか?
……いいえ、私はTさんの奥さんを見たことはありません。
――S病院看護婦Jさんの証言(1998年10月6日 PM13:11)――
はい……Tさんのことは知ってます。
まさかあんな事になるなんて……。
はい……。はい……。
そうです。怒られました。
はい、検温の体温計が冷たいとかで。
謝りましたけど、また態度が気に食わないって。
はい、ビックリしました。それで、私、泣いちゃって……。
それから私にTさんが当たらないように先輩がしてくれました。
うん? いえ、そうしてもらってからはほとんど担当してません。
でも、先輩もTさんに怒鳴られたりしたみたいです。
よくセンターで愚痴ってました。
はい……主治医はW先生です。
えぇ、何度か投薬の事でご指示をいただきましたから。
はい……いえ、奥様は見てません。
誰も面会には来なかったので、ご家族はいないとばかり思ってました。
はい……。じゃあ、私はこれで。いえ、そんなわけには……。
私の分はお払いし――(ここで録音は切られている)
――K新聞記者Gの手記(1998年10月6日)――
S病院での変死について。1998.10.06.
・死亡した男性はT.N(49)N証券会社会社員。
・9月7日午前5時15分、S病院屋上より、飛び降り、死亡。
・S病院関係者の3名に取材。
・証言に食い違いあり。要調査→T氏の家族構成
・カルテ、死亡前の様子→要調査
――T氏の妹Sさんの証言(1998年10月8日 PM14:09)――
………………。
………………。
………………。
兄は……殺されたんです……。
いえ、してません……。兄は一人身です……。
気になること、ですか……? 気になること……。
…………すみません、特には……。
えぇ、見舞いにはほとんど……疎遠でしたから。
そうです……兄は殺されたんです。
いえ、分かりません。でも、そう思うんです……。
はい…………。
――S病院看護婦Nさんの証言(1998年10月10日 PM12:22)――
えぇ、そうです。亡くなる直前まで私が担当してました。
いいえ、とんでもない。怒鳴られたことなんてありませんよ。
暗い方でした。えぇ、いっつも下を向いて、「あぁ」とか「うん」とか。
聞いているんだか、聞いてないんだか分からなかったですねぇ。
はい、はい? 変わったこと? えぇ、えぇ、ありました、ありました。
もうTさん、夜になると毎日ナースコールするんですよ。
えぇ、もう毎日毎日、しょっちゅう。
無視するわけにもいかないですから、「またかぁ〜」なんて言って行ってましたよ。
でも、本人ケロッとしてるんです。ただ「間違えた」とか「気のせいだ」とか言ってね。
「ありゃ悪戯ね」なんて噂してましたよ。いいえ、みんなほとんど知らないと思いますよ。
慌しく動き回ってますからね、看護婦なんて。本当大変。
気付いた人が行くって感じですよ、ナースコール。
夜勤の時はいる人数が決まってますしね。
なんとなく割り振りってもんができるんですよ、そうすると。
巡回する人、対応する人、詰めてる人って感じで。
対応した人は……そうねぇ、あんまりいないんじゃない?
私を含めて2、3人だと思いますよ。
あぁ、そうそう、変わったこともう一つ。
あぁ、でも、亡くなる前日に相変わらずナースコールがあって、
「またかぁ〜」って私行ったんですよ。Tさん泣いてて、ビックリしました。
落ち着かせようと思ったんですがね。泣きじゃくるんですよ、大の男が。
「そこに女がいる!」なんていってね。
そりゃ、ぞっとしますよ。でも、結構いるんですよね、そういう人。
構ってもらおうとして。
私達だって暇じゃないですからね。もう聞く耳持ちませんよ。そんなのに。
だから、私、落ち着かせてから戻ったんですけど、
戻ったらまたすぐナースコールですよ。またTさん。
もう私、イヤになってイヤになって……でも、無視するわけにもいかないでしょ?
だからまた行ったんですよ。あとはさっきと同じですよ。
泣きじゃくっちゃって、まぁ……。私はほとほと呆れちゃ――(ここで録音は切られている)
――K新聞記者Gの手記(1998年10月10日)――
S病院での変死について。1998.10.10.
・Tの家族構成→ 妹(46)、義弟(47)、甥(16)
父母は12年前に火災で死亡。結婚歴は無し。その他の親族縁者無し。
聞き込みの限り、親しい女性もいない模様。
・カルテについては入手できず→別の手
・死亡する前日のT「女が見える」
・女=Tの嫁?→Wに確認10.12
――K新聞(1986年7月26日)より抜粋――
〜K市S区で住宅全焼 放火の可能性も
25日午前2時頃、K市S区にあるNさん宅より出火、
木造2階建て住宅延べ248平方メートルを全焼した。
出火元が火の気の無い場所であったため、不審火の疑いもあるとして、捜査を進めている。
また、焼け跡から男女2人の遺体が発見され、その家に住む
M.Nさん(男性・76歳)とS.Nさん(女性・69歳)の
行方が分からなくなっていることから、遺体の確認を急いでいる
――怪奇雑誌M(1998年10月号巻末)より抜粋――
〜怪奇・死を呼ぶ病院〜
K市S区にあるとある病院。
先月、ここの入院患者が屋上から飛び降りたことで記憶に新しい。
この病院には、実はある噂がある。
我々M取材班は、独自にその噂を調査し、驚くべき事実に直面した。
実はこの病院、4年に一度、決まって同じ場所から飛び降り自殺をする
患者が後を絶たない。
しかも、その事実がすべて闇に葬られているというのだ。
果たして、この「呪われた」病院の裏に隠された事実とはなんなのだろうか。
当病院の医者に突撃取材を行うも、頑なに口を閉ざすばかりだ。
我々は今後も、この病院の動向について、詳しく調査を進めていくつもりである。
――K新聞(1998年10月13日)より抜粋――
昨日午後3時40分ごろ、K市S区にあるS病院のトイレで
男性が首を吊って死んでいるのを、同病院の職員が発見、110番通報した。
死亡していたのは同病院の医師R.Wさん(56)で、
遺体の近くには遺書らしき手記が置かれていた。
なお、R.Wさんは先月、同病院の屋上から落下して死亡した
T.Nさん(49)の主治医であったことから、警察では何らかの関係があるものと見て、
調査を進めている。
――S病院医師W氏の遺書――
おんながいる
もうおわりだ
――S病院職員Kさんの証言(1998年10月15日 PM13:18)――
……えぇ、そりゃ驚きましたよ。まさかW先生が自殺するなんてねぇ……。
えぇ、Tさんのことは知ってますよ。病院中の噂ですから。
それにしたってねぇ……。
大体、Tさんのことを一番気にしてなかったのがR先生ですから。
「よくあることだ」なんて、笑ってましたよ。
いえ、不謹慎だとは思いますよ、そりゃね。
変わった様子? W先生の?
いやぁ……ちょっと分からないですねぇ。
なんせ、W先生、ここ一週間ばかりずっと無断で休んでるって話でしたから。
いえ、俺は詳しくは知らないんですけどね。M先生が愚痴ってるのを耳にして。
なんでも、忙しいのに人手が足りない、みたいなことを言ってました。
俺だったら、こんな病院、ゴメンなんですけど、来る人は来るんですねぇ。
え? 何でって…………だって、ここ、出るって噂ですよ。
4年毎に人が死ぬらしいんです。しかも飛び降りで。
そんな噂聞いてたら来れるわ――(叫び声と激しい物音)
な、なに……? うわぁぁぁぁっ!?
(以降、叫び声と激しい音で音声が聞き取れない)
――K新聞記者Gの手記(1998年10月13日)――
S病院での変死について。1998.10.13.
・W医師自殺→女の正体は保留
・遺書に「女」↑と同じ?
・第一発見者に事情聴取 10.15
こりゃだめだ、使えない。
――K新聞社Gの録音?(????)――
女だ。女だ。女だ。
女がいた。女がいたんだ。女だ。
笑ってた。畜生! 笑ってやがった!
くそぉ! 女だ! 女だ! 女だ、女!
あいつがぜ――
(ここで録音は切れている)
――K新聞(1998年10月16日)より抜粋――
〜病院で傷害事件 一人死亡〜
昨日午後1時頃、K市S病院のロビーに刃物を持った女が乱入。
その場にいた同病院職員K.Kさん(27)の胸を刺すなどして現行犯逮捕された。
K.Kさんはすぐに同病院で治療を受けたが、間もなく死亡した。
加害者は同市在住の主婦S.J容疑者(46)
調べによると、犯行時に加害者は錯乱状態であった。
また、犯行については認めているが、動機については硬く口を閉ざしている。
同病院では先月から不可解な出来事が連続して続いており、
警察はこれらを一連の事件と見て捜査を進めている。
各事件の共通は未だに見つかっていない。
――K新聞記者Gの手記(????)――
(ページ一面が黒く塗りつぶされている)
――K新聞社Gの録音?(????)――
………………。(2分ほどノイズ)
女が……いる。立ってる。
………………。
…………。
……。
こっちきてる。
(以降、ノイズ)
――尋ね人の張り紙――
この人を探しています。
K.G(39歳)K新聞社記者
1998年10月23日午後4時頃。
自宅から出たのを最後に行方不明になっています。
当時の服装・特徴は以下の通りです
・身長176p
・がっしりとした、筋肉質
・目の下に三つ並んだほくろ
・紺色のスーツ
・白のワイシャツ
・茶色の革靴
何か情報をお持ちの方は、○○−○○○−○○○○までご連絡下さい。
――K市S区ホームページ(2000年4月1日更新)より抜粋――
4月1日更新
県立S病院廃院について
上記病院は2000年4月1日をもって廃院となりました。
面白い
こーゆーの好きです
98 :
本当にあった怖い名無し:2006/10/04(水) 19:45:09 ID:aA0J2GaK0
すごい!ホントにあった事件みたい!
お見事です
少し前、ふっと目が覚めた。
理由は分からない。ただ、なんとなくだ。
目が覚めて気付いた。というか、その音のせいで目が覚めたのかもしれない。
足音がする。俺の部屋の中、フローリングの床を裸足で歩く音。
ぴたっ、ぴたっ、ぴたっ・・・
何をするわけでもなく、足音の主は部屋中を歩き回っているらしい。
気になったから、足音のする方に顔を向ける。
首の無い人間が、俺の部屋を歩いていた。
起きて電気をつけようと思ったけど、体が動かなかった。
やべぇ、金縛りだ。そう思ったけど、なんか違う。
金縛りの時はいつも本当に縛られてるような苦しさがあるんだが、今回はそれがない。
首の無い奴は、相変わらず部屋中を歩き回ってる。
嫌な予感がした。それに引かれるように、下を見た。
掛け布団が平らになっている。
つまり、俺の体が布団の中に無かった。
もう一度、歩いている奴に目を向ける。
あの服装、あの身体の感じ。
・・・あれ俺の身体だ。
そう分かった瞬間、すーっと意識が遠のいた。
当たり前だ。人間、頭だけじゃ生きていけない。
叫び声と同時に、一気に意識が浮上した。
俺はベッドの上で荒い息を吐いていた。慌てて身体を触って確かめる。
よし、しっかりある。ただの夢か・・・。
落ち着いて呼吸を整えている最中、気がついた。
ベッドの上に座っている状態だから、上半身以外はしっかり布団がかかってる。
寝相はいいほうだから、かけ布団も特に乱れていない。
・・・じゃあ、なんで俺の足はこんなに冷えているんだろう。
よし今だ100ゲット!
>>83-
>>96 楽しませていただきました。お見事です!!
102 :
本当にあった怖い名無し:2006/10/05(木) 19:30:57 ID:xGLaKH520
>>99 GJ! こえーよw
創作なのか体験談なのかわからんけどリアリティーあるなぁ
103 :
本当にあった怖い名無し:2006/10/05(木) 21:30:46 ID:nCZ4j6A6O
104 :
本当にあった怖い名無し:2006/10/06(金) 22:34:46 ID:ynul3ayxO
105 :
本当にあった怖い名無し:2006/10/06(金) 22:44:46 ID:3phztcAN0
数年前に清掃業のアルバイトをしていました。
ある日、現場から車で帰る途中に変な音楽が聴こえてきたんですよ。
車はラジオやCDなどはかけていませんでした。
同乗していた人に、「何か聴こえます?」と尋ねました。
「いや、なにも」
やっぱり空耳かと気にせずにいました。
しばらくして、また同じ音楽が聴こえてきたんです。
それは私の地元の盆踊りの音楽でした。
窓を開けてみましたが、その瞬間に聴こえなくなりました。
このときはそれだけで終わったんですけど。
106 :
本当にあった怖い名無し:2006/10/06(金) 22:52:16 ID:3phztcAN0
それから数日後、夜勤を終えて始発電車で帰宅したんですよ。
朝、5時過ぎごろだったと思います。
ウトウトし始めたんで、いつも通りに寝たんですよ。
途中で家の電話が鳴って少し目が覚めたんですけど、
留守電にしてあったこともあり、眠気には勝てずに寝てしまいました。
夢を見ました。
ある有名人(男)が変な立ち振る舞いで餅を食べていたんです。
私はそれを見て笑っていました。
すると突然、その男の顔がグロテスクな顔に変わっていって、
一瞬だけ背中を向けたんです。
次の瞬間、男は黒い影に変わって私の腹めがけて飛び込んで来ました。
その衝撃で目が覚めたんですけど、体が動かないんですよ。
初めて金縛りに逢いました。
その時もとりあえずそれだけで終わったんですけど。
107 :
本当にあった怖い名無し:2006/10/06(金) 22:59:03 ID:3phztcAN0
それから更に数日後のことでした。
アルバイトの現場の某ホテルで、休憩時間にトイレに行ったんです。
他のホテルの内部事情は知りませんが、
そこは経費削減と称して、電気・水道やその他諸々の節約を実施してるんです。
例えば、トイレは割と広めなんですが、当然誰も使わないときは真っ暗です。
トイレットペーパーはチェックアウトした客室の余りを従業員が使います。
手を洗う所はオートセンサーで水が出るんですが、
水量は決められていて、セコイぐらいに少量しか出ません。
チョロチョロ、という感じです。
その後に不思議なことが起きたんです。
108 :
本当にあった怖い名無し:2006/10/06(金) 23:12:38 ID:3phztcAN0
トイレに入ったときから説明します。
まず、私がトイレに行ったときは誰もいませんでした。
暗いので電気をつけました。
いつものように、三つあるうち手洗い場に一番近いところで用を足していました。
そしたら急に手洗い場のひとつの水道から、
ものすごい勢いで水が出始めたんです。
茫然として見ることしか出来ませんでした。
私がトイレにいる間、誰一人として入って来ていなかったので、
誤作動の可能性も考えられますが、
それ以前に、先に書いたように水量は元々調節されていて、
これほどに出るはずがありません。
ほんの数秒間で水は止まりました。
用を足し終わったあと、あえてそこで手を洗ってみたんですが、
やはり水はチョロチョロとしか出ませんでした。
私の不思議な体験は以上です。
ひとつ言っておかなければいけないんですが、
あの金縛りに逢う前の電話は田舎の親からでした。
「おばあちゃんが亡くなったから帰って来なさい」
>>105-108 乙でした!
不思議なことが一気に起こるって言うのは、怖いですねぇ。
ご祖母様が呼んでいたのでしょうか……。
いきなりでなんだが、まずこの光景を想像して欲しい。
『夜、あなたの家のお風呂場に、全身ずぶ濡れの女が一人立っている』
そして、一番最初にパッと浮かんだ姿を、覚えておいて欲しい。
「そこで、俺はふと目を覚ましたんだ……枕元に女が立っていた。
長い髪を垂らして、顔は見えなかった。でも、こっちを見ている。
視線を感じる。女は何も言わずに、ただじぃっと俺を見つめていた……」
話しを終えて、俺はふぅっと息を吐いた。
俺が感情を込めまくって話したというのに、
目の前の女はつまらなそうに柿の種を食ってる。
大学一年の秋、俺はあることを考えていた。
俺には異界の者が「見える」女友達がいる。そいつとつるんでいるお陰で、
今までいろんな怪異に会ってきたが、そいつが怖がっているところを見たことがない。
いつも飄々と怪異を乗り越えていく。
「……怖がらせてぇ!」
俺がそう思ったのも、自然な流れだろう。
まずはスタンダードに怖い話だ。
そう思った俺は珠玉の話を集めた。話し方も練習した。
彼女の反応は冷たかった。
二話目を終える頃には興味を失ったようで、彼女は柿の種を食べ始めた。
今、五話目を話終えた。柿の種は二袋目に突入している。
飽きもせずに、ポリポリポリポリ……。
「怖くないのか?」
もしかしたら、怖がっているのを隠しているだけなんじゃないだろうか。
一縷の望みをかけて、俺は聞いた。
「全然。怖くない」
素気無く彼女が答える。どうやら怖い話作戦は失敗だったらしい。
冷静に考えてみれば、そりゃそうだ。
こいつは始終そういったモノを見てる。そんな奴に話しても、
あ〜、そうよねぇ〜。怖いねぇ〜。で終わるに決まってる。
皿に空けた柿の種を食いつくし、彼女が茶を催促してきた。
図々しい奴め、と思いながらも素直に従う。
「ま、頑張って話してくれたようだから、面白いことを教えてあげる」
茶を蒸らしている最中、唐突に彼女が言った。
目が怪しげに輝いている。
「あんたが話してくれた話の中の一話目と五話目、気付いてないかもしれないけど、
幽霊の描写が同じだったよね」
渋い顔をして頷く。気付いていた。
どっちも全然違う話だが、幽霊の描写だけは酷似していた。
だからこそ、俺は最初と最後にその話をした。
その類似をバレないようにするために。
『白い服、髪の長い女』
それがその2つの話に出てくる幽霊の姿だった。
「場所も、体験者も、時間も、全く違う別の話なのに、出てくる幽霊だけは似ている。
さて、これはどういうことでしょう?」
楽しそうに彼女が聞く。
「どういうことって……たまたま似ていただけなんじゃないか?
白い服で髪の長い女なんて、結構居るだろ?」
そうね、と一つ頷き、彼女が続ける。
「たまたま似ていた。それも可能性の一つ。私は他にもいくつか可能性があると思うわ」
「他って言うと……例えば?」
「一から十まで教えちゃ面白くないから、問題。
夜、あんたの部屋のお風呂場に、全身ずぶ濡れの女が一人立っています。
……さて、どんな背格好の女の幽霊でしょう? パッと思いついたのを答えてみて」
正直に、言われた瞬間浮かんだ想像をそのまま口にした。
「え〜と……濡れてるから、服や髪が体に張り付いてるな。
白いワンピースみたいのを着てる。俯き加減で、髪に隠れて顔は見えな――」
喋りながら、気がついた。俺が口にした女の特徴を簡単にまとめると
「白い服を着た、髪の長い女」だ。
彼女はニヤニヤ笑っている。
「ね、日本人の女幽霊のイメージって、そんな感じなのよ。
活発そうなショートカットじゃなく、長い髪。
清純で病弱なイメージの、白い服。
理由は色々あるんだろうけど、
長髪が女性の象徴だったことと、死に装束に白が用いられたこと。
その辺りが関係してくるんじゃないかな。
ほら、日本の幽霊画って、ほとんど白い服で髪の長い女でしょ?」
言われてみれば、確かにそうだ。
派手な着物を着た幽霊画を見た記憶が無い。
「つまり、そういうイメージが先行しているから、同じような姿の幽霊を見るのか……
簡単に言っちまえば、錯覚?」
幽霊とはそういうものだ、と無意識に思っている。
何かが出そうだ、と怯える。
すると、そういう姿をしたものが見えてしまうことがある。
言ってしまえば、勘違いだ。何もいないのに「見た」気になる。
「錯覚って場合もあるでしょうね。
でも、幽霊が好んでそういう姿をしてるってこともあるのよ」
……一瞬、クローゼットの前で貞子が今日の服を選んでいるところを想像した。
思わず笑いそうになる俺を軽く睨んで、彼女が続ける。
「好んで、って言うのは違うか……。
幽霊ってのはそういう姿だ。そう思って死んだ人間が幽霊になったとする。
自分は幽霊だ。そう認識した瞬間、無意識下にあった幽霊のイメージに
姿が変わるって事も考えられるんじゃない?
自分が幽霊だ、って気付かなくても、望んでいた姿に変わっている幽霊だっているわ。
なりたくない、と強く思っていた姿になっちゃう場合もある」
なるほど、そっちの方が話としては面白い。
「じゃあ、背格好が変わったことのある幽霊って、見たことあるか?」
新しい柿の種をざーっと皿にいれながら、彼女が頷いた。
「見たことあるわよ。小人だったり、巨人だったり。
最近のを言えば、ガリガリに痩せた子。
最初は人って分からないくらいに細くなってた。
痩せたかったんでしょうね、きっと。
ま、その気持ちは分かるけどねぇ〜」
そんな事を言いながら、彼女は次々と柿の種を口に運ぶ。
「ガリガリに、ねぇ……」
俺はその姿を想像して、少し身震いした。
その様子を見て、彼女がゆっくりと口を開く。
「そう、最近。その子見たらお腹空いちゃってさ。
だから、こうして柿の種なんか食べてるってわけ」
………………。
彼女の目は俺に向けられている。
いや、正確には、俺の肩越しに斜め後ろを見ている。
かりっ……。
柿の種を噛む音がやけに大きく、部屋に響いた。
こんな彼女イヤー(;´Д⊂)
117 :
本当にあった怖い名無し:2006/10/07(土) 19:01:23 ID:lMEpJ4H0O
怖かった…かなり怖かったよ…
118 :
本当にあった怖い名無し:2006/10/09(月) 16:12:35 ID:H5xxQJgJO
保守
昨日、ちょっと早めに帰れたのでゆっくり帰ろうと普段乗らない普通電車に乗った。
座れるかなと期待したのだが車内はそこそこに混んでいて、立っている人もちらほらいた。
こりゃ座れないなーと思って横を向いたら、端っこの席がぽつんと空いていた。
車椅子用のスペースがあって狭いけど、三人ぐらいは普通に座れそうな席だった。
でもそこには女の子一人しか座ってなかった。立っている人もいるのに、だ。
まぁ誰かが座ってて降りた直後なんだろう、と納得して俺はその子の隣に座った。
女の子は高校〜大学ぐらい。眼鏡かけてて格好はごく普通。何やら携帯ゲームに熱中していた。
その子が危ない子だから空いてるのかなぁとも考えたけど、俺が隣に座っても気にしていないようだった。
その後一駅経っても特に何もなかったので疲れもあり、俺はうつらうつらと眠り始めた。
どれぐらい経っただろうか。俺は右肩に重みを感じて目を開けた。
あの女の子が寝ちゃったのかなぁ、なんて思って横目で見たら、視界には前傾姿勢でゲームを続けてるあの子。
あれ、じゃあ俺の肩の重みは何?
恐る恐る振り向いた先に、髪の毛をざんばらに乱した女がいて、俺の肩を掴んでた。
俺は慌てて振り解こうとしたけど、何故は身体が動かない。
もうパニック状態で慌てる俺をその女はじぃーっと見つめてた。
俺は隣の女の子に気付いてもらおうと思って何とか身体を動かそうとして――気付いた。
その女は、女の子の背に乗って俺を掴んでいる事に。
そして女の子の背中には女以外の得体の知れないモノがべったりへばりついていることに。
俺は次の駅で電車を降りた。
その子がどうなったは知らない。
なんかうまく書けねぇけどちょっとでも恐怖が伝われば。
電車怖ぇよー!
120 :
本当にあった怖い名無し:2006/10/09(月) 23:15:30 ID:1JQmEUms0
>>119 GJ!!
十分恐怖は伝わった。
オカルト板電車男だなw
121 :
本当にあった怖い名無し:2006/10/11(水) 19:23:55 ID:pmgt/a10O
ほしゅ
122 :
本当にあった怖い名無し:2006/10/11(水) 19:47:28 ID:NhtxbyOPO
流れをぶった切って悪いが、俺が一番最初に20年前に「午後の紅茶」の事を「午後ティー」と言い始めたんだ。
誰も信じてくれないけど…。
これはオカルトとは言えないかな?。
123 :
本当にあった怖い名無し:2006/10/11(水) 19:57:38 ID:Vd5dZk8z0
>>122 ある意味オカルト。
そういう噂(この場合略称だが)の出所を想像すると面白いなw
124 :
本当にあった怖い名無し:2006/10/12(木) 02:31:19 ID:swHWysDL0
大学1年のお盆、俺は帰省もせずに部屋でゴロゴロしていた。
友達のほとんどは帰省中で、やることもない。
仕方ないからTVを付けて、ぼんやりと眺めていた。
BGM代わりにTVを付けっ放しにしたまま過ごす。
そんなこんなでふと気付けば、11時を回っていた。
やることもないので寝ることにして、TVの電源を切った。
確かに消したはずのブラウン管に、ドアが映っていた。
音は一切しない。画面に変化もない。
子供くらいの目線から見上げるように、ただドアが映っている。
TVの電源を入れる。
さっきまでの番組の続きが流れ出す。
TVの電源を切る。
音もなく、変化もないドアの画像がブラウン管に映る。
反射していたり、焼き付いているんじゃないみたいだ。
まるで放送されているかのようにハッキリと、ドアが映っている。
ドアの金属部分の冷たい質感まで伝わってきそうなリアルな映像だ。
なんとなく気味が悪いので、その日はTVを付けたまま、消音して眠った。
次の日の朝、TVを消してみても、ブラウン管には何も映らなかった。
バイトに行く準備を済ませて、俺は外に出た。
鍵を閉め、2,3歩下がる。
踵を返して、バイトに向かった。
バイト中、あのドアの事が頭から離れなかった。
あの時、ブラウン管に映し出されたドアは、確かに俺の部屋のドアだった。
125 :
本当にあった怖い名無し:2006/10/12(木) 12:12:20 ID:/WEAK4vKO
126 :
本当にあった怖い名無し:2006/10/12(木) 15:43:20 ID:hjK2Fg2gO
PCが無いため携帯から失礼致します。
尚、創作ではないのでオチはありません。
-----
昨晩、不思議な体験をした。
日課のように金縛りに遭う俺だがいつもと何かが違った。
時間は深夜の1時半頃。俺は床についた。
窓は締め切っているはず。それなのに掛け布団が勢いよく揺れた。
何者かが掴んで揺らしているように。
体が動かない。
しばらくして急にその揺れはおさまった。辺りを見回す。
いつもと変わらない俺の汚い部屋だ。
携帯を見る。
時間は2時ちょっと過ぎ。
夢だったのか金縛りだったのか。
講義は2限からなので今からでもまだ充分に寝れる。
だが少し怖かったので布団に頭を被せ目を閉じようとした。
暗闇の中で誰かの目玉と目が合った。
また体が動かない。全身に力を入れてやっと動いた。
体を起こし先ほど目が合った掛け布団を見てみる。
穴があいていた。
錯覚?夢?幻覚?
結局昨晩は全く寝れなかった。
体を起こし携帯を見た6時だ。
127 :
本当にあった怖い名無し:2006/10/12(木) 15:46:02 ID:hjK2Fg2gO
ここまでは『それは夢だろ?』で済む話だろう。
だが目覚めた瞬間に俺の頭の中に入ってきた言葉があった。
『死にたいけど死ねない』
霊だったら死んでいるはすだ。
だけどもし自分が死んでいる事を自覚していなかったら…
成仏したいけど成仏できない…
そのような霊のメッセージだとしたら…
そう考えた時、俺の肩が重くなった気がした。
いつものように郵便受けを確認する。
郵便局からだ。
『〇〇時にご訪問いたしましたがご在宅ではありませんでした。
荷物をお預かりしています。 〇〇郵便局』
名前の欄を見た。
以前この部屋に住んでいた女の人の名前だ。
ここに越してきて1年経つが未だに荷物が届いたりする。
まるで突然いなくなったかのように…
そういえば俺がよく金縛りになるときは
女性に馬乗りになって首を締められたり、罵声を浴びさせられる…
もう考えるのはやめよう。そう思いながら4限の講義中にここに投稿している。
あの部屋に帰りたくない…
128 :
本当にあった怖い名無し:2006/10/12(木) 16:38:55 ID:b52nKKRFO
>>122 俺は信じるぜ!そういうのって何か歯がゆいよな!
129 :
本当にあった怖い名無し:2006/10/12(木) 17:11:23 ID:32KOnVBz0
>>126-127 携帯から乙!
できたら部屋に塩を撒いて、清めたらいい。
あと、そいつが出てきたら
「お前の望みは俺にはどうにもできんから、どっか行け。」
と、強く思ってみるといい。
こんな時間に起きて、眠れないので、一つ話を投下。
今回のお題は『憑依』ってところです。
「あのぅ……一つ、教えていただきたいことがあるんですが?」
大学一年の六月、俺は「見える」彼女にある質問をした。
慣れない暑さのおかげか、この時期の彼女の機嫌はひどく悪い。
この時も俺が出来る限り下手に出たにも拘らず、
何よ? と半ば怒り気味で返してきた。
俺に当たられても、という思いを飲み込んで、答える。
「いや、俺に憑いてる守護霊ってどんな人かなって思ってさ。
お前だったら、そういうのも見えそうだから、聞いてみようかと」
「あ〜、そんなもん憑いてないよ」
面倒くさそうに彼女が即答した。
「お前なんぞに構ってられるか」オーラがあからさまに出ている。
が、ここで引く俺じゃない。
というか、守護霊がいないんじゃ困る。
その事実を何とかするためには、まず原因を知らなくては。
「憑いてないって……普通、みんな持ってるものなんだろ?
それがいないってのは、やばいんじゃないのか?」
ハッ、と鼻で笑って、彼女が手をひらひらと振った。
「別にヤバかないわよ。というか、守護霊なんて持ってる人の方が珍しいし」
おかしい。守護霊に関する俺の知識と彼女の知識にずれがある。
俺は守護霊は全員が当たり前に持っていて、
自分に害をなす怪異から身を守ってくれると考えていた。
そして、これが世間一般の守護霊に対する共通見解だろう。
「じゃ、守護霊がいないんだったら、自分の身を何が守ってくれてるんだ?」
「自分よ。自分。……もういいでしょ」
かなり暑さと湿気にやられている。
しかし、俺の好奇心をここまで刺激しておいて、切り上げられるわけがない。
しつこかろうが何だろうが、俺は彼女の知っている世界が知りたかった。
「自分ってことは、どういうことだ?」
答えなければ自分に平穏は訪れないと悟ったのだろう。
気だるそうに彼女が答え始める。
「だから、自分の身は自分で守っているのよ。
自分の魂の強さみたいなもんで、こう……バシーッと。
あははははは……」
……ダメだ、こいつ。本気で暑さと湿気にやられてきてる。
俺は目の前で一人の友人が壊れていく様をこうして見ているしかないのか……。
「喫茶店でも行くか? あそこならクーラー効い――」
「行く」
即答だった。というか、俺のセリフが終わってもいない。
そして、さっきまでのだれっぷりが嘘のように、
彼女は俊敏に立ち上がり、歩き出した。
もう頭の中には喫茶店しかないらしい。
着くまでこの続きはお預けか……。
俺はトボトボと彼女の後についていった。
「……で、どういうことなんだ?」
注文が来ると同時に、先ほどの質問を投げかける。
さっきの適当な返しっぷりを少しは反省したのか、珍しく素直に答えてくれた。
「だから、さっきも言ったとおり、私達には守護霊なんか憑いてない。
例えばあんたが何か悪い物に取り憑かれたとするよね。
取り憑いた相手は、あんたに何か影響を及ぼそうとする。
でもね、それはあんたにとって『起こってはいけないこと』なの。
分かりやすく言えば、肉体っていう一つ魂の容器に、二つの魂が入ろうとしてる状態。
当然、元からあったあんたの魂は反発する。
そこには守護霊なんか介在しない。あんたと憑依者の戦い。
で、大抵は取り憑いたものが負けて、去っていく。
篭城する方と攻城する方、どっちが有利かは分かるでしょ?」
「なるほど。守護霊がいないってことについては納得した。
じゃあ、もし俺が負けて、その取り憑いた物に追い出されたとしたら、
俺の肉体はそいつの物になるのか?」
彼女が首を振る。
「あんたの肉体は、あんたの魂だけの物。あんたの魂は、あんたの肉体だけの物。
それに別の何かが無理矢理入ろうとしたってダメよ。
形の合わない鍵を差し込んだって、扉は開かないでしょ。それと一緒。
別の魂が入ったって、身体は動かないわ。普通は、ね」
「普通、って事は、例外もある、と?」
彼女が頷く。
「魂を根こそぎ変えるんじゃなくて、元にある魂に混ざる程度なら、結構あるかな。
鍵の形じゃなくて、材質を変えるって感じ。
形さえ同じなら、鍵が木製でも鉄製でも扉は開くわ」
そう言いながら、彼女がコーヒーにミルクを注ぐ。
白い渦が徐々に混じって、やがて一つになった。
それはもう元のコーヒーとは別物だ。
だが、当たり前のように違和感なくグラスに入っている。
俺はその様子をじっと見ていた。
「コップに入れた水に、一滴ずつ墨汁を垂らしていく。
一滴じゃほとんど変化は分からない。
それでも、次々と垂らすうちに、
いつかは『水』が『墨汁』に変わる。
本当の憑依って、こういうことよ。
誰も気付かない。変わっていく本人ですらね」
俺は何も言わずに彼女の言葉に耳を傾ける。
まるで歌うように紡がれる彼女の言葉は、俺に焦燥感を抱かせた。
俺は今、どれくらいの割合で本当の俺なんだろうか。
それとも、こうして変わっていく俺が、本当の俺なんだろうか。
結局、答えなんて出なかった。
(了)
>>131〜
ヒィィィイイ!! コワイよ、コワイ!!!!!
いつもの彼女さんとの言葉遊びのような会話も、
読んでいて面白く、かつゾッとくるものがありますね
136 :
本当にあった怖い名無し:2006/10/13(金) 17:15:10 ID:ufbGy3jz0
ワタシが小さい頃、父と母は一度おっきなケンカをしたことがある
怖くて怖くてたまらなかった
ワタシのカラダは父と母のアシを開いたソノアイダに収まるほど小さカッタ
とめようと思ってフタリのあいだにはいって必死にアシをツカンデいた
・・・・・・その後のことは覚えていない
高校生になってこのことを思い出して両親に話してみた。
すると
「そんなことあるわけないよ〜」
とお母さんは笑って否定した。
そのときは私も〜(夢だったのかな?)〜と思った。
137 :
本当にあった怖い名無し:2006/10/13(金) 17:18:16 ID:ufbGy3jz0
近頃、ちょうど父が鬱にかかった頃から家族仲が悪くなった。
家に帰ってくると森の中に入り込んだような雰囲気だった。
姉も病気になった
母も病院で診てもらってないからわからないが、体調が悪そうだ。
ワタシも
「見える彼女」さん、GJ!!
これからも期待してます!
「見える」彼女さん乙です
毎回思うんだけど彼女さんの話には説得力ありますね〜
>>136-137 話の意味はよくわからないけど不気味でした
140 :
本当にあった怖い名無し:2006/10/16(月) 11:48:23 ID:vFgfG48p0
保守
141 :
本当にあった怖い名無し:2006/10/18(水) 12:36:50 ID:uuUe+WH40
ほっしゅ
142 :
本当にあった怖い名無し:2006/10/19(木) 05:13:08 ID:szELo4b40
ほす
ここはどこだろう。まっくらだ。ワタシがだれなのかもわからない。まわりには、ワタシのような
ものはいないようだ。これから、どうなるのだろうか。
てがかりは、とおいかすかなきおくにしかない。いつかどこかで、ふたつのものがあわさって
ワタシというものがはじまったようなのだ。まだみてはいないが、このそとには、せかいという
ひろいところがあるらしい。そこには、オトコといういきものとオンナといういきものがいて、
それがであってあたらしいいのちができる、ときいたきおくがある。
ワタシは、ひにひにおおきくなってきた。せまいこのばしょではきゅうくつだ。そろそろ、せかいの
ほうにうつるころなのだろうか。
「カッパ」といういきもののせかいでは、そとへのでぐちで、きかれるそうだ。
アクタガワリュウノスケさんによると、チチオヤが、ハハオヤのおなかにむかっていう。
「おまえは、このせかいへうまれてくるかどうか、よくかんがえたうえでへんじをしろ」。
「いやだ」といえば、でなくてもいいらしい。
あれあれっ、そとへおしだされそうだ。すごいあつりょくだ。だれも、でたいかどうかきいてくれない。
きかれても、なんといえばいいのかわからないが、きかれないのもちょっとさびしい。
ついに、そとへでた。ひかりがまぶしい。あたらしいせかいのはじまりだ。からだに、
ちからがわいてくるようなきがした。ワタシをあのくらいところではぐくんでくれたオンナのひとが、
ワタシのハハオヤのハハオヤだとは、まだしらなかった。
http://www.asahi.com/paper/column20061018.html
144 :
本当にあった怖い名無し:2006/10/19(木) 20:53:25 ID:Et3uBOXtO
>>143 >>1をよく読みましょう。
他からのコピペは禁止です。
…面白かったけどw
>>143 それ怖いよなw
下手なホラーよりよっぽど怖いw
>>143 人間の心理面のオカルト話も怖いですね
平仮名主体の演出もいい味が出てますね すごく怖いですw
でも、最後のリンクはいらなかったよーな気がします
なんか社会風刺話になってしまった様な感じでちと残念
生意気言ってすみません
147 :
本当にあった怖い名無し:2006/10/21(土) 06:08:30 ID:WamO2cOu0
200字以内という制限をつけて、自分なりに創作してみました。
「ただいま」
声がする。娘が帰ってきた。
「お母さ〜ん?」
私を探している。
「ただいま〜」
一部屋ずつ、扉を開けている。
「どこ〜?」
声が弾んでいる。
何かいいことがあったんだろうか。
「お母さ〜ん?」
ごめんね。
「ただいま〜」
ごめんね。
「帰ってきたよ〜」
ごめんね。
もうすぐこの部屋の扉を、娘が開けるだろう。
そして、私を見つける。
天井からぶら下がっている、私を。
「お母さ〜ん?」
ごめんね……。
なんか切ないな・・・
149 :
本当にあった怖い名無し:2006/10/21(土) 11:53:33 ID:EqBi6Il70
>>147乙
最後でブラ下がり健康器を想像したのは俺だけか?
こうもり一家の幸せな団欒かと
151 :
本当にあった怖い名無し:2006/10/22(日) 22:24:18 ID:cHv3gk3Y0
よく心霊スポットとしてトンネルが出てくるけど、
これまでの人生で1箇所だけ、車運転して通過するとき
「ザワッ」ときたトンネルがあった。後にも先にも、あのトンネルだけなんだ。
ずいぶん後になってから、そのトンネルの近くに
某やんごとなき人の火葬をした場所と伝えられてるところがあるってことを
知って、ああそういうことかな、と思ったんだけど。
入ったらすぐ出口、みたいなごく短いトンネルなんだけどね。
152 :
本当にあった怖い名無し:2006/10/22(日) 23:46:25 ID:n9UaL1MZO
やんごとなき人って誰誰?
おじゃる丸じゃね
土御門天皇
155 :
アクア:2006/10/25(水) 06:53:20 ID:DFsFQfCy0
小4の9さいですよろしくおねがいします
156 :
アクア:2006/10/25(水) 07:04:30 ID:DFsFQfCy0
えーと 夏休み のこでした母わ しごとへ 1人でいましました
そして1〜2時間たちテレビお見てましたそしたら 台所からこつん
こつんと聞こえてきました、うしろねふりかえると血だらけの おんな
のこがおわりです
小4の9さいが自分で「小4の9さい」って言うか!!
ロリ舐めんじゃねぇぞゴルァ!!!
158 :
アクア:2006/10/25(水) 18:23:12 ID:DFsFQfCy0
そーですねd、m、bfgvk、fg、bgfkl。んkl、cl;bmgflvmfmfg。lmhgmhn
不思議な記憶がある。
俺が怪異に興味を持ち始めたきっかけと言っていい出来事だ。
大した話じゃない。そこら辺によく転がっている怪談だ。
事の発端は俺が小学校の時に遡る。
小学校二年だか三年だか、細かいことは覚えていない。
俺の家の近くに、遊歩道ができた。
市民の憩いの場を目的にしてたらしいが、元々自然の多い田舎だ。
利用者なんてほとんどいない。いつ行ってもその遊歩道は閑散としていた。
もちろん、魅力が無いわけじゃない。
その道の脇は木が植えられていて、夏でもひんやりと涼しい。
近くを流れる川のせせらぎがその涼しさに拍車をかけていた。
俺はそこの雰囲気が好きで、ちょくちょくその道を歩いていた。
高校三年の時、受験勉強の合間に、ふらっとその道に出かけた。
クーラーの機械的な空気とは違う、自然の涼しさを感じたくなったからだ。
真夏の昼間。日は高く、陽炎で景色が歪む。
しばらくその遊歩道を散策して、道の傍らにあるベンチに腰を下ろした。
特に急ぐ用事があるわけでもない。
何をするでもなく、ボンヤリと蝉の声に耳を傾けていた。
どれくらい時間が経ったか分からない。
遊歩道の奥から、女性が一人、歩いてきた。
いくら利用者が少ないとはいえ、散歩やジョギングコースに使う人もいる。
普段なら気にも留めないはずだが、俺はなんとなくその人が気になった。
白いワンピースに麦わら帽子。
童話の一ページを切り取ったみたいなその人は、真夏の遊歩道によく似合っていた。
ちょっと時代錯誤なその人の格好も、ワンワンと鳴く蝉も、
夏の強すぎる木漏れ日のコントラストも、
まるで物語の光景みたいに、綺麗だった。
俺はその光景に見とれていた。
その人はゆっくりと歩いてくる。ちらっとこっちを見た。
俺は慌てて目線を逸らし、俯いた。
初対面の女性に不躾な視線を送るもんじゃない。
途端に恥ずかしくなった。
「あら、久しぶり」
唐突にかけられた声に驚いて、視線を上げる。
その人が俺の前に立って、ニコニコと笑っていた。
さっぱりしたショートカットが印象的で、年齢は二十歳くらい。
もしかしたらもっと若いかも知れないし、もっと上かもしれない。
そんな曖昧な感じの女性だった。
「あぁ……お久しぶりです」
適当にそう返したものの、どれだけ記憶を辿っても、
俺にはその人の名前が出てこなかった。
首を傾げる俺を気にも留めず、その人は俺の横に腰を下ろした。
「最近、どうしてるの?」
「今、夏休み?」
「大学行くの? なんてとこ?」
話好きらしく、矢継ぎ早に色んなことを聞いてくる。
最初は訝しく思っていたが、段々楽しくなってきた。
その人の質問に答えたり、冗談に笑ったりしながら、結構楽しい時間を過ごした。
しばらく話した後、彼女が立ち上がる。
「ん〜、そろそろ時間だ。じゃあ、またね」
小さく手を振りながらそう言って、その人は俺が来たほうに歩いていった。
なんとなくその後姿を見送る。
百メートルほど行ったところで、その女の人が掻き消すように消えた。
驚いて、その場まで行き、辺りを見渡す。
その人はどこにもいなかった。
曲がるような道も、隠れるような場所もない、真っ直ぐな道だ。
ずっと見ていたんだから、見失うわけが無い。
狐につままれたような気分で、道の真ん中に立ち尽くす。
ふっと昔のことを思い出した。
小学生の時、この遊歩道が出来たばかりの頃、
俺は同じようにこの場所に立ち尽くしていた。
あっ、と思わず声が漏れる。
あの時も、今と同じ状況だった。
夏の昼間、白いワンピース、麦わら帽子、二十歳くらいの女性。
確か、この場所で消えた。
同じ人が歳もとらず、同じ服装で、また現れた。
怖いというより、懐かしい気分だった。
そして、同時にいたたまれない気持ちになる。
あの人は俺を覚えていてくれた。
十年以上経って、声は変わっている。背もあの人を追い抜いている。
それでも、あの人は俺を覚えていてくれた。
「久しぶり」
と声をかけてくれた。
なのに、俺は適当に話を合わせるばかりだった。
何故か、あの人の顔はボンヤリとしか思い出せない。
美人だった気もするが、そうでなかった気もする。
柔和な顔立ちだった気もするが、そうでなかった気もする。
でも、やたらと似合う白いワンピースと麦わら帽子だけは覚えている。
もし次に会うときがあっても、きっとあの人は同じ格好をしているんだろう。
だから、俺はそれだけは忘れないように日々を過ごしている。
今度あの人に会った時、俺の方から、
「久しぶり」
と声をかけれるように。
166 :
本当にあった怖い名無し:2006/10/30(月) 22:04:38 ID:9Sl7zX7I0
【001】投稿者:ryo 投稿日時:10/30 23:57
こんばんは。一週間前の、学校で女子学生の幽霊を見た話に
進展があったのでまた新しいスレッドを立ち上げました。
今まで誰もレスしてくれないのはつまんないからかなw(でも1つぐらいレスしてくれてもいいのに・・・)
でも今日は、その女幽霊もそうですが、周りの友人の様子も変になってしまったんです!
【002】投稿者:ryo 投稿日時:10/30 23:58
今日はウチの学校では明日行われる文化祭の準備がありました。
ウチのクラスでも喫茶店を出すことになっていて、その準備に追われていました。
僕は友人のマサヒロが教室を装飾するのを手伝っていたのですが、彼に「パネルを
倉庫から取ってきて欲しい。」と言われ、倉庫まで行かなければならなくなりました。
あの女幽霊が出る踊り場を通って・・・。
【003】投稿者:ryo 投稿日時:10/31 00:00
一週間前から何度もカキコしたのでアレですけど、まあテンプレっていうかおさらいっていうか・・・
僕はまったく今まで霊感が無かった厨房です。幽霊なんて見たことありませんでした。
でも一週間前、体育で校庭へ出るため階段を1人で下りていると、1階と2階の間の踊り場に1人、
女子がうつむいて立っていたんです。彼女は少し汚れた制服を着ていました。
しかし、彼女は何か雰囲気が違います。彼女の周囲だけ黒ずんでいるようで、嫌に思えました。
僕はあんまり関わりたくないなと思い、そのまま通り過ぎようとしました。
でも、僕がちょうど横を通った時、彼女は顔を上げたんです。
・・・物凄い形相でした。
【004】投稿者:ryo 投稿日時:10/31 00:02
「死ね」とか「殺す」とか、そういった言葉が直接視線に出ていました。そんな顔をしていました。
ヤバイと思いました。僕は恐怖に顔をひきつらせながら、階段を駆け下りて校庭に向かいました。
クラスメートたちは怪訝そうな表情で走ってきた僕を見ていました。
僕はこのことは誰にも言わないことにしました。言ったって信じないだろうし、
一部の輩には僕をからかうネタにされかねません。一人だけ信用できる、マサヒロを除いて。
【005】投稿者:ryo 投稿日時:10/31 00:05
この話をマサヒロにすると、彼は真剣に聞いてくれました。彼はやっぱり僕の友達です。
彼が言うには、それは僕らが入学する前からある、いわゆるウチの学校の怪談のひとつに出てくる女子ではないか
というモノでした。20年前、いじめられッ子の女子があの階段でいじめっ子達に突き落とされて殺された、というものです。
僕は恐怖し、同時にわくわくしました。この掲示板に僕の心霊話を書けるし、
何よりマサヒロに話を真面目に聞いてもらえたのが嬉しかったのです。
【006】投稿者:ryo 投稿日時:10/31 00:09
暫くの間、僕はその踊り場には近づかなかったのですが、今日はそこを通らないと倉庫には行けません。
最初は断ろうとも思いました・・・でも、マサヒロの僕に対する評価は落としたくありません。
僕はしぶしぶ承諾し、教室を出ました。マサヒロは「早く頼むよ。よろしくな。」と笑っていました。
【007】投稿者:ryo 投稿日時:10/31 00:10
重い足取りで階段に行くと、ギョッとしました。また彼女がいるのです!
あの汚れた制服を着て、うつむいて下の踊り場に立っていました。僕は行こうかどうか迷いました。
彼女のあの顔、あの目を思い出したら足がすくみます。でも、マサヒロの評価もすごく気になります。
「早く頼むよ。よろしくな。」という僕の友人の頼みは断れません。
僕はそう思って勇気を振り絞り一歩を踏み出した時、彼女がこちらに顔を向けました。
「アナタトワタシハスゴクソックリ・・・ダカラオンナジニシテアゲル」
【008】投稿者:ryo 投稿日時:10/31 00:15
彼女の重い息と、低い声が聞こえました。喉を震わせて出したような不快な声。
それと同時に、僕の視界は一気に正面から天井に変わりました。足を滑らせたのです。
声を上げる暇も無かったのです。僕は頭を階段に打ちつけ、なすすべも無く踊り場まで転げ落ちました。
気がつくと、僕はまだ踊り場に寝ていました。頭がずきずきします。
ふと、パネルと彼女のことを思い出して怖くなり、辺りをきょろきょろしましたが、彼女はいませんでした。
【009】投稿者:ryo 投稿日時:10/31 00:17
頭を抑えながら、下まで降り、倉庫へパネルを取りに向かいます。
しかし、文化祭準備のために開放されているはずの倉庫の戸には鍵が掛けられています。
更に、柱に掛けられた時計を見ると、もう5時を指し、校庭にはもう夕日が差しています。
「・・・僕はずっとあそこに倒れていたのか!」僕はパニックになりました。
文化祭の準備はとうに終わり、もう皆帰宅を始める頃です。僕は急いで階段をまた駆け上がろうとしました。
「モウ、アナタトワタシハ・・・オンナジ・・・ヨ・・・」
【010】投稿者:ryo 投稿日時:10/31 00:20
あの女が僕のすぐ真横に立ってました。僕は精一杯叫び声を上げ、また駆け出しました。
さっき転んで落ちた階段を登り、教室へ。マサヒロにこのことを話そう。
もしかしたら、彼なら僕を助けてくれるかもしれない。そう思いました。
とにかく、僕は信頼できる彼に助けを請い、安心したかったのです。
僕は教室に駆け込みました。しかし、もう帰りのホームルームも終わったようで、残っていたのは
マサヒロと僕と同じく彼を手伝っていた5人のクラスメート(皆僕とは仲が良くない連中ですが)だけでした。
僕はマサヒロに今あったことを精一杯伝えようと声を出しました。しかし、彼はこちらに振り向きもせず、
彼の友人達と話をしていました。それは、耳をふさぎたくなるような内容でした。
【011】投稿者:ryo 投稿日時:10/31 00:25
「・・・マサヒロ、どうしてお前あいつと仲良かったんだ?」
「そうだよ、あんな根暗と。だいたいよくあいつ、変なこと言ってなかった?
この間の体育の時だって、あんな息切らして走ってきたりして。キモくね?」
彼らは、あの連中はマサヒロにこんなことを訊いていました。これは僕の話に決まってます。
もちろん、マサヒロは僕を擁護し、友達だからだと答えてくれるに決まってます。・・・そう思ってました。
「俺、クラスの人気者だからさ。あんなヤツでも付き合ってやんないとまずいっしょ。」
【012】投稿者:ryo 投稿日時:10/31 00:28
ああ、僕はショックに泣き出しそうになりました。この学校で唯一僕の友達だった彼がこんなことを言うなんて
友達だと思ってたのは僕だけだったなんて・・・
「でも、この間なんかさすがに付き合ってヤンのやめようと思ったぜ。なんか、女の幽霊にあったとか言い出してさ。倉庫の横の階段の踊り場で。」
「マジで?病気入ってんじゃんw」
「だから、一応学校の怪談にある踊り場の幽霊の話してやったら、マジにビビってて・・・」
もう、聞くに堪えませんでした。その場に立ちすくしました。彼には僕が見えないのでしょうか。
「・・・でもさ、もうあんなキメェ奴と付き合いたくないジャン?だから丁度良かったよ。」
【013】投稿者:ryo 投稿日時:10/31 00:30
僕は悲しいのと怒りで、先ほどの恐怖を忘れてしまいました。
どうして。どうして。マサヒロを友達だと思っていたのに。裏切られた。マサヒロは裏切った。
殺したい。こいつを殺したい。殺したい。殺したい。殺したい。殺したい。死ね死ね死ね死ね・・・
僕は何も言わず、そう思いながら彼を睨み付けていました。
すると、マサヒロが急にしゃべるのをやめました。目をきょろきょろさせ、手が震えだしました。
「ギャアッ!!」彼は叫ぶと、急に手足を痙攣させて、床に倒れこんでしまいました。
彼の友人達が慌てて先生を呼びに走ります。
我に返った僕は、泡を吹いて白目をむき、仰向けになっている彼を見下ろしました。
死んじゃうなんて・・・死ねって思ったら、本当に死んじゃうなんて・・・
僕は恐怖のあまりまた教室を飛び出しました。
廊下にはまた彼女が立っていました。僕と目が合うと、今度ははっきりした声で、僕にこう言い放ちました
「あなたと私はもう同じって言ったでしょ」
173 :
本当にあった怖い名無し:2006/10/30(月) 23:42:30 ID:9Sl7zX7I0
【014】投稿者:ryo 投稿日時:10/31 00:32
家に帰ったら父が1人いましたが、母はいませんでした。病院と警察に行ったようですが、なぜなんでしょうか。
僕がマサヒロを「殺してしまったから」なんでしょうか。
もっと不思議なのは、家族の誰も僕に挨拶もしてくれなければ、話しかけてもくれない、話してもくれないと言うことです。
重苦しい空気が流れています。父は泣いていました。
あの女子学生の幽霊が言った「あなたと私はもう同じ」ってどういうことなんでしょうか。
怖くてたまりません。どうか明日の朝までにレスを下さい。お願いします。
【015】投稿者:ryo 投稿日時:10/31 02:00
レスを下さい。あの女の幽霊と、僕の存在がまるで消えてしまったようになっているのは偶然なのでしょうか。
マサヒロの死も、何か関係あるのでしょうか?お願いです。レス下さい・・・。
【016】投稿者:ryo 投稿日時:10/31 04:08
お願い助けてレス下さいお願い
【017】投稿者:心霊掲示板管理人 投稿日時:10/31 08:09
おはようございます。今日は日曜日で、学園祭や文化祭が多いようですね。
さて、このスレの【001】〜【016】までのレスを「荒らし」につき削除させていただきました。
皆さん、徹底無視してくれて有難うございました。今日も心霊について存分に語ってくださいね。
【018】投稿者:ひろぽん 投稿日時:10/31 08:11
>>管理人さん ウチの近所の学校、今日文化祭なのに、昨日はパトカーや救急車来てて
今日の文化祭は中止みたいです。死亡事故?があったようで。怖いですね。
なんか酷かったようですね。荒らし。スクリプトかな?随分長い時間いたみたいで。
僕は見てなかったんですけど、どんな荒らしだったんでしょう。
【019】投稿者:jun 投稿日時:10/31 08:20
蒸し返すなよ>>ひろぽん
まあ、優しい俺が説明してやると、ryoとかいう奴の最初のレスから最後の【016】までが全部こんな↓感じだった。
>【001】投稿者:ryo 投稿日時:10/30 23:57
>死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね何で無視するんだ死ね死ね死ね死ね死ね
>死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ねマサヒロ死ね死ね死ね死ね死ね死ね
>踊り場の女死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す
>無視するな殺す殺す殺す殺す殺す裏切った殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す
>殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す
>死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね何で無視するんだ死ね死ね死ね死ね死ね
>死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ねマサヒロ死ね死ね死ね死ね死ね死ね
>踊り場の女死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す
>無視するな殺す殺す殺す殺す殺す裏切った殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す
>殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す
こういういう風に全部同じレス。まるで怨念の塊みたいな荒らしだな。
これじゃ怨霊と「同じ」だ。
おみくじで毎年元旦、日本で一枚だけ「最凶」が出るらしい。
最凶の文字の横にはDBのべジータの顔と愛羅武部瑠魔のメッセージが書かれている
期待あげ
彼女シリーズ待ってます!
熟女シリーズキタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!
179 :
森光子:2006/11/01(水) 01:06:16 ID:twyAUtlR0
?
ちょwwでんぐり返しwww
181 :
本当にあった怖い名無し:2006/11/01(水) 22:37:31 ID:BVYbWrLkO
先日youtubeで『ほんとにあった呪のビデオ』のある話しをみて思い出した事があるので書き込みます。
僕がまだ浪人生だった頃。親から都内にアパーを借りてもらい予備校に通いながら受験勉強する事になった。
「静かな環境ですよ」と言われ決めたアパートだったが、越して来てすぐに気になったのは隣りに住む女性の部屋からの子供の夜泣きだった。
一月程は我慢したものの毎晩の様に聞こえて来る火のついた様な子供の泣き声。まぁ子供の夜泣きだけなら仕方ないとしても、なにより我慢ならなかったのは子供を怒鳴りつけるヒステリックな女性の叫び声。僕はとうとう大家さんに相談に行った。
しかし大家さんは「彼女には子供なんて居ないはずだよ」と取り合ってくれない。
仕方なく彼女に直接注意に行くと。当初玄関先まで出て来てくれたものの、彼女は僕の話しを聞くと急に青ざめて逃げるように部屋の扉を閉めて出て来ようとはしなかった。
その晩は諦めて僕は部屋に帰った。
182 :
本当にあった怖い名無し:2006/11/01(水) 22:38:42 ID:BVYbWrLkO
そんな翌日。僕は予備校から帰るとアパートが何やら騒がしい。パトカーも数台来て何か事件があった様子だった。
人込みのなかに大家さんを見つけて尋ねると、なんと彼女が自殺していたらしく死体で見つかったとのこと。僕はびっくりしたものの子供の安否がきになり近くにいた警察官に尋ねると子供など居ないと言う。
僕は気になりながらも警察も引き上げ騒ぎは一段落した。
しかしその晩遅くに僕の部屋に私服の刑事が訪ねて来た。
「彼女とは以前からのお知り合いですか」
僕は否定すると、「先ほど警察官に彼女子供の事を尋ねましたよね?」
僕はこの一ヶ月間のことと昨晩の事を話した。
不思議そうな顔をする刑事が言うには、彼女の遺留品の中のトランクに死後半年程経過した幼児の死体が発見されたとの事だった。
僕があの一ヶ月間聞いていた子供の泣き声は何だったんだろう?自殺した彼女は誰に怒鳴っていたのだろう。
今回ビデオを見て改めて不思議に思う。
長くなったけど話の内容…
お解りいただけただろうか?
183 :
本当にあった怖い名無し:2006/11/01(水) 22:50:54 ID:ZPojFPhQ0
>>182 それは実話なんだよね!?普通に怖いし(((( ;゚Д゚)))ガクガクブルブル
184 :
本当にあった怖い名無し:2006/11/02(木) 22:04:23 ID:qDX2oZPHO
以前付き合っていた彼女と行ったラブホテルでの出来ごと。
ベッドで戯れていて彼女が僕の眼鏡をベッドの下に落としてしまった。
拾ってくれようとベッドから身を乗り出し床に手を下ろした瞬間…
彼女が「ギャー」と叫んだ。
びっくりして僕も身を乗り出し下を見ると、ベッドの下から血だらけの腕が出て彼女の手首を掴んでいた。
結局血だらけの腕は霊でもなんでもなかった。
男に殴られ首を締められた女性が気を失い死んだと勘違いした男にベッドの下に入れらるてしまってたのが息を吹き替えし助けを求めて出てきただけだった。
つまらないオチだと笑わないで欲しい。
その後僕の彼女はその事が元で精神を病んでしまいその後…
自殺してしまった。
ここで出ている話が、ホラーなのかホラなのか君には判断がつかないのかね?
>>186 ホラでも構わないというこのスレの趣旨が君にはわからないのかね?
188 :
本当にあった怖い名無し:2006/11/03(金) 23:50:52 ID:AVVYSp/rO
アゲ…
189 :
本当にあった怖い名無し:2006/11/04(土) 10:26:27 ID:TXGqExJYO
見え彼シリーズ期待アゲ
190 :
本当にあった怖い名無し:2006/11/04(土) 23:46:10 ID:AEKf0qFrO
更にアゲ
こんな拙文に期待アゲしてくれた人、感謝。
優しいお言葉に甘えて、一つ投下。今回のお題は「神隠し」
神隠し、という現象がある。
その名の通り、神に隠されたように行方が分からなくなってしまう現象だ。
大学二年の三月、その神隠しについて、「見える」彼女と話をしたことがある。
その時、本気だか冗談だか分からない表情で、彼女がこう言った。
「私、神隠し起こせるよ」
思わず耳を疑ったが、彼女はどうやら本気のようだ。
見たい。神隠しが起きる瞬間。ぜひ見てみたい。
彼女の言うことが本当かどうかなんて、この際関係ない。
彼女がこういう事を言うってことは、何かしら面白いことが起きる。
「見せてください。お願いします」
途端にへりくだる。土下座も厭わない構えだ。
ふははは、と高らかに変な笑いをした後、
「よろしい。んじゃ、何か袋みたいの頂戴。
中が見えないやつだったら、なんでもいいから」
と、偉そうにのけぞりながら、彼女が言った。
俺は部屋を漁り、一枚の封筒を彼女に渡す。
「何の仕掛けも無いかどうか、確かめて。気の済むまで」
封筒をひょいっとこっちに投げ返しながら、彼女が言う。
俺は封筒を調べた。
中を見る。継ぎ目を確かめる。光に透かす。
……特に変わったところは無い。どこにでもある普通の封筒だ。
当たり前だ。俺の部屋の中から持ってきた封筒だ。
束で買ったやつだから、この一枚にだけ細工をするわけにもいかないだろう。
「OK、問題ない」
また封筒を彼女に渡す。
彼女は近くにあった俺の大学ノートを引き寄せて、最後のページを開いた。
しばらくそのページを見た後、中間あたりのページを開く。
使われていないページを開いたままこちらに差し出し、
「そこに好きな図形でも何でもいいから、書いて」
そう言った。
素直にペンケースからボールペンを取り出し、ノートの真ん中に星印を書いた。
確かに俺が書いたものであることを示すために、星の脇に名前を書く。
書き終えて顔を上げると、彼女がこっちを見てニヤニヤと笑っていた。
ページをちぎって彼女に渡そうとすると、彼女がそれを止め、
「あぁ、いいからいいから。実はもう神隠しは起こってたみたい」
と得意げに言った。
何? ちょっと待て。
言うべき言葉を考えているうちに、彼女が封筒を開いて中を見せる。
何も入っていない。
当たり前だ。何も入れていないんだから。
「ね? 何も入ってないでしょ?」
しかし、彼女は自信たっぷりに当たり前のことを言う。
「お前、何言ってるんだ? 何も入れてないんだから、何も入ってるわけが無いだろ?」
一瞬、俺は彼女がおかしくなったのかと思った。
違う。彼女の目は怪しく輝いてる。
この目は怪異を目の当たりにしたときの目だ。
手元の大学ノートに目を移す。
さっき書いた時と同じように、星印と俺の名前が書かれている。
「神隠しは起こったみたいよ。私にも証明は出来ないけどね。
状況を見る限り、そうとしか思えない。
最初は、私も似たようなことしてお茶を濁そうと思ってたんだけどね……」
わけが分からなかった。こいつは何が言いたいんだ?
周囲の状況を改めて確かめる。何も変わったところは無い。
「そもそもさ、あんた神隠しってどんなものだか分かる?」
キョロキョロと落ち着きのない俺に、彼女が問うてきた。
「何って……だから、普通ではありえない行方不明だろ?
ある日、突然消えて、何年後にそのままの姿で現れるとか」
違う、と彼女が即座に否定した。
「私が思うに、それは神隠しとはまた別のものよ。
言ってしまえば、『不完全な神隠し』
神隠しってのは、その名の通り、神の所業。
誰かが居なくなったことにすら気付かないものだと思うわ。
それが存在していたことを示す記憶や証拠すら消える。それが神隠し」
つまり、消えたものが最初から存在していなかったものとして扱われるってことだ。
確かに「神隠し」という大層な名前には、そっちの方が似つかわしい。
だが、それだとある矛盾が残る。
それが存在しなかったことになるのなら、それは記憶に残らない。
「神隠し」という現象そのものが認知されないだから、それが普通だ。
「十数年前、ある大学生の五人組が旅行に行きました」
唐突に彼女が語り始める。
俺は喉まで出かけた言葉ををぐっと飲み込む。
邪魔しちゃいけない。そう思った。
一拍置いて、彼女が続ける。
「その五人は旅行先で『神隠しが起こる』と言われている森に入っていった。
地元の人は止めたんだけど、五人は聞く耳を持たなかった。
結局、森では何も起こらず、全員無事に出てきたわ。
それから、観光を楽しんだ後、五人は帰ることにした。
チェックアウトをするために荷物をまとめている時に、仲間の一人が言った。
『おい、これは誰のだ?』
そこには、誰の物かわからない旅行バッグが一つ置いてあった。
嫌な予感がした仲間の一人が、旅行会社に電話をかけて、
ここに来る時に予約した電車のチケットの枚数を聞いた。
旅行会社の受付はこう言ったそうよ。
『確かに六名様でご予約されています』ってね」
聞き終えて、背筋に寒いものが走った。
有名なロア(噂話)の一つだが、彼女が話すとなんとなく真実味があって、怖い。
しかも、それと同じことが、今この部屋で起こったのだという。
「これは完全な神隠しじゃないわ。証拠が残ってるから。
こういう不完全な『神隠し』が起こるんなら、本当の神隠し、
証拠の残らない神隠しもあり得るって考えてる。あくまで推測だけどね」
薄い微笑を貼り付けたまま、彼女が言う。
なるほど、それはあり得る話だ。
「ということは、だ……。お前さっき『神隠しが起こった』って言ったよな。
つまり、俺達の前で起きた神隠しは不完全なものだった。
その証拠はどこにあるんだ?」
スッ、と彼女が大学ノートを指差した。
星印と俺の名前が変わらずそこに佇んでいる。
「あんた、部屋はしっかり片付けておくタイプでしょ?
ものを書く時はデスクでやってるはずだし。
なんでちゃぶ台の近くに都合よく筆記用具があるわけ?」
そういえば、そうだ。
俺は物が散らかっているのはあまり好きじゃない。
定期的に掃除をするし、物は決まったの場所に置いている。
ちゃぶ台の方に筆記用具を持っていった記憶は無い。
必要であれば、封筒を渡すときに彼女が言っただろう。
急にノートが気味悪いものに思えてきて、俺は少し後退った。
彼女が手を伸ばし、ノートを掴む。
そして、パラパラと最後のページを開いた。
「これが最後のページ。破った跡とか無いよね?」
頷く。ページを留めている部分はまっさらだ。
もし、ページをちぎっていたとしたら、何かしらの痕跡は残るだろう。
それに、特別なことが無い限り、俺はノートを破ったりはしない。
「じゃ、これも証拠。あんたが筆圧強い上に単純で助かったわ」
そう言いながら、鉛筆の腹で最後のページを擦っている。
「……ちょっと待て。それは聞き捨てならん。俺は単純じゃない」
どうでもいいことを口走る。
何か喋っていないと、不安で仕方なかった。
「んじゃ、これはあんたが単純だって証拠にもなるわね」
ちょっと笑いながら、彼女がノートを差し出す。
確かに、俺は筆圧が強い。
文字を書けば、下のページに文字のへこみが出来る。
そして、俺はどうやら単純だったらしい。
彼女が鉛筆の腹で擦った最後のページ。
黒鉛で染められたそのページの真ん中に、星印と俺の名前が浮かび上がっていた。
俺はその時、どんな顔をしていたのだろうか。
少なくとも、彼女にとっては面白い顔だったらしい。
彼女は俺を指差して、
「あははは、騙された騙された」
と子供のように喜んでいた。
……って、なんだと? 騙した?
俺が問い詰める前に、彼女が楽しそうに種明かしを始める。
「言ったでしょ? 『私が神隠しを起こす』って。
これは簡単な手品よ。それと神隠しを絡めたってだけの話。
爪が長いとこういうときにも便利よね」
それを聞いて、なんとなく飲み込めた。
「お前、爪で書いたな?」
正解、と言いながら、彼女が指をくるくると回す。
ここまで聞いてしまえば、話は簡単だ。
ノートの真ん中のページに俺が書いた印を覚えておいて、
隙を見て、最後のページに同じ印を爪で書く。
鉛筆で擦れば、あたかも上のページに書いた印が写ったように見えるってわけだ。
簡単なトリックだが、神隠しのエピソードと絡めれば、立派な怪異にしか見えない。
「つまり、俺はしてやられたってわけだ」
悔しさを隠すように、ぶっきらぼうに俺は言った。
「その通り。少なくとも、あんたの単純さは証明できたわね」
ニヤッ、と笑いながら、彼女が返す。
後はくだらない罵り合いで時間が過ぎていった。
あれから数年。
今となっては、あのノートがどこに行ったのかは分からない。
だが、今でも時々、あの出来事を思い出し、疑問にぶちあたっては悩んでいる。
はたして、ペンで書いた印と同じような跡を、爪で残すことはできるんだろうか。
ましてや名前のような細かい字まで。
俺は彼女に騙されていたのか。何が真実なのか。
本当のことは、神隠しにあったように、未だに闇の中だ。
その疑問に気付けないから単純だ、という事だったのか?
>>198 本当に彼女が爪で俺の印を書いたとしたら、
「神隠しが起こった」っていうあいつの嘘を信じこんだ俺は「単純」ってこと。
本当に印を書いた最後のページが消えていたとしたら、
「印を書け」といわれて、同じ印しか書かなかった俺は「単純」ってこと。
……だと思うんだ。
神隠しが起こったことが本当だろうと嘘だろうと、
彼女はあの時俺を騙してる。んで、俺は騙されていることに気付かなかった。
>>198の言うとおり、そのことについて「単純」といわれたのかも知れない。
>>199 乙。
次の「見える」彼女シリーズ期待も期待。
もう、ホラーの域を超えてる気がす。
「見える」彼女シリーズは怖いだけじゃないな。
>「見える」彼女シリーズは怖いだけじゃないな。
同意。言葉遊びみたいなのが面白いね。
捕手
世界は今「人・犬混合の人狩り軍隊部族」に乗っ取られようとしている。
この部族のモットーは「力の強い者こそ正義」。
死神を唯一神と崇め、ロシアンルーレット的な人減らしをも好む。
恐らく死人は活人に食らわれる事により活力となって一体化するとか云うような宗教心とかがあるのだろう。
彼らは人間よりも犬が大好きらしく犬寄生虫で弱った人などが死ぬ事によって保険金で生活している。
>>203 この「人・犬混合の人狩り軍隊部族」は
農耕民族を外敵(他の「人・犬混合の人狩り軍隊部族」)から守る為の交換条件と言う名目で
春先に誕生した出来の良い子供を生贄に要求する。
生贄にされた子供は親のパワーハラスメントによって所在をリストにされ
軍隊部族のスケープゴートや権力者への奉納品などに使われる。
205 :
本当にあった怖い名無し:2006/11/10(金) 03:47:01 ID:MhqHR0R4O
期待あげ
206 :
本当にあった怖い名無し:2006/11/12(日) 08:21:47 ID:dyi7kKEXO
「見える」彼女シリーズが好きなんで
一応アゲときます
「見える彼女」シリーズ、怖いけど面白いから読んでしまう。
本が出たら買いたいくらい文が上手いね。
208 :
本当にあった怖い名無し:2006/11/14(火) 13:45:07 ID:0RcW/Z950
あげ
209 :
本当にあった怖い名無し:2006/11/16(木) 00:26:22 ID:vv7J6Th40
age
∧_∧
( ´・ω・) ちょっと話をしてみよう・・・
( つ旦O
と_)_)
211 :
呪いかどうか:2006/11/17(金) 22:04:14 ID:Ts+AHoOp0
笑子がうちにやってきたのは俺が高校に上がった春のことだった。
同い年で、遠い親戚にあたるのだが、会ったのはその時が初めてだった。
というのも、笑子の父親は親戚中の鼻つまみ者だったせいで、笑子の家とは一切交流が無かったからだった。
酒を飲んでは暴力を振るう、どうしようもない人間だったらしい。
その父親が亡くなって、母も幼くして亡くしていた笑子は一人になり、うちに引き取られることになった。
うちにやってきたとき、袖からのぞく笑子の腕には、それとわかる虐待の痕が残っていた。
あまりに痛々しくて、父も母も、そして俺も、笑子には優しく接した。
父は親戚の付き合いで笑子の家を無視していた罪悪感もあってか、
いっそ養子にならないかと笑子に提案したが、笑子は考えさせて欲しいと言って返事を保留した。
笑子がうちに来て一ヶ月も過ぎると、俺は笑子と普通に話せるようになっていた。
基本的に物静かな性格のようで、感情が強くでるわけでもない。
俺たちの会話は実に淡々とした会話だった。
笑子は俺と同じ高校に編入していた。
クラスは違ったけれど、俺と同じ文芸部に入り、帰りはいつも一緒に帰った。
その日も帰り道の土手を、二人話しながら歩いていた。
「みんな牛肉や豚肉は平気で食べてるのに、どうして犬猫を殺すと途端に騒ぎ出すのかしら」
「牛や豚はかっこ悪いけど、犬猫は可愛いからじゃないかな……」
そんなどうでもいい会話だった。
ふと俺は、土手の下、河原の公園のベンチに、見知った人物が座っているのに気がついた。
同じクラスの笹井という女生徒だった。
笹井は、公園のベンチに座って、川面を見ながら泣いていた。
「どうしたの……?」
「いや、同じクラスの奴があそこに居るんだけど……なんか泣いてるみたい」
気になった俺は土手を降りて、笹井に声をかけた。
212 :
呪いかどうか:2006/11/17(金) 22:05:18 ID:Ts+AHoOp0
「よう、笹井、どうしたんだ?」
「……水島君……」
「いや、俺ここ帰り道でさ。ちょっと気になったから……」
「……ありがと。でもなんでもないの。ごめんね」
笑子も土手を降りてきた。
笹井はなんでもないと繰り返したが、ますます涙を流し、ついに大きな声で泣き出してしまった。
俺は正直焦ってしまったが、笑子が笹井を静かな声でなだめて落ち着かせてくれた。
「……家に、帰りたくないの」
そう呟いた笹井の境遇は、笑子と似たものだった。
父一人子一人の父子家庭。
その父親が、このところ酒ばかり飲んで働かず、ついには暴力を振るう始末。
今日も家に帰っても、酒臭い父に怒鳴られ殴られて、怯えながら家事をして一日を終えるだけ。
そう思うと、やりきれなくて涙が出てしまったのだと言う。
「何であんな人が私の父親なの……? 私もう……いや……。あんな人、死んじゃえばいいのに」
俺はどう慰めたものか言葉が見つからなかった。
笑子はそんな笹井をしばらく見つめていたが、やがて口を開いた。
「本当に、死んで欲しいって思ってる?」
「え……?」
「本心からそう思ってるなら手伝ってあげる。あなたのお父さんを殺してあげる」
強く、冷たい声だった。
日が落ちた川辺で、笑子の顔は暗くてよく見えなくて、ぞっとしてしまった。
「お、おい笑子……何言ってるんだよ? 人殺しなんて……」
「大丈夫。ばれないわ。だって、呪いで殺すんだもの」
何を馬鹿なことを言ってるんだと思ったが、笹井はすがるような目で笑子を見た。
「本当に……? 本当にあいつを殺せるの?」
「ええ。殺せるわ。私も一人殺したもの。私のお父さんはね、あなたのお父さんと同じようにどうしようもない人だったの。
だから呪ったの。そうしたらね、ある晩お酒を飲んでお風呂に入って……そのまま溺死しちゃったわ」
笑子の言葉に俺は絶句してしまった。
「お酒を飲んで浴槽で死ぬことはたまにある事故だから、ただの偶然だったのかも知れない。それはわからない。
でも私は自分の呪いがあの人を殺したんだと信じてるわ。……あなたも信じてみる?」
「……お願い……お願いします……!」
笑子は頷くと、笹井に簡単に説明した。
213 :
呪いかどうか:2006/11/17(金) 22:06:02 ID:Ts+AHoOp0
「用意するのは筆と半紙、朱の墨。日が沈んでから日が昇るまでの間に、
あなたのお父さんの名前を朱の墨で半紙に書き連ねてちょうだい。できるだけ恨みを込めてね。
枚数は四の並んでいる数がいいけど、あまり気にしなくてもいいと思う。
……本当は……単なる朱の墨じゃなくて、生理の血を混ぜたものの方がいいんだけど……」
「生理」と言ったところで、笑子は俺の方をちらりと見てきた。
今までの話が話だけに、そんなところを気にされても困ってしまう。
「名前を書いた半紙は毎日学校で私に渡してちょうだい。私が呪いをかけるから。
……これを続けて、八日を過ぎてあなたのお父さんが死ななかったら、効果はないわ。
あなたの憎しみの心が足りなかったことになるの。だから、その時は別の解決を探すようにしてね」
話を終えて、俺と笑子は笹井と一緒に帰った。
笹井は途中の文房具屋で早速半紙と朱の墨を買っていた。
笹井と別れて二人きりになったところで、俺は笑子に聞いた。
「呪いなんて何で知ってるの?」
「お父さんと二人で暮らしてた頃、自分の力じゃどうしようもないことがありすぎて……勉強したの。色々」
「さっきの話、本当? 本当に、君、父親を殺したの?」
「うん。本当。軽蔑した?」
「…………いや、俺は呪いとか信じてないから……軽蔑も何もないな」
「そう」
それから学校で笹井は毎日笑子に朱の入った半紙の束を渡していた。
笑子はその束を家に持ち帰り、何かしているようだったが教えてくれなかった。
八日経ったが、笹井の父親は死ななかった。
しかしさらにしばらくして、笹井の父親が死んだ。
酔っ払って風呂に入り、浴槽で溺れ死んだとのことだった。
呪いを始めた日から十一日が過ぎていた。
214 :
呪いかどうか:2006/11/17(金) 22:06:51 ID:Ts+AHoOp0
帰り道、夕暮れ時の土手を歩きながら、笑子に言った。
「笹井の親父さん、死んだんだってな」
「らしいわね」
それも笑子の父親のときと同じ、泥酔しての溺死。
偶然と思いたかったが、呪いの力を信じつつあった俺は、ちょっと笑子が怖くなっていた。
「八日を過ぎてるから呪いじゃないはずなんだけどね」
俺の怯えを感じたのか、笑子は困ったように言った。
「言ったでしょ? 八日過ぎたら私の知っている方法は効果がないの。その時は失敗。
失敗だけど逆に言えばやり直せる可能性があるってことだから、笹井さんに頑張ってお父さんとやり直して欲しかったんだけど……」
「良くわからないけど、偶然死んだだけなのか?」
「……昨日の夕方、笹井さんから電話があったの。『今日ずっと一緒にいたことにして』って。お願いされたわ」
「え……?」
「別の解決って、そんな意味じゃなかったんだけどな……」
「なあ、それってつまり……」
「そういうことよ」
そういうこと……。
「……なあ笑子。君、父親を殺したのか……?」
「呪いでね。私の場合」
俺はどんな表情をしていたのだろう。
笑子は俺の顔を覗き込むと、慌てたように手を振った。
「あ、でも、私今のおうちはすごく好きだから! 感謝してるし!
私なんかに優しくしてくれてすごく嬉しいなって! だから幸福を祈ることはあっても呪うなんて絶対無いから!」
笑子がうちに来て一ヶ月と十日過ぎ。初めて笑子の感情らしい感情を見た気がした。
不思議と恐怖は薄らいでいた。
ちなみに笹井の父親は、結局泥酔しての事故死ということになった。
∧_∧
( ´・ω・) 以上
( つ旦O
と_)_)
216 :
本当にあった怖い名無し:2006/11/17(金) 22:24:14 ID:OXyDZ7ff0
乙です
リアルにホンノリ怖いですね
実話かどうかは訊いていいのかな?
ゴメンナサイ、サゲ忘れと、ホンノリスレと勘違いダブルでしたw
話はとても好きです
またお願いします
218 :
本当にあった怖い名無し:2006/11/17(金) 22:37:17 ID:BkhCButh0
1
219 :
猫の話と僕のこと:2006/11/18(土) 02:38:54 ID:nbyP0PqA0
「いい天気だな」
猫が言った。
「そうだね」
猫の隣で僕は言った。
空は透けるように青く遠く、雲のひとつも浮かんではいなかった。
そして僕と猫の座る縁側には、あたたかい日の光が降り注いでいた。
僕の隣には、事故で片目を失った猫がいる。
猫の隣には、事故で感情を失った僕がいる。
お互い、境遇が似ているせいだろうか。僕と猫は、いつも行動を共にする。
僕は猫が好きだった。
「雲、知ってるか」
唐突に、猫がきいた。
知ってるよ、白いやつでしょ、と答えると、猫はゆっくり僕を見た。
見つめる片目が妙にきれいで、僕はなんとなく消えたくなった。
「雲、な」
猫が上を見ながら言った。少し曇ってきたようだ。
「あれはな、人間の想い…恨みや妬みなんかが、固まってできてるんだ。
そういうものは、本来外へ出てはいけないものだからな、普通の雲とは見た目がちょっと違う。
お前も見たことがあるだろう?妙に低い位置にある、ひとりぼっちの雲を。
気をつけるんだぞ、あれは他人の想いも呼び込んでくるからな。
…まあ、お前には関係ない話かもしれんがな」
そうだね、と僕は答えた。猫がまた口を開く。
「あの雲が光る雨になるとき、それはな、想いが消えたときなんだ。
想いを持つ人間が死んだのかもしれない。恨みが晴らせたのかもしれない。
だけどな、そんなことはどうでもいいんだ。あの雲がどこかにある限り、人間は猫を越えられない。
だから俺は、お前より気高くあらねばならない。そういうもんなんだ」
猫の言葉が途切れた。
静かな時間が流れている。
なにも聞こえなかった。
隣の猫の呼吸さえ。
「水をくれないか」
猫が言った。
もう、猫の話は終わったようだ。
わかった、と言い残し、僕はのそのそと台所へ向かった。
「皮肉なものだ…何故これほどまでに美しい。恨みも、妬みも」
猫だけがつぶやいた。
空は透けるように青く遠く、雲のひとつも浮かんではいなかった。
そして猫の座る縁側には、キツネノヨメイリが、静かに降り注いでいた。
おしまい
221 :
本当にあった怖い名無し:2006/11/20(月) 03:38:39 ID:lhY2gu9o0
age
>>219 感情を失ったって言ってるわりに
>僕は猫が好きだった。
>見つめる片目が妙にきれいで、僕はなんとなく消えたくなった。
223 :
219:2006/11/20(月) 14:39:53 ID:6MszSme5O
>>222 あ…本当だ、うっかりしてました(´Д`;)
表情を失う、の方が正しいですね。
もしまた書くことがあれば、訂正しておきたいと思います。
ご指摘ありがとうございました!
>>223 もう書かんでいいよ。
オカルトじゃなくておとぎ話だし。
猫が喋るなんてオカルトじゃないか!
どっちかというと、不思議系?そんでもって癒し系な感じがする。
友人のO君に聞いた話。
クンッ、と浮きが沈んだのを見て、O君は慌てて竿を上げた。
何の手ごたえもなく現れた糸の先には、もちろん魚の姿はない。
水底に生えている草が絡み付いて、だらりと垂れ下がっているだけだった。
舌打ちを一つして水草を取り、脇に投げ捨てる。
さっきからこれの繰り返しだった。
傍らに積まれた水草からじんわりと水が染み出て、コンクリートの色を薄黒く変えている。
餌を針の先につけて、水に向かって投げ入れた。
川の流れに従って、浮きが流れていく。
しばらくその様子を見つめていると、不意に浮きが沈んだ。
さっきと同じ場所。きっと、また水草が絡んだのだろう。
溜息混じりに竿を上げる。予想を裏切らず、糸の先には水草がぶら下がっていた。
近場には川がここしかないために、釣り好きのO君は週末ごとにこの川を訪れていた。
川の大体の深さは把握しているつもりだし、
どこに何が沈んでいるか、それも分かっているつもりだった。
にも拘らず、その日はどれだけ浮き下の長さを調節しても、釣れるのは水草ばかり。
いい加減、イヤになってきた。今日はもう止めにしよう。
そう思って、O君は竿を上げた。糸の先にはまた水草が絡み付いている。
溜息をつきながら、道具を片付け、土手を上がった。
何気なく川の方を見て、流れの中からこっちを見ている男と目が合った。
よく注意しなければ、照り返しのせいで気付かなかったであろう。
男は右半身を下にして、側臥するように、流れの中からO君を見ていた。
いや、正確には、何も見ていなかった。
眼球があるべき場所は、黒く塗りつぶされたように穴が開いていた。
O君は慌てて警察に連絡。
引き上げられた死体は、目の部分が魚に食われ、ぽっかりと穴が開いていたらしい。
「大変な目に会ったなあ」
話を聞き終えた僕の第一声がそれだった。O君は笑いながら、
「まあね」
と答える。
怖い話を集めている僕のために、O君が話してくれた話だ。
一ヶ月ほど前のできごとらしい。
「しかし、魚が釣れなくてよかったな。目を食った魚だと思うと、どうしても……」
簡単に話の流れを書いたメモを見返しながら、僕はなんとなくそう言った。
「そこが腑に落ちないんだよなあ。死体ってのは、言っちゃ悪いが餌の塊みたいなもんだ。
普通、魚が集まってくるはずなんだがなあ」
O君は難しい顔をしながら、そう言った。
それを聞いて、いやな考えが僕の頭の中に浮かぶ。
流れてきた死体は水草の上にあるものだろう。
水草に絡まっていたとしたら、水草の中に埋もれるようにしてあるはずだ。
針に水草しか掛からなくなるなんてことがありえるのだろうか。
O君は川の深さは大体分かっていたはずだ。
浮き下の長さを何度か調節したとも言っていた。
浮かんだ想像に思わず身震いした。
川の中、流れてくる針の先に水草を絡ませていたもの。
それは川の流れのような自然現象なんかじゃなく、
目の無い死体だったんじゃないだろうか。
…
素で そんなことないやろ〜 ってツッコミたくなった。
水草が死体喰っていたのかとオモタ
232 :
本当にあった怖い名無し:2006/11/22(水) 03:09:23 ID:YDblHzPe0
針が来るたびに死体がせっせと水草を引っ掛けてるところを想像すると笑える
フリの割にはヲチがショッキングじゃないほのぼの系
ほす
234 :
本当にあった怖い名無し:2006/11/26(日) 16:04:45 ID:ziYwBcF3O
アゲ
235 :
本当にあった怖い名無し:2006/11/28(火) 11:42:55 ID:WmvhwFMYO
彼女シリーズ読みたいから期待あげ
236 :
本当にあった怖い名無し:2006/11/28(火) 12:11:12 ID:pzxx/7bsO
同じく見える彼女シリーズ期待してまふ
237 :
本当にあった怖い名無し:2006/11/29(水) 11:51:08 ID:2wGlKXGwO
見える彼女素敵なんで期待age
怖い話を集めているにも拘らず、僕は暗闇が大の苦手だ。
夜眠る時は、必ず小さな明かりを灯しておくし、ペンライトは常に携帯している。
なぜ、僕は暗所恐怖症になってしまったのだろう。
思い当たる出来事が一つある。
小学校に上がる前、不法投棄された冷蔵庫に潜り込んで出れなくなった。
幸い、近くにいた友達が異変に気付いて、すぐに開けてくれたから事無きを得たものの、
あのまま放っておかれたらどうなったかと思うと、ぞっとする。
きっと、あの時の恐怖が尾を引いているんだろうと、ずっと思っていた。
今年のお盆に休みを利用して、実家に帰るまでは。
実家に帰った日の夜、僕は居間に布団を敷いて寝る準備をしていた。
本来なら、客間として和室があるのだが、僕は幼い頃からその和室が苦手だった。
準備をしていると、母がやってきて何事か文句を言うが、聞き流す。
和室だけはイヤなんだよ、と半ば不貞腐れながら言うと、
「やっぱり、あの押入れに入れたのが悪かったのかねえ……」
母はひとりごちるように、そう言った。
思わず聞き返す。
話を聞くと、小学校低学年の時、いたずらをした僕を母が押入れに押し込めたらしい。
押し込めてから少し経つと、襖を壊さんばかりの勢いで、僕が中から体当たりをし始めたそうだ。
慌てて母が襖を開けると、泣き喚きながら僕が転がりだしてきた。
その後、僕は二日ほど、高熱を出して寝込んだらしい。
記憶に無かった。
まるで、僕じゃない誰かの話を聞いてるような気分だ。
しかし、心の奥底から、暗闇の中に入った時と同じ恐怖が這い上がってくる。
流れる汗の冷たさを感じながら、更に詳しく母に事の経緯を尋ねた。
訝しみながらも、母は答えてくれた。
「あんたが小学校一年生の頃だったと思うわよ。
いっつも押入れの中で遊んでて、何言っても聞かないあんたに
『そんなに好きなら、押入れの中にいなさい!』って言って、襖を閉めたの。
しばらくしたら、中からあんたが大声で叫ぶから、ビックリして開けたら、大泣きしてたわ」
つまり、僕が押入れの中に入ったのは、冷蔵庫に閉じ込められた時より後のことだ。
その時点では、暗闇に今ほどの恐怖を抱いていなかったことになる。
僕が暗所恐怖になったのは、冷蔵庫の出来事じゃなく、押入れが原因だったのか。
あまりの恐怖に、押入れの出来事を忘れ、暗所恐怖の原因を冷蔵庫の一件だと思い込んだのだろうか。
しかし、分からない。
押入れに入って遊ぶ子供が、一発で暗所恐怖になるほどの出来事はなんだったのだろう。
「その時、僕がなんて叫んでたか、分かる?」
「随分昔の話だから、もう忘れちゃった。その後、あんた熱出してバタバタしてたし」
母は首を振りながら、そう言った。
結局、僕が「よく入って遊んでいたほど好きだった」押入れの中で、何があったのかは、闇の中だ。
240 :
本当にあった怖い名無し:2006/11/30(木) 00:42:57 ID:TlHr80FSO
見透かされる作者様、早く見える彼女を見たいです。
おまえら催促しすぎ
小話さん乙です。面白いんだけど「あれっこれで終わり?」って感じで消化不良です。
闇の中、と言わずにもっと続きをプリーズ
って、もしかしてこれ続くのかな、だとしたら続編お待ちしています。
243 :
本当にあった怖い名無し:2006/12/02(土) 07:20:47 ID:ebm/QrIS0
下手な文章ですいません。
僕が東京に行ったときの話です。
たしか今年の6月でした。その時僕はいろいろ事情があって国会の前にいたんですよ(まあその辺は関係ないんで省略します)
そしたら一人のちっちゃくてシミだらけでシワシワのばあさんが岡山弁で話しかけてきたんです。
岡山弁わからないので標準語で書きますね
まとめると「私は電波で殺されそうになってる、助けてくれ」って内容でした。
東京は電波な人が多いなあと思いながらもフンフン聞いてると凄く深刻そうだったんで
一応話を聞くことにしました。ばあさんがいうには・・・
「私は岡山に住んでいて市長(村長だったかも)に電波で殺されそうになっている。
私の家は土地を持っていて、家の者が死ねば土地は市長の物になる。土地を狙って夫も息子も殺された
市に言っても相手にしてくれない(みんなグルだから)ので偉い政治家に話をするために岡山から来た
若いあなたなら力になってくれるかもしれないので話しかけた」
って内容でした。なんかばあさんの話では、家の近くに電波塔が立ってて、そこから電波を送って
殺そうとしてるらしいんです。電波を浴びると皮膚癌なるとか言ってました
土地の名前も聞いたのですが今となっては思い出せません、二文字だったような・・・多分短い名前です
で一通り話を聞いた後、力になれそうに無いことを告げると、ばあさんはどっかに行っちゃいました。
その時はぜんぜん信じてなかったのですが、最近ふと思い出したんで書き込みます
やっぱりあのばあさんは痴呆だっただけなんでしょうか・・・
他にもこのばあさんに遭遇した人いないですかね?
244 :
本当にあった怖い名無し:2006/12/02(土) 09:55:24 ID:19cAIF0AO
久しぶりに幽霊見た。
昼間にコンビニ前を歩いて通り過ぎる時、20代のカップルが楽しそうに話しながらコンビニから出て来た。
これ自体は普通だけど、ふと考えたらコンビニの自動ドアが開いた様子がなかった事と、すれ違う時に二人で楽しそうに話してるのに声が全く聞こえてこない事に気付いて『あれ?』と思って2〜3秒後に振り返ったら二人とも居なかった。
すごく楽しそうで幸せなカップルだったから、どうして死んだのか、なんか哀しい二人を見たなぁと思った。
245 :
本当にあった怖い名無し:2006/12/02(土) 12:23:45 ID:TC0Xrqm50
>>244 死んだ後も2人一緒に楽しそうにしてるならまだ救われるね
って、ゆ〜か
>久しぶりに幽霊見た。
以前に見た幽霊の話もプリーズ
>>243 東京の新宿のどこかの駅あたりでは
そういう団体とかがいるよ。
道とかで熱心に説明会みたいなのしてるよ。
どうみても創価あたりの被害者か朝鮮人の自称被害者です。
まぁ…、
らしいよ。
247 :
本当にあった怖い名無し:2006/12/06(水) 12:36:21 ID:iqXGzvwwO
ホス
248 :
本当にあった怖い名無し:2006/12/09(土) 06:57:24 ID:ZU6mZjStO
あげぇ
249 :
教員:2006/12/09(土) 23:59:02 ID:nu5wyZUW0
洒落怖から誘導されたんで記念に投下
ウチの学校は妙な雰囲気があります。
夜遅くまで残っていると廊下で
ぼふっ! ぼふっ! と。
アイアン・マイケルか?
何より怖かったのはジャージなどに着替えるロッカーのある部屋で、
その棚の中に「ムー」のバックナンバーがぎっしりと。
生徒は入らないので同じ先生の所有物かと思ったけど、
私物は入れないもんなぁ。
他にもいろいろ見てるし、学校ってネタにされるわりに
意外とガチがあるもんです。
俺と妹が体験した実話
今から約2年前俺の祖母が他界する2日前、病室で弟が祖母に
「家に早く帰りたいね〜、明日帰ろうか〜?」
などと冗談で話しかけてた。
祖母も病院はイヤだったのか首を縦に振り帰りたそうだった
その日の夜、家で祖母の部屋から
「う〜」とか「あ〜」とか「お〜い」と唸るような声が聞こえてきた
病院に入る前に自宅で療養してた頃に聞いた声のそれだった。
俺はまさかと思って部屋の中を見てみたけど当然誰もいない。
そして次の日、また弟が病室で
「婆ちゃん〜、家に帰ろうか〜?」
と聞くと、今度はなぜか首を横に振る祖母
弟「なんで〜?もう家に帰った?」
と聞くと首を縦に振る
そして翌日祖母は他界。その時に家で聞いた声の事を話すと
声を聞いたのが俺だけでなく妹も聞いた。
婆ちゃんは確かに家に帰ってきてたんだなぁと、そしておかえりって言ってあげたかった
文才ないから難しいな
251 :
本当にあった怖い名無し:2006/12/10(日) 14:36:35 ID:8XdjmOPLO
ええ話やないの
「お前さぁ、原始人、見たことある?」
春休みがあけて間もないある日、学食で偶然会った女友達にこの質問をぶつけてみた。
美味そうにプリンを食っていた彼女がキョトンとこっちを見ている。
「無いよ。私ゃ現代に生きてますから」
いや、そりゃそうだ。
「そうじゃなくてだな……原始人の幽霊は見たことあるかってことだ。
ほら、『落ち武者の霊を見た』って話は聞くけど、
『原始人の幽霊を見た』って話は聞かないだろ?」
目の前でプリン食ってるこいつは、異界の者が「見える」
俺もそういう世界に興味があるから、時々こうして話を振っているわけだ。
「なるほど、で、私に聞いてみたってわけね」
頷く。
「答えはNO。原始人の幽霊なんて見たことないよ」
ちょっと残念な答えだった。幽霊見ることに関してなら、こいつはエキスパートだ。
原始人の幽霊くらい、しょっちゅう見てそうな気がしたんだが……。
「ってか、見えない理由なんてちょっと考えたら分かるでしょうが」
「……見えない理由、ね」
しばらく黙って考える。
「ごちそうさ――」
「わからん。教えてくれ」
彼女がプリンを食べ終えるのと同時に、ギブアップした。
大げさな溜息と共に、彼女が話し出す。
「原始人と武者の違いを考えてみれば簡単じゃない。大きな理由は時間」
時間? と俺が間抜けたオウム返しをする。
そ、と短く頷いて、彼女は続けた。
「あんたはさ、幽霊ってどういうもんだと思ってる?」
幽霊がどういうもんか、だって?
そんなもの、決まってる…………えぇと……。
「あの世に行ききれない、死者?」
言葉にすると途端に胡散臭い。俺は失笑した。
しかし、彼女は表情を変えない。さっきから薄い微笑を貼り付けたままだ。
「外れ。そもそも、幽霊になってる時点であの世には行ってるわ」
む、言われてみれば確かにそうだ。
そうなると、幽霊ってのは……。
「正解は、人の思念」
見るに見かねたのか、彼女が答えを教えてくれた。
「人の思念って……殺意とか、恨みとか? それが幽霊?」
「それだけじゃない。好意とか、慈愛とかも幽霊になりかねないのよ」
なるほど、何となく分かってきた。
「要するに、そういう強い思いが本人が死んだ後も残っているのが、幽霊ってわけか」
彼女が頷く。
「そう、それと『幽霊』っていう概念を知っていることも大事かな。
死んだ後でも思念を託すものがあるって分かってれば、それだけ留めておきやすいでしょ。
でもね、幽霊がいるから思念が残るのか、思念が残るから幽霊がいるのか、
それは私にも分からない。どっちも重要な要素であることは確実だけどね」
身体と心の関係みたいなもんか。
結局、どっちかだけじゃ存在できない。両方あって初めて一ってわけだ。
「なるほどなぁ……って、ちょっと待て。
それが原始人の幽霊を見ない理由とどう関係がある?」
興味深い話についつい目的を忘れていた。
彼女の話はいつも外堀から埋めていくから、時々こういうことがある。
危ない危ない。
「ここまで来れば、後は簡単でしょ。
あんた、小学校で一番最初に怒った時の事、思い出せる?」
……は? またわけの分からん質問だ。
だが、彼女の中ではしっかり関係しているんだろう。
「小学校の時……確かセキちゃんと遊んでて……いや、あれは違うか。
シュウに蹴り入れられた時は、小二だろ……思いだせん」
本日二度目のギブアップだ。
俺が悩んでいる顔が面白かったのか、彼女がニヤニヤ笑っている。
「でしょ? 思いってのは劣化していくものなの。それがどんなに強いものでもね。
『幽霊』を知らない原始人は、託すものがないから、その劣化も早い。
そして、死んだばかりはどんなに思いが強くても、時間が過ぎればそれも消えていく。
幽霊を作ってる大きな要素の一つが欠けた瞬間、その幽霊は消えるの。
大昔の幽霊が残っていないのは、これが原因だと私は思ってるわ」
なるほど。考えてみれば単純だ。
向こうの世界だって定員ってものがあるだろう。
自然の摂理として、許容量以上は受け入れない。いずれ消えていく。
「見える彼女」キタ━(゚∀゚)━(∀゚ )━(゚ )━( )━( )━( ゚)━( ゚∀)━(゚∀゚)━ !!
ってもしかして連続投稿に引っかかってる?
専ブラ再起動すれば大丈夫になること多いよ、続きかもーん!!
しきりに感心していると、ポツリ、と呟くように彼女が言った。
「もう一つ、原始人の幽霊を見ない、大きな理由があったわ」
彼女が真剣な目をしてる。
思わず唾を飲み込んだ。
周囲の雑音が少しずつ遠ざかる。
「もし、原始時代から何らかの理由で在り続けてる幽霊がいると仮定して――
そいつはもう人間の姿をしていない。それはもう『幽霊』とは呼ばない。
それほどの強い思いを抱いているなら、それはもう『神』の部類よ」
ゾクッとした。
彼女の口調、雰囲気、その他の全てが急に重みを増した。
それも一瞬。すぐに彼女は表情を緩める。
凍っていた空気が急に溶けたように、周囲から雑音が戻ってきた。
その後は、今までの会話はなかったかのように、バカバカしいやりとりを続ける。
これが、俺にとっては救いだ。
ようやく現実に戻ってこれたような、そんな感覚の中で、辺りを見渡してみる。
俺の視界の中には、昔の誰かが残した思いはないようだ。
やかましい学食の中は、今を生きている人達だけが動いていた。
以上「原始人を見ない理由」でしたw
>>255 お察しの通り、引っかかってたw
アドバイスthx
今度からそうすることにするよ。
>>257 乙でした^^ 私もよくやりましたからw
相変わらず上手いですねー 毎回楽しみにしています。
投下したばかりでなんですが、次も期待していますよb
ほんのりから誘導されてしまった…。せっかくだからほんのりに投稿したのに関することを。
実は私は「笑いが込み上げてきて精神と行動が自分で操作できなくなる」こと、
つまり錯乱か狂乱することはアレが初めてではなかったりします。
ていうか小学生の頃は高熱出したら悪夢とセットで毎回でした。
んで、その悪夢ってのが話はいつも違うんだけど結局は「大きな力で消される自分の存在」
まぁ、小学生だし高熱だしで弱ってるからそんな夢見たり錯乱するんだろうなぁ、と思ってたんだけれど
ほんのり35の805-809の事件が。流石にヤバイように思えてきた。明らかに乗っ取られてたし。
ていうか、さっき何も無かったのにいきなり錯乱しそうになった…。
いきなり耳鳴りがするように「キーーーン」と。…なんだろね。やばいのかもね。
でも錯乱してる時って割と気持ち良いんだよなぁ…。
…書いてみると、割と洒落にならん、なぁ。
260 :
本当にあった怖い名無し:2006/12/14(木) 20:04:53 ID:dZmF1eaTO
『プラシーボ:錯覚や思い込みによって色々な効果が引き起こされる現象。
自己催眠や自己暗示として使われるが、その一方で「熱した鏝を押し付けると宣言した後、被験者に目隠しをした上で常温の鏝を押し付けると、被験者は熱がった上鏝の形に火傷した」という結果も出ている』
「…いきなりそんな文献を教えて何のつもりだ?」
「あの○○ってしつこい奴いたでしょう?
私ね、アイツの事プラシーボで殺してやったわ♪」
「え……?!」
「アイツが飲んでるお茶に胡椒を入れて、それを毒だと嘘吐いてね…
アイツったら口から泡を吹いて苦しんでいたわ☆」
「そ、そんな事…それで殺せる訳なんか!」「勿論、解毒剤寄越せって言われたわ。
だから解毒剤と偽って青酸カリ飲ませてあげたの」
「く…狂ってる…捕まるぞ」
「あら、私もそこは考えてるわ。
青酸カリは研究室の戸棚にあるから学内の教授や研究生なら自由に持ち出せる。
アイツに飲ませる為に少量入れた小瓶だって私の指紋が付かない様に気を付けたからアイツの指紋だけ。
おまけに、研究の事で悩んでいたからそれを苦にしての自殺だと思われるし…他殺と分かってもアイツに恨みがある人なんて沢山いるから分かりっこ無いわよ☆」
「………」
261 :
続き:2006/12/14(木) 20:10:58 ID:dZmF1eaTO
「だから、貴方さえ黙ってくれれば…ね♪」
「…あの…さ、」
「なぁに?」
「俺、ここに来る途中で研究室寄って…其処でアイツが口から血を吐いて苦しんでいるの見たんだ。
今から救急車呼んでも間に合わないのは分かってる。
だから…とんでも無い事をやっちまったんだ」
「何よ?」
「スティックシュガーあるだろ?あれを復活出来る薬だって偽って飲ませたんだ。
飲んだ後事切れたけど…プラシーボって本当に効くんだな」
「え……?!」
ズル…ペタ…
262 :
本当にあった怖い名無し:2006/12/15(金) 17:10:54 ID:Mxe+cXoSO
熱したウナギってよんじった。
コテって書けばよかったのに。
あっ後、イマイチでした。
次回は頑張れ!
263 :
260:2006/12/15(金) 20:01:36 ID:6e9fReI5O
>>261 自分でも鰻と間違えました;
やっぱコテって書いた方がよかった…orz
江戸川乱歩の「断崖」に感銘を受けて書いた奴です。
セリフのみの展開は凄かったので…
練習してリベンジします。
保守がてら昔のことを思い出したので。
小学生の頃、皆誰しもやったことがあると思われる、“花子さん”。
その類のことが書かれた本によっては、ノックするトイレは2番目だとか4番目だとか様々であるが、
とにかくトイレの戸を叩き、「花子さ〜ん」と言うことは共通している。
小学校に入学したての私たちは、図書室からその手の本を持ち出し、女子はもちろん、
男子までもが女子トイレに集まった。
手前のトイレから順々に、全ての戸を叩いて「花子さ〜ん」と名前を呼んだ。
興味半分、恐怖半分で、皆はトイレの戸を叩いたり開けたりしているが、もちろん花子さんは現れない。
じゃあ次は1階のトイレに行ってみよう、そういえば1階には理科室があったね等、探検気分で
校舎内を歩き回った。
そうしてたどり着いた1階のトイレは2階のそれとは違い、薄暗く、そしてひんやりとしていた。
向かいにある理科室と準備室のおかげで、恐怖感はより一層増してきた。
それでも私たちは男子を先頭に、1階の女子トイレへと乗り込んだ。
コンコンコン、「花子さ〜ん」
声が響き、そして沈黙が訪れる前に、戸を思い切り開けた男子が
「わああぁぁあぁぁぁ!!!」
と大声を上げて走り去っていった。
当然、他の生徒たちもつられて悲鳴を上げながら、すたこらさっさと逃げていった。
この戸を開けた男子生徒、もちろん花子さんが現れたから声を上げたわけではない。これは私の
推測だが、耐え切れない恐怖を抑えつつ戸を開いたのだから、いもしない何かを見たのかも
しれないし、何もいなくてホッとした反面、これでは面白くないとわざと大声を上げて皆を
驚かしたのかもしれない。
当時の自分の思考がそこまでたどり着いたのかどうかは知らないが、一人その場に残っていたのは
確かだ。そして、自分の背後――理科準備室の方へ目をやったのもよく覚えている。
準備室につけられた戸のガラスだけ、すりガラスになっていて中の様子はよく見えなかった。
ただ、そのすりガラス越しに白い人影が見えた。こっちに向かってきているのか、ユラユラ動く
その白い人影。
多分、私はそこで怖くなったのだろう、影の正体を見破ることもなく、教室に逃げ帰っていた。
アレが噂の準備室の骸骨なのか、他の幽霊なのか、今となっては知る由もない。
ここ良スレなんじゃねぇアゲ
266 :
本当にあった怖い名無し:2006/12/21(木) 10:08:09 ID:C6eYfWuCO
>>265のシュールなオカルト話しに感服したアゲ
267 :
天の川 創:2006/12/21(木) 12:09:44 ID:DCMd3/1k0
667絶縁
268 :
本当にあった怖い名無し:2006/12/21(木) 15:47:25 ID:Mrj6207bO
667の素晴らしい返しに期待アゲ
ぼくばかだから
>>261がよくわかんない
何でスティックシュガーがとんでもないことなの?
血を吐いて苦しんでた人って青酸カリ飲まされた人?
270 :
本当にあった怖い名無し:2006/12/21(木) 16:54:53 ID:G0Sjx5MRO
>>269 スティックシュガーで生き返ったんじゃね?
271 :
本当にあった怖い名無し:2006/12/21(木) 17:33:51 ID:MyZR3iZKO
私の家ははっきり言って出る。
しかし私には霊感が人並みにしかないので、母と姉から幽霊の話を聞かされる。
例えば最近玄関付近を白い女がうろついてるとか‥‥。
私の家の作りは居間から玄関がよく見えるようにできているので目につくらしい。
家に入ろうとはしているのだが入れずいつまでもうろついている。
母いわく嫌な女だ、と言っていたのできっとよくないものなんだと認識していた。
そんな事を聞いた数日後、風呂から出た私に母は言った。
「Nにあの女ついてった」
「‥‥はぁ?」
Nとは私の姉だ。
話を聞くと姉が友人と焼肉を食べにいくと出て行った時、姉の肩にふわりとその女がかぶさったのだという。
数分後姉の携帯から電話があり「‥‥なんか怖い」と。
母は笑顔で「あー、なんか耳鳴りするから切るね」と薄情にも電話を切った。
しかしまた姉から電話があったので今度は私が出た。
「あ、A?よかったー」
姉のお気楽な声が聞こえ、私は母が言っていた例の女の事を伝えようとした時だ。
うめき声が聞こえた。
それも一人や二人ではなくかなりの数のだ。
途端怖くなった私は電話を切った。
しかし電話を切った後も恐怖の余韻が残り、涙がぼろぼろでた。
母がこれは少しやばいだろ、と姉に電話をした。
姉はどうやらすでに自分のおかれた立場がやばいと感づいているらしかった。
272 :
本当にあった怖い名無し:2006/12/21(木) 17:36:00 ID:MyZR3iZKO
姉は素直に帰ってきた。
母は姉に塩をかけ、とりあえず玄関の戸をしっかりと閉めた。
それからしばらくして、焼肉を予定していた姉の友人であるOさんと兄のMが姉の様子がおかしいと家にきてくれた。
「Nから電話がかかっつきてしばらく話してたんだけど、
なんか鐘を鳴らすような音がして変だった。」
話を聞きながらお茶を出して、まぁ、もう大丈夫かなと思っていると
ガリッ、ガリッ
と外壁を爪で引っ掻くような音が四方八方から聞こえる。
姉が窓を開けようとするのを制し、御利益を祈って線香をたいた。
そのまま朝までしりとりをして過ごした。
もう怖かった。
久しぶりに心臓が止まるかと思った。
文章にしてしまうと怖さは減りますが、本当に怖かった。
長文スマソ
273 :
261:2006/12/21(木) 18:29:18 ID:18nDJh53O
>>269-270 別にスティックシュガーじゃ無くても良かったんです。
「トンデモナイ事」とは「死にかけの人にプラシーボ効果を試した事」で…その結果、死んだ筈の人が生き返ってしまった事に気付いたんです。
最後の擬音が生き返った人の歩く音…彼等の方に向かって来ています。
>>271-272 グッジョブです。
雰囲気出てる…
K君の話。
彼はよく不思議なものを見る体質にも拘らず、幽霊を信じていない。
「例えば幻覚だったり、白昼夢だったり、幽霊ってのは合理的な解釈ができるはず」
怖い話を聞こうとする僕に対して、彼は口癖のように、そう言っている。
以前にK君が体験したこと聞こうとする僕に対して、
彼はいつものように、前述の前置きをして、こんな話をしてくれた。
「夏休み、実家に帰っているときにな、どうしても煙草が吸いたくなってさ。
で、近くのコンビニまで行ったんだ。
まぁ、近くって行っても、ど田舎だから、歩いて十分くらいかかるんだけど。
煙草を買って、またテクテクと来た道を戻ったわけよ。
曇ってたのか、月が出てなかったのかは覚えてないけど、やたら暗かったな。
でさ、時々、街頭の光とかで自分の影が二つになったりするだろ。
暇だったから、それをボーっと眺めながら歩いてたんだ。
で、その影を見てみたら、なんか違和感あるのよ。
時計で言うと、十一時五分の針の場所に影が二つあったから、ちょっと止まって、見比べてみ
たんだ。
驚いたよ。本気で叫びそうになった。影の髪型が左と右で違ったんだ。
右の影は、俺と同じなんだけど、左の方は、明らかに髪が長いのさ。
多分、セミロングだったと思う。歩くたびに、ふわっと左右に揺れるのが見えるのよ。
これはやばい、と思って、そっから走ってね。慌てて家まで帰った。
自分の家の玄関が見えたときは、心底ホッとしたよ。
でも、玄関の鍵を開けようとして、今度は叫んだ。我慢できなかった。
俺の後ろから玄関のポーチライトが照らしていて、影が一つできてるんだ。
でも、あの影はおかしかった。
影ってのは、光源に近付けば近付くほど大きくなるもんだろ。
だったら、鍵を開けようとして扉の前に立ってる俺の影は、
実際の俺より大きくなることはないんだ。
あの時出来ていた影は、玄関の扉全体を覆うくらい大きかったよ。
つまり、影の主は、俺より玄関のポーチライトに近い位置、
俺の後ろ斜め上にいなきゃ、あんな影はできないんだ。
影の髪型を確認する勇気はなかったよ。でも、きっと、セミロングなんだろうな」
話しを終えた彼に、それは何だったんだと思う、と聞いてみた。
多分、幻覚か見間違えじゃないの、という答えが返ってきた。
これくらいのことで、K君は合理主義を覆す気はないらしい。
随分無理をしている気もするが。
277 :
本当にあった怖い名無し:2006/12/25(月) 21:23:42 ID:105Fj9560
保守アゲ
278 :
本当にあった怖い名無し:2006/12/28(木) 09:04:33 ID:9jiq3Xq6O
アゲますよ
279 :
本当にあった怖い名無し:2006/12/31(日) 02:15:47 ID:LGh00kTaO
>>272 しりとりで結界を張るとは古い護法を知っておいでですね。
お宅は霊感の強い家系なのですか?
280 :
本当にあった怖い名無し:2006/12/31(日) 02:28:34 ID:2rd3B5wWO
281 :
N:2007/01/03(水) 19:49:20 ID:9Qb3zDOLO
あけましておめでたい。
今年も怖い話期待してます。
>>275 Kくんすごい
282 :
本当にあった怖い名無し:2007/01/04(木) 00:03:02 ID:UW8zKmMY0
『怪音』
本日、大便をした。
どうも食べすぎでガスが溜まっているらしく、パンツを脱ぐと同時に
きばると「スフレ」と音がした。
それは音声に近かった。
大便は出ず、放屁のみに終わったのだが、わたくしは確かに聞いた。
「スフレ」
肛門が声帯の役割を果たしたのだろう。
さすがに「レ」の部分は微妙だったが、「スフ」までは確かに
人の声であった。
比較的やせ型の、30代前半の男性。
性格は温厚で、人当たりもいいが、しっかりと自分を持っていて
人前で自分の意見はしっかりと言う……そんなタイプだと思う。
この、わたくしの肛門から発せられた「スフレ」という声。
これはもう、人格が形成されていると判断し、見えざる声の主に
三田 信弘という名前をつけた。
条件さえ揃えば、、三田君は再びその美声を聞かせてくれると思う。
283 :
本当にあった怖い名無し:2007/01/04(木) 00:43:55 ID:AhkMyXg/O
オカ板住民=オナラと思われたくない。
オカ板住民として恥ずかしい。。
時々、仰向けで寝ると、寝しなにお腹のあたりをギューっと押されるような苦しい感じがする時があります。
半分眠ってるので、しばらくは動けない息もできないで、とても怖いです。無理矢理起きて横向きになるとおさまりますが、これは何なのでしょうか?
俺には幸せな家庭があった。
子供が3人。10歳の長女と8歳の長男そして生まれたばかりの次男。
次男は産まれてから一年近くたとうとするが泣き声以外に喋るということがなかった。
それがある日一言だけ喋った。
「ママ」
家族一同大喜びだった。
しかし、次の日、俺の嫁は他界した。交通事故だった。
それから2ヶ月後、また喋った。
「お兄ちゃん」
妻が亡くなって以来、暗い雰囲気だった俺の家庭に笑顔が戻った。
しかし、次の日、長男が他界した。突然の高熱から、あっという間に死んでしまった。
それから3ヶ月ほどして、次男がまた喋った。
「お姉ちゃん」
その声を聞いて、長女はひきつった顔をした。次男に名前を呼ばれた二人は、次の日に突然他界している。
長女も偶然だろうと言っていたがさすがに気味が悪いようだ。
次の日、長女が他界した。階段から足を滑らし、首の骨を骨折、病院に着いた時にはすでに死んでいた。
次は俺の番か・・・?いや、そんなはずはない。ただの偶然だと思い込むようにしていた。
次男との二人暮しになってから1ヶ月後、また喋った。
「パパ」
俺は怖くなり布団に潜り込んだ。布団を被ってひたすらじっとしていた。
死にたくない、そうずっとブツブツ呟きながら。
2日後、俺は布団から出た。俺は死ななかった。やはりただの偶然、自分の息子をまるで死神のように怖がった自分を恥じた。
次男のおむつがきれていることに気付いた俺は、近所のスーパーに買い物に出かけた。
その途中、隣の家の奥さんに出会った。ひどく落ち込んでいるのでどうしたのかとたずねた。
「実は昨日、うちの主人が突然亡くなって・・・」
>>286 どっかで見たんだが。
テンプレ理解してる?
「人から聞いた・TVで見た・他所からのコピペ等は禁止です」
289 :
286:2007/01/05(金) 04:20:45 ID:1BU5Ei1b0
ごめん、洒落こわにもここにも俺が書いた。
細かいとこが結構違うのは正直細かく憶えてないから!
ごめんよ;;洒落こわのまとめサイトで話として扱われてなかったもんで・・・;;
一生ロムっときます;;お邪魔しました
>>289 ホントだ。無いな・・・。
何でだ? 別館あたりで聞いてみたら?
291 :
286:2007/01/06(土) 02:57:10 ID:1s5CdeQj0
管理人が不必要だと思ったから
とか返事がきたらへこむのでやめときます;;
僕の話。
バイト先の休憩室には、デパート内のテナントが共有して使っているため、大抵いつも二、三人の人がいる。
でも、今日は違った。
僕が休憩室に入った時、いつも点いているはずの電気が消されていた。
珍しいこともあるもんだ、と思いながら、電気を点ける。
人工的な光に照らされた休憩室の隅に、人がいた。
いや、『人らしきもの』がいた。
それは巨大なナナフシに似ていた。
それは、まるで小枝のように細い体躯で、小刻みに蠢いている。
目を凝らして見ると、頭と手足らしき場所が分かった。
そこも少し膨らんでいる程度で、身体の部分との差異はほとんど分からない。
俯いて、何かを探しているように見えた。
僕は入り口の所で固まったまま、それを見つめていた。
五分だったのか、十分だったのかは分からない。
背後の扉が音を立てて開き、僕は飛び上がらんばかりに驚いて振り向いた。
入ってきたパートのおばちゃんが訝しそうに僕を見て、席に座る。
我に返って、視線を部屋の隅に戻したが、そこには何もいなかった。
見間違いか、白昼夢か、そういうものが本当にいたのか、それは分からない。
ただ、これを書き始める数分前に、僕はそういうものを見た。
293 :
本当にあった怖い名無し:
あげ